[資料紹介] イギリスの漁業についての一紹介
その他のタイトル Henry Wood, Fisheries of The United Kingdom
著者 柏尾 昌哉
雑誌名 關西大學商學論集
巻 2
号 1
ページ 87‑106
発行年 1957‑05‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00021847
760
イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶ 第二次世界大戦後アメリカが世界漁業界の王座についたことは既に衆知のことであろう︒かって漁業界の花形として君臨してきた日本の世界的地位もその大部分をアメリカにもち去られた︒第二次大戦はこのような特徴を漁業界にもたらしたが︑更にもう︱つつけ加えるならば︑イギリス漁業の批界的地位の低下を引きおこしたことであろう︒
世界の三大漁場のうち最も早く開かれた北海漁場をひかえた
イギリス漁業の生成は世界の中でも早い方であった︒造船︑航
海︑漁拐等の進歩と市場発達とは︑イギリスを早くから漁業へ
は し が き
イギリスの漁業についての
資料i
紹 介
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八七
ニシソ漁業を跳躍台として出発し︑
進 出 さ せ た
︒ 先 ず
︑ 次 い
で︑トロールの出現ほ底魚類漁獲の画期的増加をもたらし︑一
九世紀末期には既に漁業の一流国となっていた︒だが︑北海に
は競争国も多かった︒ノルウェー︑デンマーク︑オラソダ︑ド
イツ等々は何れも北海の水産資源を目指して急激に進出してき
た︒これらの国々と激しい競争を続けながらも︑イギリスは第
二次大戦まではどうにか一流漁業国の面目を保ってきた︒とこ
ろが︑第二次大戦はイギリス漁業の地位を大きく低落させた︒
一体どんな理由によるのだろうか︒叉︑問題はどこにあるのだ
今、ここに紹介しようとするのほ、H•ウッド(Heney
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一紹 介
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昌
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の﹁イギリスの漁業﹂
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であるが︑ここには︑イギリス漁業の歴史的発展と将来の展磁
とが全部門にわたって簡潔に且つ極めて要領よく叙述されてい
ウッドのこの研究は︑M・グレィアム
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の編集になる﹁海洋漁業﹂
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19 56
)という厖大な書物の中
イギリス漁業の主要な全部門を包括し︑漁業辞典のような印象
を与えるが︑それでも重要な問題点は極めて学問的にとり扱わ
れているようである︒グレィアムが序文で次のような意味のこ
とを述べているのは右の事実を立証しているであろう︒
﹁長い年月のあいだ︑イギリスの漁業研究所
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の指端者や所員たちは︑現在及び過去の先人た
ちの主要な発見と業績を︑書物に記録し︑そして漁法を図解し
ことがらは︑いくつかの進歩的講座の中に含まれている漁業科
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の抜茉を除いては︑イングランド及びス
コットランドのどの大学でも系統的に教えられていないという ておく必要性を強く認識し続けてきた︒というのは︑これらの に包含されてその一章となっているものである︒この書物は︑ る ︒
イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
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ことを遣憾ながら認めない訳には行かないからである︒イギリ
ス漁法の全世界への伝播に伴って︑
が︑それは長い年月のあいだ印刷されてないことが限々であ
り︑わずかの印刷物もごく一部の古くから設立された漁業ラィ
ブラリイだけでしか見られないものなのである︒だから︑我々
は︑このような重要な先進者の発見と業績とをこの書物に包含
しようと留意した︒
叉︑我々は︑漁業という特殊分野に興味をもつ進んだ学究の
アカデミックな目的に対して︑特に価値高いものであるように
希湿するとともに︑他方では︑この分野に入門した初学調査員
増大してきたが︑この書物は.漁業という学問に特別な訓練は
ないがこの研究に十二分の興味を有する人々にも読みうるもの
(1 )
でありたいというのが我々の意向である︒﹂
以上のような意図をもつこの書物には次の一0の章に及ぶ研
(2
)
究が掲載されている︒
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紀のあいだで︑海洋及び漁業科学における一般的興味が急激に にも袢益することのできるように望んでいる︒即ち︑過去半批 先学の知識が要求された 八八
762
註
(1
)
(2
)
イギリスの樵業についての一紹介︵柏尾︶
する
︒
ことができよう︒ ある︒その紹介は全般的均等的な方法により︑特にこの研究の
