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雑誌名 鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科紀要

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(1)

高校生の友人関係とコミュニケーション、いじめ経 験、自尊感情との関連 : [修士論文要旨]

著者 重廣 奈緒子

雑誌名 鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科紀要

号 9

ページ 34‑35

発行年 2014‑03‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1116/00000342/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

〔 修 士論 文要 旨〕

問題・ 目的

近年 ,い じめの深亥 1化 が指摘 されてお り ,い

め支援 に繋が る知見が必要 とされ ている。

い じめ と関連す るもの として ,友 人関係 の変化 が挙げられ るの従来 ,小 学生で見 られ るギャング・

グループや 中学生で見 られ るチ ャム・ グループの 仲 間関係 内の異質性 の排 除がい じめに繋が り, ピ ア・ グル ープの高校生は異質性 を認 める事ができ る為にい じめは起 こりにくい とされてきた (保 坂・

岡村 ,1986)。 しか し ,現 代 の 高校 生 はチ ャム・

グルー プの特徴 が見 られ る とされ (保 坂 ,2010), 高校生 のい じめの心理的背景は従来 とは異なつて い ると考 え られ る。

さらに ,現 代 の中学生の友人 との付 き合 い方 は メデ ィア を通 して身近 にい るこ と (高 石 ,2006) とされていることか ら ,情 報媒体の使用がチ ャム・

グループに特徴的な密着性 に強 く関与 しているこ とが注視 されている。

加 えて ,メ ール ,イ ンターネ ッ ト ,LINEを 使 っ たい じめが報告 され てお り (文 部科学省 ,2011な

ど ),友 人関係 ,い じめ ,情 報媒体 を使 った コ ミュ ニケー シ ョンのあ り方の関連が考 え られ る。

また ,友 人関係 とい じめ経験 の双方 と関連す る もの と して 自尊感 情 が挙 げ られ て い る (小 塩

,

1998;山 本 ,2007)。

これ らのことか ら本研究では高校生を対象 とし

,

友人関係 の捉 え方 に加 え ,性 差 を踏 まえ ,コ ミュ

ニケー シ ョン頻度 ,い じめ経験 ,  自尊感情 との関 連 を検討す る ことを 目的 とす る。

方法

研究 対 象者  A公 立 高校 の 1,2年 生 を対象 と し て 質 問紙調 査 を行 い ,374名 (男 子 141名 ,女 子 224名 ,不 明 9名 )の デー タを回収 し ,回 答数 か ら 370名 を分析 の対象 とした。

調査 日時  2013年 7月

手続 き   調査 の実施や 内容 について ,事 前 に指 導教員 を通 して高校 の担 当者 と調整 を行 った。

高校 生 の友 人 関係 とコ ミュニ ケー シ ョン,い じめ経験 ,自 尊感情 との関連

重 廣 奈 緒 子

倫理的配慮   協力 は任意であ り匿名 であること な どを紙 面 にて説 明 した。質問紙の配布・回収 は 高校 の教員 を介 して行 い ,回 答 が見 られ ない よ う 封筒 に入れ封 をす るよ うに した。い じめ経験の質 問は ,「 過去に経験 した友人関係の トラブル」 とし

,

協力者 の精神的負担 にな らない よ うに配慮 を行い

,

回答 は強制 でない こ とを再度紙 面に記載 した。

質問紙の構成   ① フェイ ス項 目 :学 年 ・′ l■ 別② 情報機器 に関す る質問③友人の属性・ 関わ り方

:

3名 の親 しい友人の ,性 別 。年代・属性・ 直接話 す頻度 。メール ,LINE頻 度 の選択 ,仲 の良 さの 順位付 け④心理的距離尺度 (10項 日 ):金 子 (1989) が作成 した ものを石本 ら(2009)が 4件 法 に変 えた もの⑤ 同調性 尺度 (9項 目 ):石 本 ら(2009)が 先行 研 究 を参考 に項 目数 を加 え4件 法で作成 した もの

