マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林香里) 195
マルチメディアを利用した外国語(英語)
読解効果に関する一考察
The Effectivenes of the Use of Videos for Comprehension in English Language Reading
林
香里(Hayashi, Kaori)
After an overview of the relationships of motivation and computer language learning, this
paper analyzed the results of experiments with two groups of Japanese high school students,
100king at the effectiveness of the use of videos for comprehension in English language
learning. In some cases, language learners are influenced by their own culture in which they
perceived themselves, and have difficulties in understanding cross−cultural values andideas.
1.はじめに
かつては英語教育において読解を行う時には一語一句に焦点を当てた読みが重要視されてい た。特に小説や文学を読む時は作者や主人公らの微妙な心理をもらさず丁寧に読みとることが 要求されるため一語一句に焦点を当てた読みがそれに適した方法だと考えられていた。
社会が変わりつつある中で読解もその流れと共に変わりつつある。現社会、日常生活におい ては以上の例に述べたような一語一句に焦点を当てた読みではなく、テキスト全体の内容を大 まかに把握する読解能力も必要とされているのである。又、テキストの内容に関しても時代の 流れと共に変わりつつあり、異文化について書かれているテキストも増えてきている。
更に最近、インターネット、CD−ROM、ビデオなどのマルチメディア1)が学校教育におい
て利用され始めている。英語教育においてもそれは例外ではなく、学校によっては電子メール(E−mail)、インターネットなどを積極的に利用して海外との交流を行い、動機付け、異文化 理解、4技能(リーディング、ライティング、スピーキング、リスニング)の向上の面で大き
な成果が期持され、実践報告も出ている。このインターネットの出現によって要求される読解 力というのも、膨大な情報の中から自分に必要な情報を速く正確につかむという読解であり、
異文化的要素を多く含むテキストの読解も必要となってくる。
この読解が第二言語である場合は当然、母国語に比べて読解が困難であるが、この時にマル チメディアという視覚的媒体を通して得られたヒントがある場合は、単にテキストを読むだけ の場合よりも全体の理解がより正確にうまくできるのではないかと思われる。しかし、視覚的 ヒントを与える時に、その内容が具体的である場合と具体的ではあるが異文化的要素を多く含
む場合とでは、視覚的ヒントを与えた後の全体の内容把握度にどのような差が生じるのだろう か。ビデオが視覚的ヒントとして働き、テキス、トの内容理解が高まるという研究はされている が、ビデオの視覚的ヒントが、テキストの種類によって内容理解にもたらす影響については研 究を要する点である。視覚的ヒントを与えた場合、テキストの種類によってそのヒントが内容 理解度に与える影響を検証することは、今後、扱うテキストの種類に応じて視覚的ヒントの与 え方を理解した上での指導が可能になる。本稿では、マルチメディアと動機付けとの関係、マ ルチメディアと読解活動について述べると共に、読解活動にその内容理解を深めることを目的 としてマルチメディアを利用する場合、テキストの種類によってヒントの捉え方がどのように 異なるのか実験を行い、その結果を考察した。
2.マルチメディアと動機付けの関係
マルチメディアを利用した学習の利点は、第一に学習者の動機付けを高めると考えられてい
ることである。論文2)(Warschauer, M. Motivational Aspects of Using Computers For
Writing And Communication,1996)に実証的データに基づいた研究報告がされている。Warschauer氏が行った調査では、外国語の授業においてマルチメディアの中でもコンピュー タを利用することが、学習者の動機付け(ライティング能力やコミュニケーション能力)に対
してどのような効果を生み出しているのかを実証的データに基づいて明らかにした。コンピ
ュータを媒介にしたコミュニケーション活動では、コンピュータはいわば道具のような存在で あるので、人間と機械とのコミュニケーションというよりは人間と人間のコミュニケーション 活動といえよう。この点において、コンピュータを用いることによってコミュニケーションが より直接的になるといってもよい。そもそもこのコンピュータを道具としたコミュニケーション活動、Computer−mediated communication、(以下、 CMC)を教育的な目的に利用したのは、
母国語の作文の授業でコンピュータ会議を行ったのが始まりであった。その後、その技術がラ イティングをはじめとする他の技能を指導する第二外国語の教師によって利用されるようにな
った。そして、CMC技術の一つに含まれているE−mailを利用することによって、クラス内
だけでなく世界各国の異なる文化を持つ学習者とのコミュニケーションも可能となったのである。
心理的な面からCMCを利用した外国語学習の利点を考えてみると、 CMCを利用した外国 語学習では、学習者の緊張が緩和されるということであろう。つまり、普段、我々が行う face−to−faceのコミュニケーションというよりは、 face−to−face以外のコミュニケーション、
つまり、文字間のコミュニケーションが中心になるので、国籍、国境を越えた人々とのコミュ ニケーションでも緊張を解き放った状態で行えるということである。この点が、学習者の動機
