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E C に お け る 企 業 集 中 規 則 運 用 の 現 状 と 展 望

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(1)ECにおける企業集中規則運用の現状と展望. 結. 語. 委員会決定の状況. 閣僚理事会規則の概要. はじめに. ヨーロッパ委員会の決定を手掛かりとして. はじめに. 白 ECにおける企業集中規則運用の現状と展望. 石. 裕. 子. 三〇一. その審査を受けなければならないが︑ただ︑原則としてこの審査のみに一本化され︵いわゆるワン・ストップ・ショッ. しい局面を迎えた︒共同体規模を有する集中を計画する関連企業は︑EC委員会︵O・B巨量9︶に届け出をなし︑. ︵1︶ ECにおいては︑企業集中規制は︑一九八九年閣僚理事会規則四〇六四︵以下︑本規則という︶の採択によって新. 一. 三 二 一 四.

(2) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三〇ニ. ピング︶︑各加盟国当局に対する手続きはしなくても済むようになった︒これによって︑国境を越えた集中手続きを 円滑かつ迅速に進めることが可能となった︒. また︑ECにおける企業集中は︑単に規模の利益を求めるためだけでなく︑共同体市場という単一市場にその産. 業構造を適合させ︑もって効率的な利益を実現するために計画されるものでもある︒このため︑集中を計画する企. 業がEC委員会に届け出をした場合には︑関連企業の不安定な状況を速やかに終了させるために︑能率的かつ迅速. な処理がなされなければならない︒この点︑委員会は︑こうした企業側の要請に充分に応える対応をして来たとい. える︒すなわち︑届け出のなされた事件の審査に当たって︑早い段階で︑本規則を適用すべき事件ではないとか︑. または適用範囲内の事件ではあるが共同体市場と両立すると宣言することにより︑届け出られた多くの事件を早期 に安定させて来ているのである︒. 本稿では︑本規則採択から四年が経過し︑その間に委員会が下した決定も一三〇余を数えた現段階で︑主な決定. の内容をを検討しつつ︑ECにおける企業集中規制の運用に関する将来の展望を探ってみたいと思う︒. については︑拙稿﹁ECにおける企業集中規制﹂判例タイムズ八二二号五四頁以下参照︒また︑そこで引用した文献のほか︑山根裕. ︒09曽U9・這o ︵1︶ OO琶o旨国紹巳讐一9︵国国O︶さ①高\o ︒︒9些Φoo筥9巳98蓉8賃簿凶o旨げ9名①8目αR$臨凝ψ本規則の内容. 子﹃EC法﹄有信堂一九九三年二三一頁以下参照︒.

(3) 二. 閣僚理事会規則の概要. EC委員会が本規則に基づいて行った決定を検討する前提として︑本規則の内容につき簡単に概説しておきたい. 適用範囲. と思う︒. 1. 本規則が適用されるためには︑次に掲げる三つの要件を満たさなければならない︒①結合する関連企業の全世界. の合算売上高が五〇億ECU︵一ECUは約一七〇円︶以上であること︒②関連企業のうちの少なくとも二つ以上の. 売上高がそれぞれ共同体内で二億五千万ECU以上であること︒③各関連企業は︑それぞれ一加盟国内において共. 同体内における売上高の三分の二以上を達成していないことである︵第一条第二項︶︒この三つの要件というフィルタ. ーを通すことにより︑共同体規模を有する企業集中のみを規制の対象とすることができる︒. また︑本規則にいう集中行為とは︑独立した企業の合併および支配の変更︵ある企業の支配権を他の企業が取得する. こと︶である︵第三条第一項︶と定義づけられている︒そして︑支配の変更とは︑ある企業の活動に決定的な影響力 ︵1︶. を与え得る権利︑契約またはその他の手段のうち一つまたはそれらの結合した形態から生じるとされている︒この. 三〇三. ため︑本規則は︑合併のみならず︑広く︑株式の取得︵株式公開買付を含む︶︑役員の派遣︑ジョイント・ベンチャー. の設立および業務提携などさまざまの形態の企業集中に対応することができるようになっている︒. 2 集中の審査 ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(4) 早法六九巻四号︵一九九四︶. .. 三〇四. 集中を計画する企業は︑委員会に対し届け出をなし︵第四条︶︑委員会は︑直ちにこれを審査し︵第六条第一項︶︑. 次に掲げるいずれの場合に該当するかを決定しなければならない︒. まず︑届け出られた集中が本規則の適用範囲に該当しない場合には︑その旨を宣言しなければならない︒︵同条項 a号︶︒. 次に︑届け出られた集中が本規則の適用範囲内ではあるが︑共同体市場との両立に関して深刻な疑義を生じるこ. とのない場合には︑当該集中に反対しない旨を決定し︑かつ︑共同体市場と両立する旨をも宣言しなければならな. い︵同条項b号︶︒この場合に︑共同体市場と両立するか否かの評価に当たっては︑結合しようとする関連企業の市場. 占有率をはじめ資金力︑技術的優位性などが市場における有効な競争を妨げる可能性があるか否かを考慮するとと ︵2︶ もに︑共同体外部の企業との競争力の重視という産業政策的考慮をも加味して行われることとなる︵第二条︶︒. さらに︑その集中が本規則の適用範囲内であり︑かつ共同体市場との両立に深刻な疑義を生じる場合には︑委員. 会は︑手続開始の決定を行う︵同条項c号︶︒この場合でも︑委員会は︑関連企業が集中計画につき修正をなすことを. 約し︑その結果共同体市場と両立すると認められる場合には︑その旨を宣言する決定をなし︑手続を終了させるこ. とができる︵第八条第二項︶︒この決定は︑委員会および集中を企画している企業にとっても︑一般的に歓迎されるべ. き展開であると言われている︒なぜなら︑これによって︑支配的地位を排除し当該市場の競争構造を維持するとい. う委員会の目的は達成され︑一方︑これらの修正は関連企業にとっても受け入れ易いものとなっているからである︒. すなわち︑委員会が課す修正は︑そのほとんどが︑集中によって生じた新たな企業グループの一部を売却すること. や︑新たな企業グループが支配的地位を有することになる特定の市場から撤退することなどとなっているからで.