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ところで︑本稿では︑既に述べたように第二章の部分﹁イギ
リスの漁業﹂について忠実にアウト・ライソを紹介する積りで
企図した問題点への集中的方法はとらなかった︒だが︑少くと
もイギリス漁業の概観と問題点とはおぼろげながらも見定める
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八九
この研究も一0の項目に区分されている︒列記すると次のよ
(3
)
うである︒
歴史の紹介
(4
)
底魚
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漁獲に対する漁法
海床と底魚漁業
憔業地と底魚商品
底魚漁業の展望
遠洋漁業
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イギリスのニシン漁業
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ニシソ漁獲
北海におけるニシン漁業
(5
)
ピルチア
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(6
)
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漁業と他の遠洋漁業
1 1
将来の展望
以下︑各項目に従って一一に区分して紹介して行こう︒ここ
では︑先ず第一の項目である歴史の紹介から稲を始めることに
筆は古代から進められているが︑その頁数は多くない︒ウッ 10 ︐ 8 7 6 5 4 3 2 ー
ている程度のことが知られているにすぎない︒即ち︑アナゴ
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︑黒海クイ
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)海クイ︑
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代人が少くとも次の八種の魚を漁獲していただろうと推定され
る︒一七及び一八世紀の帆船トロール時代を第一の発展期とし 今日のイギリス漁業の中核であるトロール漁業の歴史を簡述す シソ漁業特に漁法及び漁網の発達の跡を追っている︒次いで︑
一九世紀後半からのイングランド及びスコットラソドの
それはともかくとしても︑古代のイギリス諸島の漁法はほと は︑日本と同じように解明されていないからだろうか︒ ドの記述を辿りながら見て行こう︒
漁業は︑海や河や湖に近く生活する.原始人にとっては極めて
壮大な仕事であった︒そして︑その漁法の発展は︑遠隔の土地 に伝播し独特のものとなって継承されているが︑初期のものも 各所に残されていることは確実である︒例えば︑原始的な釣漁 や網漁が各所に存在し︑骨や角や木で造られた鋸
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漁が未開地で残存していることなどはこれである︒
次いで︑ウッドは︑漁法の最初の発生は︑河とか流水におけ
る投石漁法やせきとめ漁法︵円
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種のうけ漁法︵野
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であると説明している
が︑河川湖沼から漁法が進歩したのは日本も同じで興味を唆 る︒だが︑この内陸漁法と海の漁法との関連が説かれてないの んど知られていないらしい︒ただ︑西スコットラソドのオラセ
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の貝塚
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発堀の結果︑ここの古
イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
し ︑ なっていることを指摘したのち︑幾人かの研究者の記述を簡述
歴史時代に入ってからの記述は︑漁具の解説図解を交えなが
ニンジェルウォ
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︑マダラセウオ
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( 7 )
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︑サメ
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二翠
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の八種であり︑今でも西スコットラソド海岸で漁獲されている︒
もっとも︑ニンジェルウオ︑黒海タイ︑サメは現在ではほとん ど見られなくなったと記されているが︑タイ類サメ類の沖合化
は世界的な現象であるからあえて異とするに足りない︒
夏に︑ウッドは︑最初の漁法記録をニジプトに求めてその説 明を行っているが︑これは省略する︒ここまでで彼の古代の説 明は終り︑ここからいわゆる歴史時代
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の記
述が始まる︒
らやや詳しい︒その主要な項目だけを追ってみよう︒
ウッドほ︑先ず︑歴史時代になると魚類が重要な日常食料と
