大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 二
大
日
経
の
教
主
に
就
て
四
金、 山 穆 詔 教 導 阿 闊 梨 の 教 主 義 寳 生 房 教 尋 は 畳 爵 上 人 の 頃 高 野 山 に 在 り し 密 宗 の 學 匠 で あ つ た。 上 人 高 野 山 に 上 り 教 尋 に 付 て 教 相 の 深 義 を 學 び、 大 傳 法 院 を 創 建 す る や 敢 尋 を 講 し て、 真 の 學 頭 と な せ し と 云 ふ。 そ の 尋 師 に 顯 密 問 答 抄 の 著 あ る も、 大 日 経 の 敢 主 義 の あ る こ と を 聞 か ぎ り し が、 大 正 藏 経 に 寳 生 房 敢 尋 の 眞 言 敷 主 問 答 抄 を 掲 載 せ り、 こ の 書 が 強 上 人 の 師 た り し 尋 師 の 撰 な ら ば、 重 視 す べ き 償 値 の 存 す る も の と 思 ふ。 今 そ の 教 主 義 を 見 る に、 學 者 の 説 廣 々 な り と て、 理 智 二 法 身 を 教 主 と な す 説、 及 び 加 持 身 を 教 主 と な す 説 を 學 げ、 後 に 白 義 を 述 べ て 曰 く、 大 日 経 の 教 主 に 兼 正 の 二 義 あ り、 正 し く は 自 性 本 地 身 を 教 主 乏 し、 兼 ね て は 加 持 身 を 激 主 と な す。 蓋 し 自 性 本 地 身 を 敢 主 と な す は、 高 魍 大 師 の 提 蜥 に 擦 る も の に し て 兼 ね て 加 持 身 を 教 主 と な す は 疏 家 の 繹 に 依 る も の で あ る。 初 め に 學 者 の 説 匠 々 な り と て 四 義 を 學 ぐ る よ り 見 る も、 當 時 已 に 敢 主 義 に 關 し 學 者 の 聞 に 多 く 論 議 せ ら れ た る 一 斑 を 推 知 せ ら る べ き も の が あ る。 今 そ の 所 説 の 要 を 記 せ ん に、 或 學 者 の 義 に は 所 加 持 四 種法 身 を 密 教 の 激 主 と な す、 帥 ち 能 加 持 無 相 本 地 法 身 の 位 に、 四 種 法 身 有 り と い へ ど も、 皆 本 有 性 海 の 果 徳、 唯 佛 輿 佛 の、 境 界 に し て、 自 受 法 樂 の 爲 め に 各 々 三 密 門 を 説 く、 し か る に 是 の 慮 は 十 地 等 畳 の 境 に あ ら ざ る か 故 に 説 法 利 生 の 義 な け れ ば、 更 に 所 加 持 四 種 法 身 に 住 し て、 此 の 内 謹 の 法 門 を 説 く。 蔀 ち 大 師 は 四 種 法 身 に 横 竪 の 二 義 を 具 す る こ と を 明 し 給 へ る が、 横 帥 自 利 は 能 加 持 四 種 法 身 に し ず、 説 法 な く、 竪 即 利 他 は 所 加 持 四 身 に し て 説 法 あ り、 し か し て 凡 機 戚 見 す る 所 の 爾 部 曼 茶 羅 は、 所 加 持 の 四 種 法 身 な ら ざ る は な き が 故 に、 眞 言 教 主 は 所 加 持 の 四 種 法 身 な り と 云 ふ。 ま た 或 學 者 は 自 性 受 用 即 ち 理 智 二 法 身 を 教 主 と な し、 或 學 者 は 所 加 持 自 受 用 身 激 主 の 義 を 立 す る あ り、 或 は 又 演 密 抄 等 の 如 く 他 受 用 身 を 教 主 と な す 説 等 あ り と て 學 者 の 諸 説 を 墨 げ 已 つ て、 眞 言 密 敏 の 敷 主 に 正 兼 の 二 義 あ る 自 説 を 述 べ て 日 く、 正 し く は 薄 伽 梵 摩 誕 毘 盧 遮 那 本 地 無 相 法 身、 郎 ち 自 性 法 身 を 以 て 眞 言 密 激 の 教 主 と な す。 し か し て 此 位 に 四 種 法 身 あ り と い へ ど も、 悉 く 是 れ 本 地 身 な り、 此 の 如 く 自 牲 本 地 身 を 以 て 眞 言 の 教 主 と な す は、 こ れ 二 教 論 等 の 大 師 慮 々 の 繹 文 に 依 る も の で あ る。 帥 ち 大 師 の 敷 義 に 依 て、 密 教 の 教 主 は 正 し く は 自 性 本 地 身 な る べ し と の 義 を 成 じ、 し か も 大 日 経 疏 の 繹 文 に 所 加 持 身 を 敷 主 と な す 義 の 存 す る よ り、 兼 ね て 所 加 持 身 教 主 の 義 を 成 ぜ る も の で あ る。 し か し て こ の 所 加 持 身 に 四 身 あ る も、 本 地 身 に 封 せ ば、 こ れ 利 他 の 身 な る が 故 に、 他 受 用 身 と も 應 化 身 之 も 云 ふ べ き で あ る。 ま た 能 加 持 身 に 慨 種 の 身 あ る も、 一 大 法 身 の 佛 徳 に し て 自 受 法 樂 の 故 に、 所 加 持 身 に 封 せ ば 自 性 身 と も 惰 受 用 身 と も 名 大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 三
大 口 経 の 教 主 に 就 て 一 四 く べ き で あ る。 ま た こ の 能 加 持 身 に 自 利 利 他 の 二 徳 あ り と い へ ど も、 自 他 能 所 の 相 を 離 る、 が 故 に 無 相 法 身 と 云 ふ。 此 の 如 く 大 師 の 繹 よ り い へ ば 正 し く は 自 性 本 地 身 こ れ 密 教 の 教 主 な る も、 疏 家 の 鐸 文 よ り 観 れ ば 所 加 持 身 教 主 の 義 も 存 す と な す も の で あ る。 但 し 本 地 身 を 数 主 と な す 高 祀 の 鐸 に も 加 持 身 の 義 を 含 み、 加 持 身 を 教 主 と な す 疏 の 繹 に も 本 地 身 教 主 の 義 存 す と な す。 此 の 如 く 眞 言 教 主 に 本 地 法 身 と 加 持 身 と 存 し、 而 も 此 の 二 身 共 に 甥 機 説 法 の 義 あ り と な す。 帥 ち 本 地 法 身 説 法 の 義 は、 諸 家 多 く 疑 難 を 附 し、 寧 ろ 本 地 法 身 の 無 説 法 を 唱 ふ る も、 こ は 真 の 深 義 を 了 せ ざ る に 依 る も の な る こ と を 繹 し 本 地 法 身 に 不 思 議 紳 憂 力 あ る と 共 に、 心 王 頓 大 の 機 根 は 法 身 を 戚 見 し、 本 地 法 身 の 説 法 を 聴 聞 す べ き こ と を 明 す。 問。 能 加 持 所 加 持 倶 可 レ有 工封 機 説 法 之 義 一耶。 答。 可 レ有 也。 若 有 昌心 王 頓 大 機 一。 爲 レ可 レ戚 見 法 身 之 本 質 妙 膿。 不 レ現 昌加 持 影 像 身 一。 直 以 二本 地 身 一可 レ説 二 三 李 等 法 一也。 若 眞 言 機 中 滞 二能 所 相 一。 術 障 昌本 地 無 相 之 境 界 一。 頓 大 機 未 レ熟、 直 難 レ戚 二能 加 持 之 佛 身 一。 故 自 性 法 身 更 住 ニ加 持 受 用 身 一。 從 二不 二 佛 禮 ー樂 二種 種 所 喜 見 身 一。 從 昌 一 卒 等 法 現 一無 盤 荘 嚴 一。 途 令 レ悟 ニ入 本 地 境 界 一也。 問。 所 加 持 身 説 法 利 生 義 非 レ所 レ疑。 今 能 加 持 本 地 身。 郵 機 説 法 義 實 以 難 思。 所 所 繹 文 中 所 ニ未 見 一也。 答。 凡 成 立 義。 事 必 立 レ理。 引 謹 遮 レ難 也。 先 立 レ理 者。 道 理 錐 レ多 且 出 二 一 隅 一。 一 者 衆 生 機 根 萬 差。 法 門
義 理 無 窮 也 。 輪 圓 具 足 教 中。 何 無 庇 深 義 一乎。 就 レ中 眞 言 機 中 亦 有 二無 量 不 同 一。 (中 略 ) 豊 有 二心 王 頓 大 機 一直 不 レ見 ニ聞 本 地 法 身 一乎。 又 自 受 用 身 可 レ許 二封 機 説 法 義 一耶。 若 許 レ之 者 本 地 身 亦 可 レ有 二説 法 利 生 之 義 一 也。 夫 自 受 用 身 者 周 遍 法 界 色 芽。 唯 佛 輿 佛 境 界 也。 非 二十 地 等 豊 之 境 一。 何 況 生 死 人 乎。 是 顯 密 所 判 諸 宗 共 許 レ之。 然 今 眞 言 宗 意。 以 レ有 二紳 饗 加 持 力 一故 談 二封 機 説 法 義 一。 以 ニ此 義 一思 レ之、 本 地 身 可 レ有 読 法 利 生 義 一。 有 一不 思 議 紳 愛 力 一故。 喩 如 二自 受 用 身 。 其 他 な ほ 道 理 を 立 て、 謹 文 を 引 き、 疑 難 を 遮 し て 本 地 法 身 説 法 の 義 を 成 せ り。 な ほ 教 尋 の 著 な り と 傳 ふ る 顯 密 差 別 問 答 抄 に 凡 夫 位 の 者 も 内 謹 相 應 の 人 は、 本 地 法 身 の 禮 を 見 聞 す る こ と を 明 せ り。 問。 大 日 教 王 等 眞 言 経 中 實 行 菩 薩 二 乗 凡 夫 終 不 二見 聞 ー歎。 爲 當 當 有 ニ秘 密 機 一得 二見 聞 一乎。 答。 眞 言 秘 敢 非 昌秘 密 機 一非 二佛 紳 攣 加 持 一者。 等 畳 十 地 不 レ得 ニ見 聞一。 若 膚二 秘 密 機 一凡 夫 得 レ見 二聞 之 一。 何 況 地 上 菩 薩 秘 密 機 就 乎。 問 錐 二秘 密 機 一未 レ断 二盤 惑 障 扁位 人 何 可 レ得 レ見 商 果 海 内 謹 秘 密 一乎 答 錐 ニ凡 夫 位 一内 謹 秘 密 乗 意 者。 必 依 二佛 紳 墾 加 持 力 一得 レ見 期 之 一也。 重 蕃 上 人 の 教 主 義 大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 五
