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第3章_視点別の取組 文京区 文京区教育振興基本計画(平成26年度~30年度)

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(1)

 次世代を担う子どもたちの「生きる力」を育むため、各学校・園では、幼児・児童・生徒 に対し、学習面や生活面における様々な指導・支援を行っています。しかし、そうした取組 の効果を十分なものとし、子どもたちの有意義な学校生活と健全な成長を保障するためには、 前提として、教育環境の整備が重要です。

 子どもたちの教育環境としては、まず、教員とのかかわりが挙げられます。直接子どもた ちの教育にあたる教員の指導力は、教育の質を左右する非常に重要な教育環境であるといえ ます。子どもたちの学習意欲を的確に引き出すとともに、社会の変化に伴い出現する様々な 教育課題に対応できる実践的な指導力を一層向上させることが必要です。

 また、子どもたちが安全に安心して過ごせる学校づくりも重要な教育環境です。東日本大 震災以降、首都直下型の巨大地震への懸念が高まる中、老朽化した校舎や各種設備について は、適切に整備を行っていく必要があります。さらに、学校運営上及び幼児・児童・生徒の 教育上望ましい学校規模を目指すとともに、幼児・児童・生徒の数に応じた教室等を確保し ていくことも大切です。

 一方、近年、登下校中の事件・事故や不審者の出没などが増加しています。校内はもちろ ん、登下校時の子どもたちの安全も確保し、災害や事故を未然に防止するよう努めなければ なりません。

 また、昨今、いじめの問題や不登校など子どもたちの健全な育成にかかわる社会的課題が 顕在化しています。こうした子どもたち自身へのサポートと同時に、教員や家庭へのサポー トも重要です。

(2)

 【現状・課題】

 学校教育において、子どもの教育を担う教員の果たす役割は大変重要です。教員は、子 どもたちの指導者として日々その資質・能力の向上に努める必要があります。近年、子ど もの学ぶ意欲や学力・体力の低下、いじめなどの問題行動、不登校、規範意識の低下など、 学校教育を取り巻く様々な課題が指摘される中、子どもたちの「生きる力」を育むためには、 教員自身に高い資質・能力が求められています。

 また、ベテラン教員の大量退職と、それに伴う新人教員の大量採用により、教員全体の 平均年齢が低下し、指導経験の浅い教員が増える中、いかに教育の質を維持・向上させる かが大きな課題となります。初任者から管理職までのすべての教員に対し経験年数や職層 に応じた研修を充実させること及びそれをサポートする体制を整備することが必要です。  教育基本法では、教員の使命と職責などのほか、教員が研究と修養に励むべきことや、 教員の養成と研修の充実が図られるべきことを規定しています。これに基づき、教育公務 員特例法等により、教員の経験に応じた様々な研修の機会が確保されています。

 一方、教員の多忙感が問題視されています。教員は教科の指導や学級運営のほか、組織 の仕事も校務分掌として分担しています。さらには、昨今の様々な教育課題等への組織的 な対応も求められており、教員として子どもと向き合うための時間を確保するためには、 円滑で効果的・効率的な学校運営が必要となります。学校・園の教員だけでこうした課題 のすべてを解決することは困難です。学校運営協議会や学校支援地域本部などの組織や関 係機関、その他の保護者・地域住民等の外部人材の力を積極的に活用していくことが大切 です。

(1)教員の資質向上、教育に専念できる工夫

<副校長の業務実態>

<主幹教諭の業務実態> 時間外勤務の有無

区分  勤務日業務時間(1 日平均)    勤務時間内

   勤務時間外

 休日業務時間(出勤した時の 1 日平均)

小学校 12時間19分

08時間17分

04時間01分

04時間07分

中学校 11時間25分

8時間 8分 3時間17分 4時間16分

【凡例】

「あり」:しばしば時間外勤務が発生。 「なし」:基本的に時間外勤務は発生しない。

(繁忙期等に発生する)

なし 6%

(3)

【今後の方向性】

○教員の経験や能力、職層に応じた研修等の充実を図るなど、計画的・系統的な教員の 育成に取り組みます。

○教員が子どもと向き合う時間を確保するため、ICT等を活用した校務の効率化を図 るとともに、業務のスリム化、アウトソーシングなどにより改善・見直しを図ります。

○地域内外の多様な人材を積極的に活用し、教員の人材育成や校務のサポートを行い、 教員の負担軽減を図ります。

○教員のメンタルヘルス等の対策を充実させるなど、多忙な教員を支援する体制づくり を進めます。

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】 1 資質向上

2 学校支援

○教員としての資質を高め、指導力の向上を図るため、若手教員の育成、職層に応じた 研修、教育課題研修等、様々な種類の研修プログラムを設定し、教員の計画的・系統 的な育成を図ります。

