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祖 父 母 同 居 親

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(1)

子 ども と老 人

:幼 児教育 におけ る祖 父母 の役割

今野和夫 (教育学部特殊教育研究室 )

TheChildandtheOld

:TheRoleofGrandparentsinEarlyChildhood Education

KazuoKonno

1. は じ め に

高度経済成長を引き金 とす る核家族の急激な進行 (三世代家族 の急減)(1)によ りもた らされた 様 々な問題のひ とつ と して,発達の過程 において老人,特 に最 も身近な存在 たる祖父母 と深 く関 わ る経験 を奪われた,いわば 「老人を知 らず に育つ子 ども」の増加 を指摘す ることがで きる(2 一方,三世代家族 内において も,家父長制度の崩壊,母親の就労意欲の高ま り,乳幼児教育施設 の不足,親子関係の密着化,子 ども最優先の家庭運営等 により,老人 と親の関係 は もちろん,老 人 (祖父母) と子 ども (孫 )の関係 も大 きな変容を遂 げつつあると思 われ る。

ところで,60才以上の老人が全人 口の約20%を占める本格的な高齢化社会の到来を眼前に控え, 今 日, いわゆ る老人問題が盛んに論 じられている(3日 4)。年収 ・居住水準 ・就業 ・家族関係 ・健康 な どの生活構造 ・生活問題 に関す ること,年金 ・社会保障 ・医療制度 などの福祉施策 に関す るこ と,老人の心理 ・生 き方 ・生 きがい とい った精神面 に関す ること,重い病気や障害ゆえにとりわ け弱い立場 にある老人 に対す る処遇 (看護 ・医療面を含めて)の在 り方 に関す ること‑‑‑老人問 題 の中味 は実 に多様であ り, そのいずれ もが, より深い検討 と改善を早急 に必要 と してい る。

老人問題 は,一般 に 「老人の側」の問題 としてのみ捉 え られがちである。あ るいは, それに関 す る論議 において, とか く老人 は,他の若 い世代か ら孤立 し同時 に若 い世代か らの よ り一層の同 情 と施 しを乞 うてい る存在 と,見な されがちであ る。 これ らの傾向か らもた らされ るの は,老人 の人権 ・人間性 を無視 し,老人問題 を物質的 ・経済的援助のみ によって対症療法的ない し表面的 に解決 しよ うとす る姿勢である。老人問題 に関 して,筆者 は,子 どもを含 むすべての世代が, そ の問題 の真の解決 に向けて一定の役割 を担 ってい ると考 え る。現代の子 どもは未来の老人で ある が,その前 に,老人問題 の解決 にとり最 も大 きな役割を持つ成人期を通 る。その時,彼 らは,老 人を社会的 にどの よ うな存在 と考 え, どの ような価値観 ・人間観 に基づいて老人 に対処す るのだ ろ うか。 こう考 え ると,子 どもと老人 とのパ イプ役 と しての成人 (親や教師)の責任 は甚大であ る。そ して,彼 らが現在良 きパ イプ役 とな り得ているか,換言す ると,彼 ら自身が老人 に対 しど のような意識を持 ち, どの ような態度を示 してい るか とい った点が,即刻問われ るべ き課題 と し て浮か び上 る。老人 に対す る子 どもの意識 ・態度の形成 に重大な影響 を及ぼすの は,老人 に対す

‑ 42

(2)

る成 人 自身 の意 識 ・態 度 で あ る。 ちなみ に, 我 が国 で は9月15日が敬 老 の 日 とされ ,幼 稚 園 や保 育 園 で も様 々な行事 が行 な われ るが,子 ど もを含 む若 い世 代 が老 人 を敬 わ な けれ ばな らな いの は なぜ な の か, 老 人 の何 を本 当 に敬 うべ きなの か, 子 ど もた ち に老 人 につ いて の理 解 を深 め させ る に は どの よ うな指 導 が必 要 なの か とい った点 が,どれ ほど考 慮 されてい るのだ ろ うか 。と もあれ, 現代 の成 人 に とって は, 自 らの老 人 観 を厳 しく見つめ直す こ とが不可 欠 な 時期 にあ ると思 われ る。

2.日的 お よび 方 法

老 人 との関 わ りを深 め る経 験 を持 つ こ とは子 ど もの発達 に と り不可 欠 との 見地 よ り, 子 ど もと 老人 との関 係 を め ぐる我 が国 の今 日的 問題 を明 らか に し, か つ, 子 ど もと老人 との関 わ りの望 ま

しい姿 につ いて具体 的 に追 求 して行 き たい。

その第 一歩 と して, 本 研 究 で は, 社 会 にお け る子 ど もと老人 との関係 の縮 図 と も言 え る家庭 内 での 幼 児 と祖父 母 との関係 に焦点 を 当 て, 現在 彼 らの 問 にどの よ うな関 係 が展 開 され て い るか, 彼 らのパ イプ役 と して の幼児 の親 が, 子 育 て を め ぐり祖 父 母 とどの よ うな関 係 にあ るの か とい っ

た点 に関 し, 実 態 的 ・多面 的 に検 討 したい。

1の 内容 か らな るア ンケ ー ト調 査 用紙 が3歳 以 上 の 就 園 児 (平 均 年令4.95歳 。福 井 県 内 の 表 1. アンケー ト訴査項 目

1 お子 さんは,毎 日の生活においてお じいさん と一緒にいる時間が長すぎると思いますか。

2 日頃お じいさんは,お子さんのためにどんな ことを して くれていますか。どんなささいな ことで もかまいませんか ら,思いつ くままにい くつで もお書 きください。

3 あなたは,お じいさんが現在お子 さんのためにして くれていることに満足 していますか。

問 4 あなたは,お じいさんがお子 さんに接する時の態度に不満を感 じることがありますか。

5 お じいさんは,お子 さんに対するあなたの日頃の接 し方に,満足 しているで しょうか。

6 あなたは,お子さんを育てて行 く上で,日頃何か とお じいさんか ら学ぶ こと,教 えて もら うことがありますか。

7〕 6〕で 「大いにある「ある」と答えた方にのみおたずね します。お じいさんか ら学 ぶ こと,教えてもらうこととは,たとえばどんなことですかo思いっ くままにい くつで もお書

