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信用リスクにおける保険会社の役割

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(1)

信用リスクにおける保険会社の役割

草 苅 耕 造

■アブストラクト

本論では,先ず,信用リスクを5類型に分類してその内容や規模を概観し ている。又,わが国の信用リスクの総額を2001兆円,民間保険制度の対象と なる信用リスクを1262兆円と推定している。

次に,この信用リスクの転嫁の方法である保証制度や保険制度について概 観し,特に保険会社の行う保険制度の内容及び現状について分析している。

又,この保険制度の役割についても分析し,保険会社がその役割を果たすた めの要件を論述している。更に,これらの要件を充足させる上での問題を指 摘すると共に信用リスクを担保する保険制度の重要性の認識が必要としてい る。この民間保険制度によって担保されている信用リスクは未だ30兆円,信 用リスク総額の2.4%に過ぎない。保険業界がその負託に応えて,この信用 リスクにかかる保険制度を発展させるための方法論を提示して結論とした。

■キーワード

信用リスク,信用保険,保証証券業務,

はじめに

企業活動に従事している実務家は,日頃から信用リスクに直面している。

又,信用リスクに関するマスコミの報道は略毎日の様に行われている。米国 のサブ・プライム・ローンの破綻,信用リスク格付機関の規制,クレジット・

*平成20年10月26日の日本保険学会大会(獨協大学)報告による。

/平成21年1月23日原稿受領。

(2)

リスク・デリバティブの動向,景気停滞による信用リスクの拡大,公共工事 等政府調達における贈収賄・横領等の犯罪,売主の産地・品質に関する虚偽 表示等々枚挙の暇がない。

信用リスクが保険会社として担保すべき危険の一種であることには異論は ない。問題は,信用リスクを担保するという保険会社の社会的役割を果たす ための要件又その要件を充足させるための方法論ではないだろうか。この点 を以下考察したい。

1.信用リスクとは

まず,信用リスクとは何かを考えたい。信用リスクを金融機関の融資に係 るリスクの中で,為替リスク,金利リスク,流動性リスクと並ぶ債務不履行 リスクとする考えが一般的かもしれない。しかし,これは信用リスクの一部 しか問題にしていない。信用リスクは,現在社会に不可避のリスクであり,

もっと広汎に存在している。本論では,信用リスクを, 債務者の債務不履 行又は義務者の義務不履行或は不法行為によって,債権者又は権利者が損害 を被る可能性 と定義して論じている。

代表的な信用リスクは,債務者又は義務者が誰か,債権者又は権利者が誰 か或はその債務又は義務の内容によって,次頁表1のように分類して纏める ことができる。

第1は,貸借契約上の借主を債務者,貸主を債権者とするものである。金 銭消費貸借契約上の借主の債務不履行によって銀行等の貸主が損害を被る可 能性が信用リスクになる。日銀統計によれば,2006年度国内信用は,766兆 2308億円に達している。この内政府信用221兆481億円を控除した545兆1827 億円が民間で付保可能な信用リスクと考えられる。これを第1⑴類型とした。

なお,以下の統計数字は,特記されない限り,2006年度の数字である。

貸借契約の目的物は,金銭だけではなく不動産や動産もある。不動産賃貸

1) 弊論文 信用リスクと保険 保険学雑誌第560号

P

.79参照。

(3)

売上高は60兆8930億円 と推定され,経済産業省統計によれば,動産賃貸業 売上高は11兆7342億円であった。この内,不動産賃貸は15兆2233億円,動産

表1 信用リスクの類型 契約種類 債務者・

義務者

債権者・

権利者 主な債務・義務の内容 金銭消費貸借

契約 借主 貸主 元利金の支払債務 不動産賃貸契

約 借主 貸主 賃料の支払債務及び原状 復帰債務

動産賃貸契約 借主 貸主 賃料の支払債務及び賃貸 物返還債務

建設工事請負

契約 発注者 請負人 契約代金の支払債務 役務提供契約 受益者 役務提供

者 契約代金の支払債務 委任契約 委任者 受任者 契約代金の支払債務 売買契約 売主 買主 物品の引渡債務及び瑕疵

担保債務 建設工事請負

契約 請負人 発注者 完成引渡債務・瑕疵担保 債務・性能保証債務 役務提供契約 役務提供

者 受益者 役務提供契約の履行債務 委任契約 受任者 委任者 委任契約の履行債務 雇用契約 被用者 雇用者 不誠実行為の不履行債務 各種法令 義務者 権利者 法令上の義務の履行債務 類型名

第1⑴類型

第1⑵類型

第1⑶類型

第2⑵類型

第2⑶類型 第2⑷類型 第3⑴類型

第3⑵類型

第3⑶類型 第3⑷類型 第4類型 第5類型

第2⑴類型 売買契約 買主 売主 売買代金の支払債務

2) 不動産賃貸推定売上高は,不動産ジャパン2008年不動産業統計集及び住宅都 市整備公団・都市整備機構の財務諸表から推定した。即ち,住都公団の不動産 賃貸収入を賃貸住宅数で除した数値に賃貸住宅数を乗じて得た金額を推定売上 高とした。

