『野ざらし紀行』小夜の中山の条の主題について
著者 伊藤 厚貴
雑誌名 三重大学日本語学文学
巻 8
ページ 67‑87
発行年 1997‑06‑29
URL http://hdl.handle.net/10076/6516
『野ざらし紀行』小夜の中山の条の主題について
‑
はじめに
松尾芭蕉の最初の紀行文である『野ざらし紀行』には、
表一に掲げた二つの自筆本文が有ることが清吉菅一氏らの
本文研究により明らかにされている(注こ。
また、現在明らかになっている芭蕉の真跡を網羅した
『芭蕉全図譜』(注二)には、義一に掲げた『野ざらし紀 行』
「小夜の中山」の条とほぼ同じ本文を持つ四種類の自
画賛・懐紙が収載されている。
この六種の「小夜の中山」の条の本文を表現・表記・字
母用法の各位相で比較したところ、次のことが明らかにな
った。
①
表現の位相で比較すると、「天理本」・小夜57・
伊藤
厚貴
小夜58のタイプの本文のグループと「画巻本」・小夜
59・小夜60のタイプの本文のグループに分かれる。
②
表記・字母用法の位相で比較すると、「画巻本」
と「画巻本」以外の本文のグループに分かれる。
(注三)
本稿では、表現の位相と表記・字母用法の位相とで、異
なったグループを形成するそれぞれの本文で、何が目指さ
れ、達成されたかを、明らかにしようと試みる。
以下、煩雑さを避けるため、特に断る場合を除き、「天理本」
の
小夜の中山の粂を天理本、「面巻本」の小夜の中山の条を画巻本と表
記し、四つの自画賛・懐紙は「小夜五七」のように略号で表記する。
二
表現の相連
天理本・画巻本を比較すると、本文の表現に明確な相違
があると従来指摘されている(注四)。南本の本文の相違
を資料一として次に掲げる。
資料一、天理本と画巻本との表現の相違
天理本はつか徐りの月かすかに見えてやまのねきハ
画巻本廿・目線・の月かすかに見えて山・の根際・
天理本いと暗・四l
画巻本いとくらきに
‑67‑
踊帥棉・髭㌢机㌍封凱州腋㌢叫な㌍とあ
天理本またゝひなりけるに
画巻本
傍線部が、天理本と画巻本との表現の相違部である。こ
の相違部について先に掲げた四種の画賛・懐紙(小夜57〜
60)
では、それ.ぞれどちらの表現と一致するかを単語単位
でカウント心たのが表三である。
表三
天理本・画巻本の表現の相違部と自画賛・懐
紙の表現との.一致数
※天理本と画巻本の表現に相違かある場合に、それぞれの自画賛・懐
紙がどちらの表現であるかをカウントした。
天理本と画巻本との表現が相違する場合、小夜57・小夜
粥ではすべて天理本と一致し、小夜59・小夜60では、はぼ
画巻本と一致する。このことから、表現の位相では、天理
本・小夜57・小夜58のタイプの本文と画巻本・小夜59・小
夜60のタイプの本文のグループに分かれることがわかる。
以後、本稿では、天理本と表現が同じタイプであるグル
ープを天理本系本文、画巻本と表現が同じタイプであるグ
ループを画巻本系本文とする(注五)。
天理本系本文の本文の表現の意図を考察するため、三つ の本文の対照表を作製し、次真に表三として掲げ、本文の構成を下に付した。
先ず主人公の周りの様子がどの様な性質の言葉で表現さ
れているかを検討する。
表四の下に「①主人公の周りの状況」として縛めた通し
番号1〜13では、「月はかすかに見えた=かすかであっ
た」
「山の根際はたいそう暗く」と、主人公の意識のファ
クターを通して周りがどう見えたかを、事柄として表現す
る。また、自画貴である小夜57では、かすかな月が画申に
描かれ、「かすかな月・暗い根際」が主人公の周りの実際
の景として表現されている。しかし、この表現は、次の三
つの事実と矛盾している(注六)。
二
二十日あまりの月が出る夜が闇夜であるはずがな
い。
二、「数里未だ鶏鳴ならず」の鶏鳴は午前四時頃で、
もう明るくなってきている。
三、主人公が夢から覚めるきっかけは「茶の煙」が視
野に入ったことだった。
この表現と事実との間の矛盾は、天理本系の三つの本文
でそのままにされており、推敲されていないことからも、
天理本系本文では、主人公には月はかすかに見え、辺りは
暗く見えたという事柄を読者に伝え、事実との矛盾.を際だ
たせようとする意図があったと考えられる。小夜57の画中
に措かれたかすかな月(図一)は、本文の「かすかな月・
暗い根際」を主人公の面前の事柄として強調している。
表四
天理本系本文の表現の異同、対照表
u亡」uNNNNNNǸ亡ヾ〉亡ヾ>トートートーー・‑・・・‑▲‑▲ト̲▲ト̲‑