を高める一要因にもなっている。
Warschauer氏の行った調査は、香港、台湾、アメリカの12の大学で学ぶ中級レベル以上で、
ライティング、コミュニケーションの授業を受けているESL/EFL生徒167名を対象として行
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 197
われた。調査を行うに当たって、3つの柱となる質問に基づき統計分析した。その調査によると、
第1の質問では、ライティングとコミュニケーションの授業でコンピュータを利用するにあた って、どのような要因が動機を高めることにつながっているのかという問いであり、その問い に対してコミュニケーション、コンピュータが可能にした点、学習の3つの側面から30の質問 を与え分析した。それらの質問のうち29の質問で平均値よりも高い回答が得られた。高い得点 がついた回答は、コンピュータの使い方を学ぶことは自分のキャリアにとって重要である、自 分自身の書いた文章がプリントアウトされるのを見ることが楽しい、世界各国の人々とコンピ ュータを利用してコミュニケーションすることが楽しい、E−mailは時間を選ばずに学習者の 都合に合わせて利用できる、E−mailやインターネットを利用することで異なる文化を持つ人々
とコミュニケーションが可能である、の5つであった。 Computers help people overcome weakness and powerlessness.3) つまり、直接人と接するよりもE−mailを介してのコミュ ニケーションの方が、緊張が少ないのでコミュニケーションに入っていきやすいのである。特
に日本人は面と向かったコミュニケーションが苦手であると言われているが、コンピュータを 媒介としてのコミュニケーションを導入段階として考えれば、本来のface−to−faceのコミュニ ケーションがうまくいくのではないかという可能性が出てくるのではないだろうか。
第2の質問であった、外国語学習の動機が学習者の持つ背景(タイピング能力、コンピュー タ知識、コンピュータを自宅に所有しているか、コンピュータの経験)によってどのように異 なるかという問いに対しては、結果として、コンピュータ,E−mail,ワープロの経験、タイ プ能力が学習者の動機付けに影響を与えている事を示したが、自宅でのコンピュータ所有の有 無と動機付けの関連性は見られなかった。
第3の質問であった、外国語学習の動機が教師や授業内容によって異なるかどうかの問いに 対する結果は、一般的にコンピュータを利用した外国語学習に対して学習者は積極的な態度を
示すことが示された。
全体をまとめると、外国語学習の動機付けとして最も強い要因は、第一に、クラスメイトや 教師との交流だけにとどまらず、他国の母国語話者との交流を深め、更に、世界各国の人々と の交流も積極的に行っていくことができるという点である。このコミュニケーションの基礎と なっているのは、学習者自身が、あるコミュニティーを形成したい、発想を豊かにしたい、異 なった文化を持つ人々や文化について学び合いたいと考えているからであろう。第二に、外国 語を学ぶことによって個人的な権限、力を増やし、孤独を克服し、人との交流を通して緊張を 最小限に押さえることができるという点である。第三には、学習者はコンピュータを利用する
ことによってより深く、そして個人の学習能力に応じて学習ができるという点である。
そして、コンピュータを利用した語学学習に積極的な態度を示したのは、年令、性別、コン ピュータの経験の有無に関わらず一貫していたという。このことは、コンピュータを利用した コミュニケーションは、時間、場所にも制約されず、文化の壁を越えたコミュニケーションが 可能であるためであろう。更に明らかにされた点は、動機付けが、主に教師の性格がもたらす 生徒への影響によるものではなく、調査で最も低い動機付けを示したクラスというのが、その
クラスでのコンピュータの利用が最も周辺的、付属的であったクラスであったという事である。
これに対して、調査で最も高い動機付けを示したクラスでは、コンピュータによる活動がその クラスの中で統合していたということであった。この場合に最も良い結果が得られるのである。
3.実験
3−1.先行研究
学習者にパラグラフの要約を目的とした読解をさせても、依然としてそのテキストを始めか ら終わりまで訳すのみという場合が多く、テキストの一語一句を理解するという読解活動から
抜け出せない。Omaggio(1979), Bransford and Johnson(1972),の研究で、視覚的ヒント
として、はじめにそのテキストの背景的知識を説明した絵を見せた場合、そのグループの理解 度は、視覚的ヒントを与えなかったグループよりも高かったという結果が出ている。これは、
視覚的ヒントをあらかじめ与えられることによって読み手がそのテキストにふさわしいスキー マを引き出すことができるためである。先行研究から、テキスト全体の内容理解を目的とした 読解活動では視覚的ヒントを利用すると効果的だという点が示されているが、テキストの内容
と視覚的ヒントとの関係については明らかにされていない。
3−2.実険目的
本稿では、二種類の異なったタイプのテキスト(具体的な内容について書かれていて、異文 化的内容を含むテキストと含まないテキスト)を用いた。特に、異文化的内容を含むテキスト と視覚的ヒントとの関係について考えていくことは、時代の流れと共に必要とされている異文 化を理解する態度をより具体的な方法で考えていくことになる。読解を行う際に、内容理解、
語彙理解を深めるという目的でビデオを利用した場合、両テキストの間で、どのような結果が 見られるのか両者の間で比較、検討していきたい。
3−3.被害者について
私立女子高等学校2年生2クラス(計74名)の生徒を対象とした。まず始めに、2クラスが
同じレベルであることを確かめるために、この学校において一・二学期に行われた中間・期末 考査(合計4回)の得点をデータとして用いて両クラスの間で統計的分析を行つた。各テストについては100点満点で、中間・期末考査(計4回)のテストの合計は400点満点である。この 中間・期末考査のテストは、主にリスニング問題、発音問題、文法問題、長文読解から成り立っ ている。各々のグループの度数分布はそれぞれ図1.2のようになった。