(5) ︵3︶. ある︒. そして︑最後に︑支配的地位を創設または強化し︑共同体市場における競争を著しく阻害する可能性のある集中. として︑共同体市場と両立しないと認定される場合には︑その旨を宣言する決定をしなければならない︵同条第三項︶︒. この宣言に反して集中を実行した場合には︑委員会は︑関連企業の合計売上高の一〇%以下の過料を課すことがで きる︵第一四条第二項c号︶︒. p︒N一〇〇〇℃・N一〇. ︵1︶O﹂W・一NρピΦ窓旭ΦB①旨︵O国国︶おR\︒ ︒︒302ω①自寄耳一討仁O・旨邑Φα①ω○鼠声樽凶8ωα①098昌声け一9汽①釜①αΦω8弾ひω. ︵3︶OO日巨ωω一〇P︶︵図目&菊80昌99B℃Φ蜂一9℃〇一一q﹂︒︒Nも﹄N■. ︵2︶い軍≦畏︒ぴO︒§︒臣寄讐醇一8︵国目︶お①ミ︒︒︒︵ヨR鵯﹃8耳・巨︶一8N︒ω旨什①暑・詳房国霞8Φき冨≦ωR≦8冨宝−凶<︒. 三 委員会決定の状況. 最初の委員会決定となった一九九〇年二月七日の園Φ轟葺\<o一<o事件以来︑一九九三年三月三一日の国93R. Oげ巴一9鴨\竃簿冨需図事件に至る約二年五カ月の間に︑EC委員会は︑一三八件の決定を下しているが︑その大部分. が︑本規則の適用範囲内の事件ではあるが︑共同体市場と両立するという決定︵第六条第一項b号︶に関するもので. 三〇五. あり︑二四件ある.次いで︑そもそも本規則の適用範囲外の事件であるとする決定︵同条項a号︶に関するものが︑ ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(6) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三〇六. ぐっと少なくなるがこれに続き一七件︒そして︑届けられた集中がそのままでは本規則の適用範囲内であり︑かつ︑. 共同体市場と両立もしないが︑その行為内容の修正を条件に共同体市場と両立すると宣言する決定︵同条項c号︑第. 八条第一一項︶が︑八件ある︒さらに︑その集中が支配的地位の創設または強化をもたらし︑共同体市場の競争を著し. く阻害するものとしてその行為を認めない決定︵第八条第三項︶が︑一件のみ存在する︵一件につき複数の決定が︑な される場合があり︑合計数が一致しない︶︒. 刀Φ惹舞\<o一くo事件︵O︒紹Z︒二<\⁝︒轟﹂8︒■一一ふ決定P﹂. 8﹃9︒︒H\N︶. 以下︑ここではECの競争政策上重要な決定として注目されている事件を中心に検討を試みようと思う︒ 1. 勾①轟暮社とくo一<o社は︑乗用車部門で二五%︑トラック・バス部門で四五%をお互いに株式の保有をし合うこと. を提案した︒その協定には︑共同評議会を設置し︑そこで研究開発から原料の購入および製品の製造に至るまで事. 業のすべての面を統括することが定められていた︒委員会は︑まず︑乗用車部門についての協定は本規則にいうと. ころの集中には該当しないと判断した︵第六条第一項a号︶︒その理由として︑この協定には当事者の一方が二五%を. 離脱条項︵Φω8冨巳磐ωΦ︶. があることから︑この協定が当事者の企業活動に対して決定的な影響力を与える可. 超えて保有株式を増加することを禁ずる条項があること︑および一方による共同事業の提案を他方が拒絶できる旨 の. 能性があるというには不十分であるというものであった︒. トラック・バス部門については︑委員会は︑四五%という高い相互保有率︑ならびに両者を合わせた中型トラッ. クの市場占有率が共同体内で二四・五%︑フランスにおける市場占有率は五四・三%であること︑および大型トラ. ックについても同様の高い市場占有率となることを考慮して︑本規則に定める集中に該当すると決定した︒乗用車.