大 騒 経 の 教 主 に 就 て 一 六 重 巻 は 三 論 を 學 び、 ま 花 浮 土 教 を 修 せ し も、 眞 言 密 数 を 中 川 の 實 範 よ り 傳 へ、 秘 宗 教 相 抄、 十 住 心 論 略 抄、 五 相 成 身 記 等 の 著 が あ る。 そ の 教 相 抄 の う ち に 秘 密 乗 敢 能 説 敏 主 料 簡 な る 一 帖 あ り、 此 等 に 依 り 轡 師 の 大 日 経 敏 主 表 を 知 る こ と を 得、 し か し て 舞 師 は 他 受 用 身 を 以 て 敏 主 と な す 説 を 立 す る も の な る も 、 豊 苑 等 の 如 く 自 性 法 身 無 説 法 の 故 に、 他 受 用 身 を 教 主 と な す に あ ら す、 自 性 法 身 の 読 法 を 認 め な が ら 、 大 日 経 の 教 主 は 白 性, 法 身 に あ ら す し て、 他 受 用 身 と な す も の で あ る。 自 性 身 の 説 法 を 認 め な が ら 何 故 に 、 他 受 用 身 説 を 立 す る に 至 り し か は 明 な ら ざ れ ど も、 思 ふ に 師 た る 實 範 の 説 は 自 性 身 を 数 主 と な す と 共 に、 ま た 四 種 法 身 に も 蓮 す る 義 を 明 せ し も の な る が、 轡 師 は 大 禮 そ の 師 の 中 川 上 人 の 説 に 依 る も の な り し 乎。 し か し て 中 川 の 説 は 能 加 持 自 性 身 を 表 と す る 義 な り し に、 そ れ と 説 を 異 に し て、 所 加 持 の 他 受 用 身 を 敏 主 と な す に 至 り し は、 紳 墾 加 持 の 経 題 の 疏 文 及 び 昼 苑 等 の 説 に 依 り し も の な り と い へ ど、 恐 ら く は 轡 師 は 三 論 を 學 び し と 共 に、 浮 土 敏 を 修 せ し よ り、 多 く 顯 敏 の 立 場 よ り 経 を 観 た る ゆ ゑ な ら ん 乎。 或 は ま た 高 祀 の 自 性 身 説、 昼 苑 の 他 受 用 身、 慈 昼 智 誰 等 の 白 受 用 身。 濟 邊 等 の 自
性
身
説
、
及
び
師
の
實
範
の
本
地,
加
持
並
説
箸
準
檬
し、
し
か
も
此
等
諸
説
と
矛
盾
芋、
ま
た
此
等
諸
説
を
調
和 せ る が 如 き 観 め る 説 を な せ し に は あ ら ざ る な き 乎。 印 ぢ 重 轡 は 自 性 法 身 他 受 用 身 に 加 し て、 法 身 内 謹 の 法 門 を 説 か し め た る も の は、 両 部 の 大 経 な り と 観 る も の で あ る。 但 し 自 性 法 身 他 受 用 身 に 加 し、 そ の 他 受 用 身 の 説 法 こ れ 大 日 経 な り と い へ ば 畳 苑 等 の 他 門 の 所 傳 に 一 應 同 す る が 如 く な る も、 碁 師 の説 は 自 性 法 身 は 無 相 無 形 無 説 法 の 故 に 他 受 用 身 敏 主 の 義 を 立 す る に あ ら す、 自 性 法 界 宮 に 於 て は 四 種 法 身 凝 然 常 住、 共 に 色 相 を 具 し 同 じ く 説 法 す。 し か る に 自 性 法 身 を 教 主 と せ す し て 他 受 用 身 を 教 主 と な す 所 以 は、 自 性 法 身 の 説 法 は こ れ 自 性 會 以 上 に し て 唯 佛 與 佛 乃 能 窮 盤 の 境 な れ ば、 因 位 の 衆 生 益 を 蒙 る こ と 能 は ざ る が 故 に、 自 性 法 身 他 受 用、 墾 化、 等 流 の 諸 身 に 加 被 し て 内 誰 本 畳 の 秘 法 を 開 演 せ る も の こ れ 両 部 大 経 な り と す。 か く 自 性 法 身 飴 三 身 に 加 し て 説 か れ た る も の は 眞 言 密 敢 な る も、 今 は 三 身 の 中 の 勝 曾 に 約 し て 他 受 用 身 を 大 日 経 の 敢 主 と な す。 轡 師 の 抄 に 曰 く 如 來 内 謹 法 界 宮 中 有 昌凝 然 不 攣 四 種 法 身 一所 謂 自 性 受 用 憂 化 等 流 是 也、 此 中 自 性 身 帥 禮。 自 受 用 帥 相。 他 受 用 及 墾 化 等 流 是 用 也。 ○ 然 自 性 法 身 如 來 具 跡他 受 用 身 等 之 用 一者。 是 紳 力 加 持 門 之 説 也。 若 無 二加 持 門 一 者 如 來 不 レ可 レ県 他 受 用 身 等 功 徳 一。 今 所 話以 具 二此 加 持 ー者。 爲 二衆 生 一説 法 倉 レ他二 見 聞 一故 也。 此 他 受 用 身 錐 二内 謹 功 徳 中 凝 然 之 用 本 有 一レ 之、 而 倉 二他 見 聞 一之 徳 故 云 二他 受 用 身。 不 レ同 ニ肩 性 及 自 受 用 全 唯 佛 與 佛 之 内 謹 境 界 一。 又 望 他 見 之 邊 一假 言 二加 持 力 生 一亦 名 ニ應 身 一突。 是 竪 論 ニ佛 徳 ー 之 意。 若 横 言 ニ其 身 一 印 離 二 生 滅 一。 非 レ如 二顯 教 所 談 實 有 生 滅 一。 若 有 爲 生 滅 身 者。 何 云 二四 種 法 身 一乎。 然 此 他 受 用 身 親 從 轟自 娃
法
身
加
持
力
一起
同
凝
然
不
察
故。
帥
與
二自
性
身
色
相
荘
厳
音
聲
説
法
一
無
二
無
別
也。
故 此 経 自 性 身 如 來 加 二被 他 受 用 身 一帥 令 レ説 ニ自 内 讃 法 一也。 大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 七大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 八 法 牲 阿 閣 梨 の 教 圭 義 土 御 門、 順 徳 帝 の 頃、 高 野 山 に 喩 伽 の 奥 旨 を 究 め た る 畳 海 大 徳 あ り、 真 の 激 風 を 傳 へ た る 碩 匠 に 法 性、 蓮 範 等 が あ つ た。 共 に 宗 の 秘 要 を 傳 へ た る も、 法 性 は 而 二 の 奥 旨 を 究 め、 道 範 は 不 二 の 深 趣 を 得 た り と 云 ふ。 し か し て 道 範 に は 著 書 あ る も 法 性 に は 述 著 な く、 そ の 所 説 を 知 る に 由 な し、 し か る に 幸 ひ 法 性 の 教 風 を 縫 承 せ る 宥 快 法 印 の 書 に 依 て 法 性 の 所 見 の 一 端 を 窺 知 し 得 ら る、 今 快 師 の 大 日 経 数 主 異 義 に 依 て 法 性 の 教 主 義 の 要 を 述 べ ん に、
法
性
院
義
日。
本
地
法
身
者
六
大
法
身
也。
次
云
如
來
者
住
虞
也。
帥
六
大
法
界
也、
眞
言
意
能
所
相
應
故。
能
住
所 住 共 六 ハ 大 本 初 依 正 不 レ下 二四 曼 縁 趨 一。 故 今 経 漱 主 云 二本 地 法 身 一也。 取 レ真 於 二六 大 上 一。 正 當 経 教 主 得 レ意 者。 六 大 而 二 唯 理 法 身 (前 五 大 ) 次 云 如 來 住 塵 唯 智 法 身 (第 六 識 大 ) 此 身 心 互 爲 二能 所 住 一義 也。 故 自 春 屍 四 種 法 身 乃 至 四 重 圓 壇 之 聖 衆 悉 六 大 法 位 話 尊 可 レ得 レ意。 其 故 下 繹 ニ衆 成 就 句 一 一 相 一 味 到 於 實 際 文 真 實 際 者 六 大 一 實 極 位 故 云 々 是 佛 如 持 身 者。 佛 者 上 本 地 法 身、 加 持 身 者 繹 二如 來 ー帥 所 座 故。 云 並真 所 甚 慮 一。 此 所 坐 如 來 繹 成 云 ニ名 佛 受 用 身 一也。 住 慮 云 ニ加 持 身 事。 所 坐 帥 能 住 六 大 法 身。 依二 加 持 力 一所 レ生 故 云 二加 持 一。 下 云 下既 從 二遍 一 切 麩 加 持 力 一生 六此 意 也。 名 レ身 如 ニ鯨 経 一鷲 峰 白 鷺 等 非 情 不 レ同 レ爲 ニ住 慮 一。 僧 宗 依 正 共 住 ニ 三 摩 耶 一云 レ身 也。 名 佛 受 用 身 者 住 慮 又 云 ニ 受 用 身 一。 受 用 者 智 名 子 也。 理 法 身 住 レ智 故 云 レ爾 謂 所 住 智 受 二用 能 往 之 理 一故 名 受 用 身 一也、 加 持 住 慮 者 理 爲 二能 加 持 一。 智 爲 二所 加 捗。 故 六 大 本 地 之 法 加 持也 。 如 來 心 王 者 上 指 二本 地 法 身 一諸 佛 住 者 智 論 意。 出 二梵 天 帝 繹 乃 至 菩 薩 住 佛 住 毎 多 種 一中。 今 如 二諸 佛 一云 義 也。 既 從 遍 一 切 慮 者 六 大 法 身 也。 生 者 住 慮 帥 六 大 法 界 也。 無 相 法 身 者 本 地 法 身 也。 無 二 者 能 所 共 六 大 實 禮 無 二勝 劣 一故 云 レ爾 也。 而 以 自 在 巳 下 受 用 以 下 繹 段 也。 薄 伽 梵 至 ニ無 二 無 別 一當 ニ上 然 此 自 謹 等 一 而 以 自 在 以 下 者 當 二爾 時 世 愈 一也 鯨 師 同 レ之。 こ の 文 に 依 れ ば、 法 性 阿 闊 梨 は、 大 日 経 の 漱 主 は 自 性 本 地 身 な り、 而 も 唯 理 法 身 な う と の 義 を 成 す る も の で あ る。 