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契約の成立と保険料の払込.

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契約の成立と保険料の払込 : 生命保険契約にいわ ゆる「遡及条項」についての一考察

著者 吉川 吉衛

雑誌名 法經論集

32‑33

ページ 139‑173

発行年 1974‑03‑15

出版者 静岡大学法経短期大学部

URL http://doi.org/10.14945/00008960

(2)

一139

契約の成立と保険料の払込.

ー生命保険契約にいわゆる﹁遡及条項﹂についての嗣考察−iー

契約の成立と保険料の払込

第一 聞題提起

第ご 契約成立と保険料払込ー実務における﹁承諾前事故﹂取扱い基準の分析

第三 保険料前払の保険制度における機能

第四 条件附契約即時成立の法律構成︵その一︶

  一 条件附契約即時成立の態様とその成立のための前提的問題      も

  二 ﹁意思実現﹂︵民五ご六条ご項︑商五〇九条︶について

  三 生命保険募集人の権限について1第一回保険料稲当額受領権限があるか

  四 小 括

第五 条件附契約即時成立の法律構成︵そのこ︶ーアメリカにおける餅Φ富導もo琵麸貯ω償這嵩8夢⑦o麸

  一 び冒似ぎぴq触OoΦ甘甘について

  こ O覇ゆ爲露8ωΦにおける夢のけ§b◎鵠藁ぼω霞碧8紳げのo黛の形成とその展開

  三 ニュー・ヨーク州保険監督庁の0酵o⊆冨HピΦ詳¢触ω︵H㊤0⑩︶による方向づけ

第六 結 語         の検討

(3)

第馴 問題提起

一140一

一わが商法六七三条の文言からすれば︑商法典上︑生命保険契約が当薯双方の意思嚢の合致によって成立する諾

       ハエ 成契約であることに疑問はない︒そこで︑保険契約者たるべき者の申込に対して保険者︵保険会社︶がこれを承諾するこ

とによって契約は成立し︑保険料の払込の有無︑ないし有診査保険の場合における被保険者の診査の有無は・契約の成立      バゑ       ヨ には︑関係がないことになる︒これが︑わが国における通説であり判例である・

と.塔が︑並.通保険約款では︑契約が成立しても第颪保険料の払込があるまでは保険者の責任は開始しない旨を定め

ている︒しかも言では︑契約の成立後に第面保険料の払込がなされるという例は少なく︑むしろ契約申込のさいに第

高保険料根当額を申込者たる保険契約者から受領し︑保険者の承諾によって契約が成立した時点で・その笙回保険料

相当額を第薗保険料に充当する.﹂とが一般に行なわれている︵笙回保険料相当額の仮領収製︶・この場合・保険者

の責任開鶏は︑第高保険料相当額の受領のとぎ︑有診査保険の場倉綾保険者の受診のときである・と約款は規定

       ゑ している︒.航が︑いわゆる﹁遡及条項﹂と呼ばれるものである︒しかして︑この約款の規定は︑契約の成立そのことで

はなく︑綴者の承鐘よ.て成立した契約の効果としての︑保馨の漂の開緯期についての約定である・と︑一盤

説かれている︒

二と.﹂ろで︑約甦覇及叢Lが設けられるようになった理由は︑つぎのような申込者側の董と保馨側の要曲粥

との利轟整である︑といわれる︒生命保険契約は諾成契約であるが︑保険者の承諾は通例﹁保険証券﹂の発行をもって

代えられ︑しかも艦契約勇るべ薯の申込から保険者による﹁保険証券﹂の発行までには︑通常でもだいたい一吾

から二吉ぐらいの期間がある︒そ.﹂で︑申込から承諾までの期間において︑保険事故ーいわゆる﹁承諾前事故﹂ー

が発生したならば︑たとえその時点で笙回保険料相当禦支払われ︑有診査保険において被保険者の診査が済んでいたと

(4)

契約の成立と保険料の払込

しても︑契約未成立のゆえをもって︑保険者による保険金の支払は拒絶されることとなる︒しかし︑一般の申込者にとっ

てみれば︑すでに契約申込とともに第一回保険料相当額を支払い︑有診査保険における診査も終った以上︑そのとぎから

保険の利益を受けると思うのは無理からぬところである︒また他方︑保険者には︑申込者の変心による不利益をこうむる

危険をさけるために︑第一回保険料を確実かつ迅速に徴収する必要が︑ある︒すなわち︑ ﹁承諾前事故﹂の救済という保険

契約者たるべき者の側の要望と︑かれの変心による不利益の回避という保険者側の要請との調整点・妥協が﹁遡及条項﹂      ハ  の約款における設定である︑というのである︒  ︑

 このような見方からすれば︑商法六七三条の規定および約款における﹁遡及条項﹂の規定からーもっとも︑該条項の規定       き と商法六四二条︵同六八三条一項で生命保険契約に準用︶の規定をめぐる若干の論理操作をへたうえで︑であるがー︑

生命保険契約は申込と承諾の合致により成立し︑その効果としての責任開始が第一回保険料相当額の払込ないし被保険者

の受診のときに遡及すると法律構成すること︑つまり生命保険契約はあくまでも諾成契約であって保険者は諾否決定の自       ハ  由を有すると法律構成することには︑疑問の余地がないかのように思われる︒

 しかしながら︑保険者が諾否決定のまったき自由を有するという法律構成では︑保険審議会答申が指摘するように︑

       ぬ       ハれ ﹁承諾前事故﹂の完全な救済にはならない︒それはともかくとしても︑さぎに述べたところから一定程度久示され︑のち

に第ご章で保険実務における﹁承諾前事故﹂取扱の分析から明らかになるように︑保険者の保険金支払にとって決定的な

ポイントは︑第一回保険料相当額の受領の有無︑有診査保険の場合にはさらに受診の有無︑そしてその時における被保険      者の﹁保険可能体﹂ ︵一⇔ω償村◎び隷脚け望︶の適否である︒保険実務では︑ ﹁承諾前事故﹂がそれらの前であるか後であるかに

よって︑保険金支払の可否が決定されているといって過言ではない︒このような法動態欝零貯㊤o鉱8を認識すれば︑      れ 上述の事態に考慮を払わず︑保険者の諾否決定のまったき自由を主張する実務の感覚を前提としつつ︑保険者の承諾の

時点で契約が成立し︑したがって保険金が支払われるのである︑という通説の法律構成に対して︑わたくしは一つの・し

(5)

一142−一

かし基本的な疑問を覚えざるをえないひすなわち︑法律構成においても︑窮一回保険料椙当額の受傾︑被保険者の受診・

そしてその時における﹁保険可能体﹂ということに相応の比重を与えてしかるべきではないか︑と考えるのである・

触改めて指挙る毒もなく︑保険契約︑わけても器保険契約は︑世にいわゆる附従契約§ぎ鼠︑集鋒である︒しかし︑それは︑ほかの・たとえば運送契約などと較べて憩ある特異な性質をもつということが指摘されている︒       め すなわち︑保険事業にとって︑危険の選択は絶対的な要請であり︑しかして︑危険選択においては︑各被保険者が申込保