(7) 部門についてと同種の 離脱条項 があったにもかかわらずである︒しかし︑その上で︑委貝会は︑共同体内にお. ける大自動車メーカーの存在︵特に︑ζΦ容8①ωあ8巳蝉および一<80︶を考慮して︑この協定の後も市場においては高. 度に競争状態を保持できるとして︑共同体市場と両立すると決定した︵第六条第一項b号︶︒. この決定は︑前述した通り︑本規則に関する最初の委員会決定であり︑この考え方は︑合併規制政策の今後の発. 展の基礎となるのである︒この決定を見る限りにおいて︑委員会は︑集中行為が将来の競争者を一つ取り除くこと. となっても︑それが直ちに︑既に存在していた支配的地位をさらに補強することになるとは判断しないということ ︵1︶ である︒委員会のこうした考え方は︑その経済的現実主義の立場を示すものといえる︒ 2 界×富﹃\Z霧頴\留一く亙事件︵88Zo二<≧8︒︒﹂8一■Nふ決定ρ﹂一88ミ一じ. ω鋤答R社とZoω議社は︑ドイツにおいてΩ営冨oω巴く貯社というジョイントベンチャーを設立し︑共同で臨床. 栄養剤の開発︑製造および販売に関する活動をなすこととし︑そのために︑爵簿R社の子会社の有する臨床栄養剤. に関する全財産をω巴く冨社に譲渡し︑2Φω籔およびω帥答R両親会社は︑腸溶性および非経口性の臨床栄養剤の分. 野における排他的な技術ライセンスをこのジョイントベンチャーに付与するという計画を屈け出た︒委員会は︑以 ︵2︶ 協力的ジョイントベンチャー であると看倣した︒すなわち︑①このライセンス契約は︑ 下の理由で︑この合意を. 長期にわたることが予定されてはいるものの︑両親会社の合意によりいつでも解除できるとされていたこと︑②両. すべ. 親会社は︑以後もジョイントベンチャーの下請人として上記製品の製造を継続し︑ジョイントベンチャーは︑主に︑. 三〇七. を持っていないこと︑③両親会社は︑上記製品分野におけるほとんどの研究開発を下請人として独自に. 両親会社の供給代理人であって︑本規則第三条第二項第二文にいうところのジョイントベンチャーとしての. ての機能. ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(8) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三〇八. 継続することとなっており︑ジョイントベンチャーはこの点に関しても両親会社に依存していること︑④ジョイン. トベンチャーは︑排他的に許容された両親会社の商標の下で製品を供給することから︑この合意は︑企業構造に永. 続的な変更を作り出すものではなく︑また︑臨床栄養剤の分野に両親会社による単一の企業体を創設しようという. ものでもない︒従って︑このジョイントベンチャーは︑集中的ではなく協力的なものであると判断した︒このため︑. 委員会は︑この届け出られた合意は︑ローマ条約第八五条および第八六条に従うべき可能性はあるものの︑本規則 の適用範囲内にはないものであると決定した︒. この決定は︑届け出られたジョイントベンチャーの性質につき︑集中的であることを委貝会が否定した最初の事. 件として注目されている︒このことから︑委員会は︑ジョイントベンチャー契約の集中的性質を認定するについて. は︑本規則第三条第二項に定める原則および基準をかなり厳格に適用する意図であると思われる︒すなわち︑ジョ. 所有. が必要︶︑②ジョイントベンチャーが独立して市場に参入し︑継続的に. イントベンチャーの活動する市場から親会社が撤退したというためには︑①知的所有権を含めてすべての関連財産 が譲渡され︵ライセンス契約ではなく︑. 存在すること︑③親会社はジョイントベンチャーの活動分野における自身の営業活動を終結すること︑および④そ ︵3︶ の分野への再参入は現実的に︑ほとんど不可能であること︑などがその要件とされる︒本事件において示された︑. ≧o讐Φ一\↓$葺①事件︵9︒・ΦZ︒9一<≧雲N﹂8一■↑旨決定O■﹂.︒一 ロ認≧︒︒︶. 集中的性質に関する認定基準の厳しさは︑委員会のその後の決定においても引き継がれていくことになる︒ 3. ︾一8邑社および↓①一〇什q餌社は︑電気通信システムおよび機器の供給業者である︒↓Φ一①8巳8社は︑スペインの. 電気通信事業者であり︑スペインにおける公共用スィッチの唯一の購入者であり︑トランスミッション機器の九〇.

(9) %およびマイクロウェーブ機器の六〇%を購入している︒︾一8邑社および↓o一Φ洋轟社は︑それぞれスペインの子. 会社を通じて日①一臥o巳8社に対して製品を供給している︒委員会に届け出られた合意によれば︑>一8冨一社は︑. ↓①一魯け声社の株式の六九・二%を雲鉾社から取得し︑次に︑↓①一9辞轟社が︑≧8琶社の子会社の株式一〇〇%を. 取得する.国緯社は︑その後も↓Φ一痒鍔社の株式の二五・四%を保有し︑↓①醇嘗蝉社の残りの株式︵五・四%︶は ↓①一臥o乱8社が保有することとなるというものであった︒. 委員会は︑二社の合計売上高の高額なことおよびその有する市場占有率の高さから︑本規則の適用を受ける集中. であり︑その上︑電気通信機器関連の市場に影響を及ぼすことから︑この集中を共同体市場との両立につき深刻な. 疑義を生じるとして手続きを開始した︒ただ︑委員会は︑当事者に計画の修正をさせることにより︑また︑他の競. 争者の将来の状況を希望的に観測することにより︑この集中を共同体市場と両立すると結論付けたのである.すな. わち︑︾一89一社は︑↓o一臥o巳8社が保有する五・四%の↓Φ一〇#轟株式を買い取ることを約束した.これによって︑. ≧8琶\↓巴簿叶轟両社と↓①一俄o艮8社との株式の相互保有関係はなくなり︑↓①一の8巳8社も今後は自由な購入政. 策が採れるようになると判断したものである︒さらに︑アメリカの>↓帥円︑スェーデンの卑8ω9︑およびドイ. ツのωδヨ魯ωなどの世界的な大手電気通信機器供給業者が︑将来︑↓①一①8巳8への供給を増加させる可能性は高. く︑それゆえ︑この集中行為は︑支配的地位を創設または強化するものではないと結論付けたのである︒また︑. ↓o一①8乱8社はこの集中については当事者でなかったにもかかわらず︑今後は︑スペインの供給業者のみに偏るこ. となく︑多様な購入政策を採用するということを︑委員会は確約させたのであった︒. 三〇九. 本事件は︑届け出られた集中が共同体市場との両立につき深刻な疑義を生じた最初のケースである︒委貝会は︑ ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(10) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三一〇. この集中が支配的地位を創設または強化するものであるか否か︑その結果共同体市場における有効な競争を相当程. 度にまでも阻害するものであるか否かを︑第二条第一項に定める評価基準に従って︑初めて判断したのである︒委. 員会は上記のごとき義務を≧8邑社に課してはいるが︑これは︑あくまでも集中に関する修正として第八条第二項. 第一文に定める範囲内のものであり︑広い意味での当事者の自主的規制に属する規制といえる︒委員会は︑もう一. 歩踏み込んで︑市場構造を改善するほどの権限の行使︑例えば︑電気通信機器市場の自由化または公共団体への供. 給手続きの開放化といった修正にまで至ることを希望していたのかもしれないが︑少なくとも本事件についてはそ. こまでは踏み込まなかった︒こうした措置は︑共同体の他の異なる制度によってなされるべきだと判断したからで ︵4︶. ある︒委員会は︑自らの決定によることなく︑↓o一臥〇三9社が自発的に購入政策を自由化するということで満足し たのである︒. 本事件の委員会の決定草案に関して︑集中に関する諮問評議会︵>響ぎ曙9B巨け82088日轟3拐︶は︑次の. ような意見︵8該9︶を発表している︒すなわち︑この集中行為により︑スペインにおけるトランスミッション市. 場に高度の市場占有率が生じるにもかかわらず︑委員会の見解を支持する︒委員会が示した修正は︑必要かつ充分. >8≡轟澄\ω警語薯Φ︒り事件︵98Zρ一<\⁝︒ω■お8︒■§決定Oしる一﹄8\ε. なものであり︑今後当事者によってこの義務の履行状況を正規に報告させるよう︑委員会に求めるというものであ った︒. 4. 清涼飲料水製造販売会社卑き目qω毎召窪社︵ω俸ω︶およびO銭びq曼ω畠≦8需ω社は︑ジョイントベンチ. ャー・︾も○田壁ユω社を設立する契約を締結した︒その内容は︑次のとおりであった︒すなわち︑B&B社は︑ドイ.

