ロゴマークの色彩とイメージ
著者 浅野 峻祐, 有澤 優佳莉, 崎田 皐月, 高橋 美穂, 平岡 緋奈子, 深谷 美都季, 牧田 理沙
雑誌名 論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学
演習
巻 12
ページ 33‑54
発行年 2017‑03‑22
URL http://hdl.handle.net/2297/47331
1.目的・背景
私 た ち は 、 普 段 生 活 を し て い く 中 で よ く 目 に す る 、 企 業 の シ ン ボ ル で あ る ロ ゴ マ ー ク に 用 い ら れ て い る 色 彩 に 興 味 を 抱 い た 。 企 業 の ロ ゴ マ ー ク の 変 遷 を 見 て み る と 、 ど れ も 初 期 の ロ ゴ マ ー ク か ら 現 在 の ロ ゴ マ ー ク に か け て 、 デ ザ イ ン に 大 き な 変 化 が 見 ら れ た 。 多 く の 場 合 、 シ ン プ ル に な り か つ 色 彩 を 付 け 加 え ら れ て い る こ と が 分 か っ た 。 研 究 内 容 を 決 め る 段 階 で 、 偶 然 シ ェ ル の ロ ゴ マ ー ク の 変 遷 を 見 つ け た 。 初 期 の ロ ゴ マ ー ク は リ ア ル に 描 か れ た 貝 で 、 そ こ か ら は 明 確 に そ の 企 業 が ど う い う も の な の か 感 じ 取 れ な か っ た 。 し か し 、 現 在 の 赤 と 黄 色 の ロ ゴ マ ー ク に 変 化 し た こ と で 、 企 業 に 対 す る イ メ ー ジ が 明 瞭 に な っ た よ う に 思 え た 。 色 彩 が 加 わ る こ と で メ ッ セ ー ジ 性 が 強 ま っ た と い う こ と だ 。 こ の こ と か ら 、 色 彩 に 人 は 何 ら か の 影 響 を 受 け て い る の で は な い か と 考 え 、 ロ ゴ マ ー ク に お け る 色 彩 の 重 要 性 に 気 づ い た 。
そ こ で 本 研 究 で は 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 彩 と 、 消 費 者 の 受 け る 印 象 と の 関 係 に つ い て 分 析 す る 。
2 . 先 行 研 究
ロ ゴ マ ー ク に 関 す る 先 行 研 究 に は さ ま ざ ま な も の が あ る が 、 色 彩 と の 関 連 を 扱 っ た も の は ほ と ん ど な い 。 し か し な が ら 、 ロ ゴ マ ー ク と 企 業 イ メ ー ジ と の 関 連 を 扱 っ た 研 究 は い く つ か あ る 。 そ の う ち 、 山 崎 ( 2 0 1 0 ) は、BtoB企業8のブランディングに関して、①ロゴマークを有する企業
と そ う で な い 企 業 と ② ロ ゴ マ ー ク の デ ザ イ ン 性 の 高 低 の 2 点 に 注 目 し 、 こ の 2 点 が 「 B t o B 企 業 が 採 用 活 動 を 行 う 際 に 、 就 職 活 動 を 行 う 学 生 に どういう影響を与えるのか」9という課題に取り組んでいる。
分 析 の 結 果 、 ロ ゴ マ ー ク を 有 す る 企 業 の 方 が 、 そ う で な い 企 業 に 比 べ て 、 学 生 か ら 就 職 活 動 対 象 の 企 業 と し て 高 い 順 位 で 選 ば れ て い る こ と 、 さ ら に 、 ロ ゴ マ ー ク の デ ザ イ ン 性 が 高 い 企 業 の 方 が 、 就 職 活 動 を 行 う 学 生 に よ り 良 い 印 象 を 与 え る こ と が 判 明 し た 。 こ の こ と か ら 、 企 業 に と っ て ロ ゴ マ ー ク は 重 要 な 存 在 で あ る こ と が 明 ら か に さ れ た 。
で は 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 彩 と 企 業 と の 関 連 は ど う で あ ろ う か 。 本 研 究 で は 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 彩 に 対 し て 人 々 が 抱 く 企 業 イ メ ー ジ に 何 ら か の 影 響 を 与 え る の で は な い か と 考 え 、 色 彩 と い う 観 点 か ら ロ ゴ マ ー ク を 分 析 す る こ と に し た 。
8 B t o B と は 、 企 業 間 の 商 取 引 、 あ る い は 、 企 業 が 企 業 向 け に 行 う 事 業 の こ と で あ る 。 企業向け事業が主体の企業のことをBtoB企業という。「IT用語辞典e‑Words」
(http://e‑words.jp/w/B̲to̲B.html)を参照(2017年1月18日閲覧)。
9山崎(2010,p.2)。
3.仮説
こ れ ま で 、 ロ ゴ マ ー ク に 関 す る 先 行 研 究 で は 、 色 彩 と の 関 連 は 議 論 さ れ て こ な か っ た 。 本 論 文 で は 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 彩 に 注 目 す る こ と で 、 色 の 存 在 が ロ ゴ マ ー ク の 印 象 に ど の よ う に 影 響 す る の か を 分 析 す る 。 そ の 際 、 人 々 が 色 か ら 受 け 取 る 様 々 な 印 象 と 、 ロ ゴ マ ー ク か ら イ メ ー ジ で き る 印 象 と の 間 に は 何 ら か の 関 連 が あ る と 考 え 、 「 企 業 が 印 象 付 け た い そ の 企 業 の イ メ ー ジ と 、 我 々 消 費 者 が 感 じ る 色 彩 イ メ ー ジ と の 間 に は 一 定 の 関 連 性 が あ る 。 」 と い う 仮 説 を 立 て た 。
4.分析方法
4.1.色彩について
本研究では、有彩色10を暖色・寒色・中間色11の3グループに分類した。