き ください。

8 あなたは,日頃,お子 さんのことでお じいさんに相談 しますか。

9 逆にお じいさんの方か ら,日頃,お子 さんのことであなたに相談 しますか。

10 お子 さん と接 して くださっているお じいさんに, 日頃感 じていることや何か言いたい こと があ りま した ら,い くつで もご自由にお書きください。

21 ご家庭には,お子 さんのことやお子さんに対す る接 し方などについて,お とうさん ・おか あさん とお じいさん ・おばあさん とが自由に遠慮な く話 し合えるふん囲気がありますか。

22〕 ご家庭では,お子 さんを育てて行 く上で,お とうさん ・おかあさん とお じいさん ・おばあ さん とが協力 しあっていると思いますか。

23 お子 さんがお じいさんやおばあさん と一緒に過こす 時間は,一 日 (朝起きてから寝 るまで) で大体どの くらいですか。

24 お じいさんやおばあさん と同居 しているために 「親子だけの時間が とりに く」 「子 ども を親の思いどお りに育てに く」‑州 と感 じることがあ りますか。

25 ど家庭 にお じいさんやおばあさんがい ることは,お子 さんの健全な発達 ・成長に良い影響 をおよぼ していると思いますか。

(荏 ) 11‑20はおばあさんに関するもので問1‑10に対応。問2・7・10・12・17・20は自由 記述,それ以外の問については選択肢がある。

‑ 43

(3)

3つの保 育園, 2つの幼稚園の協力を得 た)を通 して家庭 に配布 され,最終的 に祖父母同居の母 158人,祖母 のみ同居の母 親91人 か らの 回答 が 得 られた。平均年令 は, 祖父63.38歳,祖母 60.79歳 ,父親34.45歳,母親 31.35歳 で あ る。 な お , この調 査 は,昭和542月 に行なわれ た(5)(6

3.結 果 と考察

(i) 子 ど もと祖父母の関わ り ・子 どもをめ ぐる親 と祖父母の関わ りの諸相

まず図1には,子 ど もの発達への祖父母 の影響 を祖父母 同居の親 および祖母 同居 の親 が どの よ うに考 えてい るか,記 されてい る。 ちなみに,祖母 同居 の親の回答 は,祖母 のみ に対す る評価 と い うことにな る。

1.子どもの発達への祖父母の影響 (間25) 単位%

1.非常に 2.良い 3.どちらかというと良い 4.どちらとも 5.その他

いえない (56.7)

祖父母同居親

祖母同居

2.2 子 ど もへの祖父母の影響 に関 し 「非常 に良 い 良 い 「どち らか とい うと良 い」 とい った肯 定的な見方 をす る親 が,全体 の71%ほどを占めてい る。 祖母 同居 の親 の場 合 も68.5%で あ る。

これ らの比率 はか な り高い もの と言 えるが,祖父母 同居親 ・祖母 同居親 いず れの場合 も 「どち ら か とい うと良 い」 とい ったいわば 「消極 的肯定 」が全体 の30%程度 を 占め る点 には,留意すべ き で あろ う。子 ど もに対す る祖父母 の 日常 の接 し方 につ いて,親が若干な りとも疑問 ・注文を持 っ てい ると考 え られ る。 さ らに,祖母 同居親の場合, 「どち らと もいえない」 とい った見方 が30%

近 くあ る。祖父 がいない分だ け一層祖母 と子 ど もが密着 して しま うこ と, その結果 に対す る親の 不安が示唆 され る。ちなみ に,図2には祖父母 と子 ど もとが一緒 に過 ごす時間 (1日につ き)が 記 されて い る。 その過 ご し方 は,両者 の関わ りが強 い もの (一緒 に本 を見なが ら話 をす る, プ ロ レスE:っこをす るな ど)か ら弱い もの (た とえば,子 ど もが公園で遊 ぶ時, そばで祖父母 が見守 る) まで実 に多様 で あろ うが,祖父の死去 に伴な う祖母 と子 ど もの接触時間の増加傾 向が認 め ら れ る。

2.祖父母と子ともとが一緒に過ごす時間 (1日につき) (間23)

1.1時FBl2時間 3約 4 時間 .8時間 未満 2時間 5蘭 4時間 6約 5時間 71約 6時間 8・約7時間 以上 祖父母同居親

祖母同居親

1.12.2

次 に,図3に見 るよ うに,祖父母 と同居 してい るため に 「親子だ けの時 間が とりに くい ど もを親 の思 い どお りに育てに くい」 と 「いつ も」 あるいは 「時 々」感 じる親が,祖父母 同居親 39.0%, 祖母 同居親の32.2%を占めてい る。一方, 不満を 「ま った く感 じない」 とす る親 は 祖父母 同居親 (29.6%)よ りも祖母 同居親 (40.9%)に多 い。 また,子 ど もの ことで 自由 に話

‑ 44‑

(4)

し合え る雰 囲気が祖父母 と自分 の間 にあ るとす る親 は,祖父母 同居親59.6%,祖母 同居親68.4

%であ る (4)。 さ らに,子 育 て を め ぐる祖父母 と自分 との協 力状態 を良好 (「協力 しあ って い る 「どち らか とい うと協力 しあ ってい る」) とす る親 は,祖 父 母 同居 親 の68.3%,祖母 同 居親 の83.7%であ る (5)。一家内 に祖父 と祖母,つま り老人が2人 い ることは,子 ど も観 ・ 教 育観 ・価値観の相違 によ り,老人世代 と親世代 の問 に子育てをめ ぐり様 々な食 い違 い ・トラブ ルが生 じる可能性 を大 き くす ると考 え られ る。祖父母 同居 の親 もその過半数 が 自分 と祖父母 との 連携状態 を肯定的 に評価 してい ると言 え るが, その評価 は,祖母 同居 の親 のそれ に比べれば 「 極的」 と言 えよ う。多少 強 引な推測をす れば,祖父 のいない祖母 は, 自 ら子 ど もや親 の中 に溶 け 込 む よ う,子 ど もや親か ら受 け入れ られ るよ う,祖父のい る祖母 よ り一層 の配慮 ・努力 を して い るのか もしれないO

