メディア・リテラシー
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情報社会を生きぬく力
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国広陽子さん 「メディアとジェンダー」
推薦本リスト 2013 年 10 月 書名 著・編者名 出版社 出版年 分類 1 新編日本のフェミニズム7 表現とメディア 井上輝子 解説 岩波書店 2009 A23シ 2 メディアとジェンダー 国広陽子 勁草書房 2012 A22メ 3 メジャー・シェア・ケアのメディア・コミ ュニケーション論 小玉美意子 学文社 2012 E16メ 4 メディアリテラシーとジェンダー 構成された情報とつくられる性のイメージ 諸橋泰樹 現代書館 2009 E16メ 5 ジェンダー白書3 女性とメディア 北九州市立男女共同参画 センター・ムーブ 明石書店 2005 E16ジ 6 〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム 林香里 岩波書店 2011 E16オ 7 〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男 中村桃子 日本放送出版協会 2007 D221セ 8 象徴としての女性像 若桑みどり 筑摩書房 2000 D2111シ 9 戦争がつくる女性像 若桑みどり 筑摩書房 1995 A33セ 10 写真でみる女性と戦争 ブレンダ・ラルフ・ルイス 原書房 2013 A33シ 11 ガーダ 女たちのパレスチナ 古居みずえ 岩波書店 2006 A312ガ 12 出版女性史 池田恵美子 世界思想社 2001 E144シ 13 放送ウーマンのいま 日本女性放送者懇談会 ドメス出版 2011 E162ホ 14 〈主婦〉の誕生 木村涼子 吉川弘文館 2010 B18シ 15 〈進歩的主婦〉を生きる 中尾香 作品社 2009 E161シ 16 歴史教育とジェンダー 教科書からサブカルチャーまで 長野ひろ子 姫岡とし子 青弓社 2011 A3738レ 17 メディア文化とジェンダーの政治学 田中東子 世界思想社 2012 A23メ 18 ジェンダー白書8 ポップカルチャーとジェンダー 北九州市立男女共同参画 センター・ムーブ 明石書店 2012 A21ジ 19 ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア アリスン・ピープマイヤー 太田出版 2011 A23ガ 20 女性映画がおもしろい 2012年版 小藤田千栄子 他 パド・ウィメンズ・オフィス 2012 D214ジ選者プロフィール
国広陽子(くにひろ ようこ)
1948 年東京生まれ。東京女子大学現代教養学部教授。女性学/ジェンダー 研究。 慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK に入局、教育、芸能番組のディレクタ ーを務める。退職後、慶應義塾大学大学院にて博士(社会学)学位取得。武 蔵大学教授を経て現職。女性たちの政治参加や社会的活動、メディアとジェ ンダーについての研究が多い。著書に『主婦とジェンダー』(尚学社)、『地域 社会における女性と政治』(共著、東海大学出版会)、『テレビという記憶』(共 著、勁草書房)等。国広陽子さんからの推薦図書メッセージ
メディアとは、もともと「中間(あいだに入る)」「媒介する作用や実体」という意味のラテン語に由来します。20 世紀の本格的な消費社会で、新聞、雑誌、ラジオなどを「マス・メディア」と捉え、次第に一般化しました。電子 メディアが発達し、SNS など、よりパーソナルなメディアの利用が増えた現在では「メディア」はマス・メディアに 限定されず幅広いものと捉えられるようになっています。若い世代では受け身の視聴に留まらない、自前の発 信も増え、主流メディアだけでない、小さなメディアの重要性も注目されます。さらに、人間が自分の考えや意 志を表現するときに用いる「なにか」をメディアだと考えると、声や身体、ことばもメディアということになり、メデ ィアとして考える範囲がずっと広がります。 「フェミニズムの第二の波」で女性たちがまず問題にしていったのが、女性雑誌や新聞、テレビといったマス・ メディアの女性表現だったのは、そうした影響力の強いメディアが女性をもっぱら男性目線で描き、性差別を 解消するのではなく、維持し助長していると捉えたからです。