こ れ は 色 の 認 識 に は 個 人 差 が あ る た め 際 限 な く 分 類 で き て し ま う こ と か ら 、 大 き く 3 つ に 分 類 す る の が 適 当 だ と 判 断 し た こ と に よ る 。 一 般 的 に は 暖 色 ・ 寒 色 ・ 中 間 色 の 間 の 境 界 は 暖 昧 で あ り 、 お お よ そ 暖 色 と 中 間 色 の 境 界 は 赤 紫 一 赤 間 に あ る 。 し か し な が ら 、 今 回 研 究 対 象 に し た 企 業 の ロ ゴ マ ー ク に つ い て は 、 赤 紫 一 赤 間 に 該 当 す る 企 業 が 多 か っ た 。 そ の た め 、 明 確 に 色 の 差 を 判 断 す る こ と が で き ず 、 境 界 の 線 引 き が 困 難 で あ っ た 。 そ こ で 、 本 研 究 に お い て は 、 赤 紫 一 赤 間 の サ ン プ ル 数 が 限 ら れ て い た こ と か ら 紫 一 赤 紫 間 で 線 引 き を 行 っ た 。
色の分類として、オブスキュアインク(2008)、山脇(2010)によって作 成 さ れ た 図 表 を 参 考 に 赤 ・ オ レ ン ジ ・ 黄 ・ ピ ン ク は 暖 色 、 青 は 寒 色 、 緑 , 紫 は 中 間 色 、 黒 ・ 白 は 無 彩 色 に 分 け た 。 そ れ ぞ れ の 色 の イ メ ー ジ を ま と め る と 、 下 の 表 4 − l の よ う に な る 。
' 0 有 彩 色 : 「 無 彩 色 」 と 呼 ば れ る 白 ・ 黒 ・ 灰 色 等 の 、 色 相 や 彩 度 を 持 た な い も の 以 外 の色のこと。オブスキュアインク(2008,p.171)参照。
' 暖 色 や 寒 色 、 中 間 色 : 色 相 は 大 き く 暖 色 と 寒 色 に 分 け ら れ 、 そ れ 以 外 を 中 間 色 と して定義されている。オブスキュアインク(2008,p.172)参照。
表4‑1色のイメージ(オブスキュアインク(2008)、山脇(2010)を参考に作表)
塚田(1978,p.127)は暖色や寒色が無意識に人に与える作用について、
「 一 般 に 暖 色 系 で 赤 味 に 色 相 が 傾 く ほ ど 興 奮 感 が 増 大 し 、 寒 色 系 の 青 味 に 傾 く ほ ど 沈 静 感 が 増 大 す る 。 」 と 述 べ て い る 。 す な わ ち 、 暖 色 は 人 を 興 奮 さ せ る こ と で 、 に ぎ や か さ や 元 気 な 印 象 な ど を 与 え 、 一 方 、 寒 色 は 落 ち 着 い た 印 象 を 与 え る 。
以 上 の こ と か ら 、 色 彩 に つ い て 、 人 が 受 け 取 る イ メ ー ジ は 色 に よ っ て 多 様 な も の に な り 、 ま た 、 入 は も の を 見 た と き 、 そ の も の の 色 彩 か ら 無 意 識 に 印 象 を 左 右 さ れ て い る こ と が 分 か る 。
4.2.業界分類
次 に 、 企 業 分 類 に つ い て 説 明 す る 。 本 研 究 に お い て 、 企 業 の ロ ゴ マ ー ク を 分 析 す る に あ た り 、 東 洋 経 済 新 報 社 「 就 職 四 季 報 総 合 版 2 0 1 7 』 (2016)の人気企業ランキング300位を企業分類資料として使用した。そ れ に 基 づ き 、 こ れ ら の 企 業 3 0 0 社 を 以 下 の よ う に l l の 業 界 に 分 類 し た 。
暖 色
赤 オ レ ン ジ
黄 ピ ン ク
熱 気 、 元 気 、 エ ネ ル ギ ー 、 生 命 力 、 情 熱 暖 か い 、 親 し み や す い 、 安 心 、 健 康 的 、 活 発 希 望 、 未 来 、 に ぎ や か 、 ユ ー モ ア
愛 情 、 幸 福 、 や さ し ↓、 甘↓、 華 や か 寒 色
圭月
爽 快 、 渭 涼 感 、 清 潔 、 信 頼 感 、 誠 実 、 保 守 的 、 知 的
中 間 色 緑
紫
自然、リ フ ツー ク ス 、 健 康 、 安 全 、 ま じ め な 高 貴 、 優 雅 、 上 品 、 華 や か 、 ゴ ー ジ ャ ス 無 彩 色
串
J0,、
白
厳 粛 、 硬 い 、 高 級 感 、 フ ォ ー マ ル 、 モ ダ ン 清 潔 、 シ ン プ ル 、 清 ら か 、 真 実
表4−2 業 界 分 類 ( 『 就 職 四 季 報 」 に よ り 作 表 )
業 界 名 企 業 数
メ ー カ ー I 24
メ ー カ ー Ⅱ 67
サ ー ビ ス 66
金 融 37
マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 36
商 社 ・ 卸 売 業 20
エ ネ ル ギ ー 1
情 報 ・ 通 信 ・ 同 関 連 ソ フ ト 21
小 売 り 9
建 設 ・ 不 動 産 14
コ ン サ ル テ ィ ン グ ・ シ ン ク タ ン ク ・ リ サ ー チ 5
表 4 − 2 は 、 そ れ ぞ れ の 業 界 に 含 ま れ る 企 業 数 の 一 覧 で あ る 。 こ の 内 、 3 0 社 以 上 の 企 業 が 含 ま れ る 、 メ ー カ ー Ⅱ 、 サ ー ビ ス 、 金 融 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア の 4 業 界 ( 表 4 − 2 で は 太 字 で 強 調 ) の 企 業 ロ ゴ マ ー ク を 分 析 対 象 と し た 。 業 界 ご と の 企 業 数 の 平 均 は ほ ぼ 3 0 社 で あ り 、 企 業 数 が 平 均 よ り も 多 い 業 界 を 選 択 し 分 析 す る こ と で 、 全 体 の 傾 向 を つ か む こ と が で き る と 考 え た か ら で あ る 。
4.3.色彩分類
ロゴマークについては、それぞれの企業の公式ホームページ12に掲載 さ れ て い た も の を 使 用 し た 。 そ れ ぞ れ の 業 界 の 企 業 ロ ゴ マ ー ク に 現 れ る 色 に つ い て 暖 色 ・ 寒 色 ・ 中 間 色 ・ 無 彩 色 ・ 多 色 の 5 色 に 区 分 し 、 業 界 ご と に 作 業 仮 説 ( 後 述 ) と 対 応 さ せ な が ら 分 析 し た 。 暖 色 ・ 寒 色 ・ 中 間 色 ・ 無 彩 色 の 分 類 方 法 は 色 彩 に 関 す る 節 で 述 べ た 通 り だ が 、 多 色 は 、 暖 色 と 寒 色 な ど 色 の 区 分 が 違 う も の 同 士 の 色 を 組 み 合 わ せ て あ る も の と 定 義 す る 。 な お 、 色 彩 分 析 の 際 に は 有 彩 色 を 使 用 し た 部 分 に の み 注 目 し て 分 類 し た た め 、 有 彩 色 の マ ー ク と と も に 無 彩 色 で 企 業 名 が 書 か れ て い る も の に つ い て は 、 多 色 に 分 類 し て い な い 。 無 彩 色 の み を 使 用 し て い る も の は 、 無 彩 色 と し て 分 類 し た 。