ー ●● ‑ ‑ ‑ ‑ ●● ‑ ‑ 一 ‑ ●● ‑ L
◎ 異
鶏い数彼にけなあ事へぬおはたも蹄のこくい根のやてみにか月のあは 小 鳴ま里 るりま き ち と まらとき ま え す まつ 夜
た た 《 く は か りか 57
ゝ し
ひ け
れ
襲い数 にけなあ事へぬおはたも蹄のこ暗い根のやてみにか月のあは 小 噛ま里 るりま き ち と ま とき ま え す まつ 夜
た た 《 は か りか 58
ゝ し
ひ け
れ
けい数 にけなあこへぬ落ハたも蹄のこ暗いねのやて見にか月の踪は 天 理 本 いま里 るりまとき と まくとき ま え す りつ
めた た 《 ハ か か
い ゝ し
ひ け
れ
YJ }
室芸 辱蔓 墨
芸
ム碧 眠りに誘われる過程とその様子 雲‑公の周りの状況主人公の周りの様子の表現と事実との矛盾が表している
のは、「二十日あまりの月の光」をかすかだと感じ、あた
りがとても暗く感じる様な主人公の半睡半醒の意識である。
さらに主人公が夢に入っていく過程の表現を考察する。天 理本系本文で、夢に入っていく過程を表す表現は次の通りである。
一、月の様子
二、辺りの様子
三、乗っている馬の蹄のリズム
四、主人公が眠り馬から落ちそうになった事実
「三、乗っている馬の蹄のリズム」の「たどたどしさ」
を表す通し番号14〜19番の内、17番の「も」は、「こまの蹄のたどくし」さと並列される事柄として先に述べた
「一、月の様子」「二、辺りの様子」を示していると共に、主人公の意識もたどくしい状態にあることを暗示し、通
し番号19番の接続助詞「ば」は、「一、二、三」で暗示さ
れている主人公の意識の流れが、次の事実の原因・理由と
なっている論理的な文の組立を明示している。次の「四、
主人公が馬から落ちそうになった事実」は、もうろうとし
た状態から眠りへの意識の流れの契機を表現している。
この一連の文章は、主人公が、漢詩の夢の世界に落ち込
ん甘いく過程を、「主人公の周り・主人公自身」の様子を
示す事柄と、それに伴う意識とを明晰に区分し、事柄の秩
序によって頗序づけている点で共通している。
資料二、「野晒を」等五句草稿(注七)
夜深に宿を出て
明んとせし程に杜牧が
馬鞍の吟をおもふ
馬上落ンとして残夢残月
資料二として掲げた初稿形の句の「馬上落ンとして」が
「馬に寝て」と推敲されたのは、句の「馬に寝る」人物が
杜牧の夢の世界を漂っていることを暗示するためであると 共に、主人公の実際の様子を示す言葉を句から詞書にうつすことで、詞書を主人公に関わる事柄で経過を示す表現として完成するためであると考えられる(注入)。
さらに天理本系本文の主人公が漂う漢詩文の世界の表現
について考察する。小夜57の通し番号28番の「彼(か
の)」と40・41・42番の「と云けむ」は、28番から39番ま
でが杜牧の詩の引用であることを明示する言葉である。こ
の引用の明示は、ここまでの主人公の体験と、それに触発
されて主人公が思い浮かべた杜牧の詩とを、分析的に組み
合わせることで、主人公の意識の流れ(夢の世界)を読者
に実感させようとする表現である。
資料三、杜牧「早行」(注九)
より
レチヲまかセチ
エ
クエ
垂レ鞭倍レ
馬 行
71
いまダ
ナラ
教皇壕‑鶏鳴‑
林下帯こ残夢
ノ
ブ
ナ
ク
葉
飛時忽
驚
小夜58・天理本には、この言葉はないが、通し番号27番
の、文の流れを一時止める助詞「に」までで、漢詩文の世
界に入り込んでいく主人公を充分に措いているため、通し
番号35番「数里」以降は、資料三として掲げた杜牧の漢詩
の引用として読まれる(傍線部)。
以上、天理本系の本文では、主人公の周りや主人公の様
子と主人公が思い浮かべた漢詩とが、事柄の秩序により順
序立てられ理知的に組み合わせることで、小夜の中山で半
睡半醍の漢詩の夢の世界から目覚めた瞬間に主人公が、夢
の中の漢詩文の世界とは異質な小夜の中山の美質・命であ
る「茶の煙」を発見するまでの意識の流れを表現している
(注十)。この天理本系本文の表現は、主人公の旅の事実
ではなく、主人公の意識の流れを表現しようとする斬新な
試みであるが、読者にとっては難解である。芭蕉が表現し ようとした「意識」は、本来分節できない流れとしてあるものだからである。この難解さを解消すべく執筆されたと考えられる画巻本系本文について次に考察する。
画巻本系本文の本文の表現の意図を考察するため、三つ
の本文の対照表を作製し、表四として掲げ、本文の構成を
右に付した。
