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犯 罪 類 型 の 比 較 研 究 ( 英 國 )

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(1)

犯罪類型の比較研究︵英國︶︵山口︶

犯罪類型の比較研究︵英國︶

山 口

林 之

1 犯罪の分類

 英法上︑犯罪︵勺=げ嵩︒毒﹃oぴq9燭一①鋤のoh叶び①O同︒妻PO岱旨︒の︶

はその軽重の差に從って︑次の︐如く分類され︐るQ

︵一︶起訴犯罪へ冒島︒冨び冨︒凍①昌︒①ω︶︑すなわち陪審裁判を認め る犯罪︒これを細分すれば一

 ︵1︶叛逆罪︵↓居①鋤ωoβの︶

 ︵2︶ ︵その他bの︶重罪へ司Φδ巳①の︶

 ︵3︶軽罪へ言δ創︒ヨ巴8﹃ω︶

︵餐︶小罪︵℃o暮鴇︒跨Φ昌︒①ω︶︑すなわち陪審裁判を認めす︑治安

判事の略式裁制によってのみ処理されるり犯罪︒

 本来り..OユRδ.︑という用語は︑めHq島︒簿qNΦ諺9に於ける・ ..Oユ目貯巴6鋤ωoo憎白鋤詳①憎..という言葉が示すように︑上掲の

犯罪の凡ての種類に適用されるのであるが︑盛る場合には︑もっと

制限された意味に於いて用いられている︒例えばの︼W一群︒犀ωけ︒昌①は

軽罪よりも重い起訴犯罪の意味に用い︑0◎叶obげΦ嵩が改訂した

切冨︒閃ω叶︒昌⑦の英法釈義に於いては︑起訴犯罪の意味に用いられて

いる︒  起訴犯罪と非起訴犯罪とは︑元来互に即く排他的なものであった

が︑現在これらは或る程度重養する︒けだし・︑一八七九年ω=目・

言9蔓﹃二二ω注︒怠︒昌諺︒けの下に於いては屡報発生する謬る種の

起訴犯罪が一定の状況の下に略式恥裁判を受けることが許され︑之 に反し︑三月以上の拘禁に価する兇悪な.小罪を︑ ︵正式︶起訴bに 基づいて裁制することが許されるからである︒  起訴犯罪が細分される型態は著しく浩革的なものであ紛る︒  コモγ冒1は或る種の顕著な兇悪犯罪を選び出し︑それらに就い て有罪の制決を受けた者は︑土地又は動産︑又は両者より成る財産 の没牧を件なうものとした︒波牧は可決に明示されることなく︑判 決に必然的に俘なうものとされた︒斯のような犯罪が重罪と呼ばれ たQその他の一暦軽い犯罪は︑.︑目目鋤ロωαq同⑦ωωざ昌ω..又は..目Noω・

b9のの︑.へ不法侵害︶として知られていたが︑軽罪という現在の名称 を付せられたのはすつと後のことである︒満って︑重罪とは︑コモ

γローによつて没牧を包含した犯罪か︑さもなければ︑制定法によ って波牧を包含する犯罪の地位に置かれた犯罪かである︒この定義

には叛逆罪が含まれることが理解されるであろう︒從って︑の

ω$言け①oh潜戸⑦餌ωo昌ωは〃叛逆親里はその他の重罪〃と云って

いる︒併し叛逆罪と重罪との闇には︑多くの且つ重大な手続上の相

異が存するので︑叛逆罪は通常分離して論ぜねばならぬ︒故にこと を簡潔にするために︑通常重罪という言葉は︑叛逆罪を含まないも

のとして使用されている︒−

 重罪助は上述の如く︑犯罪に俘なう財産没牧に関係を有し︑︑富Φ

即ち封建的保有地︵周①邑巴ぎ異事ひq︶︑及びδ昌即ち団ほooとい う語に由来するQ斯くて︑重罪とは〃汝の財産の犠牲を要する〃が

如き犯罪ということになる︒併し勺No肺0評0碧の字書によれば︑

48 }

(2)

この語は︒︿出を意味するケルト語に︑叉︑θ﹃.三塁歳霜団の字書に

よればく︒昌︒ヨを意味するラテγ語のho一に起源を有する︒何れ

にしても英語の形容詞均胤①=と同族である︒

 重罪の卑近な例は︑謀殺・故殺・夜盗・佳居侵入・窃︑盗・強姦で

ある︒  他方軽罪の顕著な例は︑儒証・共同謀議・詐儒・詐取・文書誹殿

・騒擾の如く兇悪性のより少ない犯罪である︒

 重罪と軽罪との相異は︑最早かつてのように多くは存しない︒併

し乍ら︑現在は消滅したそれらの相違点の中には︑注目を要する歴

皮的重要性を有するものがある︒

︵1︶上述のように︑本来重罪は職示的に財産の波牧を生じた︒然

るに軽罪はそうでなかった︒而も極めて少数の軽罪に在っては︑財

産波牧は制決の明示するところに無いこれを科することを得た︒併

し重罪及び叛逆罪に対する車首はすべて一八七〇年の男︒ほ①ぱ霞①

bo叶︵c◎c︒四昌山Q︒劇く咲け︒.憎QQ鴇︒︒●ド︶により廃止された︒

︵2︶本来小窃盗を除いて︑重罪はすべて死刑に処せられたが︑軽 罪はそうでなかった︒恥故に︑死刑の観念は重罪の概念と甚だ密接

な紅蓮を有し︑犯罪を重罪となす制定法は暗にそれを死刑となした 程であった︒然るに︑軍に軽罪を設定した立法に於いては︑最も明

確に表示するのでなければ︑如何に広汎な概括的な言葉を以てして

も︑これを死刑とするには不充分であった︒・

︵3︶本来重罪犯人は裁制に於いて︑自己の弁護燭の爲に証人を呼

ぶことも︑弁護士勘を有することも出来なかった︵法律点のみの論

証の場合を除いて︶︒之に反し︑軽罪犯人は︑民事訴訟に於ける被

告の如く両者を有することが出来た︒これらの欠格は︑夫れ盛れ一

七〇二年と一八二六年に廃止されたQ

 次に現行法上なお存在する重罪と軽罪との相異点を見よう︒但し

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶ 例えば︑告訴形式︑公判手続及び有罪決定に因って生する欠格等の如 く︑訴訟手続を論ずる際に言及することを適当とするものを除く︒

︵1︶犯罪加担者へ勺鋤同江息覧⑦ωO機肺B冒冨︶の四つの種別︵第一

級主犯︑第二級主犯︑事前共犯︑事前後共犯︶を認めるのは︑すな

わち第四種のものを有罪とするのは重罪に於いてのみである︒

︵2︶叛逆罪叉ば其の他の重罪に対する有罪決.定によって︑往時設

定された波牧を︑前述の如く粉一八七〇年の制定法が廃止したとき

に︑犯人の財産を一切の責任から解放することなく︑犯罪そのもの

がもたらした一定の責任を科すること︑した︒斯くて閏︒ほΦ兄貴① ︾o叶の第四条は︑重罪の判決一1叛逆罪に関しては然らす〜を

与える裁置所をして︑重罪が惹起した財産の損失︵例えば︑儒造手

形に対して支払われた金銭の如き︶に対して︑病ドOOを超えない

限度に於いて賠償を命ずることを得せしめた︒斯かる立法がなけれ

ば︑被害者は賠償.を得るためには︑民事裁判所に民訴を提起する労

と費用を負担せねぼならなかったであろう︒仏国刑事訴訟法に於い

ては︑夙くより民訴当事者の訴訟参加を許し︑一つの訴訟に民事刑

事の両作用を営ましめることにより︑労力と費用の飾約を計った︒

併し英国に於いてはこの原理は親しまれす︑軽罪に迄は拡張されて

いない︒ゆ

︵3︶重罪は常に兇悪な犯罪であるから︑法は重罪犯人が法に照ら して処断されるのは重大なことであるとする︒従って︑重罪犯人な

りと疑うべき合理的事由ある場合には︑何人もその者を直ちに逮捕

することを許される︒更に︑重罪の現行犯を目嘱した者は︑直ちに

犯人を逮捕することを許されるのみならす︑そのことのために最善

を尊くすことを要求される︒そしてその目的を達するために必要な

限度の実力を行使することが出來る︒併し軽罪の場合は︑下級判事

の令歌を先ず得なのれば︑目撃証人でさえ犯人を逮捕することをづ.

