金
剛
頂
経
の
藏
漢
封
照
上
に
於
げ
る
二
考
察
(績)
行
縄
榮
範
本 誌 三 十 八 號 に 於 て 本 経 の 別 序 特 に 無 始 無 終 寂 以 下 の 八 偏 鴛 就て、 藏 漢 爾 繹 た 封 照 し 贅 疏 私 記 等 の 繹 義 な 塗 照 し て、 更に 繹 友・ 慶 喜 藏 の 疏 繹 に ょ つ て、 所 謂 五 佛 配 繹 の 説 段 に 就 て、 少 く 究 明 し れ の で あ ろ が、 尚 綾 て 四 波 羅 蜜 ・ 八 供. 四 撮 等 以 下 の 配 羅 に 封 し て、 そ の 疑 義 な 指 摘 し 窯 本 経 の 本 文 解 観 に 於 け 疹 當 否 為 検 討 し よ う。 五 畳 疏 ( 二・ 三 〇 ) の 分 科 に よ れ ば、 羅 刹 勇 ・威 猛 ・ 大 富 貴 ・郎 摩 天 世 主 の 二 句 三 字 を、 次 の 如 く 金 ・寳 ・ 法 ・ 業 の 四 波 羅 蜜 に 配 鐸 し て ゐ る。 先 づ 羅 刹 勇 を 金 剛 波 羅 蜜 に 配 當 し て、 金 剛 慧 性 恐 怖 一 切 勇 健 無 畏 爲 芯羅 刹 勇 と 述 べ て ゐ 乙 が、 一 私 記 (六・ 三 〇 ) は 此 れ を 更 に 贋 繹 し 羅 刹 天 と 解 し て、 此 奪 持 レカ カ 表ニ 金 剛 利 慧一。 前 明ニ 金 波一云ニ 所 生 智 藏一。 智 即 利 慧。 此 奪 以 轟金 剛 利 慧 二能 断 轟無 明 煩 惜 一猶 ニ利 力 一。 能 割 一臨 物 一故 云 轟羅 刹 勇一。 勇 謂 勇 猛 帥 無 二廠 足 一也。 金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 八 一金 剛 環 縷 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け あ 一 考 察 八 二 と 輝 し て、 羅 刹 天 の 猛 利 職、 食 と 金 波 の 金 剛 利 慧 と の 徳 用 に 於 て、 爾 者 の 相 關 的 秘 趣 を 配 繹 せ ん と 試 み ら れ て ゐ る。 今 繹 友 の 疏 を 槍 す る に、 羅 刹 の 形 像 に よ つ て 調 伏 ぜ ん が 爲 め に、 最 勝 な る 羅 刹 と 読 く。 而 し て 善 き 羅 刹 と ば 最 勝 な る 羅 刹 で あ る、 此 庭 に 不 可 抗 の 形 像 を 示 現 す る も 猫 何 筆 の ﹁畏 怖 々 生 じ な い なら ば、 此 等 に 封 し て 堅 固 と 説 か れ ろ。 堅 固 と ぽ 不 動 で あ る。 と 鐸し て あ る か ら、 大 毘 盧 遮 那 の 紳 鍵 不 思 議 三 昧 相 と し て、 暴 怒 の 相 を 示 現 し て 難 調 を 降 伏 し、 或 は 大 安 怨 の 形 と な り、 又 は 堅 固 勇 猛 な る 羅 刹 の 相 を 墾 現 し て、 随 順 慮 化 の 秘 趣 妙 用 を 宣 説 せ る 義 に 外 な ら ぬ と 解 さ る べ き こ と は 既 に 前 節 に 述 べ た る 所 で あ る。 次 に 威 猛 の 二 字 に 就 て、 畳 疏 ( 二・ 三 〇 ) は 寳 波 羅 蜜 の 寳 勝 大 威 光 の 理 越 と 相 符 せ し め て、 配 繹 を 試 み な が ら も、 更 に 別 義 を 出 し て 又 法 蜜 智 釧 威 勢 大 力 名ニ 威 猛一
と 繹 し て 愉 臨 猛 の 配 罧 ば 寳 波 と 法 波 ど の 爾 音 に 共 遮 さ 蒔 る と い ふ 極 め て 瞬 昧 な る 繹 棺 で あ る。 勿 論 畳 疏 (二・ 三 九 ) は 既 に 既 の 黙 に 關 し て、 更 復 右三 逆 順 配 ニ劉 諸 尊 名 目一。 縦 横 分 ニ配 諸 聖 密 印一、 分 レ字 結 レ句 種 々 異 解。 今 随ニ 一 門 一且 解ニ 尺 之 一鼓 々 と 述 懐 さ れ て ゐ る が、 極 論 す れ ば 種 々 の 異 解 を 豫 想 し 泥 鐸 義 は 全 く そ の 眞 實 牲 が 疑 は れ る の で あ る。 私 記 ( 六・ 二 五 ) は 更 に 別 解 を 試 み て 威 猛 の 二 字 を 隅 捺 羅 天 に 配 繹 し、 倶 舎 論 頚 硫 第 七・ 大 伺 経 義 緯 ・ 同 疏 第 十 憲 等 を 引 読 し て、 寳 波 と の 配 封 を 論 謹 し て ゐ る が、 特 に 噌 達 羅 を 字 義 的 に 解 説 し て、 寳 波 と の 相 瀾 に 具 鐸 を 出 す も 要 當 で は な い。 繹 友 の 疏に よ れ ば、
sems can gan gzi brjid dan ldan paho shes ba bar ston
dpah bo mnon pahi na rgyaldan ldan gcod par mdsad napoho
(o, 16. b ) 城 光 為 具せ あ 諸 の 有 情 の 申 に 於 て、 大 威 に し て 威 光 た 具 す と 説 く の で あ ろ。 勤 勇 と は 櫓 上 慢 た 有 ぜ う も の た、 噺 除 し 給 ふ が 故 に 勤 勇 で あ ろ。 と 輝 さ れ て、 最 勝 な る 羅 刹 の 相 を 示 現 し、 更 に 此 れ に も 畏 怖 せ ざ る 難 調 者 に は 大 威 光 大 勇 猛 の 相 を 現. じ て そ の 癒 化 聯 鍵 の 妙 用 を 十 全 な ら し む る 義 趣 に 外 な ら ぬ。 敢 へ て 寳 波 の 内 謹 三 昧 耶 を 威 猛 の み に 限 定 配 樹 す る に 至 て は 経 慧 を 覆 ふ も の で は な か ら う か。 金 剛 ・頂 脛 の 藏 漢 封 照. 上 に 於 け る 一 考 察 八 三