険金額およびその保険種類に応じうる﹁保険可能体﹂であるか否かというぎわめて個性的な事惰が・その重要な要素をなし

ているということであり︑さらに︑それらの危険を引受けるか否か︑引受ける場合の条件はどのようにするかということ

はぎわめて微妙な問題であって︑生命保険契約の締結を機械的︑画一的に処理することはできなゆ・との指摘である︒な

るほど︑保険者に危険選択の機会が留保されていなければならない︑したがってまた︑諾否決定の自由がなければならな

い︑という説明としては︑理由があり︑さきほどの疑問は氷解するかのようである︒しかし︑のちに第四章︑第五章で詳

論するように︑保険者における危険選択の機会の留保ということは︑前述した通説の法律構成においてしかなしえない︑

というわけのものではない︒とすれば︑さぎの疑問は十全には解けない︒

いずれにせよ︑保険製は肇計算を前響し基礎とするすぐれて技術的な製である・保険契約法も・常識的な意味

での当事者意思探究や正蓑平の観念だけではなくδ保険製の技術的構造節して饗されるべきで知・たんに慧

的弱者保護のためではなく︑はたまた保険企業の保険資本的要請のためではなく︑保険制度のいわば﹁技術的基恥雛﹂と

いったものを根底において︑保険契約法の問題は解釈されるべきである︑と考える︒

そ.﹂で本稿は︑以下において︑まず﹁承諾前事故﹂が保険実務においてどのように取扱われているか︑その取扱い基準

はなにか︑を明らかにし︵第ご章︶︑ついで︑それらのことが保険制度の構造においてどのような意味をもつか・を分析す

る︵第三章︶︒最後に︑該問題にかんするわが国の法律構成を検討し︵第四章︶︑また︑アメリカのそれも検討することと

(6)

一143…

する︵第五章︶σ

︵1︶ 今日では︑保険契約を要物契約︵閃o巴︿①詳冨ぴq︶とする立法例は葎在しないひ魁曳4毎寓︾O鳳嵐︾Z欝け﹀ψ国qω癌︾審U帥国O㌶鐵嚢

  尊弓2u留く醐沁ω8踏両口q鶉o◎o<簡犀↓図︾Q塵啄ω!国回鶉騨馨簡o鴻↓ω<伺渕◎翁8国国賭u国U︾閑ω臼孚謄d29同①ー目c︒︵おこウ癖︶9

︵2︶ 青谷﹃保険契約法1︵生命保険︶廟︵一九六六年︶ご二頁︑朝川﹃商法四部︹保険法︶﹄ ︵一九五八年︶五六頁︑伊沢﹃保険法﹄

   ︵一九五七年︶九七頁︑石井﹃商行為法.海商法・保険法﹄ ︵一九七一年︶二七〇︑二七四頁︑大森﹃保険法﹄ ︵一九五七年︶二

  六四頁︑田辺﹃保険法﹄︵一九七〇年︶一=頁︑田申︵耕︶ ﹃保険法講義要領﹄ ︵一九三五年︶五七頁︑田中︵誠︶ ﹃新版保険法﹄

   ︵一九六〇年︶二三頁︑野津﹃新保険契約法論﹄︵一九六五年︶七三頁︑松本﹃保険法﹄︵一九一五年︶一ご一頁など︒ただし︑

  本稿第四章第四節を参照されたい︒

︵3︶ 大判昭八︐三・八民藥一二巻三四五頁︑新聞三五五四号九頁︑東京地判昭八・九・一一新聞三六一二号九頁など︒ただし︑要物

  契約であるとするものもある︒熊本地判昭七・五・輔一一民集=一巻三四九頁︒また︑大判昭七・一一・ご四新聞三四九九号八頁も

  そう判示したと解すべきであるという見解がある︑稲村真介﹁生命保険契約成立に関する一疑点﹂新聞三五六七尋四頁︒︵4︶ 青谷和夫﹁契約の成立時期と効力発生時期﹂生命保険経営二二巻二号︵輔九五四年︶三頁以下︑石井隆﹁責任遡及条項と承諾前

  事故の取扱い﹂保険学雑誌四五九号︵一九七二年︶七一頁以下︑大森忠夫﹁生命保険契約における﹃遡及条項﹄について﹂﹃続法的

  構造﹄所収一七七頁以下︑奥田宏﹁承諾前死亡について﹂保険学雑誌四三六暑︵一九四九年︶四九頁以下参照・本稿は・これらの諸

  労作︑わけても石井.大森論文に多くを負っている︒また平弁宜雄﹁法律行為﹂﹃注釈民法㈹﹄所収一頁以下から示唆をうけた︒︵5︶馨.前掲嵩頁︑同論茎○頁以下︑朝川・前掲書五六頁︑葬隆・同論文九六先七頁・葬︵照︶前響同頁・大森向

  論文一七七頁︑奥田.同論文四九−五〇頁︑田辺・前掲書同頁︑野灘・前掲書七四頁︑松本・前掲書同頁︒︵6︶ 奥田.同論文五〇頁︒引受可否の決定について︑さらに調査を要する場合には︑一ヵ月以上もかかることがある・という︒同頁

  参照︒

︵7︶ 石井.前掲論文八六︑九七⁝九八頁︑大森・離掲論文一七八頁︑奥田・前掲論文六一頁︑参照︒ら謎跨躍の昌メ罎の絆o質o一謬欝捧ピ篇①

  H募op瞳客8︒O幽・8︒︒唐淺①ω︒︒︵お①頓︶嚇淳貯8タ妻①醗Φヨ国鈴℃冨ぼ粘Φ囲塗opお俸Ω・財鉢︒息μ鐸合゜︒国b︒瓢H①゜︒

   ︵圃︒8も騰葺伽⑦溢賦騨=謬ρ・9〜欝§ρ・︒舅撃慰⑪誌鱒舞・︒霧ま︵お3とれらの覇決例について︑本稿第五幕二  節の二を参照されたい︒ーなお︑本稿第三章註︵10︶および該当本文を参照されたい◎︵8︶商法茜二条によれば︑保険契約の当蒋契約当霧の一方または保険金叢人が事故の生じないことまたは既に生じたことを知

(7)