更に、各グループに対し統計量を計算し、それぞれ正規分布でないことが示された。又、両
グループの標本数が異なるため、ノンパラメトリック検定4)のManrWhitneyのU検定5)を
用いた。結果は表3を参照。同順位捕正後のP値は「0.4922」で有意水準0.05未満で有意差ありと判断されるため、2クラスの間の成積はほぼ等しいと考えられる。
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 199
1
0
1
0
0 50 100 150 200 250 300
図1 計4回のテストの度数分布表(Aグループ)
350
4000 50 100 150 2∞
250 300図2 計4回のテストの度数分布表(Bグループ)
U値 例数 順位合計
U値棄却値 AB
z値 P値同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数表3A, B両グループに関するノンパラメトリツク検定
620,500 747,500
一.687
.4922 一.687
.4922 7
350
平均順位
400
38
1488,500 39,17136
1286,500 35,7363−4.題材
実験で用いた2種類のテキストのうち、その一つは具体的な内容について述べられているテ
キストである。CNNをテキストとして用いた。ここでCNNを選んだ理由は、まず第一に、
CNNニュースで読まれた原稿と全く同じスクリプトが簡単にインターネットから取り出せる
ということからである。インターネット上でのスクリプトもB付別、ニュースの内容別(政治、経済、世界のニュース、社会、文化、健康)に分類されているので、自分が取り出したいニュー スのスクリプトを簡単に手に入れることができる。又、世界で起きている最新ニュース、情報 をテレビ画面からのみではなく、文字情報としても容易に取り出すことができるという点から である。ニュースのスクリプトがすぐに取り出せるということは、最新のニュースを題材にし ての英語学習が簡単にできることでもあり、幅の広いリーディング学習が可能になる。インター ネットによって国内外の壁を越えた方法で教材が手軽に手に入る時代になった。更に、ニュー
ス番組なので、原稿がナチュラルスピードで読まているということ、CNNのニュースが衛星
第二放送で放送されているので、定期的に録画ができるためである。一回目の実験で扱うニュースの題材(スクリプトについては巻末参照)は、具体的な内容に ついて述べられているテキストで、ニューヨークの街のあちらこちらで見られる煙突が、実際 のところは何が目的で立てられているのかという内容のものである。煙突というと工場の高い 煙突を思い描くが、この場合の煙突はそれとは性質が異なる。
二回目の実験で扱うテキスト(テキストのスクリプトについては巻末参照。)は、異文化的 要素が強い題材で、アメリカ人3人が仕事上でミーティングを行っている。その話し合いの場 で、彼らがいくつかのジェスチャーを伴った発言をしているが、そのジェスチャーがその場面 ごとで、どのような意味を表しているのかということを問いにした。ジェスチャーといった具 体的な内容を扱っていても、ジェスチャーには異文化的要素が多く含まれているので、そういっ
た場合には、視覚的ヒントがどのように働いているのであろうか。以上2種類の性質の異なる
テキストを用いて実験を行った。
3−5.手順
統制群のクラスには、テキストと問題用紙のみを与え、20分の時間を与えた。実験群のクラ スには、はじめテキストと問題用紙を与え、15分の時間を与え、その後、そのテキストに書か
れている文章と同じナレーションで読まれているビデオを2回見てもらい(4分間)、解答が
変わっていれば正しいと思うものを選び直してもらった。更に、その解答を選んだ理由を述べ てもらった。統制群、実験群共に5つの質問を与え、そのうち3問は内容理解に関する問題、残りの2問は語句に関する問題である。多肢選択問題でそれぞれ一問一点として採点を行った。
生徒たちは、実験を行う前に、テキストの内容は全く知らされていない。
3−6.データ分析
上で述べた採点基準に従って2つのグループのテストを採点し、その数値をデータとして分
マルチメディアを利fijした外国語咲語ノ読解効果に関する考察 (林 香里ノ 201
析を行った。2グループ間に統計的な有意差が認められるかどうかを調べるために、ノンパラ メトリック分析、Mann−WhitneyのU検定を用いて検定を行った。
4.結果・考察
4−1.一回目の実験
具体的な内容について述べているテキストに、ビデオをヒントとして加えると、それが視覚 的ヒントとして働くため、テキストを読むだけの場合より内容理解、語彙理解までも深めるこ とができるのではないかと考えた。ここでの語彙理解というのは、テキストの内容全体を理解
するために必要な語彙の理解である。
一回目の実験として具体的な内容について述べられているテキストのみを与えた場合と、テ キストとそれに伴うビデオを見せた場合とで内容理解、更には語彙理解において統計的な違い
は見られるのであろうか。結果、各々のグループの度数分布はそれぞれ図6.7のようになっ
た。
16 14
12
108
6 4 20
0
1
2 3 45 6
図6 統制群の度数分布表(一回目の実験)
14 12
108
6
4
2
0
O
1 2 3 4 5
67
図7 実験群の度数分布表(一回目の実験)
各グループに対し統計量を計算したところ、尖度、歪度の値から、それぞれ正規分布でない
ことが示された。また、両グループの標本数が異なるため、ノンパラメトリック検定の ManrWhitneyのU検定を用いた。全体の結果として、総合点において実験群が統制群を上回 り、ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検定の結果、表8のように同順位補正後
のP値「0.0003」で有意差が認められることを示している。u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数360,000 1008,000