九0
力
764
(表1) イ ギ リ ス の ニ シ ン ・ ト ロ ー ル 水 揚 高
(1922年) イ
ギリスの漁業についての一紹介(柏尾)
Region J Tons North Sea 372 West of Scotland 4,169 Irish Sea 243 South Ireland 963 Bristol Channel 531 Others or mixed 242
非常に興味深いと思う︒ 発達史の観点から見ても 漁具特に網の構造及びそしてあるので︑漁業技術 の発展が図解されて説明 れていることであるが︑ 以上がこの項で述べら 二0
世紀初頭になるとニジン・トロール漁業が一定ツーズン
ナボ>ソオ戦争の直後を第二の発展期として促える︒この時代 におけるイギリス・トロール漁業の北海進出は目ざましく︑百 年余りの間にその漁場は
1 1
倍にも及んでいる︒0
だけ開始されるようになり︑その漁獲も逐年増加して行く︒
︵ 表
1)
は︑イギリス各漁泄へ揚陸されたニシン・トロールの水
拗であるが︑その繁栄の一端が知られよう︒
九
される︒イギリスの遠洋魚商品は︑ニッソ︑サバ︑スプラット︑ し︑遠洋魚類は海底と海表の中間に群遊し網漁或は海表で漁獲
註( 3) Mi ch ae l
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1 0
(4
)
底魚
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類は︑普通︑大陸棚或は
その近くに棲む魚類を総称し︑極めて種類が多いが学 問的名称ではない︒この中には︑ハダック
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︑黒クラ
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k )︑ホワィテング
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などのクラ科の魚を始め︑多種多様のカレ)
イ︑ヒラメ類を含んでいるが︑ほとんどが四季を通じ
て漁獲されることが特徴である︒
(5
)
ビルチア
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は︑日本で緋と呼ばれるニシ
ンによく似た魚で︑沿岸に多産する︒
(6)スプラット(sprat)もイワシ•ニッン科の魚でH
本でい小イワジはこれに当る︒
( 7 )
ニソジェルウオ
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) t!︑日本のいわゆる
ツバクロダイといわれるクイの一種である︒
類されて克朋に述べられている︒
官庁統計表
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)
には︑イギリス魚獲水揚高を
底魚類と遠洋魚類とに分類している︒底魚類は海底附近に棲息
この項では︑底魚漁獲に対する漁法が網漁法と釣漁法とに分
ィートの長さにまで成長したが︑トロール・ヘッド
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Rトロール漁法はイギリスにおいてビーム・トロールから だからイギリスでは︑沿岸漁業或は沖合漁業に属すると思わ る ︒ シーズソは海床近くにおりトロール漁法でも大羅に漁獲され ビ
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ヒメジ
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︑スメルト
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等があり︑
残りの他の魚種はすべて底魚類に分入されているが︑この区分
は必ずしも厳格とはいえない︒例えば︑ニジソ︑サバ等は一定
れる底魚類の漁獲は遠洋漁業以上に重要性をもっている訳であ
る︒事実︑沿岸及び沖合漁業も遠洋漁業も漁法においてはほと
んど同じで︑日本のように漁法上の大きな相遮点は見られない︒
ところで最初に網漁法についてであるが︑ビーム・トロール︑
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)オッター・トロール︑
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︑オッタ
ートロールの投網法及び曳網法
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バレジァ
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︑デソマーク式曳網
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の五種に分類している︒
発生した︒最初は僅か︱ニフィート位のものが後には五0フ
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の高さとビーム
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の長さによって形成される
網口開口面稼が規模の割には小さいため︑水圧利用で網口を イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