一144一

  っていたときは︑その契約は無効となる︒申込の後保険潜の承諾により契約が成立する前に被保険者が死亡した場合に︑契約の当

  事者または保険金受取人がそれを知ったときは︐たとえその後に保険者が申込を承諾しても契約が有効に成立する余地はない︑と

  いう結果になる︒つ窟り︑﹁承諾前薯故﹂の多くは救済されないことに数り︑﹁遡及条項﹂の実効の大半は無になる︒生命保険契

  約の成立を︑本社承諾の時とするかぎり︑このような結論を生ぜざるをえない︒そこで︑これを回避するため︑①商法六四二条の

  規定は絶対的な強行規定か否か︑②もし︑該規定が約款によりある程度その適用を緩和℃きるものとすれば︑この場合に︑どのよ

  うに緩和されたとみられるか︑ということが検討されることとなる︒本稿の扱う問題にかんする従来の勝作は︑その法律構成を本

  文以下のようにとっているため.かような問題に遭遇し︑これを申心問題として論ずることとなっていた︒前掲註︵4︶参照︒

   しかしながら︑本稿は︑契約の成立につき第四章で論述する法律構成をとるため︑ーー﹁保険契約ノ当時﹂についての論理操作

  以外には⁝ー右の問題とかかわらない︒

︵9︶ 前掲註︵5︶参照︒

︵10︶ 保険審議会昭和三七年七月九日付 ﹁生命保険募集に関する答申し ︵新生命保険実務講座10﹃業史・資料﹄所収︶ 三三四頁︑参

  照︒︵11︶ ﹁遡及条項﹂が︑妥協の産物であるということからすれば︑該条項の形弐論理駒解釈によっては﹁承諾前事故﹂の完全な救済に

  はならない︑ということは︑あえて指摘する漆でもないことだからである︒より本質的な問題は︑本文以下にある︒

︵12︶ 青柳謙一﹁危険選択﹂B契約︵前掲講座5﹃選択保全・経理・財務﹄所収︶七三−七五頁︑石弁・前掲論文一一九頁・参照︒

︵13︶ ﹁いうまでもなく︑現在の法律の下では︑幽命齢険勢細麟講晦興絢であり・契約の締結につき・法律上特にこれを強制す惹定め  はないから︑齢会禁慧絵珍羅葱馨訟・毎粛緊薇融である・藷保険契約が附従契約という形でなされ

  ている之ルκ適記切必之北怯っ︑て︑この承諾の自由が制限されることはない︒﹂ ︵傍点︑引用港ー以下同様︶奥田・前掲論文六〇

  頁︑﹁生命保険契約は諾成契約であり︑契約の締結については法律上はもちろんのこと約款上もこれを強鋼する規定がないため・

   ヘ ヘ  ヘ ヘ  ヘ  ヘ ヘ  ヘ  ヘ  ヘ ヘ ヘ  ヘ  ヘ ヘ  ヘ  へ  申込を承諾するか否かは保険者の自由である︒﹂石弁・同論文九七頁︒︵4玉︶ほとんどの学説は︑これを止是している︒前掲註︵2︶文献参照︒アメリカについては︑本稿第五章の註︵−︶︵2︶参照・

  なお︑拙稿﹁保険契約に対する国家規制︵一︶﹂法学新報八〇巻一〇号二⊥一責︑参照・

︵15︶ 保険実務において︑危険の選択は︑①生命保険募集人の面接選択︑②診査緩の査定︑そして︑③﹁決定者﹂ ︵後掲論文七九頁参照︶

  の決定によりなされる︒場合によっては︑⑳事後選択として生存調査が行なわれ︑また死亡のさいに屍亡調査が行なわれる・青

(8)

一145一 契約の成立と迷険料の払込

  柳・前掲論文七七−八四頁︑参照α

︵16︶ 石井・前掲論文九七︑酬二〇頁︑大森・前掲論文二〇五頁︑爽田・前掲論文六二頁か

︵17︶ 大森・前掲書四〇1四一頁︑田辺・前掲書蝋三頁︑岩崎稜﹁保険制度の特質と保険法の特質﹂

  ︹一九七一年︶所収︶八一−八二頁︑参照︒

︵18︶ 岩崎・同論文八二頁︒ ︵本間岩崎編﹃商法三〇講亙﹄

    第二 契約成立と保険料払込ll実務における﹁承諾前事故﹂取扱い基準の分析

 一 保険実務において︑ ﹁承諾前事故﹂の取扱いは︑どのようになされているのであろうか︒すなわち︑﹁承諾前事故﹂

に対する保険者の保険金支払いの可否は︑いかに決定されているのであろうか︒実際に発生した﹁承諾前事故﹂の代表的      ユ 事例を六例かかげ︑支払査定者がそれらに対してどのような取扱いをしたか︑これを石井氏︵千代田生命︶の論稿を借り

て︑明らかにしたい︒        8  ﹁承諾前事故﹂の事例

  事例一

    9/1 外務員︑申込書受理および第一回保険料相当額受領

    9/3保険事故発生

    9/5 外務員︑第一回保険料相当額を支社下部機関へ払込む

    9/14保険証券発行

  事例二

    9/1外務員︑申込書受理

    9/3 保険事故発生

(9)

146

  9/4 支社下部⁝機関︑申込書受理

  9/14 保険証券発行

事例三  9︐︑−外務員︑申込書受理︑そのさい保険申込護対し第面保険料相当額の立替を約束  9/3保険事故発生

  9/4 支社下部機関︑申込書受理

  9/14 保険証券発行

事例四  9/−外務員︑申込議.鑑︑そのさい笙回保険料相当額を受領しないまま会社所定の領収証発行  9/2保険事故発生

  9/3外務員︑立替払

  9/5 機関入金

  9/14 保険証券発行

事例五  9/1 外務員︑申込書受理および第一回保険料相当額を受領

  9/3有診査保険のため診査を受けにゆく途申で保険事故発生

事例六  9/−外務員︑申込書受理

  9/2診査を受け︑第一回保険料相当額払込む

(10)

契約の成立と保険料の払込

   9/4保険事故発生

   9/14 保険証券発行         ヨ ⇔ 事例の取扱い状況

 事例一  保険事故発生前における第一回保険料相当額の受領は明日であるが︑調査の結果︑被保険者は当時心臓弁

   膜症にて加療中でありその不魯知が判明した︒よって︑保険金は不払い︒

 事例二 保険事故発生前における第一回保険料相当額の払込みの事実なく︑保険金は不払い︒

 事例三 調査の結果︑被保険者は元来健康であることが判明したが︑外務員と保険契約者との間には立替約束のみ

   で︑保険事故発生前における機関入金の事実はなかった︒よって︑保険金は不払い︒

 事例四け 調査の結果︑外務員は申込書受理のさい︑一両日中に第一回保険料相当額をかならず払込むとの保険契約

   者の言葉を信用し︑入金のないまま会社所定の領収証を発行したのであるが︑保険契約者がなかなかそれを払込

   まないため外務員自らそれを立替えして︑機関入金したことが判明した︒会社所定の領収証発行の事実あるも︑

   保険事故発生前における機関入金の事実はない︒よって︑保険金は不払い︒

 事例五一 調査の結果︑保険契約者は︑有診査保険契約を申込み第一回保険料相当額を払込んだが︑会社の過失によ

   り診査の手配が遅れ︑ようやく診査医のところへゆく途中の路上で心臓発作により死亡した事実が判明した︒ま

   た被保険者は平素健康であったことが判明したので︑当該申込を無診査保険契約︵保険金額は当初の第一回保険

   料相当額に見合うものとした︶への変更を条件に﹁承諾﹂を決定し︑その上で保険金を削減して支払う︒

 事例六 調査の結果︑既往症の不告知あるア﹂とが判明した︒ただし︑たとえ正当な告知があっても︑当該申込は標

   準下体契約︵保険金を削減して支払う旨の条件附ぎ契約︶にて﹁承諾﹂するであろうとの医務査定意見を尊重し

   保険金を削減して支払う︒

(11)