仁一NNN トート▲トーー
ヽ
ー ー ●● ‑ ‑ ●● ‑ L
◎ ◎ ◎◎ ・
に馬 くい根のや にか月の鯨は
J\
ヽ
上 らとき ま す つ
く ハ か か
に馬 くい根のやてみにか月の徐は
」\
同
ヽ
ヽ
llヽ
上 らとき ま え す つ
■く ハ か か
に馬 に くい根の山て見にか月の飴
■■上 らと際 え す 日
き か
辺りの暗さ
し‑‑ナ ノ
((9主主 人人 公公 にの は周
りの どう み状 え況 た か
)
ののののの⊂n⊂n⊂n⊂rl⊂n⊂J̀トCnくJl⊂nlJヽJゝ摩り皐‥トJゝヰゝJゝ‑JゝJゝ⊂d⊂d⊂d⊂β⊂止⊂.d∽⊂d∽
Jゝ⊂βNトーく∋く£〉00一司く天=コ1轟ゝ⊂JNトーく>q∋0ロー】の⊂n中一⊂カN‑▲く>くl∋0〇‑1の⊂J・tJゝCdNトー
煙の茶と月残て寝にむ 驚たていにさ残の早か杜 を 夢
し
ま くち た よ夢 行 牧 ま り の
ち 中
山
すな鶏い数てたをむ ら鳴ま里 れ ち
た
けのちと月残て寝にむは驚たていにさ残の早か杜 ふ やを 夢 ませくち た よ夢 行 牧
り し を ま り の
ち 中
山
すな鶏い数てたをむ ら噛ま里 れ ち
た
けの茶遠月残て寝に馬 驚忽て至に小残の早か杜
ふ し 夢 く り 夜夢 行 牧
り の
中 山
すな鶏い数てたを鞭 ら鳴ま里 れ
た
図二、画巻本「はっきりと描かれた月」
天理本系本文では、通し番号1〜13番の表現空二本文と
も同じであるのに対して、画巻本系本文では相違する表現
がある。小夜59では「月かすかに見え」の「見え」がなく、
画巻本では、本文は天理本系と同じであるが、囲二に示す
ように月がかなり大きく鮮明に描かれている。画巻本の「月」に関する画文の相違について溝氏は、旅の実際通り
のはっきりと大きく描かれた月の絵と、主人公に見える
「かすかな」月との対照によって、主人公の意識の状態を
映像として読者に感じさせる表現となったと述べられてい
る。また、小夜59の「かすかに」という表現が、月の様子
を事柄としてではなく、画巻本の「主人公の意識を示す表
現」の前段階の表現であることを示唆されている
(注十一)。
資料四、杜牧「早行」より
レチ
ヲ重かセチ
;
いまダ
ナチ
赦里壌議場‑
林下草残夢】
ノ
ブ
チ
タ
集
飛時忽驚
さらに、天理本系本文では、漢詩の夢の世界に落ち込ん
でいく主人公の意識の流れが、「いとくらく」 「駒の蹄も たどたどし」「落ちぬべきこと」と主人公に関わる事実を
並列的に線み重ねることで表現されていくが、画巻本系本
文では、天理本系本文の「くらく」を、文の流れを一時止める助詞「に」を用いて「くらきに」とし、その後に通し
番号29から39までの漢詩のt一句を置いている(資料四、傍
線部)。従来、ほとんど漢詩に置き換えられたと評価され
る所である。
.描かれた月と文章で表現された月の食い違いと、その後
に続くこの箇所について、濱氏は、「睡魔が彼を襲い、そ
れにつれて彼の視界に、ゆっくりと別の光景が混入する由
らである。」と述べられている(注十二)。
この資料番号29〜39の表現は、主人公の様子であり、主人
公の見る景色であり、主人公が思い浮かべる杜牧の漢詩で
もある。絵に描かれた月と文章に表現された月の食い違い
が、主人公の意識の流れを表すように、ここでは、漢詩の
引用が、主人公の心理や心持ちを表す表現として、単なる
引用からずらされた意味を担うのである。
杜牧の詩を生きているのか、夢の申で杜牧となったのか、
夢うつつの状態の主人公を「
忽
」起こすのは、小夜の中山
で現実に生活している人の立てる「茶の煙」である。天理
本では、通し番号52番の「たちまち」という言葉が仮名表
記されており、この言葉は主人公の実際の様子を表現して
いる。画巻本ではこの言葉は、漢詩と同様に漢字表記され、
夢の中の杜牧の世界の言葉であって、同時に夢から覚める
瞬間の様子を示す言葉でもあり、両方のズレが主人公の意
識の流れを表現している。 理知的に事柄を積み重ねた天理本系の表現に比べ、画巻
本で完成された表現は、事実や漠詩世界とのズレが表現の・
眼目となっている。この表現が目指したものは、これまで
見たとおり、主人公の意識の移り変わりである。事柄の移
り変わりを正確に表現するのは、事柄のディティールの明
確な文節化である。一方、はっきりと文節化されるもので
はなく、境界なく流れていく意識のうつろいを精妙に表現
するのは、内実のズレにより、境界を曖昧にする表現であ
る。