一3.504
.0005 一3.619
.0003 5
統制群 実験群
例数 順位合計
平均順位38
1101,000 28,97436
1674,000 46,500表8 両群(統制群、実験群)の統計分折結果
次に、各質問について検討していく。(各質問事項についてはスクリプト同様、巻末の資料
参照。)実験1の(Q1)においてノンパラメトリック検定で統計的有意差が見られた。表9
参照。(Q1)ではニューヨークの街中で見られる煙突の形を選ぶ問いであるが、ビデオが視
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 203
覚的ヒントとしてうまく働き、読み手がそのヒントを正しく利用したものと考える。
u値
U値棄却値
z値 P値同順位補正後のZ値 同順位補正後のP値
同順位数444,000 924,000
一2.596
.0094 一2.998
.0027 2
統制群 実験群
例数 川頁位合計 平均順位 38
1185,000 31,18436
1590,000 44,167表9 一回目の実険(Q1)についての統計的分析結果
(Q2)では、ニューヨーク市民がその煙突が立てられている理由を知っているかどうかに
ついての問いである。これは、テキストの中でも、 Idon t know. という台詞がいくつか見られるので、統制群、実験群、両グループの間で特に有意差は見られないであろうと予測して
いたが、ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検定を行ったところ、同順位補正後
P値「0.135」で統計的有意差が見られた。結果は表10参照。
u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数576,000 792,000
一1.168
.2428 一2.470
.Ol35 2
統制群 実験群
例数 順位合計 平均順位
38
1317,000 34,65836
1458,000 40,500表10 一回目の実険(Q2)についての統計的分析結果
この問いに対しては実験群では全員の生徒が正解を出していた。よって、ビデオを見たこと
によって、ニューヨーク市民が手振り、身ぶりを多く用いて、 Idon t know. と言っていた
場面が、インパクトの強い視覚的ヒント、音声的ヒントとしてうまく働いたのではないかと考えられる。
(Q3)では(Q 2)を発展させた形の問いで、煙突が立てられている理由を尋ねる問いで ある。正解率では、続制群が実験群をわずかに上回ったが、ノンパラメトリック検定、
ManrWhitneyのU検定を行ったところ、同順位補正後のp値で、統計的有意差は見られなかっ
た。結果は表11参照。この問題で、煙突が立てられている理由については、ビデオの中で学習 者の視覚的ヒントとして働くような場面で述べられてはいなかったためだと考えられる。u値
u値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数613,000 755,000
一.768
.4426 一.898
.3689 2
統制群 実験群
例数 順位合計 平均順位
38 1354
35,63236 1421
39,472表11 一回目の実険(Q3)についての統計的分析結果
(Q4)ではテキストに出てくるイディオムの意味を尋ねる問いであった。得点からすれば、
実験群の方がわずかに正解率が高かったものの、ノンパラメトリック検定、Mann−Whitney
のU検定を行ったところ、同川頁位補正後のP値で、統計的有意差は見られなかった。結果は表12参照。この問いでは to bump into の意味を問うものであったが、ビデオの中で to bump into
と場面とが正確に重なっていなかったため、統計的有意差が見られなかったのではないかと思 われる。
u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数604 764
一.865
.3869 一1.056
2910 2
統制群 実験群
例数 順位合計 平均順位
38 1345
35,39536 1430
39,722表12 一回目の実験(Q4)についての統計的分析結果
(Q5)については、(Q 4)と同様に語彙の意味、 suspicious の意味を尋ねる問いであっ
たが、両群の間で、ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検定を行ったところ、同
順位補正後のP値「0.1210」で統計的有意差が見られた。結果は表13参照。u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数511,000 857,000
一1.871
.0614 一2.307
.0210 2
統制群 実験群
例数 順位合計 平均順位
38
1252,000 32,94736
1523,000 42,306表13一回目の実験(Q5)についての統計的分析結果
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する考察 (林 香里1 205
この問いについては、ビデオの中で、街の至る所で見られる煙突に対して、ニューヨーク市 民が、しぐさ、表情を巧みに使って suspicious と言っていたことから、読み手がうまくヒ
ントを利用して言葉の意味を推測することができたのだと考えられる。
よって、テキストが具体的な内容について書かれていて、内容理解を助けるという目的でビ デオを利用した場合、使われている言葉がビデオの中で適切な状況、視覚に訴えるようなしぐ さ、表情を伴って正確に表現されている場合は、それが内容理解、語彙理解の助けになるが、
そうでない場合には読み手自身が持っている背景的知識に頼らざるを得ない状況になると考え
られる。
4−2.2回目の実験
一回目の実験が具体的な内容について述べられているのに対し、2回目の実験では、異文化 的要素を多く含んでいるテキストの場合、ビデオが視覚的ヒントとしてどのように働くかを調 べた。各グループの度数分布表は図14.15となった。又、各グループに対し統計量を計算した