図3.祖父母との同居による親子接触上の不満 (24)

1.いつも 2.時々感 じる 3.まれに感 じる 4.まったく感 じない

祖 父 母 同 居 親

感 じる 祖母同居親

祖父母同居親

祖母同居親

祖父母同居親

祖母同居親 3.2

周 4.祖父母と両親とが.子どものことで自由に話 し合えるふん囲気 (間21) 1.ある 2.ない 3.どちらともいえない

5.子どもを育てていく上での.祖父母と両親との協力状態 (間22) 1.協力 しあっている 2.どちらかというと 3.どちらとも 4.その他

協力 しあっている いえない (4,5)

3.3

(ii) 子 ど もと祖父 ない し祖母 の関 わ り ・子 ど もをめ ぐる親 と祖父 ない し祖母 の関わ りの 諸相

ここで は,子や親 との関 わ りにおけ る祖父 と祖母 との違 い について も見 て行 きたい。 まず,祖 父母 同居親 は,祖父 と子 ど も ・祖母 と子 ど もの接触 時間 について,かな り異な る見方を している。

6に見 るよ うに, 「短 い「どち らか とい うと短 い」 が祖父 について47.8%, 祖母 につ いて 21.4% とな ってい る 「ち ょうどよい」が祖父 について41.5%,祖母 について49.7% , 「長 「どち らか とい うと長 い」が祖父 について7.6%,祖 母 につ いて26.4%で あ る。祖母 同居 親 は,祖母 について,祖父母 同居親 とほぼ同 じ見方 を してい る。

次 に, 図7に見 るよ うに,祖父 について は65.4%,祖母 については 71,5%の祖父母 同居親 が 祖父 ・祖母 が子 ど もに して くれてい ることに関 し満足的 な見方 (「満足 「どち らか とい うと満 足 」)を してい る。祖母 同居親 は,祖父母 同居親 に比べ,祖母 についての暖味な見方 (「どち ら

と もいえない」)が多 くな ってい る。 ところで,表2では,祖母 が 日頃子 ど もに して くれてい る

‑ 45

(5)

6.祖父 ・祖母との接触時間について (1,ll) 1良い 2.どちらかと 3.ちょうどよい 4,どちらかと

いうと長い いうと短い 5.短い 6.わから

ない

祖父母同居親

祖父について

祖母について

祖母同居親 祖母について

祖父母同居親

7.祖父 ・祖母が子 どもにしてくれていることについて (間3.13)

1.満足 2.どちらかと 3.どちらともいえない 4.どちらか

いうと満足 いうと不

祖父について

祖母について

祖母同居親 祖母について

ことに関 し祖父母 同居 お よ び祖母 のみ同居の母親達 が記述 したすべ ての項 目について, 分類 が試 み られてい る (祖父 についての結果 は省 略す るが, 祖母 とかな り類似 した内容で あ り, お もち ゃ の修善 ・製作 とい った祖父独 自の関 わ り方が あま り認 め られなか った)。園 へ の送 り迎 え, 食事 の世話,一緒 に遊 ぶ,本 を読 んでや る,一緒 に入浴す る,おやつをわ たす ,一緒 に寝 るな どが比 較的多 く記載 され た項 目で あ る。 と もか く,子 どもに対 しての世話 ・サー ビス的 ない し母親代行 的な項 目が非常 に多 い。祖母 の側 での 自制 がな ければ,子 ど もを取 り巻 く今 日の過保 護的状況 に さ らに拍車 をかけ ることに もな りかねな い危険性を学 んでい ると思 われ る。一方, この質問 に対 す る母 親達 の平均記載項 目数 は3.13(祖父 に関 して は2.6)と予想以上 に少 な く,子 ど もと祖母 の 日頃 の具体的 な関わ りについて親達 が意外 と知 らない (無 関心 ?) ことが予想 され る。

次 に,祖母同居親の祖母 に対す る複雑な意識 が,図8か らも示唆 され る。す なわち,子 ど もに 対す る祖母 の態度 について不満 を感 じる (「いつ も 時 々」)親 は, 祖 父 母 同居 親 の31.0% に対 し, 祖母 同居親 は40.8% と多 い。 既 に紹介 した図2 ・4 ・5か らは,祖父 の いな い状況が 祖母 に とり子 ど もや親 との関わ りを深 くす る契機 とな りうることが示唆 され た。祖母 との関わ り が深 くな るとい うこ とは,親 に とって,子 育てをめ ぐり祖母‑の期待が何 か と強ま るとい うこと を,意味す るのか も しれな い。期待 が強 ま るとい うことは, それだ け祖母 と子 どもの関 わ りに無 関心でい られず, 祖母 ‑の注文 ・不満 も多 くな るとい うことで あ る。祖父母 同居親 が示 した祖父

・祖母‑の不満度 の違 いに も,両者 に対す る親の期待度の違 い (祖父への低 い期待)が反映 して い るので はないだ ろ うか。

一方,図9は,子 ど もに対す る親の態度 を祖父 や祖母 が どの よ うに見てい るか,親 の立場 か ら 推測 させ た結果で ある。祖父が親の態度 に満足的な見方 を してい る (「満 足 して い るだ ろ う」

「どち らか とい うと満足 しているだ ろ う」) と考 え る祖父母同居親 は,50%に達 しない。祖母 に ついて も同様 であ る。特 に,祖父 について 「わか らない」 とす る親 が30.2%あ り,両 者間の疎 遠 さが認 め られ る。一方,子 ど もに対す る親の態度 について祖母 が満足的な見方を してい ると考 え るの は,祖父母 同居親 (43.9%)よ り祖母 同居親 (51.1%)に多い。祖父母 同居親 よ りも祖

‑ 46

(6)

2.子育てにおける祖母の 日常的役割 (間12) (数字は頻数)

(A)世話 441〕

a.に関すること :園への送 り迎 え (68). 身仕度など登園の準備 (19). 帰園時の着替えの手伝 い (9).保育参観等の園の行事への参加 (4). その他 (5)‑おたよりばさみを見 るetc‑

b.食事 に関す ること :食事の準備 ・世話 ・後始末等 (67).