(4)

賃貸は11兆7341億円が付保可能な信用リスクと考えられる。これらを夫々第 1(2)類型,第1⑶類型とした。

第2は,売買契約の買主・建設工事請負契約 の発注者・役務提供契約の受 益者・委任契約の委任者を債務者,売主・請負人・役務提供者・受任者を債 権者とするものである。例えば売買契約に係る代金支払債務の不履行によっ て売主が損害を被る可能性が信用リスクとなる。経済産業省統計では,売買 契約のうち掛売が多く信用リスクが発生し易い卸売売上高は462兆4170億円 であった。又,国土交通省統計では建設工事受注高は,51兆9617億円であっ た。この内,売買契約では231兆2085億円,建設工事受注高から公共工事9 兆8583億円を控除した42兆1034億円が夫々付保可能な信用リスクとなろう。

同じく経済産業省統計では,サービス業などの役務提供契約売上高は27兆 7768億円であった。又,委任契約ではその代表である弁護士会,税理士会の 所属会員数からその年間収入合計を9851億円と推定した。これらを夫々第2

⑴類型,第2⑵類型,第2⑶類型,第2⑷類型とした。

第3は,逆に,売買契約の売主・建設工事請負契約の請負人・役務提供契 約の役務提供者・委任契約の受任者を債務者,買主・発注者・受益者・委任 者を債権者とするものである。売買契約に係る物品引渡債務がその代表であ り,この物品引渡債務に関連して,瑕疵担保債務等も考えられる。これらの 債務の不履行によって買主が損害を被る可能性が信用リスクとなる。その信 用リスクは全体では462兆4170億円となるが,付保可能な信用リスクは,231 兆2085億円程度となろう。同様,建設工事請負契約における完成引渡債務が あり,これに関連して,瑕疵担保債務,性能保証債務等も考えられる。これ らの債務の不履行によって発注者が損害を被る可能性が信用リスクである。

入札における入札者を債務者,発注者を債権者とし,入札者が落札しても契 約しないことによる損害の可能性を信用リスクとするものもある。国土交通 省統計では建設工事発注高は51兆9617億円であった。これらを第3⑴類型,

3) 建設工事請負契約は,役務提供契約の一種であるが,その重要性及び履行債 務の特徴に鑑み,区分して類型化した。

(5)

第3⑵類型とした。又,役務提供契約や委任契約における役務提供者や受任 者を債務者,受益者や委任者を債権者とするものもある。役務提供契約や委 任契約の債務者の履行債務が考えられる。これらの売上高は,役務提供契約 で27兆7768億円,委任契約で9851億円と推定したが,この内役務提供契約で 13兆8884億円,委任契約で9851億円計14兆8735億円が付保可能な信用リスク と推定される。これらを第3⑶類型,第3⑷類型とした。

第4は,雇用契約における被用者の不誠実行為(窃盗,強盗,詐欺,横領,

背任等)によって,雇用者が損害を被る可能性である。この信用リスクの総 額は,企業数と平均的な保険金額から75兆円と推定される。これを第4類型 とした。

第5は,各種法令における免許可業者や受益者を義務者,免許可権者や法 令義務違反等によって損害を被った第三者を権利者とするものである。免許 可条件の違反や法令義務違反による罰金や損害賠償金の支払義務,敗訴した 原告の被告に対する損害賠償義務,強制競売における落札者の買取り義務等 がある。これらの義務の不履行により権利者が損害を被る可能性が信用リス クと考えられる。この信用リスクの総額は,法務省統計の供託金額から少な くとも8857億円と推定することができる。これを第5類型とした。

このように信用リスクの種類はきわめて多いばかりでなく,信用リスクの 総額も2001兆円と推定される。この内保険制度の付保対象となりうる信用リ スクを推定してみると,少なくとも約1262兆円 に達している。

これらの信用リスクの回避は,債権者や権利者にとって当然重大な関心事 である。事前審査により,信用リスクが高いと判断される場合には,当該信 用リスクのある取引を中止して信用リスクを回避できる。取引関係によって は予め担保を取得して,信用リスク事故が発生した場合の損害の軽減を図る

4) 信用リスクは,債務者により個人信用リスク,企業信用リスク,政府信用リ スクに3分割される。この内政府信用リスクを除く信用リスクについて,その 信用リスク類型に従い民間で担保可能な信用リスクやその通常の集積期間を考 慮して,付保可能な信用リスクの総額を推定した。

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こともある。しかしながら,信用リスクは,損害が発生する可能性であり,

予めできる対応策には限界がある。更に不況等の全体的な経済変動が発生し た場合には,信用リスクの集積が巨大化する。このため,信用リスクを抱え る債権者や権利者は,信用リスクの回避や軽減のみではなく,信用リスクの 転嫁を図ろうとする。この信用リスクの転嫁の具体的な方法として,保証制 度や保険制度がある。

