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高位・中間位鎖肛

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業) 

分担研究報告書 

高位・中間位鎖肛 

 

研究分担者  渕本 康史  慶應義塾大学  特任教授  伊崎 智子  九州大学小児外科  講師   

【研究要旨】 

高位・中間位鎖肛は小児期から移行期・成人期に至る希少難治性消化管疾患であり、失禁、 

難治性便秘など長期的な経過をとる。高位・中間位鎖肛では指定難病の4条件を満たしている が難病や小慢に指定されていない。したがってこれらの疾患に適切な医療政策を施行していた だくためには、研究班を中心とした小児期から成人期を含む実態調査と疾患概要・診断基準・

重症度分類・診療ガイドラインの整備が急務である。 

 

A.研究目的 

中間位・高位鎖肛は小児慢性特定性疾患、

ならびに指定難病にも指定されていない。全国 調査による現状の把握と診療のてびき等を作成 し、難病・小慢指定をめざし、疾患の啓発と情 報提供を目的とする。 

 

B.研究方法 

1975年より40年間、4000例以上の病型診断 を行ってきた直腸肛門奇形研究会の年次登録か ら年齢は2020年1月1日において6歳、12歳、18 歳の患児を抽出し、各施設に調査依頼をする形 で行った。調査内容は具体的には客観的評価法 であるMRIによる貫通経路のずれの有無、注腸 検造影による直腸肛門角、内圧検査による直腸 肛門反射の有無で、行われた。更にQOLの重み 付けを付与した評価試案である直腸肛門奇形長 期 予 後 追 跡 調 査 Japanese  Study  Group  of  Anorectal  Anomalies  Follow‑up  Project(JASGAP)を用いて、それぞれのスコア に1.排便管理状況、2.失禁スコア、3.汚 染スコア、4.便秘スコアをアンケート調査に て評価した。年齢は2020年1月1日において6

歳、12歳、18歳の患者を年次登録リストより抽 出して、各施設への調査を依頼して行った。 

 

(倫理面への配慮) 

本研究は後方視的な観察研究で国際医療 福祉大学倫理審査会にて(平成30年10月25 日  承認番号13−B−318)、ならびに多施 設共同研究として(令和元年 承認番号13−

B−32)の承諾を受けて行った。 

 

C.研究結果 

直腸肛門奇形研究会の年次登録から該当年 齢(6,12,18歳)を抽出して調査を行った。

36施設中24施設から回答があり、予定症例数は 123例中73例であった。73例の内訳は6歳44 例、12歳14例、18歳15例であった。尚、既に多 施設でのフォローや外来に来なくなった追跡困 難例が6例あった。 

 

1) 病型は中間位29例、高位44例であった。

根治手術時の平均年齢は9.5か月、術式は 括約筋切開術47例(仙骨会陰式14例、腹 会陰式14例などでこの内、腹腔鏡手術が

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17例)、括約筋切開術(PSARP法)26例で あった。術後客観的評価検査としては注 腸造影52例、MRI 21例、内圧検査10例が 行われ、このうち注腸造影による直腸肛 門角が良好30例、不良19例であった。ま たMRIによる貫通経路のずれが無15例、有 4例であった。また直腸肛門反射は無5 例、有4例であった。 

2) JASGAPに従った排便機能評価アンケート についての有効性症例数は60例であっ た。JASGAPは排便機能を失禁、汚染、便 意、便秘、排便管理の各項目につきスコ ア化したものであるが、そのスコア合計

(満点15点)は6歳(中間位11.54、高位 10.49 ) 、 12 歳 ( 中 間 位 11.14 、 高 位 11.25 ) 、 18 歳 ( 中 間 位 12.33 、 高 位 12.71)であった。このデーターからは中 間位、高位でQOLを重視した排便機能に差 はなかった。  

 

D.考察 

予想に反して概ねJASGAPスコアは良好で あった(N=60と決して多くはないが)。また中 間位、高位とも年齢とともに排便機能は改善し ていく傾向がみられた。 

1) 鎖肛術後は年齢とともに改善していくと の報告はある。JASGAPはQOLを重んじた排 便機能スコアであり、これには排便管理 や自分での慣れが関係している可能性が あり、その意味では、最低スコアの症例 の解析を今後、検討していく必要性があ ることが示された。 

2) 思春期までに改善してゆくようにみえて

も就職などによる環境変化で急激に排便 機能が悪くなる症例も少なくない。その 意味では追跡年齢を18歳までではなく、

24歳、30歳まで延長して調査していく必 要性も示される。 

3) 現在の症例数では明確な評価は困難なの で症例数を増やすために調査年齢をもう 少し細かく9歳、15歳なども入れ、更には 24歳、30歳など更に長期での調査年齢も 入れて今後検討していくこととなる。 

  E.結論 

中間位、高位鎖肛とも客観的評価法では貫 通経路のずれや直腸肛門角の形成不良が一定数 みられたが、QOLの重み付けを付与した評価試 案の結果は予想以上に良好であった。しかし、

観察年齢のポイントを多くしたり、観察年齢の 上限を引き上げたりして調査症例数を増やすこ とと、異なる解析法も試みることが重要と思わ れた。 

 

F.研究発表  1.  論文発表 

なし   

 2.  学会発表  なし 

 

G.知的財産権の出願・登録状況  1. 特許取得  なし 

2. 実用新案登録  なし  3. その他  なし   

 

参照

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