例 と し て 表 4 − 3 に 示 し た よ う に 、 J F E ス チ ー ル 株 式 会 社 の よ う な マ ー ク の 部 分 に 有 彩 色 を 、 文 字 の 部 分 に 無 彩 色 を 使 用 し て い る も の は 有 彩 色
12ホームページ閲覧は2016年12月26日時点。
の 部 分 の み に 注 目 し て 分 類 し た 。 エ ス ピ ー 食 品 ( S P I C E & H A R B ) の ロ ゴ は 暖 色 と 中 間 色 を 使 用 し て い る た め 、 多 色 と し て 分 類 し た 。 さ ら に 、 読 売 広 告 ( Y O M I K O ) の よ う に 無 彩 色 の み を 使 用 し て い る も の は 、 無 彩 色
と し て 分 類 し た 。
表 4 − 3 色 彩 分 類 の 際 に 注 目 し た 部 分
掲 載 さ れ て い た マ ー ク 色 彩 分 類 の 際 に 注 目 し た 部 分
@J圧スチール株式会社
響歎夢篭
月
I I
4.4.作業仮説
「 企 業 が 印 象 付 け た い そ の 企 業 の イ メ ー ジ と 、 我 々 消 費 者 が 感 じ る 色 彩 イ メ ー ジ と の 間 に は 一 定 の 関 連 性 が あ る 」 と 設 定 し た 仮 説 に 基 づ き 、 調 査 を 実 行 す る た め に 、 4 つ の 業 界 の イ メ ー ジ と 表 4 − 1 の 色 彩 の イ メ ー
ジ を そ れ ぞ れ 対 応 さ せ 、 次 の よ う に 、 4 つ の 作 業 仮 説 を 設 定 し た 。 ま ず 、 メ ー カ ー Ⅱ だ が 、 こ れ は 、 食 品 か ら ガ ラ ス や エ ネ ル ギ ー と い っ た 幅 広 い 分 野 を 含 む た め 、 本 研 究 で は 食 品 . 水 産 の 分 野 に 限 定 し 、 そ れ ら の 企 業 の ロ ゴ マ ー ク を 分 析 対 象 と し た 。 食 品 ・ 水 産 分 野 は 、 安 心 や エ ネ ル ギ ー と い う イ メ ー ジ を 企 業 側 は 消 費 者 に 伝 え た い と 考 え 、 「 安 心 」
と い う 印 象 を 持 つ オ レ ン ジ や 「 エ ネ ル ギ ー 」 と い う 印 象 を 持 つ 赤 が 含 ま れ る 暖 色 が 多 い と 仮 定 し た ( 作 業 仮 説 1 ) 。 次 に 、 サ ー ビ ス 業 界 に つ い て も 、 親 し み や す さ や 暖 か さ の あ る イ メ ー ジ が あ る の で 、 「 親 し み 」 や
「 暖 か い 」 と い う 印 象 を 持 つ オ レ ン ジ が 含 ま れ る 暖 色 が 多 い と 仮 定 し た
( 作 業 仮 説 2 ) 。 他 方 、 金 融 業 界 は 、 保 守 的 や 誠 実 と い う イ メ ー ジ を 伝 え た い と 想 定 し 、 「 誠 実 」 や 「 信 頼 感 」 と い う 印 象 を 持 つ 青 の イ メ ー ジ か ら 寒 色 が 多 い と 仮 定 し た ( 作 業 仮 説 3 ) 。 最 後 に 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 は 、 硬 さ や シ ン プ ル と い う イ メ ー ジ を 伝 達 し た い と 考 え 、 「 厳 粛 」 と
い う 印 象 を 持 つ 黒 や 「 シ ン プ ル 」 「 真 実 」 と い う 印 象 を 持 つ 白 の イ メ ー ジ か ら 無 彩 色 が 多 い と 仮 定 し た ( 作 業 仮 説 4 ) 。 以 上 の 作 業 仮 説 を ま と め ると、表4‑4のようになる。
表 4 − 4 作 業 仮 説
作 業 仮 説 業 界 色 彩 印 象 業 界 の イ メ ー ジ
作 業 仮 説 1 メーカーⅡ(食品・水産) 暖 色 安 心 ・ エ ネ ル ギ ー
作 業 仮 説 2 サ ー ビ ス 暖 色 親 し み . 暖 か い
作 業 仮 説 3 金 融 寒 色 誠 実 ・ 信 頼 感
作 業 仮 説 4 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 無 彩 色 厳 粛 ・ シ ン プ ル ・ 真 実
本 研 究 で は 、 業 界 ご と に 一 番 数 が 多 い 色 彩 の ロ ゴ マ ー ク に 着 目 す る 。 そ れ ぞ れ の 企 業 の 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ で 提 示 さ れ て い る 企 業 理 念 が 、 表 4 ‑ 1 で 述 べ た 色 の 印 象 と 一 致 し て い る か に つ い て 調 べ る こ と で 、 仮 説 が 検 証 で き る と 考 え る 。
5.分析結果
5.1.メーカーⅡ(食品・水産分野)分析
作 業 仮 説 1 と し て 、 食 品 ・ 水 産 分 野 は 、 「 安 心 」 や 「 エ ネ ル ギ ー 」 と い う 印 象 か ら 、 暖 色 が 多 い と 仮 定 し た 。
ま ず 、 食 品 ・ 水 産 分 野 の 企 業 の 中 で 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 を 分 類 し た 。 結 果を図に示すと次のようになる。(図5‑1)
図5‑l食品・水産分野の色の害'l合
伝,の割 合
%3%
6
10%,議翰
凧蕊
川
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68%
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・や.、‑〆廿、一戸、・〆,ロ弁、セク・へ』一・式画一ター、今〆、〆 戸〜。"。、ロハシ戸、。≠..■、o・P・・、、角・'、。'≠』
一一.・令̲,ヘゴ・、̲ヂー、̲診.