金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け み 一 考 察 八 四 次 に 大 富 貴 を 法 波 羅 蜜 に 配 繹 し て 豊 疏 は 法 蜜 法 満 之 義 爲 二大 富 貴 一也。 又 寳 蜜 富 饒 爲 矢 富 貴 也。 乏 説 き て、 大 富 貴 を 又 法 波 ・寳 波 の 爾 義 に 配 封 し て あ る。 此 れ 又 大 富 貴 の 句 義 が 法 波 ・寳 波 の 爾 者 に 通 用 し て そ の 特 質 的 相 關 を 敏 く 所 以 で あ る。 私 記 ( 六・ 二 六 ) 大 日 経 疏 第 六 を 引 謹 し て、 親 世 自 在 者 是 初 入 二蓮 花 三 昧 一之 異 名 也。 此 中 自 在 梵 本 正 翻 是 富 貴 義 也。 如 軍人 得 二大 勢 位 一具ニ 足 財 寳 一随ニ 心 所 欲 一自 然 成 就 島此 菩 薩 亦 爾 云 々 と 密 黄 と 怯 波 乏 の 相 關 標 相 を 求 め、 更 に 大 疏 第 十 七 巻 に 財 富 者 亦 是 天 名。 自 在 須 レ與 帥 與。 佛 郎 是 也。 と 説ける 理 趣 ま り 推 し て 大 富 貴 を 財 寳 の 意 味 に 領 解 し て、 法 波 に 配 鐸 し て あ る。 更 に 繹 表 の 硫 を 槍 照 す る に、 諸 の 喩 伽 者 叉は 或 る 殊 勝 な ろ 天 の 我 性 た 示 現 し て 自 ら 慢 心 寿 な す 等 の 者 寿 調 伏 ぜ し め ゐ が 爲 に、 大 主 宰 者 と 観 く の で あ る。 卸 ち 一 切 寿 箆 醒 す と い ふ 義 で あ 乃。
と
解
説
せ
る
如
く、
渉
界
を
統
揖
せ
る
大
毘
盧
癒
那
の
藤
力
爵
在
を
象
徴
し
て
大
富
貴
ど
諌
き
て、
所
講
大
自
在
天
外
道
等
の
諸
棘
我
に
執
着
せ
る
一
類
を
調
伏
悟
入
せ
七
む
る
秘
趣
に
外
な
ら
ぬ。
此
の
法
身
紳
墾
妙
用
泥
る
大
富
貴
の
相
を
限
定
し
て
法
波
羅
蜜
の
み
に
配
繹
す
る
は
姿
當
で
は
な
か
ら
う。
次
に
部
摩
天
世
主
の
一
句
を
業
波
羅
蜜
菰
配
繹
し
て
昼
疏
(
二・
三
一)
は、
娼
磨
蜜
寛
廣
義
爲ニ
烏
摩
天一。
世
主
如三
大
梵
王
爲ニ
衆
生
父一。
錫
磨
妙
用
不
レ捨ニ一
切
一故。
と
鐸
し
て
あ
る。
更
に
私
記
(六・
二
六
)
は
烏
摩
天
未
レ知ニ
荷
天一。
摩
酷
首
羅
妃
名ニ
鳥
摩一
歎。
と
述
べ
最
勝
疏
第
五
を
引
謹
し
て
具
繹
し、
世
生
を
三
十
巻
教
王
経
第
十
恕
所
説
の
三
界
主
の
義
に
解
し、
又
大
疏
第
十
七
を
引
て
世
主
は
毘
首
朔
磨
で
あ
る
と
断
じ
て
此
れ
を
業
波
羅
蜜
に
配
繹
し
て
ゐ
る。
私
記
の
推
考
せ
る
如
く
烏
摩
(Uma
)
は
正
し
く
摩
酷
首
羅
(Mahecvara
)
帥
ち
大
自
在
の
妃
で
あ
る。
蓋
し
藏
謬
は
﹁郁
摩
の
主
と
衆
生
の
主
﹂
と
課
出
さ
れ、
宋
鐸
は
郎
摩
天
主
並
世
主
と
な
す
が
故
に、
郎
摩
大
と
は
郎
摩
の
主
た
る
大
自
在
の
義
で
あ
る。
鐸
友
の
疏
に
よ
れ
ば、
金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け ろ一 考 察 八 五金 剛 填 経 の 藏 漢 欝 照 上 に 於 け ち 一 考 察 八 六 大 鞄 寝 天 に そ の 妃 (鄭 摩 )の 力 に 由 つ て、 我 ば 部 摩 の 主 な り と 驕 慢 す る が 故 に、 そ の 我 慢 た 浮 除 ぜ ん が 六 め に、 又 螂 摩 の 主 た 顯 現 し 給 ふ が 故 に、 郡 摩 の 主 な り と 説 く の で あ る。 業 と 煩 憐 と の れ め に、 異 生 す る が 散 に 衆 生 に し て、 彼 等 の 主 な み が 故 に 衆 生 の 主 で あ る。 即 ち 依 護 と 無 畏 と 々 與 ふ と い ふ 義 で あ る。 と 繹 さ れ て ゐ る が、 三 十 憲 教 王 経 第 九 (大 正 藏、 一 八・ 三 七 一 ) 所 説 の 大 自 在 天 降 伏 の 秘 趣 に 樹 比 し て、 肯 首 に 値 す る 繹 義 で あ る と 思 は れ る。 魯 加疏 私 記 は 部 摩 天 の 何 者 た る か を 了 知 せ す し て、 徒 ら に 配 繹 門 に 堕 し 却 つ て 本 経 の 原 本 的 意 匠 を 失 ひ、 玉 附 會 の 議 を 免 れ 得 な い 所 で あ ら う。 要 す る に 此 の一 段 は、 大 毘 盧 遽 那 の 憂 現 秘 密 三 昧 門 に 約 し て、 羅 刹 (raksasa ) の 形 相 を 示 現 し て 難 調 を 調 伏 す る こ と 最 勝 な る が 故 に、 最 勝 な る 羅 刹 と 説 き、 此 の 羅 刹 の 形 像 を 更 に 勇 猛 に し て、 何 物 に も 畏 怖 せ ざ る 境 地 を 堅 固 (勇 ) と 説 き、 然 も 此 等 の 妙 用 威 光 が 諸 の 威 光 の 中 に 於 て、 比 類 な き が 故 に 大 威 光 と 説 き、 更 に 増 上 慢 を 有 せ る も の を 教 化 せ ん が た め に 勇 猛 (猛 ) の 形 相 を 示 し、 一 曾 に の み 固 執 せ る 箔 負 偏 見 者 を 畳 醒 せ ん が た あ に、 我 は 大 主 宰 (大 富 貨 ) な り 乏 極 伏 せ し め、 夏 に 大 自 在 天 外 道 等 に 樹 し
