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[材料および方法]

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Academic year: 2021

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1

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

吉田智学

(主 査)朝日大学歯学部 教授 堀田正人

(副 査)朝日大学歯学部 教授 玉置幸道

(副 査)朝日大学歯学部 教授 石神 元

コンポジットレジンの仕上げ研磨が表面性状と色彩に及ぼす影響について

論文内容の要旨

[目的]

コンポジットレジンの仕上げ研磨は審美性の向上と予後を左右する重要な因子である.

評価方法は表面粗さ, 光沢度, 走査電子顕微鏡観察が用いられ, 色彩の変化にまで言及し たものはほとんどない. また, コンポジットレジンは含有するフィラーの成分や形態, 度分布等が異なり, 同じ研磨操作をしても表面性状が異なる. そこで,構成成分がほとんど 同じで, フィラータイプの異なる

2

種類のコンポジットレジンの研磨後の光沢度, 色彩, 表面粗さを測定し, 研磨によって光沢度, 色彩がどのように影響されるか評価した. さら に, 研磨後, 飲料物や含嗽剤に浸漬し, その光沢度, 色彩がどのように変化するか耐久性の 検討を行った.

[材料および方法]

1 実験材料:使用したコンポジットレジンは

Clearfil AP-X(A3,

以下

CA)と Clearfil Majesty(A3,

以下

CM)である.

試験片は直径

10×2mm

の#600, #1200, #2000

SiC

ペーパーで研磨したもの(#600, #1200, #2000)と透明ポリエチレンフィルムを介したスラ イドガラスで圧接後, 光照射したもの(圧接面, コントロール)である. さらに, コーラ, ステリン, 白ワインに

37℃で 7

日間浸漬した.

2 電子顕微鏡観察と元素分析:

#600

CA

CM

を走査電子顕微鏡(S-4500,以下

SEM)

にて観察し, エネルギー分散型

X

線分析装置(EMAX-7000)を用いて元素分析した. また, 透過電子顕微鏡(JAM-1200EX,以下

TEM)でも観察した.

3 光沢度の測定:光沢度計(VG 7000)を用い, JIS Z874に準拠した平行光方式,入射 角および受光角

60°とし,光沢度を測定した.

4 色彩の測定:測色には高速度分光光度計(Spectro-Photo Meter CMS-35FS)を用い た. 色彩は

L*値(明度), C*値(彩度), h

値(色相角度)を求めた. また, 圧接面と研磨面に対す るΔE*(色差)値と飲料物浸漬前後の圧接面と研磨面に対する色差値を求めた.

5 表面粗さの測定:ナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN-8010)を用いて

Ra(中心

線平均粗さ)を測定した.

(2)

2

6 統計処理:飲料物や含嗽剤浸漬前の光沢度, 表面粗さの値は

,

一元配置分散分析

(ANOVA)と多重比較検定

Scheffe

を用いて有意差検定(α=0.05)した. また飲料物や 含嗽剤浸漬前後の試料を

Paired t-test

で有意差検定(α=0.05)した. さらに, 飲料物や含 嗽剤に浸漬前の光沢度と表面粗さ, 光沢度と色彩(明度, 彩度, 色相), 表面粗さと色彩(明 度, 彩度, 色相)の相関関係を検討した.

[結 果]

SEM,TEM

観察と元素分析結果:CA は大きさの異なる無機質フィラーが高密度に充

填され, CMは微粒子無機質フィラーと有機質フィラーが観察された. CA

CM

の構成元

素は

C,O,Al,Si,Co,Ba

と同じで, Ba

CA

の方に多く含まれていた.

2 光沢度:研磨面は#2000, #1200, #600の順に有意に低下し, 圧接面に匹敵する光沢は 得られなかった. CAより

CM

は有意に高かった. CA

CM

の圧接面と#2000は各種飲料 物や含嗽剤に浸漬後, 有意に低下した. CA#1200 はコーラ, リステリン, 白ワインに浸漬 後, 有意に低下し, CM#1200 はリステリン浸漬後のみが低下した. さらに

CA

CM

#600

は白ワイン浸漬後のみが低下した.圧接面は研磨面に比較すると依然, 高い値を示し た.

3 色彩:

CA, CM

とも明度は圧接面より研磨面が高く, 彩度, 色相は変化しなかった.

差は

3.2〜4.4

と目視で色彩変化を認めた. コーラ, リステリン, 白ワイン浸漬後の

CA

圧接

面は明度が低下したが, CM圧接面は変化しなかった. 彩度は

CA, CM

とも低下し, 色相は

CA

が黄色へ変化した. 色差は

CA

6.9〜8.8, CM

6.2〜8.0

を示した. 各種飲料物や含 嗽剤浸漬後の#2000, #1200, #600は圧接面と同様の変化を示した.

4 表面粗さ: 圧接面, #2000, #1200

CA

CM

は同程度で, #600

CM

より

CA

有意に粗かった. CA圧接面はコーラ, リステリン, 白ワインとも浸漬後が有意に粗く, CM 圧接面は白ワインの浸漬後のみ有意に粗かった. #2000

CA

がリステリンの浸漬後で,

CM

はリステリンと白ワインの浸漬後で粗くなった. #1200では

CA

がリステリンで粗くな ったが, CMは浸漬後の変化はなかった. #600では

CA

が白ワイン, CMはリステリンと白 ワインで有意に粗くなった.

5 表面粗さ, 光沢度, 色彩の関係:表面粗さと光沢度に強い逆相関, 表面粗さと明度に弱 い順相関, 光沢度と明度に弱い逆相関を認めた.

[考察と結論]

フィラータイプの異なる

2

種類のコンポジットレジンの研磨後の光沢度, 色彩, 表面粗 さについて検討した結果,圧接面に比較して,#600,#1200,#2000 の研磨面では低い光 沢度となった.飲料物と含嗽剤に浸漬後の

CA,CM

では,圧接面の光沢度は低下したも のの,依然

80%以上の高い光沢度を示していた.色彩は圧接面に比べて,研磨面で明度が

上昇した.飲料物と含嗽剤の浸漬後の

CA,CM

では圧接,研磨面とも明度,彩度,色相 が変化した.表面粗さは圧接,研磨面とも飲料物と含嗽剤の酸やアルコールの影響で粗く なり,

CM

より

CA

の方がより影響を受けた.研磨後の表面粗さと光沢度に強い逆相関, 面粗さと明度に弱い順相関, 光沢度と明度に弱い逆相関があった.

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