帥 ち 六 大 法 界 禮 は 而 二 不 二 の 妙 禮 な り、 し か し て 此 の 法 界 禮 は 而 二 帥 不 二、 不 二 帥 而 二 に し て、 而 二 不 二 一 禮 な れ ど も、 法 性 阿 闇 梨 は 而 二 を 本 と し、 六 大 禮 性 に 理 智 並 居 し て 互 に 理 智 を 具 す と な す が 故 に、 唯 理 法 身 と 唯 智 法 身 を 見 る。 帥 ち 金 剛 界 の 漱 主 は 唯 智 法 身 に し て、 大 日 経 の 激 主 を ば 唯 理 法 身 と な す も の で あ る。 か の 慈 畳 大 師 は 理 智 不 二 の 智 法 身 な り と い ひ、 實 土 人 は 理 智 不 二 の 理 法 身 な り 等 と 説 か れ 花 る に 封 せ ば、 法 性 の 唯 理 法 身 に 至 つ て 如 何 に 敷 主 義 の 深 義 顯 現 し 來 れ る か の 径 路 を 知 ら る べ き で あ ら う。 帥 ち 大 師 の 自 性 身 説 に 封 し、 慈 豊 天 師 は 理 智 不 二 の 智 法 身、 智 謹 大 師 は 自 他 不 二 の 自 受 用 身、 安 然、 畳 超 等 に 至 っ て 他 受 用 身 説 を な す に 至 り し が、 濟 遅 よ く 大 師 の 根 本 殺 義 を 宣 揚 し、 自 性 身 説 法 説 を 明 に し、 雷 上 人 に 至 つ て 理 智 而 二 の 膿 の 外 に 不 二 の 法 性 あ る に あ ら す、 理 智 の 禮 即 不 二 の 深 旨 を 閾 顯 し、 理 智 不 二 の 法 身 義 を 説 か れ、 信 誰 實 範 等 に 依 て 自 性 本 地 身 の 嚢 が 更 に 宣 明 せ ら れ、 大 師 本 來 の 敏 旨 が 顯 彰 せ ら る N に 至 り、 次 第 に そ の 説 深 奥 と な り、 つ ひ に 法 性 に 依 て 唯 理 法 身 大 日 経 の 教 主 に 就 て 一 九
大 口 経 の 教 主 に 就 て 二〇 説 を 立 せ ら る N に 至 つ た。 こ の 法 性 の 唯 理 法 身 説 に 至 つ て 教 主 義 は そ の 究 覧 の 地 に 達 せ し も の と も 観 ら るN 。 し か し て 法 性 の 唯 理 法 身 は、 こ れ 六 大 一 實 の 禮 の 上 に 立 す る 説 な る が 故 に、 唯 理 法 身 な れ ど も 智 を 具 せ ざ る に あ ら す、 帥 ち 理 法 身 (前 五 大 ) が 智 法 身 (第 六 識 大 ) に 住 す と な す、 所 謂 六 大 理 智 各 々 並 居 し 唯 理 唯 智 の 法 身 の 説 法 を 明 か す と 共 に、 こ の 理 智 互 に 能 所 住 と な る こ と を 説 く。 薄 伽 梵 住 如 來 加 持 の 経 文 に 依 て そ の 義 を 繹 せ ば、 薄 伽 梵 は 唯 理 法 身 に し て 正 し く 教 主 大 日 如 來 な り、 住 如 來 加 持 は こ れ 理 法 身 の 住 せ ら る N 所 住 の 國 土 な り、 そ の 所 住 の 器 世 界 を 如 來 加 持 と い ひ、 ま た 疏 に は 佛 受 用 身 と 云 ふ は こ れ 人 法 一 膿 依 正 不 二 の 故 に 所 住 の 器 世 界 を 如 來 と い ひ、 ま た は 佛 受 用 身 と い ふ な り。 即 ち 如 來 加 持 の 句 は 所 佳 の 器 界 に し て こ れ 如 來 の 三 昧 耶 身 な り、 し か し て 法 性 阿 閣 梨 は 理 智、 色 心 而 二 の 義 を 本 と す る が 故 に 能 住 の 薄 伽 梵 は 前 五 大 唯 理 の 法 身 に し て、 所 住 の 器 界 は 唯 智 法 身 な り、 帥 ち 前 五 大 の 理 法 身 第 六 識 大 の 唯 智 の 法 身 に 住 す と な す も の で あ る。 も し 金 剛 界 の 説 に 依 ら ば 唯 智 の 法 身 が 前 五 大 唯 理 法 身 に 住 す と な す。 か の 三 種 悉 地 儀 軌 に 理 法 身 の 佛 實 相 の 智 に 住 す と 説 く が 如 く、 今 本 地 理 法 身 の 所 住 虚 は 自 受 用 智 法 身 な る が 故 に 疏 に は 佛 受 用 身 と 云 ふ。 但 し か く 理 法 身 が 智 法 身 に 住 す と い へ ば、 後 に 述 ぶ る 頼 喩 法 印 の 本 地 身 が 加 持 身 に 住 す る 所 謂 加 持 身 教 主 の 説 に 似 た れ ど も、 そ の 意 趣 大 に 異 な る も の が 存 す る の で あ る。 帥 ち 唯 理 法 身 が 唯 智 身 の 三 昧 耶 身 を 所 住 と な し、 能 所 住 共 に 六 大 法 界 禮 に し て
能 所 住 共 に 種 三 尊 を 具 せ る 禮 で あ る。 能 住 の 理 法 身 も 種 一二 尊 具 足 の 佛 身 な れ ば、 所 住 の 智 法 身 も 種 三 尊 を 具 足 せ る 佛 身 で あ る、 し か し て 能 住 の 理 法 身 が 智 法 身 に 住 す と は、 智 法 身 の 三 昧 耶 器 界 身 に 住 す る な り、 そ の 智 法 身 の 三 昧 耶 器 界 と は 五 智 所 成 の 法 界 宮 で あ る。 さ れ ば 理 法 身 が 智 法 身 に 住 す と 云 ふ も、 頼 喩 法 印 等 の 理 法 身 が 加 持 受 用 身 に 住 す る 説 と は 同 じ か ら す、 頼 喩 法 印 の 所 住 を 加 持 受 用 身 と 云 ふ は、 四 曼 相 大 の 位 な る が、 今 は 能 所 住 共 に 六 大 禮 大 の 極 慮 に 立 つ る 読 で あ る。 随 て 理 が 智 に 住 す る と い へ ば 理 智 色 心 互 に 能 所 住 と な つ て 一 應 能 所 を 存 す る も、 理 智 共 に 絶 封 禮 に し て 能 所 の 差 相 を 縄 す る 秘 旨 あ る を 思 ふ べ き で あ る。 道 範 阿 閨 梨 の 教 主 義 蓮 範 師 の 教 主 表 は 師 の 大 日 経 疏 遍 明 鋤 及 び 除 暗 抄 等 に 出 づ、 師 の 教 主 義 に 畳 海 法 印 よ り 傳 へ た る 六 大 不 二 の 白 性 本 地 身 を 教 主 と な す 説 と、 縄 林 寺 の 静 遍 よ り 相 傳 の 理 智 事 三 黙 具 足 の 佛 身 説 と あ り。 そ の 畳 海 相 傳 の 義 を 叙 せ る 遍 明 抄 の 文 を 引 用 し て、 そ の 義 を 鐸 せ ん に、 薄 伽 梵 者。 教 主 成 就 句 也。 疏 繹 云 二毘 盧 遮 那 本 地 法 身 一。 是 則 以 二本 地 法 身 一爲 ニ教 主 ー。 帥 胎 藏 中 胎 佛 也 。 又 二 教 論 云。 自 性 受 用 佛 自 受 法 樂 故。 與 二自 春 薦 一 各 説 二三 密 門 一。 又 云。 唯 有 ニ自 性 法 身。 以 二如 義 眞 實 言 一能 説 蕊是 絶 離 境 界 一。 是 名 ニ眞 言 秘 教 一。 故 知。 自 性 法 身 住 ニ自 性 土 一説 二此 経 一也。
次
云
如
來
下
住
虚
成
就
句
也。
然
諸
経
佛
住
下
是
鷲
蜂。
鷺
池
等
國
土
全
非
ニ佛
身。
故
今
如
來
加
持
等
亦
是
所
住
國
大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 一大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 二
土
也。
名
佛
受
用
身
者
所
住
國
土
帥
如
來
三
昧
耶
身。
凡
今
教
六
大
四
曼
一
實
不
二
故。
鷲
峰
王
含
等
帥
三
昧
也。
又
三
昧
耶
也。
其
所
住
慮
者
指二
加
持
身
一也。
問。 加 持 身 與 二受 用 身 一爲 ニ谷 別 佛 一乎。 答 。 指 本 地 身 所 住 一印 云 ニ加 持 身 一。 又 云 ニ受 用 身 一。 加 持 身 帥 受 用 身 也。 遍 明 抄 は 自 性 本 地 身 が 四 曼 の 中 の 三 昧 耶 身 に 住 し て 説 か れ た る も の は 大 日 経 な り と な す 義 で あ る。 し か し て こ の 自 性 身 は 白 性 曾 に 於 て 從 身 流 出 の 果 人 の 爲 め に、 三 密 李 等 の 法 門 を 説 い て 自 受 法 樂 し 給 ふ 境 な り。 随 て 今 の 経 の 敏 主 は 経 題 よ り い へ ば 大 毘 盧 遮 那 成 佛 の 位 に し て、 紳 鍵 加 持 帥 ち 受 用 身、 墾 化 身 等 流 身 の 位 に あ ら す。 紳 鍵 加 持 は こ れ 自 性 會 の 法 身 の 激 盆 を 蒙 り 得 ざ る も の、 爲 め に 塵 土 世 界 に 示 現 し て、 一 門 の 機 根 め 爲 め に 一 門 の 法 を 説 く 瑞 相 の 三 身 の 説 法 を 明 か す も の な り と な す。 加 持 身 厳 主 の 説 を な す も の は、 疏 の 薄 伽 梵 即 毘 盧 遮 那 本 地 法 身 は 能 住 能 加 持 の 法 身 に し て、 此 の 法 身 が 自 受 用 身 に 住 し て 此 の 経 を 説 く と い ひ、 或 は 法 身 が 應 身 に 住 し て 説 き 給 ふ を、 住 如 來 加 持 の 経 意 と な す も、 道 範 師 は 大 日 経 に 局 ら す 凡 て 経 の 始 め に 五 成 就 を 明 か す、 而 も 能 説 の 教 主 と 所 住 の 國 土 を 一 具 に 説 示 せ ら れ た る も の を 見 ざ る が 故 に、 今 の 教 主 は 薄 伽 梵 毘 盧 遮 那 本 地 身 な り と 観 る も の で あ る。 