て
は
郡
摩
め
主
な
り
と
宣
説
し、
輪
廻
轄
生
の
此
の
世
界
に
於
て
は
世
主
の
相
を
示
現
し
て、
所
謂
随
順
等
流
の
秘
趣
妙
用
を
讃
歎
せ
る
義
に
外
な
ら
ぬ
と
共
に、
本
経
成
立
の
背
景
的
契
機
を
物
語
る
も
の
で
あ
ら
う。
六
次
に
豊
疏
の
分
科
に
よ
れ
ば、
晩
紐
勝
大
寂
・
世
護
虚
塞
の
一
句
四
孕
を
次
の
如
く
内
の
四
供
養
菩
薩
に
配
繹
し
て
ゐ
る。
今
そ
の
配
野
の
要
義
を
摘
記
す
れ
ば、
毘
紐
嬉
善
愛
故
勝
大
寂
量
無
姥
殊
妙
大
荘
巖
故
笹
謹
歌
説
法
無
畏
故
虚
塞
舞
無
碍
白
在
故
先
づ
毘
紐
を
嬉
菩
薩
に
配
鐸
せ
る
秘
趣
を
槍
す
る
に、
畳
疏
(
二・
三二
)
に
よ
れ
ば、
毘
紐
天
の
善
愛
悪
滅
の
業
用
の
中
に
於
て、
今
且
く
警
愛
の
義
邊
を
偏
取
し
て
嬉
菩
薩
の
内
謹
と
粗
關
せ
し
め、
私
説 (
二・
二
七
)
は
更
に
理
趣
繹
・
大
日
経
疏
等
を
引
謹
し
て、
懸
レ知
箆
紐
帥
嬉
戯
義
也。
毘
紐
天
主二
繹
迦
如
來
大
精
進
徳
一故、
帥
是
勇
健
菩
提
心
也。
大
日
経
疏
第
十
云。
第一
孚
爲ニ
種
子一
掌奪。
毘
暑
室
義。
琶
紐
是
進
義
生
義。
舜レ
塞
而
遽
所
謂
此
天
乗ニ
迦
婁
羅
蔦一
而
行ニ
墓
中
一也。
と
具
鐸
し
で
嬉
菩
薩
と
毘
紐
天
と
の
配
封
の
深
義
を
試
み
ら
れ
て
ゐ
る
が、
果
し
て
本
経
の
意
を
得
た
緯
相
で
あ
ら
う
金 捌 頂 経 の 藏 漢 轡 ・照 上 に 於 け る 一 考 察 八 七金 剛 頂 経 の 藏 漢 甥 照 上 に 於 げ る 一 考 察 八 八 (一) か。 元 來 毘 紐 籔 (Visun ) は 梨 倶 吠 陀 時 代 駕 於 て は、 そ の 地 位 頗 る 微 々 た る 天 界 の 神 格 で あ る が、 後 の 阿 (二) 闊 婆 ・ 夜 柔 吠 陀 等 を 経 て 梵 書 に 至 れ ば、 梵 (Brahma ) 滋 婆 (Siva ) と 相 並 び、 途 に 後 世 の 印 度 教 に 於 け る 三 大 紳 格 と な つ た の で あ る。 (三) 是 の 如 く 毘 紐 籔 の 神 格 開 展 に 從 つ て、 そ の 紳 力 業 用 も 多 種 多 様 に し て 諸 経 疏 に 異 説 せ る 所 で あ る。 然 る に 魯 疏 等 は 毘 紐 の 丙 謹 を 躍 な る 叢 愛 の一 標 相 に よ つ で、 嬉 菩 薩 と 相 關 配 樹 せ し め ん と 試 み た る は、 徒 ら に 密 號 名 字 に 堕 し 象 徴 的 説 相 鳶 戚 溺 し て ゐ る で は な か ち う か ゆ 今 慶 喜 藏 の 鐸 を 槍 す る に、
khyab hjug gis hdul sems can rnams hjug gi gzzgs ston par pas na
(P. 41. a ) Visna に よ つ て 化 度 さ れ る 諸 有 情 に 封 し て に Visnu の 形 相 な 示 現 し 給 ふ が 故 に と 繹 さ れ、 更 に 鐸 友 の 疏 に は 肉 ら 攣 幻 の 喩 伽 に 佳 し て 其 に 一 坊 事 物 な 渉 入 し、 叉 一 切 に そ れ た 渉 入 し 給 ふ が 故 に 毘 紐 と 説 か れ る。 或 ば 又 信 者 達 に 封 し て 此 の 形 像 を 示 現 し 給 ふ が 散 に、 髭 紐 ぽ 叉 遍 入 (khyab-hjug ) と い ふ 義 で あ る。
(四)
と
鐸
さ
れ
乃。
此
の
説
蘭髭
の
字
義
を
分
解
し
て
そ
の
語
根
を√
Vis
と
な
し、
遍
満
渉
入
の
理
趣
に
解
し
た
る
繹
相
は
特
に
注
意
を
要
す
べ
く、
漢
繹
に
於
て
毘
紐
を
遍
入
と
鐸
出
す
る
に
封
比
し
て
肯
首
す
べ
き
繹
義
で
あ
ら
う。
思
ふ
に
大
毘
盧
遮
那
の
棘
憂
癒
現
無
碍
渉
入
の
妙
用
を
毘
紐
(遍
入
)
と
説
き、
更
罵
化
他
大
悲
三
昧
に
住
し
て
毘
紐
天
の
形
像
を
示
現
七
て
普く
衆
生
を
救
度
す
る
秘
趣
に
外
な
ら
ぬ
ゆ
更
に
又
経
典
成
立
史
的
に
推
論
し
得
れ
ば、
本
経
の
成
立
的
機
構
と
し
て
彼
の
毘
紐
諸
設
囎
組
父
等
の
諸
神
を
出
す
は
興
味
深
き
暗
示
を
齎
す
こ
と
で
あ
ら
う
が
繁
を
恐
れ
て
省
略
し
た
ひ
次
に
勝
大
寂
の
三
字
を
髪
菩
薩
に
配
鐸
し
て
豊
疏
(
二
・三
一)
は、
花
髭
供
養
無
レ比
殊
妙
有
工大
荘
巖
叩
無
住
無
著
故
云
二勝
大
寂
司
と
説
明し
て、
花
量
の
殊
妙
に
し
て
無
住
無
著
の
理
趣
と
勝
大
寂
と
の
象
徴
的
相
關
を
求
め
て
ゐ
る。
然
し
此
の
勝
大
寂
は
宋
鐸
に
於
て
勝
根
大
寂
黙
と
謬
出
さ
れ、
藏
謬
は
王
欲
と
大
寂
黙
と
諜
出
さ
れ
る
か
ら、
此
の
勝
大
寂
は
勝
と
大
寂
と
の
二
句
と
な
す
べ
き
で
あ
ら
う。
私
記
(六・
