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加速度センサを用いた直感的な動作認識手法

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Academic year: 2021

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(1)

加速度センサを用いた直感的な動作認識手法

伊 藤 智 也 ・小 玉 成 人

I nt ui t i ve  Ges t ur e  Recogni t i on  Met hod  by  an  Accel er at i on  Sens or

Tomoya  I TO and  Nar uhi t o  K ODAMA  

Abs t r act  

Recent l y,var i ous  pr oduct s  ar e  pr opos ed,and devel oped by Comput er ‑Human I nt er act i on t echnol ogi es . Game  cons ol e  manuf act ur es  have    i nt r oduced  per i pher al s  t hat  al l ow game  pl ayer s t o  i nt er act  wi t h  games . Ther e  i s  humanʼ s  ges   t ur e  r ecogni t i on t echnol ogy by t he  comput er  as one  of  t he  t echnol ogi es .  

I n  t hi s  r es ear ch,we  wi l l  pr es ent  t he  r ecogni t i on  met hod  of  humanʼ s  ges t ur e  i n  r eal  t i me  wi t h a  gener al  accel er at i on  s ens or .  

:Comput er  Gr aphi cs ,Vi s ual Real i t y,Comput er ‑Human  I nt er act i on,Medi a Cont ent s  Cr eat i on  

 

1.

は じ め に

コンピュータと人間のインタラクション(対 話)技術の進歩によって,従来のインターフェー スにかわる様々な製品が提案,開発されている。

その新技術の一つとして,コンピュータによる 人間の動作認識技術がある。

関連した技術としてモーションキャプチャ技 術がある。モーションキャプチャは,マーカを 測定することによってマーカの移動軌跡から,

人間の動作を記録する手法である。CGによる 動作の再現に適しているが,あくまで時系列の データの記録と再生が主であり,動作の認識手 法としては,不十分である。

本報告では,汎用的な加速度センサを使用し,

リアルタイムでの加速度の取得,モーション(動 き)のパターン化による人間の動作認識手法を 検討する。

2.

動作を認識するためのハードウェア

近年,動作認識の技術に加速度センサを使用 したものがある。加速度センサ自体は歴史の長 い装置であり,昔から自動車やコンピュータの 衝撃検出機能などの分野で利用されている。近 年では,それらの装置が小型化され,身近な装 置では,携帯電話やゲーム機のインターフェー スに加速度センサが内蔵されている。

本報告では,コンシューマーゲーム機として 発売されている任天堂「Wi i 」のコントローラ

「Wi iリモコン」を使用した動作認識技術につい て調査,検討を行った。本製品は,ユーザの「振 る」「ひねる」といった直感的な操作によって遊 ぶことができるのが特徴である。

2. 1  Wi i

リモコン(Wi

i   Remot e )

「Wi iリモコン(Wi i  Remot e,図 1(a))」は,

通常のボタン類のほかに「3軸の加速度センサ」

と赤外線を検出する「CMOSイメージセンサ」

が搭載されている。さらに,PCからのフィード バックとして振動や音の出力が可能である。PC 平成 19年 12月 17日受理

システム情報工学科・講師

― 189―

(2)

とは Bl uet oot h規格による無線通信で接続す ることが可能なため,PC上で Wi iリモコンが 取得する値の測定を行う。

2. 2

加速度センサ

Wi iリモコンには,小型加速度センサである ADXL330 (Anal og  Devi ces社,図 1(b))が内 蔵されている。ADXL330は XYZ各軸に対し て 256レベル±3  Gまでの加速度の検出が可能 であり,振ったり傾けたりといった動作の検出 に使用される。

3.

動作の取得と解析

3. 1

加速度の測定

加速度センサの値を測定するソフトウェアを 試作し加速度の測定を行った。図 2は,静止状 態での加速度センサの出力値をグラフにしたも のである。静止状態とは,机や床の上にボタン の面を上に向けて置いた状態である。(図 3)

静止状態では,下方向に常に 1  Gの重力が加 えられる,この状態が下方向(−Z方向)に 1  G の出力となる。コントローラを任意の方向に 90°傾けると 0  G,さかさまにするとコントロー ラ上面方向に 1  Gとなるので,−1  Gの出力と

なるように測定プログラム上でオフセットし た。0  Gと 1  G時のセンサ値は ADXL330のメ モリ上からキャリブレーション情報として取得 することができる。

これらの情報を利用すると静止状態でのコン トローラの傾きを算出することが可能となるた め,傾きセンサとしての役割を持たせることも できる。

3. 2

位置,向きの算出

加速度センサからの情報 a の取得時間の間 隔を測定し dt (秒)とすると,測定時の速度 v は 以下の式で算出することができる(式 1),

v =a・dt (1) また,算出された速度 v からセンサ位置 x が算 出できる(式 2)。

(a) (b)

