• 検索結果がありません。

複素関数・同演習第 24 回 目次 本日の内容・連絡事項

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "複素関数・同演習第 24 回 目次 本日の内容・連絡事項"

Copied!
51
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

複素関数・同演習 第 24 回

〜留数の計算〜

かつらだ

桂田 祐史ま さ し

2020年12月16日

かつらだまさし

(2)

目次

1 本日の内容・連絡事項

2 留数定理

留数の計算

留数が簡単に求まる場合 極の場合の留数の計算

3 参考文献

かつらだまさし

(3)

本日の内容・連絡事項

いよいよ留数定理の節に入る。今回は留数の求め方について学ぶ( うすれば早めに計算練習ができるはず、ということだが、話の進め 方としては不自然かもしれない)。Laurent展開が得られれば留数が 分かるのは当然であるが、Laurent展開せずに留数が求められる場合 があり、応用上重要である。講義ノート[1]§12.2の内容である。

宿題12を出します(締め切りは202111213:30)

かつらだまさし

(4)

11 留数定理 11.1 留数の計算

11.1.1簡単に求まる場合

いよいよ留数定理の前までやって来た。

留数定理を述べる(§11.2)のに先立ち、留数Res(f;c)の計算の仕方を詳しく説明する。

まず留数の定義を復習する。複素関数f A(c; 0,R) ={zC|0<|zc|<R}で正 則のとき(主にcf の孤立特異点の場合)f c における留数Res(f;c)とは

(1) Res(f;c) :=a1.

ただしf c のまわりのLaurent展開の係数を{an}n∈Z とする。 当たり前のことだけれど、強調しておく。

f cのまわりのLaurent展開が求まれば、Res(f;c)が何かはすぐ分かる。

0<r<R を満たす任意のr に対して

(2) Res(f;c) = 1

2πi Z

|zc|=r

f(z)dz

が成り立つことも思い出しておく(an= 1 2πi

Z

|z−c|=r

f(z)

(zc)n+1 dz)

(2)を使って留数を求めると言うよりも、逆に留数を使って積分を計算する方向に用いる。

かつらだまさし

(5)

11 留数定理 11.1 留数の計算

11.1.1簡単に求まる場合

いよいよ留数定理の前までやって来た。

留数定理を述べる(§11.2)のに先立ち、留数Res(f;c)の計算の仕方を詳しく説明する。

まず留数の定義を復習する。複素関数f A(c; 0,R) ={zC|0<|zc|<R}で正 則のとき(主にcf の孤立特異点の場合)f c における留数Res(f;c)とは

(1) Res(f;c) :=a1.

ただしf c のまわりのLaurent展開の係数を{an}n∈Z とする。

当たり前のことだけれど、強調しておく。

f cのまわりのLaurent展開が求まれば、Res(f;c)が何かはすぐ分かる。

0<r<R を満たす任意のr に対して

(2) Res(f;c) = 1

2πi Z

|zc|=r

f(z)dz

が成り立つことも思い出しておく(an= 1 2πi

Z

|z−c|=r

f(z)

(zc)n+1 dz)

(2)を使って留数を求めると言うよりも、逆に留数を使って積分を計算する方向に用いる。

かつらだまさし

(6)

11 留数定理 11.1 留数の計算

11.1.1簡単に求まる場合

いよいよ留数定理の前までやって来た。

留数定理を述べる(§11.2)のに先立ち、留数Res(f;c)の計算の仕方を詳しく説明する。

まず留数の定義を復習する。複素関数f A(c; 0,R) ={zC|0<|zc|<R}で正 則のとき(主にcf の孤立特異点の場合)f c における留数Res(f;c)とは

(1) Res(f;c) :=a1.

ただしf c のまわりのLaurent展開の係数を{an}n∈Z とする。

当たり前のことだけれど、強調しておく。

f cのまわりのLaurent展開が求まれば、Res(f;c)が何かはすぐ分かる。

0<r<R を満たす任意のr に対して

(2) Res(f;c) = 1

2πi Z

|zc|=r

f(z)dz

が成り立つことも思い出しておく(an= 1 2πi

Z

|z−c|=r

f(z)

(zc)n+1 dz)

(2)を使って留数を求めると言うよりも、逆に留数を使って積分を計算する方向に用いる。

かつらだまさし

(7)

11 留数定理 11.1 留数の計算

11.1.1簡単に求まる場合

いよいよ留数定理の前までやって来た。

留数定理を述べる(§11.2)のに先立ち、留数Res(f;c)の計算の仕方を詳しく説明する。

まず留数の定義を復習する。複素関数f A(c; 0,R) ={zC|0<|zc|<R}で正 則のとき(主にcf の孤立特異点の場合)f c における留数Res(f;c)とは

(1) Res(f;c) :=a1.