(11) ツにおけるミネラルウォーターおよびソフトドリンクを製造販売する三つの事業所を︑商標︑土地︑建物および機. 械を含めてジョイントベンチャーに移転するが︑ドイツにおけるミネラルウォーターおよびソフトドリンクの事業. は引き続き継続する.ω9名8冨ω社は︑ドイツ・オーストリアにおける飲料水事業の土地︑建物︑および機械を含. む全体を移転するが︑ECの他の地域における飲料水事業は継続するというものであった.そして︑>2臣冨誘社. は︑自社ブランドの清涼飲料水をEC諸国において製造販売し︑ω畠≦8冨ωブランドの清涼飲料水をドイツおよび. オーストリアにおいて製造販売することとされていた︒両親会社は︑市場から部分的に撤退するだけであり︑爾後. も両親会社相互およびそれらとジョイントベンチャーとの間に競争関係が存在することとなる.このため︑委員会. は︑このジョイントベンチャーは︑協力的であって集中的ではないので︑本規則第三条に定める集中には該当せず︑ ローマ条約第八五条の下で扱われるべきであると決定した︵第六条第一項a号︶︒. この事件については︑爾後も各当事者間での競争を最小限度に止めるような方法で営業を調整する可能性が高い. のであるから︑この決定内容自体には異論はない︒問題は︑この決定をなすまでに︑委員会が一カ月余︵一九九一年 ︵5︶. 五月≡百の通知の日から六月二四日の決定の日まで︶を要していることである︒しかも︑この契約の当事者は︑合併. 特別委員会︵三Φ茜Rぎ路閃自8︶と事前の協議をしていたのである.本来ならば︑ここでの協議でこの契約は本規. ジョイントベンチャーの設立に際して︑親会社がその市場の競争者と. 則の適用範囲外であるという結論に達し︑委員会への通知・決定をまつ必要もなかったのではないかという疑問が ︵6︶. 呈されている︒そ れ と い う の も ︑ 委 員 会 は ︑. と. して残る場合には︑当事者間における事業活動の調整があるものと推定され︑この推定が反証により覆されること. 三二. のない限り︑委員会はこのジョイントベンチャーの設立を本規則第三条第二項第二文には該当しないと看倣す ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(12) 早法六九巻四号︵一九九四︶ 三一二 ︵7︶ いう公式見解を発表しているからである︒前述の一置答R\Z8頴\ω巴<一鋤事件でも︑これに沿う決定がなされている. ︵このときも委員会は決定まで一カ月を要しているが︑本事件はその約三カ月後に通知されており︑前事件を参考にできたは. ずである︶︒それにもかかわらず︑合併特別委員会は︑この公式見解を重視せず︑安全装置︵霞一①銘包的通知をする. の恩恵を当事. ことをアドバイスしたのである︒すなわち︑ECに対すると同時に国内当局にも通知をするようというものであっ. た︒しかし︑それでは︑本規則の重要なセールスポイントである ワン・ストップ・ショッピング ︵8︶ 者は享受することができなくなってしまうという懸念も出て来ている︒. 確かに︑委員会は︑屈けられた集中に関する市場について慎重かつ充分な評価をした後でなければ︑そのジョイ. ントベンチャーが協力的であるかまたは集中的であるかを決定できないであろう︒その結果によっては︑管轄権を. 異にするこうした事件に関しては︑明確で首尾一貫した評価が迅速になされるよう︑今後大いに検討がなされるべ. >Φδ8匙里叩≧雪一更OΦエ①≦一9Da事件︵08Φ■Z︒﹄<≧8ω﹂8一■一︒﹄決定Oしる一トωωミ&. きであろう︒ 5. >RoωB臨巴oは︑フランスにおける大気圏産業会社である︒その事業目的は︑民間および軍の航空機︑ヘリコプ. ター︑ミサイル︑人工衛星︑宇宙システムおよび航空電子工学関係である︒≧窪冨は︑イタリアにおける航空宇宙. 産業の有力な企業である︒その事業目的は︑民間および軍の航空機︑人工衛星︑宇宙システムおよび航空電子工学. 製造および販売を共同で行うために︑一九. 関係︑ならびに︑航空および海上輸送コントロールシステムなどである︒. ︾段8冨江巴①社および≧9壁社は︑地域輸送用航空機の設計︑開発. 八二年に︑ジョイントベンチャーGIEATR社を設立した︒現在︑この合弁会社は︑地域輸送用ターボプロップ.