保証制度では,債務者に対して保証の提供を求めねばならず,金銭消費貸 借契約における金融機関等の様に債権者の立場が比較的強い場合に可能とな る。保証制度としては,第1に,代表者個人・親会社・関連会社等の連帯保 証がある。これらは債務者の関係者による保証制度であり,保証料も無償の ものが多い。しかし,保証能力という観点から見ると債務者自身と余り変わ らず,その効果には疑問がある。

第2に,信用保証協会や地方公共団体等による保証制度がある。これは,

債務者の資金調達等を支援するために行われる保証制度であり,政策的な目 的があるため,通常必要とされる担保や保証料も軽減されている。

第3に,銀行保証や保証会社がその営業として行う保証制度がある。必要 とされる担保や保証料は,保証者がその保証制度や保証案件毎に個別に決定 する。保険会社が保険業法98条の付随業務として行う保証は,この中に含ま れる。この保証は,通常支払承諾といわれ銀行業や保険業などの本業に対し ては付随業務とされるが,保証能力としては実効性がある。支払承諾額は,

国内銀行等で20兆4605億円,損害保険会社で125億円,生命保険会社で412億 円計20兆5017億円であった。この他にも多くの企業が保証会社を名乗り,中 には特別法により保証事業を行っている保証会社もあるが,根拠法令もなく,

保険業法上も問題のある保証会社の存在も認められる 。

5) 身元保証,賃貸借保証,金融保証を行う保証会社の存在は知られている。こ れらの保証会社の中には実質的に保証証券業務を営業しているが,保険業法そ の他の業法規制の 外で営業しているものもあると思われる。十分な資料を得 て検討する必要がある。

(7)

第4に,保険会社がその保険事業として行う保証証券業務がある。この保 証証券業務は,保険会社が保険的手法を利用して行う保証制度であり,最も 合理的な保証制度と思われる。国際的にも広汎に行われており,米国ではそ の種類も数百種類と多く保証金額も突出している。又,契約保証証券につい ては,1994年に国際商業会議所契約保証証券統一規則(ICC規則第524号)

として,国際的統一規則が制定されている 。この統一規則は,1998年国際 連合国際取引法委員会においてその利用が推奨され,世銀でもこの統一規則 に基づく契約保証証券が採用された。わが国においても,1976年以降公共工 事におけて一般競争入札制度を支えるため,この統一規則に基づく公共工事 用履行保証証券を採用している。なお,保険業法第3条第6項により保証証 券業務は損害保険の一種として位置付けられており,今後は保険制度に含め て議論することとしたい。

次に,保険制度には,第1に,中小企業金融公庫の行う中小企業信用保険 がある。この保険は,中小企業支援という政策目的のために,信用保証協会 の行う保証に係る保証事故の損害の70%から90%を塡補するものであり,一 種の再保証としての機能を果たしている。この保険金額残高は,2006年度末 で29兆5501億円に達している。この様な政策目的を持つ信用保険制度は,他 にも貿易保険がある。貿易保険においては,信用リスクのみならず非常リス クも担保してわが国の輸出者,輸入者,貿易金融の当事者を支援するが,累 積債務国への経済援助の一環としても利用されている。貿易保険の当事者に よると,貿易保険の引受保険金額は14兆円と推定されている。

第2は,保険会社がその保険事業として行う信用保険や保証保険がこれに 該当する。これらは,保険会社が保険的手法を駆使して合理的に行う保険制

6) 契約保証については,国際商業会議所で契約保証統一規則(ICC規則325号) 1978年,請求払保証統一規則(ICC規則第458号)1992年の2規則があるが両 規則の問題を修正する必要性をわが国委員から提案,保証部会,保険・銀行・

商慣習合同保証部会,保険委員会,理事会の検討を経て,1994年契約保証証券 統一規則(ICC規則第524号)として成立したものである。

(8)

度といえよう。この詳細については,後述することとする。

第3は,保険事故発生時の保険金を被保険者や保険の目的に係る債務者の 残存債務に充当することを目的とした団体信用生命保険,債権保全火災保険 等がある。この場合,保険金は,保険事故の被保険者である債務者ではなく,

債権者に直接支払われることになる。

更に,金融デリバティブ商品がある。資産担保証券等のデリバティブ商品 には,金融保証という保証制度が組み込まれているものもある。信用リスク を対象としたデリバティブ商品としてクレジット・ディフォルト・スワップ があり,特定の債務者の信用リスクを対象としたシングル・ネーム・クレジ ット・ディフォルト・スワップと複数の債務者の信用リスクを全体として交 換するポートフォリオ型クレジット・ディフォルト・スワップに分けられる。

いずれも格付機関の格付を基礎としてスプレッドを市場で決定して,これを 基礎に交換コストが定められる。

この報告では,これらの信用リスクを担保する複数の制度の中で,保険会 社がどのような役割を果たせるか,その役割を果たすためにはどの様なこと が必要かを論じて行きたい。