ところ表16.17のようになった。尖度、歪度の値から、それぞれ正規分布でないことが示され、
又、両グループの標本数が異なるため、ノンパラメトリック検定のManrWhitneyのU検定
を用いた。全体の結果として、総合点において実験群が統制群を上回っていたが、同順位補正 後のP値「0.6530」で統計的有意差が見られなかった。表18参照。14 12 10 8
6
4 2
00 1 2 3 4
56
7図14統制群の度数分布表(二回目の実験)
14
12
10
8
b
4
2
0
0
12 3 4
図15 実験群の度数分布表(二回目の実験)5
6平均
標準偏差 標準誤差 例数 最小値 最大値 欠測値の数 分散 変動係数範囲 合計 平方和
相乗平均 調和平均歪度 尖度 中央値
四分位間の範囲 最頻値
10%調整平均 中央絶対偏差
tota1
3,000
1,188
.201
35
0,000 5,0000 1,412
.396 5,000
105,000 363,000一.640
㍉083
3,0001,750
3,000 3,0691,000
表16 統制群の統計的分析表
(二回目の実験)
平均
標準偏差 標準誤差 例数 最小値 最大値 欠測値の数分散
変動係数範囲 合計 平方和
相乗平均 調和平均歪度 尖度 中央値
四分位間の範囲 最頻値
10%調整平均 中央絶対偏差
tota1
3,194 1,064
.177
36 1,000 5,000
01,133
.333
4,000 115,000 407,0002,990 2,74ユ 一.105 一.540
3,000L500
3,000
3,2001,000
表17 実験群の統計的分析表
(二回目の実験)
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 207
u値
U値棄却値
z値 P値同順位補正後のz値 同順位補正後のP値 同順位数
592,500 667,500
一.431
.6663 一.450
.6530 5
統制群
実験群
例数 順位合計
平均順位38
1333,500 37,04236
1222,500 34,929表18両群(統制群、実験群)の統計的分析結果
次に、各質問について検討していく。(Q1)ではビジネス上のミーティングで、登場人物 の一人がその企画に賛成か、反対か、どちらでもないかを問う問題で、正解率は実験群が91.7%、
統制群が82.3%で統制群を上回ったが、ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検
定を行ったところ、統計的有意差は見られなかった。結果は表19参照。これは、 Ithink it sagreat idea という(Q 1)の問題を考えるにあたって重要となる言葉が、ビデオの中で表情、
感情を伴って表現されていなかったため、その表情と Ithink it s a great idea という言葉を
うまく結びつけることができなかったのでないかと思われる。u値
U値棄却値
z値 P値同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同川頁位数
574,500 685,500
一.638
.5233 一1.108
.2680 2
統制群
実験群
例数 順位合計 平均川頁位 36
1351,500 37,54235
1204,500 34,414表19 二回目の実験(Q1)についての統計的分析結果
(Q2)では、 To lean back in one s chair 、この動作が何を暗示しているかという問い
である。この問いでは統制群と実験群でかなりの差が出るのではないかと予測したが、ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検定を行ったところ、同順位補正後のP値で統計
的有意差は見られなかった。結果は表20参照。u値
u値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数510,500 749,500
一1.374
.1693 一1.792
.0731 2
統制群 実験群
例数 順位合計
平均順位36
1415,500 39,31935
1140,500 32,586表20 二回目の実験(Q2)についての統計的分析結果
この理由として、選択肢b(The person is relaxing.)を選んだ生徒が多かったことから、
普通、椅子にもたれ掛かる時はくつろいでいる、又はくつろぎたい時であり、ビジネス上の話 し合いの場でもたれ掛かって座る行動に対して、相手には失礼に当たるという日本文化的とも いえる発想が無意識のうちに働いたためだと思われる。実際に選択肢bを選んだ生徒でそのよ
うに述べていた生徒が多数であった。つまり、そこでの文化、状況、場面を考えず、自国の文 化的価値観で内容をとらえてしまったためだと考えられる。
(Q3)では、登場人物の一人が企画をまとめるのにもっと時間が欲しいと言った理由はな ぜかを尋ねる問いで、ノンパラメトリック検定、ManrWhitneyのU検定を行ったところ実
験群と統制群で、同順位補正後のP値において統計的有意差は見られなかった。結果は表21参 照。この理由としては、ビデオの中で視覚に訴える場面として映し出されていなかったという こと、適切な場面を伴った上での会話ではなかったためだと考えられる。u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同川頁位数
593,000 667,000
一.426
6704
一.883
3771 2
統制群 実験群
例数 川頁位合計 平均順位
36
1333,000 37,02835
1223,000 34,943表21 二回目の実険(Q3)の統計的分析結果
(Q4)では(Q 2)と同様に the person sitting with open legs この動作が何を暗示して いるかという問いである。ノンパラメトリック検定、Mann−WhitneyのU検定を行ったとこ ろ実験群と統制群で、同順位補正後のP値において統計的有意差は見られなかった。結果は表22
参照。