妙 一

(3)

犯罪頚型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶

モγpIば許さない︒︵現行制定法が許すのは特殊の場合に限る︶︒

 是故に︑一ペニーを盗んだ者は重罪犯人であるから︑その場で逮

捕されるが︑牛群を詐取した者は軽罪犯入に過ぎないから︑農夫は

コモγローによれば︑犯人を手放さねばならない︒

 同哺原理に基づき︑重罪犯人を審問に付した治安判事は︑適当と

思うならば︑公判開始迄犯人を拘禁することを主張する権限を有す

る︒併し軽罪により審問忙付せられた者は︑・有資格の保証人があれ

ば︑コモγローの下に於いては︑保釈を受けることを主張できる︒

 併し乍ら︑近代立法に於いては︑裁判官が重罪に関して有する自

由裁量は拡大されて︑最初は多くの︑そしで現在は凡ての軽罪に及

んでめいる︒

 重罪犯人に対する処罰を確保するために︑刑事訴追が爲されたか

又は犯人の死亡或は恩赦によるが如く︑訴追が不可能になるに至る

迄は︑被害者がその損害を回復するために犯人に対して民事訴訟を

提起するととを禁止する規則をも更に生するに至った︒之に反し︑

軽罪に於いては︑民事刑事両救濟方法の懸れかを最初に執ることが

許される︒威る程理論上は︑両手続を同時尚に執ることが出来るで

あろうが︑そうした方法が︑実際に思慮あるものとは決して云えな

いで助あろう︒ところで︑重罪事件に於いてさえ︑犯罪に対する訴

追手続が執られていないという抗弁を提起することによって民訴手

続を無効にすることは︑被告入に取り︑必ずしも容易でないという ことに注目しなければならない︒〃自己の犯罪を利用ずる〃不欝な

企図を︑通常の抗弁の形式で提起することは︑裁判所の許すところで

はない︒併し斯かる抗弁が存在することは確かゆである︒被告人は

召喚歌により判事に対して訴訟の延期を主張できるし︑又は裁判所

自身が︑自由裁量によって手続を拒否することがでぎるQ而して斯

かる異議の申立は︑被告人が重罪犯人そのものでなく︑又は原告が 被害当事者でない場合には適用されない︒  ︵4︶重罪の兇悪性は︑有罪の不名護から生する資格喪失によって 明瞭に示される︒即ち有罪判決を受けたり重罪犯人は公職或は幼年 金を失い︑恩赦を受け冷か︑幼刑期を満了する迄は選挙被選挙の権 利を有せす︑又文武の官職或は宗敏上の職務を保持することを得な い︒  これらの資格喪失は軽罪には俘なわない︒倦︑重罪軽罪の旺別は 如何なる原理に基づいているのであろうか︒  ︵a︶それは仏法の分⁝類︵重罪O民腔B①9軽罪島①寸尺9違警罪

Oo昌嘗鋤くΦ昌鉱︒昌ω・︶のように︑犯人を審制する古制所の威厳の程度

によるものと爲すことを得ない︒蓋し︑重罪たる窃盗罪の故に警察

裁判所制事により裁判され︑而も単なる軽罪の故に上院に於いて弾

劾されることがあるからであるQ

 ︵b︶犯罪による実害の量に依るものと爲すことも出来ない︒何と なれば︑儒証罪は無睾の死を惹き起すかも知れないが単に軽罪であ

り︑許可なくして馬の鰭殺場を所有することは重罪であるからG助

 ︵c︶処罰の軽重に拠ることも出来ない︒蓋し︑重罪たる窃盗罪と

﹂軽罪たる詐取罪とは同様に処罰され.︑そして軽罪たる謀殺士ハ同謀議 は︼○年の覇懲役刑︐であるが︑重罪たる一石窃盗は二年忌拘禁に過

ぎないから︒斯くの如き異例を生する排列は︑純粋に沿革的な考察

によってのみ論明することが出来る︒即ち特定の犯罪が︑それを通

常の訴訟形式によって︑被害者自身が行う訴追の機会に委せて置く ことが︑最早安全であり得ないと看徹される程頻発性と重大性とを

有することが初めて発見された古い時代に迄遡ることが必要であろ

う︒公共の安全のために︑国王は︑斯かる兇悪な犯罪が犯されたか

どうかを︑起訴陪審を通じて定期的に調査する必要を生じた︒これ

が今日の大陪審の濫膓である︒起訴陪審の活動を容易にするために

50 [

(4)

その報告すべき各犯罪の法上の明確な定義を下すことが必要となっ

た︒恐らく重罪という名称はやがてそのような犯罪に限定されるに

至ったであろう︒そしてそのような犯罪に関する訴訟手続は︑次第

に特定の性格を取得するに蚕つた︒  .

 併し左程重要でもなく一般的でもない犯罪ば︑ながい間甚だ野卑

な意義の儘で残された︒ ︵例えば︑それらの申の照るものをなお共

同謀議と称するが如く︶︒そしてそのような糺問的形式で訴追され

ることなく︵従前通り私人の係箏・的訴訟に委せられたQ ︵後にその

訴訟は名目上国王のために提起されるのが常であったが︶︒これら

の犯罪は︑その後制定法が重罪に昇格せしめたものを除いて︑現行

の軽罪を構成する︒切冨︒犀ω8昌︒は六〇〇年前に︑それらは黒黒訴 .訟のように裁判されると云っている︒ へΩ︿暮叶Φ﹃驚けΦ建暦9︒昌嘗触︶

又Qっ淳匂鋤ヨ︒ωω叶oOげ︒ロば︑軽罪に対する訴追は8暮︵不法行

爲︶に対する訴訟と類を同じくすると云っている︒斯くて軽罪に対

する裁判に於いては︑陪審員の宣誓は〃国王と被告人との間に斗わ

される論宰を誠実に審理する〃ことを意味するQ之に反し重罪に在

っては︑それは〃法廷に於いて国王と被告人との聞に︑真の評決鋤

︵鳥①画く①箪昌8︶を与える〃ことであるQ是故に︑古代法が軽罪の観

念を重罪の観念に類化するよりも︑甚だ多くの点に於いて︑むしろ

単なる民事上の権利侵害に擬する理由を容易に理解することがめ出

来る︒  時の経過と共に︑民訴手続の類似性が原因となって︑重罪の場合

にすら次第に訴訟手続の係孚的三態が︑糺問的型押に代わるに至っ

た︒  併し︑古い糺問的理論の影響はなお公的訴追の手続申に残存して

いるQ斯くて︑殺人事件に於いて殺人の現場に居合わせた者は︑国

王の敵たることが明瞭であっても︑若し彼が誠実なる者と看徹され

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶ るならば︑証人として国王により召喚される︒中毒事件に於いて は︑国王のために分析を爲した凡ての化学者は︑毒物を発見した者 も然らざる者も同様に召喚されるであろう︒  英法の見解に従えば︑被告人と事うのば検察官ではなく︑公平に 事実を調査する王調査委員会である︒  重罪に件なう財産没牧ば︑それが慶止された一八七〇年よりすっ と以前に︑財政上の重要性を失っていたというごとを付言せねばな らぬ︒一八四八年から一八七〇年迄の闇に過納された年額は︑わす か門励αboから撫ド︒︒ド日に達したに過ぎなかった︒多くの重罪犯人は貧 困であった︒そして富者は逮捕と判決との闇にその富を処分したρ 制度の改革は時聞的要請であったQ  完全な刑法典に在っては︑犯罪はその悪性の大小に従って二つに 大ぎく分類され︑そして手続及び処罰の両者に関する特定の付随条 件は︑重大な種類の方に属するであろうことは︑至くあり跳べきこ とである︒然るに英法に於いては︑既に述べたようにY特定の犯罪 を類別する非論理的方法と或る種の付随条件との双方に関して大き な異論が存する︒  是故に︑O鼠日冒巴Ooq⑦じσ崖はその初期の形式に於いては︑重 罪と軽罪との区別を全く廃した︒  そして一八八○年の最後の草案においては区別を韻保したけれど も︑その重要性を殆どすべて除去した︒蓋し︑重罪に付属している 特定の付随条件は死刑又は懲役を以て処罰される犯罪にのみ付せら れるべぎことが提議され︑他方二三の他の付随条件は︑一切の犯罪 に拡張されることになっていたし︑更に亦その他の付随条件は︑完 全に廃止されることになっていたからである︒  英法のあらゆる部分の中で︑重罪軽罪の分類に関する部分程根本 的改訂を必要とするものはなかったわけである︒