ただしf c のまわりのLaurent展開の係数を{an}n∈Z とする。

当たり前のことだけれど、強調しておく。

f cのまわりのLaurent展開が求まれば、Res(f;c)が何かはすぐ分かる。

0<r<R を満たす任意のr に対して

(2) Res(f;c) = 1

2πi Z

|zc|=r

f(z)dz

が成り立つことも思い出しておく(an= 1 2πi

Z

|z−c|=r

f(z)

(zc)n+1 dz)

(2)を使って留数を求めると言うよりも、逆に留数を使って積分を計算する方向に用いる。

かつらだまさし

(8)

11.1.1 簡単に求まる場合

最初に確認しておく。

(a) f D(c;R) ={zC| |zc|<R}で正則のときRes(f;c) = 0

(b) c f の除去可能特異点であればRes(f;c) = 0.

(∵(a) Taylor展開がLaurent展開になる。(a), (b)とも主部は0だからa1= 0) 実質的にc f の極または真性特異点であるときが問題になる。

Res(f;c)f について線形である。すなわち一般に次式が成り立つ。 Res(f +g;c) =Res(f;c) +Res(g;c), Res(λf;c) =λRes(f;c).

24.1

Res(f;c) =a1のとき、Res(2f(z) +ez;c)を求めよ。 (解答)

Res(2f(z) +ez;c) = 2Res(f;c) +Res(ez;c) = 2a1+ 0 = 2a1.

かつらだまさし

(9)

11.1.1 簡単に求まる場合

最初に確認しておく。

(a) f D(c;R) ={zC| |zc|<R}で正則のときRes(f;c) = 0

(b) c f の除去可能特異点であればRes(f;c) = 0.

(∵(a) Taylor展開がLaurent展開になる。(a), (b)とも主部は0だからa1= 0) 実質的にc f の極または真性特異点であるときが問題になる。

Res(f;c)f について線形である。すなわち一般に次式が成り立つ。

Res(f +g;c) =Res(f;c) +Res(g;c), Res(λf;c) =λRes(f;c).

24.1

Res(f;c) =a−1のとき、Res(2f(z) +ez;c)を求めよ。

(解答)

Res(2f(z) +ez;c) = 2Res(f;c) +Res(ez;c) = 2a1+ 0 = 2a1.

かつらだまさし

(10)

11.1.1 簡単に求まる場合

Laurent展開から留数を求める(復習)

24.2

() f(z) = 3

(z1)2 (zC\ {1}).

1f の孤立特異点である。()自身がf 1のまわりのLaurent展開である。Laurent展開の主 部は 3

(z1)2. 1f 2位の極であり、留数Res(f; 1) = 0.

24.3

(3) f(z) = exp 1

z (zC\ {0}).

0f の孤立特異点である。0の周りのLaurent展開は f(z) = 1 +

X n=1

1 n!

1

zn (zA(0; 0,+)).

Laurent展開の主部は X n=1

1 n!

1

zn.無限項あるので、0f の真性特異点であり、留数 Res(f; 0) = 1.

かつらだまさし

(11)

11.1.1 簡単に求まる場合

Laurent展開から留数を求める(復習)

24.4

(4) f(z) = sinz

z (zC\ {0}).

0f の孤立特異点である。0のまわりのLaurent展開は f(z) = 1

z X k=0

(1)k

(2k+ 1)!z2k+1= X k=0

(1)k

(2k+ 1)!z2k= 1z2 3! +z4

5!− · · · (zA(0; 0,+)).

Laurent展開の主部は0.ゆえに0f の除去可能特異点であり、留数はRes(f; 0) = 0.

24.5

(5) f(z) = sinz

z2 (zC\ {0}).

0f の孤立特異点である。0のまわりのLaurent展開は f(z) = 1

z2 X k=0

(1)k

(2k+ 1)!z2k+1= X k=1

(1)k

(2k+ 1)!z2k1+1 z= 1

z z 3!+z3

5! − · · ·(zA(0; 0,+)).

このLaurent展開の主部は 1

z.ゆえに0f 1位の極であり、留数はRes(f; 0) =1.

