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f
指導の研究班から依頼を受けて調査に協力し︑担当した心理学的検査所見を中心にまとめたものである︒ 本研究は臨床精神薬理研究会において︑企画された各種向精神剤の効果に関する綜合的研究のグループの一つである金大島菌教授
最近︑精神医学の領域では精神病の薬物療法は急速に発展し︑その治療効果についても︑多くの臨床的研究が発表
されているが︑その薬物そのものの客観的効果を見きわめるには︑効果の評価や測定の方法が非常に重要な鍵になる
が︑今までの研究ではその点で必ずしも明確とはいえない︒ 精神分裂病患者に対する
クロル・フロマジンの効果
目
的 l心理学的検査所見を中心としてI
松 多 田 鈴
本 田 中 木
清 治 富 達
士
子 夫 夫 也
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一般に精神状態に作用する薬物の効果を評価する場合は︑患者の選択︑用量︑継続期間等の要因がどの程度実験計
画においてよく統制されているかどうかによって著しく影響をうけるが︑そのほかに治療経過︑判定の方法如何によ
って左右され︑殊に医師の印象による主観的評価は個人差もあって︑薬物効果の評価をあいまいにするものである︒
実験計画において二重盲検法を採用するとか可能な限りの変動要因を統制するとか︑症状や行動の評定尺度を工夫
するのは︑いづれも薬物投与実験に伴う附随的影響を極力排し︑また出来るだけ客観的に薬物の効果を決定づけるた
めの試みであり︑この種の研究において精神的状態の改善効果の客観的測定のために心理学的検査や実験を利用する
われわれは本研究において︑精神分裂病患者にクロルプロマジンを投与した場合の薬物の一般的効果を心理学的検
査により評価すると共に︑病院側の症状並に行動評定とに関係づけて検査による測定の臨床的判定に対する意義を検
討し︑更に改善度効果を測定するのに好適な指標について吟味しようと思う︒ めの試みであり︑この種︵ 意義もそこにあると思う︒
を用い︑ロ
て見よう︒ クロルプロマジンの精神的活動に対する効果についての心理学的研究は︑一方ではハトやラットなどの動物を使用 して行なわれた識別実験︑条件回避反応︑実験神経症︑条件情動反応などの実験的研究と︑他方ヒトについては主と
︵調︶
して精神的疾患者に対する治療過程における薬物効果の研究がある︒
ここでは︑われわれの主題に直接関係のある研究lすなわち対象は精神分裂病患者で︑薬物はクロルプロマジン
を用い︑且︑心理学的検査や実験によって効果の測定あるいは評価をした研究lを中心にして従来の研究を概観し
尚クロルプロマジンの治療効果に関する臨床医学的研究は非常に沢山あり︑その中には心理学的検査を用いたも 従来の研究
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の︑あるいは心理学的考察に有用なものもあるが︑今回はその方面の文献については調べることが出来なかったので ︲︵調︶ その方の業績については︑ウィクラーの解説によって知る程度にとどめた︒
概観するに当って︑便宜上検査或は実験の種類によって知的行動︑知覚と認知︑知覚運動的行動︑人格或は適応性
という区分をして述べることとし︑また以下に説明する文献では特にことわらない限り︑被験者はすべて精神分裂病
患者を扱ったものであり︑投与薬物もすべてクロルプロマジンであり︑他の薬物と比較した実験の場合もクロルプロ
マジン︵以下CPとする︶の結果だけを主として説明する︒
︵︶.
まず︑知的行動に関係したものについて見ると︑勺日訂扁︵ご雪巴は知能テストの一種である彼の迷路テストを
CP投与前後に施行し︑偽薬群と比較した結果︑実薬群では社会的関係の改善は見られるが︑臨床評価による迷路テ
︵泥︶
ストの成績は低下するといい︑更に毛○三の5四国・嗣胃g四国︵壼雪gの追加研究では︑練習効果の影響を取除くよ
うテストシリーズを改訂して行なったが同様の結果を得て︑CPの効果として︑積極性︑計画性︑予見の損失をあげ
てこれがロポトミーの効果と似ている点を指摘し︑CPの薬理的ロボトミー効果を実証したと言っている︒しかし︑
へ︑︶
官房○ご四国・冨肖O閉毎国・︵乞雪︶は他のテストと共に︑﹁ポーチゥス迷路﹂を用いて実験したが︑偽薬群との有
意差は認められなかったといっている︒
彼等はそのほかにウェクスラー・テストも実施したが︑これも有意差は認められなかった︒ ︵器︶・ も81︵ご窪︶も知能︵言少あ︶及記憶検査によって薬物効果を見たが何らの変化も見なかった︒
︵nひ︶
しかし︑の苣彊島︵乞霞︶は年令︑性︑知能指数︑入院時診断について対応する群を設け言︲国粋匙のぎ局日胃
︵投薬前︶︑句○局目胃︵投薬後︶を実施した結果︑実薬群では知能の改善が見られ︑言語︑動作両下位テスト共に︑偽
薬群との差は有意であったと報告している︒
︵型︶