51 一

(5)

犯罪類型比較の研究︵英国︶ ︵山口︶

註︵1︶ 重罪は本来叛逆罪を包含するからで・ある︒

 ︵2︶ 往々不合理に而も公式に〃略式犯罪召と呼ばれることがあるQ

  広義のそして稀な意昧の軽罪は︑これらの小罪を包含し︑重罪に迄至ら

  ない凡ての犯罪を意味する︵ピ・園・︻もOごH囚●切︒心O︶︒然るに

  切冨︒閃ω8コ口は更に第三の意味を経たせ︑.︑O雛巨Φ︑.と同義語となし︑

  従って重罪をも含ませる︒

 ︵3︶ ︑.Oほ巳曳.は一般的ではあるが腰昧な語であるQ

 ︵4︶ま9昌負ミく凶9・ραρω・魅刈・

 ︵5︶ 〆切一●Oo日日●H・

 ︵6︶鳶9旨q&59●ρものω﹂ρHおドN●

 ︵7︶鳶9民蕊く凶︒叶.︒●も・の.ド刈・

 ︵8︶団︒=o魯9巳筈註菖9巳﹄N︒︒戯一N︒︒◎周誌$−ま︒︒し葺

 ︵9︶8国恥多面ωけ●y︒﹄・9●竃蝕菖9巳︑ωOoにΦ90幽財碧Φ屋℃

  H●いま・

 ︵10︶ 切宣︒閃馨︒ロoOo日日.りU・仏国に出ては︑一〇六六年より前に現われ   ているQ然し単に特定犯罪i領主に対する臣下の忠誠義務違反にして

  当然に下市の喪失を包含する一の名称としてである︒

 ︵11︶ 剛︒置oo犀斡昌α寓9ρ一け冨口鼻犀.心a・

 ︵12︶ 〃異端〃は重罪ではなかったが死刑に処せられた︵異端者火刑令状

  の廃止﹇H亀ご後は破門︶︒然しそれは宗教上の犯罪であって︑世俗裁判

  所に於いては裁判されなかった︒

︵13︶

︵14︶

︵15︶ ︵16︶ 国ω叶●日鴨●◎oQQyB◎σおド8心・ 団●切・い09β伽いド南働毛︒H.b唱やHH︒即鴇℃︒ いい§ユ5価U尊く一〇紳・O・0い・

罪責の証明はあるけれども︑実刑を科するには不適当だと考えられ

る情状酌量す.︑へき状況︵行為そのもの旗軽微︑若年︑善良な性格︑心的

条件等の理由に因り︶の下に犯罪︵重罪︑軽罪︑小罪︶が行われる軽微

な事件に於いては︑裁判所はそれが合理的だと判断するならば︑刑罰に

替えて〃侵害に対する賠償或は損失に対する補償〃の支払を命ずること  が出来るQ略式裁判権のみを有する裁判所の命じ得る金額には制限ガあ  るが︑巡回裁判所及び四季裁判所には制限がない︒ 刈鷺山多くH回・ρ  ド8ω.回︵い︶●  更に岡︒壕h⑦詳環腎Φ諺︒けは重罪叉は叛逆罪の判決を与えた裁判所に被告  人に対して訴追費用を科する権隈を与えた︒然し一九〇八年のOoωe冒  O昌巨ぼ巴09︒の︒ω︾oけ︵o◎国傷毒・<H回・O●同U℃ω●血い︶により︑その権限  はすぺての起訴犯罪に対する有罪判決に関して与えられた︒既に  くけ8昌騨女王の十一i十二年︑法律四十三号第十八条により︑そのよ  うな権限はすべての非起訴犯罪に対して与えられていた︒ 一九.〇九年に  は︑そのような命令は訴追費用の評価額跳DOooを超える事件の軽犯罪人  に対して科せられた︒NOひト唱や園●NQ︒◎︒・

︵17︶ ◎◎国堵騨くコ●9U●

︵18︶匂自Φω<・︒一毫り99さ.H切●弱昌口早・¢ご藍鼠程㎡09器℃娼

 ↓.ピ・幻︒N刈Q◎・

︵19︶幻⑦図●<●ぎ昌8添b・き伽国しご・

︵20︶ ω目津げく.ωΦ一毛矯ロ︵ピ・閑●ロ潭占い目切・遷︶●

 ピ●.男・昌の●切・U・℃い⁝まOo図まS<一〇8同母女王九−十年法律九十

 三号により重罪たる殺人は例外とされたQ

︵21︶ 重労働を伴なわない十二月以下の拘禁に処せられたのでなければ︒

 文十六才未満にして有罪判決を受けたのでなけ︑れば︒Q︒国山周●<HH●Pδρ

︵22︶然し現在恩給局は事実上各事件を理非曲直によって処理する︒そし

 て裁判官の有利な報告に注目する︒

︵3.2︶ 出9昌α課く陣9・ρN3ω・N・

︵24︶NαOΦo習同同・o・刈ドその目的は盗んだ馬が容易に処分されるのを防

 ぐにある︒

︵25︶ 然し強姦が唯一の軽罪であった時代には︑之に対する刑罰は目と畢

 丸を奪うことであった︒国9零匹ロω℃切閑●H・oPH<ごω・S

︵26︶ ︑.幽Φ一署①同9昌8..には︵9︒︶陪審の評決︒︵び︶拘禁からの被告人の解

 放︒ ︵o︶証拠に基づく陪審の審議の意昧がある︒

52 一

(6)

 ︵27︶ その顕著な事例は︑貴族が叛逆三又は重罪を犯して起訴されたとぎ

  は︑上院に於いて同輩の貴族による裁判を受けた︵最近立法により廃

  止︶︒これは同輩により構成される封建的裁判所による裁判の名残であ

  る︒然るに軽罪の場合は︑下院議員により構成される陪審により裁判さ

  れる︒   .

