遠隔ポインティング操作における入力デバイスの操 作特性 : ターゲット追跡におけるジャイロマウス と通常のマウスとの比較
著者 加藤 麻樹, 下平 佳江, 前田 亜紀子
雑誌名 長野県短期大学紀要
巻 63
ページ 39‑44
発行年 2008‑12
URL http://id.nii.ac.jp/1118/00000153/
長野県短期大学紀要 第
6 3
号2 0 0 8
年1 2
月 長野県短期大学J o u r n a lo fNa g a n oP r e f e c t u r a lCo l l e g e , No . 6 3 , De c e mb e r2 0 0 8
〒3 8 0 ‑ 8 5 2 5
長野市三輪8 ‑ 4 9 ‑ 7
遠 隔 ポ イ ン テ ィ ン グ 操 作 に お け る 入 力 デ バ イ ス の 操 作 特 性
― タ ー ゲ ッ ト 追 跡 に お け る ジ ャ イ ロ マ ウ ス と 通 常 の マ ウ ス と の 比 較 ― Characteristics of lnput Devices for Remote Pointing Manipulation
‑ C o m p a r i s o n o f t a r g e t C h a s i n g
m o v e m e n t b y g y r o m o u s e a n d o r d i n a r y m o u s e
‑
加藤麻樹 Macky KATO 下平佳江 Yoshie SHIMODAIRA 前田亜紀子 Akiko MAEDA
Abs t r ac t :Po i nt i ngt as ki soneoft hemo s tf r e que nto nei nVDTj o b.Manyc o mput e r shav e no tonl ymo us ede v i c e ,butal s ot ouc hpa d,t r ac kb a
ll ,i nf r a r e dr ays ,andgyr os e ns or s .I t i snote a s yf ort heus e r st oma ni pul a t eus ua lmo us ef r o m r e mo t epo s i t i onwi t ho utanyt a‑
bl e sorde s kst of i xt hede v i c e .Thust he yus er e mot ec ont r o l l e rwhi c hhass o mes e ns or s f r o m di s t antpl a c e .I nt hi ss t udy,Wei nv e s t i ga t e dt hedi f f e r e nc eo fpe r f or manc eamong us ua lmo us e ,t ouc hp a d,a ndgyr os e ns o rde v i c e.Ast her e s ul t ,i twa sc l e a r e dt ha tFi t t ‑ s Law c a n beappl i e dt ot her e mot epo i nt i ngt as k.Es pe c i a l l y,i nf l ue nc eoft hes i z eoft a r ge t f o rt her e mo t ec o nt r o li sl ar ge rt hant heus ua lmo us e .Ther a t i oofdi s t a nc ea nds i z eo f t a r ge ts houl dbeappr o xi mat e l y 8 . 6t oe nc l o s et hegyr ode v i c epe r f o r ma nc et ot heus ual mo us e .
Ke ywor ds :Mo us e ,Gyr o,Poi nt i ngTa s k,Fi t t ■ sLa w,GUI
1. は じめ に
現在流通す るコンビェ一夕のほとんどは, ポイ ン テ ィングデバ イスを用 い ることで機能 を選択す る
GUI ( Gr a phi c a lUs e rl nt e r f a c e )
を用 いてい る. 特 にマウスによる操作が一般的であ り,その他 には, トラックボールやタッチパ ッ ドなどの固定 されたデ バイスによる操作をあげることがで きる.通常の コ ンピュータ操作 は机上 にディスプ レイ,キーボー ド, マウス等のデバイスを置 き,眼前で作業をす るため, オフィスワークの代表的な作業 とな っている.従 っ て操作器であるポイ ンテ ィングデバイス と表示器で あるディスプ レイとの間の距離 は,机上の限 られた 範囲に収まるため,比較的近 い. これに対 してテ レ ビをモニターとす るゲームやオーデ ィオなどの操作 では, テ レビか ら離れて コン トローラ等 を操作す ることが多 く,デ ィスプ レイと操作器 との間に,ある 程度の距離 をお くことが多 い. これ と同様 に,プ ロ ジェクタや液晶大画面等 を用 いた場合 は,画面の側 方や室内の遠方 などの離れた場所か らの操作が必要
となる.
