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電子機器用厚膜磁石の開発

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Academic year: 2021

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(1)

P ‐ 14

電子機器用厚膜磁石の開発

武田浩之、柳井武志、○中野正基、福永博俊 工学部電気電子工学科 電子回路デバイス学講座

*

TEL: 095-819-2555, FAX: 095-819-2555, e-mail: [email protected]

1.研究の背景

薄手の磁石を利用したアクチュエータ・マイクロマシンに関する研究報告は、磁石材料の開発のフェー ズを「保磁力・

BH

max等の磁気特性のみで評価」から「用途に応じた設計開発」という方向に目 を向けさせるものである。そのような磁石材料には、ある程度の体積をもった領域への磁界の発生 が求められるため、記録媒体用の磁性膜とは異なり、「ある程度の厚さ」すなわち現状においては、

10

200 μ

m程度の厚さを有する磁石膜が開発対象となっている。この設計指針のもと、

1

)バ ルク磁石材料の薄手化ならびに

(2)

厚膜磁石の特性が盛んに報告されている。ここでは、

PLD

(Pulsed Laser Deposition

)

を用い保磁力

1000

A/m

を超える数十

μ

m厚

Nd-Fe-B

系磁石膜の作製 について報告する。

2.研究の概要

Nd

2.4

Fe

14

B

もしくは

Nd

2.6

Fe

14

B

の組成を有するターゲットに

100 mJ/cm

2以上の高エネルギーを有 するレーザを照射し、

Nd

Fe

B

を解離放出させ、基板に到達、堆積させることで

Nd-Fe-B

系厚膜 磁石を作製した。その様子を模式的に

Fig. 1

に示す。一部の試料を除き、成膜直後の膜はアモルフ ァスであったため、

Nd

2

Fe

14

B

相を形成させるために熱処理を施し、

Nd

2

Fe

14

B

結晶相を形成させ、硬 磁気特性を発現させた。

3.研究の応用展開

ミリサイズモータへの応用を考慮し

Fe

基板上に作製した

200 μm

Nd-Fe-B

磁石膜を作製したと ころ、その磁気特性は工業的な着磁性ならびに熱安定性の観点よりモータへの応用として所望され

る保磁力

800 kA/m

を満足しており、ミリサイズモータへの応用可能な値であった。そこで、図2、

3に示すような厚さ

0.8 mm、外径 5mm

のアキシャルギャップ型

DC

ブラシレスモータを試作した。

そのモータのロータ、ステータ、軸受ならびにその動作特性を以下に詳細に示す。

①ロータ

ロータは

Fe

バックヨーク付

4

NdFeB

磁石ロータとした。具体的には、上述した

NdFeB

磁石膜

を外径

4.8 mmφ、内径 2 mmφ

の円板状に成形した後、空芯コイルで

4 MA/m

の磁界によりパルス着

磁し、更に直径

0.8 mmφ

SUS304

シャフトを接着固定し作製した。

②ステータ

ステータは無鉄心コイル構造とした。コイルは径

30 μmφ

Cu

線を

11 turn/coil ×3

層、全体では 厚み

0.3 mm

1

相あたり

6Ω, 66 turn/coil

により構成した。更に、厚み

0.1 mm

の真鍮基板を準備し、

その中心部にシャフト挿入孔を設けた後、上記のコイルを接着固定し無鉄心コイル構造のステータ とした。

(2)

③軸受

軸受はピボットスラスト軸受構造とした。シャフト軸受部の先端は径

0.8 mm

であり、

10

17

ions/cm

2 以上のT

i

C

を金属イオン注入し表面改質した。軸受方式は潤滑油を用いたピボットスラスト流 体方式とした。

④動作特性

DC

電圧を

3

相全波駆動

(

短形波

120°

通電

)

に変換し、モータを動作させた。ステータとロータ の空隙を約

0.1 mm

とした際には、無負荷回転数が

15160 r/min、トルク定数が 0.0236 mNm/A

であった。更に、空隙を約

0.2 mm

とした際には、無負荷回転数は

14407 r/min

、トルク定数は

0.0226 mNm/A

であった。以上の動作特性は、例えば、1インチ径のハードディスク用のスピン

ドルモータへの応用を鑑みると、そのトルク値をより一層増加させる必要があるものの、(1)モ ータの径の増加、

(2)

磁石膜の残留磁化値の向上などにより、今後、情報電子機器の小型化へ応 用可能と考えられる。

Substrate

Plume

Laser Target

1 PLD

法の様子

Shaft Magnet

Coil 5 [mm]

0.8 [mm]

図2 ミリサイズモータの写真 図3 ミリサイズモータの概略図

参照

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