C.入浴 に関す ること :一緒に入浴する (47). 風呂上が りの世話 (2).

d,衣服 に関すること :衣類の洗濯 (20).衣服の着脱の援助 (17). 衣類の裁縫 ・つ くろい (10).

e.おやつに関す ること :おやつをわたす (35). おやつを作 る (9).

f.排他 ・清潔 ・整理等に関すること :排池の世話 (10). 便所‑連れて行 く(6). 洗面介助 (7) 散髪を して くれる (5). 散髪 に連れて行 く (1).ふ とんの上 げおろ し(1).子 どもの靴を そろえる(1), 遊具の後片づけの援助 (2). ふ とんを干す (1).子 ども部屋の片づけ (1), 持ち物に名前 を書 く (1). 鼻をかむ (1). つめを切 ってや る(2).

g.睡眠に関す ること :一緒 に寝 る (27). 朝の声かけ (1).

h.健康 ・安全 に関すること :病院への付 き添い (9). 病気の看病 (3).etc.

i.その他 (「世話をみて くれ る」等,漠然 とした表現がなされているもの)

世話をみて くれる(16) 保育所か ら帰 るとみて くれ る (8). 身のまわりの ことを して くれる (7).面倒をみて くれる (5).細い所まで気 をつけて くれ る (3).子守 り (3). 母がわ (3). 何で もして もらう (1).

(B)文化 ・教育 241〕

a.遊びに関す ること :一緒に遊ぶ (116 その中56項 目では,カルタ取 り,積み木遊び等具体的に 遊び名が記 されている). 遊びに連れて行 って もらう (5).

b.本 ・お話 しに関す ること :本を読んでや る(50). 昔話などのお話 しを してやる (17). お話 し の相手を してやる (14).

C.教育 に関す ること :しつけに関 し子 どもに口を出す (10). 文字や数 を教 える(8). 礼儀作法 を教える(3). 色々な ことを教 える (3).etc,

(C)物やお金の付与 〔52〕

おか しを買い与 える (19). 衣類や身の回 りの物を買 う (12). 本を買 ってや る(6).お もち ゃを買 ってやる (6). 何で も買 い与 える (4). おみやげを買 う (3).お小づかいを与 える

(1). 貯金を してや る(1).

(D)外出 35〕

デ′ヾ‑ ト等に買い物 に連れて行 く (17). 散歩 (8).etc.

(E)愛情 ・保護 〔11〕

おんぶやだ っこを してあげる (5).かわいが って くれる (3). 子 どもが困っている時助 けて くれ る (1). 泣いている時だま して くれ る (1). 叱 られた時,かば ってあげ る (1).

8.子 どもに対する祖父 ・祖母の態度への不満 (間4,14)

1.いつ も 2.時々感 じる 3.まれに感 じる 感 じる

祖父につい

祖父母同居親

祖母につい

母同 母について

4.まった く感 じない

2.1

‑ 47‑

(7)

母 同居親 の方 が,祖母 と深 い関 わ りを持 ちつつ 自分の子 育て に対す る自信 を養 ってい る, と言 え ないだ ろ うか。 もちろん,祖 母 同 居 親 の28.2%が祖 母 の見方 について 「わか らない」 と答 えて い る点 も,見逃 してはな らないだ ろ う。

9.子どもに対する親の態度への祖父 ・祖母の見方について (間5.15)

1.満足 して 2.どちらかというと 3.どちらかというと 4.不満 5.わからない いるだろう 満足 しているだろう 不満だろう だろう

祖父母同居親

祖父について

祖母について

祖母同居親 祖母について

3.3

次 に,子 ど もを育てて行 く上で親 が祖父母 か ら学ぶ ことは,決 して少 な くな い と思われ る。子 ど もの ケガに対す る応急処 置の仕方 等 について祖父母 か ら直接教 わ ること もあれば,子 ど もと接 す る祖父母の姿の中 に 日頃 自分が失 いが ちな何 か大切 な もの (細や かさ, 寛容 さ,宗教 を大切 に す る心 な ど)を兄 い出 し反省す る とい うこと もあろ う。 だが,図10の結果 は,親が,祖父 や祖母 を 自分の子 育てに とって重要 な人物 と して必ず しも高 く評価 して いない ことを,示唆す る。学ぶ こと,教 えて もらうことが 「あま りないぜんぜんない」 とす る親が,祖 父 に関 して54.1% 祖母 に関 して40%程度認 め られ る。祖父 や祖母か ら学 ぶ ことが実際 にないのか, あ るいは,学 び 教 わ る必要性を感 じないのか。 な お,衰 3では,子 育て上祖母 か ら学 ぶ こと ・教 えて もらうこと が 「大 いにある「あ る」 と回答 した母親 (祖父母 同居親 と祖母 同居親) にその具体的 な内容を 記述 して もらった結果 について,分類 が試み られてい る。 まず何 よ りも,子 ど もに関 わ る祖母の 姿 を通 して子 ど もに対す る自己の養 育態度 に反省の 目を向 ける親 が多 い ことが,注 目され る ( 長 さ, ゆ とり,冷静 さ,子 ど もの立場 を思 いや るな ど)。 ま た, 子 ど もの健 康管理 とい う点 で, 祖母 との同居が母業削ことり非常な支 え とな っている ことが察知 され る。続 いて,子 ど もの価値観

・情操 に関す ること,子 育ての知恵 ・方針 に関す ることで あ り,昔 の遊 びやお話を親が祖母 か ら 直接教 えて もら うことは少 ない。

10.子どもを育てて行 く上で祖父 ・祖母から学ぶこと (間6,16)

1.大いに 2.ある 3.あまりない 4.ぜんぜん

ある ない

祖父母同居親

祖父について

祖母について

祖母同居親 祖母について

2.2 次 に,親 と祖父 ・祖母 との相談機 会 について見 よ う。まず,子 ど もの こ とでの親か ら祖父 ・祖 母への相談機会 に関 し,特 に祖父 が母親 に とって影響の薄 い存在 であ ることが明 らかで あ る ( ll)。子 ど もの こ とで祖父 に 「あ ま り相談 しな相談 しな い」親が,祖父母 同居親 の 75.5