二
八
)
は
別
解
を
試
み
て、
勝
大
寂
者
恐
是
大
梵
天
王。
大
疏
第
十
七
云。
梵
是
大
梵
具
拡大
浬
撃
名
爲
ン梵。
又
云
梵
謂
二浬
薬
一先
大
梵
是
解
脱。
(五) を 繹 し て 大 梵 天 王 の 金 剛 名 と し て 寂 黙 金 剛 の 秘 趣 を 依 用 し て ゐ る が、 髭 菩 薩 と の 配 鐸 の 理 由 は 明 か で な い。 金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 八 九全 繭 頂 経 の 藏 漢 蜀 照 上 に 於 け あ 一 考 察 九 〇 繹 友 の 疏 に よ れ ば、 仁 者 (佛 ) が 諸 の 驕 慢 自 負 者 々 盤 く 征 伏 ぜ ん と 欲 し て、 王 者 の 性 趣 な 有 す る が 故 に 亦 王 欲 で あ る。 均 口 意 が 寂 蹴 な 具 有 す う が 故 に 寂 款 に し て 其 等 の 申 に 於 て 殊 勝 な う が 故 に、 大 寂 款 と 観 か れ る の で あ る。 と 鐸 さ れ て ゐ る。 又 慶 喜 藏 の 繹 (P. 41. a ) に は、 贋 大 の 性 を 具 す る は 王 欲 に し て 太 陽 で あ る。 牟 尼 寂 黙 の 中 に 於 て 繹 迦 牟 尼 の 理 趣 を 示 現 す る が 故 に 大 牟 尼 で あ る。 と 具 盤 的 に 説 明 さ れ て あ る が、 豊 疏 私 記 等 と 樹 比 し て 再 考 を 要 す べ き で あ ら う。 次 に 世 護 の 二 字 を 歌 菩 薩 に 配 繹 し て 畳 銃 ( 二 ・ 三 一 ) は、 妙 法 歌 が 世 闘 を 守 護 し 又 そ の 所 行 護 世 王 の 如 く 所 畏 な き 義 邊 よ り 世 護 と 歌 菩 薩 と の 相 關 的 契 機 を 述 べ て あ る。 更 に 私 記 ( 六・ 二 九 ) は 貴 護 を 護 世 天 と 解 し て、 歌 云 轟 究 一本 禮 帥 般 若 明 兜 と 説 明 し、 更 に 般 若 亦 有 二護 世 義 魂 如 薫所 レ謂 仁 主 護 國 等 一是 也。 故 以 二護 世 顯 出内 歌 供 一也。
と 具 緯 し で ゐ る が、 妥 當 を 歓 く と 思 は れ る。 菰 究 を 字 義 的 に 解 し て 般 若 の 明 児 頁 雪 と 關 係 せ し め て、 歌 と 般 若 と の 關 聯 か ら 更 に 般 若 に 護 世 の 義 を 要 求 し て、 仁 王 護 國 般 若 の 如 し と 繹 す る に 至 つ て は、 柳 か 曲 解 の 磯 を 免 れ 得 澱 所 で あ る。 慶 喜 藏 の 繹 に よ れ ば、
hjig skyon bshihi gzgs sems gyi
(P. 41. a ) 四 護 世 天 の 形 像 に ょ つ て 有 情 の 義、 利 な 作 し 給 ふ が 故 に 護 世 で あ る。 と 粋 さ れ、 繹 友 の 疏 (P. 17. a ) に は、 破 壊 す る が 故 に 世 間 に し て、 有 情 燈 間 と 器 世 間 と の 二 者 を 保 護 す る が 故 に、 世 護 と な り て 他 の 諸 難 調 者 が 地 輪 等 を、 破 壊 し 去 る こ と を 防 護 せ ん が 爲 め で あ る。 と 解 輝 さ れ て あ る。 護 世 は 護 世 四 天 王 と 素 直 に 領 解 し て 次 句 の 虚 塞 地 と 野 比 し て 天 塞 地 三 界 に 遍 満 せ る 大 毘 盧 遽 那 の 自 性、 鍵 現 の 秘 趣 と 解 さ る べ き で あ ら う。 次 に 虚 塞 を 舞 菩 薩 に 配 し て 畳 疏 ( 二・ 三 一 ) は 日 く、 紳 殖 妙 舞 癒ニ一 切 慮 一無レ 所ニ 滞 碍一。 如下 大 盧 塞 無上 有ニ 磯 尋 一故 爲ニ 虚 塞一。 此の 騨 相 は 妙 舞 の 遍 一 切 所 無 碍 性 と 虚 塞 性 と を 相 關 せ し め て あ る が、 虚 室 の 無 碍 性 普 遍 性 の 如 き は 各 尊 の 内 謹 に 契 謹 す べ く、 舞 菩 薩 の み に 配 繹 す べ き 特 質 的 標 相 で な い。 私 記 く 六・ 二 九 ) は 此 の 虚 塞 を 五 類 金 捌 頂 経 の 藏 漢 欝 照 上 に 於 け お 一 考 察 九 一
金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 九 二 天 中 の 塞 居 天 で あ る と 別 解 を 出 し な が ら も、 術 此 の 塞 居 天 を 舞 菩 薩 に 配 繹 せ ん と 企 て、 理 趣 繹 ・ 大 既 経 疏 等 を 引 讃 し て、 何 苧 何の 遊 戯 義。 帥 是 菩 薩 自 在 棘 蓮。 自 在 紳 通 即 是 金 剛 舞 也。 此 梵 何 字 爲 種。の 字 是 室 義 室 郎 舞 也。 と 字 義 の 上 か あ 深 秘 に 繹 さ れ て ゐ る が、 要 當 で は な か ら う。 慶 喜 藏 の 繹 (P. 14. a ) に は、 虚 室 の 如 き 無 碍 の 自 性 に 由 て 無 形 に し て、 然 も 種 々 の 施 作 を 作 し 給 ふ 法 身 妙 用 の 義 に 繹 さ れ、 繹 友 の 疏 (P. 17. a) も 此 れ に 大 同 で あ る。 然 し 私 記 の 別 解 の 如 く 虚 室 を 室 居 天 と 解 し て、 次 の 地 を 地 居 天 と な す 一 義 に 封 比 し て 再 考 を 要 す べ き で あ る。 註
一、Macdonell, Vedic mythodlogy. p. 37-42.