2.信用リスクを担保する保険制度

信用リスクを担保するため保険会社が行う制度としては,第1に,保険業 法第98条に規定される付随業務として保険会社が行う保証がある。これは,

銀行保証と同様,本業に付随して行う業務である。この支払承諾残高は,損 害保険会社で125億円,生命保険会社で412億円であり,合計でも537億円に 過ぎない。付随業務という受動的な性格から自ずと限界があるといえよう。

第2は,個人向けの住宅資金融資等において金融機関から付保を求められ る団体信用生命保険や債権保全住宅火災保険がある。この場合,保険金額は 債務残高に応じて変動する。保険事故が発生すると保険金は,直接金融機関 に支払われ借入残高に充当される。金融機関のみならず債権者によっては,

生命保険や住宅火災保険以外の保険契約についても,その債権保全のために

(9)

保険金請求権や返戻保険料請求権の上に質権を設定する場合があり,質権設 定される保険契約の割合も増加している。なお,団体信用生命保険保有保険 金額は169兆4987億円に達している。

第3は,直接信用リスクを担保する信用保険である。この信用保険は,債 権者が保険契約者になり,債務不履行や不法行為によって被保険者である債 権者が被った損害を担保するものであり,損害保険事業として行われている。

その主な保険種類は,次頁表2に示されているように多岐に亘っている。信 用保険の元受保険金額は27兆1956億円であった。

第4は,債権者の信用リスクを担保するために,被保険者を債権者として,

債務者に保険契約をさせるというわが国独特の保証保険制度である。その主 な保険種類は,次頁表3に示されている。保証保険の元受保険金額は2兆 6712億円であった 。

第5は,保険会社の損害保険事業として,保険業法第3条第6項に規定さ れた保証証券業務である。この保険証券業務は,民法・商法上の連帯保証で あるが,保険的手法によって運営され,諸外国において,損害保険会社や保 証専門会社で広く行われている保険制度である。その主な保証種類は,151 頁表4に示されているように多岐にわたっている。

7) 保証証券業務の保証金額は,この保証保険の元受保証金額の中に含まれてい る。

(10)