     丑各種犯罪の定義

︵1︶殺人罪︵国︒日ざ冠︒︶  犯罪の分類として︑重罪軽罪なる観念が要当なものでないことは

前に述べた通りである︒学者はもっと科学的な原理︑即ち各犯罪に

よって侵害される鼻元の種類に基づいて犯罪を分類することの必要

を見出した︒斯くてしd冨︒犀の8昌︒は犯罪を分けて︑ ︵1︶笹藪に

対する罪︒ ︵2︶國際法に対する罪︒ ︵3︶隅王の執行権に対する

罪︒ ︵4︶公共の権利に対する罪︒ ︵5︶個人の権利に対する罪

︵人格︑住居︑財産に関する︶とした︒一八八○年の刑法典草案も︑

これと甚だ類似した匿分を黒している︒即ち

弥1︶公の秩序に対する罪︒ ︵例︑叛逆罪︶︒ ︵2︶法律と裁判の

執行に対する罪︒ ︵3︶道徳宗教叉は公の便釜に対する罪︒ ︵例︑

漬帥罪︑不法妨害罪︶︒ ︵4︶個人の身体又は名轡に対する罪︒︵例

謀殺罪︑丈書誹殿罪︶︒ ︵5︶個人の財産に対する罪︒ ︵例︑窃盗

罪︶︒併し最も明瞭な分類はQつ①ユ①g︒算ωけ①b犀①Pのそれであって

彼は簡明に次のように分類している︒

︵1︶個人の人格に対する罪︒ ︵2︶個人の財産に対する罪︒へ3︶

公の権利に対する罪︒

 我汝の犯罪目録は︑この最後の分類に従って︑個人のわ人格の確

保を害するところのものから始めねばならない︒そのような犯罪の

中で︑恥殺人罪が必然的に最も重大である︒殺人罪ぱ生命が奪われ

るという事々の重大性により︑他の刑事事件に於いて通常爲される

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶ よりも一襲詳細な考究が︑あらゆる事情に封して︑殊に犯人の心的 ⁝状態に益して爲されるが故に︑刑法を学ぶ者に取って特に藪育的で ある︒是故に殺人罪に於いては︑犯罪の分析が極めて詳細に行われ る︒然るに他の犯罪に醸しては︑その承認された完義が如何なる心 的条件を要するものであるかは解釈上不確定の儘にされているもの が多い︒  倦︑殺人が悉く犯罪となるのではない︒犯罪を構成しない殺人は 曾て二種に分類された︒︵その分類の重要性は現在消滅している︶︒  即ち古い法律家は︑〃正当なる殺人︵甘ω鉱清祥玄Φ︶〃と〃理由あ る殺入︵①湯口Oqω尊び一①︶〃との聞に区別を設けたQ前者に於いては︑行 爲は法によって命ぜられたか︑又は許容されたものである︒ ︵かく て殺人者は事実上国家のために行澄する︶◎  後者に在っては︑その行爲は非難に価する汚点を有するものと看 徹された︒

︵A︶正当殺人は法律上の処罰を受けない︒

 厳密な意味の正当殺人は次の場合に生する︒

︵1︶制決を執行する場合︒

 管轄裁制禦の判決を執行する絞刑吏は刑事責任を負わない︒従っ

て殉⁝教者ピ帥鉱目①N及び閃函南望を焚いた執行官は︑女王冨①村団の

下に於いて︑は勿論国嵩N9び忠げの下に於いてさえ︑謀殺の罪に問わ

れる危険はなかった︒彼の刑責からの建除をbd冨︒犀の8ロΦは単

に犯意の欠敏︵蓋し彼の行爲は︑その実行に謝する彼自身の抵抗を

抑圧する職務上の義務によって強制されたのであるから︶に帰する

のであるが︑むしろ犯罪行管さえも全然なかったが故であると解す

べきであろう︒判決を執行することは︑彼に取って犯罪ではなかっ

た︒否︑執行を拒絶することが彼に取っては犯罪となったであろ

う︒ ︵それに道徳上の英雄草蝦爲であったかも知れないが︶︒

53 【

(7)

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶

︵2︶判法が要求する場合︒

 斯くて濁重罪犯人を逮捕し︑騒擾罪を鎭圧し︑或は兇悪なり性格

の犯罪を防止するために必要であるならば︑生命を奪うことも罪と

ならないQ恥 ︵3︶正 当防衛

 攻撃者に聾して︑の自己又はその直系血族η︵重罪め暴行の場合

恐らくそれよりも煙い場合にすら︑事実︑上防衛者のの保護を必要と

するその他の人戸のためにも︶の防衛のために︑必要限度の実力を

行使することは正当とされる︒

 是故に︑危険に養して合理的な危倶の念を生じ︑それを防ぐ手殺 のみを執るのならば︑そのような手殺によって犯人が殺されたとし

ても︑殺人者は無罪である︒併しこれらの手段は不相当なものであ

ってはならぬ︒子供がピγで突いたからと云りて︑それを刺し殺す

ことは許されない︒暴行の被害者が︑その暴行が被害者をして生命 が実際に危険に瀕していると思わしめる程の兇悪なものでない限り

加害者に製して火器を使用することぽ正当防衛とならない︒更に正 当防衙は︑往汝攻撃の形態を執る︒拳銃で狙いを付けられたら︑雨

傘の一撃が正当防衛の唯一の可能な手段であるQ咲いて爲される攻

撃を防衛するためにのみ爲される打撃は正当防衛であるけれども︑

攻撃のために繰り返されてはならない︒〃公明正大な圖宰〃は正当

防衛ではない︒

 犯人が人闇を襲う迄に至らす︑たゴ不法に︵人的︑物的︶財産を

侵害するに過がない場合は︵その占有を守るために適度の實力を行

使することは法律によって許されているが︶正当と助されない︒蓋 しそのような正当化は︑侵害者の侵害又は抵抗が︑重罪而も強盗︑

放火︑夜盗の如ぎ兇悪な重罪とならない限り生じないのであるか

ち︒そしてこれらの甚澄しく兇悪な重罪に醒してさえも︑実際に必 要でない限り︑甚だしく兇暴な抵抗を画すべぎでない︒ ︵4︶緊急避難  自己の生命を保持するために︑犯人以外の者の生命を奪うことす ら︑︼定状況の下に正当化されると爲す古い単読がある︒斯くて 目O騰傷εbd四〇〇ロは︑Ωo①NOが図げO傷Oω島の道徳家=①098か ら引用した古い問題を想起して︑難破後漂流中の二人掛︑二人を支 えるには不充分な大きさの板を掴んで︑一人が他者を突き放して死 に至らしめた場合︑生存者はなんら罪に間われないということを示 唆恥した︒  秩序の整った現代に於いては︑勿論正当殺人事件の数ぱ激減した︒

︵B︶厳密な正当殺人の外に︑法が単に理由ある殺人の即ち重罪や

死刑に慣しないことは正当殺人の場合と同様であるが︑或る程度非

難すべきものとする場合がある︒斯かる犯罪は動産の波牧を以て処

罰された︒一︵最後に︑贋腰物即ち殺人に使用された道具のを除いて 返還されるのが普通となったけれども︶Q我汝は蕪に︑法律が殆ど

あらゆる性質の殺人を︑病弊金の支梯によって腰われる問題として

取扱う粗製な︾旨ぴqδ−ω鋤×o嵩時代の名淺を見拙すのである︒斯く

て一一一八年︑所謂恥ピ①ぴq①の国Φ旨ユ9回は︑故意によるものであ

ろうと︑事故によるものであろうと︑すべての殺人罪に対して︑被

害者の家族に贋罪金が支払わるべきことをなおぐく①ωωo×の規則と

して与えている︒殺人罪に種別をもつど認める立法が︑宗敏的ゆ影

響の下に兇悪な形式のものが死刑を以て処罰せらるべぎことを認め

た後に於いてすら︑如何なる形式のものが金銭罰にも饗しない程悪

性のないものであるかを明確に決定する迄にはなお相当の時間を要

した︒第=二世紀に於いては︑単なる偶発事故により人を殺した者

でもなお国王の恩赦を必要とした︒勿論この恩赦ぱ当然のめ︑事とし

て与えられたのであるが︒更に︑恩赦を受けた時でもなお膿罪物の

54 一

(8)