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 209
u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数620,000 640,000
一.115
.9084 一.134
.8935 2
統制群 実験群
例数 順位合計
平均順位36
1286,000 35,72235
1270,000 36,286表22 二回目の実験(Q4)の統計的分析結果
ビデオを見て選択肢a(to agree)を選んだ生徒は、登場人物の表情から賛成だと予測した
のであろうと思われるが、選択肢c(The person is tired to be sitting.)を選んだ生徒の理 由をまとめると、(Q2)と同様に脚を広げた状態で座るという動作をするのは疲れた時、緊
張の糸が切れた時であり、ビジネス上のミーティングの場で、まして女性が脚を広げて座るの
は考えられない事であり、礼儀知らずで、行儀が悪いという日本文化的な発想でとらえてしまっ
たためだということになる。
(Q5)では due の意味を尋ねる問いである。ノンパラメトリック検定、 Mann−Whitney
のU検定を行ったところ、実験群と統制群で同順位補正後のP値において、統計的有意差は見
られなかった。結果は表23参照。
u値
U値棄却値
z値 P値
同順位補正後のz値 同順位補正後のP値
同順位数550,500 709,500
一.914
.3605 一1.057
.2907 2
統制群
実験群
例数 順位合計
平均順位36
1216.5 33,79235
1339.5 38,271表23 二回目の実験(Q5)の統計的分析結果
ビデオの中でこの due が使われている場面を見ると、視覚的ヒントとなる場面ではなかっ たため、この問いに対しては、 due をテキスト全体の流れから予測できたかどうかで解答に 差が出たのではないかと考えられる。
5.まとめと今後の課題
一回目の実険では、具体的な内容について述べられているテキストを利用したが、一回目の 実験から考えられることは、ビデオを長文読解に利用する場合に、そのテキストが具体的な内
容について述べられていて、適切な場面でその場面に即した言葉が話され、かつ、ビデオが視 覚に訴える、インパクトの強い場面がある場合には、ビデオが内容理解、語彙理解の助けとな
るということである。
一回目の実験、(Q1)では、統制群と実験群の間で有意差が認められた。この理由として、
事物の形を尋ねる問いでは、テキストを読むだけの場合よりも、そのテキストに描かれている
事物がビデオの中で明確に、視覚に訴える形で映ったためだと考えられる。(Q2)において
も統制群と実験群の間で有意差が認められた。煙突が立てられている理由を知っているかいな いかを尋ねる問いであったが、テキストの中にも Idon t know という言葉が書かれていたの にも関わらず、両群の間で有意差が認められたという事は、 Idon t know という言葉が発せ られた場面が、表情、手振り、身ぶり、明確な発音を適切に伴っていたためだと考えられる。文字だけでは認識されにくい事項が、ビデオの中で、適切な場面、状況と共に使われたため理
解ができたのであろう。(Q3)では、煙突が立てられている理由を尋ねる問いであるが、続
制群と実験群の間で有意差は認められなかった。その理由として、ビデオの中では理由が述べられている場面と言葉がうまく重なっていなかったことが考えられる。(Q4)のにおいても、
正解率からすれば、実験群が統制群を上回っていたものの、統計的に有意差が認められなかっ
た。理由として、 To bump in・to と場面がうまく重なっていなかったということ、選択肢C
(to hit something)のhitをぶつかると捉えるよりも打つと捉えたためだと思われる。(Q 5)
は suspicious の意味を尋ねる問いで、今までの授業の中では未学習の語彙であったにも関わ らず、統制群と実験群の間で有意差が認められたのは、 suspicious という言葉が発せられる 場面が、発話者の表情、しぐさを十分に伴ったものであったため、それが学習者にとって有効 なヒントとなり、意味の予測ができたのだと考えられる。
この実験から、具体的にその言葉が、状況、場面、身ぶり、手振りを適切に伴った、視覚に 訴えるような形で使われている場面を利用するとテキストのみの場合より理解が深まるという
ことが言えるであろう。
次に、二回目に行った実験では、異文化的内容が多く含まれているテキストを用いた。
(Q1)では、正解率において実験群が統制群を上回ったが、統計的有意差は見られなかった。
その理由としては、(Q1)では I think it s a great idea が正しく理解できるか否かによって、
正解が異なってくるが、このビデオの中で Ithink it s a great idea が使われていた場面が比
較的インパクトが少なく、適切な表情、しぐさ、を伴った中で発せられた言葉ではなかったためだと思われる。(Q2)、(Q4)では、異文化の内容を理解していく上で重要な指針となる
結果が見られた。この問いでは、sTo lean back in one s chair と the person sitting with open legs の理解を尋ねたが、統計的分折結果より、同順位補正後のP値において、統制群、
実験群で有意差が認められなかった。ビデオを見ても、内容を理解する過程で、無意識のうち に自国の文化的価値観で捉え、自国の文化的価値判断で理解してしまう傾向があるのではない
かという事である。実際、(Q2) To lean back in one s chair の問いでは、選択肢C(The
person is tired.)を選んだ生徒が多かったことから、そもそも椅子にもたれ掛かって、脚をマルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里) 211
組んだ状態で座る時はリラックスする時であり、仕事上の大切な話し合いの場で、その様な格 好はすべきではないという、日本文化的とも言える発想が先に働いたためだと考えられる。(Q