%を 占めてい る。祖母 について は, 「よ く相談す る多い とはいえないが相談す る」親 が,祖 父母 同居親 の66%,祖母 同居親の67.4%を占めてい る。今後 は,相談の内容 について も, 明 ら か にす る必要 があ ると思 われ る。一方,図12には,子 ど もの ことで逆 に祖父や祖母 の方か ら親 に 相談す る機会の有無 が記 されてい る。祖父母同居親 の場合,祖父 の方 か ら 「あま り相談 しない

‑ 48‑

(8)

3.子育て上.母親が祖母か ら学ぶ こと ・教えてもらうこと (間17)

(A)子 ども‑の接 し方 ・取 り組み方 ⊥子どもと関わる祖母の姿か ら学ぶ 81

叱ることよ り第‑にはめてやる (2)O す ぐ叱 らずなだめて教 える。きりっとした態度で叱る。

す ぐカーッとな らない。あまり叱 らないこと。叱 る時は叱 りかわいがる時はかわいが る(2)0 大人の都合で子 どもを叱 ってはな らない。叱る時 も子 どもの心を くみとるゆとりを持つこと。子 どもを叱 る前に親が見本を示すこと。子 どもの自尊心を傷つけないようにはめなが ら叱ること。

す ぐ怒 らず気長に子 どもと接す ること (2)。 気長に接すること (6)。 気長におだてた りなだ めたりして自分からさせるようにす る。子 どもの着替えなどじっくり見ていて口で言 うだけで自 分でさせ る。ゆとりのある接 し方 (3)。 子 どもと同 じようになって楽 しみ楽 しませ るゆとりの ある心をもって子どもに対す ること。子‑の思いやりのある心。やさしく子 どもに接すべきだと いうこと(2)。 はが らかにニコニコ接 して くれる。子どもの気持を理解すること(2)。 子ど もの身になって考えてやること。子 どもの立場に立 って物事を考え,子 どもが納得い くように教 えること(2). あらゆる面において子 どもと一緒に学んでゆかねばならないこと.細やかな心 くぼ り (5)o 子 どもにべ夕べタした態度をとらない.育児に対するきび しさ (2)。 マーケ ッ トなどでの子 どもの欲求への対処の仕方。お手伝いをさせる心の引き出 し方。明 日必要な ものは 前の日か ら用意をさせる。自分たちの身の回 りのかたづけをさせ る。何で もいいか らお手伝いを させ る。物を粗末に扱 う子 どもの心理のつかみ方,子どもの扱い方。子 どもに対する熱意 (2)0 子 どもに対す る親のあり方。子 どもの しつけ方 (17)。 子 どもに対す る本の読み方 (2)。 子 ど

もへの言葉づかい (3)。 子 どもの年令を考慮 した玩具の与え方 (2)。 子 どもとよくお話 しを する。よ く本を読んであげる。手作 りの洋服を着せてやる。

(B)子どもの健康 48

病気やケガの処置の仕方 (45)。 泣き方などか らの子どもの健康状態のつかみ方 (2)O 健唐 面への細やかな心配 り。

(C)子 どもの価値観 ・情操に関 して 18

(仏壇‑のお参 りなどを通 して)宗教心の尊さを教えて くれる (8)。 物を大切にする心(8) 人 と人 とのつなが りを大切にする心 (2)0

(D)子育ての知恵 ・方針一祖母か ら母への直接的なア ドバイスー 〔10〕

昔か らの子育ての知恵 (親は子の鏡である,等)(8)0 家事よりも子 どものことが大切」 と のア ドバイス。自分が食事中他の用を して しまう時,全部子 どもに食べさせて しまってか らし なさい」と言われる。

(E)子 どもの食事に関 して 〔5

子 ども向けの味つけの仕方 (2)。 嫌いな食物の調理の仕方や子どもに合った食物の選び方 (2)0

(F)子 どもの文化 4〕

昔のお話 し。昔の遊び (2)。 勉強の こと。

(G)その他 〔6

ささいなことで もためになるO教えられ ることで一杯 (2)o lか ら10まで習 うことばか りO 封建的な教え方 に感 じるが子 どもにプ ラスになっていることが多い‑封建的な考え方 は私達 にも 必要だと思 う。自然の営みについてお話を して もらったり見せて もらったりしている様子 に若い 者では気づかない様々なことを教 えられ学ぶ意欲を与えられる

「相 談 しな い」 との回答 が80.4% あ る。祖 母 につ いて は,「よ く相談 す る「多 い とは いえ な い が相 談 す る」 が55.4% で あ る。祖母 同居 親 は,「よ く相 談す る「多 い とはいえな いが相 談す る と 「あ ま り相 談 しな「相 談 しな い」 とが半 々で あ る。 と もか く,少 な くと も親 の 目か ら見 た 限 り, 子 ど もの こ とで 自分達 が祖 母 に相 談 す る機会 は, 祖母 の方 か ら自分 に相 談 す る機会 よ り も 多 い こ とにな る。

‑ 49

(9)

11子どものことでの祖父 ・祖母への相談積金について (8,18) 1.よく 2.多いとはいえ 3.あまり相談 しない

相談する ないが相談する 祖父について

祖父母同居親

祖母について

祖母同居親 祖母について

祖父母同居親

4.相談 しない

12.子どものことでの,祖父 ・祖母から親への相談機会について (間 9,19) 1.よく 2.多いとはいえ

相談する ないが相談する 祖父について

祖母について

祖母同居親 祖母について

3.あまり相談 しない 4.相談 しない

最 後 に,問20 (「お子 さん と接 して くだ さってい るおばあ さん に, 日頃感 じてい ることや何 か 言 いたい ことが あ りま した ら,い くつで も自由にお書 き くだ さい」)に対す る祖父母 同居親 ・祖 母 同居親 の記述 を,取 りま とめて見 ることにす る (祖父 に関 して は少数 の記述 しか得 られなか っ

たので,省 略 したい)0

まず152名の回答者 は,大 き く,不満型 (1ない し複数の不満事項 を記述71名),注文型 (「 して は しい」 とい う表現で,祖母 に対 して 自己の不満の具体的な解決 を訴 え る。42名), 不 満 と 注文の混合型 (10名),感謝型 (「ほん とうにあ りが とうと言 うだ けです「よ く世話 を して く れて感謝 してい る。 15名)な どに分 け られ る。不満の 内容 は表4の よ うに分類可能で あ るが, 注文の 内容 もほぼ同 じ構成 ・順位で あ る。