二、Willkins, Hindu mythodlogy. p. 98.
三、 蘇 慮 音 義 二 十 三 云。 此 天 有 大 威 徳 乗 金 翅 鳥 行 り ( 中 略 ) 欲 破 則 無 有 能 當。 止 齪 輔 行 十 云。 毘 紐 天 亦 副望 章 紐 天 一。 雌 翻 遍 勝。 亦 遍 悶 亦 遍 浮。 智 度 論 云。 是 天 愛 之 欲 令 得 如 願、 悪 之 則 欲 令 七 世 滅。 ( 畳 疏 二 ・三 一、 引 用 ) 大 日 経 疏 五 云。 微 嶽 薔 繹 謂 之 毘 紐 ) 此 是 那 羅 延 天 也。 ( 大 正 藏、 三 九。 六 三 〇 頁 ) 同、 十 七 云。 章 紐 天 自 在 天 別 名 云 々 ( 大 正 藏、 三 九 ・ 七 五 二 頁 ) 中 論 疏 一 末 云。 八 天 子 是 衆 生 之 父、 梵 王 是 八 天 子 之 父。 章 紐 是 梵 王 之 父 云 々
四、Oldendberg. Religiond. Veda, S. 228.
Macdonell. Vedic mythology, P. 39
五、 三 十 巷 教 王 経 第 十 云。 梵 天 號 寂 職 金 剛。 ( 大 正 藏、 咽、一 八・ 三 七 三 頁 )
七
前
節
に
於
て
八
供
養
の
中
に
於
け
る
内
の
四
供
配
繹
の
説
段
を
槍
討
し
た
が、
更
に
外
四
供
槻
封
に
就
い
て
畳
疏
の
分
科
菰
よ
れ
ば、
地
・
三
世
・及
三
界
・
大
種
の
一
句
三
字
を
次
の
如
く
香
華
燈
塗
の
四
菩
薩
に
配
繹
す、
そ
の
要
義
を
略
記
せ
擢
地
香
-眞
如
薫
香
遍
生
佛
心
地
故
一二
世
華-破
衆
生
迷
開
敷
心
花
故
三
界-
燈-破
衆
生
無
明
得
如
來
五
眼
故
大
種-塗
-五
舜
法
身
戒
香
大
乗
種
故
先 づ 畳 疏 に よ れ ば 地 の 一 字 を 香 菩 薩 に 配 繹 し て 地 を 衆 生 の 心 地 と 解 し、 墨 所 顯 能 の 義 に 由 つ て 地 と 香 菩 薩 と の 配 樹 象 徴 を 謹 明 せ ん と し て ゐ る ゆ 然 し 本 経 に 於 け る 地 は 上 句 の 虚 室 に 樹 比 し て 地 と な す べ ぐ 宋 謬 は 此 れ を 地 居 と 謬 出 せ る 上 よ り 見 る 為、 私 記( 六・ 三 〇 ) の 繹 せ る 如 く 地 居 天 の 意 昧 で あ ら う。 私 記 は 更 に 畳 疏 の 配 繹 を 依 用 も て 香 菩 薩 に 配 樹 せ ん 乏 し て、 地 謂 心 地 一 切 衆 生 心 地 從 レ本 以 來 具 二金 剛 界 自 然 名 稽 之 香 一故。 と 解 繹 し て ゐ る が、 地 居 天 と 香 菩 薩 と の 相 關 が 不 明 で あ る。 大 地 を 唯 心 的 に 内 省 的 に 衆 生 の 心 地 に 象 徴 せ し め 得 る と す る 為、 香 菩 薩 の 内 謹 に 契 謹 し な い の で あ る。 盒 剛 頂 輕 の 藏 漢 野 照 上 に 於 情 vる 儲 考 察 九 三金 剛 頂 経 の 藏 漢 鍬 照 上 に 於 け 各 一 考 察 九 四 慶 喜 藏 の 鐸 に よ れ ば、
rgya mtsho chen po la sogs par ltun ba rnam gshihi tshu
ho (p. 41. a ) 根 基 の 理 趣 に ょ つ て 大 海 等 に 堕 る こ と な ど か ら, 支 持 し 給 ふ が 故 で あ る。 と 解 説 さ れ て ゐ る が、 本 経 の 包 括 的 特 質 と し て 護 世 天 虚 察 天 地 居 天 等 を も、 大 毘 盧 遮 那 の 鍵 現 と し て 該 擾 し た る 自、 性 の 秘 趣 を 宣 説 せ る も の と 解 さ る べ き で あ ら う。 配 鐸 の 深 旨 此 れ 密 號 名 字 な り と 歎 せ ば 敢 て 異 解 な き 所 又 何 を か 謂 は ん や で あ る。 次 に 三 世 を 華 菩 薩 に 配 す。 畳 疏 ( 二・ 三 二 ) は 金 剛 畳 花 十 方 三 世 荘 弓嚴 如 穣 覗 破 轟衆 生 迷 一開 二敷 心 花 一故 云ニ 三 世 輔 と 繹 し て ゐ る が、 私 記 は 三 世 を 過 現 未 め 三 世 と 解 し て 金 剛 昼 花 三 世 常 住 の 理 趣 を 以 つ て 華 菩 薩 に 配 繹 し て 臼 は く、 花 具 昌時 義 一故 以 二三 世 顯 昌花 供 義 司 乃 至 金 剛 畳 花 出ニ 過 三 世 一常 在ニ 三 世 魂 是 故 於 二三 時 中 一所 作 佛 事 云 々 と 説 明 し て あ る。 蓋 し 三 世 常 住 三 世 出 過 の 言 た る や、 大 日 法 身 從 心 流 出 の 春 囑 が 内 謹 法 門 と し て 何 れ も 有 す べ き 共 通 の 標 相 で あ る。 然 も 亦 法 界 の 一 香 一 華 中 道 實 相 な ら ざ る なく、 又 三 世 常 佳 な る べ き 秘 趣 は 豊 に 華 菩 薩 の 三 昧 門 の み に 局 限 さ る べ き で あ ら う か。
