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 生ごみ処理機に対する市民意識に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)

 生ごみ処理機に対する市民意識に関する研究

関西大学大学院工学研究科  学生会員 ○山本  宙 関西大学工学部       正会員   尾﨑  平 関西大学大学院工学研究科  正会員   和田 安彦 1.はじめに

  我が国では,ごみ処理量の拡大や最終処分場の逼迫などの問題に直面しており,それらの問題を解決し,早 期に循環型社会の形成に取り組むことが課題となっている1).家庭ごみにおいて,その

3〜4

割(湿重量ベース) を占める生ごみを削減することは,ごみ減量化対策として有効である2).近年,家庭ごみの減量化対策の一つ として,生ごみ処理機の導入が進められており,幾つかの自治体において,導入時の助成金制度も実施されて いる.生ごみ処理機は,ごみ箱感覚で生ごみを廃棄でき,厨芥類の水分を削減できることからごみ出し労力の 軽減や,脱臭,消臭など台所の衛生環境の向上等の利便性がある.また,行政としては,水分を多量に含む厨 芥類ごみの減少により,焼却処理施設の効率化にも繋がる.

本研究では,生ごみ処理機自体の知名度や補助金制度の知名度等を調査し,今後,ごみ減量化対策として,

生ごみ処理機が市民に受け入れられるかどうか検討した.

2.調査概要 

現状の厨芥処理に関する意識と行動及び生ごみ処理機に対す る市民意識をアンケート調査により把握した(有効回答数

120(有

効回答率

81%)).回答者の属性(表−1)は,女性が 78%を占め,職

業は専業主婦が全体の

40%以上を占めている.年齢は 50,60

53%を占めている.

 対象地域の可燃ごみの収集は,戸別収集で,週

2

回である.ま た,対象地域(A市)では,購入時の助成金額を購入金額の

1/2

(た だし,上限

25,000

円)として補助している.

3.調査結果 

(1)生ごみ処理に対する不満点 

 市民の生ごみ処理に対する不満点を図−1に示す.「台所の衛生 面」が最も多く(33%),「家での保管場所」,「ごみ出しの不快感」,

「ごみ集積所の衛生」はいずれも 20%弱である.また,「特に不満 点はない」という市民も約 20%いる. 

(2)生ごみ処理機および助成金制度の知名度 

 生ごみ処理機の知名度を図−2に示す.生ごみ処理機を知って いる人は,「以前使っていた」を含めて約 75%であり,多くの市民 が生ごみ処理機を知っている.しかし,「知っているが使ってい ない」が 66%であり,生ごみ処理に対する不満点はあるものの現 段階で,生ごみ処理機はあまり普及していない. 

また,市民の助成金制度の知名度について対象とした市民の約 60%は,助成金制度があることを知らない.

また,現在,生ごみ処理機を利用している人はわずか 3%に過ぎず,助成金制度を知っているにもかかわらず,

生ごみ処理機を導入していない人が多い.今後は,助成金制度があることを広く市民に知ってもらい,かつ,  

 キーワード ごみ減量化対策,生ごみ処理機,市民意識 

 連絡先   〒564‑8680 大阪府吹田市山手町 3 丁目 3 番 35 号  関西大学工学部 TEL06‑6368‑0939  表−1  回答者属性 

項目 割合 項目 割合

男性 22% 専業主婦 43%

女性 78% 会社員・公務員 24%

20代 7% 自営業 3%

30代 16% 学生 3%

40代 14% パート・アルバイト 12%

50代 31% 無職 14%

60代 22%

70代以上 10%

性 別

年 齢

職 業

18% 17%

17%

16%

33%

台所の衛生 家での保管場所 ごみ出しの不快感 ごみ集積所の衛生 特に不満点はない

 

図−1  家庭での生ごみ処理に対する不満点 

5% 3%

67%

23%

3% 以前使っていた

現在使っている 知っているが使って いない

名前だけ聞いたこと がある

全く知らない

図−2 生ごみ処理機に対する知名度  土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑587‑

7‑294

(2)

助成制度の見直しや生ごみ処理機自体の低価格化等,

更なる対策が必要と考えられる.