4に見 るよ うに,子 ど もに対す る祖母 の過保 護的態度 や干渉的 ・抑圧的態度 に関す る不満が 非常 に多 く, その中味 も実 に多様で あ る。他 に,子 ど もへ の比較的 ・差別的態度,感情 的態度, 無関心 ・拒否的態度,子 ど もへの言葉 づかい,祖母 と自分 との育児方針 の不一致 な どに関す る不 満 が, それぞれ少数 であるが認 め られ る。 と もか く, この質問への回答 において は,祖母 に対す る母親の心情 がかな りス トレー トに吐露 されてい ると考 え られ る。換言す るな ら,母親 による子 育て と祖母 による子育て (孫育て) との間 にかな りの摩擦が ある, とい うことで あ る。今後 は, 母親 に対す る祖母 の心情 も把握す る必要が あろ う。

以下,祖母 に対す る母親の意識をより具体的に捉 え ることを可能 にす る手 がか りと して, 問20

対す る4人の母親 の記述 を,そのま まの形 で記 したい。

母親A 「おばあさん, もう少 し静かにお じいさんの よ うに子供 を見つめていて下 さると,何 も 言 うことないのです が, それ も性格 な らば仕方ないです ね。先生 が お っしゃってい られ るよ うに あ々ま り手 をか けず に もっとは って おいて下 さい。女 と して はなかなかむずか しい けど私 も努力

します 。お じい さん と同 じく長生 き して, いつまで も元気で仲良 く暮 らしてい きま しょう。 母親B 私 自身 が 『おばあち ゃん は孫 には無条件 に従 うもの』 とい う既成概念 か らぬ け出 られ ない ため, 自分の生活 ・自分の立場 をち ゃん とい うおば あち ゃん に少 し不満 を感 じる時 もあ るけ

‑ 50

(10)

蓑4.子どもに関わる祖母に対 しての母親の不満 (間20)

(A)子 どもへの過保護的態度 68〕

a.甘やか し :甘やか しすぎる (17)。 甘すぎ る (4)。 甘い (9)。 いい習慣 ・しつけを身につけ たいと親 も子 もつ らいなが らも頑張 ってい る時,ただかわいそうだか らという理由で子 どもの し たいことを許 した り与えた りされ ると,結果的には子 どもを甘やかす ことになる。祖母は毎日が 単 に子守 という感 じで子 どもに接 している ‑・親 としては毎 日の子守の中に何か教えて もらうこと を期待す る‑祖母の子守は孫の子守という点で甘えがあるように思 う。

ち.手のかけすぎ ・保護 :手をか けすぎる (5)。 子ど もの世話を必要以上にす るので自立心が自然 につか ないような気がする。服の着脱の際す ぐ手伝 って しまう。遊びの片づけを さっさ として し まう。す ぐにおんぶ ・だ っこをする 。危 ないとす ぐに注意 してやめ させる。厚着をさせる (4)。

C.言 いなり :子 どもに使われている様子があ る。教えるとい うより子 どもの言いな りになる (2)0 何で も言えば して もらえる,という気持が子 ど もにあ る。何で も子 どもの言 うことをきいてやる

(3)。 子 どものほ しいものは何でも買 って くれる (2)。 子 どもが カゼをひいている時で も, 子 どもが出たが るか らといって子 どもと一鰭 に外へ出て行 くOは しがるか らとい ってす ぐ甘 い物 をやる (3)。 食事の好き嫌 いを許 して しまう (2)0

d.甘 い叱 り方 :す ぐ物を与えて言 うことをきかせようとす る。悪いことを して も叱 らずにむ しろは めるようなことをい う。悪いことを して も叱 らず 「よい,よい」 と言 う。

∫.その他 :物を与 えすぎる(2)。 子 どもは一 日一 日大き くな っていくのに,いつ までも赤ちゃん の時 と同 じ考えで世話を している。 自分の孫 を 「良い目」で見 すぎ子 どもを調子にのせる。

(B)子 どもへの干渉 ・抑圧的態度 20

口数,口出 しが多い ,口 うるさい,口やか ま しい等 (13)。 子 どもが行動 しようとい うことに対 して 口うるさく注意 され行動力が鈍 る。子 どもが しようとしていることに対 して 「あれ もいけな 「これもいけないあぶない」とこまごま言いすぎる。子 どもが考えている時に「早 くせ」

とか 「遅いよ」とか 「アホ」とか言 って ,子 どもの心を傷つける。子 どもの絵や字のおけいこを そばでけな した りする。お もちゃを散 らかす と 「散 らか してはダメ」,障子 を破 ると 「ダメ」と 目先の こまかいことばか りにとらわれがち。いたず らなどに対する寛大 さが足 りない。のびのび した子 どもらしい子 どもが育たないよって,祖母 に言いたい。

(C)子 どもへの比較的 ・差別的態度 〔7〕

兄弟を公平にかわいか らない (2)。 男の子,女の子の区別がきつすぎる。下に弟がいるのでい つも 「お姉ちゃんだからお姉ちゃんで しょう」 と言 う「よその子はこうしているよそ の子はできるのに」と,よその子 と状態 ・優劣を比較する (3)0

(D)子 どもへ の感情的態度 〔6〕

その時の気嫌次第で子 どもに当た ったり甘やか したりす る(3)。 怒 らな くともいい時に怒 った りす る (2)。 その時の気分次第で保 育園に連れていった り行かなか ったりす る。

(E)子 ども‑の言葉づかい 〔6〕

言葉づかいがあらい,汚ない (5)。 古くさい言葉づかい。

(F)子 どもへの無関心 ・拒否的態度 〔5〕

子 どもと一緒に遊んで くれない。子どもが要求す ると知 らん顔 を していた り,お母さんに して もらえ 」と言 って何 もして くれない。子ど もにはたださびしく叱るばか りで,あまり祖母として の愛情がないようにみ られる。子 どもとの対話の中に愛情が感 じられない。愛やいたわ りのない 接 し方 は子 どもの方で も敏感に受けとるので, もう少 し子どもの気持を くんで くれた らと思 う。

(G)祖母 と親 との不「致 ・その他の不満 13〕

祖母と親 とでは子 どもの将来性についての考え方が全 く食い違 うことに不満がある。相談 しない 独善的な所がある。年を とっているせいか 古い考え方がある。反対の意見 を出すので困る時があ る。子どもを叱る時自分で叱 らない,お母さんに叱 られ るよ」とか 「お父 さんに外へ出 して も らうよ」 とか言 う(2)。 親が子 ど もを叱 った りす ると,親がいけなか ったように してなぐさめ 。etc.