一148一

 二 ﹁承諾前事故﹂の実務における取扱いの実態分析から明らかになることが三点ある︒まず第一は︑保険金が不払と

なハ.た事例は︑すべて第一回保険料相当額の受領がない場合である︵事例一ないし四︶︒これに対し︑保険金が支払われた事

例では︑第一回保険料相当額がすべて受領されている︵事例五および六︶︒しかも︑この受領の有無ということは︑事例四

のように︑たとえ会社所定の領収証が発行され外務員の立替払の入金が⁝機関にあったとしても︑申込者による機関入金の

事実はない︑とされたことからも了解されるように︑きわめて厳格な取扱い基準であるといってよい︒策この点はこうであ

る︒有診査保険における被保険者の受診の有無の基準にかんしては︑二つの箏例がある︒繭つには受診があったが︑いま一

つは現実にはそれがなかったけれども︑いずれにおいても保険金は支払われた︒しかし︑後者の事例︵事例の五︶は︑い

ささか特殊である︒この場合保険事故発生前までに受診がなかったのは︑保険者の過失にもとつくものであったからであ

る︒さて︑重要な点は第三点である︒被保険者が﹁保険可能体﹂であるか否かの取扱い基準が︑第一回保険料相当額の払

込み時ないし有診査保険においては受診時にもとめられていることである︒なお︑この場合︑告知義務の問題︑すなわち

被保険者が﹁保険可能体﹂でないという事実につき保険契約者またた被保険者に告知義務違反があれば︑商法六七八条の      イ 規定により当該契約が解除されるという問題については︑ここでははち入らない︒

 ところで︑右に明らかにした﹁鼠諾前事故﹂取扱いの現実の基準は︑本問題にかんする前述保険審議会の答申とほぼ

       ヘ  ヘ  へ     ヘ  へ     へ     ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ      ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ     ヘ  ヘ  ヘ  へ一致する︒すなわち︑同答申は﹁承認前死亡については︑第一回保険料相当額受領の当時または被保険者の診査の当時       ヘ  ヘ       ヘ  へにおいて︑被保険者が当該条件による契約の被保険者として健康上の要件を客観的にそなえていることが明らかであ       う る場合には︑保険者の承諾がなされる前に被保険者が死亡しても保険会社が資任を負う﹂ ︵傍点︑引用者ー以下同様︶べ

きであると記しているからである︒またそれは︑いうまでもなく︑石井氏が提唱する﹁霧的取扱灘﹂とも〜その指

針の②﹁当該申込の動機に不純性がないか否か﹂︵いわゆる﹁道徳的危険﹂︹日霞鉱ユω〆︺の既慰︶をのぞ軌劇ーおおむ

ね一致する︒

(12)

一149一

 要するに¥ ﹁承諾前事故﹂にかんする実務の取扱いにおいて︑第一回保険料相当額払込みの有無は︑保険金の支払いに

とって︑法律的にいいかえれば︑保険契約の成立にとって︑決定的なポイントであるということになる︒それでは︑なぜ

該基準が保険実務において決定的とされているのであろうか︒これを次章で分析することとする︒

ノヘノヘノヘノへ,,゜ XAノヘノへ

) )).)))))

同﹁責任遡及条項と承諾前事故の取扱い﹂保険学雑誌四五九尋七一頁以下︒

石井・岡論文一一五ー一六頁︒ただし︑文章は原文どうりではない︒

石井・同論文一一六ー一七頁︒方針は前述のとおり︒

石井・同論文九五−九六頁︑保険審議会昭和三七年七月九日付答申︵前掲講座10所収︶三三五頁︑参照︒

審議会・同答申三三四ー三五頁︒

石井・前掲論文一一七⁝一八頁︒

前掲︑第一章註︵12︶参照︒

わたくしは後述の理由により反対である︒第四章第四節の二︑第六章︑参照︒

第三 保険料前払の保険制度における機能

契約の成立と保険料の払込

 酬 ﹁承諾前事故﹂にかんする実務の取扱いにおいて︑第一回保険料相当額受領の有無は︑保険金の支払い︑つまりその       ヘ  ヘ  へ法律的前提としての保険契約の成立にとってーー後者をどのように法律構成するかはしばらくおき︑すくなくとも実態に

へ     へおいては決定的なポイントであった︒このポイントは︑いかなる理由にもとつくものなのであろうか︒ここで︑第一章で

指摘したことが想起されるべきである︒すなわち︑その理由というのは︑保険制度の﹁技術的基本線﹂にもとつくもので

あろうか︒それとも保険企業の保険資本的要請にもとつくものなのであろうか︒

 二 保険事業は︑特定期間内における事故発生の蓋然率を測定し︑それにもとづき︑保険者が支払うべぎ保険金の総額

︵および経営費︶と保険契約者から徴集すべぎ保険料の総額とが均衡をたもつように運営されなければならない︒すなわ

(13)

f50

ち︑保険事業の按術的前提は︑保険者の支払う保険金額と保険契約者総体から徴集される保険料総額とが相等しくなるこ

と︵﹁収籍等の原則﹂︹翁震蕊一§萎壽ぎ︺︶に鶉︒このことから明らかになることで・本稿の膿にとぞ

重要な事柄は︑保険者には皇資金が論理的には要請されず︑保険事故発生にさいして該保険契約者に支払う保険金の源

泉榛険契約者の払込保険料にある︑ということである︒ここに︑かような保険蘂の技術的前提が・保険料前払︑王義

      ℃糠9︐露一Φδ<Φ吋h⇔げHΦbを要請することになる︒保険事故発生にさいして支払わねばならない所要の基金を︑前払保険料の

形で受け入れておかなければならないからである︒

 もっとも︑右記の按術的前提をみたすだげであれば︑保険料を保険契約成立の以前ないし同時に現実徴収する必要はな

い︒保険護笙ないし保険金支払の以前繰険料を収納でぎさえすればよ砲・つまり・近代保険製における保険料前払

       ヘ ヘ へ         ヘ  へ︑嚢とは︑保険技術的にいえば︑保険事故発生に対しての前払であぞ︑熱成立にさきだっての前払ではない・という

ことである︒事実︑損害保険︵火災保険︶業界では︑監督官庁の・保険料の領収なしに保険契約を成立させることのない

       ハな ようにとの厳格な業務命令にもかかわらず︑保険期間開始後数日ないし相当の時日を経てから︑保険料支払が行なわれる      ハき .羨通例諾ていた.﹂とがある︒霧界でいわゆる﹁責簿ち﹂ないし﹁仮建﹂といわれるものである︒この纂業

界における慣行は︑途のわたくし︵鴇摘を裏付けるものとぢ.芝ができよう︒もっとも藩行は︑それなりに合理

的な語をもつものという.芝がでぎ︑わたくしは︑その慣行を否定するものではない・それはともかくとして・ここで

指摘さるべきは︑生命保険契約においては︑契約の成立の以前ないし同鷺おける保険料払込が強要されていることであ

る︒これはいかなる理由によるものであろうか︒

蕊馨険契約者︑保険者の収支相当原則により︑たとえ籍な金額であれ姦の契約者から貨幣が保険料として保険

霞箏され︑善.沈澱するにつれて︑;の巨大な墓が形成されることになる︒この貨幣は・保険事故発生にさい

して支払われる保険金の準備である︒商楚︑貨幣は資本制的生産の基礎上では資歪転化されうるというその追加釣

(14)