以上、画巻本系本文特に、画巻本で達成された表現のス
タイルは、主人公が小夜の中山の美質を発見するまでの意
識の流れを精妙に表現するスタイルである。
三
表記の異同
天理本系本文と、画巻本系本文の表現には、違う狙いが
あった。この逢った狙いを持った二つのグループの本文が、
どのように表記されているかを考察するためにまず、それ
ぞれの本文の仮名表記と漢字表記の割合を表六として掲げ
た。
75 総 漢 仮
名 表 記
表 六
ヽ
各 本 文
の
名 漠 字
の 比 り 字 字表 字 数 記
2 0 24 83 字
(
7̀8
%
字 字 字〈 小
22
%
ヽ■一′
0 字
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′■l、
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ヽ■■′
7
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% 小
5 2 99 25 74
字 75
% 天 理 本
率 注
王
字 字 字ノ■、
25
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′■ヽ
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ヽヽ̲■′
小
74 字
35 字
′■ヽ Jゝ
凹%
ヽ‑′
字ヨ
( q■l 亡○
%
画
本
表現の異同では、天理本系本文と画巻本系本文に分かれ
たが、仮名と漢字の使用比率では、他の諸本に比べて画巻
本の漢字表記の比率が突出して高い。
そこで、「画巻本」と他の諸本との表記の相違をより詳細
にみるため、を天理本・画巻本・自画賢・懐紙を語彙単位 で比較し、表記に相違がある用例を集め、大和言葉・漢語に分けて仮名表記・漢字表記の用例数を集計し、表七‑Aとして掲げた。表七1Bはその実例である。
※ 小 夜
漢 請
大 和
表 記
表 七 57
の 適 し 番 号
ト・・・▲
l・■・・・・▲
ロ 根・
き は ロ
は
ヽ
天 理 本 の 巳 ね き ロロ
と 比 較 す る と 漠 字 義 音己 に
ヽ
面 巻 本 の
言
彙 口
A
ヽ
天 :哩 本
●
画 巻 本
●
自 画 賛 懐 紙
の
表 記
の
異 同
(
仮 名 漢 字 用 例 数
ヽ‑′
平 仮 名
片 反 名
平 仮 名
2 け
3 リ
12 例
小 夜 57
2
"
4 り
刃
例 小 夜 58
2 例
2 け
9 リ
6 例
天 理 本
2 け
ロ
リ 4
け 10 例
小 夜 59
2 ぴ
ロ
り 2
け 13 例
小 夜 60
2 け
1 け
2 例
画 巻 本
「根隆」と比較すると仮名表記にカウントされるため、分類した合計が、用例敷を上回る。
表七‑B、天理本・画巻本・自画賛・句文懐紙、語彙対照表
くJIJゝJゝく′)仁■NN ■・一‑■一
ー ●● ‑ ● ●
さ杜鶏 事おはく根やみあは 小 夜 57
よ牧場■ ち・.らきまえまつ
の くは りか
中 ■ 山.
さ杜鶏 事おは暗根やみあは よ牧場 ち きまえまつ 小
の は りか 夜
中 58 山
い小とけ こ落ハ暗ねや見除は 天 理 本 た夜ほい と くきまえりつ
りのくめ ハ か
中 い 山
いさ杜鶏む く根や 徐は 小
たよ牧場ち らきま つ
りの くハ か 夜
申 59 山
いさ杜鶏む く根やみ鯨は たよ牧場ち 小
.らきまえ つ
りの くハ か 夜
中 60 山
萱̲■書.≠=, ■豪社弟・く' ̲ 酷 画 巻 本
■藍牧場 ら ̲ 空 書
き
=■g̲■■劇
:;ぎ辛彗■‑
表七‑ABからは、画巻本では、他の五木に比べて大和
言葉を漢字表記する比率が突出して高いことが見て取れる。
以下、煩雑さを避けるため、この新たな二つのグループ
の内」画巻本を除く五つの本文を懐紙系本文と吼ぶ。
画巻本で特徴的な漢字表記は、大和言葉「廿日・鯨・見
え・山・根際・鞭・小夜の中山・至り・馬・達し・茶」
で
ある。漢字は象形文字であり、その知識を持つものにとっ
ては、瞬時に読みとり・イメージ化・了解が可能である。
画巻本の表現の意図は、意識のうつろいを精妙に表現する
ことにあった。事柄ではなく、意識を表現するため、瞬読
とイメージによる了解が可能な漢字表記が多用されたと考
えられる。資料番号52・53番の送り仮名なしの漢字表記
「忽驚く」は、杜牧の漢詩「早行」の「葉飛時忽驚」を