みならす︑動産の填り全部を波牧されるということが決定されるに

至った︒贋野物が犯人の所有でなくとも︑〃神の御用〃に供する事

により血の配れを祓うために波牧された︒斯くて︑路上に眠る者を

偶然馬蹄にかけた場合の如く︑人の行爲が死に対して責任ある場合

のみならす︑短艇から墜落溺死した場合の如く︑死因が単に自然的

偶発事故である場合にすら没牧は厳しく行われた︒〃行爲実現の手

段に供された物は凡て贋慰物として浪牧される〃というのが掟であ

った︒併し実際には︑そのような物に制限されす︑例えばミルクの

満ちた鍋に子供が落ちて溺死した場合その鍋は動没牧された︒

 波洗物は通常国王によって売却され︑その代価は浮かばれない漿

の供養のために使用されたQ宗教改革後︑その金銭は通常貧困者又

は死者の親族に与えられたQ二月物は忌日八四六年になって慶止さ

れた︒併し理由ある殺人に因る動産の一般的渡牧は覇一八二八年に

慶止されている︒そこで︑その時迄理︑由ある殺人とされていたもの はそれ以後完全な正当殺人とその法律的効果に於いて異ならなく成

ったわけである︒理由ある殺人は次の二つの場合である︒

︵1︶防衛殺人︵Oげ蝉づ︒Φ−8①臼︒く︶  斗事者の一方が増刷を中止したに拘らす︑他方が攻撃を継続する

ので︑前者が幻脱出の方法なくして攻禦者を殺した場合︑防衛の必

要上件の殺人行爲は重罪とならない︒併し最初に斗宰の当事者であ

ったことが非難さるべきものであるから︑厳密な意味の正当殺人と

は旺別される︒後者は全然受身の⁝状況に在る者が︑防衛のために攻

撃者を殺す場合である︒防衛殺人が両墨壷者によって続けられ︑致

命的打撃が加えられるに至った場合にぱ︑その殺人は何等の冤責事

由を有せす︑故殺或は恐らく謀殺ともなるであろう︒ ︵2︶奇   禍ヘヨδ高く①戸隠民e

 奇禍により他人を殺した場合︑すなわち適法な行爲をなし︑加害

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山 口︶ の意思なく︑行爲の勃方法にも有責の過失なぎ場合にば理由ある殺 人となる︒斯くて︑少年と嬉戯施回していた者が︑少年が手を解い たために︑傍の婦人の方によろめいてこれを死に至らしめた事件に 於いて︑それは奇醐濁の一つだとされた︒  更に四才になる子供が回滴のジンを好きかと尋ねられて︑相手の 手から壕をもぎ取り殆ど労りの企量を飲みほして死んだ事件に於い て︑多量の飲酒は子供自身の行爲だとされ︑由って被告人は重罪を 犯したことにならなかった︒  奇渦に関する重要な問題の一つに︑両親又は勲師が︑子供︑生徒 叉は徒弟に合理的な懲戒を与える適法行爲により︑偶然に死を生ぜ しめる場合がある︒子供を罰する両親又は敏師の権利は︑鳳九〇八 年のOぼ冠同①P︾9︵GO ︼円融♂く● ノ\北目・ o・ ①刈℃ の● ¢①刈︶に.よって認めら れているQ古いつモγローに依れば︑この懲戒権は成人の召使に対 しても認められ︑同様に古くは︑夫も妻に対する懲戒権を委任され ていたQ然ししd冨︒犀ω8昌①が云っているように︑Oげ鋤江⑦g︒目の藪 養ある時代に︑このような懲戒権は疑われ始めた︒子供に対する懲 戒権は勿論その子供が懲戒の意味を理解し得る年齢に黙している場 合にのみ存する︒従って︑例えば二才胴中の幼児に早しては存在し ない︒そして適法なものとして認められる処罰の性格と量とは︑子 供の年齢︑性別及び明瞭な身体的条件に応じて各場合に変化するで あろう︒併し処罰が明らかに適法な根拠を有し︑加罰の方法又は量 に於いて不合理でなければ︑子供がその結果死んだとしても︑処罰 を加えた両親や呼声は重罪殺人の責を負わない︒倦︑子供が両親又 は教師に鋤不明な身体的特質を有する場合に死亡することがあろ う︒例えば心臓に疾患があったり︑或は卵殻様頭蓋骨のような欠陥 は︑軽い打撃を致命的なものとするであろうし︑又血友病の子供は 普通の子供に加えては何事も生じない答打によって出血死する傾向

55 「

(9)

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶

を有するであろう◎

 同様に︑懲戒の問題とは別に︑奇稠により特別の身体的構造の所

有者が容易に死亡することがある︒例えば多聞の交際に在っては通

常のこと淀過ぎない軽い一突きが︑老衰した脆い動豚を有った老人

の死因となる︒

 奇稠に関する今一つの重要な問題は︑死亡が適法な競技又は蓮動 中に偶然に生じた場合である︒例えば短か︑つたボールが地面から

烈しく跳ね上って噛打者の頭に致命的な傷害を与えた場合がこれ︒

中世.に於いてさえ武装競技は違法であり︑そのような競技で相手を

殺した騎士は殺人罪に問われた﹄但し︑国王が特定の競技を命じた

場合は事情は別であって︑斯くの如く国王によって認可された斗争

に於いては︑戦士の死は単なる奇調にすぎないものとされた︒現代

に在って.は︑抜身をもっての競技は認可を受けたものであっても違

法となるであろう︒通常の適法な覇恥競技に参加する者ぱ誰でもそ

の事により︑自已の身体に一定量の︵制限的のものであるが︶傷害

を加えられることを重職の裡に承認しているのである︒併し何人も

例えば不具にする程極端な程度の傷害に同意する権利は有しない︒

斯くて危険にして違法な規則の下で競技することに同意した者が︑

競技中死んだ場合︑か︑る同意は殺人者に対して冤責事由とはなら

ない︒又彼は治安妨害となるような階下を作り出すことに同意する

権利もない︒この二つの理由により︑両競技者が危険を冒すことに

同意したとしても︑懸賞勘拳斗は違法と看徹される︒従って︑傷害 を与えようとする現実の意思によって爲された競孚が違法であるば

かりでなく︑力と技術の単なる公開のための競宰も亦それが危険な

方怯で爲されたならば違法たるを去れない︒拳斗袋を嵌めたという

事実は︑必ずしも危険を適法範囲に迄引き戻したことにはならな

M︒それは彼等の目濁に姦して余りに些細な事柄だからである︒勿 論最も適法な競技でさえも︑怒りが持ち込まれるや否や適法たるこ とを中止する︒従って刑事責任からの冤除は直ちに鋤消滅する︒  註︵−︶ 〃権利義務の主体〃という古い法学上の用語たる..鳩Φ盛8..を〃   身体〃を意昧する語として英法に導入したのは︑恐らくω胃﹈≦9夢Φぞ   出9︒冨の.︑爵O庁けΦ畦Φ馨宅ぼ︒び9◎bΦ婦ωOPげ9ωぼけびOの9津山O剛   十一の︒妻昌弓①触ωo昌..・︵跨 β9一同ω一のO轟けげO ピO周℃ω・回●︶  ︵2︶望9冨昌.ω田ω叶.O幡・ヒ9き目同●H⁝U一σqΦωFo冨●図図目H   駁×目く・  ︵3︶ 国●ω●ρ鼠い・ N9ロqいOΦo.Uo●NN︒  ︵4︶ 重罪であっても︑兇悪犯でなければ之を防止することは︑斯のよう   に殺人を正当化しないQ  ︵5︶ 他方一入〇四年に所謂.︑国帥睡目Φ殊ω営騨げO財︒のけ︑.︵勿論それと間   違えられた者︶が夜間俳徊申に射殺されたとき︑殺人者は謀殺の罪に問   われた︒蓋し斯のように禁止された仮装は兇悪犯罪ではなく︑単に不法   妨害たる軽罪に過ぎないからである︒

︵6︶

︵7︶

︵8︶

︵9︶

︵10︶ 出︒零︒一.ωO帥のρ言思鎚9昌山︑ωωΦ一Φ9国δ9ωや心︵国・ω●O・Hい℃︶・ 男︒αq<・国︒ωPUOo図無O︵国●ω︒Oド亟O︶. N 切Oの●曽口価憎・NαO 司︒ω8厭N心刈⁝幻⊆ωωo一一〇口O昌﹈B①ω鴇弓や◎○鑑℃o◎ド◎Q・

