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RIETI - 製品アーキテクチャのモジュール化の進展のもとにおける日本、韓国、中国の東アジア地域における比較優位構造とその変化について

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RIETI Discussion Paper Series 11-J-001

製品アーキテクチャのモジュール化の進展のもとにおける

日本、韓国、中国の東アジア地域における

比較優位構造とその変化について

桑原 哲

東洋エンジニアリング(株)

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RIETI Discussion Paper Series 11-J-001 2011 年 1 月 製品アーキテクチャのモジュール化の進展のもとにおける日本、韓国、 中国の東アジア地域における比較優位構造とその変化について 桑原 哲(東洋エンジニアリング(株))* 要 旨 東アジア地域では発展段階の異なる日本、韓国、中国が主たる経済主体であり、 経済のグローバル化を通じてリンケージを急速に深めてきている。こうしたなかで これらの3カ国の分業構造がどのような要因で決定されているかを考えることは大 きな意味がある。本稿では製品アーキテクチャに着目し、モジュール化のレベルと 3国の相互の比較優位が一定の相関を持つことを実証した。また、中国の比較優位 構造の変化が相対的に韓国により大きな影響を与えてきたと考えられることも明 らかにした。 * 本稿は、筆者が RIETI の上席研究員として研究したものである。 RIETI ディスカッション・ペーパーは、専門論文の形式でまとめられた研究成果を公開し、活発 な議論を喚起することを目的としています。論文に述べられている見解は執筆者個人の責任で発表 するものであり、(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。

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1. はじめに 経済のグローバル化が進展し、企業が生産活動を国境を超えて、最適配置し始 めるとともに生産要素や技術の国際的移転が活発に行われるようになると国際 的移転が困難で、東アジア地域における比較優位と分業構造を決定する要因を 特定することは必ずしも容易ではない。 まず、経済のグローバル化の進展を通じて、生産要素の国際的移動可能性はど んどん拡大してきており、財、資本、労働といった生産要素の国際的移動可能 性を考えた場合、財と資本については国際的移動に大きな制約はなくなってき ている。途上国においては労働が豊富で資本が希少、先進国においてはその逆 という前提は現在ではあまり現実的なものではなくなってきている。1970 年代初めごろまでしばしば指摘された途上国における資本制約は、現在の中国 の経済成長における重要な障害とはなっていない。多国籍企業の直接投資が途 上国における設備投資に大きな役割を果たすようになって以来この傾向は一層 顕著なものになった。したがって資本集約的産業は、主に先進国地域で立地さ れ、先進国地域が比較優位を持つ一方、労働集約的産業は、主に途上国地域で 立地され、途上国地域が比較優位を持つという棲み分けのメルクマールは妥当 しなくなってきている。 更に産業を工程単位で見た場合、従来のより大括りな業種単位の棲み分けのイ メージから変わってきている。従来の発展段階的な見方からは、資本集約的産 業に比較優位があるか、労働集約的産業に比較優位があるかの違いは、生産要 素の賦存状況のみならず、産業基盤や技術蓄積の水準の違いをも反映している と考えられていた。すなわち資本集約的産業と労働集約的産業の対比はハイテ ク産業とローテク産業という対比に概ね対応するものと見られていた。このよ うな見方は、製品そのものに内包される技術水準、その製品を生産する設備の 技術水準、生産設備を操作し、維持するのに必要な技術水準等が、相互に関連 し、切り離し難く結びついている状況では、大雑把には成立つということがで きた。しかし製品アーキテクチャのモジュール化と生産工程のフラグメンテイ ションは正にこのリンケージを断ち切るものである。工程単位で見た場合、ハ イテク製品を生産する産業の工程であっても、未熟練労働者で対応可能で、地 理的に分離可能になった工程がある。現実にも 1980 年代以降の日本から ASEAN 各国や中国に向けられた直接投資のかなりの部分を占めた電気電子産 業の投資の多くは最終アッセンブリ・ラインの移転であった。高度にモジュー ル化され、モジュール相互の摺り合わせに熟練を要しないような製品の最終ア センブリ工程では、扱う製品は異なってもやっていることはあまり大きな違い