‑ 51‑

(11)

れ ど,後 にな って考えてみれば,子 ど もに も家族の一員 と しての役割 や相互の立場を教 えてい る ためだ と思 うことが, たびたびあ る。私一人で子 ど もを育ててい た らもっと盲 目的 にな っていた だろ うと思 って, おばあち ゃんがいて くれ ることに感謝 してい る。」

母親C孫 はかわいい とよ く言われ ますが,その通 りの よ うです。 ただ責任 のないかわいが り 方なので,子 どもを甘やかす結果を もた らす。例えば, いい習慣 ・しつけを身 につけたい と親 も 子 ど ももつ らいなが らがんば っている時, ただかわいそ うだか らとい う理由で,子 ど もの したい ことを許 した り与 えたりされ ると,結果的 には子 ど もを甘 やかす ことにな ります。で も親 に叱 ら れた時,淋 しい時のな ぐさめの場所 を与 え られ た り励 ま され たりす る。子 どもに とって もよき逃 げ場所 とな ってい る。 そ して何 よりも, おばあちゃんは子 どもに とって心豊か に して くれ る存在 です。」

母親D子 どもを甘 やか しす ぎる,子 どもと一緒 に遊んで くれない。体 力的 に子 どもについて いけないのか,バ カバカ しくてや って られないのか, 口出 しが多 い。まず 『危 ない !』一 日に何 度言 うか数 えきれない。友達同志遊んでいる中へ話 しかけ る。友達がい る時は,子 どもに とって おばあち ゃんは必要 ない。子 どもを叱 る時, 自分で叱 らない (お母 さんに叱 られ るよとか, お父 さんにお外‑出 して もらうよとか)。家庭 の事情 で親 が子 どもを見てやれない。おばあち ゃん も 毎 日大変 な ことだ と思 うけれ ども,おばあちゃんが必要な時は しば らくの問だか ら, もう しば ら

くがんば って もらいたい。

母親A ・B ・Cは,子 ど もに対す る祖母の接 し方 に若干の不満を感 じなが らも,基本的 に祖母 の立場 を理解 し, かつ思 いや り,あ るいは,不満 を抱 く自分 自身 に反省の 目を向けてい る。 そ し て, 自分の子育てや子 ども自身の人格形成 にとっての祖母の意義 を,的確 に理解 してい る。一方 母親Dと祖母 との問 には, 日頃かな りの衝突があることが推測 され る。祖母の側の問題 も無視で きな いが, この母親 は, 自分 に代わ る世話役 と しての機能 を祖母 に要求す るだ けで,子 どもにと っての祖母のよ り本質的な意義を見失 って しま っている。子 どもが成長 し大人の世話 を必要 とし な くなれば, あるいは, 自分が仕事をやめ さえす れば,子 ど もに とって祖母 は必要でな くな ると い った, いわば 「使 い捨て」的な意識(7)が この母親 に認め られ る。

4.

本研究で は,今後長期的展望の下で,子 ど もと老 人 との関係 をめ ぐる我 が国の問題 を明 らかに し,同時に両者の関係の望 ま しい姿 について具体的 に追求 して行 くための第一歩 と して,家庭内 での幼児 と祖父母 との関係および子 どもをめ ぐる親 と祖父母 との関係が,母に対す るア ンケー

ト調査 によ り実態的 ・多面的 に検討 され た。その主な結果 は,以下のように要約で きる。

(1) 母親 は,子 ど もに対す る祖父母の影響,子育てをめ ぐる自分 と祖父母 との関係 について, 概ね肯定的な意識 を抱 いている。

(2)一方,意識 の上では子育てをめ ぐり祖父母 と連携的な関係 があ るとす る反面,現実的 ・具 体的な 日常 の関わ りについてみ ると,子育てに関 し,母親 と祖父 ・祖母 との問 に,互 いに相談 し 合い学 び合 う姿勢 ・機会が不足 していると考え られ る側面が認め られ る。

(3)祖母 が 日頃子 どもに して くれていることと して は,世話的な ものが多い。

(4)母親 は,祖父や祖母が 日頃子 ど もにどんな ことを して くれてい るか,意外 と知 らない。 そ れで も,祖父や祖母が子 ど もに して くれてい ることに,満足的な見方 を してい る。

(5) 子育てをめ ぐる母親 と祖父 の関係 は,非常 に弱 い。

(6) 祖父がいるかいないか によ り,子 どもや母親 に対す る祖母の関与の仕方 が異 な る。つま り

‑ 52

(12)

祖父がいない場合,子 どもと過 こす 時間が増 え る。子育てにおける祖母の負担の増加,母親 との 関係 の深 ま りが,祖母 に対す る母親の不満を若干増大 させ る。

(7) 子 ど もに対す る祖母の関わ り方 に,不満 ・注文 を抱 く母親が多い。 その内容 としては,千 ど もへの祖母の過保護的態度や干渉的 ・抑圧的態度 に関す るものが多い。

以上の結果 については,子 どもの年令 ・性 ・幼児教育施設 (幼稚 園児 か保 育園児 か),祖父母 の健康状態 ・就労の有無 ・年令,母親の就労 の有無,母親 と祖母 との血縁的関係 (祖母 にとって 母親が嫁であ る場合 と娘である場合),地 域差 な ど本研 究 において考慮できなか った種 々の変数

