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左足を強く蹴り 血が出たこと ボールを当てられたことによるあざは 数か月間残ったことを主張している しかし 本委員会の聴き取りや学校側資料等によると 当該児童側から同主張がされたのは7 月中旬以降であると考えられ 日頃から頻繁に学校と連絡を取り合っていた当該児童の保護者が 同事実を1か月以上も学校に

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1 平成 30 年9月 18 日

いじめ防止対策推進法第 28 条第1項にかかる

重大事態の調査結果について(f小学校)

【公表版】

1 事案の概要 本件は、当時小学校3年生の女子児童(以下「当該児童」という。)が、4月頃か ら、同級生の児童4名からたたかれたり、暴言を吐かれたり、髪の毛を切るよう強要 される等のいじめを受けて不登校になったとの申立てに基づき調査を行ったもので ある。 学校は、当時、当該児童やその保護者から、女子児童との人間関係がうまくいって いない旨の相談を受け、児童同士での話合いをするなど対応したが、解決に至らなか った。また、同時期に発覚した男子児童らのいじめに対しても、学校は、関係する児 童への事実確認を行い、学校教育事務所も関わりながら対応を行っていたが、解決に は至らなかった。 当該児童が休みがちとなってからは、学校は、登校支援を行ってきたが、当該児童 は、その後転校するに至った。 ※事案発生年度は、当該児童保護者の意向により、掲載しないこととします。 2 調査組織 横浜市いじめ問題専門委員会(以下「本委員会」という。) 3 答申(調査結果) (1) いじめの事実について ア 人間関係のトラブル 4月頃から、当該児童とA(女子児童)がE(女子児童)を取り合うようにな り、女子児童3名の人間関係がうまくいかなくなった。当該児童は、Eと話して いるときにAが会話に入ってくることを嫌だと感じており、Aも同様に、Eと話 しているときに当該児童が会話に入ってくることを嫌だと感じていた。 しかし、Aが当該児童を排除しようとして、何らかの具体的行為を行ったこと は確認できなかったため、当該児童がAとEとの人間関係がうまくいかずに悩ん でいたことは認められるものの、法律上の「いじめ」の認定には至らなかった。 イ サッカーボールの件 当該児童側は、B(男子児童)が、5月、放課後、小学校の校庭において、故 意に至近距離からサッカーボールを蹴り、当該児童の右足に強く当て、さらに、

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2 左足を強く蹴り、血が出たこと、ボールを当てられたことによるあざは、数か月 間残ったことを主張している。 しかし、本委員会の聴き取りや学校側資料等によると、当該児童側から同主張 がされたのは7月中旬以降であると考えられ、日頃から頻繁に学校と連絡を取り 合っていた当該児童の保護者が、同事実を1か月以上も学校に伝えないとは考え にくい。 また、当該児童側が主張する日に、Bは放課後、学校に行っていないと述べて おり、資料等からもBが放課後学校に行ったとは確認できない。Bは、学校の聴 き取りに対し、当該児童が主張する日に当該児童にボールを当てたことはないが、 いつかははっきりしないが(Bの認識では2年生のとき)、サッカーをしていた ときにわざとではないがボールが当たってしまったことがあったと当該児童に 謝罪しており、Bが虚偽を述べているとまでは言えない。 以上から、当該児童側が主張する5月の事実は確認できす、法律上の「いじめ」 の認定には至らなかった。 ウ 暴言や暴力について C(男子児童)及びD(男子児童)が、当該児童に「バカ」等と言ったり、た たいたりした事実が確認でき、当該児童が苦痛を感じていたことが認められるた め、法律上の「いじめ」に該当する。 なお、当該児童側が主張するBの暴言や暴力については、Bは学校の聴き取り で否定しており、他の児童に行った聴き取り、その他、学校側資料や本委員会が 行った学校関係者への聴き取りでもBの具体的な行為は確認ができず、法律上の 「いじめ」の認定には至らなかった。 エ 髪の毛を切らされた件 6月、Dが、ハサミで自分の髪を切り、当該児童にも髪を切るよう言った。当 該児童は、Dに言われて仕方なく自分の髪の毛を切った。 当該児童はDの行為に苦痛を感じていたと認められるため、法律上の「いじめ」 に該当する。 オ 上履きの件 9月、下駄箱に置いてあった当該児童の上履きの中にゴキブリの死骸が入って いた。 当該児童側は、本事案の関係児童らのいずれかが入れた可能性が高い旨を訴え たため、本委員会で調査を行ったが、他の児童等が入れたことは確認できなかっ た。本委員会は、他の児童等が入れた可能性は十分あり得ると考えたものの、調 査において原因を特定することができず、「いじめ」以外の可能性を否定しきれ ないことから、法律上の「いじめ」の認定には至らなかった。