(13) エンジン搭載機︵コミューター︶の製造については︑EC最大で世界最大の企業である︒. UΦ=蝉<⁝きα社は︑国○Φ冒鵬社のカナダにおける現地法人であり︑地域輸送用ターボプロップエンジン搭載機の. 製造のみを行っている︒コミューターの製造については︑世界第二位︑ECに置き換えてみるとEC第二位の企業 となる︒. 本事件は︑GIEATR社によるU①国碧凶一冨区社の買収計画である︒すなわち︑業界世界第一位の企業による第. 二位の企業の買収計画であった.委員会は︑非常に高い市場占有率および他にわずか二︑三の競争者しかないこと︑. 将来︑新たな参入者の可能性が極めて低いことを理由に︑この集中は︑本規則第三条に定める集中的ジョイントベ. ンチャーの形成となり︑共同体市場における有効な競争を明白に阻害するほどの支配的地位を創設するものであり︑ 共同体市場とは両立しないものであると決定した︒. これは︑本規則の下での初めての禁止事例である︒委員会は︑共同体官報︵国OO窓︒寅こ2旨巴︶に二六頁にも及. ぶ異例ともいえる長文の決定を行った︒ここで︑委員会は︑各当事者の主張を採り上げて分析し︑詳細な反論を加. えている︒これに対して︑フランスおよびイタリア政府は︑この決定に対して抗議を申し立てた︒フランス政府は. ︾Ro8呂巴の株式を保有しており︑イタリア政府は≧窪壁株式を保有している︒両国は︑本規則そのものの改正ま. たは解釈の仕方を変更するように請求した︒すなわち︑本件集中行為は︑共同開発による経費節減を重要な目的と. しており︑これは競争関係がある程度犠牲になってもそれを補って余りあるものであるというのがその主張であっ た︒しかし︑委員会はこの主張を認めることはなかった︒. 三二二. この委員会の決定草案に関する諮問評議会の意見は︑二つに割れている︒多数意見は︑この集中行為が共同体市 ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(14) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三一四. 場と両立しないという委員会の見解に賛成している︒すなわち︑この集中行為がコミューター市場における支配的. 地位を創設するものであり︑将来における充分な市場参入はほとんど期待できない︒このことは︑集中によって生. じる新たな企業にとっても︑長い目で見れば良い市場構造とはいえないというものであった︒. 一方︑少数意見は︑委貝会の市場分析およびこれに関する記述に反対している︒すなわち︑委員会は当事者の最. も高い市場占有率の可能性を採用するという方法を採っており︑こうした分析の仕方は誤っている︒また︑他の競. をしようとしていると批判している︒. 競争の保護. よりも︑この集中行為の当. 争者や顧客の持つ力の強さを過小評価し︑逆に︑U①=蝉<⁝きα社の力を過大評価している︒さらに︑この市場にお. 競争者の保護. ける競争の歴史や新たな参入者の可能性を全く無視しており︑委員会は︑ 事者以外の. この決定については︑将来における競争関係や参入者に関する分析が正確になされているとすれば︑結果は正し. いし︑意欲的な決定といえるというのが︑大方の見方である︒しかし︑集中行為をなした企業が競争者を退けて︑. 独占を強化し︑価格戦争に成功した場合を強調し過ぎた嫌いがあるのではないかという見解もある︒たとえこの集. 中を認めたとしても︑それぞれの企業が違いに干渉する事なく︑それぞれのやり方で事業活動を行うという状況に ︵9︶ なったのではなかろうかと推測している︒. なお︑委員会は︑この事件において︑集中の生み出す効率性の問題に踏み込んだことにも注目しなければならな. い︒すなわち︑委員会は︑経費節減という効率性については︑たとえそれが経済政策上重要なものであるとしても︑. 反競争的な方法によって達成される場合には︑これを全く重視しないことを明らかにした︒集中によってもたらさ. れるものが技術的能力の増進という効率性である場合には︑好意的な反応が引き出せるかもしれないという予測も.

(15) ︵10︶. ω一8ξ\↓理ヨ8事件︵98Z︒ー一<\⁝︒・︒﹂︒︒NNー嵩決定O■﹂︒︒N■8︒\昼. なされている︒ 6. ω什①9牙社は︑ビルの建設︑採石および建築資材の製造および供給を事業目的とし︑イギリスを拠点として営業活. 動を営んでいる︒↓貰旨零ω社は︑採石︑ビルの建設︑ならびに防水資材やビルシステムの製造および設置を事業目. 的とし︑イギリスを拠点として営業活動を営む会社である︒両社は︑ジョイントベンチャーを設立して︑イギリス におけるビル建設事業のすべてを︑従業員を含めて譲渡する契約をした︒. 委員会は︑このジョイントベンチャーを︑本規則第三条第二項に定める集中であると判断した︒その理由は︑親. 会社はこのジョイントベンチャーに︑製造︑経営およびマーケティングに関するすべての財産を取得させ︑この市. 場から撤退すること︑これによって市場構造に永続的変更をもたらし︑以後は︑両親会社とジョイントベンチャー. との間で競争行為に関する調整が行われることはないからであるというものであった︒但し︑この集中は︑共同体. 市場において支配的地位を創設または強化するものではなく︑共同体市場と両立するものであると決定した︵第六条 第一項b号︶︒. この事件ば︑本規則第九条第二項に基づくイギリス政府の要求に応じて︑委員会が事件を国内当局に付託するこ. とに同意した初めてのケースとして注目を集めている︒イギリスの主張は︑次の通りである︒すなわち︑当該ジョ. イントベンチャーは︑イギリスの東北および南西地方のレンガ市場︑ならびにグレイトブリテン地方のタイル市場. における有効な競争を阻害する結果︑支配的地位を創設または強化する虞れが強いというものであった︒委員会は︑. 三一五. 本契約は︑共同体規模を有する集中ではあるものの︑これによって影響を受ける市場が明らかにイギリスの特定の ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(16) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三一六. 地域に限定されることを認定し︑このイギリスの主張を認めた︒第九条を適用するための要件は︑当該集中行為に. よって影響を受ける市場が加盟国内の特定の地域内に明白に限定されることであり︑こうした例外的な状況がある. 場合に限って︑事件は国内当局に付託されることができる︒その後︑同様に︑ドイッ政府当局が委員会に付託を要. 求した︑冨碧幕ωヨき具頃089事件に関しては︑委員会は︑手続きを開始し︑修正義務を付す最終決定を下すこと ︵n︶ で︑その付託要求を暗黙のうちに拒絶している︒ 7 >08﹃\≦諾o霧±房事件︵98Zρ一<\⁝まお旨桑N︒︒決定Oしト8ミ一︶. フランスの>08吋グループは︑ホテル業︑旅行業および仕出し業を営む企業グループである︒ゑ濃9曽口房は︑. ベルギーの同じくホテル業︑旅行業および仕出し業企業グループである︒本事件は︑︑︾8曾により提案された︑. 譲囲o器−口房の株式公開買い付けに関するものである︒これによって︑︾8自は︑巧謎o房−口房の株式を六九・五. %まで保有することになる︵それ以前は少数派株主に過ぎなかった︶︒この事件については︑ベルギー国内の株式公開. 買い付け規制の解釈を巡り︑国内においても激しい訴訟が展開された︒第一審のブリュッセル商事裁判所および控. 訴審裁判所は︑この株式公開買い付けに先立つ一五カ月以上も前に︑︾08同は第三者と共同して≦躍o諺−い駐の支. 配権を実質的には取得していたことを認定した︒しかし︑委員会は︑いずれにせよ︑株式公開買い付けによって︑. ︾08同は︑薫譜o房−口房の単独支配を獲得するものであり︵第三条第一項b号︶︑それ以前に︾08﹃が共同支配権を. 実質的に取得し行使していたとしても︑この事件の審査には無関係であるとした︒. 次に売上高の算定に際して︑委員会は︑>89が少数の株式しか保有していない会社についても加算されるべき. であるという態度を明らかにした︒これは︑売上高の算定については︑当該集中行為の関係企業はもとより︑それ.