鐸 友 の 疏 に よ れ ば 三 世 三 界 を 繹 し て、 一二 世 を 一 瞬 間 に 現 じ 或 は 三 界 を 一 毛 端 に 示 現 す る 現 瑞 に 外 な ら 瞼 義 と 解 さ れ る。 慶 喜 藏 の 繹 に は、
Min po gsum gyi gzugs kyis hgro pahi don mdsad pas nahjig rten gsim mo
(P. 41. a ) 三 兄 弟 の 形 像 に 由 つ て 膚 情 の 義 利 為 作 し 給 ふ が 故 に 三 世 で あ る。 (一) と 簡 軍 に 鐸 さ れ て あ る が、 三 兄 弟 と は 彼 の 現 趣 経 所 説 の 摩 度 迦 羅 (Madhukara ) 等 に し て、 梵 天 毘 紐 天 大 尉 在 天 の 異 名 で あ る と 謂 は れ る。 世 界 は 此 の 三 天 に よ つ て 創 造 さ れ 守 護 さ れ 破 壊 さ れ、 然 も 三 澄 常 住 な る が 鹸 に 三 世 に し て、 此 れ も 亦 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 礎 現 と し て 統 撮 さ る べ き で あ ら う。 次 に 三 界 を 燈 菩 薩 に 配 繹 し て 畳 疏 (二・ 三 二 ) は、 三 界 に 住 す る 衆 生 の 無 明 を 破 す る 燈 菩 薩 の 理 趣 と、 三 界 の 旬 と の 相 關 を 逓 べ、 私 記 (六・ 三 〇 ) は 若 知 一一無 明 郎 明 六則 三 界 當 相 帥 是 金 剛 燈 故。 以 亭三 界 一翁 燈 供 一也。 と 深 義 を 説 て ゐ る。 更 に 慶 喜 藏 の 緯 (P. 41. a ) に 於 て は、 三 界 は 金 剛 薩 唾 の 理 趣 に 依 る が 故 に 三 界 で あ る と 繹 さ れ、 繹 友 の 疏 (P. 17. b ) に よ れ ば、 三 界 と 読 く は 又 夫 々 の 毛 孔 に 三 界 を 能 く 示 現 し 給 ふ が 故 で あ る と 説 明 零 れ て ゐ る。 蓋 し 本 経 の 三 世 及 三 界 の 叫 句 は 宋 課 に は 三 世 及 彼 三 界 等 と 謬 出せ る 上 よ り 見 て、 三 世 三 界 と は 時 間 金 剛 麗 経 の 藏 漢 謝 麟 上 に 於 け 為 一 考 察 九 五
金 剛 頂 経 の 藏 漢 野 照 上 に 於 け る一 考 察 九 六 的 に 塞 間 的 に 法 身 大 日 の 現 瑞 自 在 の 妙 用 普 遍 を 表 現 し、 更 に 具 象 的 に 三 世 の 最 勝 者 た る 三 兄 弟 と、 三 界 の 最 勝 者 た る 金 剛 薩 唾 と の 形 像 を 夫 々 示 現 し た る 義 に 解 さ る べ き で あ る。 次 仁 大 種 の 二 字 を 塗 菩 薩 に 配 繹 す。 畳 疏 ( 二・ 三 二 ) は 大 種 を 大 乗 の 種 と 解 し、 五 分 戒 香 を 秘 密 學 所 と な 七 て 大 種 乏 塗 香 と の 相 關 を 説 明 し、 私 記( 六・ 三 ○ ) は 更 に 別 解 を 試 み て、 大 種 謂 四 大 種 也 刀 乃 至 四 大 相 聚 造 呂有 漏 五 魂 叩 又 金 剛 塗 香 能 造 二無 漏 微 妙 五 分 法 身 司 帥 是 相 甥 也。 若 知 三 有 漏 五 慈 一郎 是 五 分 法 身 一者。 世 間 大 種 帥 是 金 剛 塗 香 也。 ど 大 種 を 地 水 火 風 の 四 大 種 と 解 し て、 五 蕊 と 五 分 法 身 と を 相 野 せ し め、 師 事 而 眞 の 深 趣 に よ つ て 配 鐸 し て ゐ る。 繹 友 の 疏 に よ れ ば、
Nad par gyi skye mched bsgoms pa las hbyunba chen po yons
pa s na hbyun chen no ( P. 17. a ) 十 遍 庭 魏 な 修 脅 し て 異 熟 の 四 大 種 か 示 現 ゐ 結 ふ が 故 仁 大 種 で あ る。 と 繹 さ れ、 慶 喜 藏 の 繹 に は 幽
Sa dan chu dau me dan rlunste hbyunba chen pohi hdsin par mdsad pa na hbyu chen
no
地 水 火 風 の 大 種 の 形 相 葎 支 持 し 給 ふ が 故 に 大 種 で あ ろ。 と 解 説 さ れ る が、 大 種 の 繹 相 は 私 記 と 岡 じ く 四 大 種 と な し、 此 の 四 大 種 を 示 現 し 支 持 す る 大 日 法 身 の 露 用 を 大 種 と 解 す べ く、 本 経 の 大 種 善 人 盆 の 嚇 句 の 中 に 於 て 特 に 上 の 大 種 の み を 分 科 し て 塗 菩 薩 に 配 謝 し、 次 の 善 人 盆 を 鉤 索 に 配 樹 す る は 妥 當 を 欠 く。 識 一、 栂 尾 教 授 著、 理 趣 経 研 究 三 四 四 頁 八 畳 疏 (六・ 三 二 ) の 分 科 に よ れ ば、 本 経 の 善 人 釜 ・諸 設 噛 租 父 ・流 轄 の 句 を 鉤 索 鍵 鈴 の 四 振 菩 薩 に 配 繹 し て ゐ る。 左 に そ の 要 義 を 表 記 せ ば、
善
入
鉤
-請
召
諮
菩
薩
人
故
盆
索-盆
利
一
切
故
諸
設
囎
耐
父-錬