その後、女性のメディア表現の評価、「受け身」の 読者や視聴者に留まらない女性たちの実践の捉え直しも進みました。 紹介する1−5は、そうしたメディア状況の変化をジェンダーの視点から捉えるためのアンソロジーや概説です。 6では従来のジャーナリズムのあり方を「ケアの倫理」から根本的に見直すことが提起されます。描かれた女 性像の分析はジェンダーの視点からメディアを読み解く際の沢山の手掛かりを与えてくれます。「送り手」とし ての女性の経験を知るための本が12・13。さらに読者としての女性がメディアを介してどのように自らのジェ ンダー・アイデンティティを構築したかを辿る14・15、教科書やマンガなどを取り上げた16。 17−19はより新しい動向を捉えるための本です。「フェミニズムの第二の波」の成果を土台にした次世代以 降の女性たちがメディアに(で)、どのような世界をつくっていくのでしょうか。最後20に、本だけでなく、映画も 楽しんでいただくために、ガイドとなる本をご紹介します。1、新編日本のフェミニズム7 表現とメディア
井上輝子 解説
(岩波書店) 2009年
メディアが描く女性像は、その時代のその社会が期待する「あるべき」「あるはずの」女性像を提示し ます。一方、メディアの送り手たちは、常に現実の女性たちの動向に敏感に対応せざるをえない状 況にもあります。規範として期待される女性像と、女性自身の現実や希望とが、妥協したり、拮抗き っ こ うし たりする中、両者の綱引きの場として、メディアは存在すると言います。雑誌やドラマなどの女性表 現を分析しながら、日本のメディアと女性文化に関して、フェミニズムの視点からの論考を収録しま した。2、メディアとジェンダー
国広陽子・東京女子大学女性学研究所 編
(勁草書房) 2012年
私たちの日常は、さまざまなメディアを介したコミュニケーションの積み重ねと言っても過言ではあり ません。そしてコミュニケーションとジェンダーは常に密接で深い関係にあります。本書はメディアに おけるジェンダーについてわかりやすく、かつ専門的な視点から説明したものです。コミュニケーショ ンとジェンダーの関係、なかでもメディアにおけるジェンダー・ステレオタイプを批判的に検討し、ジェ ンダー意識の変容を起こすメディアの可能性、そこで女性が発揮する力を描き出します。3、メジャー・シェア・ケアのメディア・コミュニケーション論
小玉美意子 著
(学文社) 2012年
メディアによるコミュニケーションを情報の性質から組み立て直すと、情報の本質が見えてくると言い ます。すなわち、メジャー(主流の人々が生産する情報)、シェア(さまざまな人々による少数意見で、 主流に対抗もしくは補完しながら人々が分け合う情報)、ケア(体験共有者や理解者による、人に寄 り添い共感する情報)の3つです。本書は、そのような考え方を前提に、東日本大震災、ジェンダー とメディアとの問題、メディア・リテラシーについて考察します。4、メディアリテラシーとジェンダー
諸橋泰樹 著
構成された情報とつくられる性のイメージ (現代書館) 2009年
テレビ、新聞、雑誌などのメディアをジェンダーの視点で具体的かつ批判的に読み解きます。メデ ィアに登場する何気ない女性像・男性像も「構成されたもの」であることを認識しておくことが重要 であると著者は言います。私たちはメディアが提示するつくられた性のイメージに縛られることなく、 メディアを読み解く力をつける必要があります。メディアにおける表現の自由と個人の自由の併存 の可能性を探ります。5、ジェンダー白書 3 女性とメディア
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ 編
(明石書店) 2005年
情報通信技術の急速なグローバル化の中で、メディアが発信する情報を私たちはいかに読み解き、 活用し、また、自ら発信していくべきなのでしょうか。メディア研究で活躍する執筆陣が、テレビ、新聞、 雑誌、アニメ、歌謡曲、インターネットなどのメディアをジェンダーの視点で分析し、ジェンダーバイア スなど様々な問題を浮かび上がらせます。それを踏まえて、メディアの可能性にも論を進めます。6、〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム
林香里 著
ケアの倫理とともに (岩波書店) 2011年