表2 信用保険

保険商品 保険 契約者

被保険

信用リス

クの類型 契約種類 債務者 主な担保内容 求償方法 個人ローン

信用保険 貸主 貸主 第1⑴ 類型

金銭消費

貸借契約 借主 元利金の支払債務の 不履行による損害

保険代位,

債権譲渡 住宅資金

貸付保険 貸主 貸主 第1⑴ 類型

金銭消費

貸借契約 借主 元利金の支払債務の 不履行による損害

保険代位,

債権譲渡 一般資金

貸付保険 貸主 貸主 第1⑴ 類型

金銭消費

貸借契約 借主 元利金の支払債務の 不履行による損害

保険代位,

債権譲渡

家賃

信用保険 貸主 貸主 第1⑵ 類型

住宅賃貸 契約 借主

家賃支払債務及び原 状復帰債務の不履行 による損害

保険代位,

債権譲渡

取引

信用保険 売主 売主 第2⑴

類型 売買契約 買主 売買代金の支払債務 の不履行による損害

保険代位,

債権譲渡 石油クレジ

ットカード 信用保険

売主 売主 第2⑴

類型 売買契約 買主 売買代金支払債務の 不履行による損害

保険代位,

債権譲渡

割賦販売

代金保険 売主 売主 第2⑴

類型 売買契約 買主 売買代金支払債務の 不履行による損害

保険代位,

債権譲渡 身元

信用保険 雇用者 雇用者 第4類型 雇用契約 被用者 不誠実行為による損

保険代位

履行 保証保険 入札 保証保険 特約店 保証保険 住宅ローン 保証保険

請負人 入札者 買主 借主

発注者 発注者 売主 貸主

第3⑴ 類型 第3⑴ 類型 第2⑴ 類型 第1⑴ 類型

建設工事 請負契約 入札 公告書 特約店 契約 金銭消費 貸借契約

請負人 入札者 買主 借主

契約の不履行による 損害

落札者が契約しない ことによる損害 代金支払債務の不履 行による損害 元利金支払債務の不 履行による損害

保険代位 保険代位 保険代位,

債権譲渡 保険代位 求償方法 主な担保内容

債務者 信用リス 契約種類

クの類型 被保険

保険 保険商品 契約者

表3 保証保険

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表4 保証証券業務

商品名 信用リス クの類型

保 証 委託者

債権者・

権利者

債務者・

義務者 保証債務の内容 求償方法

金融保証 第1⑴

類型 借主 貸主 借主 元利金の支払債務 保証委託契約 による求償 賃貸借

保証

第1⑵

類型 借主 貸主 借主 賃貸料支払債務・原状 復帰債務

保証委託契約 による求償

リース保証 第1⑶

類型 借主 貸主 借主 リース料支払債務・規 定損害金支払債務

保証委託契約 による求償

入札保証 第3⑴

類型 入札者 発注者 入札者 契約締結債務・保証提 出債務

保証委託契約 による求償

履行保証 第3⑴

類型 請負人 発注者 請負人 完成引渡債務・物品引 渡債務

保証委託契約 による求償 瑕疵担保

保証

第3⑴

類型 請負人 発注者 請負人 瑕疵担保債務・性能保 証債務

保証委託契約 による求償 賃金・下請

代金保証

第3⑴

類型 請負人 発注者 請負人 賃金・下請代金の支払 債務

保証委託契約 による求償 前払金

保証

第3⑴

類型 請負人 発注者 請負人 契約 不 履 行 の 場 合 の 前払金の返還債務

保証委託契約 による求償 買受申出

保証 第5類型 競売

入札者 裁判所 競売 入札者

落札 し た 場 合 の 買 取 り義務

保証委託契約 による求償 差押解除

保証 第5類型 差押解除

申請人 差押人 差押解除 申請人

差押対象債務・差押解 除金の支払義務

保証委託契約 による求償

上訴保証 第5類型 上訴原告 上訴被告 上訴原告 勝訴した被告への 損害賠償義務

保証委託契約 による求償 免許可

保証 第5類型 免許可 申請人

免許権者

・被害者

免発許可申 請人

免許 可 条 件 の 遵 守 義

保証委託契約 による求償

関税保証 第5類型 輸出入者 国 (税関) 輸出入者 通関手続義務・関税支 払義務

保証委託契約 による求償

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3.保険制度の役割

これらの保険制度の長所・短所は,当該保険種類ごとに異なっているが,

信用リスクを担保する保険制度についてその役割を纏めると次の通りとなる。

第1は,信用リスクの保険会社への転嫁である。信用リスクが現実となり,

債権者が信用事故によって損害を被っても,保険会社がこれを保険金として 塡補すれば,信用事故による損害の転嫁が可能になる。債権者は,信用事故 の発生による損害について保険会社から保険金支払い等を受けると,受領し た保険金の額だけその債権が回収できたことになる。しかしながら,これで 債務者の不履行債務が免除されるわけではない。保険会社は,保険金支払い 等によって保険会社の被った損害を債務者に対し当然求償することになる。

この求償の仕方は保険種類によって異なり,

①債権者の地位を保険会社が代位取得するという保険代位,

②被保険者の債権を保険会社に譲渡する債権譲渡,

③保証委託契約等に基づく求償債権の実行等がある。

保険制度が無ければ,債権者に損害が発生すると債権者の資金繰りが悪化 し,場合によっては連鎖倒産する可能性もある。この信用事故による損害を 塡補してくれる保険制度の存在は,債権者にとって極めて重要になる。

第2は,信用リスクを転嫁する保険制度を利用することによって,被保険 者の営業の適正な拡大が図られることである。営業は,商品を販売して,契 約どおり納品することだけで終わるわけではない。買主から販売代金を確実 に回収する必要がある。売主は代金引換で販売する場合を除き,事前に買主 に関する情報を入手し,予め販売の可否,販売の限度額を設定している。信 用リスクの適正な判断ができない場合は,慎重な売主は,みすみす営業拡大 の機会を失うし,逆に安易に売り上げを伸ばす売主は,不良債権を抱えるこ とになる。信用リスクを保険制度で転嫁できれば,営業の拡大が最小限のリ スクで確保できよう。

第3が,官民を問わず,その調達価格の低廉化は,健全な行政の確保や企

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業収益の確保のために不可欠な重要課題である。物品や建造物を廉価で調達 するため,競争入札制度の利用が図られる。しかし,これには瑕疵のない物 品や建造物の引渡しが受けられない危険がある。この債務者による債務不履 行の可能性を排除する方法が,入札保証,履行保証,瑕疵担保保証等の契約 保証であり,契約保証証券制度を利用して取得することができる。この制度 が適正に利用されれば,政府調達に関連した贈収賄や不正競争を排除し,不 適正な価格の上昇も防止できる。特にわが国は,国債,借入金,政府保証債 務だけでも886兆円を超える巨大な累積債務を抱えており,一刻も早く公正 な一般競争入札による調達の実現が望まれる。

第4が,信用事故の集積による企業収益の変動の排除・軽減である。特定 業界や全体的な経済の変動によって信用事故が集中すると企業収益に大幅な 変動が発生し,極端な場合には経営破綻を招く場合も少なくない。信用リス クを担保する保険制度によって企業収益の大幅な変動を回避し,その平準化 も可能である。信用リスクを担保する保険制度は,当然一定のコストが掛か るが,安定的な企業経営を実現するために不可欠な経費であろう。