ゲームやプ レゼ ンテーションにおける遠隔操作 に おいてポイ ンテ ィング操作をす るとき, デバイスを 机上 に設置することがで きないため,デバイスは空
中で操作 しなければな らない ことがある.例 えば任 天堂
Wi i
やSONY
プ レイステー ション3
などの無 線 コントローラや,プ レゼ ンテーションにおけるレー ザポイ ンタやマウスエ ミュ レー ションなどが これに あたる.机上での操作 と空中での操作の違 いは, デバイス の静止状態 において顕著 に現れる.例えば画面上 の マウスカーソル (以下 カーソル)を静止 させ るには, マウスの場合 は手を離せばよい. しか し同様 に空中 でデバイスを静止 させ ることは,上肢 の動 きを静止 させることであ り,極 めて困難な動作であ る.特 に 上記のよ うなプロジェクタや液晶大画面 の表示 に対 す る操作 は
,C / D
比 が小 さ くなるため, 画面上で カーソルを目標 とす る位置 に移動 させ,固定す るこ とはなお困難である.そこで,従来のマウスによる ポイ ンティング操作 と比較 して,遠隔 によるポイ ン テ ィング操作を している際のデバイスの挙動特性が 定量的に示 されることが望 まれ る.すなわち, この 挙動特性を,デバイスそのもの又 は画面上のイ ンター フェイスの改善を図 るための指標 とす ることが,逮 隔か らのポイ ンテ ィング操作の円滑化 につ なが ると 考える.ポイ ンティング操作 にお けるターゲ ッ トの大 きさ と距離 との関連性 について は, リーチ動作 にお ける
Char ac t e r i s t i c sofl nputDe v i c e sf o rRe mo t ePo i nt i ngMa ni pul a t i o n
一般的な法則 として,式
1
に示 したFi t t s
の法則が 適用 されることが多い.・ D ‑al og2
晋 (D :距 離, S
‥大 き さ)・・・式1 . Fi t t s
の法則 はターゲ ッ トに対す る リーチ動作 に 要する動作時間が,距離の長 さに対 して比例関係に あるとともに, ターゲ ッ トの大 きさに対 しては反比 例の関係にあることを示 している.すなわちターゲッ トが大 きくなると動作時間は短 くな り,小 さくなる と動作時間は長 くなる傾向にあるとされる. これを ポインティングデバイスの操作におきかえると,カー ソルの移動を リーチ動作の手の移動 としてとらえる ことができる. このときの移動距離 は直線距離で示 されるが, リーチ動作は必ず しも直線的に発生する ものではな く, この点 はマウスカーソル操作におい て も同 じである. このことを踏 まえ,Fi t t s
の法則 の適合性について過去い くつかの研究が行われてお り,機器の条件 ごとにモデル式 に対する検討がなさ れ,適合度の高 いモデルが提案 されている1 ・ 2 )
. ま た操作性向上を目的 とした研究 として, ソフ トウェ アによる画面上のカーソルの吸引や,画面表示の変 更などを行 うことで,ユーザの操作性を評価する研 究が行われて きた3
,4).困難 といわれる高齢者 の操 作 については,困難を感 じる要因 として画面設計 と 前腕の動作の関連性 について とりあげ,若年者 と比 較 した実験 などがある5)
. しか し,その対象の多 くはカーソルの
Ⅹ, Y
軸上での挙動に着 目している.マウスの挙動 における回転要素を対象 とした研究 としては,三次元空間でカーソル制御を行 うために, 球体の匡体を用 いて回転 を抽出する機能を もったデ バイスの開発が行われており,三次元操作での有効 性が示 されている
6 ・ 7 )
. また二次元座標上でのマウス操作時の ヨー角の変化 を測定 し,マウスの移動 に おける回転角度 について分析が行われている.その 結果,左右へのマウスの移動の際,必ず回転運動が 発生 していることがわか った8・9).特 に熟練 した作 業者 は回転角度が一定であるのに対 して,高齢者等 の十分な習熟が出来ていない作業者の場合 は,不規
則性が顕著であった.
一般的な リーチ動作 とは異な り,操作対象である マウス自体 は机上 に接触 していることか ら水平移動 ではあるが,始点か ら終点 までの間の移動がマウス の直線移動のみで構成 されているとはいえない.実 際にはマウスには回転運動が加わってお り,マウス カーソルの挙動 に対 して影響を与えている. この回 転 は作業者が意識的に行 っているわけではな く,マ ウスカーソルを移動させる際に自然に発生 しており, 個人差が大 きい. この点を踏まえ,本研究ではこの マウスの回転 に着 HL,操作において自然 に発生す る回転運動をデバイスの操作に反映させる方法につ いて検討す る.
2.
日 的以上の点を踏 まえ,本研究では,使用機会が増え ている遠隔操作におけるポイ ンティングデバイスの 一つ として,比較的評価が高いとされているジャイ ロを備えた,空間上でのカーソル操作ができるデバ イスを作成 し,その操作特性を計測する.空中での カーソルの制御がEB難であることか ら,回転によっ て特定の箇所 にカーソルを移動 させる課題をとりあ げ,マウスとタッチパ ッドとを比較対象として,ジャ イロを内蔵 した空中デバイスの操作特性を定量的に 評価 し,非接触の遠隔デバイスを開発するための指 針を構築す ることを目的とする.