契約の成立と保険料の払込

使用価値にもとづき︑該貨幣は︑利子うみ資本としての機能をもはらむものである︒そこで︑保険者は︑それらの貨幣を︑      ハお 利殖部面をもとめて貸出・投資する︒それは保険事業体︵保険資本︶の金融機関的機能の現われである︒

 かような金融資本的衝動に駆られ︑かつまた︑その運用成果による保険料率低減という競争的・社会的要請もあって︑保      ︵9︶険者︵保険資本︶は︑保険契約者に対し︑契約成立の以前ないし同時に保険料払込を強要する︒これが生命保険契約にお

      ゆ       ヘ へける保険料前払制度の経済的内実である︒ところが︑保険者と保険契約者の取引力 ぴ鶏槻鋤ぎぎ轡q℃○慈Φ触が対等な損害保      お 険︵企業火災保険︶の分野では︑かような保険資本の要請が現実化しないこと︑すでにみたとおりである︒

 以上の意味において︑現実の生命保険取引における保険料前払は︑ ﹁保険按術的必要﹂というよりもむしろ﹁保険資本

的要請﹂にもとつくものということができよう︒そうであるならば︑保険契約者が︑箆一回保険料相当額を前払いした時

       ロ へ     ヘ  ヘ  ヘ  へ点で︑保険者について︑保険金支払にかんするなんらかの制約が加わってよいように思われる︒なるほど︑約款の規定で

は︑第一回保険料相当額を受領した時点から保険者の費任が開始されるとうたわれているが︑しかし︑この費任は︑すで

        ヘ ヘ ヘ ヘ へ      ぬ にみたごとく︑法律構成上︑保険者の諾否の自由にかかっているのである︒そうして︑このような法律構成では︑問題を

十全に解決できないのであった︒次章では︑このような法律構成の問題を検討することとする︒

︵1︶︵2︶

︵3︶︵4︶

︵5︶

︵6︶︵7> 印爾博吉﹃保険論﹄ ︵一九五二年︶五i七頁︑参照︒佐波宣平﹃保険学講案﹄ ︵一九五一年︶九八−九九頁︑同﹁保険における貨幣﹂経済論叢五一巻五号一七九−一八〇頁︑参照︒ 岩崎稜﹃保険料支払義務論﹄ ︵一九七一年︶七頁︒

昭和一一五年一二月ご三日付大蔵省の業務命令︒

 保険毎日新聞昭和三四年五月六日号︒

 このような慣行の上で︑生じたのが﹁みまき荘﹂事件である︒岡事件を︑該慣行とのかかわりで捉え︑評釈しているのは︑俘沢

・判例評論一九暑一〇頁︑保住・法律論叢三四巻一号一〇三頁︑同﹃保険判例百選﹄六六頁︑戸出・損害保険研究二二巻四号一四

三頁以下︑などである︒

 ここにその合理的理由とは︑該慣行が︑現代大企業における取引の信用取引化阯支払日制度︑保険取引の大攣化・複雑化輯保強

(15)

  料率体系の細分化・無秩序化に対するそれなりの対恐であるからである︒岩崎・前掲書10頁註︵5︶参照窃

︵8︶ この点についての詳細は︑拙稿﹁保険契約に対する国家規制︵一︶﹂第三章第二節の二法学新報八〇巻︷○号四三ー四四頁︑参

  照︒︵9︶ 岩崎・前掲書七頁︑参照︒

︵10︶ 石井・大森両前揚論文は︑第一回保険料仮領収制度と保険料前払主義との関係にも触れるが︑この点の抱握はない︒石井論文に

  おいて七一頁と九七ー九八頁を対照し︑また大森論文桝七七頁を参照されたい︒

︵U︶ 前掲・拙稿三頁および同頁註︵詔︶参照︒

︵12︶ しかも︑保険者は諾否にかんするまったき自由をもつ︑と主張されているのである︒第一章註︵13>参照︒

第四 条件附契約即時成立の法律構成︵その輔︶

閣 条件附契約即時成立の態様とその成立のための前提的問題

被保険者受診時において被保険者が﹁保険可能体﹂であるか否かを基準として︑保険者の諾否が︑すなわち保険金支払の 不安定であることを免れない︒﹂ことになる︒他方︑実務における実際上の取扱いは︑第一回保険料相当額受領時ないし        き は被保険者が診査を受けた時から保険者の承諾があるまでの間に保険事故が発生した場合には︑契約者の立場はぎわめて 契約の申込を拒絶することもないとは書えない現状にある︒このため︑契約者が第一固保険料相当額を支払った時︑また 保険契約の申込みを受けた場合︑それを承諾するか否かを自由に決定しうる建前なので︑被保険者が死亡したときには︑ 定である︑と法律構成されることになる︒しかしながらこれでは︑前記保険審議会答申が指摘するごとく︑ ﹁保険会社は 契約の成立そのことではなく︑保険者の承諾によって成立した契約の効果としての︑保険者の責任開始時期についての約 及条項﹂のもつ法律的意義は︑第一回保険料相当額払込のときないし有診査保険の場合には被保険者診査のとぎにおける  剛 生命保険契約は︑すでに述べたように通説・判例によれば︑諾成契約であるという︒そこで︑約款に規定する﹁遡

(16)

契約の成立と保険料の払込

可否が決定されることになっていた︒

 そうであるならば︑上述通説の法律構成を一歩すすめ︑第一回保険料相当額受領時ないし被保険者受診時において被保

険者が客観的に﹁保険可能体﹂であれば保険金が支払われる︑という構成をすることはでぎないであろうか︒すなわち︑

﹁契約即時成立主義﹂の問題である︒      ま  二 契約即時成立主義とは︑約款に﹁遡及条項﹂が設けてある場合において︑保険契約者たるべき者が申込とともに第

一回保険料根当額を払込んだとぎ︑ないし有診査保険においては被保険者が診査を受けたとぎそのときにおいて︑契約が      ヨ 即時に成立するという考え方である︒もっとも︑この考え方が︑もし仮りに肯定されるとしても︑保険制度の技術的構造

からして︑保険者の危険選択は︑その本質的契機をなすものであるから︑かような契約の成立を無条件にみとめることは       ハ  できない︒保険者が危険の選択をなす機会がなんらかの形で留保されていなければならない︒そこで︑契約に条件を附す

ことが考えられ︑つぎのような態様が構想されることになる︒

 さて︑そのような構想の第一は︑保険者の承諾をもって︑成立した契約の効力発生のための停止条件とし︑条件が成就

した場合の効力を成立のとぎに遡らせるという方式︵民一ご七条一項︑三項︶である︒しかしこの場合︑保険者の諾否が

まったく彼の自由意思のみにかかわるとすれば︑このような随意条件を停止条件とする契約は無効である︵民二二四条︶︒

したがって︑この方法においては︑客観的な規準により定まるある一定の要件が具備すれば承諾があったものと取扱われ

るのでなければ無意味である︒

 つぎに第二の構想は︑保険者の拒否を解除条件とし︑条件成就の効果を成立のときまで遡らせるという方式︵民=一七

条ご項︑三項︶である︒この場合︑承諾の拒否が保険者の随意であっても︑随意条件を解除条件とする契約はかならずし

も無効ではないから︑この方式は法律的には可能である︒しかし︑実際問題としては︑やはり第一の方式と同様に︑客観

納な規準にょり定まるある一定の要件が具備するならば姫否されないという原則がなけれ鳳︑実効が期せられない︒

(17)