4.保険会社の現状

わが国において保険業は,株式会社又は相互会社によって営業されており,

その企業としての体力は,総資産や純資産によっても測ることができる。損 害保険会社の総資産は37兆2747億円,純資産は9兆2308億円であった 。一 方,生命保険会社は,総資産220兆2170億円,純資産17兆4120億円 で あ っ た 。総資産は,負債性の準備金である保険契約準備金(損害保険会社は23 兆1490億円,生命保険会社188兆2538億円)を含んでいるので,保険会社の 体力は純資産で見るのがより妥当であろう。

損害保険会社の信用リスクの集積額は,貸付金2兆6275億円,支払承諾 125億円,債券・株式等の有価証券28兆1921億円,信用保険27兆1956億円,

8) 損害保険協会2006年度貸借対照表による。

9) 生命保険協会2006年度貸借対照表(38社)による。

(14)

保証保険2兆6712億円計60兆6989億円であった。これは,純資産に対して 658%となる。生命保険会社の場合は,団体信用生命保険169兆4987億円,貸 付金35兆772億円,支払承諾412億円,債券・株式等の有価証券162兆1972億 円計366兆8143億円であった。これは純資産に対して,2107%となる。

銀行の場合には,総資産は,761兆958億円,純資産は40兆348億円であっ た 。これに対して,信用リスクの集積額は,貸出金435兆8616億円,支払 承諾20兆4605億円,債券・株式等の有価証券199兆6185億円計655兆9406億円 であった。これは,純資産に対して1638%になる。

これらの指標から我国の保険業界は,銀行業界の67%の体力を持っている と推定できる。又,損害保険会社は,信用リスクに対して銀行業界,生命保 険業界の夫々40%,31%程度しか純資産を活用していないということになる。

ここで損害保険会社が提供している信用リスクを担保する保険種目につい ての現状の特徴を概観してみたい。近年損害保険会社が注力している信用保 険には,売買契約上の買主の債務を担保する取引信用保険がある。取引信用 保険では,一般に継続的な売買取引を前提として保険を提供している。又,

個別債務者である買主の信用リスクの転嫁と共に経済変動や環境変化に伴う 信用リスク集積の軽減を保険の機能として重視している。この取引信用保険 は,主として国内の債務者を対象としているが,海外の債務者を対象とする 取引信用保険もある。貿易保険では,信用リスクのみならずポリティカル・

リスクといわれる非常リスクまで担保しており,特定国にリスクが集中する 傾向がある。このため,2000年度までは国が,2001年度以降は独立行政法人 日本貿易保険が独占的に引受けていた。しかし,2004年5月から短期輸出保 険は民間の保険会社も引受を開始している。

身元信用保険は,米国等では保証証券業務として引受けられているが,わ が国では,被用者の不誠実行為(窃盗・強盗・詐欺・横領・背任等の不法行 為)を担保する信用保険として運営されている。身元信用保険が身元保証制

10) 全国銀行協会2006年度末(125行ベース)総合財務諸表による。

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度の代替制度として導入された経緯はあるが,個人信用リスクを担保してい るその内容からは保証よりむしろ信用保険が適当かもしれない 。

損害保険会社は,賃貸借契約上の借主の債務,売買契約上の売主の債務,

請負契約上の請負人の債務,法令上の義務者の義務等について,保証証券業 務によって,その信用リスクを担保している。現在,政府調達制度について は,WTO 政府調達に関する協定 により透明性,競争性,公平性の観点 から適正な競争入札制度が強く求められている。この競争入札制度を円滑に 遂行するためには,入札保証,履行保証,瑕疵担保保証等が不可欠であり,

損害保険会社の保証証券業務の役割が極めて大きい。

住宅ローン保証保険は,銀行等の金融機関の信用審査を経ている上に,貸 付金額の85%以上の土地・住宅等の抵当権の存在があるので,信用リスクは 極めて小さいと思われていた。しかし,現実には,債務者の返済計画の甘さ を看過した引受があったことやバブル崩壊後の不動産価格の大幅な下落によ り求償債権の回収が困難となったため,予定を超える損害率を記録した。

特約店保証保険は,継続的売買契約上の買主の債務を担保する保証保険で ある。従って,住宅ローン保証保険等と同様いわゆる金銭債務を担保する金 銭保証保険に類別されている。この種保険制度には,デリバティブ取引や債 券取引にかかる金融保証があり,この金融保証も種々の解決すべき問題があ るが徐々に広がってきている。

5.役割を果たすための要件

信用リスクを担保する保険制度で期待される役割を果たすためには,いく つかの要件がある。第1の要件は,信用リスクに対する審査能力を保有する 人材の確保である。個人信用リスクでは,債務者に係る信用情報も十分でな

11) 身元保証ニ関スル法律 により,保証期間は3年乃至5年に制限されてい るし,通知義務,解約権等があり,雇用者に必ずしも十分な内容ではない。む しろ,雇用者が保険契約者となり,保険料を負担しても適切な保険契約内容と する信用保険がより適合している。

(16)