4) the person sitting with open legs の問いについても同じように、選択肢C(The per−
son is tired to be sitting.)を選んだ生徒が多かったことから、脚を広げた状態で座る時は、
リラックスしている時、緊張の糸がほぐれている時であり、まして女性が、仕事上の話し合い をしている時にその様に振る舞うことは、考えられないという日本文化的ともいえる発想が働 いためだと考えられる。異文化を理解をする過程において自国の文化的価値観が抜けきれず、
自国の文化的価値観でもって判断してしまっているのである。(Q3)においては、言葉と場
面とが微妙にずれていたため、有意差が認められなかったのではないかと思われる。(Q5).では、 due の意味を尋ねる問いであるが、両群において有意差は認められなかった。この理 由として、視覚的ヒントとなるような場面ではなかったこと、テキスト全体の流れからしても、
選択肢a(lt is too late for the next week.)ではなく、選択肢c(The work must be com−
pleted by the next week.)であると言い切る事は困難ではなかったかと思われる。
これらの結果から、異文化の内容についての読解を行う時には、自国の文化的価値観に当て はめて読み進めていくのではなく、異文化を異文化の尺度でとらえていく姿勢が必要とされる であろう。Smith 6)が述べているように、読解を行う場合は適切な予測ができるかどうかが 問題になってくるが、それよりも前に、そういった異文化を異文化の尺度で捉えていくという 姿勢そのものが読者に備わっていなければ、自国の文化的価値観でもって理解、判断をしてし まって、正しくテキスト全体の内容を理解できないのである。更にこれは、その国に関しての 文化的知識の有無の問題と言うよりは全ての人間が全ての国の文化について熟知しているわけ ではないことから考えても、異文化的内容についての読解を行う場合の態度、姿勢の問題であ ろう。これは異文化を持つ人々との理解を深めるにあたっての態度、姿勢と重なる部分である。
今回行った実験はあくまでも短期的な実験であり、初期の段階でもあるため、二つの実験に おいて実験群と統制群の間で、統計的有意差が認められなかった部分の解釈が明確ではない。
しかし、異文化的内容について述べられているテキストを用いる場合、長期的な視点に立って 考えれば、マルチメディアの利用は動機付けの面から考えても効果があるので、このような活 動を長期的に繰り返し行い、なぜある場面で解釈を間違ったのか、どう捉えるべきだったのか について丁寧に押さえていくことにより具体的に、より正確に異文化を理解する姿勢を身につ けていくことができるのではないか。このようにして身につけた姿勢は、異文化を持つ人々と コミュニケーションを行う時にも必要な姿勢である。
今までの研究では、視覚的ヒントと、読解との関わりを考えた時に、異文化のテキストを用 いた場合の理解度については詳しく述べられていなかった。しかし、この異文化の内容を扱う ことこそ、むしろこれからの英語教育で具体的に考えていかなければならない問題であり、読 解にマルチメディアを利用することが、長期的な視野にたって考えれば、読解とマルチメディ
アとの関わりだけでなく、異文化理解に必要な姿勢、自国の文化的尺度に全てを当てはめず、
お互いの文化を尊重し合う姿勢を身につけるという点で重要な役割を担っているのだと考え
る。
注
1)マルチメディアの言葉の定義は多様で明確ではない。このため日本では、マルチメディアと聞いてすぐに インターネットと答える人が多い。マルチメディアの定義は様々なところで多様な解釈がとられているが、
基本的にマルテメディアとは、テキスト・音声・グラフィックス・動画を複合して扱う情報システムである と理解しておくことにする。マルチメディアの中の一つにインターネットが含まれているのである。
2)Mark Warschauer, Motivational Aspects Of Using Computers for Writing And Communication, Telecot−
laboratimt in foreiglt lauguage teanτing.1996, pp,29−46 University of Hawii Press)
3)Mark Warschauer, Motivational Aspects Of Using Computers For Writing And Communication. Tetecol−
laboratiort ilt foreign lauguage leanting.1996, pp,29−46 University of Hawii Press)
4)ノンパラメトリック検定は、母集団の分布の様式を限定しないデータに対して適用され、「分布に依存しな
い検定法(Distribution free tests)」とも呼ばれる。標本が正規分布に従っていないことが明らかなデータ、
標本数が比較的少なく正規性を確認できないデータ、順序変数であるデータを扱う場合に用いられる。これ に対し、T検定、分散分析などの検定はパラメトリック検定と呼ばれ、母集団が正規分布に従っていない標
本や正規性を確認できない標本に対して、パラメトリック検定を用いることはない。
5)Mann−WhitneyのU検定(Wilcoxonrank−sum test)とも呼ばれでいる。パラメトリック検定のt検定(対 応のない2群)に相当する,データの評価が順序変数なので、ノンパラメトリック検定の適応となる。対応 のない2群間の比較の代表的な検定法である。
6)Smith.F.1988 Understanding Reading,4th ed. New York:Holt, Rinehart and Winston. p.17,28−29,
152−153
(一回目の実険に使われたテキスト)
ADifferent Story:New York City s Smoke Stacks Are Loved and Hated
A:Oh. New York is just a hot kind of town. Sometimes it s just downright steamig.