一154 一

それでは︑馨観的な蓋により定まるある彊の要件Lというものが︑はたしてあろうか・それは存在するひこれま

でに繰り返し指摘したように︑それは︑笙回保険料相当額払込瞳いし有診査保険の場倉は被保険者受診時において・

被保険者が藻険罷体Lであったか否か︑ということである︒もっとも︑被保険者が﹁保険可能体﹂としての適確性を

有するか否かが判明するのは︑保険者案社馨医の手をへてからではある︒しかし︑適否の事実そのものは・払込蒙

いし受診時において︑すでに客観的髭まっているということがでぎるからである︒しかし・だからといって・﹁保険可

能体﹂の適否それ自体を条件とすることはできない︒それはごつの意味においてである︒まず第一に・かような条件とは

実饒成奪であって条件に親しまないものであるからである︒しかして笙に︑同条件が既成条件であれば・上述構成

は契約即時成立︑霧の構成に響する︒そうだとすれば︑同構成は︑生命保険契約を明確に要物契約と構成するのである

から︑商法六七三条と歪面から衡突する︒つまり︑わが商輩の蕃的構成︵﹁意思教説﹂の体耗︶からして・里義

は︑立法論としてならばともかく解釈論としてはとりえないと考える︒そこでわたくしは︑以上のことにかんがみ・条件

三総訟伽L馨総響しての馨にもとめたい・それは・魏が・その葎構成において主張するところの゜保

険者のまったき畠としての諾否ではなく︑さればといって︑契約即時成立主嚢いうところのら保険可能体L適否そ

れ自体としての諾否Ii実は既成条件−ーでもない︒かくして︑条件附契約の即時成立という考え方は成り立ちうるかに

思われる︒が︑実は︑法律構成の問題としてより重要な論点がほかにある︒

(億

件附契約の即蔑立という考︑秀が成芒うるためには︑つぎのごつのいずれかが是認されるのでなければなら

ない︒その一は︑契約の勧楚あたる星命保険輩人﹂が保険者のため箋件附契約の締結を代理する権限をもつとみ

る.芝ができるか︑である︒しかして︑そうみるための︑そうみることができるための微護・森のこれまでの論述から

−レて︑生命保険輩人に︑すくなくとも第面保険料望額を受領する権限が委讐れている・とみることができるとい

う.﹂とであろう︒そのこは︑保険謬よる第高保険料相当饗領ないし被保険者の受診という事実に当然暴諾として

(18)

の効力がみとめられる︑ということであろうα条件附契約の即時成立という考え方成立の論拠として︑なぜこれらのこと

がもとめられるのかといえば︑条件附契約の成立にとって法律的観点から重要なのは︑保険者が危険の選択をなしてする

意思表示の時点ではなくて︑申込入からの第一回保険料相当額の受領なかし被保険者の受診の時点であるからである︒後

者の時点における法律要件の有無が問題とされるからである︒

契約の成立と保険料の払込

︵1︶ 保険審議会昭和三七年七月九日付答甲︵前掲講座10﹃業史・資料﹄所収︶三三四頁︒

︵2︶ ここにいう﹁遡及条項﹂とは︑第一童註︵4︶に掲げた文献で記されているものすべてをふくむが︑それが︑わけても﹁⁝⁝第       ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ     へ   一回保険料柑当額を受取った特に保険契約が成立したものとみなし︑その時から会社は保険契約上の責任を負う﹂という形式の条

  項︑また︑﹁⁝⁝責任開始日を契約成立日とする﹂という形式の条項であれば︑本文以下で述べる﹁条件附契約即時成立﹂の考え

  方にとって︑有力な論拠となろう︒

︵3︶ 以下︑穴森前掲論文一八〇⁝八一︑二〇〇頁以下から︑多くの示唆を受けた︒なお︑博士は︑﹁契約即時成立主義﹂について分

  析しておられるが︑わたくしは︑本文以下で論述するように︑﹁条件附契約即時成立﹂を提嘔したい︒

︵4︶ 条件について︑川島武宜﹃民法総則﹄ ︵一九六五年︶二五四頁以下︑幾代通﹃民法総則﹄ ︵一九六九年︶四五〇頁以下︑金山正

  信﹁条件及び期限﹂ ﹃注釈民法㈹﹄ ︵一九六七年︶二九六頁以下︑参照︒

︵5︶ 平弁﹁法律行為﹂ ﹃注釈民法⑧﹄︵一九七三年︶所収二四頁︒

      ヘ  へ     ヘ      ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ︵6︶ これは︑むろん実際には︑第一章註︵15︶の手続総体をさすが︑それは︑法的にみれば︑保険者の諾否という過程である︒しかし

  て︑その諾否が︑保険者のまったき自由ではなく︑客観的な制約を被っていることを︑法律構成論として本文のような表現におい

  て︑わたくしは主張するのである︒なお︑保険者をしてそのようにさせるためのいわば担保手段につき︑第六章結語︑参照︒

︵7︶ 大森・前掲論文二〇二頁︒博士は︑本文以下の二つを﹁即時成立主義﹂成立のための前提として指摘されるが︑これは﹁条件附

  即時成立﹂の考え方にとっても同様である︒なお︑博士は︑第一の闇題については︑同論文で分析・検討を加えておられない︒

二  ﹁意思実現﹂ ︵民五巖六条二項︑商五〇九条︶について

鯛 まず︑保険者による第一回保険料相当額受領ないし被保険者の受診という事実に契約承諾としての効力が認められ

(19)

一褐6・一

るか︑という問題について考察する︒ ﹁意思実現による契約の成立﹂すなわち民法五二六条二項ないしその変容としての

商法五〇九条の問題である︒      ま  生命保険契約は︑商行為に属するから︑商法商行為編総則の規定が適用される︒商法五〇九条によれば︑商人が平常取

引をなす者からその営業の部類に属する契約の申込を受けたときは遅滞なく諾否の通知を発することを要し︑もしこれを

怠つたときは︑申込を承諾したものとみなされる︒しかし︑同条は︑おそらく個人契約保険については適用されない︒け

だし︑同条は︑商人が﹁平常取引ヲナス相手方﹂から契約の申込をうけた場合に限り適用されるというものであるからで

   ある︒      ゆ  二 それでは︑民法上の意思実現による契約の成立はいかがであろうか︒これは︑民法五一一六条ご項により︑ω﹁申込

者ノ意思表示又ハ取引上ノ慣習二依リ承諾ノ通知ヲ必要トセサル場合﹂には︑鋤 契約は﹁承諾ノ意思蓑示ト認ムヘキ事

実﹂があったときに成立する︑とするものである︒そこでまず︑生命保険契約というものが﹁申込者ノ意思表示﹂または

﹁取引上ノ慣習﹂によって承諾の通知を必要としない場合にあたるか否か︑が問題となる︒しかし︑生命保険契約の締結は﹁申

込者ノ意思表示﹂により承諾の通知を必要としない場合には︑あたらない︒なぜかといえば︑その締結ぽ︑申込者が前も

って承諾の通知を受けなくともよいことを表示している場合ではないからである︒なお︑申込受領者の沈黙は原則として

       ロ 承諾とみられない︒つぎに︑ ﹁取引上ノ慣習﹂により承諾の通知を必要としない場合であるか否か︑が問題となる︒さて︑

﹁遡及条項﹂を設けた保険者が︑これを運用するさいの取扱い基準は︑第二章で明らかにしたように︑保険事故が︑第一

回保険料相当額受領ないし被保険者受診の後であれば︑受領ないし受診時における被保険者め﹁保険可能体﹂を前提とし

    ヘ  へ   て申込を承諾し遡及的に責任を負うということであった︒また︑保険契約者も︑保険者がかような方針をとることを一定

       ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  へ程度予期している︒ここにおいて︑保険者の上述方針がある程度慣行化されているということを認めることはできる︒し

      ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ モ       ハれ かし︑はたしてそれがどの程度まで規範的性絡を持つと解せられるであろうかは若干疑問である︒しかして︑より重要な

(20)

契約の成立と保険料の払込 一157

問題は︑以上の慣行とは︑ ﹁保険者が承諾をなすであろう﹂との慣行であって︑ ﹁承諾の通知を要しない﹂との慣行では

ないということである︒これを︑わたくしは指摘しなければならない︒したがって︑第一回保険料相当額の仮領収という

事実は・ ﹁民法上の意思実現﹂のための第一の要件をみたさない︒ゆ︑兄に︑該事実をもって︑ ﹁民法上の意思実現﹂とみ

なすことはできない︑と考える︒

 いずれにせよ︑ ﹁意思実現﹂という視点からする生命保険契約の条件附即時成立という法律構成は肯定できないという

ことである︒

 ︵8︶ 相互保険会社︵わが国においては︑協栄生命︑大正生命︑平和生命︑各株式会社以外は︑すべて相互会社である︒このことの歴

    史的経緯については︑拙稿﹁保険契約に対する国家規制︵四・完︶﹂第六章第一一節.法学新報八一巻二号︹掲載予定︺参照︶は︑

    営業として保険の引受を行なうものではないから︑商法上の保険者ではなく︑商人でもない︒しかし︑実質的には︑ほとんど差異

    がないので商法上の保険者に準じて取扱われる︵商六六四条︑六八三条一項︶︒

 ︵9︶ 商法上の意思実現について︑戸田修三﹃概説商法1﹄ ︵一九七〇年︶ 一七五頁以下︑谷川久﹁意思実現による契約の成立﹂商

    法の特則﹃注釈民法⑬﹄ ︵一九六六年︶一六六頁以下︑大判昭六.九・二ご法学一巻上二三三頁︑参照︒

 ︵10︶ これについて︑遠田新一﹁意思実現による契約の成立﹂同注釈書一六四頁以下︑参照︒

 ︵11︶ これとの関連において︑保険者の承諾遅滞が問題になるが︑本稿ではたち入らない︒青谷・前掲書二四二頁註︵1︶︑大森・前

    掲書一〇二頁註︵2︶︑野灘務﹃保険法における信義誠実の原則﹄ ︵一九六五年︶一六ご頁以下︑東控判明四三︐六〇八号事件新

    聞八一二母七頁︑東控判大八・一・一一四評論八巻商法一八二頁︑など参照︒目駄・轟聯囚霧ω囲ΦがO§聴§貸ミ︾織書鴇§−魯ミ偽

    槽瀞ミ窓冴急oミミ禽§§ミ◎§騨§ひ蕊09い゜沁oタ欝O噛①も︒心⑦梓ω$ ︵一詮ω︶鱒

  ︵12︶ 大森・前掲論文二〇三頁︒

蕊 生命保険募集人の権限についでー第網回保険料相蟻額受領権限があるか

      ガ       ヘ へ﹁生命保険募集人﹂と鳳︑募集取締法上︑生命保険会社︵保険者︶のために生命保険契約締結の媒介をなす者であ

(21)

一158・

る︵同法ご条一項︶︒すなわち︑保険契約者たるべぎ申込人と保険者との間に立って契約成立の媒介をなす者であうてY

申込人を代理して契約の申込をしたり︑反対に︑保険者を代理して申込に対して承諾を与えたりする権限は有しない︑と

されている︒生命保険募集人のうちには︑ ﹁保険代理店﹂と﹁保険外務員﹂がおり︑後者はさらに︑保険会社との関係に

おいて雇傭関係にたつ﹁外勤職員﹂と︑準委任関係にたつ﹁嘱託外務員﹂とに大別されるが︑契約成立にさいして両者の

      ハ   お はたす役割りは同じである︒そこで以下︑保険代理店と保険外務員のそれぞれにつぎ︑保険契約締結の代理権はないか︑

これを念のために学説・判例にたずねることとする︒

 二 保険代理店の代理権の範囲は︑保険会社と代理店との代理店契約によって定められるわけだが︑実務において一般

的には︑契約締結の権限は与えられていな噸・という・しかし・生命保険契約の申込者が・代懇契約の内容を認識する

ということはぎわめて因難なことである︒そこで判例は・基本的には・代理店には保険契約締纏限芒と為が・しか

し特定の場合においては︑申込者がそう信ずるにつき表見代理にいわゆる﹁正当ノ理陶﹂があるものと︵切・ ﹁能働代理の

叢につき︑⁝−穰的な意義と姿勢を魂﹂している・学説は・一盤否定するが・それらのなかにも・保険契約者の意

思表示などにつき受働的な権限を認めているものがあ麺︒

 また︑生命保険外務員は︑通例︑保険会社の使者であり︑契約者の意思表示を本入たる保険会社に伝達する機関にすぎな

く︑その主任務は申込の誘引をなすにある︑というのが齢であり支配的な見麗である・しかし・コ般契約嚢外欝

すなわち保険会社と愛がちであるという轟Lにかんがみ・学説のなかには・第三者の利葎護のために外奮に受働

的な権限を認めることが必要である︑と矯する見弊ある・判決例のなかには・特定の場倉おいて﹁︹外奮X原

告ノ本件申込二対スル承諾ヲ為スニ付テモ被昏会社ノ代理権アルモノト一応信スヘキ状況二在リタルモノニシテ斯ノ如キ

ハ民法百十条二所謂代理権アリト信スヘキ正当ノ理由ヲ有セシ場合二該当スルモノト認ムルヲ相当ト︵廼﹂る・と判承する

ものがある︒

(22)

一159一

契約の成立と保険料の払込

      ヘ マ ヘ へ ぷ       ず しかしいずれにしても・生命保険募集人には契約締結の代理権が一般的にはない︑というのがおおかたの見解である︒

しかして・その論拠は・改めて記すまでもなく︑生命保険契約の特殊性︑すなわち保険者に危険選択の機会が留保され

なければならないということにつぎる︑といってよい︒したがって︑保険者にその機会が留保されるならば︑該論拠はく      ヘ  へずれる︒そこでこんどは・保険者に危険選択の機会が留保されている条件附契約の締結を代理する権限が︑生命保険募集