 

○教員としての資質を高めるとともに、学校・園の教育活動の充実を図るために、教科 指導や教育課題等からテーマを設定して研究に取り組み、その成果を他校の教員、保 護者、区民等に公開します。

  

○教員の指導力を向上させるため、教育研究会における授業研究や学校訪問等において、 指導主事による専門的な指導・助言を強化します。

○様々な教育課題に対する認識を深め、課題への対応力を養成するため、区内大学等と 連携し、外部の専門家等による講演会・研修会などを実施します。

○教員の校務負担の軽減を図るため、ICTを活用した校務支援システムにより、業務 の効率化・平準化を図ります。

  

○地域人材や都の外部指導員人材バンク等を活用した、中学校における部活動指導の支 援を行い、部活動指導に係る教員の負担軽減に努めます。

(4)

 【現状・課題】

 子どもたちは学校・園で日頃多くの時間を過ごします。そのため、子どもたちが安全に 学習活動に励み、保護者が安心して子どもたちを託すことができるよう、安全・安心な環 境を確保しなければなりません。

 学校保健安全法では、各学校・園の施設・設備の安全点検、通学を含めた学校生活や日 常生活における安全に関する指導、職員研修など、安全に関する事項について計画を策定し、 実施しなければならないとしています。また、危機管理マニュアルの作成や職員に対する 周知、訓練の実施も義務付けています。学校管理下における災害に対しては、独立行政法 人日本スポーツ振興センター法による災害共済給付が行われています。

 区立学校・園における防犯面の安全性については、非常勤・委託の警備員の配置や機械 警備等により一定確保されておりますが、各学校・園は、不審者の侵入等、不測の事態に おいて迅速かつ適切に対応できるよう、態勢を整えておく必要があります。

 また、近年、登下校時における交通事故や子どもたちが巻き込まれる事件等が全国各地 で続発しており、安全・安心な学校生活が脅かされています。区で配信している「安心メー ル(防犯等安心情報)」についても、“子どもの安全にかかわる事件等の情報”は、近年減 少していましたが、平成25年度は一転増加しています。区では、他自治体における凶悪 事件も踏まえ、子どもの安全を第一に不審者情報を配信しているところです。

 これまで、教育委員会では、防犯ブザーの支給やスクールガードの普及啓発のほか、平 成24年度には区内の通学路の点検を実施するなど、児童・生徒の登下校時の安全確保に 努めてきましたが、より一層の安全性確保のため学校、家庭、地域、警察などの関係機関 が十分な連携を図り、地域全体で子どもたちの安全を見守ることのできる環境づくりや体 制づくりを推進していくことが重要です。また、子どもたちが自分自身の身を守り、周り の人々にも気を配ることができるよう、適切に指導を行っていくことも大切です。

(2)安全・安心な学校生活のための危機管理体制

<「安心メール(防犯等安心情報)」のうち、“子どもの安全にかかわる事件等の情報”の配信件数>

<平成25年12月31日現在> 25

20

15

10

5

0

22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 件

18

16

13

(5)

【今後の方向性】

○交通事故や不審者等の身の危険から子どもたちを守るため、ハード・ソフト両面から の見守り体制を整備します。

○緊急時に迅速な対応が図れるよう、警察、近隣自治体等の関係機関及び保護者、地域 住民等と連携した学校・園の安全体制づくりに努めます。

○子どもたちが自らの身を守り、また、周りの人々を助けることができるよう、発達段 階に応じた体系的な安全教育を行います。

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】 1 安全管理

○学校・園において、継続的に危機管理マニュアルや学校防災計画等の改善を行うとと もに、安全点検を実施し、学校・園における安全確保の充実を図ります。

○児童の身の安全の確保及び防犯意識啓発のため、区内在住の新小学校 1 年生に対し、 防犯ブザーを支給します。また、防犯ブザーの使用法や使用場面等を児童・生徒に説 明し、適切かつ効果的な使用を促す取組を進めます。

○登下校中の児童の安全を確保するため、学校安全ボランティア(スクールガード)等 の組織による見守りを行うほか、子ども110番等を活用した地域全体での子どもの 見守りを行うなど、地域と連携した事故・犯罪の未然防止と安全な環境づくりに努め ます。

○様々な情報伝達媒体を活用し、保護者等への学校・園の情報や幼児・児童・生徒の安 全にかかわる緊急情報等の迅速かつ正確な伝達を行います。

  