3.
方 法本研究では遠隔操作を行 うポインティングデバイ スとして, ジャイロを内部 に備えた空中での操作を 可能 とす るデバイス (以下 ジャイロマウス)を用い る.また,通常のマウスとタッチパ ッドを用いて同 じ実験を行い,動作特性を明 らかにするための比較 対象 とする. ジャイロマウスの内部 にはジャイロセ ンサー
A3 U9 S( NEC‑ TOKI N)
を備え,Z
軸方向 とⅩ
軸方向の回転角度を検 出する.画面上のカーソルは, 図1
に示すよ うにZ
軸を中心 とす る回転 を横座標 方向の移動 に対応 させ,Ⅹ軸 を中心 とす る回転を 縦座標方向への移動 に対応 させ る.遠隔ポイ ンティング操作 における 入力 デバイスの操作特性
X
図1空中マウスの回転 とカーソルの挙動
Fi g. 1Rot a t i onofGyr oMous eand
Moveme n tofPoi n t i ngCur s or
図
2
に,実験 に用いる画面を示す.被験者には, この画面上 にランダムに表示 されるターゲ ットに対 してカーソルを移動させる課題を課す. このとき過 去の知見 にならい,画面のサイズと視距離 との比率 は1 : 3
とする.スクリーン上に実際に投影されたウィ ンドウの大 きさは1 m
四方の正方形であ り,被験者 はスクリー ンか ら3 m
離れた位置か ら操作を行 う.ターゲ ッ トの大 きさは
,5 pt
か ら5 5 pt
まで5 pt
ず つ1 0
段階に変化す ることと し, 1
つのサイズにつ き2 0
試行の課題 を行 う. なお, ポイ ンティングに かかる挙動のみを抽出す るため, ターゲ ッ トに対す るク リック動作 は しない.カーソルが ターゲ ッ トと 重なったところで,次の表示を行 い,カーソルを再 度合わせるように指示する.試行 ごとに, ターゲ ット表示時点のカーソルの位置か ら, ターゲ ットまで の直線距離 と,カーソルが ターゲ ットに到達するま でに要 した時間を計測す る.プログラムの作成には
図
2
刺激提示画面Fi g. 2Expe r i me ntWi ndow
Mi c r os of tVi s ualSt udi o. ne t2 0 0 5
を用いる.被験者 は矯正視力を含む正常視力を もった大学生
6
名 (平均年齢2 0
歳) で, いずれ も2
年程度の コ ンピュータ使用歴を もつ.試行前 にジャイロマウス を用いた練習を行い,習熟させた上で課題を与える.ターゲ ット間の移動 に要 した時間 と, ターゲ ッ ト の大 きさ,距離についてそれぞれ変化の影響 につい て検討す る. また
GUI
に関す る過去 の知見1 0 )
に おいて も困難皮指標 と して用 い られているFi t t s
の 法則 に基づ く関係式 と,計測結果を比較 し,その整 合性 について検討す る.4.
結 果図3にターゲ ットの大 きさと追跡時間の平均値 と の問の関係を示す.いずれのデバイスを用いて もター ゲ ッ トの大 きさが大 きくなるに従 って,追跡 に必要 な時間は短 くなる傾向を示 した. この ときの短縮傾 向は,大 きさが小 さいときは急激であるが,大 きく なると緩やかになる. またデバイス別では,通常 の マウスを使 ったときの追跡時間が最 も短 く, タッチ パ ッドとジャイロマウスは近い値を示 した.特にター ゲ ッ トサイズが大 きいときには差がほとんどな く, 移動についてあまり困難が生 じていないことが分か っ た. しか し,小さいときはジャイロマウスよりもタッ チパ ッドのほうが時間が短か ったため,精密な操作 において ジャイロマウスの操作性 はあまり高 くない ことがわか った.
600 400 200 000 800 600 400 200 0 mseC LI L,l ,l i.i
2 3 4 5 6 7 8 9 1 0
図3
ターゲ ッ トサイズと追跡時間との関連性Fi g. 3Rel a t i ons hi pbe t we en
Thet ar ge ts i z eandRe s pons eTi me
Ch a r a c t e r i s t i c so fI n p u tDe v i c e sf o rRe mo t ePo i n t i n gMa n i p u l a t i o n
図4にターゲ ッ トの条件 と追跡時間 との関連性を示す.縦軸 は追跡時間を示 し,横軸 はターゲ ッ トの 大 きさと距離 との関係を示す
Fi t t s
の法則 により得られた困難度尺度 を示す.