故に罷業破りの有蓋車の操縦者は︑罷業者の攻撃から車を守る為に

拳銃を使用してはならない︒然し車を顛覆させようとする罷業者の企図

が︑操縦者自身の生命を危くする場合には︑その使用を許される︒

幻①図く●幻︒びΦ昌ω℃刈U臼●や献Uα・

然し出巴︒は〃人問の家は城砦である〃が故に︑それを奪おうとする兇

暴な企図は︑生命を守るために許され得る限りの力を以て抵抗すること

ができるとなした︒この見解は一九二四年園①因幡国qωωo嘱事件︵ド︒︒

Oひ︾弓や円・HαO︶に関し︑60暦書︒囲O壁一日置巴︾bb①9によって碓

認された︒借地人が︑時ならぬに︑その室から放逐しようとした地主の

不法な企図に抗して銃創を負おせたのである︒

56 一

(10)

︵11︶ ︸W9⊃8口.ω寓9箆Bω鴇く乱900塊PUOO博一9一ρ回目bど℃q鵠Φロ・

 ◎o嬬ひP9鼻

︵12︶ 然し国Φoq対U賃臼Φ唄及びωけΦ弓冒O昌の事件に於いては︑王座部

 の五入の上級判事は︑切NoO口 の理論に疑いを投げ︑遭難水夫等が救助

 の見込が殆ど残っていないときに︑少年を殺して食べた行為を正当殺人

 と認めることを拒否した︒

 目●即鳳・の●切・U・ミい︵園︵●qσ・︑0ザα日︶.Oo姦帥触計飼ピ圃寓国Z↓ωO国

 国ZOピ回ω団ド︾零・℃巳NU心.

︵13︶ bd厭二二90亜目●NoQ偶iNo◎α脚回閏巴︒勺・O・湛這−戯N偶⁝ωけ︒怠けΦP

 国富け●O厭●H鋤妻℃昌昌︒刈5勺︒一一〇〇犀9昌画寓9子心ロ9類︷馨●国ロゆq●

 ピ9毒目心刈H・

︵41︶ ℃o一一〇犀9昌画嵐巴菖9ユけ鼻口●蒔刈い︒

︵15︶ O簿や刈PゆドN..ω宕︒ωbo暮︒撃︒巳ロ︒昌ω娼︒暮︒煉§︒暮犀9①P

 艮ぼδ目ぎ易富桓Φロ⑦日︒昌山ΦεびρにooΦ巳営b①濯ぎω︒凶Φ9冨旨

 booo9⊃導自ρ弓①厭一昌α目2慧9Ω﹈BOo聴ぼoq凶匿¢ω●..

︵16︶ O冨ののoP 口富8岸︒重工伽邑O騨αo一.三日oqδけ︒聴民P同H・U呂●

︵17︶ 娼︒二〇〇犀9ロ仁丹嫁け冨ロ9同H●心刈QQ・

︵18︶ ωo冨900辱︒ロ︒隔ω.男︒一一9やUO・

︵19︶ 燈9ロ幽ドO<一9・ρΩ・廃止は列車が全部没牧されるという恐怖に

 より促進された︒

︵20︶ ◎︒掌Ω口画鴇OΦo・回く・9浴・

︵21︶ 出来れば彼は退却しなければならない︒

︵22︶ OoP窪霧け国Φαqく・臼︒ロoρ爲OO図訟Q︒︵囚.ω・O・No︒︶寒津び囚●

 ω.O●N刈●

︵23︶ 閑︒図く●国讐oρNOo×まN︵囚・ωb・ドま︶

︵24︶ 国︒図く.嵐9含ぎ了いρ95侮やD昌︵ドい刈︶・

︵25︶ 肉Φ×く●薯8甑ρ◎︒U﹄.・やミN⁝90曽帰矯く・切09F炉即ロ︒︒辞し

 H国・心αU●

︵26︶ 国ooq●<・Oユ囲物P自Oo図献ON・

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶ ︵27︶ ◎◎いq●℃︒刈N・ ︵28︶ 拳闘に就いて国︒σq・<●OoロΦさピ●男●◎Qρ.切・∪.Uい心・ ︵29︶ 蹴球に就いて国︒ひq・く・切厭9傷ωげ90宅山嵐Oo麟︒︒い︵類・ω.O︒ドいH︶・ ︵30︶ 拳闘家が賭けのために競按ずるという事実は必ずしも11懸賞撃闘〃  とはならない︒此の言葉は更に危険な武器即ち熟練した競技者の鉄拳を  以てする暴行の観念と︑その上に通常公開の観念とを含む︒従って闘争  罪︵諺剛旨9︒喝︶と不法集会が存在することになる︒ ︵31︶ 国︒σq・︿・Op昌け嵐抄やO・9︒昌画℃・U追・被告人がよく習熟された規  則を厳格に守って競技を行っていたという事実は︑彼が怒りに駆られて  いなかったと.いうこと︑及び彼が行っていた方法が不法となる程度に危  険なものでなかったということを示すに役立つであろう︒従ってこれら  の目的の何れに取って.も︑これらの規則は被告人に取り有利な証拠とし  て是認さるべきである︒他方被告人が規則に違反していたとしても︑そ  れらの規則は被告人に不利な証拠とはならない︒何となれば︑規則に違  反することは犯罪ではなく︑叉必ずしも危険でも犯意あるものでもない  からである︒この点に関して︑国ooq・ヒd桶9のびp≦事件は閑Φoq●嵐oo同Φ  事件︵ド心 ﹈り︒ Hし9 幻●NN℃︶に比較することが出来る︒後者はア式蹴球に  於いて︑被告人は規則を無視して背後より襲い因って入を殺したという  事件である︒     亜重罪殺人︵聞①ざ風︒自のげ︒日§創①の︶  殺人が正当殺入とも理由ある殺人ともならないような状況の下で 行われた場合には︑それは単なる軽罪でなく常に重罪である︒重罪 は次の四.種の型態の何れか一つを取る︒

︵−︶ 国︒冒巳9亀ΦωΦ

 すなわち犯罪となる状況の下で行われた自殺である︒一般に他入

に対する謀殺に於けると同一の充分な殺意を以て自らの死を招くの

でなければ︑自殺者︵胤Φざ創Φのeと判定されない︒

 例えば︑決圖者が己の拳銃の爆発によって死ぬような場がこれり

57 [

(11)