但 し 以 上 の 妙 の 文 の み に て は 本 地 法 身 は 六 大 不 二 の 佛 身 な り と 云 ふ こ と 明 な ら ざ る も、 而 も 本 地 法 身 が 相 大 四 曼 の 三 昧 耶 身 に 住 し て、 此 の 経 を 説 き 給 う と 繹 せ る と こ ろ に、 白 ら 六 大 膿 大 不 二 の 佛 身 なる こ と を 知 ら る。 即 ち 法 性 阿 闊 梨 は 六 大 理 智 而 二 の 位 に 於 て 佛 身 を 立 つ る が 故 に、 前 五 大 唯 理 の 法 身 は 能 住 に し て、 所 住 は 第 六 識 大 な b、 帥 ち 身 心 (六 大 ) 互 に 能 住 と な り 所 住 と な る も、 道 範 師 は 所 住 の 國 土 は 四 曼 相 大 の 随 た る 三 昧 耶 身 な り と 云 ふ。 さ れ ば 能 所 住 共 に 六 大 禮 大 に て 見 る 法 性 阿 闇 梨 の 説 に 封 せ ば、 範 師 の 説 は 能 住 六 大 所 住 四 曼 の 故 に 一 往 そ の 義 淺 略 な り と も 構 す。 な ほ 此 の 義 は 後 に 引 用 す る 激 主 異 義 の 文 に 依 て 知 ら る べ き で あ る。 前 叙 の 如 く 法 性 道 範 の 爾 師 は 畳 海 奪 師 よ り 而 二 不 二 の 宗 要 を 傳 へ た り と 云 ふ も 畳 海 尊 師 に は 述 書 な く。 (畳 源 抄 な る も の 存 す る も 多 く 事 相 の こ と 存 記 さ れ、 ま 力 贅 海 尊 師 一 人 の 説 に あ ら す ) ま た 法 性 に も 著 書 を 傳 へ す、 這 範 に 遺 書 あ る も、 畳 海 よ り、 如 何 な る 宗 義 を 聞 傳 せ し や を 明 記 せ る も の あ る を 見 ざ り し に、 先 年 偶 々 道 範 の 聴 海 抄 な る も の を 得 た り、 こ の 書 は 道 範 畳 海 よ り 聴 聞 せ し 口 訣 と も 見 ら る N も の で あ る。 但 し そ の 書 は 余 の 見 た る は 第 五、 六、 八 の 三 憲 の 欠 本 に し て、 完 本 に あ ら ざ る が 故 に、 そ の 説 の 全 豹 を 知 る を 得 ざ る も、 こ の 書 を 護 む に 及 ん で、 理 智 本 不 生 の 位 は な ほ 法 に し て 人 に あ ら す、 本 不 生 の 法 よ り 現 せ し 人、 郎 ち 理 智 而 二 の 法 が 不 二 冥 合 の 人 の 位 に て 始 め て 説 法 あ り と な す、 範 師 の 説 の 由 來 す る と こ ろ あ る を 知 ら る。 聴 海 抄 は 繹 相 多 端 な る も、 今 教 主 義、 及 び 六 大 騰 大 の 而 二 不 二 に 關 す る 説 の 要 を 略 示 せ ん に、 密 教 は 法 然 本 有、 自 性 常 住 の 法 身 實 相 の 禮 を 明 す と 共 に、 ま た 室 を 説 く、 而 も 密 教 の 察 は 法 相 家 の 塞 義 を 以 て 意 得 ふ べ き こ と を 示 し、 圓 成 實 性 は 塞 に あ ら ざ れ ど も、 所 執 に 望 め て 塞 と 説 く 如 く、 本 宗 も 執 情 を 遮 遣 せ ん が 爲 め に 塞 を 説 く と い へ る が 大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 三
大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 四 如 き は、 密 宗 の 本 有 分 實 義 を 解 す る に 児 る 重 要 な る 繹 文 と 思 は る。 師 ち 法 相 家 に は 遍 計 所 執 の 俗 諦 は 室 な る も, 依 他 圓 成 の 眞 諦 は 有 な り と 説 く、 こ の 法 相 家 に 明 す 真 諦 の 有、 師 ち 果 分 が 密 激 の 本 髄 に し て、 密 激 は 眞 諦 本 有 の 實 在 禮 を 開 顯 す る も の で あ る。 帥 ち 本 有 を 説 く も、 法 相 家 に て 如 來 の 正 後 二 智 の 所 了 の 境 た る 依 他 圓 成 性 相 の 常 住 を 明 す が 如 く、 密 教 の 本 有 も 凡 夫 の 迷 情 所 見 に 約 し て 説 く に あ ら す、 如 來 自 謹 大 畳 の 境 地 に 約 し て 性 相 の 常 住 本 有 を 説 く も の で あ る。 所 謂 密 激 は 如 來 自 誰 の 果 界 を 開 説 す る も の な る こ と を 知 ら ば、 密 激 に 性 相 の 本 有 を 開 演 す る 秘 趣 を 了 せ ら る N で あ ら う。 帥 ち 大 日 経 に 衆 生 一 心 の 本 有 を 明 す も。 こ れ 本 初 不 生 の 心 地 を 膿 得 せ し、 初 地 の 浮 菩 提 心 に 約 し て 説 か れ、 地 前 三 却 六 無 畏 に て は 迷 情 の 遮 遣 を 表 と し で 室 無 我 の 義 を 説 か れ、 金 剛 頂 経 に 五 智 の 本 有 を 明 す も、 本 有 の 自 然 畳 現 謹 の 境 地 の 説 で あ る。 こ の 法 然 本 有 の 法 禮 は、 こ れ 高 租 所 説 の 六 大 一 實 の 禮 で あ る。 聴 海 抄 に 六 大 一 實 の 膿 の 而 二 不 ニ 一 多 法 界 の 玄 旨 を 示 し、 こ の 一 多 は 顯 教 の 眞 如 と 縁 起 の 萬 法 に 約 し て 一 多 の 義 を 明 か す と 立 場 を 異 に せ る こ と、 随 て 一 と 云 ふ も 無 盤 の 多 を 含 む 一 に し て 多 と 云 ふ も 相 々 同 似、 冥 然 融 合 の 一 腱 な る こ と を 鐸 し、 一 切 衆 生 の 自 性 花 る 六 大 法 界 は 冥 然 と し て 一 禮 な る が 故 に、 一 佛 大 日 の 果 徳 を 成 す る と き、 一 切 衆 生 大 日 の 果 徳 を 具 す る も、 而 も 各 々 の 六 大 禮 相 綾 別 の 故 に、 衆 生 は こ の 實 相 を 畳 知 せ ざ る こ と、 ま 花 生 佛 一 禮 不 二 な れ ど も 生 佛 混 同 一 味 に あ ら す、 か の 行 者 三 密 行 を 修 す る と き、 本 尊 を 請 じ 後 柔 掻
遣 す る が 如 ぎ は、 こ れ 生 佛 の 六 大 法 界 は 不 二 な れ ど も、 各 々 自 性 を 柾 持 し、 混 同 一 味 の 禮 に あ ら ざ る に ょ る こ と 等 を 明 す。 ま た 理 智 法 身 及 び 両 部 大 経 の 厳 主 に つ い て の 輝 を 見 る に、 本 不 生 の 理 禮 よ り 人 を 顯 現 せ る を 大 曼 茶 羅 理 法 身 と い ひ、 本 不 生 の 智 が 人 を 顯 現 す る を 智 法 身 と 云 ふ と の 繹、 ま た 大 日 経 の 教 主 に 關 し て は 繹 文 を 欠 く も、 金 剛 頂 経 の 敢 主 に つ い て の 繹 に 金 剛 頂 経 の 遍 照 如 來、 大 日 経 の 薄 伽 梵 は、 こ れ 惣 法 身 に し て こ れ 敏 主 に あ ら す、 金 剛 界 九 會 曼 茶 羅 の 一 印 會 の 大 日 如 來 の 境 に 唯 佛 輿 佛 の 説 法 あ る こ と を 明 す、 か く 理 智 本 不 生 の 禮 よ り 顯 現 せ し 人 を 理 智 法 身 と い ひ、 ま た 爾 部 理 智 の 惣 法 身 教 主 に あ ら す と の 繹 文 を 見 る と き、 理 智 本 不 生 の 法 の 源 極 に な ほ 人 を 見 す、 こ の 理 智 不 二 冥 合 の 位 に て 始 め て 不 二 法 身 の 人 あ り、 そ の 不 二 法 身 こ れ 大 日 経 の 漱 主 な り と 見 る 範 師 の 説 に 師 傳 あ り し こ と を 知 ら る、 の で あ る、 ま た 灘 林 寺 相 傳 の 説 は、 理 智 事 の 三 鮎 具 足 の 佛 身 を 當 経 の 教 主 と な す も の で あ る。 帥 ち 理 智 を 以 て 法 と な し、 こ の 理 智 和 合 し て 生 す る 人 (事 ) を 以 て 教 主 と な す、 但 し こ の 灘 林 寺 相 承 の 説 も 不 二 を 本 と な す が 故 に、 畳 海 相 承 の 説 と 相 一 致 す る 黙 の 存 す る を 知 ら る、 の で あ る。 或 は 畳 海 相 承 の 不 二 説 も 暉 林 寺 相 承 の 義 に 説 曾 し、 法 性 師 の 而 二 説 に 封 し 特 に 不 二 を 高 調 せ ら れ し に は あ ら ざ り し 乎 。 宗 義 決 繹 第 九 に 目 く 道 範 阿 闇 梨 更 有 二 一 義 一。 以 ニ當 経 教 主 一云 一三 黙 具 足 佛 禮 一。 是 暉 林 寺 静 遍 大 僧 都 所 傳。 野 山 奮 風 不 好 レ之 云 々 。 大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 五