(3)生ごみ処理機の使用に対する意思 

 市民の生ごみ処理機の使用に対する意思について,

「ぜひ使ってみたい」(9%),「もしあれば使ってみた い」(53%)と考えた市民が全体の

62%を占めており,

生ごみ処理機に対する関心はやや高いと判断できる.

 前述のごみ処理に対する不満点と使用に対する意 思の関係を図−3に示す.「台所の衛生」,「家での保管 場所」,「ごみ出しの不快感」の家庭内での不満項目を あげている市民は,使用に対する意思が比較的高い.

 また,使用に対する意思と助成金制度の知名度の関 係を図−4 に示す.助成金制度を知っている人ほど,

使ってみたいと考えている傾向がある.しかし,本デ ータは「ぜひ使ってみたい」のサンプル数が他より少 ないため,さらなる調査が必要である.

(4)CVM による生ごみ処理機に対する市民評価  生ごみ処理機導入による影響(乾燥後の堆肥の廃棄 等の特徴や維持管理)を説明し,生ごみ処理機を設置す るという仮定のもとで支払い意志額(WTP)を調査し た.質問方式はダブルバウンド方式で行い,最初の提 示金額は購入金額と維持管理を考慮して

1400

円/月・

世帯とした.WTP を尋ねた際に,最初の金額提示の 回答を受けて

2

度目に提示される金額においても全く 支払わないと回答した人を除いた支払い意志額の割 合を図−5に示す.最初の提示金額

1400

円/月以上の

支払い意志があるのは全体の

1/4

程度であり,支払意志のない人も約

2

割いる.本調査における中央値は,

734

円/世帯・月であり,最初の提示金額の半分程度である.現段階では,市民の生ごみ処理に対する評価は低い.

4.まとめ 

 本研究では,家庭ごみの減量化対策の一つとして,生ごみ処理機の導入について,市民の意識を調査し,生 ごみ処理機が市民に受け入れられるかどうかを検討した.その結果,市民の多くは生ごみ処理機を知っている が,ごみ減量化対策として市が助成金制度を設けていることを知っている市民は少ない.また,生ごみ処理機 の使用に対する意思は「もしあれば使ってみたい」を含めると

62%であり,生ごみ処理機に対して市民は関

心を持っている.特に生ごみ処理機の使用に対する意思は,助成金制度を知っている人ほど高く,また,家庭 内での生ごみ処理に対して不満を持っている人ほど高い.CVMによる生ごみ処理機の評価を行った結果,現 段階では,市民の生ごみ処理に対する評価は低い.

 生ごみ処理機は,家庭内におけるごみ減量化対策として有効と考えられ,今後,普及されることが期待され るが,現状の普及率は低い.今後は,生ごみ処理機の普及拡大のために必要な施策の展開などを行っていく必 要がある.

参考文献 

1)

稲垣隆司:地方自治体から見た循環型社会形成推進基本計画の活用について,廃棄物学会誌,

Vol5

No.9

252-258,2003,2)

環境省:平成

15

年版循環型社会白書,http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/

0% 20% 40% 60% 80% 100%

台所の衛生(40人) 家での保管場所(20人)

ごみ出しの不快感(21人)

ごみ集積所の衛生(19人)

特に不満はない(20人)

ぜひ使ってみたい もしあれば使ってみたい 使ってみたいと思わない

図−3 生ごみ処理の不満点と処理機使用に対する意思 の関係

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ぜひ使ってみたい  (10人) もしあれば使ってみたい

(64人)

使ってみたいと思わない

(46人)

助成金制度を知っている 知らない

図−4  処理機使用に対する意思と助成金制度の知名度 の関係

0% 10% 20% 30% 40%

1,600円以上 1,400円 1,000円 700円 500円 200円 支払い意志額(円/月) 0円

  図−5  生ごみ処理機に対する支払意志額  土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑588‑

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参照

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