     犯罪類型の比較研究︵英国︶︵町口︶

 コモγローば︑自殺者の屍体に対して科せらるべき資格衷失の威

嚇によって︑こめ犯罪を阻止しようと努力したQそれは非理性的で

はあるが︑人情自然の過冷によって屡汝有効な障碍となった︒更に

自殺者の動産三塁の威嚇を以て阻止に努めた︒これは全く遺族に降

りか苓って来る代理罰であるが︑自殺者の感情に訴えること歪なる

ものがあったであろう︒斯くて故意に自殺した者は︑曾て屍体を杭

に刺されて大道に埋められたのであった︒

 一八二四年に︑礼拝式を行うことなく夜の九時から十一時迄の間

に埋葬するという本来の形式に戻された時に︑自殺者の埋葬はか〜

る物凄い様相を脱した︒  画八七〇年に︑自殺者の動産没牧は︑重罪に対する没牧の一般的

廃止により絡りを告げた︒ 一八八二年に制定法︵もα餌⇒自脈①<8け

︒●ド⑬︶は︑埋葬式を通常の英国教会の方式で営んではならないと

いう純粋に宗教的なものを除いて︑あらゆる罰則を廃止した︒  コモγローの下においても︑自殺者に対する処罰は︑事実上適法

に避けられた︒それは︑処罰に対する一般的非難  結局それが廃

止を確定的なものにしたのである一が︑処罰が実際に科せられる

事件の数を大いに減少せしめたからである︒すなわち検屍陪審は︑

自殺運気が精神異常の発作中に行われ︑従って重罪を意味しないと

宣言するに役立つ極めて些細な理由をも熱心に利用した︒このよう          コ にして︑自殺の動機となった不安の原因が発見された場合には︑−そ

れが自殺者の精神を蝿乱したものであると宣言され︑他方何等の原

因も発見されない場合には︑その無原因こそ精神異常の証拠である

と宣言された︒

 この敬度なる偏証−切冨︒犀ω8昌Φの︑寛大なる表現を借りれば一

の慣習は根深いものとなって︑儒証の原因でもあり口実でもあった

自殺者に対する刑罰が廃止された後までもなお残存するに至った︒  自殺事件に於いて︑全く不適当な理由に基づいて︑精神里門常の評 決を宣言する陪審は︑一方その事が最早これという刑罰を廃止する ことなく︑他方死者の家族に︑社会的︑又は婚姻上の︑或は商業上 の期待に重大な影響を与える不当な汚名を投げかけるものであるこ とを忘れている︒蓋し代理罰や資格髪長の刑罰を厭う思想の進歩こ そは︑また他方に︑遣伝の肉体的並びに精神的影響を調査すること に急ならしめるものだからである︒  古い刑罰が廃止されたにも拘らす︑正気の人間の故意に基づく自 殺はなお法上犯罪とみなされる︒従って自殺空誉はすべて起訴め軽 罪を構成する︒  今一つ自殺が犯罪となるのは︑心中者の一方のみが死ぬことに成 功して他方が生ぎ残った場合であって︑残存者はの謀殺の責を負う 1現場に在る場合は主犯として︑現場に居ない場合は事前9共犯

として︒もっと一般的に云うならぼ︑他人を教唆して自殺せしめた

者は謀殺の責を負う︒同じ理由により︑自殺を行い偶然局外者を殺

した者は︑少なくとも多くの場合謀殺の罪となるであろうQ

註︵1︶ 然し臼Φ壕く宏︵Oo嬬︒昌Φ厭ω鴇α甘び︒山・℃・μ貿︶の一層論理的な見解に

  よれば︑自殺者は故殺におけると同じような不法行為︵その結果は自己

  の死となる︶を犯すを以て充分なりとする︒そしてOo讐①議︾9

  ︵UO9︼P負 UH/N一〇什● O︒刈H堕 の●N︶に規定された評決の形式は︑⁝単に故意

  の殺人を要求し殺意を要求しない︒ 出9昌山置くざ﹃P起.

 ︵2︶男︒σq.く・国霞σqΦのの℃ビ●鶉昌伽PNU︒︒・

 ︵3︶ 09B目︒昌毒︒巴酔財く・切︒宅ΦP三三9のω●3α︵国●ω●O・旨︶・

 ︵4︶ 然し現在か㌧る〃死の契約〃においては︑判決は常に減・刑される︒

 ︵5︶ Oo鑓日︒ロ≦Φ巴け討く・客一昌ドリピ9けび機︒娼魅NN︵内・ω.ρ艮O︶脚

  切︒×︿・国ob毒oogoOO同.︾つや国曜H戯蜘・

噛一

58

 一

(12)

︵皿︶故 殺へ﹈≦鋤房冨ロσq洋O﹃︶

冒こ

フ重罪は他人を不法に殺すのであるが︑その状況が︑行爲を謀

殺と爲す程兇悪でない場合に成立Dする︒団鉱︒及びしd冨︒犀ω8口①

に依れば︑それは〃明示又は獣示の犯意なくして〃行われると云わ

れるが︑むしろ〃謀殺の犯意となる一麿悪性の犯意なくして〃と云

った方が言葉の混乱をよりょく避けることが瓢飲るであろう︒蓋し

犯意はその最廣義の法的意味︵ヨ①旨の機①鋤︶に於いては︑凡ての犯

罪に不可欠のものであるから︒

 故殺は極めて明確な二つの形式に分つことが出痴る︒所謂〃任意

的〃と〃非任意的〃の二者がこれQ

︵a︶任意的故殺︵<o冒鋤昌け①N矯ヨ蝉昌ω冨qひq算①同︶は︑他人に違法

な侵害4それが熱型なものであれ︑重大なものであれ︑或は致命的

なものであっても一を加えようとする故意︵<o書記鑓ω︶を以て実行 されるところのもの︒軍に一時的の苦痛を與える目的で暑い打撃を

加えたところ︑予期に反して死んだ場合︑それが不法な打撃であっ

たら︑加害者は故殺の責を負わされる︒ ︵上述の如く︑このような

単に偶然的な殺人は︑その打撃が生徒を匡正する場合の如く適法な

ものであるなら全然犯罪とならない︶︒このような故殺の実例は︑

充分に無害と思われる軽い悪戯が︑敗血症のために被害者の死を招

いたような場合に見られる︒恥併し死亡の原囲が軽い打撃でなく︑

重大な傷害を惹ぎ起しそうな打撃であったならば︑∴状況に鷹じて故

殺か又は謀殺となる︒加害者が軍に輕い食管を受けたか︑又は金平

受けなかったのならば︑その犯罪は謀殺と成るが︑勒重大な挑発を受

け︑事実それによって誘嚢されたのであるならば︑それは故殺とな

るに過言ない︒致命的な侵害が︑充分な殺意の下に︑殺人的武器に

よって加えられたとしてもこの事は眞実である︒何となれば︑加害

犯罪類型の比較研究︵英国︶︵山口︶ 者の受けた挑獲ば︑事実上︑一時︑通常の43自制力を奪う程度に突 然にして極端なものであり︑従って︑彼の兇悪な敵意をより少く非 難すべきもの一なお処罰に価するが死刑には逸しない程度のもの一 種するからである︒殺人行爲の唐突性は︑斯くの如く犯罪性綾和の 本質的條件である︒使用された武器が︑加害者が挑嚢を受けた時︑ 既にその手中に在うたところのものであったという事實は︑その打 撃が予め計画されたものでなかったということの証糠として重大で ある︒被告人が自然によって與えられた武器⁝1彼自身の鐵拳一より 外に使用しなかったということが証明できれば︑それは一町有利な 条件となる︒殺人行爲を故殺となす程度の挑嚢に因って︑AがBに 嚢砲したところ︑狙いが逸れてCを殺したとすれば︑この予謀によ らない犯罪はまた単に故殺に過ぎない︒  任意的故殺に在っては予謀は存し得ないのであるから︑事前共犯 も亦考えられない︒通常︑挑発行実と殺人行爲との聞には︑さした る時間的闇隔は存在しない︒併し︑若し何程かの時閤が介在するな らば︑その間︑挑発によって惹起された抑制し難い感情が継績し︑ 眞にその致命的打撃の原因であったろうということが老えられる︒ 他方︑その間1たとえ二︑三分であっても一の行爲は︑彼の憤りは 冷却したと思われる程冷艀であったかも知れないこと︑從って本来 受けた挑発は︑殺人を謀殺よりも軽いものとなす法律的効力を有し ないだろうということも亦当然考え得べきことである︒  上述のように突然の殺意を形成せしめる挑嚢行爲の中︑重大なも ののみが殺人を故殺とする法律的効力を有する︒輩なる言葉は︑そ れが如何に侮辱的で人を怒らせるものであっても︑このような結果 を生ぜしめる程重大なものとは看徹されない︒誠に︑身体的な暴行 を包含しない挑発の中で︑甚だ少数のもののみが︑そのような結果 を生するに足りる程の大きさを有するものと看倣される︒それらの

59 一

(13)