大 口 経 の 教 主 に 就 て 二 六 こ れ 藤 林 寺 の 相 承 の 説 は 立 川 の 邪 流 に 同 す る 恐 れ あ る よ り、 こ れ を 嫌 畏 せ し も の で あ る。 な ほ 教 主 異 義 に 範 師 の 両 傳 及 び 法 性 の 而 二 説 と 範 師 の 不 二 説 と 封 照 し て 鐸 せ る 文 を 引 用 し て、 そ の 説 明 に か へ ん。 正 智 院 取 二 二 義 一。 一 義 (畳 海 相 承 )本 地 身 者 六 大 法 身。 所 住 四 曼 随, 一 三 摩 耶 身 也。 一 能 住 本 地 身 四 曼 随 一 大 曼 茶 羅 自 性 身 也。 所 住 三 摩 耶 智 身。 能 住 之 佛 身 受 用 土 故、 名 二受 用 身 一也。 能 住 爲 二本 地 法 身。 中 東 唯 理 唯 智 法 位 無 ニ人 禮 一。 南 方 事 轄 位 始 成 二人 禮 幅。 此 人 最 初 故 云 ニ本 地 一。 又 名 右 性 身 一也。 此 二 義 共 本 地 身 今 敏 主 也。 問 云。 正 智 院 六 大 一 義 法 性 院 義 其 別 如 何。 答。 法 性 理 智 各 各 昇 居。 唯 智 唯 理 説 法 巳 云 己製 字 自 説 二契 字 一 義 繹 是 唯 種 子 位 説 也。 正 智 院 六 大 不 二 侮 身。 謂 六 大 而 二 位。 法 濁 存 無 ニ説 法 義 一。 理 智 互 融 通 成 二不 ニ 佛 禮 一。 此 位 説 法 多 本 地 法 身 一。 此 佛 全 禮 非 ニ 四 曼 相 大 之 曼 茶 羅 ー。 又 非 ニ六 大 各 各 丼 居 位 ー。 云 二性 四 曼 一存 二 一 義 一。 但 此 師 立 ニ四 曼 能 生 義 一。 故 六 大 不 二 性 開 一而 二 一。 成 下不 二 而 一 二 物 徳 無 や淺 深 上故、 法 性 且 唯 智 法 面 々 立 二唯 理 義 一。 正 智 院 人 爲 レ面 成 ニ不 二 義 一。 尋 二 法 本 源 一不 二 而 二 以 レ何 可 レ定 耶。 但 剥 字 説 法 義 中 央 種 位 也。 云 以 二三 黙 一 膿 佛 身 一遣 ニ中 央 一 故 三 黙 具 足 種 子。 帥 形 又 爾 也。 此 の 如 く 宥 快 法 印 は 法 性 道 範 両 師 の 説 を 暴 げ、 両 師 の 説 而 二 不 二 一 往 異 な る も の あ る も、 畢 寛 こ れ 自 や 性 本 地 身 説 法 義 の 爾 説 に し て、 共 に 宗 の 實 義 と な す も の で あ る。 郎 ち 自 性 法 身 説 法 説 は、 こ れ 法 身 の
禮 を ば 法 爾 の 白 然 畳 禮 な 与、 本 有 の 人 な り と な す も の に し て、 眞 言 密 教 の 根 本 義 で あ る。 そ の 實 義 は
弘
法
大
師
に
依
て
開
顯
せ
ら
れ、
濟
邊、
費
上
人、
信
護、
實
範
等
の
諸
師
に
依
て、
更
に
高
唱
せ
ら
れ
た
る
を、
法
性 道 範 の 爾 師 に 至 つ て、 そ の 説 の 究 寛 の 眞 意 顯 示 せ ら れ た う も の で あ る。 今 こ の 爾 師 の 説 共 に 宗 の 實 義 な り と 見 る 古 來 相 傳 の 義 を 先 師 蜜 門 大 僧 正 の 口 訣 に 依 り、 そ の 要 を 記 せ ん に。 六 大 本 地 の 位 に 於 て 而 二 不 二 の 爾 傳 あ り、 こ れ を 法 性 道 範 の 相 傳 と す、 し が し て 而 二 は 多 法 界 の 實 義、 不 二 は 一 法 界 の 實 義 に し て 共 に 畳 海 相 承 の 宗 義 で あ る。 法 性 阿 閣 梨 は 六 大 而 二 の 義 を 本 と す る が 故 に、 唯 理 唯 智 [の 法 身 を 見、 當 経 の 教 主 を ば 唯 理 法 身 と な す も の で あ る。 道 範 阿 閣 梨 は 理 智 不 二 の 法 身 を 立 す が 故 に 禮 大 の 位 な れ ど も、 六 る 大 理 智 不 二 の 報 身 な り、 帥 ち 性 師 の 説 は 六 大 禮 大 に 理 智 並 存 し、 理 智 各 々 種 三 尊 を 具 足 し 相 好 圓 満 の 人 禮 を 成 せ る 佛 身 を 見 ん と す る も の で あ る。 し か る に 範 師 は 六 大 禮 大 而 二 の 位 は 法 猫 り 存 し て な ほ 人 禮 を 成 せ ざ れ ば、 随 て 説 法 の 義 な く、 理 智 の 而 二 の 禮 互 に 無 碍 融 通 し て 不 二 の 人 髄 を 成 じ、 理 智 不 二 の 佛 身 を 圓 成 し て 説 法 す る 義 を 明 す が 故 に、 本 経 の 教 主 た る 佛 身 は 六 大 禮 大 本 地 法 身 に し て 而 も 六 大 不 二 随 縁 の 位 な b と す。 帥 ち 法 性 道 範 而 二 不 二 法 爾 随 縁 一 往 所 説 異 な れ り、 但 し 道 範 は 理 智 不 二 と 云 ふ と い へ ど も、 四 曼 相 大 の 位 に あ ら す、 し か れ ど も ま た 六 大 理 智 並 居 の 位 に あ ら す し て 理 智 融 通 の 位 な る が 故 に、 法 性 相 傳 の 而 二 の 佛 身 に 樹 せ ば 一 重 淺 略 な り、 故 に こ れ を 性 の 四 曼 と も 云 ふ。 か く 法 性 道 範 の 爾 義 一 往 淺 深 の 義 あ る も、 宥 快 相 大 月 経 の 教 主 に 就 て 二 七大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 八 傳 の 説 に、 依 れ ば、 こ 嘲の 六 大 禮 大 の 而 二 不 二 は 義 門 の 不 同 に し て、 勝 劣 を 見 ざ る な り。 帥 ち 六 大 禮 大 に は 六 大 各 々 自 性 に 住 し、 本 有 不 改 な る を 而 二 多 法 界 の 義 と 云 ふ。 而 も こ の 法 爾 法 性 の 六 大 は 水 火 の 如 く 隔 歴 不 融 の 法 に あ ら す、 實 に は 六 大 本 來 法 爾 と し て 無 碍 渉 入 す る 法 膿 な る よ り、 範 師 は 不 二 一 法 界 と 云 ふ な り。 こ の 故 に 範 師 は 不 二 の 人 禮 を 以 て 佛 身 と す。 帥 ち 前 五 大 の 理 と 第 六 識 大 の 智 と 別 な 為 も の が、 は じ め て 不 二 融 合 す る に あ ら す、 元 來 六 大 は 法 爾 と し て 無 碍 す る 義 邊 よ り 範 師 は 不 二 と 云 ふ。 本 來 法 爾 と し て 不 二 な れ ど も、 六 大 各 々 自 性 不 改 の 法 禮 な る が 故 に 性 師 は 六 大 而 二 理 智 並 居 の 義 を 成 す、 さ れ ば こ の 而 二 不 二 は 一 法 の 両 義 に し て 而 二 門 に つ か ば 而 二 に て 法 界 を 鑑 し、 不 二 門 に つ か ば 不 二 に て 法 界 を 盤 す。 何 れ も 法 界 を 鑑 し て 而 二 不 二 帥 離 不 謬 の 故 に 先 徳 は 設 異 に し て 旨 同 じ と い へ り、 帥 ち 六 大 禮 大 の 位 は 唯 理 に 於 て 智 を 誰 す 故 に 此 の 義 趣 を 表 と し て 範 師 は 不 二 の 佛 身 を 立 す、 し か も 而 二 門 よ り い へ ば 理 を 以 て 智 を 鑑 す も、 智 の 禮 用 を 混 せ す、 此 義 邊 に 約 し て 唯 理 唯 智 の 法 身 説 を 成 す。 此 の 如 く 而 二 不 二 は、 六 大 禮 大 の 爾 義 に し て 而 二 を 表 と す る と、 不 二 を 表 と、 す る の 不 同 に し て 並 存 す べ き で あ る。 帥 ち 以 上 の 両 義 は 本 有 修 生、 法 爾 随 縁、 而 二 不 二 の 秘 義 を 鑑 せ る も の に し て、 法 の 本 源、 人 の 極 慮 の 妙 禮 を 開 顯 せ る も の な る が 故 に、 此 両 義 相 並 べ て 数 主 法 身 の 禮 を 解 す べ き で あ る。 頼 喩 法 印 の 教 主 義
覧
尋
上
人
は、
高
耐
大
師
入
定
後
約
三
百
年、
高
野
山
に
大
傳
法
院
を
造
立
し
宗
風
を
宏
張
し
給
ひ
し
が、
そ
れ