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はない。極言すればパソコンも、エアコンも、音響機器も、最終アセンブル工 程は“同一の産業”と看做すことができる。80 年代後半から 90 年代前半の中 国華南地域の状況はこうした側面を体現していた。当時、この地域には、委託 加工を通じ、未熟練労働力で対応可能なものであれば、“何でも組み立てる産業” が急速に拡大していた。このような工程が中国に移転したからと言って幅広い 分野のハイテク産業まで中国に移転したという言い方をするのはミスリーディ ングである。 このように考えた場合、国毎の産業の棲分けは、分割された工程を産業の単位 と見て、今日でもなお移動可能性の小さい組織と労働の質に着目することが現 実に適合的であると考えることができる。すなわち、日本では高度の組織的能 力およびそれと結びついた熟練労働力を必要とする工程においては相対的に生 産性が高く、逆に中国では、高度の組織的能力を必要とせず、未熟練労働で対 応することが可能な工程において、相対的な低賃金のメリットが生きてくると 考えることができる。 またこうした棲み分けのパターンを前提とするとした場合、東アジア地域にお ける日本、韓国、中国の比較優位はどのように変化してきているだろうか。 本稿はこのような視点から産業のモジュール化の水準と日本、韓国、中国のそ れぞれの産業の比較優位の関係について東アジア地域における統計的分析を行 い、東アジア地域における貿易構造あるいは産業の棲み分けの方向性等につい ての考察を行おうとするものである。 2. リカーディアン・モデルで考えるジュール化の進展と比較優位並びに途 上国の発展パターン 前述したように組織的能力や労働の質が、実質的に比較優位を基礎付けるポイ ントとなっていると考えた場合、それらを異なる生産要素と考えて、ヘクシャ ー・オリーン・モデルを当てはめて検討する方法とそれらを技術の格差に置き 換えてリカーディアン・モデルに当てはめて検討する方法が考えられる。 労働の質に着目し、熟練労働と未熟練労働を異なる生産要素と考えた場合、ヘ クシャー・オリーン・モデルの方が前提条件のおき方が妥当性が高いように見 える。しかし、擦り合わせ技能といった労働の質が、単に労働者あるいは技術 者個人の技能のみならず、彼らが属する組織のあり方、情報共有の水準等の組 織の能力にもある程度依存していることを考えた場合、これらを技術の違いに 置き換えてリカーディアン・モデルで考えることも合理性がある。 それぞれの国が固有の生産要素を独占的に1種類持ち、生産要素が代替的であ

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ると考えればはヘクシャー・オリーン・モデルは、リカーディアン・モデルと ほぼ一致し、リカーディアン・モデルは技術をブラックボックスにしたヘクシ ャー・オリーン・モデルの特殊ケースと考えることもできる。 それぞれ長短があるものの、ここでは比較的単純で統計的な処理を行いやすい リカーディアン・モデルを基礎とした検討を行う。 2国多財のリカーディアン・モデルを考えた場合、それぞれの財における自国 と外国の比較優位の序列は相対的生産性の序列に依拠している。相対的生産性 を決定する要因は一般に技術と考えられている。しかし、技術もかなりの程度 国際的に移転しうることを考えた場合、むしろ国際的に移転の困難な諸要因を 全て包含したブラックボックスと言うに近い。したがって本質的には、著しく 複合的な性格を持ったものと考えることができるが、その中核的な要素を擦り 合わせ技術と考えた背景には以下のことが指摘できる。 第一に、現在の状況を見た場合、比較優位に影響を与える国際的に移動困難な 要因が著しく減少し、他に大きな影響を与える要因が見出しにくい一方、擦り 合わせ技術の国際的な移転は相対的に困難さの程度が高いと考えられることで ある。 生産性に影響を与える諸要因を細かく分けて、1 つ 1 つ取り出して考えた場合、 東アジア地域において国際的な移転が著しく困難であると考えられる要因はほ とんど存在しない。資本の調達、生産設備の輸入、原材料の輸入における障害 は著しく小さくなってきているし、その性質上移転が困難と考えられていた生 産技術やノウハウも教育訓練や技術指導を通じてかなりの程度国際的に移転さ せることは可能である。労働は今でも移転困難な生産要素であるということが できるが、その質は技術に還元することができるし、量的問題は生産性に影響 を与えるものではない。しかし、1 つ 1 つをばらばらに取り出して見ると国際的 な移転がさほど困難ではないと考えられるものであっても、それらの諸要因が 有機的に影響しあって、部分的な移転ではその効果が現れない場合には国際的 な移転が著しく困難な要因となりうる。例えばデジタル技術が現在のように発 達する以前の音響製品は、部品の組合せや加工による微妙な音質への影響が大 きく、生産過程における微修正やそれをフィードバックした設計変更といった 連携が必要とされ、それらを平行して処理するのにさまざまな技術やノウハウ が必要であり、その多くが有機的にリンクしていた。したがって、その生産設 備の立地はこのような様々な技術やノウハウを全体として提供しうる地点でな ければ困難であった。情報技術が急速に発達する1970 年代より以前には、製品 アーキテクチャは、多くの加工組立産業においてインテグラルな構造を持ち、 東アジア地域の途上国において対応しうる産業分野は限られたものであったと いうことができる。情報技術が発達し、製品アーキテクチャのモジュール化が