○通学路については、学校、道路管理者、警察等が連携するとともに、PTAやスクー ルガード等の地域の方々の協力を得て、危険箇所の点検や必要な対策を講じ、子ども たちの通学上の安全を確保していきます。

  

(6)

2 安全教育

○幼児・児童・生徒それぞれの発達段階に応じた実践的・体験的な避難訓練、安全指導 等を行い、子どもたちの危機回避能力の向上を図ります。

○東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故を受け、放射線についての正しい理 解と、大量の放射線が放出された場合、自分の身をどのように守るかについて、安全 教育の一環として、発達段階に応じた指導を行っていきます。

 

○東日本大震災の経験から、児童・生徒に命の大切さを改めて考え、災害から自分の命 を守る力を身に付けさせるとともに、協力して身近な人を助け、さらに地域に貢献で きる人間を育てるため、学校防災宿泊体験を実施します。

【再掲】→ P 30

○インターネットを利用したハイテク犯罪や、インターネット上の誹謗中傷やいじめ等 の様々なトラブルから子どもたちが自らの身を守り、また、周りの人々を助けること ができるよう、家庭や警察等の関係機関との連携を図りながら、情報モラルに関する 教育を進めます。

【再掲】→ P 30

○安全への意識を高め、危険回避能力を育てるため、各学校において「セーフティ教室」 や「薬物乱用防止教室」等の安全指導を実施します。 

(7)

 【現状・課題】

 近年、学校におけるいじめ・不登校・非行、発達障害等の課題が多様化、複雑化すると ともに、増加傾向にあります。また、子育てに対する不安や悩みを抱える保護者からの相 談、学校に対する要望・苦情なども増加している状況にあり、教育相談に対する需要は質・ 量ともに増大しています。

 こうした課題を適切かつ迅速に解決していくためには、教員個々のスキルアップに加え、 校長をはじめとしたすべての教職員が課題を共有し、学校全体で組織的な対応を図ること が必要です。しかし、学校現場では、教員それぞれが子どもたちへの教育指導のほか、様々 な業務に忙殺され、スキルアップに取り組むゆとりを持てない状況や、こうした課題への 対応が一部の教員に集中してしまい、組織的な対応が不十分であるケースも見受けられま す。したがって、校務改善等により教員一人ひとりがスキルアップに取り組める環境づく りや、教育課題に対する組織的な対応体制を整えることと合わせて、臨床心理士等の社会 福祉等の専門的な知識や技術をもつ専門家の力を活用した効果的な対応策についての検討 を進める必要があります。

 こうした課題については、教育相談やスクールカウンセラー派遣等、教育センターを中 心とした取組を実施していますが、新教育センター開設を機に、学校内外における児童・ 生徒、保護者に対する教育相談機能をさらに充実し、子どもたちの課題への対応力を一層 強化していく必要があります。

(3)子どもたちの課題に対する専門的アプローチ

<「東京都児童・生徒の問題行動等の実態について」より> 8,000 4 4 90 7,000 3.5 3.5 80 6,000 3 3 70 5,000 2.5 2.5 60 4,000 2 2 50 3,000 1.5 1.5 40 2,000 1 1 30 1,000 0.5 0.5 20 10 0 0 0 0 21 年度

21 年度 21 年度

21 年度 22 年度

22 年度 22 年度

22 年度 23 年度

23 年度 23 年度

23 年度 24 年度

24 年度 24 年度

24 年度 件

% %

1,678 3.09 3.16 0.33 0.29 3.07 3.31 0.34 0.44 2.93 3.14 0.36 0.40 2.76 2.80 0.34 0.49 26 小学校

小学校 小学校

小学校 中学校

中学校 中学校

中学校

2,161 39 2,423 42 7,187 87

1,798 2,129 24

38

2,195

49 4,238

62

<いじめ認知件数(文京区)>

<不登校出現率(東京都)> <不登校出現率(文京区)>

(8)

【今後の方向性】

○教育センターを拠点とする教育相談コーディネーターを中心とした相談の体制を整備 し、いじめ等の問題行動や不登校、集団不適応等の予防・早期発見・解消のための取 組を充実します。

○教育分野の知識に加え、心理・社会福祉等の専門的な知識・技術を有する人材を活用 した相談・支援体制を充実させます。

○区の幼児・児童・生徒に対する福祉部門との連携を強化し、相談・支援機能の更なる 充実を図ります。

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】 1 教育相談

2 問題行動等に対するアプローチ

○教育センターにおける教育相談と区立小・中学校へのスクールカウンセラーの配置ま たは派遣等を実施し、子どもや保護者、教員に対しカウンセリングや助言等の支援を 行うことで、いじめ等の問題行動、不登校、集団不適応等や教育・生活上の悩みに対 する予防や早期発見、解消に取り組みます。