読者にイメージ映像として実感させる表現である。「画巻
本」
の漢字の多用は、漢詩文的世界をイメージとして喚起
しっっ、その表現が、同時に主人公の意識・気分の流れの
表現にずれ込む意図的な筆法である。
また、主人公が目覚める場面が、懐紙系本文では「小夜
の中山にいたりてたちまち驚く」と和文脈になじむ仮名表
記で、杜牧の漢詩の引用としてより、主人公の体験として 表現されている。漢詩の素養のある読者であれば、懐紙系本文の表記から杜牧の漢詩を想起することは可能である。しかし、この場合も、「たちまち」という表記を、分節化・音声化し、意味のコードによって了解するという手傾が必用であり、直接漢詩文のイメージを読者に実感させる表記とは性質が異なる。懐紙系本文の表記は、知的ほのめかしとして理解される性質の表記なのである。
天理本に代表される懐紙系本文の仮名表記の多用は、理
解するまでに表記の「文節化」「音声化」「意味のコード
による解釈」のステップを踏むため、主人公が小夜の中山
の美質を発見するまでの意識の流れを、事柄を理知・分僻
的に順序立てることで表現しようとする天理本系本文に七
っては、その日的に適った意図的な表記であるといえる。
但し、画巻本と同じ表現を持つ小夜59・小夜60も同様の筆
法であることから、仮名表記の多用は、美術品としての仮
名書きの美しさへの配慮でもあり、天理本の意図的表記は、
懐紙・短冊類の伝統的な葺きぶりの影響下に成立したと考
えられる。画巻本系の本文と懐紙系の表記の特徴を併せ持
つ小夜59・60は、『野ざらし紀行』の旅前後の、芭蕉の
「事柄を分析的に表現し、その表現が意識の流れをほのめ
かすタイプの文章」と「表現が直接、映像・イメージとし
‑77‑
て意識の流れを表現するタイプの文章」を成立させるため
の表現・表記に関する試行錯誤の結果生まれたものである。
四
仮名字母の異同
天理本・画巻本・自画賛・懐紙の表記の異同を見ると、
懐紙系本文と画巻本に分けられた。本筋では、さらに字母
用法の位相で五つの本文を比較するため、各本文に用いら
れていを仮名字母の種類をカウントし、表八として掲げた。 表九、懐紙系本文の使用字母と画巻本の使用字母の相連
表八では、画巻本の仮名の種類・字母の種類が、他の本文
に比べて極端に少ない。そこで、天理本・自画賛・懐紙と
画巻本とで使用字母を比較し、字母表から相違する字母を
取り出し表九として掲げた。一方、義一〇は、『野ざらし
紀行』の旅とほぼ同時期に執筆されたと考えられるその他
の短冊・懐紙の字母数表である。
以下、前節と同機に煩雑さを避けるため、画巻本を除く五つの本
文を懐紙系本文と呼ぶ。又、数表では半角数字を多用するため、懐
紙・短冊を半角で表記する。
例、「小夜59」l「∽A書芸(データベースのファイル名)L
や もめむみま ほへひは のねぬに とてつちた すさ こけくきか 、えあ 也
ロ
毛女 部飛ハ 祢奴丹 亭川知堂 須 己気九支加 阿 天
11 1112
者
口
111 3 3111 ロ 1ト111 口ミ哩
本
也
ロ
武美万 部比者 奴 豊 川知堂 左
ロ
己遣九 閑
、盈安
【d p・
2 4 41 311 1 2 1 4166 131 1 213 国(=〉
無 飛盤 希倶 阿
⊂Jl
‑■n
口く⊃
2 13
ハ 2
11 口
春
ト・・・▲
画 巻 本
表一〇、該当する年次のその他の短冊・懐紙の字母表 ま ほへひは のねぬに とてつちた せすさ こけくきか 、えあ 末
18 万 3 満
口
部比者 祢奴丹 止天川知多 寸左 己介久幾可 ミ衣安 9 6 732 12116 7307 325 229■ 7 9272349 8 212
遍飛盤 仁 ト高津 春 気クキ加
12 315 3 1 1127 ■‑・▲ 12 2 2
ハ ホ ツ ス 九
7 19 ノ耳
15
ロ
3 ロ ロ
表九と表一〇とを比較して、小夜57〜60にあり、その他
の懐紙・短冊にはない字母を義一一として纏めた。
79 義一一に掲げた字母は、同時期の短冊懐紙に比べ、小
夜の中山で特に用いられている字母である。他では見られ
ない字母が、どの様に用いられているかを品詞別に集計し、
その例を単泰の位相でまとめたのが義一二である。
副 助 動 嗣
形 動 詞
名
三1
表
ヽ
小 五 七
ロ
嗣 容
嗣
言司
"
四 例
六 例
五 例
九 例 堂
2 連過
(
くけ
、具 22
(
盈 2(
・み 希阿 2(′、
むあ た はん く 、え あくま
̲▲..