⑥ 内的作業モデル尺度 の うちア ンビバ レン トに該 当す る下位 尺度 :詫 摩・ 戸 田 (1988)の 成人愛着 内 的 ワー キ ングモデル の うち ,該 当す る6項 目⑦ い じめ経験 :文 部 科学省 (2011)の 「い じめの態様 J

の 12項 目に ,LINEな どに関す る4項 目を追加 し 作成 した計 16項 目。「目撃 した事 が ある」「した 事 が あ る」「され た事 が あ る」 の経験 の内 ,該

す る内容 の選択⑧東京都版 自尊感情尺度 :伊藤・

若本 (2010)の 22項 日 ,4件 法か ら成 る尺度 を用 い た。

結果 と考察

1)性 差との関連

い じめ経験  /2検 定 の結果 ,「 目撃 した ことが あ る加 害 性 の 高 い い じめ J(χ 2(1)=17.19, p<.001;卜 4.15,メ .01),「 目撃 した こ とがある LINEを 使 った関係性攻撃 (ノ (1)=6.69,メ .05;

卜2.59,メ .01),「 した こ とが あ る加 害性 の高 い い じめ」 (χ 2(1)=11.67,メ .001;卜 3.42,メ .01),

「した こ とが ある直接 的な関係性攻撃」 (/2(1)

=10.86,メ .001;卜 3.29,〆 .01)の 全てにおいて

,

「経験がある Jの 回答者 は男子 に多 く ,「 無 回答」

の者 は女子 に多かつた。

‑34‑

(3)

心 理 的距 離   ι 検 定 の結 果 ,女 子 は男 子 よ りも 得 点 が低 く ,心 理 的 距 離 が 近 い こ とが 示 され た

(ι (355)=5.94,Iメ .001.)。

同調 性   鹸 定 の結 果 ,有 意 差 は見 られ なか った

(̀(254)=1.55,  .s.)。

ア ン ビバ レン ト   鹸 定 の結 果 ,有 意 差 は見 られ なか つた (ι (358)=1.54,コ .s.)。

順 位 づ け  /2検 定 の結 果 ,有 意 な差 は 見 られ なか った (χ 2(8)=12.28,コ

.s.)。

実 際 に話 す 頻 度   χ 2検 定 の結 果 ,有 意 な差 が

見 られ (χ 2(4)=29.89,〆 .001),「 顔 を合 わせ

るた び Jに お い て 女 子 が 多 く (卜 4.59,メ .01),

1日 に1〜 2回 程 度 J(″ 3.53,〆 .01),「 2〜 3日 に 1回 程 度 J(卜 2.26,メ .01),「 1週 間 に 1回 程 度 J

(卜 2.79,メ .01)に お い て 男 子 が 多 く ,女 子 の 方 が男 子 よ りも親 しい友 人 と実 際 に会 って話 す頻 度 が高 い結 果 とな った。

LINE利 用 頻 度   χ 2検 定 の結 果 ,有 意 な差 は 見 られ なか った (χ 2(4)=3.41,r.s.)。

自己評 価   赦 定 の結 果 ,女 子 の方 が男 子 よ り も 有 意 に 得 点 が 高 い 結 果 と な っ た (ι (228)

=3.02,P<.01.)。

自己決 定 力   ι 検 定 の結 果 ,有 意 な差 は見 られ

なか つた (ι (234)=.62,コ .s.)。

自己受 容   ι 検 定 の結 果 ,有 意 な差 は見 られ な か つた (ι (349)=.59,12.S.)。

これ らの こ とか ら ,コ ミュニ ケー シ ョンにお い て女 子 は親 密性 を求 め直接 話 す 頻度 が多 くな る と が考 え られ る。 白尊感 情 の 自己評価 は女子 が高 く な り ,先 行研 究 と異 な る結 果 とな つた。 い じめ経 験 で は ,男 子 は加 害性 の高 いい じめが女子 よ りも 多 く ,先 行研 究 と一 致 した。