-催
一
切
衆
生
邪
見
故
流 韓 鈴-流 轄 妙 聲 故 先 づ 善 人 を 鉤 菩 薩 に 配 繹 し て 畳 疏 は、 抜 衆 生 苦 一安ニ 浬 薬 城 一以 爲ニ 善 人一。 又 鉤 鮨 請ニ 召 佛 菩 薩 人 一聡 爲ニ 善 入一。 と 解 説 し、 更 に 盆 を 索 菩 薩 に 配 樹 し て、 金 翔 頂 経 の 藏 漢 欝 照 上 に 於 け お 一 考 察 九 七金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 九 八 幅 徳 實 是 能 盆 二利 一 切 一金 剛 羅 索 護ニ 此 徳 門 一名 爲レ 盆 也。 と 鐸 さ れ て あ る。 然 し 本 経 の 善 人 盆 の 三 字 は 宋 謬 に は 善 作 衆 生 盆 と 謬 出 さ れ、 藏 鐸 も 亦 ﹁ 衆 生 の 義 利 を よ く な す も の ﹂ と 謬 さ れ る か ら、 善 人 と 盆 と 分 繹 す る こ と は 安 當 で な い。 私 記 (六・ 三 一 ) は 既 に 此 の 瓢 を 指 摘 し 畳 疏 を 難 し て、 善 謂 善 作。 人 盆 帥 衆 生 釜 也。 然 疏 善 人 爲 レ鉤、 以 レ盆 爲 レ索。 不 レ見 宋 鐸 一故 爲 二此 解 耳。 と 別 解 を 試 み て、 善 を 鉤 菩 薩 に 人 盆 を 索 菩 薩 に 配 繹 し て ゐ る が、 特 に 善 と 鉤 菩 菩 と の 相 關 的 標 織 を 梵 語 に 求 め て、 (一) 鉤 云ニ 雪 倉一. 善 云ニ 雪 讐一。 故 善 即 鉤 也。 と 説 く が 如 き に 至 つ て は 全 く 曲 解 に し て 首 肯 し 得 な い 所 で あ る。 勿 論 善 と は 善 悪 相 樹 の 善 の 義 で は な く、 宋 課 ・ 藏 課 の 如 く 善 作 或 は 妙 作 の 意 味 で あ る。 然 も 衆 生 の 利 盆 を 善 作 す る と い ふ 義 で あ る か ら、 本 経 の 善 人 盆 の 三 字 は 分 解 し 得 な い 熟 語 と な つ て ゐ る。 然 る に 此 れ を 強 ひ て 鉤 索 二 菩 薩 に 配 勢 せ ん と す る 豊 疏 ・ 私 記 の 繹 義 は 経 意 を 失 す る も の で は な か ら う か。 繹 友 の 疏 (P. 41. b ) に よ れ ば、 大 毘 盧 遮 那 が 能 く 諸 有 情 の 義 利 を な す が 故 に 善 作 衆 生 盆 と 鐸 さ れ、 慶 喜 藏 の 繹 に は、 No r
hgrub pa la sogs pahi tsul nid kyis na/sems can donrab
(
P. 41. b
財 寳 か 成 就 す る 等 の 理 趣 に よ ろ が 故 に 有 情 の 義 利 な よ く 作 し 給 ふ の で あ る。 と 繹 さ れ て ゐ る が、 此 は 明 か に 本 繕 に 於 け る 義(二) 利・ 金 剛 ・ 持 明 等 の 諸 成 就 法 を 説 け る 秘 趣 と 符 合 すべ く、 從 つ て 大 種 善 人 盆 を 一 句 と し て 大 種 姓 (大 毘 盧 遮 那 の 愛 現 と し て ) は 義 利 ・ 金 剛 等 の 諸 悉 地 成 辮 の 理 趣 に 由 つ て、 普 く 一 切 衆 生 の 希 願 を 満 足 せ し む る 義 に 繹 す べ き で あ ら う。 次 に 諸 設 囎 租 文 の 一 句 を 錬 菩 薩 に 配 繹 し て 畳 疏 は、 設 囎 耐 父 亦 云ニ 索 波 住一 是 金 剛 兇 也 更 瞼 構 伽帥 堅 窄 義。 金 剛 錬 械 縛 往 聖 衆 一及 催 二 一 切 衆 生 邪 見 堅 住 昌菩 提 哺 と 鐸 し て ゐ る が、 設 噛 耐 父 を 索 波 住 と 欝 し 此 れ を 金 剛 見 と な し な が ら も、 ﹁ 更 槍 擾 ﹂ と 疑 問 を 出 せ る に 樹 し て 私 記 (六・三 一 ) は 槍 機 考 謹 を 試 み て、 今 按 金 云 崩徴 素 引 す 縛 菰 畷 睾 一( 雑 名 ) 素 波 恐 是 金 剛 也。 金 剛 児 者 恐 是 那 羅 延 天 也。 華 嚴 音 義 第 一 云。 那 羅 延 此 云 昌竪 固一 云 々 と 説 明 し て あ る が、 素 縛 と 素 波 と の 音 通 に よ つ て 混 同 誤 解 し た 上 に、 金 剛 見 を 那 羅 延 天 と 解 す る 如 き は 全 く 意 を 迎 へ 泥 憶 測 仁 過 ぎ な い。 蓋 し 諸 設 嚇 耐 父 の 一 句 を 鍾 菩 薩 菰 配 樹 し な が ら も、 實 は 明 確 な る 句 義 を 解 し て ゐ な い。 畳 疏 は 疑 問 を 出 し て 更 に 槍 揆 せ よ と 述 懐 し、 私 記 は 此 れ を 考 謹 せ ん と 試 み た が 途 に 誤 解 に 絡 つ た の で あ る。 一 腱 諸 設 噛 粗 父 に 就 て 宋 鐸 に は 一 切 設 嚇 宗 租 等 と 謬 さ れ、 藏 課 で は ﹁一 切 の 湿 婆 と 梵 と ﹂ と な つ て ゐ る か 金 剛 頂 輕 功 藏 漢 爵 照 上 嚢 凝 け ろ 一考 察 九 九