④ スペイン︑ポルトガル及びアイルランド南部で広く使用 ⑥投網及び曳網法に関しては︑日本水産会社等が行ってい 日本漁業の特徴を示している︒ 展開するより能率的なオッター・トロールの出現で衰退して行く︒日本で明治末年頃から大正にかけて盛行した機船底曳網漁法は大体ビーム・トロールの前身のようなものであり︑大正期のタイ汽船トロール漁業はイギリスのビーム・トロールの伝播したものだといわれている︒は︑日本においてもそうであったがイギリスでも漁業に一新紀を制するものであった︒漁場はスコットラソド西沿岸から大きく沖合及び遠洋に伸び︑ディゼル機関︑電カトロール︑ウィソチ︑航続力四0日以上等々生産手段廊度化とともに大
発展をとげ︑イギリス漁法の中核となった︒
日本でも昭和初年以降︑共同漁業︵日本水産︶会社で代表さ
機船底曳網漁業という極めて古い形の漁法が数多く残存して
いることは︑零細漁民を含む漁業人口の際暴的数字とともに
る大型汽船トロールと変りがないようであるから省略したい れる汽船トロールの発達は目ざましいものがあった︒ただ︑ ⑥ビーム式の二倍の網口をもつオッター・トロールの出現
九
766
イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
人口を含む漁村では︑零細漁民の手釣は未だにある程度の重 のウニイトはほとんどないという︒日本のように厖大な過剰 ライン︵手釣︶で︑まだ各所に残存しているが︑漁業生産上 R日本でいう手釣及び棒釣を含むのがイギリスのハソド・ て説明しているが︑何れも日本と大差はない︒ R
一九三七年にイギリスに入った が︑その主要な特徴は二隻の汽船が一定距臨を保って︱つの
網を曳くという点である︒
これは︑日本の西南方面で見られるいわゆる二艘式機船底 曳網と同じで︑比較的小規模低馬力の船で行われ︑やや深海
の魚類捕獲には効果的である︒
デソマーク式曳網は一九︱二年にイギリスに伝来し︑ス コットランドでニッソ漁業船によって底魚類漁獲に使用され ている︒フラウソダー曳網
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とほとんど原
理は同じであるが︑人力に替って汽船でこれを曳行する点で 暴っている︒浅海沿岸の海底を曳いてカレイ・ヒラメ類を漁
獲する漁法でいわゆる底曳である︒
第二に︑釣漁については︑手釣︵
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)︑小延縄釣
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︑大延縄釣
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の三つについ されている︒ハレジァ網は︑
九
はマスに似た魚であるが商品価
等が対象となる︒従って︑その生産力も大きく︑漁業生産上 ⑥ ⑥ も当然であろう︒ たところでは︑生産力の低い手釣がほとんど消減して行くの 要性をもっているが︑イギリスのような漁民附分解の進行し
小延縄釣は︑小魚やカレイ・ヒラメ類を沿岸の浅海で漁 獲するのに用いられるもので︑イギリス各地において使用さ れ︑特にスコットラソド東北部ではやや中型のものが盛んで ある︒日本各地の沿岸漁業に用いられる延縄と変りない︒
大延縄釣は︑遠洋或は深海で大型魚類を捕獲するために 長さも大いさも遥かに俊れた大型延織を使用する漁法であ
(9
)
る︒その漁場は主として北海で︑クラ︑コッド
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)︑リン
( 1 0 )
︵1 1
)
グ
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g )︑
アナ
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︑サケ︑マス︑オヒョウ
( ha l
i bu t
) のウエイトも高い︒日本の遠洋漁業でもこの漁法は盛行して
いる
︒
註
(8
)
スメルト
(s
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lt
)
値は低い︒
(9
)
コッ
ド
( co d
)
はクラ
( co d
‑ fi s
h ) 科は
3魚の総称とし
て用いられる場合が多い︒
( 1 0 )
リング
( li n
g )
もクラ科の魚でいわゆるスケトウク
ラを指すことが多い︒
りかなり早く第一回目の繁栄期を迎えているのが目にたつ︒本
︵ 表
2)
は︑イギリス底魚漁獲高水揚高推移であるが︑日本よ
( 1 1 )
オヒョウは北の海に棲む大型のカレイ・ヒラメ科の
魚で
ある
︒
海床と底魚漁業については︑統計或は図表を援用しながら論
を進めるが︑遠洋漁業について統計がないことはイギリス漁業
の全体的把握を不充分なものとしている︒だが︑遠洋漁業の発
達はかなり後のことであり又ウニイトも少いので︑底魚漁獲高
は大体イギリス漁業を物語っているともいえる︒底魚漁業の統
計は部分的には一八0九年から始められたとあるが︑系統的に
且つ正確になるのは一八八六年以降である︒
格的遠洋漁業の開始されるのは一九一0
年︵
明四
一︱
︱)
以降
のこ
とであるから︑イギリスのこの繁栄は同時にイギリス全漁業を
示していると考えてよい︒一九一︱
‑ 0 年以後になって漸く遠洋魚
は総漁獲高の二割以上を占めるようになるが︑底魚は実に残り
の八割を占めている︒
日本の第一回目の繁栄を示す大正期は︑第二回目のイギリス