(17) を認定するものとして︑>08吋が少数の株式を保有する会社の他の株主と. も︑その売上高に合算するという規定によるも. らの企業と関連を有する企業についても合算されることになっている︵第五条第四項︶ことに基づく.ここでは︑そ. 事業を経営する権利. のb号第四段落に定める その事業を経営する権利を有する企業 のである︒この. の間で合意した契約が示されている︒それによると︑それらの会社の事業が︾89グループの一つの周知の商号の. 下で営業されること︑それらの会社の人事政策に>89が完全な支配権を持つこと︑これらの会社の大株主が株式. を処分するにつき厳しい制約が設けられていることが明らかであり︑さらに︑この契約は長期にわたるとされてい た︒. ︵12︶. こうした売上高の算定に関する委員会の態度は︑明らかに本規則の適用を望んだ>8aの示唆によって導かれた. との見方が強いが︑今後の本規則の適用につき重大な意味を残したことになる︒例えば︑フランチャイズ契約の下. で独立して経営を営んでいる企業についても︑この売上高の算定についてはフランチャイズを与える企業の売上高 に含めて合算されるべきであるということにもなるのであろうか︒. 次に︑この事件が本規則の適用範囲内の集中に該当すると認定した委員会は︑共同体市場との両立性につき審査. した︒まず︑ドイツにおける仕出し業に関しては︑今後このグループが有することとなる市場占有率は五一%に達. するにもかかわらず︑次に掲げる理由により︑支配的地位を創設するものではないとした.すなわち︑この市場が. 現在成長しつつあるということ︑実質的な参入障害がないこと︑現実に有効な競争が存在することなどである︒こ. れに対して︑フランスにおける高速道路の仕出し業市場については︑市場占有率が五八%あること︑新たな企業の. 三一七. 市場参入については資金力の問題や障害の存在により︑有効な競争を妨げる可能性があるという結論に達し︑共同 ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(18) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 一三八. 体市場とは両立しないものと決定した︵第六条第一項c号︶︒但し︑>08噌がこの公開買い付けの実施後︑毛囲o滑ご房. のフランスにおける高速道路の仕出し事業を処分するという修正を付して︑その両立性を認めたのである︵第八条第. 二項︶︒買収企業に対象企業の事業の一部を放棄させるという解決方法は︑次に述べるZoω一\℃R鼠R事件においても. 委員会が踏襲するものである︒ 8 ZΦ︒・薮\−Φ三Φ﹁事件︵9紹Zo.閣<\⁝︒︒■一8N刈﹄N決定O■﹂■rω3\一︶. ZΦω鼠社は︑食品に関する多くの部門で事業を営むスイスの会社である︒評三段社は︑瓶詰飲料水の製造販売に. 関する事業およびチーズに関する事業を主に営むフランスの会社である︒本事件は︑Z①ω頴社が評三R社および. その子会社を買収し︑その後︑勺R鼠Rの事業の一部であるくo一<8ミネラルウォーターをBSN社に再譲渡すると. いうものである︒この集中は︑フランスにおける瓶詰ミネラルウォーター市場に影響を与えるものであるが︑そこ. での主要企業は︑零巳R社︑ZΦω鼠社およびBSN社の三社であり︑高度の集中が形成されており︑それぞれの製. 品は類似性を示し︑かつ高い需要に支えられて低価格を維持しているため︑新たな企業の参入には高い障害の存在 が認められる︒. 評三R社の取得および<o一<8の売却後は︑ZΦω法社自体が市場における支配的地位を取得するものではない. が︑2Φω法社およびBSN社は︑価格にして八二%︑取り扱い量にして七五%の市場占有率を有することとなる︒. 不発泡のミネラルウォーターの分野に関しては両社の市場占有率は九〇%を超えることになるはずであった︒. この集中がBSN社への<o一<一〇の再譲渡なくして実行されるのであれば︑Zoω鼠は支配的地位を取得すること. になり︑この集中は本規則第二条第三項に定める集中に該当するといえる︒しかし︑その再譲渡を伴って実行され.