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3 なお、本委員会で事実認定ができなかった事案については、本委員会としてい じめがなかったことを認定したわけではなく、本委員会の調査においては、当該 児童の訴えを裏付ける有力な証拠がなく、事実として認定することが困難であっ たことを意味していることを付言する。 (2) 学校の対応について ア 児童への対応について (ア) 女子児童への対応について 学校は、5月末頃から、当該児童及びその保護者の意向に寄り添い、複数回 にわたり、当該児童、A及びEから事情を聴き取り、当該児童の悩みを真剣に 受け止め、女子児童3名が仲良くすることを目標に女子児童3名に対し、公平 な指導となるよう注意して対応を行った。 しかし、「公平」にとらわれた結果、当該児童に「自分の悩みを十分に受け 止めてもらえていない」と感じさせてしまったことは否定できないと思われる。 (イ) 男子児童への対応等について 女子児童3名の人間関係がその後の事柄に影響を与えたかどうかは不明だ が、当該児童は、女子児童3名の人間関係がうまくいっていないと担任に相談 をし始めたのとほぼ同じ頃から、B、C、Dが暴言を吐くことを訴え始めた。 6月以降は、学校全体が本件と関わっていくこととなるが、9月に発生した上 履きの件については、最終的にその原因を確認できなかった。これらのことか ら危惧されるのは、学級内は和気あいあいとした雰囲気であっただろうか、学 級内の児童全員が安心・安定した環境下で生活することができていただろうか ということである。 また、今回の件はほとんどが4月頃から6月頃にかけて発生していることか ら、学級がまだ集団として機能できていない時期の出来事であり、この時期の 集団作りの難しさを改めて感じさせる。 ただ、そうは言っても、実際に悩み、苦しんでいる児童がそこにいたことは 紛れもない事実であり、教職員はこのことを決して忘れず、一日も早く組織と して対応を考える必要があった。 イ 組織的対応について 本件では、個々の問題に対し、当初、学校は、担任に任せ、組織的な対応を行 うまでには至らなかった。6月以降、学校は、専任や管理職も含めて、事実確認 等の対応を行っていたが、当該児童及びその保護者のいじめの訴えについて深い ところまで理解することができず、当該児童及びその保護者に寄り添った対応が できていなかった。

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4 そのため、問題が解決しないまま事案が長期化し、当該児童及びその保護者ら の学校に対する不信感が増し、事態がますます複雑化した。 校長は、何度も当該児童の保護者らと面談を行っているが、他の職員が同席し ていない中、限られた情報を基に応対をしており、当該児童の保護者らの主張に 同意した後に、関係児童側の主張を認識し、対応を変更する等、かえって当該児 童の保護者らの不信感が増す原因を作ってしまった。 7月以降、学校教育事務所が本事案について指導し、事態は改善するかのよう にも思えたが、当該児童の保護者らの学校に対する不信感を拭い去ることはでき ず、解決には至らなかった。 ウ リスク管理について 本件では、校長が不在の時に問題が生じ、その後も校長と副校長が入れ違いと なる等により、速やかに管理職間で対応について十分に協議することができない ことがあった。 管理職が不在の際における、突発的な事案が生じた場合の体制について、事前 にしっかりと確認しておく必要がある。 (3) 教育委員会の対応について 7月の校長から学校教育事務所への報告以降は、学校に対する指導、支援を丁寧 に行うとともに、当該児童の保護者等からの電話、申入れなどにも、その都度対応 していたと言える。 しかし、当初、本事案の解決に向けては、校長の責任のもと学校と保護者で解決 することが望ましいとして、学校への指導や支援にとどまり、積極的な介入までは しなかった。 9月以降は、学校教育事務所が直接的に対応するようになったが、解決には至ら ず、当該児童はその後転校するに至っている。その間、当該児童側は、警察や医療 などの関係機関に相談し、解決を図ろうとしており、解決に向けては、学校とこれ らの関係機関との間にも具体的な連携が必要であったと考える。 (4) 今後の対応と再発防止について ア 学校は、小学校3・4年生における児童の心理について再度理解を深めること 小学校3年生から4年生頃の児童は、「個」から「集団」に移行する時期であ り、友人関係においてトラブルが生じやすい。 学校は、友人関係のトラブルを児童の当然の発達と捉えるだけでなく、個々の 発達にも目を配り、通り一遍の対応をせず、内面を含めて丁寧に聴き取る必要が ある。 学校は、こうした友人関係を巡る葛藤の解決が、すなわち児童の発達であると