く,個々の債務者ごとの信用リスクの差異は比較的大きくないので,一定の 基準で画一的に審査することも可能である。これに対し,企業信用リスクの では,債務者企業に関する情報も豊富にあり,個々の債務者の信用リスクの 差異も大きい。引受の可否判断,引受条件・料率の設定は信用審査を通じて 行われるが,適正な信用審査が安定した保険制度の提供には不可欠である。

このためには審査能力のある審査要員を審査案件に応じて確保しなければな らない。この審査要員は,その習得に5年程度を要する業務知識ばかりでな く,収集した事実に基づき冷静に決断できる決断力も備えなければならない。

又,審査要員は,利害関係者から種々の依頼や圧力に晒されることとなるた め,自己の利害得失に左右されない高潔な精神を持つことが求められる。

第2の要件は,信用リスクに関する各種保険制度の引受において,元受及 び再保険事務処理の効率化,債務者信用情報の蓄積,保険事故処理の円滑化 のためには,電算化が不可欠である。特に,債務者が企業の場合は債務者ご との引受金額が集積し高額化する場合があり,統一的な与信情報の蓄積が重 要となる。又,信用リスクに関しては,保険会社は保険引受のみならず,貸 付・支払承諾・有価証券投資・デリバティブ引受等の横断的な集積も当然考 えねばならない。横断的な協力体制による効率的な電算化を実現するため関 係者の努力を期待したい。

第3の要件は,信用リスクに特化した事故処理体制・債権回収体制の整備 である。信用リスクの事故処理には保険金の支払ばかりでなく,債務の代替 履行もある。又,保険金支払いや代替履行のみならず,債務者に対する回収 業務の巧拙が安定的な保険制度の維持の可否を制することになる。この事故 処理には,迅速性が要求されるばかりでなく,法律的な手続きも付随するた め,弁護士,司法書士等社内外に専門家を予め配置しておく必要がある。

6.要件を充足させる為に求められるもの

上記の要件は,信用リスクを担保する保険会社にとっては,当然の要件で ある。しかしながら,この要件を保険会社はその需要に対応して充足してい

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るとはいえない。その原因は,個々の保険会社によって異なる。しかし,大 切なことは,信用リスクを担保する保険制度の重要性を個々の保険会社が認 識することである。この観点から,少し論を進めてみたい。

現在,信用リスクに対する対応策,特に信用リスク転嫁の必要性はある程 度認識されているが,保険制度によりこの転嫁が実現されているとはいえな い。これは,信用リスクをその本業として担保しようとする保険会社の覚悟 が十分でないためではないだろうか。その原因として,信用リスクを転嫁し ようとする債権者自身の意識及び行動が保険会社に躊躇させる原因を生じさ せていると思われる。

その第1は,信用リスクの転嫁が可能であれば,債権者の信用審査が不要 となると考える点にある。日常的に債務者と接触して,その債務者について の情報を持つ債権者が,信用審査を全面的に放棄して営業拡大のみを図れば,

その結果は明らかである。保険事故が増大して損害率が悪化し,これが改善 されなければ,債権者にとって許容可能な適正な保険料での引受が困難にな る。特に,一定の信用審査基準の充足を保険引受の条件としているものの信 用審査の太宗を債権者自身に依存している信用保険においては,この傾向が 顕著である。

第2は,日常取引を通じて債務者に関する信用情報を持つ債権者が,その 債権について良質の担保を保持している案件を含め信用リスクの低い案件を 保険付保対象から除外し,信用リスクが高いと判断した案件のみを保険会社 に付保するといういわゆる逆選択を行う危険性である。債権者が保険会社か ら保険料より保険金を多く回収できることを保険の効用として求める場合に は,この傾向が顕著になる。本来,信用を供与すべきでない債務者に対して,

保険制度の存在を前提として信用を供与すれば,その結果が安定的な保険制 度の維持を困難にするのは自明であろう。勿論,保険会社の信用審査要員が 充足しており,債権者が保険会社に対して他保険の付保を材料に信用リスク の高い案件について引受を強要しないという前提があれば,ある程度はこの 逆選択に対しても対応可能であろう。しかし,この場合にも信用審査能力に

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無用の負担をかける結果になるのは自明であり,これは保険制度のコストに 跳ね返ってくる。

一方,保険会社は,信用リスクを担保する保険制度の整備が保険会社に求 められている社会的責任であることをもっと認識すべきであろう。現実に巨 額の信用リスクを担保している金融機関は,間接金融をその主要業務とする 以上信用リスクを全面的に回避することは困難である。このため格付機関の 格付を利用する等して信用リスクの審査能力の向上に努力している。しかし,

総資産はともかく,その純資産の18倍を超える負債を抱えている銀行が,純 資産の16倍以上の信用リスクを既に負担している現実は厳しいものがある。

この信用リスクの実質的な増加を抑え,これを軽減することは,金融機関の 重要な課題でもある。

中小企業信用保険・貿易保険等に代表される国家予算による信用リスクの 担保も,現在実に45兆円に達しており,これも国家の年間税収50兆円程度か ら見て,安易な拡大を期待することは勿論できない。早期に代替制度を拡大 していくべきであろう。