○新教育センター開設に合わせ、教育相談と区で実施している子どもの発達相談を一元 化し、乳幼児期から学齢期の切れ目のない相談体制を整えるとともに、放課後等デイ サービス等の児童発達支援センター機能を整備します。

○児童・生徒の生活指導上の課題解決に向けて、適切な対応を図るとともに、学校・関 係機関に対して助言等を行い、学校・家庭・関係機関のネットワークを構築し、現場 の対応力向上を図ります。

  

○スクールソーシャルワーカー、教育相談コーディネーター等で構成される「不登校対 応チーム」が各学校に対する聞き取り、コンサルテーション等による支援・助言や、 適応指導教室(ふれあい学級)における学習活動や集団適応活動を通じて、不登校状 態にある児童・生徒に対する支援の強化と不登校の予防及び早期対応を図ります。

(9)

 【現状・課題】

 小・中学校は、学習面や生活面等の様々な教育的観点から、適正な学校規模により運営 していくことが大切です。これまで区では、平成21年3月に策定した「文京区立小 ・ 中 学校将来ビジョン」に基づき、学校規模の適正化に取り組んできました。

 小学校においては、20校体制を維持した上で、クラス替えの効果や教科学習における 集団の効果、集団活動の発展性、指導面の充実、校務分担の適正化などの観点から、各学 年で複数の学級が編制できるよう、学校規模の平準化に努めてきました。

 中学校においては、小学校よりさらに大きな集団での教育活動が望ましいとの考えから、 各学年において3学級以上が編制されること(1校あたり300人程度)を目標として、 平成21年度から3年間、比較的小規模な区立中学校3校において「魅力ある学校づくり 事業」を実施し、状況に変化が見られなかった場合には、区内全域において統合の検討に 入ることとしていました。その結果、望ましい学校規模の達成には至りませんでしたが、 区内の年少人口の増加が著しいことなどから、当面、区立中学校における統合の検討は行 わず、将来予測において人口動態に変化が生じた場合には、適正な学校数について検証し、 統合も含めた検討を行うこととしました(平成24年5月教育委員会決定)。区では、区の 立地環境等により、区立小学校に通う児童のうち、私立中学校に進学する割合が比較的高く、 区立中学校へ進学する割合は、学齢人口の約5割となっています。こうした中、子どもた ちや保護者にとって、通いたい、通わせたいと思われる魅力ある学校づくりを進めていく 必要があります。

 区立小学校の児童数は、平成14年度以降緩やかな増加傾向が認められており、現在の 未就学児の人口規模から、当面はこの傾向が続くものと考えられています。そのため、一 部の小学校では、将来的に教室が不足することが予想されており、教室確保のための対策 が喫緊の課題となっています。一方、区立中学校の生徒数は、小さな増減を繰り返しなが らも、横ばい傾向が続いている状況ですが、現在の小学生及び未就学児の人口規模から、 今後増加していく可能性があります。

 今後とも、各学校の児童・生徒数の推移や、学級定数及び少人数教育の推進に関する国 や都の動向なども注視しつつ、適切に対応していく必要があります。

(4)学校運営に適した学校規模

8,000

7,000

6,000

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

0

16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 人

6,621

2,234 2,185 2,182 2,159 2,140 2,155 2,112 2,094 2,068 2,115 6,638 6,719 6,752 6,716 6,762 6,777 6,832 6,878 7,068

小学校 中学校

(10)

【今後の方向性】

○小学校においては、当面現在の学校数(20校)を維持した上で、1学年複数学級の 安定的な確保を目指し、各校の学校規模の平準化を図ります。

○中学校においては、当面現在の学校数(10校)を維持した上で、生徒数300人を 安定的に確保できる学校規模を目指します。

○教育活動の充実や、学校情報の積極的な発信に努め、子どもや保護者だけでなく、地 域住民からも愛され、期待される、魅力ある学校・園づくりを推進します。

○学級定数に関する国や都の動向や近年顕著な増加傾向にある年少人口の動向を見据え た施設面の対応を図るとともに、将来予測において人口動態に変化が生じた場合には、 適正な学校数について検証し、統合も含めた検討を行います。

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○学校規模の平準化のため、平成22年度から小学校5校(窪町小・誠之小・千駄木小・ 昭和小・本郷小)で実施してきた、入学時における学級数及び児童数の上限を設定する、 受入れ制限校の指定を引き続き実施します。