金 剛 頂 経 の 藏 漢 樹 照 上 に 於 け る 一 考 察 一 〇 〇 ら、 設 嚇 は 灘 婆 (Siva ) 天 に し て 租 父 或 は 宗 雄 と は 梵 天 (Brhma ) の 義 で あ る。 畳 疏 は 索 波 住 を 金 剛 見 と な し、 私 記 は 更 に 金 剛 兇 を 那 羅 延 天 な り と 解 し て 更 に 又、 那 羅 延 生 論梵 天 輔 梵 天 生 昌 一 切 有 命 物 舶 故 聡 二那 羅 延 一云 二能 造 之 主 岡 即 是 所 謂 租, 父 也。 と 輝 し て、 那 羅 延 天 を 租 父 の 義 に 解 し て ゐ る が、 不 當 な る こ と は 論 す る ま で も な い。 繹 友 の 疏 に よ れ ば、 彼 の 所 願 に 慮 じ て、 調 伏 等 に 於 て 叉 彼 の 形 像 々 示 現 し 給 ふ が 故 に 灘 婆 に し て、 大 天 (Maha-deva ) の 形 像 で あ る。 梵 ほ 梵 と し て 世 間 に 有 名 に し て-彼 々 調 伏 す る 等 に 於 て、 彼 の 形 像 た 示 現 し 給 ふ が 故 に 梵 と 説 く の で あ る。 と 繹 さ れ て ゐ る か ら、 大 昆 盧 遮 那 の 随 順 慮 現 と し て 灘 婆 梵 天 の 形 像 を 示 現 し て 調 伏 化 導 の 秘 趣 と 説 け る 義 に 解 さ れ る。 (三)
元
來
此
の
灘
婆
梵
天
は
既
紐
と
相
並
び
て
印
度
教
派
の
三
大
紳
格
で
あ
る
が、
勿
論
此
等
の
紳
格
は
時
代
的
に
憂
遷
し
又
種
々
の
異
総
を
持
つ
て
ゐ
る。
鍵
つ
て
諸
経
瀧
に
舩け
る
慨
等
諸
紳
の
紳
諮
業
用
も
亦
偏
々
九
ゐ
こ
乏
は
免
れ
霧
な い が、 畳 疏 私 証 が 此 の 澱 婆 と 梵 天 と を一 束 し て 錬 菩 薩 に 配 繹 せ る が 如 き 誤 謬 は 動 底 覆 ふ こ と が で き な い で あ ら う。 次 に 流 轄 の 二 字 を 鈴 豊 口 薩 に 配 繹 せ る 畳 疏 ( 二・ 三 三 ) の 繹 義 を 見 る に、 金 剛 鈴 若 薩 の 妙 聲 流 縛 に よ つ て 諸 佛 を 警 畳 し 衆 生 を 畳 醍 せ し む る 理 趣 よ り し て、 流 輻 と 鈴 と の 相 關 を 説 い て ゐ と。 然 る に 此 の 流 韓 は 宋 謬 で は 生 死 と 謬 出 さ れ 藏 鐸 は 又 生 死 界 の 義 に 鐸 さ れ る か ら、 此 の 流 轄 は 妙 聲 流 轄 の 義 で 賦 な く 寧 ゐ 下 の 句 の 浬 繋 常 に 鋼 す る 生 死 無 常 の 義 に 解 さ る べ き で あ る。 私 記 (六・ 三 三 ) は こ れ を 會 萢 し て、 十 二 因 縁 次 第 相 績 云 二流 轄 司 流 輻 帥 生 死 也。 鈴 云 馬 噸 び 一亦 具 三生 死 義 一云 々 と 騨 し て 鈴 と 生 死 と の 梵 字 義 に ょ つ て、 相 關 を 論 謹 せ ん と 試 み、 更 に 鈴 は 般 若 の 義 を 表 す と な し て、 聖 位 経 等 を 引 誰 し て 委 繹 し、 墨 一生 死 流 聾 以 顯 急鈴 奪 斯 持 般 若 波 羅 蜜 養 也。 と 解 し て ゐ る が、 配 繹 せ ん が た め の 配 繹 に し て 蔓 當 を 訣 く こ と は 謂 ふ ま で も な い。 繹 友 の 疏 (P. 17. b に は、 一 切 の 物 に 渉 入 す る 理 趣 に 於 て、 我 性 を 示 現 す る が 故 に ﹁ 流 輻 ﹂ で あ る。 此 等 (流 轄 性 ) に 反 す る 理 趣 を 示 現 し 給 ふ が 故 に ﹁ 浬 繋 ﹂ と 説 く の で あ る。 浬 盤 の 自 性 あ る に 由 る が 故 に ﹁ 常 ﹂ に し て、 此 の 第 一 義 の 自 性 に 常 に 住 す る が 故 で あ る。 金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け る 一考 察 一 〇 一
金 剛 頂 経 の 藏 漢 野 照 上 に 於 け る 一 考 察 一 〇 二 と 繹 さ れ て ゐ る。 思 ふ に 流 轄 浬 薬 常 の 一 句 は 大 毘 盧 遮 那 の 第 一 義 諦 に 於 け る 常 住 性 の 玄 理 秘 趣 を 開 示 せ ん が た め に、 生 死 流 輻 性 と 浬 繋 寂 静 性 と を 封 比 し て、 常 恒 性 の 眞 實 な る 意 義、 帥 ち 生 死 に 染 着 せ す 浬 繋 に 滞 ら ざ る 中 道 實 相 法 爾 常 住 を 詮 顯 し て ゐ る 義 と 解 す べ き で あ ら う。 然 る に 畳 疏 等 は 流 轄 を 四 撮 の 鈴 菩 薩 に、 浬 繋 を 賢 却 十 六 奪 の 慈 氏 に、 常 を 不 室 見 に 夫 々 分 科 配 鐸 す る に 至 つ て は、 全 く 領 解 に 苦 む 所 で あ る。 ( 未 完 ) 註 一、と 奪 曇 脅 の 曇 舜 な 鉤 と 誤 解 ぜ ろ か。 鉤 にanku'sa で な け れ ば な ら 沁。 二、 三 巷 経 下 巻 ( 大 正 藏、 一 八・三 一 九 頁 )
三、Willkins, Hindu methology, P. 220.