かつらだまさし

(12)

11.1.1 簡単に求まる場合

24.6 (有理関数の留数)

f(z)z の有理式とする。f(z) =q(z)

p(z) (p(z),q(z)は共通因数のない多項式)と表すこ とが出来る。p(z)の相異なる根をα1,· · ·,αr で、αj の重複度をmj とすると、部分分 数分解により

f(z) =zの多項式+ Xr

j=1 mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m, Aj,mj ̸= 0 (j= 1,2,· · ·,r) と変形できる。

関数f C\ {α1,· · ·, αr}で正則であり、αj f mj位の極である。 f αj のまわりのLaurent展開の主部は

mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m

であり、留数はRes(f;αj) =Aj,1. このように有理関数の場合は、部分分数分解をするだ

けで、Laurent展開の主部と留数が分かる。

実は部分分数分解もサボることが出来たりすることを、この後説明する。

かつらだまさし

(13)

11.1.1 簡単に求まる場合

24.6 (有理関数の留数)

f(z)z の有理式とする。f(z) =q(z)

p(z) (p(z),q(z)は共通因数のない多項式)と表すこ とが出来る。p(z)の相異なる根をα1,· · ·,αr で、αj の重複度をmj とすると、部分分 数分解により

f(z) =zの多項式+ Xr

j=1 mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m, Aj,mj ̸= 0 (j= 1,2,· · ·,r)

と変形できる。関数f C\ {α1,· · ·, αr}で正則であり、αj f mj位の極である。

f αj のまわりのLaurent展開の主部は

mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m

であり、留数はRes(f;αj) =Aj,1. このように有理関数の場合は、部分分数分解をするだ

けで、Laurent展開の主部と留数が分かる。

実は部分分数分解もサボることが出来たりすることを、この後説明する。

かつらだまさし

(14)

11.1.1 簡単に求まる場合

24.6 (有理関数の留数)

f(z)z の有理式とする。f(z) =q(z)

p(z) (p(z),q(z)は共通因数のない多項式)と表すこ とが出来る。p(z)の相異なる根をα1,· · ·,αr で、αj の重複度をmj とすると、部分分 数分解により

f(z) =zの多項式+ Xr

j=1 mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m, Aj,mj ̸= 0 (j= 1,2,· · ·,r)

と変形できる。関数f C\ {α1,· · ·, αr}で正則であり、αj f mj位の極である。

f αj のまわりのLaurent展開の主部は

mj

X

m=1

Aj,m

(zαj)m

であり、留数はRes(f;αj) =Aj,1. このように有理関数の場合は、部分分数分解をするだ

けで、Laurent展開の主部と留数が分かる。

実は部分分数分解もサボることが出来たりすることを、この後説明する。

かつらだまさし

(15)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項では、c がf の極である場合に、Laurent展開を求めずに、Res(f;c)を 知る方法をいくつか説明する。

(繰り返し: cf の除去可能特異点ならばRes(f;c) = 0.) cf の極の場合、色々と便利な方法がある。

「k位の極」という言葉を定義済みであるが、「高々k 位の極」と言う言葉も定 義しておくと便利である。

cf の高々k 位の極def. (kN: k k)cfk位の極または cf の除去可能特異点または正則点 これは次の条件と同値である。

(R>0)(∃{an}n=k) f(z) = X n=0

an(zc)n+ Xk n=1

an

(zc)n (z A(c; 0,R)). 式の形はk 位の極の場合に似ているが、ak ̸= 0 という条件はつけていないと ころに注意する。

かつらだまさし

(16)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項では、c がf の極である場合に、Laurent展開を求めずに、Res(f;c)を 知る方法をいくつか説明する。

(繰り返し: cf の除去可能特異点ならばRes(f;c) = 0.) cf の極の場合、色々と便利な方法がある。

「k位の極」という言葉を定義済みであるが、「高々k 位の極」と言う言葉も定 義しておくと便利である。

cf の高々k 位の極def. (kN: k k)cfk位の極または cf の除去可能特異点または正則点

これは次の条件と同値である。

(R>0)(∃{an}n=k) f(z) = X n=0

an(zc)n+ Xk n=1

an

(zc)n (z A(c; 0,R)). 式の形はk 位の極の場合に似ているが、ak ̸= 0 という条件はつけていないと ころに注意する。

かつらだまさし

(17)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項では、c がf の極である場合に、Laurent展開を求めずに、Res(f;c)を 知る方法をいくつか説明する。

(繰り返し: cf の除去可能特異点ならばRes(f;c) = 0.) cf の極の場合、色々と便利な方法がある。

「k位の極」という言葉を定義済みであるが、「高々k 位の極」と言う言葉も定 義しておくと便利である。

cf の高々k 位の極def. (kN: k k)cfk位の極または cf の除去可能特異点または正則点 これは次の条件と同値である。

(R>0)(∃{an}n=k) f(z) = X n=0

an(zc)n+ Xk n=1

an

(zc)n (z A(c; 0,R)).