領 暖 色 ・ 寒 色 i 多 色 窯 中 間 色 無 彩 色
< 暖 色 > 21社
お し 、 し さ と 健 康
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護りだそう、自然の力.
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< 中 間 色 > 2 社
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< 寒 色 > 4 社
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< 多 色 > 3 社
●
曾鍍を。麺、、し〈、乗し〈。
8 … E
食 品 ・ 水 産 分 野 で は 、 作 業 仮 説 1 と 合 致 し て 暖 色 が 6 8 % と 最 も 多 か っ た 。 ま た 、 多 色 に お い て も 、 暖 色 が 目 立 つ よ う に 思 わ れ る 。
作 業 仮 説 1 で 、 食 品 ・ 水 産 分 野 は 、 「 安 心 」 や 「 エ ネ ル ギ ー 」 と い う イ メ ー ジ か ら 暖 色 が 多 い と 設 定 し た が 、 実 際 に 企 業 理 念 を 調 べ て み る と 、 暖色のイメージを表す語句を用いている企業は21社中9社(68%)が該当
した。
例 え ば 、 日 本 食 研 は 、 経 営 理 念 に 「 仕 事 で 成 功 す る こ と は 人 類 に 最 大 の 幸 福 ( し あ わ せ ) を も た ら す 」 と 打 ち 出 し て い る ( 日 本 食 研 は W e b サ イ ト 参 照 。 以 下 、 同 様 ) 。 こ の 中 の 「 幸 福 」 と い う 語 句 は 、 暖 色 の イ メ ージ13と一致する。「私たちの仕事の成果は、お客様、仕入先様、地域の 皆 様 の 喜 び や 食 へ の 感 謝 へ と つ な が り 、 世 界 中 の 人 々 の 幸 せ づ く り に 貢 献 で き る と 考 え て い ま す 。 そ し て 何 よ り も 仕 事 の 当 事 者 で あ る 私 た ち 一 人 ひ と り が 、 こ の 貢 献 を 実 感 し 、 社 員 の 一 員 と し て の 自 己 実 現 を 果 た し て こ そ 、 幸 福 を 手 に 入 れ る こ と が で き る と 考 え て い ま す 。 」 と 説 明 さ れ て い る が 、 ロ ゴ マ ー ク を つ く る 中 で 「 幸 福 」 と い っ た 暖 色 の イ メ ー ジ 3
と 、 食 を 通 し て 幸 福 を つ く り だ す こ と を 目 指 し て い る と い う 理 念 と が 一 致 し て 、 暖 色 が つ か わ れ て い る と 考 え ら れ る 。
ま た 、 キ リ ン の 日 本 綜 合 飲 料 理 念 の ミ ッ シ ョ ン と し て 「 日 本 を い ち ば ん 元 気 に す る 、 飲 料 の リ ー デ ィ ン グ カ ン パ ニ ー に な る 。 」 、 価 値 観 と し て
「 お 客 様 の 安 心 ・ 安 全 、 お い し さ へ の こ だ わ り 」 と あ る 。 こ の 中 の 「 元 気 」 や 「 安 心 」 と い う 語 句 は 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る 。
また、カルビーのコーポレートメッセージは「掘り出そう、自然の力。」
と な っ て お り 、 そ の 説 明 と し て 、 「 自 然 の お い し さ を 味 わ う 。 自 然 の 生 命 力 を カ ラ ダ に と り い れ る 。 ( 後 略 ) 」 と な っ て い る 。 「 生 命 力 」 と い う 語 句 は 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 に 一 致 す る 。
こ の よ う に 、 当 該 企 業 の 理 念 や 綱 領 等 か ら 、 食 品 ・ 水 産 分 野 は 、 暮 ら し の 中 の 身 近 な 存 在 で あ る た め 、 「 幸 福 」 や 「 安 心 」 と い っ た 温 か み の あ る イ メ ー ジ や 、 消 費 者 の 命 や 健 康 を 支 え る 商 品 を 取 り 扱 う 中 で 「 生 命
13表4‑1色のイメージ(オブスキュアインク(2008)、山脇(2010)を参考に作表)によ る。
力 」 や 「 健 康 」 と い っ た イ メ ー ジ を 重 視 し て い る こ と が わ か っ た 。 こ れ ら の イ メ ー ジ は 暖 色 の イ メ ー ジ に 一 致 し 、 実 際 に 企 業 ロ ゴ と し て 暖 色 を 使 用 し て い る こ と か ら 、 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 の イ メ ー ジ と の 間 に は 関 連 性 が あ る と 言 え る 。
5.2.サービス業界分析
作 業 仮 説 2 と し て 、 サ ー ビ ス 業 界 は 、 「 親 し み 」 や 「 暖 か い 」 と い う 印 象 か ら 、 暖 色 が 多 い と 仮 定 し た 。
ま ず 、 サ ー ビ ス 業 界 の 企 業 の 中 で 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 を 分 類 し た 。 結 果 を図に示すと次のようになる。(図5‑2)
図 5 − 2 サ ー ビ ス 業 界 の 色 の 割 合
色 の 割 合
8 %
1
33%
●OB■gも■P日写︒Uら■P■r口早けrBUp1を9込
今〃もり■■GTも■■巳■Ⅱagf■EもⅡ︒■BTi弔0勺UD9U9■P
b巳Ⅵ4号刀Uqe89gG■予PfUBUrB巳D111Fや号568巳皇
●甘毎も■いe8らD早い■e969qDDb■P■且基fTF4DBや呈汀■岳汀呼Br
℃■rLP9BBrFUPUPBE︒■5■g▽E5D0g9ら■■■■ザら■■日弔や
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17 口巳邸ワ告日BDT358巴
qb91等いこいいい■BIザリ牙
鼎LcrF■85r5P49?●も■も●砂?分1111