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進行するなかで多くの産業分野の一部の工程が途上国に移転することが可能に なったのは、このような有機的結合が解かれるとともに特定の機能が特定のモ ジュールによって決定される単純な対応関係ができてきたことによる。その結 果工程は単に分割され、相互に干渉しあう程度が減少しただけではなく、著し くモジュール化された構造を基礎とした工程と著しくインテグラルな構造を基 礎とした工程に極端化する場合が多い。設備の維持管理や生産活動に高度の技 術力や熟練を必要としない家電製品の最終アセンブリ工程は、著しくモジュー ル化された構造を基礎とした工程の典型的な例であり、こうした工程が1980 年 代後半から急激に途上国に移転して言ったことは既に指摘した。但し厳密に考 えれば、著しくモジュール化された構造を基礎とした工程であることが、高い 技術力や熟練を要しないことに直結するものではない。例えば、ソフトウェア 開発のような産業分野では、著しくモジュール化された構造を基礎としながら も、高度の技術力や熟練を必要とする場合が多い。モジュール化された構造を 基礎とした工程とインテグラルな構造を基礎とした工程の違いを決定付けるは、 その工程において必要とされる技術力の高低や投入される労働の熟練度の違い ではなく当該工程内のサブ工程や個々の作業の相互干渉性の高低にあるという ことができる。1 当該工程に必要となる作業の全てを1 人の労働者、技術者が 対応するという極端な場合を考えると当該工程内のサブ工程や個々の作業の相 互干渉性が高いということは労働者、技術者個人の高い技術力や熟練が必要と されているということと一致する。しかし、複数の技術者や労働者が当該工程 にかかわる作業に関与する通常の場合、サブ工程や個々の作業の相互干渉性の 高い工程に対応していくためには、単に個々の技術者、労働者の技術水準や熟 練度が高いのみでは不十分で、技術者、労働者の情報共有の水準が高く、効率 的な連携作業が可能であることが必要となる。こうした能力は個々人の技術力 や熟練度に留まらず、社会構造とも結びついた組織特性や組織の能力に大きく 依存している。2 したがって擦り合わせ能力は、社会基盤、組織特性が、一定 のインセンティブ構造を形成し、それを前提とした個人的能力の向上を通じて、 醸成、維持、向上される能力であり、ある国における高い擦り合わせ能力を、 異なる社会基盤、組織特性が異なるインセンティブ構造を形成している他の国 1 モジュール化の水準の定式化については、藤本隆宏、大鹿崇、貴志奈央子〔2005(1)〕、 桑原哲〔2006〕参照 2 いわゆる日本的経営における高度の情報共有は、第二次大戦後の生産ラインにおける人材 の不足に対処するための長期的雇用慣行の確立、生産規模の制約からくる多能工の育成、 長期的雇用慣行に適合した人事システムなどの様々な歴史的諸要因の相互の作用のなかで 形成されたことは多くの研究の中で明らかにされている。比較制度論の立場から、諸制度 相互の制度的補完性について研究した論文を集めたものとして青木昌彦、ロナルド・ドー ア〔1995〕がある。