との関連 で,今後 さ らに検討を深めて行 きたい と思 う。

高度経済成長 に伴ない急激 に進行 した核家族化の波 も頂点を通 り越 した感のあ る今 日,再 び祖 父母 同居の三世代 家族の メ リッ トを見直 そ うとす る動 きが高ま りつつある。 ひ とつ興味深 い こと 紘,図13に見 るよ うに,核家族化がまだ急激 に進行 しつつある時で さえ, 日本の青年 とその親が 諸外国の青年 と親 に比べ はるかに高いパ ーセ ンテー ジで,互いに将来の同居を望 ま しい と考 えて い たことである。 日本人の中には,第二次世界大戦前の封建的な三世代家族 を支えてきた 「同居 す るな ら息子夫婦 と」 とい った直系家族志向性な らびに 「子 は年老 いた親の面倒 をみるのは当然

とい った扶養義務意識 が,根強 く受 け継がれているのであろ う(8)0

13.親が年とった場合,子供と同居する方がよいと思いますか。

いいえ N.A (%)

資料 :総理府青少年対策本部 「社会規範調査」(昭和49年)

だが,今 日の祖父母 と若 い世代の歩 み寄 り傾向を もた らしてい る原因を,戦前の我が国独 自の 家族制度の下で培 われた直系家族志 向性 ・扶養義務意識のみに帰 せることはで きない。すなわち 医療面での著 しい進歩を一因 とす る老年期の拡大(9)によるところの老 い先 に向 けての健康上の不 安の増大,近隣社会 や親族か らの孤立,年金制度 ・老人福祉施策の立ち遅 れによ る老年期の 自立 的 な生活の困難性 とい った老人の側の今 日的諸問題,物価上昇 ・子 どもの養育費の増大な どによ る家庭経済の悪化,既婚婦人の就労の一般化,保 育所の不足 とい った若 い世代の側の今 日的諸問

‑ 53‑

(13)

題 ・‑・.これ らの諸問題の合理的解決の一方向性 として,三世代家族が見直 されてい ると言 えよう。

三世代家族の メ リッ トの見直 し ・増加 は,子 どもにとっての祖父母の意義を改めて問い直 して 行 くための契機 とな るはずである。だが,その見直 しや増加が,今後,上述 したよ うな大人の側 の諸事情 だけを軸 として展開 され るな らば,子 ど もと祖父母 (老人) との関係 も,子 ど もをめ ぐ

る祖父母 と親の関係 も, ともに希薄化 ・歪曲化の道 を進む可能性 がある。子 ど もに とっての老人 (祖父母)の意義を追求 し,その意義を子 どもが発達過程 において十分吸収で きるよ うな機会 を 家庭および社会の中に築 き上げて行 く努 岬 が,今 こそ不可欠 と思われる。 もちろん, このよ うな努力は,親 と老人 との連携の下でな され るべ きである。以下,家族や社会の中で老人 (祖父 母 を含む) と出会 いかつ関係を深め る経験を持つ ことによって子 ど もの側 に もた らされ るメ リッ

ト‑ 子 どもの人格形成 における老人の意義 ‑ をい くつか提起 して,本稿 を終えたい。

①社会の中に老人がいること,老人 と共 に生活す ることを, ご く自然の ことと して受 け入れ る 心 の形成。障害を持つ仲間 と関わ る機会 を与 え られずに育つ子 ど もが,健常者優先の今 日の社会

に対 し矛盾 を感 じに くい大人にな りがちなよ うに,老人 と関わ る機会を与え られず に育つ子 ども は,老人が社会か ら弾 き出されてい る状況に矛盾を感 じない大人 にな るだ ろ う。あるいは,老人 と関わ る場合,不 自然 さ ・不快感 のみが先行 して しま うだ ろう。

㊥老人 の姿 に自分の遠い未来を予測 し, 自分の現在 に老人の過去を兄い出す ‑‑‑現在の 自分お よび老人を,人間の一生 (人生) とい う長 い発達 の道筋の中に位置づ けて捉 え ることができる。

樋 口(ll)は, 次 の よ うに述べてい る。

子 どもと老人 は絶対 に切 り離 してはな らない, というのが大前提である。人生を十分に生 き やがてその生命を次の世代 にバ トンタ ッチ してい く老人 と,人生の入 り口に立 った幼な子 とが触 れ合い,人間の年輪 とい うものを子 どもたちに教 えてい くこと, それは人間の教育で落 としては な らない ことだ と私 は思 う。人間の出生か ら老い と死 に至 る一生の ライフサ イクルに子 どもが直 かに触れなが ら育つ とい うことは,人生 と人間を理解す る上での必須課 目で ある」

(樋 口恵子 「育児 は育自 ・教育は共 育」 明治図書, P72,1981)

④ 自分 に愛情 を注 いで くれ た老人の病気そ して死 目‑‑人間の運命の厳 しい現実の理解。一方, その悲 しみを乗 り越 え新 しい生活の営みを築 き直そ うとす る強 さが人間 たち (自分 も含めて)に はあることを,老人の死後の家族 との関わ りの中で理解で きる。

④老人 に対す る思 いや り ・い たわ り ・愛情,およびそれ らを表現す るための技術 を形成 ・深化 で きる。

㊥老人か ら昔話,昔 の遊 び,童歌,玩具,生活の知恵 などを伝承 して もらうことによ り, 自己 の知識 ・経験 を豊富 にで きる。

⑥や さ しさ,物 を大切 にす る心,情緒的な安定,ゆとり,宗教 を大切にす る心,物を自分で作 る喜び・‑‑情緒 ・情操 を豊かに しうる

⑦老人か ら過去 の出来事や先祖の ことを学べ ると同時に,現在の自分や社会を歴史的視野で捉 え る力を習得で きる。

⑧嫁 ・姑の関係,婿養子,孫 としての立場な ど,複雑な人間関係を理解で き る。

‑ 54‑

表 2 . 子育てにおける祖母の 日常的役割 ( 間1 2) ( 数字は頻数) ( A) 世話 〔 4 41〕 a . 園 に関すること :園への送 り迎 え ( 68)
図 1 1 子どものことでの祖父 ・祖母への相談積金について ( 間 8,1 8) 1 . よく 2 . 多いとはいえ 3 . あまり相談 しない 相談する ないが相談する 祖父について 祖父母同居親 祖母について 祖母同居親 祖母について 祖父母同居親 4

参照

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