よ り 約 百 五 十 飴 年 師 ち 伏 見 帝 正 應 元 年、 そ の 大 傳 法 院 を 根 來 出 へ 移 し た る 頼 喩 法 印 は、 眞 言 密 激 の 根 本 槻 念 た る 法 身 大 日 如 來、 帥 ち 大 日 経 の 教 主 に つ き、 未 だ 曾 て 唱 導 せ し も の な か り し、 加 持 身 敏 主 義 を 創 唱 す る に 至 つ 力。 頼 喩 法 印 の 加 持 身 義 は、 高 耐 大 師 の 定 判 た る 法 身 説 法 説 に 依 糠 し、 而 も そ の 法 身 に 自 謹 本 地 身 と 化 他 加 持 身 と あ り と し、 そ の 法 身 自 誰 本 地 の 膿 は 無 相 寂 滅 に し て 言 語 説 法 な く、 そ の 化 他 加 持 身 の 位 に て 説 法 あ る こ と を 明 す も の で あ る。 今 そ の 加 持 身 敏 主 義 を 叙 す る に あ た り、 喩 師 の 所 立 は 大 師 の 説 に 依 り な が ら も、 而 も ま 花 顯 敏 の 法 身 無 説 法 の へ義 と 相 通 す る も の あ れ ば、 喩 師 は 顯 密 二 教 の 教 義 を 如 何 に 繹 せ し か、 ま た 加 持 身 説 を 立 す る に 至 り し、 喩 師 の 説 の 由 來 等 を 一 瞥 し よ う と 思 ふ。 喩 師 の 多 く の 著 書 の う ち に、 諸 宗 教 理 同 異 鐸、 顯 密 問 答 鋤 等 の 如 き は、 二 敏 の 同 異 に 封 す る 師 の 所 見 を 尤 も よ く 表 せ る も の な る が、 諸 宗 教 理 同 異 鐸 の 初 め に、 顯 密 二 教 は、 そ の 究 寛 其 實 の 理 趣 は 同 禮 な る も、 そ の 理 趣 に 契 謹 す る に、 止 槻 六 度 の 行 に 依 る と、 三 密 加 持 の 妙 行 に 依 る の 差 あ る こ と を 鐸 せ り。 帥 ち 顯 密 二 教 の 淺 深 を 論 す が 如 き は 一 往 の 敏 門 の 施 設 に し て、 再 往 は 二 敏 所 明 の 眞 理 趣 同 一 禮 な り と は、 蓋 し 喩 師 の 根 本 的 所 見 な ら ん か 乎。 さ れ ば 同 異 鐸 の 初 め に 法 相、 三 論、 天 毫、 華 厳、 眞 言 の 五 宗 立 教 の 不 同 を 爆 げ、 諸 宗 各 々 教 相 を 明 か し、 淺 深 優 劣 を 論 じ、 三 乗 遠 劫、 一 乗 頓 成、 頓 教 中 に ま た 顯 密 の 異 な り あ る は、 た や こ れ 教 力 逞 速 の 致 す と こ ろ に し て、 出 迷 讃 豊、 究 灘暑 呉 實 の 道 禮 に 至 つ て は、 顯 密 大 日 経 の 教 主 に 就 て 二 九大 日 経 の 教 主 に 就 て 三 〇 差 異 な き を 述 べ、 次 に 諸 宗 究 寛 の 理 に つ い て 横 竪 の 二 門 に よ り 同 異 の 二 義 あ る こ と を 繹 し、 顯 密 二 教 論 の 所 明 に 依 れ ば、 諸 教 の 絶 離 は 皆 こ れ 蜜 藏 の 本 分 な る が 故 に、 能 絶 離 の 言 教 に 約 す れ ば、 四 宗 淺 深 遠 近 あ る も、 所 絶 離 の 理 禮 は 五 家 差 別 な き こ と を 繹 せ る が、 か く の 如 く 能 絶 離 の 言 教 に 約 す れ ば、 顯 密 二 教 に 遠 近 深 淺 の 差 あ る も、 所 謹 の 理 禮 に 至 つ て は 顯 密 二 数 同 腱 な り と 槻 る と こ ろ に、 法 身 自 謹 本 地 の 禮 は、 無 相 寂 滅 に し て、 言 語 説 法 な し と の 説、 即 ち 顯 教 の 法 身 無 説 法 説 に 相 同 す る 義 を 立 せ ら れ た る 思 想 的 根 縫 を 看 取 せ ら れ る も の が あ る り 蓋 し 喩 師 は 顯 密 二 敏 に 同 異 の 二 門 存 し、 そ の 淺 深 の 相 述 を 論 す る が 如 き は、 一 往 の 説 に し て、 再 往 は 所 顯 の 理 一 な り、 十 住 心 論 は そ の 一 往 の 淺 深 を 論 ぜ し も の に し て、 二 教 論 は 能 絶 離 の 言 教 に 諸 家 の 淺 深 あ る も、 そ の 所 絶 離、 所 謹 の 眞 理 趣 に 至 て は、 顯 密 無 差 別 な る こ と を 顯 す、 か く 顯 密 二 駿 究 寛 眞 實 の 理 趣 無 淺 深 な り と 観 る は、 い れ 再 往 眞 實 の 義 な り と な す。 し か し な が ら 二 教 論 の 判 敢 は 諸 宗 能 絶 離 の 言 教 に 淺 深 あ る も、 所 絶 離 の 理 膿 は 同 な り と 云 ふ が 如 き に 至 つ て は、 大 師 の 二 教 論 の 判 教 は 徒 爾 に 囑 す る こ と と な り、 密 敦 は 法 身 の 説 に し て、 顯 敢 は 報 應 身 の 説 な り と の 根 本 教 旨 が 顯 は れ ぬ こ と と な ら ざ る 乎。 部 ち 二 敢 論 の 鐸 一 往 観 れ ば、 四 家 大 乗 は 共 に 不 可 得 絶 言 を 宗 極 と な す、 し か し て そ の 宗 極 こ れ 密 藏 の 禮 な り と の 鐸 を な せ る が 如 く な る も、 し か も 眞 諦 塞 の 教 系 に 屡 す る 三 論、 天 台 の 所 説 に 樹 す る 喩 繹 と、 眞 諦 有 の 激 系 に 囑 す る 法 相、 華 嚴 の 説 に 封 す る 喩 繹 尉 じ か ら す、 即 ち 大 師 ば 眞 諦 室 の 数 系 に 薦 す る 三 論 噂 天 台 に 封 し て は、 こ れ 入 佛 道 の 初 門、
即 ち 秘 密 憂 茶 羅 に 入 る 能 入 の 門 な り と 判 じ、 眞 諦 有 の 教 系 に 厩 す る 法 相、 華 巌 所 明 の 眞 諦 こ れ 秘 密 眞 言 藏 の 本 外 な り と 繹 せ ら る N と こ ろ に、 眞 言 蜜 教 は 眞 諦 の 本 有、 帥 ち 毘 盧 遮 那 如 來 の 大 畳 の 果 禮 の 實 在 を 明 し、 こ の 果 禮 を 秘 密 藏 の 本 禮 と な す も の な る を 知 ら る、 の で あ る。 た や し 四 家 大 乗 の 眞 諦 説 に 察 有 の 爾 説 あ る も、 し か も 眞 諦 は 一 昧 の 法 な り、 不 可 得 の 理 な り、 生 佛 の 假 名 を 絶 し、 自 他 の 差 別 を 混 す と 云 ふ に 至 つ て は そ の 所 説 一 で あ る。 し か る に 密 教 は、 こ の 眞 諦 に 無 量 の 色 心、 無 盤 の 理 智、 無 数 の 自 然 畳 禮 の 實 在 を 開 顯 す、 帥 ち 眞 諦 に 十 界 曼 茶 羅 を 建 立 す る も の で あ る。 こ の 眞 諦 本 有 の 自 然 畳 膿、 果 の 至 極 に 約 す れ ば 毘 盧 遮 那 如 來 に し て、 こ の 毘 盧 遮 那 如 來 の 薗 謹 大 畳 の 禮 を 三 世 常 恒 に 自 現 し、 開 顯 す る、 こ れ 法 身 説 法 説 の 根 基 で あ る。 し か る に 喩 師 は、 顯 密 二 漱 究 寛 眞 實 の 理 禮 た る 眞 諦 の 極 際 は 同 一 に し て、 し か も そ の 眞 諦 の 極 際 に 生 佛 の 差 相 を 見 す、 言 心 を 絶 せ る 寂 滅 無 相 の 髄 な り と な す が 故 に、 法 身 自 謹 本 地 の 禮 無 説 法 の 義 を 成 す る に 至 り し も の な る 乎。 次 に 高 粗 の 十 住 心 の 義 に 約 し て、 五 宗 所 明 の 眞 理 に 一 往 の 淺 深 の 存 す る こ と を 述 べ、 法 相、 三 論、 天 台、 華 厳、 眞 言 の 所 宗 を 墨 げ て 課 繹 せ り、 帥 ち 法 相 は 性 相 別 論、 有 爲 の 事 と 無 爲 の 理 の 不 二 一 如 の 理 を 明 さ 冷 る も、 三 論 は 諸 法 郎 塞 の 理 を 開 演 し、 理 事 不 二 の 妙 趣 を 宣 示 す、 し か も 三 論 の 眞 如 の 膿 性 は 一 理 卒 等 に し て、 未 だ こ の 理 性 に 無 数 の 差 相 を 具 す る こ と を 説 か ざ れ ど も、 天 台 に 至 れ ば 眞 如 の 理 に 三 千 の 差 相 を 具 す る こ と を 明 し、 不 随 縁 の 時 も 三 千 宛 然 た れ ば、 無 明 を 除 く も 差 別 有 る こ と を 顯 示 大 口 経 の 教 主 に 就 て 三 一
大 口 経 の 教 主 に 就 て 三 二 す。 即 ち 三 論 の 理 は 李 等 一 味 な る も、 天 台 の 理 は 三 千 の 差 相 を 具 す る が 故 に 二 宗 の 所 明 に 自 ら 深 淺 あ る を 知 ら る、 更 に 天 台 と 華 厳 と 相 望 し て、 天 台 は 性 具 を 宗 と し、 華 厳 は 性 起 の 玄 旨 を 明 す、 し か し で 性 具 は 理 に 約 し 性 起 は 事 に 約 す れ ば、 事 々 無 碍 縁 起 の 性 起 の 説 天 台 の 性 具 説 に 勝 る も の が あ る、 況 ん や 天 台 は 三 諦 圓 融 を 以 て、 唯 佛 輿 佛 乃 能 窮 養 の 妙 法 實 相 の 騰 と な す も、 華 厳 は 事 々 無 碍 圓 融 を 以 て、 普 賢 因 人 の 所 了 と な し 更 に 果 分 の 不 可 説 を 明 す。 こ れ 天 台 の 果 佛 所 謹 の 理 を 以 て 華 厳 因 人 の 所 了 と 爲 し、 更 に 十 佛 の 自 境 界 の 果 分 の 實 在 を 暗 示 す る も の で あ る。 帥 ち 不 可 説 と い ひ な が ら 高 く 果 分 の 境 界 を 示 す も の で あ る。 こ の 華 厳 の 不 可 説 の 果 分、 こ れ 眞 言 密 藏 の 境 界 で あ る。 し か し て 天 台 の 性 具 の 三 千、 華 厳 の 圓 融 観、 理 趣 幽 玄 な る も、 何 れ も 因 縁 無 性 の 理 を 本 と す る も の な れ ば 究 寛 は 無 性 の 理 に 蹄 す る も の な る を 述 べ、 四 家 大 乗 の 究 覧 の 理 趣 と せ る 寂 滅 絶 離 一 心 無 相 の 極 理 に 於 て、 自 性 法 身 如 義 眞 實 の 言 を 以 て 説 く と こ ろ の 性 徳 輪 圓 の 妙 理、 無 鑑 荘 厳 の 本 具 の 果 禮、 こ れ 秘 蜜 眞 言 藏 の 境 界 な る こ と を 明 し、 こ の 境 界 を 開 説 す る も の は 六 大 四 曼 三 密 の 三 大 の 敢 義 な る こ と を 繹 す。 な ほ 蜜 教 は 法 身 如 來 の 所 説 に し て、 顯 教 は 報 應 身 の 所 説 な る こ と、 顯 教 の 所 明 甚 深 な れ ど も 撮 相 蹄 性 に 蹄 し、 密 教 は 所 謂 性 の 慮 の 性 相 の 常 住 本 有 の 妙 旨 を 開 演 す る も の な る こ と 等 を 委 繹 さ れ て あ る。 此 の 如 く 十 住 心 の 所 明 に 依 り 三 乗 二 乗、 顯 教 密 敢 そ の 所 顯 の 理 趣 異 な り あ る を 繹 す る が 加 き は、 よ く 大 師 の 教 旨 を 登 揮 せ る も の で あ る。 し か も 上 述 の 如 く 喩 師 は 顯 密 二 教 所 顯 の 理 趣 異 な る あ り と な す 十 住 心 の 説 は 一 往 の 説 に