保険会社,特に損害保険会社が,信用リスクを担保する保険制度の拡大に もっと真剣に取り組みその社会的責任を果たすことを期待したい。

おわりに

わが国の保険制度で付保対象となりうる信用リスクは,1262兆円に達して いるが,このうち民間保険制度を利用して担保されている信用リスクは30兆 円とその2.4%に過ぎない。保険業界がその負託に応えて使用リスクを担保 する保険制度を充実していくことが望まれる。

しかしながら,現時点では信用リスクを担保する保険に対する需要に対応 できる審査要員を配置した審査体制が損害保険会社にあるとは言えない。引 受事務,集積管理のシステムも改善が必要である。事故処理や回収体制も専 門要員の養成や外部機関との連携に改善の余地がある。この前提で保険会社 が信用リスクに関する保険制度を提供することを考えた場合,その提供保険

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商品に優先順位を付けざるをえないであろう。この優先順位付けは,保険会 社の事情によって異なると思われるが,一般論として考えてみると次の通り となろう。

先ず,銀行等の金融機関の信用リスクを担保する保険は,可能な限り劣後 せざるを得ない。幸い金融機関はその与信に係る信用リスクは,自ら引受け るべきものという意識が強く体制整備に注力しており,時間的切迫度は必ず しも高くはない。勿論,金融機関は,可能な限り信用リスクを排除する手段 を講じながらその資金運用を図るべきであり,保険会社の保険制度がこの手 段として一定の機能を果たすことが期待されるが,その役割を果たすための 要件を相当程度備えるまでは,慎重に対応すべきであろう。

第2に,保証証券業務は,個別の審査を前提としており,信用保険に比べ て強力な信用審査を必要とする。従って,この分野は,公共工事に係る入札 保証,履行保証,前払金保証等に限定して引き受けることで信用審査の負担 軽減を図りたい。この政府調達分野の中でも公共工事については,建設業保 証会社の前払保証の契約保証特約や金融機関の支払承諾等の代替制度も存在 しており,この政府調達分野での浸透程度が損害保険会社の保証証券業務の 将来を左右することになると思われる。談合や贈収賄を排除し,公正かつ低 廉な調達価格での政府調達を確保するという社会的意義も高いこの分野での 損害保険会社の一層の努力を期待したい。

第3に,損害保険会社がその実力に応じて今後着実に拡大していくべき分 野は,継続的な売買契約上の買主の信用リスクを担保する取引信用保険の分 野である。この分野は,売主の信用審査を前提としつつ,高額の取引限度額 の買主や信用度の劣後する買主について保険会社が自ら信用審査を行うこと によって信用保険の提供が可能となる。又,利用者としては,適正な信用審 査を確保しつつ営業拡大が図られるとともに,比較的許容可能なコストで信 用リスクの転嫁ができるからである。短期輸出保険の引受も,提携外国機関 との提携を含め,信用審査や回収体制の整備が整った国から拡大していくこ とが望まれる。

(20)

保険業界は,今後も既存商品だけでは大きな進展は期待できない。又,業 務提携による効率化や事業費の節減を考慮した合併等による事業利益の確保 にも限界があるであろう。常に新しいニーズに対応して新商品を開発してい く必要がある。この意味からも,巨大な需要が存在する信用リスクを担保す る保険制度の発展に保険会社が真剣に取り組むことを期待して,この報告を 終わることとしたい。

(筆者はオフィス草苅代表)

参考 献

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第1巻−担保制度一般・担保権 筑摩書房

3,草苅耕造訳(1994)

ICC契約保証証券統一規則 国際商業会議所日本国内委

員会

4,公共工事履行保証研究会編建設省建設経済局建設業課監修(1995) 公共工事 に関する新たな履行保証体系 ぎょうせい

5,草苅耕造訳(1997)

ICC契約保証証券統一規則の解説と標準様式 国際商業

会議所日本国内委員会

6,草苅耕造(1998) 信用リスクと損害保険 保険学雑誌第560号 日本保険学会 7,椿寿夫編(2000) 法人保証の現状と課題 商事法務研究会

8,草苅耕造(2000) 公共工事における新履行保証制度の役割 関東学園大学 法学紀要第10巻第2号(通巻第21号) 関東学園大学法学部

9,草苅耕造(2001) 公共工事契約と新履行保証制度−考え方と実際 日本評論社 10,草苅耕造(2001) 公共工事入札・契約制度の論点整理 地方財務第565号

ぎょうせい

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12,草苅耕造(2007) 公共工事調達制度改革とボンド保険 関東学園大学法学 紀要第16巻第2号通巻30号 関東学園大学

13,草苅耕造(2007) 公共工事とボンド制度 保険学雑誌第598号 日本保険学会

参照

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