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5 心得る必要がある。 イ 学校は、日頃から担任の学級経営を支援・指導すること 互いに思いやりがある温かい学級作りは、担任にとって最も大切な仕事であり、 その分、難しい部分も存在する。特に、小学校3年生から4年生頃の学級では、 表面的な指導だけでは児童の本音を把握することができず、結果、往々にして大 人が見えないところでトラブルが繰り返される。 学校は、このような学級経営を一担任だけの仕事とせず、学年もしくは学校管 理職が支援・監督・管理する体制を作ることが必要である。 ウ 学校は、日頃から校内の「学校いじめ防止対策委員会」を積極的に活用し、い じめ防止に対する意識を高めること いじめは、どのような時にも発生する可能性がある。小さなトラブルでも、う まく対処できなければ、いじめの芽となることもある。学校は、児童や保護者の 話を聞く際は、事柄の大小から判断することなく、真摯に耳を傾け、できるだけ 早い段階で進捗状況を報告し、最終的に結論をきちんと伝えることが大切である。 また、例え管理職であっても、個人的な判断だけで行動せず、日頃から校内の 学校いじめ防止対策委員会を積極的に活用し、情報共有を図るとともに、家庭に 対しても教職員に対しても、継続的にいじめ防止に関する意識を高める必要があ る。 エ 学校は、調査にかかる児童生徒からの聴き取り等の内容を記録し、保存するこ と 一般に、児童生徒の記憶や証言は揺れやすく、関係者の記憶も時間の経過とと もに薄れていくことから、事案発生後、速やかに聴き取りを行い、学校がその記 録を残しておくことは非常に重要である。 学校いじめ防止対策委員会での検討内容や児童生徒への聴き取り内容は、誰が 読んでも分かるように記録し、保存しておけば、調査等の根拠資料とすることが でき、支援等を行う際にも役立ち、関係部署や関係機関とも情報共有することが できる。 オ 学校・教育委員会は、専門の関係諸機関と連携を図り、具体的な支援を行うこ と 本事案は、学校、保護者、保護者の関係者、弁護士、医師、警察署、県警少年 相談保護センター、児童相談所など、児童を巡る様々な機関等が関わっている。 学校や教育委員会は、関係諸機関との連携において、情報共有にとどまらず、

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6 当該児童への具体的な支援を検討することが必要である。 カ 学校・教育委員会は、当該児童や保護者に対し、学校ができる教育支援を明示 すること 当該児童の支援に当たっては、学校だけでは対応できないこともあり、医療、 児童相談所等の専門機関や、教育委員会による外部専門家を積極的に活用し、当 該児童や関係児童への教育支援・方針を立案、調整し、当該児童や保護者に対し、 学校ができる支援内容を明示することが大切である。 また、学校が児童を適切に支援するためには、児童の状況を的確に把握する必 要があり、そのためには保護者との協力関係が不可欠である。学校は、児童の気 になることについて保護者と相互に連絡を取り合うなど、日頃のコミュニケーシ ョンを通じて保護者との信頼関係構築に努めていく必要がある。 キ 教育委員会は、早期に学校に積極的介入をすること いじめ問題は、当事者同士で、二次的な葛藤を生みやすく、当該児童と関係児 童との両者に早期介入することが必須である。教育委員会が事案の状況を把握し ながら、早期に積極的に関わり学校を支援していくことで、早期解決に繋がるも のである。 そのためには、状況に応じた運用方法が求められ、「いじめ問題」の程度や、 保護者と学校との関係の緊迫度等について、的確な把握が重要である。 ク 教育委員会は、校内の「学校いじめ防止対策委員会」を支援すること 教育委員会は、学校いじめ防止対策委員会の適正な運営のために、学校に対し て、役割や開催目的を明確化し、事実認定・支援策を検討することが、教職員の 負担とならないよう、各校の学校いじめ防止対策委員会の運用を支援・指導して いくことが必要である。 ケ 教育委員会は、事例を集積して学校に発信し、学校は、日頃の取組に活かすこ と 教育委員会は、日頃から、相談記録等を集積して経時的な把握や解析をし、各 学校に発信して、同様の事案が起きないように未然防止の取組を常に検討するこ とが必須である。 また、学校は、様々な事例を参考に、各校におけるいじめ防止対策の取組を再 点検し、日頃の取組に活かすことが必要である。

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