し て、 顯 密 所 謹 の 理 同 一 な り と 観 る 説 を ば 再 往 の 實 義 と し、 二 激 論 の 繹 文 を 以 て 真 義 を 謹 せ る は 前 叙 の 如 く で あ る 。 帥 ち 喩 師 は 顯 密 二 敏 共 に 寂 滅 無 相 を そ の 究 寛 眞 實 の 理 趣 と 観 る も の で あ る。 か く 顯 密 二 敏 の 敏 義 の 淺 深 を 委 鐸 し な が ら、 再 往 は 二 敏 所 謹 の 理 性 は 同 一 な り、 密 激 も 無 相 寂 滅 を 極 と な す と の 説 は、 か の 顯 密 問 答 鋤 等 に 白 宗 所 明 の 極 理 の 有 相 無 相 を 論 じ、 遮 情 表 徳 有 相 無 相 に 四 重 の 繹 を な し、 前 三 重 の 有 相 無 相 は、 勝 劣 の 異 な り あ り と い へ ど も、 衆 生 利 盆 の 方 便、 如 來 善 巧 の 玄 軌 に し て、 第 四 重 の 秘 々 中 の 深 秘 の 禮 は、 中 毫 自 讃 の 極 理、 唯 佛 輿 佛 の 境 界 な り、 し か も こ の 自 謹 の 極 理 は 言 語 盤 寛、 心 行 寂 滅 の 無 相 の 禮 と な す も の で あ る。 か く 無 相 を 宗 極 と な す よ り、 六 大 禮 性 は 無 相、 四 曼 は 有 相 な り と 槻、 六 大 禮 性 に 顯 色 形 色 を 具 せ ざ る と し、 法 身 自 讃 本 地 の 禮 ば 永 寂 無 相、 言 語 説 法 な き 義 を 成 す る も の で あ る。 高 租 の 宗 義 に 依 り 法 身 説 法 表 を 唱 へ つ N、 而 も 宗 の 實 義 は 無 相 な り と し、 法 身 自 誰 本 地 の 位 に 説 法 な く、 そ の 化 他 加 持 身 の 位 に 説 法 あ り と の 説 を な す、 喩 師 の 駿 義 の 根 擦 由 來 に つ い て 一 言 せ ん に、 師 は 疏 家 の 無 相 一 法 界 の 教 義 と、 高 租 の 有 相 多 法 界 の 激 義 と を 融 會 し て 解 せ ん と し、 而 も 疏 家 の 阿 字 本 不 生 の 説 を 本 と し て 繹 を な す も の で あ る。 そ は か の 指 心 抄 に 自 性 法 身 の 説 法 を 明 す が 故 に 高 誼 の 宗 意 に 背 か す、 ま た 白 性 身 の 本 地 白 誰 の 位 に 説 法 な き 義 を 成 す る が 故 に、 疏 家 の 自 謹 無 言 の 繹 意 を 失 せ ざ る こ と を 述 ぶ る 繹 文 に 依 て も 知 ら る N の で あ る。 然 古 徳 未 レ知 二自 性 身 中 有 二加 持 身 一。 或 云 二本 地 自 謹 之 説 一而 害 二経 疏 自 謹 無 言 之 文 一。 或 云 二他 受 愛 化 之 説 一而 大 口 経 の 教 主 に 就 て 三 三
大 日 経 の 教 主 に 就 て 三 四 同 二顯 教 三 乗 一 乗 之 佛 一。 恐 隠 二疏 家 之 深 旨 一。 失 二宗 家 之 本 意 一歎。 當 レ知 以 ニ中 台 尊 一故 不 レ壊 二 大 師 自 性 身 説 法 之 義 一。 又 以 二加 持 身 故。 不 レ違 疏 家 紳 力 加 持 三 昧 之 説 一。 云 云 疏 家 の 激 義 と 高 租 の 宗 義 を 一 致 に 観、 而 も 高 組 の 表 徳 本 有 の 説 を 本 と し て、 宗 義 を 解 せ ん と す ゐ は、 中 古 以 來 の 宗 學 者 の一 般 の 態 度 な り し も、 喩 師 は 寧 し ろ 疏 の 説 を 表 と し て 宗 義 を 立 せ し も の で あ る。 し か し て 師 が 無 相 を 宗 極 と 信 解 す る に 至 り し は、 そ の 學 程 を 見 れ ば 思 ひ 孚 ば に 過 ぐ る も の あ ら ん 乎。 帥 ち 師 絃 二 十 二 三 歳 の 頃 よ り 三 十 歳 頃 ま で、 南 都 に 在 て 三 論、 華 厳、 唯 識 等 を 學 び、 そ れ よ り 後、 小 幡 の 眞 塞、 醍 醐 の 憲 深 等 に 就 て 密 宗 の 要 訣 を 傳 へ た り と 云 ふ が、 眞 室 は 密 宗 を 傳 へ た る 人 な る も 本 宗 は 三 論 宗 に し て、 三 論 玄 義 槍 幽 抄 を 草 せ し 人 で あ つ た。 し か し て 眞 室 は 大 日 経 教 主 を ば 理 智 冥 合 し て 成 せ る 他 受 用 加 持 身 な り と の 義 を 持 せ し 人 で あ つ た。 も と よ り 喩 師 の 加 持 身 と、 理 智 不 二 の 他 受 用、 加 持 身 と は 異 な る も の あ る も、 眞 諦 塞 を 宗 極 と な す 三 論 宗 を 本 宗 と せ る 人 よ り、 加 持 身 激 主 義 を 傳 へ た る と き、 そ こ に 何 等 か の 嗜 示 を 得 ざ り し 乎。 ま た 醍 醐 山 に 入 り 憲 深 よ り 報 恩 院 流 を 傳 へ た る が、 こ の 報 恩 院 流 は こ れ 無 相 一 法 界 を 宗 極 と な す も の な る こ と は、 か の 第 三 重 の 印 明 に 依 て も 知 ら る N の で あ る。 し か し て 憲 深 も 無 相 寂 滅 を 宗 極 と せ し こ と は 顯 密 問 答 鋤 に 依 て も 知 ら る、 の で あ る。 即 ち 喩 師 の 無 相 爲 本 の 宗 義 は、 そ の 可 信 と せ る 事 相 仁 基 く も の な り も こ と を 知 ら る N の で あ る。 な ほ 指 心 抄 に は 木 幡 の 説 と 共 に、 先 師 の 義 と し て 述 花 院 顯 揚 房 俊 晴 の 説 を 出 だ せ る が、 こ の 述 花 院
の 説、 こ れ 加 持 身 激 主 の 起 源 な り と 云 ふ。 蓋 し 指 心 抄 に 引 け る 文 に 依 れ ば、 此 師 は 自 性 本 地 法 身 を 教 主 と な す も の で あ る。 し か る に 自 性 身 よ り 利 他 の 爲 め に 示 現 す る 加 持 身 は、 自 性 の 禮 を 改 め す、 自 性 を 全 う し て 示 現 せ る こ と、 例 へ ば 宮 中 に 在 る 國 王 の 外 朝 に 出 居 す と い へ ど も、 真 禮 替 ら ざ る が 如 く、 自 性 を 改 め す し て 利 他 加 持 の 義 あ b と な す は、 こ れ 自 性 身 に 帥 す る 加 持 身 を 説 く も の で あ る。 眞 室 よ り 理 智 冥 合 の 他 受 用 加 持 身 説 を 傳 へ、 ま た 俊 晴 よ り 自 性 身 に 帥 す る 加 持 身 説 を 傳 へ た る こ と を 喩 師 自 ら 記 す る よ り 見 れ ば、 喩 師 の 説 の 由 來 す る と こ ろ 知 ら る べ き で あ る。 し か し て 眞 室、 俊 晴 等 に 親 し く 指 授 を 受 け、 以 て 猫 創 の 加 持 身 を 立 す る に 當 り、 唯 一 の 依 慧 と な せ る も の は 般 若 寺 僧 正 観 賢 の 説 で あ る、 帥 ち 眞 諦 の 極 際 は 無 相 寂 滅 な り と の 説 は、 顯 教 の 経 論 及 び 大 日 経 疏 及 び 師 の 密 宗 の 阿 閣 梨 耶 た る 憲 深 等 よ り 傳 へ、 ま た 加 持 身 漱 主 の 義 は 眞 室、 俊 晴 等 よ り そ の 暗 示 を 得、 更 に 般 若 寺 鋤 の 説 に 依 り、 こ こ に 高 租 の 宗 義 に 依 り 法 身 説 法 説 を 立 し な が ら、 そ の 自 謹 本 地 の 位 は 無 相 永 寂 に し て 言 語 説 法 な く、 化 他 加 持 身 の 位 に 於 て 演 説 せ ら れ た る も の は、 大 日 経 な る 説 を 創 稽 す る に 至 り し も の 乎。 な ほ 顯 密 問 答 抄 に 宗 極 無 相 の 義 を 謹 せ ん と し て 、 先 徳 灌 頂 一 異 表 中。 立 ニ秘 奥 寂 然 義 一可 恵 レ之。 と 記 せ る は、 こ れ 畳 歯 上 人 の 傳 法 灌 頂 一 異 義 の 第 九、 秘 奥 最 極 の 密 激 秘 趣。 常 住 天 塞 一等 の 文 な ら ん 乎。 か く の 如 く 無 相 至 極 の 表 を 謹 せ ん と し て、 般 若 寺 抄、 灌 頂 一 異 義 乃 至 大 師 の 五 居 足 断、 十 慮 手 亡 等 の 大 日 経 の 教 主 に 就 て 三 五