図 1 動作認識用ハードウェア

(a) Wi iリモコン (b) ADXL330

図 2 静止状態でのセンサ出力

図 3 静止状態 八戸工業大学紀要 第 27巻

― 190―

(3)

v =v・dt (2) ただし,これらの算出値は操作中の加速度が±

3  G内の条件で安定した値が算出でき,その範 囲を超えた場合(ゆっくりとした動作,激しい 動作,慣性が働いている状態)では評価が困難 となる。

3. 3

動作の解析

ジェスチャ認識はただのコントローラのボタ ンの ON/OFFに比べ,桁違いに処理量がかか ることが想定される。得られた位置,速度,加 速度のデータを基に,データのマッチングを行 うことは計算コストが大きくなり,リアルタイ ムにモーションを認識するには困難である。

本研究では,加速度データのみに注目しパ ターン化したデータを作成・参照することに よって動作認識を行う方法を検討する。

3. 4

動作の認識アルゴリズム

加速度センサの出力値 XYZに対して,総当 り的な数値のマッチングや積分量から移動距離 の算出を行うのではなく,加速度の大きさが最 大となったときのみに注目し,XYZ方向に関し て時間とセンサ値を格納していく。図 4はこれ らのデータをグラフ化した例である。

動作の認識は次の手順で行う。

St ep  1:前処理として得られたデータから許 容範囲を設定する。(図 5)

St ep  2:センサから入力

St ep  3:センサ値から特徴点を取り出す。

St ep  4:入力パラメータが許容範囲内のデー タであれば,その動作とみなし認識 した結果を出力する。

4.

実 験 結 果

今回は簡単な「振る」動作の認識を試みた。図 6は,数回「振る」動作を行ったセンサの出力値 をグラフにしたものである。

いくつかの「振る」動作を登録しておき,動 作のサンプルとしておき,ユーザが静止状態か ら「振る」動作をした際,PCが「振る」動作を 認識することができるかを実験した。今回は上 下方向に限定した「振る」動作とした。

上下に 1往復させた場合,次の 3つの動作が

図 4 センサ値から特徴点の抽出

図 5 許容範囲の作成

図 6 振る」動作時のセンサ出力 加速度センサを用いた直感的な動作認識手法(伊藤・小玉)

― 191―

(4)

検出された場合,「振る」動作とした。

1) 振り上げ時の加速度の最大値(動作開始)

2) 振り下げ時の加速度の最大値(動作中)

3) 振り上げ時の加速度の最大値(動作終了)

加速度センサ出力のうち最新の 30回の取得 分を保持し,その対象区間内でのグラフ形状が 凸となる部分を最大値として検出を行った。本 システムでの 1回の取得周期は約 1/100秒程度 なので,0. 15秒程度の遅れで最大値を取得する こととなる。

現段階において,ある程度高速に振ることお いては,「振る」状態の検出は実現できている。

しかしながら,許容範囲も実験的に定めたもの を使用し,被験者も 1個人と限定した状態での 推定であり,改良の余地がある。また,現段階 では 3次元空間での複雑な認識の段階には,ま だいたっていない。

5.

まとめと今後の課題

本報告では,加速度センサを使用した動作認 識技術の基礎的な調査・検討を行った。今後,基 本的な動作のパターンを増やし発展させていき たい。子供やお年寄りなど,経験による動作デー タの違いなどにも注目したい。

今回,動作を認識するデバイスとして汎用的 なものを使用したが,廉価な無線加速度センサ としての機能は適度なものであった。PC本体 とコントローラ,Bl uet oot hアダプタがあれば システムが構築できるため,このようなシステ ムが広く普及する可能性を感じた。目的に応じ てセンサの精度が高いものが必要になってくる かもしれない。また,今回は,単純に加速度セ ンサの値をスペック表を元に線形的に算出した が,実際の加速度や力との整合性は未確認であ る。

Ai Li ve I ncは,ジェスチャ認識を使用した ゲーム開発を容易にする「Li veMove」

[1]

という ミドルウェアをリリースしているが,現行の ハードウェアでは,まだ現実感は実現できてい ないと感じた。

加速度センサにのみ注目した動作解析につい て報告を行ったが,本装置には I R センサと赤 外線 LEDを使用した位置を検出するポイン ティングデバイスとしてのシステムも組み込ま れている。今後は,それらに加えて他の装置を 組み合わせることで精度の高い動作認識を目標 としたい。

また,従来とは異なる入力装置を使用するこ とは,直感的な操作によってコンピュータを楽 しく操作することが可能となる。図 7は CGに よる動作の可視化例である,残像を残すことに よって,動きをユーザが認識することができる。

これらの技術を応用したメディアコンテンツ制 作なども今後行いたい。

参 考 文 献

[1] Ai Li ve社,“Li veMove  Whi t e  Paper ”,ht t p: //

www. ai l i ve. net /

図 7  CGコンテンツの制作例 八戸工業大学紀要 第 27巻

― 192―

図 2 静止状態でのセンサ出力
図 7  CGコンテンツの制作例八戸工業大学紀要 第 27巻

参照

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