犯罪類型の比較砺究︵英国︶ ︵山口︶

わすかの中の一つは︑姦通のの現行を押えられた姦夫を︑夫がその

場での殺す場合である︒

 単に姦通でなく強姦であったとすれば︑夫の殺人行爲は故殺にも

成らす正当殺人である︒ 篭

 他方彼が現場に於いて∫なく︑後になって冷却期聞後殺したとす

れば︑それは謀殺となるQ︒

 現実の暴行ですら︑それが甚だ兇悪にして侮辱的でない限り充分

な挑発とならないQ斯くて︑男が婦人から顔を亭手打されたとして

も︑その挑発はか︑る目的に蒸しては充分に重大なものではないが

若し婦人が男の顔を木靴をもつて流血する程殴ったならば︑充分に して重大な挑発となるQ既に述べたように︑単なる言葉によるもの

は︑如何に侮静的であっても︑それだけでは充分に重大な再発となる

ことば決してないが︑それが打撃を件なう場合にば︑打撃によって

與えられた挑発の程度を評価する際に顧慮される︒斯くて︑言葉な しに犯されたとしたら軽微なものである筈の暴行をして︑殺人を故

殺となすに充分な大ぎさの挑発と爲す効果を有するに至るであろ

う︒  不法監禁又は不法逮捕は︑被監禁者又は被逮捕者自身によって犯

された殺人行爲を︑故殺と爲すに充分な挑発となることは明らかで Dあろう︒併し︑第三者が被監禁者又は被逮捕者に同情して犯した

殺人に関しては︑斯のような効果は生己じない︒故に︑第三者が被害

者を救助するために︑不法監禁者又は不法逮捕者を殺害した場合に

は恥謀殺罪を構成するゆ       お  更に︑挑発とそれによって誘発された暴行との間には︑合理的な

均衡が存在しなければならない︒致命的な反撃を酌量する事情とな

る足蹴は︑短銃の致命的な使用を酌量する事情とはならない︒

 任意的故殺の最も普通の例の一つは︑防衛殺人によって誘発され た怒りによってそれが犯された場合である︒斯くて︑被告人の側に 於いて予謀しなかった争に因り二者が相斗うに至り︑一時の激昂か ら︑一方が他方に致命的傷害を与えたとすれば︵斗事は双方に挑発 材料を与えるものである︶︑加害者は故殺の責を負うに過ぎないで あろう︒是故に︑暴徒に対して︑創を振り廻しみね打ちを喰わせて 自己を防衛していた軍人が︑途にその一人の頭を叩いて殺した事件 に於いて︑裁判官はこれを単に恥故殺と呈した︒同様に⊃争を生じ

一方が他方を地上に投げつけて殺した事件に於いて︑被害者を投げ

倒した行雲と身体を踏みつけた行爲との間に︑時間的闇隔が無かっ

た理由により︑故殺ゆとされた︒併し︑一時鎭つた宰が︑斗導者の

一人置よつて再び開始された場合には︑再開後の致命的打撃に対し

ては︑.何等の酌量も与えられないであろう︒斗孚の再開のための武

装に時間を利用したのならば︑酌量されないことは確実となるQ故

に︑二者が口論し︑その時その場で斗孚を開始し︑一方が殺された

場合は故殺に過ぎないが︑若し口論の星縫に望事しないで︑次の日

に決斗を行うことに同意し︑一方が殺されたとするならば︑加害者

は恥謀殺の責を負う︒

 〃任意的〃殺人に於ける挑発の種六の効力は次のように要約する

ことが出来る︒

 重大な挑発は︑殺人行爲が︑殺人の可能性ある危険な道且ハを用い

て犯されたとしてもそれを故殺とする︒

 軽微な挑発は︑ ︵1︶危険な武器による殺人短髪をなお謀殺とす

る︒ ︵2︶併し︑棍棒のどうな単に傷害を与える所︑能性ある武器に

よる殺人行爲を故殺とする︒

 致命的な打撃が不法︵例えば怒って︶なものであるなちば︑挑発

は決して殺人を奇繭によるものとは爲ざないQ但し︑そのような打

撃が単に正当防衛の適法行爲に過ぎない場合には︑その事があり得

60 一

(14)

る︒

︵b︶非任意的故殺へぼく︒筆算①曼目きω冨qひqげ8こは︑不法な方

法で他人の死を生ぜしめるのであるが︑殺人の意思も又傷害の意思

さえも無い場合である︒これには三種の態檬が考えられる︒

︵1曝本質的に不法な忍野を爲す場合︵但し重罪になる程不法であ

ってはならぬ︒然らざれば単なる故殺でなく謀殺となるから︶o斯

くて︑軽罪となる行爲︵例えば不法集会に参加すること︶︑又は略

式手続で処罰される小罪となる行爲︵例えば自動車常用者の速力違.

反︶により︑恥偶然に人を殺した場合には故殺となる︒そしてこの

原則は偶然に死を惹起する不法行爲が︑民事上の不法行爲︵叶O村け︶

となるに過ぎない場合にも常に要望するものと看傲されて来た︒但 しその適用を︑身体傷害を生する8耳に制限しようとする近代的

学読も存在する︒粉園⑦σq対両翼昌盛冒事件に於いては︑この寛大

な見解が国①冠判事及び竃鋤叶げΦ毒制事に依って表明された︒之

に反して︑助ω8づびΦ目は︑如何なる不法行蔵でも︑それがたとえ

何等かの危険を孕んでいると思えないでも充分であるとする古い学

論を固執動した︒

︵2︶法上の義務たる行爲の不履行  転轍手が眠りに陥って転轍機を動かすことを忘れたために︑族客

の死を招いたとすれば︑この転轍手は故殺の責を負う︒ ︵若しも故

意に転轍機を動かさなかったとすれば謀殺となる︶︒炭坑の機関手

が︑蒸氣機関を無知の少年に委任し︑この若者の未経験が坑夫の死 を招いた事件に於いて件の機関手は恥故殺の責ありと爲された︒而

して不作爲と致命的結果との閥の蓮絡は︑余りにめ間接的であって

はならない︒

 これらごつの事例に於いて見られる如く︑法上の行年義務は︑関

係ある特定人が置かれた特定の歌里から発生勒する︒蓋し社会一般

犯罪類型の比較研究︵英国︶ ︵山口︶ ぱ︑消極的義務︑即ち一定行爲の避止義務以外の法上の義務を負う ことは稀であるから︒何人も他人を保護する法律的義務を負わな い︒〃自己の監督下にない者が毒杯を取り上げるのを勒止めなかっ た理由によって︑罪に処せられるべきでない︒〃断崖の縁に三って 進む盲人に警告を与えなかった場合も驚悸り︒  併し或る場合には︑法律そのものが︑特定の砂嵐に︑積極的義務即 ち行爲義務を科することがある︒斯くて両親はその子供の保護責任 を有し︑従って子供に対し充分な衣食を給することに重大な過失が あり︑因って子供を殺したり又はその死を促進したりすることがあ れば︑故殺の罪に問われる︒この場合両親︑の側に︑懸る程度の過失 があったという事実だけでは充分でなく︑悪意の過失即ち陪審をし て︑被告人は子供の生死を意に介しないものであるとの確信を抱か せる程度の重大な過失がなければならない︒勿論その悪意が子供を 餓死させようと企図し︑又は重大な身体傷害を与えようと企図する 程度のものであるならば︑故殺でなく謀殺であるへ嶺O触・︾bや国.

H逡︶︒  コモγローに在っては︑両親が子供を養うに足る程富裕でないと

いう事が有効な抗弁であったが︑現在では︑子供に対する依食鳥及

び医療の解怠は︑救貧機関の援助を求めた事実がなければ不可能の

抗弁を許さない︒

 ︵∩︶げ一一鉱NΦb︻㌧roけ℃ ド⑩OG◎IGo 国山≦・ <園一● o● ①江尾 の・ Hトり︶o 従って︑

子供に対する医療を故意に与えなかったがために子供の死を生ぜし

め又は促進したとすれば︑その両親は故殺の責を負うわけである

が︑この事は︑不作爲が忽諸の使用に対する良心の又は宗敏上の反

対に帰因する場合であっても安当勒する︒斯かる塀怠の責任はた︑s

に両親に止まらす︑幼年又は恥病弱に因る無力者の保護を適法又は

違法に引き受けた成年者は︑その故意の塀怠により被保護者の死を

61 {

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