大 日 経 の 教 主 に 就 て 三 六 文 を 引 か れ た る も、 師 の 無 相 爲 本 の 根 本 依 愚 は 大 日 経 疏 の 繹 文 で あ る。 帥 ち 無 相 一 法 界 爲 本 の 報 恩 院 流 の 玄 底 を 叩 き、 大 疏 愚 草 を 著 は し、 大 傳 法 院 を 再 常 し、 大 傳 法 院 の 學 頭 と し て 加 持 身 義 を 成 立 せ し と い へ ば、 そ の 説 を 成 す る に 至 る 由 來 根 糠 等 知 ら る べ き も の が あ る。 次 に 喩 師 の 加 持 身 説 を 要 約 し て の ぶ れ ば、 諸 宗 教 理 同 異 繹 等 に 明 す が 如 く、 喩 師 は 顯 密 二 教 の 淺 深 優 劣 を 論 す る 場 合 は、 法 身 の 説 法 を 開 説 す る も の は 密 激 に し て、 し か ら ざ る も の は 顯 教 な る. こ と を 高 唱 せ る も の で あ る。 大 疏 愚 草 に 四 身 の 中 に は、 大 日 経 の 教 主 は 白 性 身 な り、 唯 理 法 身 な る こ と を 成 す、 帥 ち 金 剛 頂 経 の 教 主 は 智 身 が 理 身 に 住 し て 之 を 説 感、 大 日 経 は 理 身 が 智 身 に 住 し て 之 を 説 く 義 を 明 す も の で あ る。 し か も 此 の 理 法 身 に 自 謹 に 佳 す る 自 利 の 邊 と、 往 昔 の 本 誓 悲 願 に 依 り て、 法 界 の 衆 生 を 憐 慰 す る 化 他 大 悲 の 邊、 帥 ち 本 地 自 謹 と 化 他 加 持 と の こ 徳 が あ る。 そ の 中 自 謹 の 位 は 言 忘 慮 絶、 寂 滅 無 相 し て 説 法 な き も、 そ の 自 性 身 の 化 他 加 持 の 位 に て 説 法 あ り、 今 の 大 経 は 自 性 身 の 化 他 加 持 身 の 説 法 な り と す。 尤 も 自 謹 化 他、 ﹂ 本 地 加 持 に 重 々 の 義 あ り、 帥 ち 竪 に 四 身 相 望 す れ ば、 自 性 を 本 地 身 と し、 受 用、 愛 化、 等 流 の 鯨 三 身 を 加 持 身 と し、 或 は 四 身 に 各 々 自 利 々 他 横 竪 の 義 を 具 す る が 故 に、 四 身 各 々 の 横 帥 自 利 の 邊 を ば 本 地 身 と い ひ、 竪 帥 利 他 の 邊 を ば 加 持 身 と す、 此 の 中 に 大 日 経 は 自 性 身 の 説 な る も、 そ の 自 謹 本 地 の 邊 に は 説 法 な き が 故 に、 化 他 加 持 身 の 位 に 於 て 説 か れ た る も の な り と す。 此 の 如 く 喩 師 は 加 持 身 説 法 の 義 を 立 す る も の な れ ど も、 白 性 身 の 上 の 加 持 身 な る が 故 に、 か の 畳 苑、 安 然、 重 轡 等 の 説 と 異 な る も の な
れ ば、 こ れ 喩 師 猫 創 の 説 と も 稽 せ ら る べ き も の で あ る。 法 身 の 説 法 は 密 教 な り、 理 法 身 の 説 か れ た る も の は 大 日 経 な り と 繹 し な が ら、 そ の 法 身 に 本 地 加 持 の 二 身 を 立 て、 そ の 自 謹 本 地 の 位 に 説 法 な き 義 を 成 す る も の な る が、 そ の 自 謹 無 説 法 の 義 は 大 疏 愚 草 に 自 謹 位 説 今 経 鰍 事 等 の 論 草 に 委 悉 せ り 。 此 等 の 繹 に 依 て 知 ら る N が 如 く 本 地 自 讃 無 説 法 の 義 は 全 く 疏 の 繹 文 に 依 て 成 せ る も の で あ る。 帥 ち 第 一 實 際 の 自 謹 の 極 位 に は 言 説 な し、 然 も 如 來 加 持 力 を 以 て の 故 に、 佛 菩 提 自 謹 の 徳 よ り 八 葉 中 胎 藏 の 身 を 現 じ、 乃 至 一 切 衆 生 喜 見 随 類 の 身 等 の 四 重 圓 壇 の 曼 茶 羅 を 流 出 し、 そ の 外 現 曼 茶 羅 の 四 重 圓 壇 の 中 船 の 自 性 加 持 三 昧 に 住 し て 説 法 あ る 等 の 疏 の 文 を 依 愚 と し て、 能 現 の 自 謹 の 三 菩 提 の 位 に 説 法 な く、 外 現 曼 茶 羅 の 中 胎 自 性 加 持 身 の 説 法 の 義 を 立 す る も の で あ る。 師 ち 既 云 二言 語 盤 寛 心 行 亦 寂 一。 若 無 二言 語 一何 有 二説 法 之 義 一乎。 依 レ之 當 巻 下 文 云 如 レ是 自 謹 之 境 説 者 無 言 観 者 無 見 云 云。 又 云 如 來 自 謹 之 智。 設 以 ニ紳 力 加 持 一亦 不 レ可 レ示 レ人 等 文 加 レ之 又 第 二 十 憲 云 如 來 但 佳 二自 謹 之 法 一 不 レ能 レ度 レ人。 何 以 故 此 慮 微 妙 寂 絶 出 二過 心 量 説 レ何 示 レ人 乎 云 云。 又 云 此 是 砒 盧 遮 那 佛 本 地 身 粧 壷 之 禮。 超 笛 八 葉 一絶 二方 慮 一非 二有 心 之 境 界 一。 唯 佛 與 レ佛 乃 能 知 レ之。 爲 レ念 昌本 誓 一開 宗 大 悲 藏 一普 引二 衆 生 一入 ニ佛 恵 ー故 云 云。 此 文 本 地 身 者 指 昌烏 謹 位 一也。 爲 念 本 誓 等 者 當 手 今 往 昔 大 悲 願 等 一。 云 二開 示 大 悲 藏 一非 レ指 為 経 一乎。 明 知 本 地 自 謹 位 非 工有 心 境 日故 住 加 持 三 昧 一説 工今 経 一云 事。 云 云 此 の 如 く 實 智 謹 如 の 境 界 は、 無 分 別 の 法 に し て 分 別 心 の 及 ぷ 所 に あ ら ざ れ ば、 こ の 自 内 謹 の 境 に 於 て 大 口 経 の 教 主 に 就 て 三 七
大 日 経 の 教 主 に 就 て 三 八 説 法 あ る に あ ら す、 説 法 は 利 他 の 爲 め な る が 故 に 避 諦 権 智 の 境 界 な り と い へ ば、 密 教 は 法 身 の 自 内 謹 の 境 を 説 か れ た る も の な り、 自 受 法 樂 の 説 な り と の 大 師 の 提 棚 を 如 何 に 會 繹 せ る や と 云 ふ に、 本 地 自 誰 の 位 は 第 一 義 諦 實 智 の 境 界 に し て 説 法 な く 随 て 化 他 加 持 の 説 法 の 義 ば こ れ 俗 諦 椹 智 の 所 作 に し て、 今 の 経 三 十 一 品 は 皆 加 持 世 諦 門 に 於 け る 所 説 な り、 加 持 世 諦 門 の 説 な り と い へ ど も、 法 身 如 來 自 春 薦 と 各 々 三 密 門 を 説 き 給 ふ 時、 實 行 當 機 の 因 人 聞 を 隔 つ る が 故 に、 自 受 法 樂 と 云 ふ。 帥 ち 大 師 が 密 漱 は 法 身 自 内 謹 の 説 な り 自 夢 法 樂 の 三 昧 門 な り と 鐸 し 給 ひ し は、 自 謹 の 位 に 於 て 帥 ち 自 内 讃 を 説 く 意 に あ ら す、 自 受 法 樂 の 爲 め に 加 持 三 昧 に 住 し て 内 謹 の 法 門 を 説 く な り、 帥 ち 加 持 世 諦 門 の 説 な れ ど も、 顯 教 の 如 く 説 法 の 會 座 に 當 機 實 行 の 因 人 あ る に あ ら ざ る が 故 に 随 自 意 説 と い ひ 或 は 自 受 法 樂 の 説 な り と 云 ふ。 此 の 如 く 加 持 身 説 法 の 會 座 に た や 解 脱 門 所 現 の 智 識 の み に し て、 實 行 常 機 の 因 人 な く ば 化 他 大 悲 の 加 持 身 を 世 俗 諦 に 現 じ て 説 法 す る は 如 何 な る 因 人 を 化 盆 せ ん が 爲 め な り や と 云 ふ に、 加 持 身 説 法 の 法 界 宮 の 會 座 に 正 被 教 の 當 機 な し と い へ ど も、 遠 く 未 來 の 衆 生 に そ の 盆 を 被 ら し め ん が 爲 め に 説 か れ た り と 云 ふ。 蓋 し 世 諦 門 に 示 現 せ る 加 持 身 説 法 の 會 座 に 當 機 實 行 の 倒 人 あ ゆ と い へ ば、 随 他 意 の 顯 教 と 同 す る こ と N な り、 密 教 は 随 自 意 漱 な り、 自 受 法 樂 の 説 な り と の 高 判 に 出煙 す る こ と m な る ゆ ゑ に、 加 持 身 説 法 の 會 座 に 當 機 な く、 た い 未 來 の 衆 生 に そ の 釜 を 蒙 ら し め ん が 爲 め に、 加 持 三 昧 に 住 し て 内 謹 の 法 門 を 説 き 給 ひ た り と 繹 す る 乎。
上 述 の 如 く 喩 師 は 疏 家 の 加 持 身 と 高 租 の 本 地 身 を 融 會 し、 し か も 疏 家 の 加 持 身 説 を 表 と し て 義 を 成 せ し も の で あ る。 大 日 経 疏 は 無 相 一 法 界 の 義 を 本 と し、 無 相 法 身 よ り 加 持 身 を 示 現 せ る 理 趣 を 明 す も の で あ る。 さ れ ば 高 組 の 繹 文 に 依 ら す 直 に 疏 の 文 に 依 て 教 主 を 解 せ ん と せ ば 畳 苑 ま た は 台 密 の 諸 師 の 如 き 説 と な る は 自 然 の 教 致 で あ る。 し か し て 我 が 東 密 に て 高 租 の 法 身 説 法 の 大 義 に 檬 り、 疏 家 高 租 の 説 を 融 會 し て 槻 ん と す る と き、 そ の 立 場 の 如 何 に よ つ て 種 多 の 説 が 成 せ らるN。帥 ち 唯 高 組 の 説 に 依 ら ば 濟 羅、 q 上 人、 乃 至 本 地 身 方 の 義 が 成 せ ら れ、 爾 租 の 説 を 並 べ 観 て 而 も 高 租 の 説 を 正 と し 疏 家 の 説