(19) る場合には︑フランスの瓶詰ミネラルウォ:ター市場においては複占︵身8・ぐ二企業による寡占︶的な支配的地位. を確立することになり︑委員会は︑このことが共同体市場の有効な競争を相当に阻害することになるであろうと判. 断した︒そこで︑委員会は︑本規則第二条第三項の規定が単一企業による支配をもたらす集中ばかりでなく︑複数. の企業による支配的地位の創設または強化をもたらす集中についても適用できるとの態度を示したのである︒これ. によって︑委員会は︑独占のみならず複占および寡占の創設または強化から生じる競争制限にも介入する権限を有 することを初めて明らかにしたのである︒. そこで︑委員会は︑このままではこの集中は︑第六条第一項c号に該当するため︑修正義務を付すことによって︑. 共同体市場と両立すると決定した︒修正の内容は︑Z①ω鼠社がBSN社以外の競争者に対していくつかの商品名を. ZΦ盆史−Φ三9決定に関する検討. 売却し︑一年間に三〇億リットルのミネラルウォーターを供給することされている︒ 9. を. 委員会は︑この決定において︑本規則第二条第三項の規定は寡占による支配的地位をもたらす集中にも適用でき. ると判断した︒その根拠として︑委員会は︑ローマ条約第八六条が 一つ以上の企業による支配的地位の濫用. 第二条第三項が明白に除外していない以上︑独立し. 禁止している一方で︑本規則は︑集団的な支配的地位について触れることなく︑単に 支配的地位 の創設または 強化について定めているだけであることを挙げる︒委員会は︑. こうしたことを認めることは︑有効な競争の維持というローマ条約の目的に抜. 三一九. と断定している︒また︑ECにおけるさまざまの国内合併法が独占および寡占的支配にも. と述べ︑さらに︑. た強大な複数の企業が共同で行動することにより有効な競争を阻害することを︑立法者が認めるつもりであったと は考えられない. け道を作ることになる. ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(20) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 適用されると定められていることも︑その根拠として挙げている︒. 三二〇. しかし︑集団的支配的地位を創設する集中にまで規制を拡大しようという提案は︑本規則の立法作業中にも出さ. れており︑これに対して格別の対応もなされなかったことは周知の事実である︒寡占による支配的地位の創設につ. いては明文の規定をおかずとも︑当然に第二条第三項がこれをカバーすると考えられたとは認めにくい︒. また︑EC内の国内法に基づく根拠についても疑問がある︒なぜなら︑ドイツにおいては︑明白な支配の可能性. を立証することにより︑寡占にいたる集中を禁止できると明文化されている︵競争制限禁止法第壬二a条第二項︶︒フ. ランスでも︑一九八六年のオルドナンスが寡占をもたらす集中に適用されるかは疑わしい︒そこでは︑規制の対象. となる集団的支配的地位は︑関連する企業が経済上または営業上の特別の結合をしている状態のみをいうというよ うに︑制限的な解釈がなされているのである︒. 確かに︑一旦寡占状態が存在してしまうと︑企業間の意識的な統一的行動を規制するために第八六条を利用する. ︵13︶. ことは困難な状態である︒EC司法裁判所がこのような行動に対して第八六条を適用してこれを排除した事例は︑. 複数の寡占状態にある企業が一つの経済単位として協調的に行動したケースに限定されている︒これらの企業が︑. たとえ意識的な統一的行動をしたとしても︑それがあくまでも独立した行為としてなされる限り規制の対象とはし ︵14︶ ていないのである︒こうした状況を委員会は考慮したのであろうし︑そうした態度を高く評価する向きもある︒し ︵15︶ かし︑第二条第三項を拡張解釈するよりも︑むしろ本条の修正を理事会に提案すべきであるという意見もある︒. さらに付け加えると︑委員会が付した修正義務についてもそれほどの効果が期待できないといえる︒なぜなら︑. 瓶詰ミネラルウォーター市場には結局三大企業のみが存在することとなり︵ZΦω豪︑BSNおよびZΦω鼠が販売を約.

(21) ︵16︶. 束したミネラルウォーターの買受企業︶︑二社しか存在しない場合と比較しても︑ 統一的行動を採ることにつき︑それ. ほどの困難を感じることはないものと思われる︒. ︵1︶国.甲勺︒=o邑貰国閃O冨①茜①貝Oo旨巨園8・﹃§﹂8財8ω①8けΦも.︒.. ︵2︶ 協力的ジョイントベンチャi︵8−8R簿一<ε9鼻く窪什弩Φω︶と︑集中的ジョイントベンチャー︵8糞窪貸象一<ε○一筥<Φ具弩8︶. 中薯. αΦOげΦ一〇匿ρ団国O﹈≦RひqROoロ賃○一菊80昌Φ円﹂OO一︒8ωΦ8けΦP刈O︒. については︑拙稿︑前掲論文五八頁︒. ︒o︷圏08ΦB げ R 一 ︒ ︒ ︒︒9跨①8づ霞○一〇︷8Rgq呂8ωσ①ヨ①窪9αΦ誹畏一轟ω冨 ・轟ひq轟9器参照︒. OOヨ巨ω一〇づロ&8お鴇巳一轟浮①8目Φ簿轟ぼ<Φ餌包8−8R四鼠く①8①轟鉱oβω琶αROo毒o出園①讐毎凶g︵国閃O︶ZO合Oミ. 旨ω8叶甘国国O竃①旙ROo旨○δ一勾80辞R﹂8一︒8ω①PO什ΦPN謹︒. ここでは︑本規則の範囲と適用につき照会があれば非公式の指導をしている︒. 合併特別委員会とは︑EC委員会の内部組織で︑ECの競争規則の適用および執行にあたる第四総局の中の独立した部会であ. 崔﹂O旨︐8ω①oO8︒マ一N①●㎝. 76 543 __る___ ︵8︶. トω8夢O P 9 け P 認 斜 ・. 国げ罷︐. 国●﹈≦.問o〆国国O﹈≦Rひq霞Oo筥8一勾Φも○誹R︑お旨●8ωΦp9Φ■P癖ω①.. 一九九二年一一月一二日決定︒委員会は︑国内市場で重大な市場占有率を有することになる企業の創設を︑市場を自由化するた. ECにおける 企 業 集 中 規 則 運 用 の 現 状 と 展 望. 三二一. いる︵OOヨヨ置ωδP8ろ霊P器●︶が︑詳しい資料をまだ入手していないので︑これ以上のコメントは控えたい︒. というものであつた︒委員会が︑問題となる市場に関して弾力的な解釈を採ることも必要であることを示した事例であると説明して. 合でも︑近い将来これが共同体市場となり得る可能性があると分析できれば︑こうした地位も一時的なものであることは明白である. めの一定の修正義務を課した上で許容した︵第八条第二項︶︒その理由は︑市場を国内的に把握すると支配的地位の創設といえる場. ︵11︶. ︵10︶. ︵9︶. 。。.