30%
寒 色 ; 多 色 曇 宴 暖 色 無 彩 色 霧 中 間 色
< 暖 色 > l l 社
鰯 篭識識
鯵
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< 中 間 色 > 5社
一
< 寒 色 > 25社
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< 無 彩 色 > 8 社
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< 多 色 > 1 7 社
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斑 − − … −
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P つ 函 了 = ヤ ー , 。 、 , v o n 、 〜 、 α b , w 毎
時イ鯏剃/馴肺
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3
夏置乏云ン写三宝琿邑④ O M G R O U P
サ ー ビ ス 業 界 で は 、 作 業 仮 説 2 と 異 な り 寒 色 が 3 3 % と 最 も 多 か っ た 。 作 業 仮 説 2 で 、 サ ー ビ ス 業 界 は 「 親 し み 」 や 「 暖 か い 」 と い う イ メ ー ジ か ら 暖 色 が 多 い と 考 え た が 、 実 際 に 企 業 理 念 を 調 べ て み る と 、 寒 色 の イメージを表す語句を用いている企業は25社中15社(60%)が該当した。
例 え ば 、 小 田 急 電 鉄 は 、 行 動 指 針 に 「 私 た ち は 、 安 全 ・ 安 心 を 基 本 に す べ て の 事 業 を 誠 実 に 推 進 し ま す 。 」 と 打 ち 出 し て い る 。 こ の 中 の 「 誠 実 」 と い う 語 句 は 、 寒 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る 。 「 行 動 指 針 は 、 私 た ち が 日 々 業 務 に 取 り 組 む う え で の 行 動 の 原 則 と な る も の で す 。 こ の 行 動 指 針 に 則 り 一 人 ひ と り が 担 う 業 務 を 誠 実 に 遂 行 す る こ と で 、 経 営 理 念 を 実 現 し 社 会 と と も に 持 続 的 に 発 展 し て い く こ と が 私 た ち の 使 命 で す 。 」
と 説 明 さ れ て い る が 、 ロ ゴ マ ー ク を つ く る 上 で 、 「 誠 実 」 と い っ た 寒 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 、 「 社 会 に 対 す る 事 業 を 通 じ て 誠 実 な 働 き 方 を 心 が け る 」 と い う 指 針 が 一 致 し て 、 寒 色 が 使 わ れ て い る と 考 え ら れ る 。
また、H.I.S.の企業行動憲章として「快適で安全な職場環境の確保」の た め に 「 社 員 の 人 格 や 個 性 を 尊 重 し 合 い 、 公 私 の け じ め を つ け 、 公 正 な 職 場 秩 序 の 維 持 を 図 り 、 他 人 に 不 快 感 を 与 え る よ う な 行 為 を な く し て 、 い つ も 清 潔 で 安 全 な 、 明 る く 元 気 で 生 き 生 き と し た 、 働 き や す い 豊 か な 職 場 環 境 づ く り を 目 指 し ま す 。 」 と 打 ち 出 し て い る 。 こ の 中 の 「 清 潔 」
と い う 語 句 は 寒 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る 。
ま た 、 S N B L の 倫 理 綱 領 は 「 私 達 は 、 憲 法 の 精 神 を 支 持 し 、 法 令 を 厳 守 し 、 社 会 規 範 を 尊 重 し 、 知 的 な 紳 士 ・ 淑 女 と し て 社 会 の 模 範 と な る こ と を 強 く 意 識 し て 行 動 し ま す c 」 と な っ て お り 、 そ の 説 明 と し て 「 私 は 、 良 識 の あ る 大 人 の 社 会 人 と 言 わ れ る 言 動 を 約 束 し ま す 」 と あ る 。 「 知 的 な 紳 士 ・ 淑 女 」 は 寒 色 の イ メ ー ジ 1 3 に 一 致 す る 。
こ の よ う に 、 サ ー ビ ス 業 界 は 、 顧 客 に 対 し て 丁 寧 な 仕 事 を 要 求 さ れ る
た め 、 「 誠 実 」 や 「 知 的 」 、 「 清 潔 」 と い っ た 社 員 の 行 動 に 関 わ る イ メ ー ジ を 重 視 し て い る こ と が 分 か っ た 。
作 業 仮 説 2 と は 異 な っ て い る が 、 指 針 や 憲 章 に は 、 寒 色 の イ メ ー ジ を 表 す 語 句 が 用 い ら れ て お り 、 実 際 に 企 業 ロ ゴ に 寒 色 を 使 用 し て い る こ と か ら 、 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 と の イ メ ー ジ に は 関 連 性 が あ る と 言 っ て い い だろう。
5.3.金融業界分析
作 業 仮 説 3 と し て 、 金 融 業 界 は 、 「 保 守 的 」 「 信 頼 感 」 「 誠 実 さ 」 と い う 印 象 か ら 、 寒 色 が 多 い と 仮 定 し た 。
ま ず 、 金 融 業 界 の 企 業 の 中 で 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 を 分 類 し た 。 結 果 を 図 に示すと、次のようになる。(図5‑3)
図 5 − 3 金 融 業 界 の 色 の 割 合
色 の 割 合
8%8%
" : %
16%
負 : 暖 色 1 多 色 ■ 中 間 色 寒 色 無 彩 色
< 暖 色 > 1 3 社
■鐸■SMBC日唾哩言正券壽茎を日夛本生君誌
〃三井住友カード株式会社 &………一雨画画一
TOKAlTOKYOFINANCIALHOLD1NGS,INC.