Bl But as CNN s Jeanne Moos discovered、 the way New York lets off its steam is a different story.
C:Compared to a genuine smokestack. they don t quite stack up. But something s cooking on the streets of New York.
D:1ピsblowing our way.
E:What is it?What is it?
F:1s there a high−rise fire spewing smoke? Should somebody call the fire department?Nah, the fire de−
partment just ignores these things. So do most New Yorkers, who have more important things to look out for. What do you think they re for?
G:ldon t know. I don t care.
F:And those who do notice them seem suspicious.
G:Itry toavoid them ifIcan.
F:What do you think that is?
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里)
213
H:Very bad.
1:Imean. it doesn t exactly look kosher.
F:Of course it s not kosher. 1ピs a steam stack, not a pickle.
j二presently, we have 22 steam stacks in the city.
F:One for every water main or steam pipe steak. The stacks vent excess steam to avoid damaging the pipes. So, you never know where a nine−foot orange and white striped stack will pop−up−right in the middle of the street, forcing traffic to choose sides−not to mention pedestrians, who tend to be foggy about what they re passing, and passing through.
E:Ifigure there s some mysterious reason that they must be there.
F:Do you think there s anything wrong?Should we be worried?
G:1 ve sometimes thought about that.1mean, what if they exploded or something?Idon t know. That s a
good question.F;But Coned says they are no danger to us. We re more of a danger to them.
K:Sometimes the cars, they bump into that.
F:Some thanks. After all, the stacks are meant to vent the steam high enough so it won t obstruct the view of motorists, of burn pedestrians. Do you smell them?
L:Yes. F:Do you smell it now?
M:Uh−huh.
N:Idon t know. I don t smell nothing.
F:It smells like ironing. The steam stacks stay in place until Coned is able to excavate and fix the leak.
oh I think iピs uniquely New York.
F:And while they don t yet rival the Empire State Building on sightseeing tours, movie makers sometimes ask the steam department to intentionally open valves. The crime show, Michale Hayes recently featured a steam stack designed to give the scene that money New York look.
P:They look like Dr. Seuss hat.
F:Inever thought of that. They do kind of look、 Dr. Seuss hat.
So the next time you see smoke coming from these stacks, remember it s the same stuff you see when you
iron your stacks. But Coned doesn t cut them any stack. While the city s real smokestacks are rare−ly puffing, these guys are constantly blowing their stacks. If you think New Yorkers fume, wait
till you see the streets.(一日目の実験に使われた問題用紙)
ADifferent Story:New York Citゾs Smoke Stacks Are Loved and Hated
(Question No.1) Compared to a smokestack that you know, smokestacks in New York are:
(a)long (b)short (c)wide
(Question No.2) Do people in New York know the reason for those for those smokestacks?
(a)Yes, they do. (b)No, they don t.
(Question No.3)Why are there smokstacks?what are they for?
(a)not to damage the pipes (b)to keep the city clean (c)to avoid traffic accidents
(Question No.4)What s the meaning of bump into ?
(a)to stop (b)to jump (c}to hit something(Question No.5)What s the meaning of suspicious ? (a)mysterious (b)clear (c)hapPy
(二回目の実験で使われたテキスト)
Mary:So anyway、 thaゼs the plan. What do you guys think?
Todd:Ithink iピs a great idea. lt s creative....original...」think it s just what we re looking for.
Mary:What do you think, Susan?W川it work?
Susan:Yeah、 I think it sounds pretty good.
Narrator:By leaning back in her chair、 it appears that this person is showing extreme resistance to what
is being said.Mary:Is there anything that we haven t discussed or might have missed?
Mary:WeH, this looks really good. I guess all we need to talk about now is the schedule.
Todd:Let s see....I could have the designs done by the end of next week.
Mary:Could you have the copy ready by then?
Susan:Ithink so.
Narrator:This non−verbal behavior may indicate that this person is not accepting what is being said.
Mary:Are there any other projects you re working on right now?
Susan:WelL mainly there s the Johoson proposal. Thaピs due next week....
Mary:So, what you re saying is that you wouEd like some more time to work on this project.
Susan:Yeah. I think I could give▲t more attention if I had a little more time,
Narrator:Open legs is usually a strong indication of acceptance.
Manr:WelL lets do that then. Would another week be enough time?
Susan:That woutd be perfect!
Manr:Great!
(二回目の実験で使われた問題用紙)
Question No.1 Does Todd agree with the plan?
a. Yes. He think it is a great. b. No. He dose not agree.
Question No.2 a. The person
c. No. He is not interested.
what is the meaning of leaning back in one s chair?
is against. b. The person is relaxing. c. The person is tired.
Question No.3 Why does Susan need more time to work on the project?
a. Because she doesn t like the people at the office. b、 Because she wants to give more attention to the project. c. Because she is a woman.
Question No.4 a. To agree
Question No.5
What is the meaning of the person sitting with open legs?
b. To disagree c. The person is tired to be sitting
a. 1t is too late
pleted by the
What is the meaning of
for the next week. b.next week.
That s due next week ?
It is too early for the next week. c. The work must be com一
マルチメディアを利用した外国語(英語)読解効果に関する一考察 (林 香里)
215
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