式の形はk 位の極の場合に似ているが、ak ̸= 0 という条件はつけていないと ころに注意する。

かつらだまさし

(18)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項の定理の多くに「cが高々k位の極ならば」という仮定が現れる。その仮定が満た されることをチェックするために、次の補題は使いやすい。

補題

24.7 (c

が分母の

k

位の零点ならば高々

k

位の極

)

U c を含むCの開集合で、p,q:UCは正則,f =q

p とする。kN,c pk 位の零点とすると、次の(1), (2)が成り立つ。

(1) c qの零点でないならば、c f k位の極である。

(2) c qの零点ならば、c f の高々k位の極である。

証明

.

仮定より、U で正則な関数p1が存在して、p(z) = (zc)kp1(z),p1(c)̸= 0.

(1) g(z) := pq(z)

1(z) とおくと、g c のある近傍で正則で、f(z) = (z−c)q(z)k

p1(z) =(z−c)g(z)k. 仮定q(c)̸= 0よりg(c)̸= 0であるから、c f k位の極である。

(2) (駆け足証明)qが定数関数0であれば証明の必要はない。そうでない場合は、ある 自然数が存在して、cq位の零点である。kならばc f の除去可 能特異点、ℓ <kならばc f k位の極である。

かつらだまさし

(19)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項の定理の多くに「cが高々k位の極ならば」という仮定が現れる。その仮定が満た されることをチェックするために、次の補題は使いやすい。

補題

24.7 (c

が分母の

k

位の零点ならば高々

k

位の極

)

U c を含むCの開集合で、p,q:UCは正則,f =q

p とする。kN,c pk 位の零点とすると、次の(1), (2)が成り立つ。

(1) c qの零点でないならば、c f k位の極である。

(2) c qの零点ならば、c f の高々k位の極である。

証明

.

仮定より、U で正則な関数p1が存在して、p(z) = (zc)kp1(z),p1(c)̸= 0.

(1) g(z) :=pq(z)

1(z) とおくと、g c のある近傍で正則で、f(z) = (z−c)q(z)k

p1(z)= (z−c)g(z)k. 仮定q(c)̸= 0よりg(c)̸= 0であるから、c f k位の極である。

(2) (駆け足証明)qが定数関数0であれば証明の必要はない。そうでない場合は、ある 自然数が存在して、cq位の零点である。kならばc f の除去可 能特異点、ℓ <kならばc f k位の極である。

かつらだまさし

(20)

11.1.2 極の場合の留数の計算

この項の定理の多くに「cが高々k位の極ならば」という仮定が現れる。その仮定が満た されることをチェックするために、次の補題は使いやすい。

補題

24.7 (c

が分母の

k

位の零点ならば高々

k

位の極

)

U c を含むCの開集合で、p,q:UCは正則,f =q

p とする。kN,c pk 位の零点とすると、次の(1), (2)が成り立つ。

(1) c qの零点でないならば、c f k位の極である。

(2) c qの零点ならば、c f の高々k位の極である。

証明

.

仮定より、U で正則な関数p1が存在して、p(z) = (zc)kp1(z),p1(c)̸= 0.

(1) g(z) :=pq(z)

1(z) とおくと、g c のある近傍で正則で、f(z) = (z−c)q(z)k

p1(z)= (z−c)g(z)k. 仮定q(c)̸= 0よりg(c)̸= 0であるから、c f k位の極である。

(2) (駆け足証明)qが定数関数0であれば証明の必要はない。そうでない場合は、ある 自然数が存在して、c q位の零点である。kならばc f の除去可 能特異点、ℓ <kならばc f k位の極である。

かつらだまさし

(21)

11.1.2 極の場合の留数の計算

定理

24.8 (

極の場合の留数の計算

)

kN,c f の高々k位の極であれば

(6) Res(f;c) = 1

(k1)!lim

zc

d dz

k1h

(zc)kf(z) i

.

特にk= 1のとき

(7) Res(f;c) = lim

zc(zc)f(z).