′ヽ
ちれl)
梨 2
′■ヽ
な 2 ら 2て
ヽ̲.′
萎l
まけlた○
ま ち
登 い と
く たl、ノ
と し
けI
りI)た
び
ヽ■.■■
農閑 3((
みか けちす
に 虫 自
の
字 母 の
品 り
ヽ̲′ むのlか
りと)
岩司
らきに」と文の流れを一時止める助詞「に」を用いて、天
理本形本文のような並列的に物事を誇るスタイルを避けた
のと同様の配慮が、目立たしい字母である「具」を選択し
「くらく」の語尾にマークすることでされている。実隙の
書きぶりを図三として傍線を引き示した。
図三‑一、小夜59て7車の月.17り右弓‑1
主人公の周りの状況を表す言葉、主人公の動作・状態・
感情を表す言葉に多く装飾的な字母が用いられているのが
見て取れる。その実例を、文脈と実際の書きぶりがわかる
形で、次の義一lニ以下に掲げる。
表一三、sAYOひ→〜芸に独自な装飾字母「登・具」の用例 TJJl㍍‑1・∴
図三‑二、小夜60 ノー‑一・、ちーヱに
∽∽
>■・‑
ー<=く
⊂>く⊃
くゎ・⊂れ
⊂>く亡l
∽∽
ー>‑・
●‑く:‑く く⊃・く⊃
Cb仁∩
⊂>q>
く く とと
日■日フMく 止登 季母・
☆ ☆ く くいい
単 らら 話 しし
とと
多形削副 品 容容 書司詞
詞詞 嗣
いい いい 文 とと とと 脈 くくく く らら らら く く く く
'「lあ川〓)†㌻n
小夜59では、月の様子を表す形容詞「くらく」の轟尾と、
「くらく」を、強調する副詞「いと」の語尾に目立たしい字
母が用いられている。小夜60では、59と同様に、月の様子
を表す形容詞「くらく」の語尾に目立たしい字母が用いら
れてい.る。これらの字母は、主人公の周りの様子を表す語
彙をマークし強調している。また同時に、一画巻本では
「く
・?〃つ}イア㌢.ハ.拍う∴〜
ぷ皇‑・‑!∴†ト町
表一四、sAY冨可〜芸に独自な装飾字母「堂・遥」の用例
∽∽
>■・‑
■く‑く
⊂>く⊃
くJl亡n 00‑■
∽∽
>・・声‑
Hく‑く
⊂>く⊃
∈IICn 00‑q
けけ たた 追適 堂虔●
鱒☆ ☆
たた たた 単 どど どど 譜 たた たた どど とど しし しし 形形 字形
容 司詞
晶
容容 詞
節即
たた たた 文 とと とと 脈
《《
しし 国
しし けけ けけ
表一四は、小夜57・小夜錮で、主人公が乗る馬の様子を
示し、主人公の様子をも暗示する形容詞「たどたどしけ
れ」
の語頭と滴用語尾中に、日立たしい文字が用いられマ
ークされている例である。実際の書きぶりは図四して傍線
を引き示した。
囲四‑一、小夜57
,lつヰち†貴い
み・くく1ヤ万う路てゑ∴∫
.ノーノく九),を圧サ勤
表十五、sAYOS〜芸装飾字母「農・希」の用例
義一五には、目立たしい字母が文脈上重要な事柄をマー
クするために用いられおらず、主に見た目の華やかさへの
配慮から用いられている例を掲げた。実際の書きぶりは図
五として傍線を引き示した。
図五、小夜59
・りて"ヤLフろ/.ゴーq.
図四1二、小夜58
み⑥ボレふ精々ま一
‑81‑
てつっ凄ワ
2.Tjh
、{ぺ、⊥て
qノ桐リ2ふそ、ケ鳴
■■■トLい1‑‑‑11h里1.
.■/一‑一tll
.㌢、プト
号づぎしdl考、3
以上、懐紙系本文で特に目立たしい字母が、主人公の周
りの状況を表す言葉、主人公の動作・状態・感情を表す言
葉に多く用いられていることを確認した。
天理本に代表される懐紙系本文の目立たしい字母のマー
ク機能は、理解に至るまでに「表記の文節化」「音声化」
「意味のコードによる認識」のステップを踏む仮名表記に
さらに結節点を作り、事柄に読者の注意を喚起する。これ
は、主人公が小夜の中山の美質を発見するまでの事柄を理
知的・分析的に表現することを目指す天理本形本文にとっ
ては、その日的に適った意図的な用字法であるといえる。
但し、画巻本と同じ表現を持つ小夜59・小夜60があるため、
マーク機能を持った目立たしい仮名字母の多用は、美術品
としての仮名書きの美しさへの配慮でむあり、天理本の意
図的仮名字母用法は、仮名表記と同様に懐紙・短冊類の伝
統的な書きぶりの影響下に成立したと考えられる。
四
画巻本で達成された新しい表現
表現・表記・仮名字母用法の各位相で天理本とは違う特
徴を持つ画巻本の仮名字母用法をさらに詳細・具体的に検
討するため、懐紙・画賛では目立たしい字母を用いている
同じ箇所では、画巻本はどの様な字母を用いているかを義