の繁栄期にあたる︒日本は昭和の第二回目の繁栄期で急速度に イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
(表2) 底魚漁獲水揚高(単位トン)
800 700 600 500 400 300
零
l
4/ ` ...ヽ
I
J ヽヽ` J V \ \
I
/ \ / \
I
ノ \ \
/ \ / ?叫1 樟.,追,\W.I 咄I ,
l ,
1st WmI 凪walt I
九四
1896 1906 1916 1926 1936 6 0
叫f
Michael Graham; "Ibid", p.37
768
(表3) 海域別イギリス底魚漁獲高 1930‑38年平均 (単位トソ)
イ ギ リ ス の 漁 業 に つ い て の 一 紹 介
(柏尾)
Region 認!ndandl Scotland I Totals %
Barents Sea 51,325 57 51,382 7.4 Norwegian coast 10,837 112 10,949 1.6 Bear Island and Spitsbergen 70,483 57 70,540 10.1 North Sea 108,333 94,625 202,958 29.2 Iceland 172,375 3,875 176,250 25.3 Faroe │ 41,705 12,988 54,693 7.9
West of Scotiand 37,262 11,425 48,687 7.0 Rockall 4,792 1,473 6,265 0.9 Irish Sea 14,412 1 14,413 2.1 West of Ireland 13,774 7 13,781 2.0 English Channel 6,272 6,272 1.0 Bristol Channel 4,255 4,255 0.6 South Ireland 26,379 26,379 3.8 Portugal and Morocco 12 12 + Greenland 4,521 462 4,983 0.7 Labrador 89 89 0.01 Gulf of St. Lawrence and 84 84 0.01 Newfoundland
Mixed regions 3,621 3,621 0.4 Totals I 566,910 I 128,703│ 695,613 ¥
彩 I 81.6%1 18.4%1 100.096 I
Michael Graham,.'Ibid", p.39
九五
がかなり残存してその非能率的な では古くさい釣やデンマーク式漁法
なお
︑︵
表
3)
で︑総漁獲高中︑イ
ソグラソド及びウニールズが約八割
を占めているのに対し︑スコットラ
ソドは僅か二割弱の比重を占めるに
すぎないことが判朋するが︑これは
ル漁業であるのに︑スコットランド る︒即ち︑前者はほとんどがトロー ︵ 表
4)
の漁法の違いからも考えられ 北海の重要性を示している︒ 飛躍したが︑イギリスのそれは緩いテソボでしか進んでいないのが特徴的
であ
る︒
さて︑今でもイギリス総獲高の七
割以上を占める底魚類はどのような
海域で漁獲されているだろうか︒北
海及びアイスランドが︑その半分以
上を占めているのは︑何といっても
(表4) 王国別漁法別漁獲高比率
Iト ロ ー ル1
England and Walesl 96.0 Scotland I 74. 7
Michael Graham, "Ibid", p. 40 釣
四
1938年 (単位彩)
│;反マー1その他
0.6 I 1.0 8.3 I ‑ 2.4
16.9
ら︑発達すぺき必然性をもっている もいいすぎではない︒ 面を示しているからである︒だからイギリスで古い漁業を見ようと思えうことになる︒
ともかくも︑︵表
4)
で判明するよ
うに︑イギリスではトロール漁業が
圧倒的比重を占め︑イギリス漁業と
は即ちトロール漁業であるといって
大体︑トロール漁業というのは非
常に能率のよいよい漁法であるか
訳である︒それが︑自由に伸びなか
った日本は︑日本資本主義の特異な
漁業政策があったからである︒
ここでは漁業地と関連しつつ底魚商品の分析が行われる︒
イギリスでも加H業が未発達なときは︑例えば︑ハダック︑ ばスコットラソドで見れば良いとい イギリスの漁業についての一紹介︵柏尾︶
分解或は歪曲分解の漁民層が多数残存している理もあるのであ おりまぜて複雑多岐にわたる漁法が存在しているのであり︑未 たる日本漁業と対比すれば︑若干の統計上の整理を含んでも余 オヒョウ等の巨大魚の漁獲を嫌った︒これは日本でも同様である︒現在の官庁統計では︑スコットラソドでニ一種︑イングラソドとウニールズでは二八種がリストに乗せられているが︑それ以外の魚類も動物も重要でこそないが加工業の発達によりほとんど余すところなく利用されている︒
さて
︑︵
表
5)
は︑イギリス漁獲高の半分以上を占めるアイス
ランド及び北海を始め︑主要海域における魚種別の比率を調査
したものであるが︑クラ
(c
od
)
及びハダック
(h ad do ck
︑)
ヘ
イク
(h ak e)︑リング
( li n
g )
等のクラ科の魚が圧倒的比重を
占めているのが何といっても大きな特徴である︒だから︑クラ
科の魚を除けば他の魚種は寂々たるもので︑僅かに︑プレイス
( 1 2 )
(p
la
ic
e)
等のカレイ・ヒラメ顎が見られる程度にすぎない︒
これは︑イワシ︑ニシン︑サンマ︑サバ︑イカ︑クイ︑サケ︑
マス︑カツオ︑マグロ︑クラ︑カニ︑等々︑誠に多種多様にわ
りにも大きい相違点といえよう︒だからこそ︑漁法もイギリス
ではトロールを中核にかなり単純であるが︑日本の漁法は大小 九六