3 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 O 5 ▲U LL3 2 クー .1 1
‑ 理 Z aT A o 追跡時榊
0‑‑‑ ‑ ‑・‑
m s e cO 51 0 g 2 ( 2 D / S ) 1 0 A. mo u s o
3
00 0
2 5 0 0 2 0 0 0 1 5 0 0 1 0 0 0 5 0 0
0
r n s e cO 5l o g 2 ( 2 D / S ) 1 0 B. t o u c hp a d
‑ 理論値 8 00 0 追跡時間 。0 . 4 1 5 0 0 08
く 敬 1 0 0 0,
5 0 0㍗
ms e cO 51 0 g 2 ( 2 D / S ) 1 0 C. g y r od o v i ¢ ○
図
4
ターゲ ッ ト条件 と追跡時間 との関連性Fi g
.4Re l a t i ons hi pbe t wee nt het ar ge t
c ondi t i onandRe s pons eTi me
いずれ もやや高 い相関を示 しなが ら困難度尺度が 高 くなるに従 い,追跡 に要す る時間 も長 くなること がわか った. ただ通常のマウスとタッチパ ッ ドにつ いては測定 した値 の分布 は近似 しているように見え るが, ジャイロマウスの場合は追跡 に要す る時間 に 分散傾向が示 されたことがわか る.特 に困難度が高 くなるに従い,測定値 に幅が生 じる傾向を示 してい
ることがわか る.
また,困難度 が高 くな った ときの追跡 に要 す る時 間の上昇傾向について,困難度 と追跡時間との間で 回帰分析 を行 った.表
1
に回帰分析 によ り得 られた デバイスごとの相関係数 と直線の傾 きを示す.表1 デバイスごとの回帰係数
Tb
l.1Re gr e s s i onc oe f f ' l C i en tofdi f f ' I Cul t yand poi n t i ngt i mef ore ac hde v i ce
Cor r e l at i on Re gr e s s i o n c oe f f i c i e nt c oe f f i c i e nt
Mo us e 0 . 6 2 1 4 4 . 1 <0 . 01 Pad 0 . 6 1 1 6 5 . 8
く0 . 0 1 Gyr o 0 . 5 8 2 1 1 . 1
く0 . 0 1 3
つのデバイスのいずれ も高い相関を示 してお り,Fi t t s
の法則 の適合性が高 い ことがわか る. ただ相 関係数 には大 きな差がないことか ら,分散 している 測定値は,追跡に要する時間の遅延ではな く,エラー として遅延 した結果現れた、ものであることが示 され た. また回帰式 の傾 きにつ いて は,マウスとタッチ パ ッ ドの間では近 い値が示 されたが, ジャイ ロマウ スの傾 きは,他の2
つのデバイスと比較 して大 きい 値を示 した.5.
考 察図
3
に示 したターゲ ッ トの大 きさと追跡時間 との 関係 において,通常のマウスを用 いた際の値が低 く な っているのは,被験者の普段の使用による習熟が 最 も大 きな要因であると考え られ る.すなわち,莱 験前 に ジャイロマウスの操作 について,操作方法を 習熟す る程度 には事前練習を しているが,他 のデバ イスに対す る習熟度 に達す るはどの習熟 には至 って いないということがで きる.特 にターゲ ットの大 き さが最 も小 さいときの追跡時間の差 は, 日常的な使 用頻度の高 さがそのまま値 として現れたと思われる.しか し, ターゲ ッ トの大 きさが大 きくなるとタッチ パ ッ ドとジャイロマウスとの問ではほとんど差異が な くなるため,作業 についてある程度の簡易 さがあ れば, ジャイロマウスの操作が有効であると考え ら れ る.