⑨東海東京フィナンシャルホールティングス◆で主友生言活
鍾 診 ち さ き 矛 U 臼 婁 璽 差 照 会
i賑熟濡雲艸農三菱
O M U F G O M U F G
< 寒 色 > 3 社
◇あおぞら銀行
へ轆溌 :》鍵愚
紛横浜銀行
ろろきん
< 中 間 色 > 6社
、 弓 瀬 〒 諦 羅 柵 碓 『 三 井 住 友 銀 行 三 京 都 銀 行
; い $ い ニ ッ セ イ 同 和 損 保 ⑬ B 本 政 策 金 融 公 庫
< 無 彩 色 > 3社
野村證券驚羨憲琴箕霊瀞
三 菱 U F 心 雲 モ ヌ レ カ ・ ン ・ ス タ ン レ ー 証 券
< 多 色 > 12社
尾 関 西 洲 ン 銀 行 " 灘 " 東 京 海 卜 R 動
⑳明治安田牛命
$ s o ' Y 伽 ソ 轍 鮒 社
大和証券グルーブ本社MⅢOみず│抑ンシヤル胴
臓 測 鵡 患 噂 漣 一
Af;a鍾国餡
③職網レデインクス燭
§:ざべきき、、弓醇りそなホールデインクス撹嘉撫慕篇銀行
, 、 タ ー ロ ロ 画 一 U 曹 一 ド金 融 業 界 で は 、 作 業 仮 説 3 と 異 な り 暖 色 が 3 5 % と 最 も 多 か っ た 。 作 業 仮 説 3 で 、 金 融 業 界 は 「 保 守 的 」 「 信 頼 感 」 「 誠 実 さ 」 と い う イ メ ー ジ か ら 寒 色 が 多 い と 考 え た が 、 実 際 に 企 業 理 念 を 調 べ て み る と 、 暖 色 のイメージを表す語句を用いている企業は13社中8社(62%)が該当した。
例 え ば 、 S M B C 日 興 証 券 は 、 ス テ ー ト メ ン ト に 「 さ あ 、 明 日 の こ と を 、 話 そ う 。 い っ し ょ に 、 未 来 を 共 有 し よ う 。 」 と 掲 げ て い る 。 こ の 中 の 「 未 来 」 と い う 語 句 は 、 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る 。
ま た 、 第 一 生 命 保 険 は 、 経 営 理 念 に 「 こ れ か ら も 、 お 客 さ ま と お 客 さ まの大切な人々の"一生涯のパートナー,,として、グループ各社とともに、
そ れ ぞ れ の 地 域 で 、 人 々 の 安 心 で 豊 か な 暮 ら し と 地 域 社 会 の 発 展 に 貢 献 し て い き ま す 。 」 と 躯 っ て い る 。 こ の 中 の 「 安 心 」 と い う 語 句 は 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 し て い る 。 こ れ は 、 第 一 生 命 保 険 の 「 お 客 さ ま 本 位 」
と い う 経 営 基 本 理 念 に 基 づ き 、 生 命 保 険 の 提 供 に よ っ て お 客 さ ま が 安 心 し て 暮 ら せ る こ と を 目 指 し て い る と い う 理 念 と 、 「 安 心 」 と い っ た 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る と 考 え ら れ る 。
ま た 、 日 本 郵 政 グ ル ー プ は 、 ス ロ ー ガ ン に 「 そ ば に い る か ら 、 で き る こ と が あ る 。 す べ て の ひ と に や さ し い 社 会 が 、 実 現 さ れ る よ う に 。 ( 中 略 ) す べ て の ひ と が 安 心 し て 暮 ら せ て 、 豊 か な 日 々 を 送 る た め の サ ー ビ
ス や 商 品 を 開 発 し て い く 。 み な さ ま の 暮 ら し に よ り そ っ て 、 地 域 の 未 来 の 役 に 立 て る こ と が も っ と あ る 。 ( 後 略 ) 」 と 掲 げ て い る 。 こ の 中 の 「 や さ し い 」 「 安 心 」 「 未 来 」 と い う 語 句 は 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 一 致 す る 。 そ の 説 明 と し て 、 経 営 理 念 に お い て 、 「 郵 政 ネ ッ ト ワ ー ク の 安 心 、 信 頼 を 礎 と し て 、 民 間 企 業 と し て の 創 造 性 、 効 率 性 を 最 大 限 発 揮 し つ つ 、 お 客 さ ま 本 位 の サ ー ビ ス を 提 供 し 、 地 域 の お 客 さ ま の 生 活 を 支 援 し 、 お 客 さ ま と 社 員 の 幸 せ を 目 指 し ま す 。 ま た 、 経 営 の 透 明 性 を 自 ら 求 め 、 規 律 を 守 り 、 社 会 と 地 域 の 発 展 に 貢 献 し ま す 。 」 と あ る 。 す な わ ち 「 や さ し い 」 と い う 語 句 は 、 お 客 さ ま の 生 活 の 手 助 け を し て 、 お 客 さ ま だ け で な く 社 員 も 含 め た す べ て の ひ と の 幸 せ を 実 現 さ せ る こ と を 表 し て い る 。 ま た 、 「 安 心 」 と い う 語 句 は 、 企 業 が 正 確 な 経 営 を 行 い 、 規 律 を 守 る こ と を 表 し て い る 。 「 未 来 」 と い う 語 句 は 、 地 域 社 会 の 発 展 に 貢 献 す る こ と を 表 し て い る 。 以 上 か ら 、 「 や さ し い 」 「 安 心 」 「 未 来 」 と い っ た 暖 色 の イ メ ー ジ 1 3 と 、 ス ロ ー ガ ン と が 一 致 し て 、 暖 色 が 使 わ れ て い る と 考 え
られる。
こ の よ う に 、 金 融 業 界 は 顧 客 の 暮 ら し を 支 え る 基 盤 と な っ て い る た め 、
「 安 心 」 や 「 や さ し い 」 と い っ た イ メ ー ジ を 重 視 し て い る 。 ま た 、 顧 客 と と も に 将 来 を 考 え る 役 害 ' l を 担 っ て い る た め 、 「 未 来 」 と い っ た イ メ ー ジ に 重 き を 置 い て い る こ と が わ か っ た 。
作 業 仮 説 3 と は 異 な っ て い た が 、 経 営 理 念 や ス ロ ー ガ ン に は 暖 色 の イ メ ー ジ を 表 す 語 句 が 用 い ら れ て お り 、 実 際 に 企 業 ロ ゴ に 暖 色 を 使 用 し て い る こ と か ら 、 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 と の イ メ ー ジ に は 関 連 性 が あ る と 言 っ て い い だ ろ う 。