インターネット上のさまざまなツールを使っての情報交流が活発化する一方、マスメディア・ジャーナ リズムの衰退は顕著だと言います。<オンナ・コドモ>とは、排除され不可視化されがちな女性、子 ども、高齢者、貧困層、障害者、外国人などの隠喩い ん ゆです。その視点に立って、自由、正義、公正中立、 公共性といった価値の限界を補うケアの倫理を重視し、メディア社会を再生、活性化するための方 法を探ります。7、〈性〉と日本語
中村桃子 著
ことばがつくる女と男 (NHK出版) 2007年
「おれ」「わたし」「ぼく」「うち」など自分を表現する自称詞から「~だぜ」「~だわ」の文末詞まで、日本 語には性が刻まれていると言います。ファッション誌のコピーや翻訳小説の文体、漫画などにも、性 の刻印が時代変化に即して成されていることを明らかにし、「日本語の乱れ」と称される“ずれた言 語行為”の中に、多様な自分らしさを表現する創造的な日本語を探ります。<性>と日本語の深くて 不思議な関係をお楽しみください。8、象徴としての女性像
若桑みどり 著
ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象 (筑摩書房) 2000年
長年、「人間の歴史」と呼ばれていたものは「男性の歴史」であり、「人類の美術」と呼ばれてい たものは「男性の美術史」にすぎなかったと著者は言います。国家の象徴、 禍わざわいをもたらす者、 男を滅ぼす悪者…男性の美術の中で、女性はどのように捉えられ、表象されてきたのでしょう か。大地母神、パンドラ、ルクレティアなどを例にとり、美術史上の女性像の成立と受容をたど り、ダイナミックな変遷を明らかにするジェンダー視点の美術論です。9、戦争がつくる女性像
若桑みどり 著
(筑摩書房) 1995年
第二次世界大戦の戦時中の女性像とはどのようなものであったのでしょうか。戦時体制下で 作り出された「あるべき」女性像へと女性たちを動員するために、国家・メディアはどのような プロパガンダを展開したのか。『主婦之友』をはじめとする婦人雑誌の表紙や口絵を徹底的 に検証し、マスメディアと芸術が作った「戦時文化」のイメージが女性をどのように戦争へと誘 導していったのかを解き明かします。10、写真でみる女性と戦争
ブレンダ・ラルフ・ルイス 著
(原書房) 2013年
「女性の居場所は家庭である」という意見が一般的だった欧州においても、第二次世界大戦 が始まると、工場労働、婦人部隊、諜報ちょうほう部員、ジャーナリスト、エンターテイナーとして女性た ちを積極活用しようという国策がとられました。戦時下のアメリカやヨーロッパの国々は女性 に何を求めたのか。プロパガンダ用のポスター、当時の貴重なカラー写真を多数収録し、戦 争によって変貌する女性たちの生きかたを見つめます。11、ガーダ 女たちのパレスチナ
古居みずえ 著
(岩波書店) 2006年
パレスチナ関連のニュースから流れてくる映像は、イスラエル軍との衝突場面、自爆攻撃の現 場、銃を持つハマスのデモなどばかり。日本のマスコミが作るパレスチナ像と、現実の情の深 い温かなパレスチナの人たちの姿が重なり合わないと著者は言います。ガーダという若い女 性を通して、難民キャンプでの生活を通して、祖母たちの年代の女性たちの話を通して、パレ スチナの人々の姿に迫るドキュメンタリーです。12、出版女性史
池田恵美子 編著
出版ジャーナリズムに生きる女性たち (世界思想社) 2001年
出版界で活躍する女性たちの「仕事」と「精神」の記録です。女性が日本のマスコミ界で記者、 編集者として活躍を始めてからほぼ 1 世紀。明治から現代まで、言論受難の時代、疾風怒濤ど と うの 時代の中で出版メディアを創造していった女性たち31人の記録です。報道写真家の笹本恒子 さん、『暮らしの手帖』社長兼発行人の大橋鎮子さん、ウィメンズブックストア代表の中西豊子さ んなどが名を連ねています。13、放送ウーマンのいま
日本女性放送者懇談会 編
厳しくて面白いこの世界 (ドメス出版) 2011年
日本女性放送者懇談会創立40周年を記念して行った、放送業界で活躍する女性トップラン ナーたちによる対談・鼎談ていだんを完全収録しました。職場で圧倒的多数を占める男性の価値観の 中で、女性であるための立場の弱さ、あるいは女性の視点に欠ける報道や番組づくりに対す る不満を山ほど味わいながら道を切り拓いてきた放送ウーマンたち。男性の目線だけでなく 女性の視点、価値観やあり方が当たり前に番組や経営に活かされることを願って、日々仕事 をしている女性たちの記録です。14、〈主婦〉の誕生