遠隔ポインティング操作における 入力デバイスの操作特性 図
4
で は, ターゲ ッ トの大 きさと距離 との比率を用 いた困難度指標 と追跡時間の関係 か ら,図
3
で示 した結果が回帰式 の傾 きの差が大 きい ものになった 理由の一つ とな ってい ると考え られ る.すなわち, ターゲ ッ トが小 さ くなることで困難度が高 くなると, その影響 は ジャイ ロマ ウスの場合, よ り顕著 に現れ るとい うことがで きる. これ は, ジャイ ロマ ウスに 生 じる回転角度 が,手首及 び上腕 の稼動範囲 に対 し て小 さいために,C/D比 を小 さ くして いる と考 えられ る
1 1 )
.通常 のマ ウスデバ イスに対 す る回転動 作 は日常 的 に観察 され るが,初心者 の操作 における 不 自然 な手首 の回転で は,前腕 の挙動 と手首 の挙動 とのバ ラ ンスが悪 い ことか ら適度 な操作量が得 に く い 9). 今 回用 いた ジャイ ロマ ウス は, 自然 に発生 す る回転 で はな く,任意 に回転 を生 じさせて いるこ とか ら,C/D比 につ いて は, マ ウスデバ イ スよ り も多少大 きいことが望 ま しいと考 え られ る.ただ 日常 的に用 いるマウスの操作感覚 を遠 隔か ら の ジャイ ロマウス操作へ と応用す るに当た っては, その困難度 と追跡 に要す る時間 との関係が近似 して いることが望 ま しい と思われ る.
そ こで, ジャイ ロマ ウス と他 の
2
つのデバ イスと の間で,直線の交点 を求 めた結果,困難度 を示す横 軸 の値 は, タッチパ ッ ドの場合 は約3 .
1, マ ウスの 場合 は約5. 1
とな った. この両者 の中点 は4. 1
であ り, この ときのD/ S
比 は8 . 6
となる.D/ S
比 を8 . 6
程度にす るためには,画面設計において,遠 くのター ゲ ッ トは大 きく,近 くのターゲ ッ トは小 さ くす ると い う方式 を とる ことにな る1 1 )
. しか しなが らイ ン ターフェイスと しての外観 としては,従来の画面設 計 とは全 く異 な った ものとなるため,追跡時間を指 標 としたパ フォーマ ンスを向上 させ ることを 目的 と す る場合 に限 られ ると考え られ る.アプ リケー シ ョンの機能 が拡大傾 向にある昨今 の ソフ トウェア開発 において は,画面設計上 の制約が 増すため,提案 の実現 には困難 を伴 う. そ こで,操 作性の観点か らも,機能 を減縮 させ る方 向性 を もっ た開発方針 を とり,必要最小限の機能 に絞 り込む こ とで,柔軟かつ操作性 の高 いイ ンターフェイスを構 築す ることがで きると思 われ る. そのためには,今 後のアプ リケー ション開発 における機能 の必要性 の
評価が必要 である.
6.
まとめ本研究で は,遠隔か らの操作 におけるジャイ ロマ ウスの有効性 につ いて検討 した.画面設計 にお いて あ る程度の大 きさを有す るターゲ ッ トが用意 されて いれば,その操作性 はタ ッチパ ッ ドの もの に至 るこ とがわか った.従 って,遠隔操作 に用 い られ るデバ イスの設計 において, ターゲ ッ トの大 きさと, カー ソル との距離 を考慮 に入 れた画面設計 の有効性が示 された.
謝 辞
本研究 は平成
1 9
年度科研費 (萌芽) の助成 によ る。 また実験 にあた り、長野県短期大学 の東舞子氏、小川原芳奈氏、刈間美佳子氏 の協力を得 た。記 して 謝す る。
参 考 文 献
1)村田厚生,マウスのパフォーマンスモデルについて,電 子情報通信学会論文誌
,J7 9 ‑ A( 9 ) ,1 6 4 5 ‑ 1 6 4 8 ,1 9 9 6
2)駒崎雅信,出揮正徳,タッチモニタにおけるヒトのポインティング特性に対する加齢と性別の影響,日本機械学 会福祉工学シンポジウム
2 0 0 4
講演集,1 41 ‑ 1 4 4, 2 0 0 4 3)
松本敏幸,山田耕一,高齢者のためのポインティング操作支援システム, ヒューマンインタフェース学会論文誌,
6 ( 3 ) , 31 3 ‑ 3 2 0,2 0 0 4
4 )
山西潤一,池田俊秀,中林智美,ポインティング時間を 指標とした高齢者のマウス操作特性,日本教育工学会第2 0
回全国大会講演集,5 0 7 ‑ 5 0 8 ,2 0 0 4
5 )J.Sa ndf e l d
,B.R.Je ns e n. :Ef f e c t o f c o mput e r mo us ega i n and v i s ua lde ma nd on mo us ec l i c ki ng pe r f or manc ea ndmus c l eac t i v at i oni n ayoung a nd e l d e r l ygr oupofe xpe r i e nc e dc o mput e rus e r s ,Appl i e d Er gono mi c s ,3 6 ,5 4 7 ‑ 5 5 5 ,2 0 0 5
6)高橋友一,葛谷幹夫,回転操作を用いた3次元回転入力 インタフェース,情報科学 リサーチジャーナル