5.4.マスコミ・メディア業界分析
作 業 仮 説 4 と し て 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 は 、 「 厳 粛 」 「 シ ン プ ル 」
「 真 実 」 と い う 印 象 か ら 無 彩 色 が 多 い と 仮 定 し た 。
ま ず 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 の 企 業 の 中 で 、 ロ ゴ マ ー ク の 色 を 分 類 した。結果を図に示すと次のようになる。(図5‑4)
< 無 彩 色 > 1 3 社
読 売 新 聞
朝日新聞冠
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ l ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
勵 洲 柵
集 英 社
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
d e n t s u ③ 新 潮 社
禰 妻 窯
"壱重言乏而eworld。jp童え‐
。 醒 殉 竃 竃 乃 繁 遠 釜 A幻 、 今
懇:薊講坐嘉鷆TBS
< 多 色 > 5社
帝 講 談 社
K O D A N S H Aも
野 で 、 , 壷 、
ADK</。"Benesse⑨フ説ビ
マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 で は 、 作 業 仮 説 4 と 合 致 し て 無 彩 色 が 3 8 % と 最も多かった。
作 業 仮 説 4 で 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 は 、 「 厳 粛 」 「 シ ン プ ル 」 「 真 実 」 と い う イ メ ー ジ か ら 無 彩 色 が 多 い と 考 え た 。 実 際 に 企 業 理 念 を 調 べ て み る と 、 無 彩 色 の イ メ ー ジ を 表 す 語 句 を 用 い て い る 企 業 は 1 3 社 中 朝
日新聞社と読売新聞の2社(15%)が該当した。
朝 日 新 聞 社 は 、 綱 領 に 「 不 偏 不 党 の 地 に 立 っ て 言 論 の 自 由 を 貫 き 、 民 主国家の完成と世界平和の確立に寄与す。(中略)真実を公正敏速に報道 し 、 評 論 は 進 歩 的 精 神 を 持 し て そ の 中 正 を 期 す 。 常 に 寛 容 の 心 を 忘 れ ず 、
品 位 と 責 任 を 重 ん じ 、 清 新 に し て 重 厚 の 風 を た っ と ぶ 。 」 と 打 ち 出 し て い る 。 こ の 中 の 「 平 和 」 「 真 実 」 「 重 厚 」 と い う 語 句 は 、 無 彩 色 の イ メ ー ジ13に一致する。
読売新聞は、信条に「(前略)国際主義に立ち、日本と世界の平和、繁 栄 に 貢 献 す る 。 真 実 を 追 求 す る 公 正 な 報 道 、 勇 気 と 責 任 あ る 言 論 に よ り 、 読 者 の 信 頼 に こ た え る 。 」 と 書 か れ て い る 。 こ の 中 の 「 平 和 」 「 真 実 」 と い う 語 句 は 、 無 彩 色 の イ メ ー ジ 1 3 に 一 致 す る 。
こ の よ う に 、 綱 領 や 信 条 か ら 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 の 中 で も 新 聞 社 に つ い て は 、 責 任 を 持 っ て 真 実 を 伝 え る 義 務 が あ る た め 、 「 重 厚 」 や
「 真 実 」 と い っ た イ メ ー ジ を 重 視 し て い る こ と が わ か っ た 。 し か し 、 検 証 で き た 企 業 数 が 少 な か っ た た め 、 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 と の イ メ ー ジ に は 必 ず し も 関 連 性 が あ る と は 言 え な い だ ろ う 。
5.5.分析のまとめ
メ ー カ ー Ⅱ ( 食 品 ・ 水 産 分 野 ) 、 サ ー ビ ス 業 界 、 金 融 業 界 で は 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 の イ メ ー ジ に は 関 係 が あ る と 認 め ら れ た が 、 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 で は 必 ず し も 関 係 が あ る と は 言 え な か っ た 。
6 . ま と め と 今 後 の 課 題
メ ー カ ー Ⅱ ( 食 品 ・ 水 産 分 野 ) は 、 暖 色 が 多 い と し た 仮 説 と 合 致 し て い た 。 ま た 、 企 業 理 念 と 暖 色 の イ メ ー ジ と も 合 致 し て い た 。 サ ー ビ ス 業 界 は 、 暖 色 が 多 い と し た 仮 説 と 異 な り 、 寒 色 が 最 も 多 か っ た 。 し か し 、 企 業 理 念 と 寒 色 の イ メ ー ジ は 合 致 し て い た 。 金 融 業 界 は 、 寒 色 が 最 も 多 い と し た 仮 説 と 異 な り 、 暖 色 が 最 も 多 か っ た 。 し か し 、 企 業 理 念 と 暖 色 の イ メ ー ジ は 合 致 し て い た 。 マ ス コ ミ ・ メ デ ィ ア 業 界 は 、 無 彩 色 が 多 い と し た 仮 説 と 合 致 し て い た 。 し か し 、 企 業 イ メ ー ジ と 色 彩 の イ メ ー ジ に は 必 ず し も 関 係 性 が あ る と は 言 え な か っ た 。
し た が っ て 、 「 企 業 が 印 象 付 け た い そ の 企 業 の イ メ ー ジ と 我 々 消 費 者 が 感 じ る 色 彩 イ メ ー ジ と の 間 に は 関 連 性 が あ る 」 と い う 仮 説 は お お よ そ 確 認 で き た と 言 え る 。 こ の こ と か ら 企 業 は 消 費 者 に 感 じ 取 っ て ほ し い 企 業 イ メ ー ジ を 伝 え る た め に ロ ゴ マ ー ク を 使 用 し て お り 、 そ れ は 色 彩 を 使