2)友 人 関係観 群 との 関連

友 人 関 係 観 群 の 抽 出   心 理 的 距 離 ,同 調 性

,

ア ン ビバ レン トよ り ,友 人 関係 の捉 え方 を 「友 人 関係 観 」 と し類 型 化 した結 果 ,「 尊 重 ・ ア ン ビバ レン ト低群 J「 尊重・ ア ン ビバ レン ト高群」「密着 ・ ア ン ビバ レン ト低 群 J「 密 着 ・ ア ン ビバ レン ト高 群 」「孤 立 ・ ア ン ビバ レン ト低 群 」 の 5群 が抽 出

され た。

性 差  /2検 定 の結 果 ,3群 に有 意 な性 差 が 見 ら れ (χ 2(4)=17.39,メ .01),「 尊 重・ アンビバ レン

高校生の友人関係 とコミュニケーシ ョン

,い

じめ経験

,自

尊感情 との関連   重廣奈緒子

卜低群」 (卜 2.14,メ .05)と 「密着 。アンビバ レン ト低群 」 で は女子 の方 が多 く (卜 2.67,〆 .01),

「孤立・アンビバ レン ト低群 Jで は男子 の方 が多 い (卜 2.52,メ .05)こ とが示 され た。

い じめ経験   χ 2検 定 の結果 ,「 され た こ とが あ る加 害性 の高いい じめ J経 験 は (/2(4)=11.97, メ .05),孤 立・ ア ン ビバ レン ト低群 で 「無回答」

の者は 「されたことがある Jと 回答 した者 よりも有 意に多 く (卜 3.15,メ .01),「 された ことがある直接 的な関係性攻撃」経験 は (χ 2(4)=9.96,メ

.05),

密着 。ア ンビバ レン ト高群で 「された ことがある」

と回答 した者 が 「無回答」の者 よ りも有意 に多い

(← 2.71,〆 .01)こ とが示 された。

順位 づ け  /2検 定 の結果 ,有 意 な差 は見 られ なかった (/2(28)=24.71,n.s.)。

実際 に話 す頻 度   χ 2検 定 の結果 ,有 意 な差 は 見 られ なかつた (/2(16)=22.27,n.s.)。

日 NE利 用頻度   χ 2検 定 の結果 ,有 意 な差 は見 ら

れ なかった (/2(16)=21.24,n.s.)。

自己評価   一元配置分散分析 の結果 ,有 意 な差 は見 られ なかった (F(4,317)=.67,n.s.)。

自己決定カ   ー元配置分散分析 の結果 ,有 意 な 差は見 られ なか つた (F(4,317)=1.12,n.s.)。

自己受容   一 元配 置分散 分析 の結果 ,密 着 。

ア ン ビバ レン ト高群 よ りも密着・アンビバ レン ト 低 群 の 自己受 容 が高 か った (F(4,317)=2.98,

Pく

.05)。

これ らの ことか ら ,孤 立群 は加害性 の高いい じ め被害を経験 しやすい可能性 が考 えられ る。密着 高群 では ,ア ン ビバ レン トの高 さが直接的な関係 性攻撃の被害経験 と関連 し ,加 えて ,密 着 した友 人関係 において ,ア ン ビバ レン トな心性 が 自尊感 情 に作用 してい ることが明 らか となつた。

総合考察

臨床心理的学意義   い じめ支援 に繋が る知見 と して ,孤 立 しア ン ビバ レン トの低 い友人 関係観 を 持つ者 の よ り深刻 ない じめを経験す る可能性 の予 測や ,過 去のい じめ経験 による潜在的な リスクの 把握 が可能 とな る。密着 した友人関係観 を持つ者 は ,ア ン ビバ レン トな心性 に着 目す ることで 自身 への肯定的な感情の維持・向上に繋がることが考 え られた。

‑35‑

参照

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