証明は次のスライドに書くが、要するに f(z) =

X n=0

an(zc)n (収束冪級数)のときan=f(n)(c) n! を導くのと同じである。

(少し脱線)実はRes(f;c) =a1だけでなく、an(n≥ −k)を求められる: an= 1

(n+k)!lim

zc

d dz

n+kh

(zc)kf(z) i

.

かつらだまさし

(22)

11.1.2 極の場合の留数の計算

定理

24.8 (

極の場合の留数の計算

)

kN,c f の高々k位の極であれば

(6) Res(f;c) = 1

(k1)!lim

zc

d dz

k1h

(zc)kf(z) i

.

特にk= 1のとき

(7) Res(f;c) = lim

zc(zc)f(z).

証明は次のスライドに書くが、要するに f(z) =

X n=0

an(zc)n (収束冪級数)のときan=f(n)(c) n!

を導くのと同じである。

(少し脱線)実はRes(f;c) =a1だけでなく、an(n≥ −k)を求められる: an= 1

(n+k)!lim

zc

d dz

n+kh

(zc)kf(z) i

.

かつらだまさし

(23)

11.1.2 極の場合の留数の計算

定理

24.8 (

極の場合の留数の計算

)

kN,c f の高々k位の極であれば

(6) Res(f;c) = 1

(k1)!lim

zc

d dz

k1h

(zc)kf(z) i

.

特にk= 1のとき

(7) Res(f;c) = lim

zc(zc)f(z).

証明は次のスライドに書くが、要するに f(z) =

X n=0

an(zc)n (収束冪級数)のときan=f(n)(c) n!

を導くのと同じである。

(少し脱線)実はRes(f;c) =a1だけでなく、an(n≥ −k)を求められる: an= 1

(n+k)!lim

zc

d dz

n+kh

(zc)kf(z) i

.

かつらだまさし

(24)

11.1.2 極の場合の留数の計算

証明.

c f の高々k位の極であることから、あるR>0と複素数列{an}n=k が存在して f(z) = ak

(zc)k +· · ·+ a1

zc +a0+a1(zc) +a2(zc)2+· · ·(0<|zc|<R).

分母を払って

(zc)kf(z) =ak+a(k1)(zc) +· · ·+a−1(zc)k−1+a0(zc)k+a1(zc)k+1+· · · k1回微分すると、a1を含む定数項が先頭に現れる。

d dz

k1h

(zc)kf(z) i

= (k1)!a1+k!

1!a0(zc) +(k+ 1)!

2! a1(zc)2+· · ·. zc としてから、両辺を(k1)!で割ればa1が得られる。

かつらだまさし

(25)

11.1.2 極の場合の留数の計算

証明.

c f の高々k位の極であることから、あるR>0と複素数列{an}n=k が存在して f(z) = ak

(zc)k +· · ·+ a1

zc +a0+a1(zc) +a2(zc)2+· · ·(0<|zc|<R).

分母を払って

(zc)kf(z) =ak+a(k1)(zc) +· · ·+a−1(zc)k−1+a0(zc)k+a1(zc)k+1+· · ·

k1回微分すると、a1を含む定数項が先頭に現れる。 d

dz k1h

(zc)kf(z) i

= (k1)!a1+k!

1!a0(zc) +(k+ 1)!

2! a1(zc)2+· · ·. zc としてから、両辺を(k1)!で割ればa1が得られる。

かつらだまさし

参照

関連したドキュメント

□ ゼミに関することですが、ゼ ミシンポの説明ではプレゼ ンの練習を主にするとのこ とで、教授もプレゼンの練習

〇 芸術文化創造振興事業として、オペラ・バレエ・室内楽・演劇・ミュージカル・ダンス・美術な ど幅広いジャンルで 45 事業/46 演目(154 公演)・29

回  テーマ  内  容 . 第 1 回 

「そうした相互関 係の一つ の例 が CMSP と CZMA 、 特にその連邦政府の政策との統一性( Federal Consistency )である。本来 、 複 数の省庁がどの

絡み目を平面に射影し,線が交差しているところに上下 の情報をつけたものを絡み目の 図式 という..

この項目の内容と「4環境の把 握」、「6コミュニケーション」等 の区分に示されている項目の

・KAAT 神奈川芸術劇場が実施した芸術文化創造振興事業は、30 事業/56 演目(343 公 演) ・10 企画(24 回)・1 展覧会であり、入場者数は

LF/HF の変化である。本研究で はキャンプの日数が経過するほど 快眠度指数が上昇し、1日目と4 日目を比較すると 9.3 点の差があ った。