う こ と で さ ら に 詳 し く 伝 え る こ と が で き る と 言 っ て も よ か ろ う 。
本 研 究 で は 、 上 記 の よ う に ロ ゴ マ ー ク の 色 彩 と イ メ ー ジ と の 関 連 性 に つ い て 明 ら か に す る こ と が で き た 。 し か し な が ら 、 全 て を 網 羅 し き れ た わ け で は な く 、 課 題 も 多 く 残 し て い る 。 本 研 究 の 限 界 に 基 づ き 、 今 後 の
課 題 と し て 次 の 3 点 を 挙 げ て お く 。
1 つ 目 は 、 調 査 企 業 数 が 少 な か っ た 点 で あ る 。 3 0 0 社 を 業 界 ご と に 細 分 化 し た た め 、 l 業 界 ご と の 分 析 対 象 企 業 数 が 減 少 し た 。 ま た 、 1 つ の 業 界 の 中 に ロ ゴ マ ー ク が 同 じ 企 業 も 存 在 し た た め 、 重 複 し て い る 部 分 を 削 除 す る と さ ら に 企 業 数 が 減 っ て し ま っ た 。 こ の こ と か ら 、 確 実 と い え る デ ー タ を 採 取 す る こ と が で き な か っ た 。 こ れ を 改 善 す べ く 、 調 査 す る 企 業 の 数 を よ り 増 や し 、 確 実 性 を 高 め る こ と が 必 要 で あ る 。
2 つ 目 は 、 業 界 分 類 の 範 囲 が 広 す ぎ た 点 で あ る 。 企 業 分 析 を す る 際 に 、
「就職四季報総合版2017」(2016)に従って300社をl1業界に分けたた め 、 違 う 分 野 同 士 を 大 き く 一 括 り に し て し ま っ た 。 客 観 的 に 企 業 を 分 類 す る た め に 四 季 報 を 参 考 に し た が 、 食 品 ・ 水 産 と 繊 維 ア パ レ ル が メ ー カ ー 業 界 と し て 括 ら れ て い た り 、 航 空 会 社 と ゲ ー ム 会 社 が サ ー ビ ス 業 界 と し て 括 ら れ て い た り し て い た 。 業 種 が 違 え ば 色 彩 イ メ ー ジ も 大 き く 変 わ っ て く る 可 能 性 が あ る た め 、 こ の 分 類 方 法 は 整 合 性 に 欠 け て い た と い え る 。 こ れ を 改 善 す べ く 、 今 後 は 範 囲 が 狭 く 、 細 か く 分 類 さ れ た 分 析 を 参 考 に 調 査 を 行 い 、 精 度 を 高 め て い く 必 要 が あ る 。
3 つ 目 は 、 業 界 の 中 で 最 も 使 用 さ れ て い る 色 と 、 次 に 多 く 使 用 さ れ て い る 色 の 割 合 に 差 が な い 場 合 が あ る に も か か わ ら ず 、 調 査 対 象 外 に し て し ま っ た 点 で あ る 。 例 え ば 、 サ ー ビ ス 業 界 は 寒 色 が 3 3 % と 最 も 多 く 、 次 に 多 色 が 3 0 % で 、 そ の 差 は わ ず か 3 ポ イ ン ト し か な か っ た 。 同 様 に 、 金 融 業 界 が 暖 色 3 5 % 、 多 色 3 3 % と 、 そ の 差 は わ ず か 2 ポ イ ン ト で あ っ た 。 し か し 、 本 研 究 で は 割 合 を 多 く 占 め る こ れ ら 2 つ の 色 彩 分 類 に つ い て で は な く 、 最 も 多 い 色 彩 分 類 の み を 対 象 と し た 。 そ の た め 分 析 結 果 が 偏 っ て し ま っ た と い え る 。 こ れ を 改 善 す べ く 、 今 回 扱 っ た 4 つ の 業 界 の 中 で 、 調 査 対 象 外 と な っ た 色 彩 分 類 の ロ ゴ マ ー ク の 企 業 理 念 を 調 べ 、 色 の イ メ ー ジ と ロ ゴ マ ー ク に お け る 関 連 性 の 正 確 さ を よ り 高 め て い く 必 要 が あ る。
参 考 文 献
オブスキュアインク(2008).『デザイン・配色のセオリー』グラフィック
社.
高橋書店編集部編(2013).『思わず話したくなるロゴの秘密』高橋書店.
東洋経済新報社編(2016).『就職四季報総合版2017」東洋経済新報社.
成美堂出版編集部編(2007).「日本のロゴ企業・美術館・博物館・老 舗 一 シ ン ボ ル マ ー ク と し て の 由 来 と 変 遷 』 成 美 堂 出 版 .
成美堂出版編集部編(2008).『日本のロゴⅡ企業・学校・レジャー施設・
ス ポ ー ツ チ ー ム ー シ ン ボ ル マ ー ク と し て の 由 来 と 変 遷 』 成 美 堂 出 版.
山崎奈保(2010).「BtoB企業のブランデイングにおけるデザイン性の 影 響 」 早 稲 田 大 学 大 学 院 商 学 研 究 科 専 門 職 学 位 論 文 .
山脇惠子(2010).『史上最強カラー図解色彩心理のすべてが分かる本」
ナツメ社.
塚田敢(1978).『色彩の美学」紀伊國屋書店.
Webサイト
日 本 食 研
カ ル ビ ー
キ リ ン
小 田 急 電 鉄
H.I.S
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http://www.calbee.co.jp/company/c̲message.php (閲覧日2016年12月29日)
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SMBC証券http://www.smbcnikko.co.jp/company/policy/vision/index.html
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郵政グループhttps://www.japanpost.jp/group/indexO2.html
(閲覧日2017年1月ll日)
朝 日 新 聞 社 読 売 新 聞
http://www.asahi.com/shimbun/
(閲覧日2017年1月11日)
http://infb.yomiuri.co.jp/index.html?from=yfboter (閲覧日2017年1月1l日)