○児童が中学校に進学する際、区立中学校の良さを理解し、選択できるよう、児童及び 保護者に区立中学校の情報を積極的に提供するとともに、合同説明会や個別相談会等 を開催します。

○各学校は、校長・園長の経営方針のもと、創意工夫により地域や学校の実態に即した 教育活動を充実させ、魅力のある、信頼される学校・園づくりに取り組みます。

(11)

 【現状・課題】

 区立の学校施設の多くは、概ね昭和30年代までに整備され、建築後50年程度が経過 しています。中には、建築後80年以上が経過している校舎もあります。

 一般的に、校舎や体育館など学校施設の非木造建築物の耐用年数は、原則として60年 といわれておりますが、耐用年数を経過した建築物についても、耐震改修を完了するなど 安全性を確保するとともに、適正な維持保全に努めています。

 しかし、老朽化が進むと、日常の保守・管理、小破修繕、設備更新・部分改修などのラ ンニングコストが増大することとなるため、老朽化した建築物については、必要な調査等 を行った上で、改築や改修を行っていく必要があります。

 また、学校は児童・生徒等の学習・生活の場であるとともに、地域コミュニティの核と しての役割も担っています。大規模災害が発生した場合には、児童・生徒の安全を確保す る場となるとともに、地域住民にとっての避難所ともなります。地域防災の拠点として必 要な機能が発揮できるよう、引き続き、緊急度に応じて適宜、必要な改築や大規模修繕等 を行っていかなければなりません。

 改築にあたっては、可能な限り児童・生徒の学習や学校運営に支障のないように配慮の 上、新たな教育施設に関連して需要が見込まれる施設や近隣の老朽化した区の施設との合 築・複合化、バリアフリー化、自然エネルギーの活用、土地の有効利用等についても考慮 していく必要があります。

 また、子どもたちに質の高い教育環境を提供するためには、学習指導要領等に示された 指導内容を踏まえて、教材を計画的に整備していくことも大切です。電子黒板やインター ネット接続環境(校内LAN)の整備、双方向型学習の実施に向けたICT環境の整備、観察・ 実験等の教育活動を実施するための設備の充実などが必要です。

(5)学校施設等の整備

80 年以上 2 校(10%)

50 〜 59 年 5 校(50%) 10 年未満

2 校(20%)

20 〜 29 年 1 校(10%)

40 〜 49 年 2 校(20%) 70 〜 79 年

2 校(10%)

50 〜 59 年 4 校(20%)

40 〜 49 年 5 校(25%) 30 〜 39 年

2 校(10%) 20 〜 29 年 2 校(10%)

10 〜 19 年 2 校(10%)

10 年未満 1 校(5%)

小学校 中学校

(12)

【今後の方向性】

○老朽化した学校施設の改築・改修については、施設の状況による緊急度等を考慮し、 適切に順次実施していきます。

○学校施設の整備にあたっては、安全で快適な環境を確保するとともに、バリアフリー 化を推進します。また、自然エネルギーの活用など地球環境にも配慮していきます。

○ICT機器を活用した質の高い教育環境を提供できるよう、学習指導要領等に対応し た設備や学習機器の整備を推進します。

○地域施設としての学校の役割を考慮し、防災拠点としての機能の充実を図るとともに、 区の施設との複合化など、地域の特性に応じた特色ある学校施設の整備を進めます。

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○特に校舎の老朽化が進んだ学校については、改築や大規模な改修に向けた具体的な検 討に着手します。改築等を行う場合、区の施設との合築・複合化やバリアフリー化、 太陽光発電等の自然エネルギーの活用、土地の有効利用等について考慮していきます。

○夏季の気温上昇等、近年の気候変化に対応した良好な教育環境を確保するため、特別 教室等への空調機の設置を進めます。

○老朽化した校舎の外壁・サッシ等については、児童・生徒の学習や学校運営に支障の ないよう十分に配慮した上で、順次改修を進めます。また、築30年以上が経過して いる小・中学校について、快適な教育環境とするため、内装等の改修を実施します。

○給食施設の衛生環境を一層充実させるため、「学校給食衛生管理基準」に基づき、給食 室のドライ化等の改修を進めます。

○良好な教育環境を提供するため、区立小・中学校の近隣の活用可能な施設・土地など について情報収集を行い、狭隘な運動場や校地の拡張に向けた取組を進めます。

(13)

○区立小・中学校への電子黒板の配備やタブレット型情報端末の導入等により、児童・ 生徒の学習の効率化とICT学習への習熟度をより高めるための環境整備を図ります。

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