一六以下に掲げた。 表一六、㌍YO誓〜霊装飾字母「閑・盈・登、・具」
:ミ
ー ー ・ ‑ 画冒賢㌍㌍天 賢呂H2賢天
.、■̲・濯㌍ぷ溜天
ニー
ー ー ー ー
罠 ー ー ー
一
己三
ー ー ー 一
己: ーー ー ー ー 岩…
本昌冨芸当本 ⊂b■ ⊂れlく刀lく∫ ⊂b 亡n ⊂n 仁)「 ご 、書写くゎ⊂nりヽ0l
⊂⊃ く⊂〉00 ‑・コ く⊃・勺ロICO 一句 匝▲‑ ‑ ●・
く⊃・⊂> ■‑■ く⊃・く⊃ ■一一 く> ■一一 く⊃■‑▲ ■‑▲・⊂⊃ト・・▲ ⊂>(コl⊂> 〈コ■一 産郵七っく⊃・一・一←一
ーq く■)■一 ト)LO 〈⊃ Jゝ‑▲ 00 ■‑▲ ■一00 ■‑▲ N N N N〔カ 熱く白くロー■‑▲く⊃
きく く・く く とととととと ええ・えええ 汚重かかかかか本文
幾具具K九久 止止萱止止萱 盈・衣衣衣
̀主戦蔓河閑可可可字母
く く く く く くいいいいいい み・みみみ 弼土裏書かかかかか 単 語 らららららら
しししししし
とととととと ゆゆ ゆゆゆ
笥‑」
藁芸芸吉富芸
詞
形形形・形形 副副副副副副 動・動動動 轡名名名名名 同 容容容容容
詞詞詞詞詞
詞詞詞詞詞詞 嗣詞 詞詞詞
主主
ロロ
詞 山いいやいや いいいいいい ゝか■かかか かかかかか 文
のととまとま とととととと すす すすす すすすすす 脈
根.く くのくの く く く暗く暗 かか かかか かかかかか 降らら根らね ららら らく にに ににに ににににに いくくきくき きく く く み みみ見 み みみ見
図六‑一、画巷
黒鯛渦猟招齢
つhり」ノ「
懐紙系本文では、「(月が)かすか」
「
(かすかに)
み え」
「いと(くらく)」「(いと)くらくしの単語にマー
クされている例があるが、画巻本ではこのどれもマークさ
れていない。
図六‑二、小夜59て7弔の
T了れ㍍●1・
図六‑三、小夜60
あ月).)Å
ゥイーア7招拍予∴▲〜
l」7′1①・・〜と!言.†り毎 相連への抹意を喚起している。同様に、小夜60で用いられている「みえしの語尾、天理本・小夜59の「いとしの講尾、小夜57・小夜59・小夜60の「くらく」の講尾も同様の配慮である。但し、これらの知的ほのめかしは、琴解を招きやすい。「かすか」
「みえ」がマークされていれば、実際に
「かすかにみえ」たのであろうと読み、「いとくらく」が
マークされていれば実際に「大層くらかった」のであろう
と読まれる危険があるからである。又、意味のコードを解
することで理解される知的ほのめかしは、主人公の心の動
きを読者に実感させるのには向いていない。
また、次頁の表一七は、画巻本の表記の眼目である漢詩
文の世界の詩文と実時の行動がずれて、その時の主人公の
展識の流れを表している部分である。天理本・小夜57・小
夜60では、この「たちまち」の語頭にマークし、これが漢
詩文の世界の言葉であることに注意を喚起しようとしてい
ると推測される。また、小夜の中山の美質を発見した瞬間
を主人公の実時の様子を強調することで示そうとしたとも
推測される。この表一七の例は、目立たしい仮名字母用法
をマークに用いる掛詞的意図は、多義的で作者の意図が伝
わりがたいことを示している。実時の書きぶりは、図七に
示した。
‑83一
小夜59が「かすか」の.語尾を「閑」でマークしているの
は、表現について考察しだ際に触れたように「月のかすか
さ」
を主人公の面前の事柄として強調し、読者に事実との
義一七、sAぺ○誓〜芸に独自な装飾字母「堂」
≡
・・・ ‑ 巻舌⊇言⊇理 木霊冨芸当本 忽たたたたた 文本
K堂多多堂堂 母字 たたたたたた
単 ちちちちちち 誇 まままままま ちちちちちち
副削削副別削 一品
主・̀・三・i・i・i・ 嗣
忽たたたたた 文 驚ちちちちち 脈
くままままま ちちちちち 驚驚驚驚驚 くくく くく
図七‑一、小夜57
乙nてrll
図七‑二、小夜㈹
れ毒・ヱ了ムー
.ヽ/、}
一∵・l′、†)
′㌧■一‑iり.}ガ)ノ、‑
図七‑三、画巻本
\√ふ〕・′.′・ノ1、 表一八、讐l芸に独自な装飾字母「梨」の用例
㌍冨=2賢天
ー ー ーー
=…
至... "
り り・りり・ 文本 J梨E梨梨K 母字 けけけけけけ
単 むむむむむ 語 りりりりりり
名・名名・ 品
嗣詞 詞嗣 嗣
ち茶ち茶茶 文 のやのやのの 脈 けの煙の煙煙
け け
りふ ふ り り