木村涼子 著
婦人雑誌と女性たちの近代 (吉川弘文館) 2010年
「主婦」というライフスタイルは伝統的なものではなく、「男は仕事、女は家庭」という性分業とと もに近代に成立したものだと言います。「主婦」はどのようにして女性の「第一の職業」として形 成され、女性たちに受容されていったのでしょうか。本書は『主婦之友』、『婦人公論』、『婦人 倶楽部』といった婦人雑誌の果たした役割に注目し、マスメディアというイデオロギー装置の機 能を読み解きます。15、〈進歩的主婦〉を生きる
中尾香 著
戦後『婦人公論』のエスノグラフィー (作品社) 2009年
1950年ごろから60年代にかけて、無名の女性たちが当時の社会状況やジェンダー秩序の なかで、どのように自分たちの<生>を構築していこうとしたのかを明らかにします。その切り 口として、社会的意識の高い層が主な読者であったと推測される、女性雑誌『婦人公論』とそ の読者たちに焦点を当てました。戦後女性たちは、理念としての「男女平等」と現実としての 「性別役割分業」という構造のせめぎあいのなかで、いかに自分をとらえていったのかを愛読 者と編集者たちへのインタビュー調査によって立体的に描き出します。16、歴史教育とジェンダー
長野ひろ子・姫岡とし子 編著
教科書からサブカルチャーまで (青弓社) 2011年
現在、日本でのジェンダー格差は、ほかの先進国に比べて格段に開いています。一体なぜこ のような状況になっているのか、格差解消の有効な手立ては何かを探るうえで、ジェンダー視 点からの歴史教育や歴史教科書の見直しが必要です。日本や欧米の歴史教科書や博物館の 展示方法、テレビ、ラジオ、マンガ、インターネット、歴史小説などのメディアも視野に入れ、ジェ ンダー視点をどのように歴史記述や教育に織り込むべきかを探ります。17、メディア文化とジェンダーの政治学
田中東子 著
第三波フェミニズムの視点から (世界思想社) 2012年
かわいいものを否定しないとフェミニストになれないのだろうか。かわいさと知性と異議申し立 てを融合させるために文章を書き続けてきたような気がすると著者は言います。1970年代以 降の女性解放運動(第二波フェミニズム)の成果を享受する一方、それが作り上げてきた強固 な女性イメージや生き方モデルに違和感を覚える女性たち。現代の女性たちが生きている生 のあり方について、特にメディア文化論やカルチュラル・スタディーズの視点から観察し、フェミ ニズムの現代的な意義と必要性について検討します。18、ジェンダー白書 8 ポップカルチャーとジェンダー
北九州市立男女共同参画センター・ムーブ 編
(明石書店) 2012年
日本のマンガ、アニメ、ゲーム、ポップスを総称するジャンルであるポップカルチャーは世界の 若者から熱い注目を集めていると言います。今や、ポップカルチャーは、インターネットや携帯 電話の普及に伴い、ブログ、ツイッター、ゲーム、音楽配信など多様化しています。多様化して 広がったポップカルチャーは、若者たちの生き方、価値観、考え方、ジェンダー観にどのような 影響を与えているのか、また、それらからどのように影響を受けているのかを読み解きます。19、ガール・ジン
アリスン・ピープマイヤー 著
「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア (太田出版) 2011年
携帯電話もインターネットも存在していなかった頃、自分の胸の奥にくすぶる思いがあったとき、 それをどう伝えるか。自分で紙に印刷し、ばらまけば、誰かに思いが届くかも。ジンという表現 手段は90年代前半にアメリカで大流行し、近年、さらなるメディア環境の変化を受け、再び、 見直されつつあると言います。多数の資料をもとに、少女や女性たちの参加型メディア「ガー ル・ジン」の歴史と活動を詳細につづった解説書です。20、女性映画がおもしろい 2012年版
小藤田千栄子 他 著
(パド・ウィメンズ・オフィス) 2012年
2011年日本の劇場で公開された女性監督作品63本を網羅した映画に詳しい7人の女性によ る女性映画評論誌です。話題の男性監督作品27本をも紹介します。それぞれの執筆陣が選 ぶ女性映画ベスト5、2011年公開の外国映画と日本映画の女性監督作品評、話題の男性監 督作品評などで構成されています。主催:フォーラム(男女共同参画センター横浜) フォーラム 横浜 検索