(22) ○勺ユoρ団国O困①彊ROo暮﹃o一菊①℃〇一R. 早法六九巻四号︵一九九四︶ ︵12︶. 勾Φ一ωΦげ80ヨび霞<. おOPO霧Φづ9ρP謡N●曽曾. Omω①昌9P戸ooま.竃.. N①づq巴ΦN仁﹃ωΦパ似ヨ風仁β閃仁三鋤葺RΦづ≦Φ鉾げ①≦RげのPく. 三二二. O霧①①①寓oo9一〇〇 〇〇︸国●ρ刃℃︒ooOω︒. ︒ご︾げヨ&ω器8コニ鴨①一ω8Φ貯ωぞRい幕 ︵13︶U①旨ω畠Φ9四ヨヨ︒99<︐冒Φ霞︒9︒ωωヨ簿耳︒︶9ω︒刈︒︒\刈ρ一零一国○勾も﹂︒. コ密づ昌ざ国国O﹈≦①茜角Oo旨8一園Φ℃9R畳おOω. Ooヨヨ一ωω凶oPo層良. ワ器9. ︵14︶. 一獣9Poo8︒器●. ︵15︶ ︵16︶. 四 結. 的受け入れやすいものとなっており︑市場構造の抜本的な改善に至るものはない︵現行規則の下ではこうした措置を採. て課せられる修正についても︑結合後の事業の一部の譲渡または一部の市場からの撤退という︑企業にとって比較. る︵認墨暮\くoぞ○事件︑≧8邑\↓︒一象轟事件︑︾89\薯譜o霧−U富事件︶︒また︑両立性を宣言するための条件とし. 域外︑特にアメリカや日本の企業との競争力への配慮という︑経済政策的な要素も強く働いていることが感じられ. 委員会は集中を共同体市場と両立すると宣言している︒ただ︑この場合︑純粋に共同体域内の問題としてよりも︑. 企業が存在するか︑または将来確実な参入者が見込める場合には︵たとえそれがかなり甘い見通しであったとしても︶︑. まず︑届け出られた集中が関連市場においてかなり高率の市場占有率をもたらすとしても︑EC内に他の有力な. を概括し︑あわせて将来像を展望したいと思う︒. 以上︑EC委員会による主な決定について検討して来たが︑これらのケース全体をまとめて委員会の現在の態度. 紐 口口.

(23) る権限は委貝会にはないと考えられていることもあるが︶︒今後も同様の決定が続くものと思われるが︑こうして義務づ. けられた修正が︑はたして有効な競争の確保に効果をもたらすのか大いに疑わしい︒. ジョイントベンチャーの設立に関して︑本規則の適用範囲であるか否か︑すなわち︑集中的であるか協力的であ. るかの判断基準は︑かなり明白である︒親会社からの当該事業分野に関する全財産の移転および親会社の完全な撤. 退があれば集中的であると宣言され︑本規則の適用を受けることになる︒ただ︑協力的であるということになれば︑. ローマ条約の適用を受ける可能性もあり︑その場合は別の手続きが必要になるため︑迅速な対応が望まれるところ. であるが︑この点に関しては委員会は充分にその要請に沿っているとはいいがたい︒今後の改善が待たれるところ である︒. 事業運営上の効率性の問題ついても︑委員会は︑明確な態度を示している︒フランス政府やイタリア政府からの. 強い抗議にもかかわらず︑さらに︑諮問評議会の一部の反対にも屈せず︑経費節減という効率性は︑有効な競争を ︵1︶. 阻害し支配的地位を創設または強化する企業集中を正当化するものではないと明言している︵︾R・呂蝕巴9≧窪富\. U①=薯芭曽&事件︶︒ただ︑この決定については行き過ぎの観もあるという批判もあり︑今後︑委員会がこうした態 度を堅持するのか見守りたいと思う︒. 最後に︑委員会が本規則を寡占的集中にまで適用を拡大した点について簡単に触れてみたい︒この拡大解釈につ. いては︑諮問評議会も意見が分かれ︑多数意見は委員会の見解を支持するものの︑少数意見は︑それらの寡占企業. 間に特別の経済的結合がある場合を除き︑寡占的な支配に本規則を適用すべきではないとの見解を述べている︒寡. 三二三. 占的集中という状況につき︑法の訣欠があるかぎり︑委員会のこうした態度はやむを得ないのかもしれないが︑こ ECにおける企業集中規則運用の現状と展望.

(24) 早法六九巻四号︵一九九四︶. 三二四. ︵2﹀. ︵閃﹂≦︒句o×︸. うした状況に適切な対応ができるよう︑速やかな規則の修正こそがすっきりした解決策ではなかろうか︒この点に. と修正すべきであると提案している︵8らF︒︒ま︒巴︶︒. 支配的地位を創設するかまたは強化するか否かを問わず︑ 競争を減じ. この決定は︑ECの競争政策およびω一﹃■零8騨鐸雪︵EC競争政策担当委員︶の勝利であると評価されている. ついても︑委員会の今後の動きに注目したいと思う︒. ︵1︶ OP息けこP蒔o︒O︶Q. る集中は︑共同体市場と両立しない. ︵2︶ 前掲注︵15︶で掲げた︑閃﹂窪昌は︑第二条第三項を.

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参照

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