表一八の用例は、マークしない方が見た目への配慮が.行
き届いている例である。小夜57・∬・60の「けむり」の清
尾の「梨」の表記は、行頭付近・行末付近では、装飾性の
高い字母が慣用的に書かれやすいことを示している。一方
画巻本では、この装飾的な「梨」が一般的な「利」に書き
換えられている。実例は、阻八に示した。
図八1一、小夜57
図八‑二、小夜細
‑ヰ布く、,め考
一t
爪月こ
図八‑三、小夜60 ②絵と一対で主人公の意識の流れを表現する画巻本本
文では、本文自体に目立たしい字母あると、絵をく
っきりと目立たせることが出来ない。
③一仮名一字母表記に近い用字法で滞らず表現する方
が切れ目のない意識を表現するには適当である。目
立たしい文字で単語にマークする用法は、表現・読
者の読みを滞らせる。
月ぺ∴=′1\武川‥ビ∴h
図八‑四、画巻本
▲
考8盲r感
以上、画巻本では、目立たしい字母で語句をマークする
ことが少ないため誤読の危険が少なく、表現の意図の解釈
もー様になる。またその他に次の理由が考えられる。
①画巻本では先に見た懐紙系本文の字母用法の狙いは、
絵と本文のズレにより主人公の意識の流れを表現す
ることで解決しているため、字母用法への配慮は必
要なかった。
六
おわりに
天理本系本文は、表現・表記・字母の用法のどの位相で
検討しても、事柄を積み重ねることで主人公が覚醒するま
での過程を表現するのにふさわしい配慮がされている本文
であった。一方、画巻本系本文では、小夜59・小夜60がメ
ディアとしては字の書きぶりを鑑賞する懐紙であるため、
画巻本とは一致した方向性を持っていない。ただし、画巻
本は、表現・表記・字母の用法のどの位相で検討しても、
表現が境界なくズレながら主人公が覚醒するまでの意識の
流れを表現するのにふさわしい配慮がされている本文であ
った。
以上要するに、従来の紀行文が表現しようとしなかった
意識の流れを、天理本系本文では、懐紙・短冊というメデ
ィアの伝統的筆法を洗練することで理知的に表現しようと
し、画巻本の本文では、画・漢字表記・結節点の少ない仮
名字母表記を一休として用いて、直接読者に主人公の意識
を実感させる表現を目指している。
‑85‑
注二①辞書菅一F『野ざらし紀行』諸本の研究』(桜楓社、】
九八七)注二、¶芭蕉全図槽』〓九九三、岩波‡店)
注三、岡田利兵衛氏は、『野ざらし紀行」小夜の中山自画讃とその位
置二(¶連歌俳糖研究‑六一号、一九八一)で、展現表記の位相
で諸本を比較し、この事実を指摘されている。注四、①参照
注五、このグループ名は、系統序列の前後関係を示すものではない。
注六、②濱森太郎「松尾芭蕉の一二〇〇日し(一九九五、三重学
術出版会)一七〓鱒参照
注七、『芭蕉金甲譜し資料番号五六より抜革。
付表1、『芭蕉全図譜』(三一〜七〇字母数表) 注八、尾形仇氏は、天理本系本文を身ぶりや口拍子に滑稽性を求めるものとし、画巻本系本文を原詩との「照応映発しに重点を移したものと解説されでいる。(鳥形仇=扁きらし紀行し評釈(三)」(F俳句』十八巻四号、角川書店))
注九、山内春男「r野ざらし紀行Lにおける杜牧「早行」辞の引用
についてし(r大谷女子大国文〓三)』一九七三)参照。
注十、②l七一員
注十一、②二七七貝
柱十二、②一七一男
注十三、「小夜五九」は、他の本文と同一条件にするため、他本に
ない本文をカットして集計した。
あ 実15 阿1
い 以18 う 字5 え 衣2 盈1 虫 於10
か 可49 加2 閑1
き 幾p キ2.
く 久之7 九2 具2ク2 け 介9 気4一週3 希1
ヽ■
し̲ 言 9
さ 左13 サ1
し 之49 志7 シ2 す 寸22 春1 ス1 せ 世14 勢1
そ 曽7 楚1
た 争25 掌6 ち 知19
つ 川11 津7 ツ3
て 天30 帝12 と 止37 登1 ト1 な 奈23 那1
に ぬ ね の
丹68仁ioホ9耳5ニ1 奴11
2
乃別能33漣1農1ノ1 は
ひ ふ 匂
ほ
者32 !監18 ハ7 比7 飛4
不20 婦7 フ2
…・l・ 烹
太9 俣1 ま
み む め も
末18 万13 滞1 美4 ミ 3 武11無3 舞1ム2
空手 恵子茂1
や ゆ よ
也31・屋3 由2 遊1 与13 ら り る れ ろ
艮40 羅1
利17 梨5 里3リ 2 留28 類4 ル1 礼9 連3
畠 2・̲
わ ゐ ゑ を ん
王1 和1
為1 恵1
遠53 越14 元15 ン1