人に委任されているとみることができるか︑という問題をたつねることとする︒具体的な問いの形でい・兄ば︑生命保険募

集入には第一回保険料相当額を受領する権限があるか否か︑という問題である︒

 三 さて︑生命保険募集入には第一回保険料相当額の受領権限がある︑とみることが︑はたしてできるであろうか︒学

説のなかに・代懇や外奮籔権限を享るという轟があることは醤揺する・しかし・否定する轟もある︒

 保険代理店が同権限を有するか否かにつき︑代理店に保険契約締結の権限があると信ずるについて蓑見代理にいう﹁正      ハお ハゆ 当ノ理由﹂がある場合があるとみとめた前掲判決例は︑該権限についても代理店の外観を認定した︑といわれている︒ま

た・出張所漂﹁保険料徴収ノ権限ヲ套﹂るとさ麹・保険外費については︑藻険輩人榛険の勧誘と︑篁回      ︵聖3︶       ︵32︶保険料の受領との権限を有するしと肯定するものがあり︑また該権限があることを前提にして論じているものがある︒

 このように︑学説や判決例のなかのいくつかは︑保険代理店および保険外務員には第一回保険料相当額受領の権限があ

ることを肯定している︒つぎに︑本問題にかんして私見を述べるまえに︑現実の動態を分析してみたいと考︑兄る︒

 四 実態における保険契約成立のプロセスを︑奥田氏︵日本生命︶の文章を借り︑第一回保険料相当額の払込ないし受

領ということに焦点を定めて記してみると︑こうである︒ ﹁現在の実務においては︑生命保険募集人億︑募集に際し申込

者より申込書と初回保険料相当額を受け取り︑これを会社に提出する︒この際彼は︑会社所定の領収証用紙をもって初回

保険料相当額の領収証を作成し︑申込者に交付する︒これに反し︑第2回以後の保険料の徴収に関しては︑生命保険募藁

人は︑会社において完記した領収証を持参し︑これ建引換に領収証記載の金額を保険契約者から受け取り︑会社に交付す

(23)

ハお る︒L            ︵34︶ これらの点について︑わたくしはささやかな調査を試みた︒それによれば︑①まず生命保険募集入︵外務員︶が︑保険

契約者たるべぎ申込人から第︷回保険料相当額を徴収するにさいして︑彼は﹁第一回保険料充当金領収証﹂︵ただし︑﹁第二

鳳保険料預証﹂というのが一社あった︶を作成し︑申込人に交付する︒②ついで︑本社承諾の時点で︑第一園保険料相当

額が第一回保険料に変わるということと後者の領収証との関連が間題になるわけだが︑その時点で改めて︑いわば第一

回保険料領収証といつたものは︑交付しない︒このことは全社がそうである︒③その場合︑ ﹁第一回保険料充当金領収

証﹂と簗一圖保険料領収証との関係には︑三つの方式があるようである︒ω本社潔諾の時点で︑前者が後者に変わる

ということを︑保険証券記載の約款で規定するものが一社あり︑保険証券自体が第一回保険料領収証をかねるという

ものが三社ある︒後者の場合︑そのなかの一社は集金切手を用いており︑保険証券交付のさい第一回保険料という欄に消

印した切手を貼付するということである︒α9同様のことを︑ ﹁充当金領収証﹂の裏面に印刷しているものが七社ある︒㈹

しかし︑﹁充当金領収証﹂が保険料領収証に変わるという見方をとっていても︑まったくなんら記載していないという

ものが六社ある︒この点不明というものが三祉ある︒さて︑以上の点についてたち入った検討を試みる余裕はない︵縄︑刮

目すべきことは︑③の㈹の方式をとっている会社が相当数あるということである︒ ﹁このような実態の下においては︑少

なくとも初回保険料相当額の受讐ついては︑生命保険葦人はム憲総災であると解するのが妥当で臥夢︵鷺・

引用者︶といってよいように︑わたくしにも思われる︒すなわち︑生命保険募集人には︑第一回保険料相当額受領につき

会社の代理権がある︑ということである︒

160一

︵13︶

︵14︶

︵15︶ ﹁保険募集の取締に関する法律﹂ ︵昭和二三年法律一七一暑︶

奥田宏﹁生命保険契約法し ︵前掲講座6﹃法律﹄所収︶二三頁︒

保険外務員について︑前掲講座3﹃マーケティングー﹄所収論文︑参照︒

(24)

契約の成立と保険料の払込

︵16︶ 脊谷和夫﹁保険外務員・代理店の地位﹂法律時報二四巻五号︵扁九五二年︶三〇頁︑小寒浩・山中達﹁生命保険約款﹂A普通促

  険︵前掲講座6所収︶六七頁︒

︵17︶ 東控判明四四・一一一・八新聞八一二号七頁︑名古屋控判大一三・一一二瓢ハ薪聞一ご二五二⁝号八頁︑など︒

︵18︶ 天判昭一〇・二・二八判決全集二輯一五暑三一頁︒同薯件では︑﹁保険の勧誘をし︑加入串込みがなされ︑第一回保険料を受け  取り︑仮領収証を交付する⁝⁝関係において︑第一回保険料受領に際し︑出張所長が関与し︑保険料払込みの方法を決定して︑代

  理店名義をもって仮領収証を作成交付した点が︑全般として代理店の契約締結権限の外観を講成した﹂ ︵長谷川雄一.鞠例解説

  ﹃保険判例百選﹄=一一頁︶とされた︒

︵19︶ 長谷川・同解説一二一貰︒

︵20︶ 石井・前掲書二八三頁︑田中︵誠︶・前掲書一〇四頁︑野津﹃新保険契約法論﹄=ご四頁︑など︒

︵21︶ 大判大五・一〇・一一一民録二二輯一九五九頁︑大判昭九・一〇・三〇新聞三七七一号九頁︑大判照一〇・四.二四法学四巻一六

  六三頁︑など︒

︵22︶ 青谷・前掲書一〇三頁︑朝川・前掲書五四頁︑大森・前掲書九四−九五頁︑田辺・前掲書二六頁︑松本蒸治﹃商法判例批評録﹄

   一一一三頁︑など◎

︵23︶ 前掲註︵1︶答申三三三頁︒

︵24︶ 青谷・前掲論文二七頁︑野灘∵前掲書一四一頁︑など︒

︵25︶ 東地判照六・七・六新聞三ご九八号六頁︒なお︑大判昭七・八・一七新報三〇五号一〇頁も︑同趣旨のものである︑と青谷.論

  文二七頁下段註︵1︶は述べておられる︒

︵26︶ 代理店につき︑野津・前掲書一三四頁︒外務員につき︑朝川・前掲轡五四−五五頁︑伊沢・前掲書八九頁.

︵27︶ 田辺・前掲書二五頁︑など︒

︵28︶ 前掲註︵18︶判決例︒この点について賛成評釈・伊沢法学四巻七号九一九頁︒反対評釈長谷川・前掲註︵18︶==頁︒

︵29︶ なお︑代理店の使用人に対する保険料の支払は有効とする判決例︑大判昭七・八.一七新聞三四五六暑一六頁があるが︑第一回

   保険料相当額に限定して述べているわけではない︒

︵30︶ 東控判大=・一二・二七新聞一=二二号五頁︒ただし︑彼が第輔圃保険料預り領収証を発行しても︑契約は成立しないとされ

   た︵同頁︶︒

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