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に移転することは容易ではない。 第二に細分化した産業分野ごとの生産性格差を生み出す要因として擦り合わ せ能力に着目することが、最近における日本、韓国、中国の経済発展の歴史的 実態に適合的であると考えられることである。 最近30~40 年の日本、韓国、中国の経済発展は貿易、投資を介した相互作用 を抜きにして考えることはできない。日本がインテグラルな構造を基礎とした 工程に適合的な擦り合わせ能力を歴史的な経緯のなかで形成してきたのと同様、 韓国と中国も相対的に高い技術力と高い擦り合わせ能力を持った日本の存在を 与件として、それぞれの歴史的状況に対応した形でモジュールな構造を基礎と した工程に適合的な能力を向上させることが合理的であったと考えることがで きる。韓国政府は過去しばしば対日貿易赤字の拡大を貿易政策における問題と してきた。対日貿易赤字の主たる要因は材料・半製品・生産設備の輸入であり、 韓国の機械類の輸出が拡大すると対日貿易赤字が拡大する傾向にあることは広 く知られている。3 周辺産業支援等内製化のための政策努力も払われたが必ず しも十分な成果は上がっていない。しかし、こうした状況は、韓国のセットメ ーカーの立場から見れば、日本の多くの製造業者が行ったように先行外国企業 の製品をリバース・エンジニアリングによって解析し、改良し、自前の材料、 部品、生産設備によって自社製品を作り出すといった戦略よりも、一部の材料、 半製品、生産設備を日本から輸入し、製品開発から市場参入へのリードタイム を短縮する戦略の方が合理的であったことを意味している。すなわち韓国企業 は情報技術、デジタル技術の進歩による製品アーキテクチャのモジュール化の 進展を活用して、日本製の部品等を自社製品に組込み、市場占有率を短期間に 上昇させることに成功している。このような傾向は中国の場合、より強いもの になっている。ハイアールやTCL等、短期間に巨大企業に成長した中国の家 電メーカーは、多くの基幹部品の供給を外国企業に依存しており、製品アーキ テクチャのモジュール化を最大限に利用した経営を行っている。すなわち、日 本の場合は、戦後の産業発展プロセスにおける諸条件がインテグラルな構造の 製品についての比較優位を生み出す方向に作用したのに対し、韓国の場合はそ うした日本の産業とモジュール化の流れが、外部調達を利用して量産体制を急 速に確立する戦略の合理性を高め、結果的にモジュラーな構造の製品について の比較優位を生み出す方向に作用したということができる。そして中国の場合 は、韓国以上にモジュール化の流れを活用することが成長戦略としての合理性 を持っていたと考えることができる。この結果、東アジアの主要な経済主体で ある日本、韓国、中国の間では、先行する国ほどインテグラルな構造を対象と した生産工程に比較優位を持つ一方、後からキャッチ・アップしてくる国ほど 3 台湾と韓国について実証した最も最近のものとして新宅〔2006〕

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モジュール化を活用し、結果的にモジュラーな構造を対象とした生産工程に比 較優位を持つという関係が歴史的に形成された。 日韓、日中、韓中それぞれの関係において、インテグラルな構造を前提とした 工程であるほど前者の相対的な生産性が高く、製品アーキテクチャのモジュー ル化度の序列が、当該製品を生産する国の如何に関わらず独立に決定されると すれば、それぞれの財毎の相対的生産性が高いものから低いものに並べた序列 は共通のものになるはずである。そしてモジュール化度の低い品目を前者が輸 出し、モジュール化度の高い品目を後者が輸出することになると考えられる。 今、n種類の財が存在する経済を想定し、自国において第i財を1 単位生産す るのに必要な労働投入を

a

i、外国において第i財を1 単位生産するのに必要な 労働投入を

a

i*とする。例えば第i財が著しくインテグラルな構造を持ち、自国 が日本、外国が中国のような場合においては、日本の方が生産性が高いと考え られるため

a

i<

a

i*の関係が成立する。自国の生産性がが外国の生産性を上回る 順に財を並べると

a

1*/

a

1>

a

2*/

a

2>・・・

a

i*/

a

i>・・・・

a

n*/

a

n となり、前述の関係を前提とすれば1 からnの序列はモジュール化度の序列な いしはその逆と一致するはずである。 そして自国の単位賃金をω、外国の単位賃金をω*とすると

a

i*/

a

i >ω/ω*が成立する領域では自国が当該財を外国に輸出し、

a

i*/

a

i <ω/ω*が成立する領域では自国は当該財を外国から輸入することになる。

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第1 図 2 国多財リカード・モデル an* an aZ* az ω / ω* 第Z 財 O a1* a1 第Z+1 財 付加価値 次に特化の時間的変化のパターンはどのように予想されるだろう。 リカード・モデルを基礎に技術革新に伴う相対生産性の変化を考える場合にお いて、境界財における相対的生産性の変化が重要な意味を持つことは証明され ている。4 需要構造に大きな変化のないなかで、後発国が境界財において相対 的な生産性を向上させると、後発国の労働に対する需要も高まり、後発国の先 発国に対する相対賃金の水準は上昇する。しかし相対的な生産性の上昇が、相 対賃金の上昇を上回る場合、後発国の輸出は拡大し、全体としての所得分配を 有利化させることになる。先発国から見れば所得分配を不利化させる厳しい追 い上げを意味する。5

4 Dornbusch R., Fischer S. and Samuelson P.A. 〔1977〕

5 図2では、第 Z-1 財から第 Z+1 財における自国の相対的生産性が上昇し、同時に自国の

相対賃金が上昇したため、従来輸入特化していた第Z+1 財が輸出特化に転じ、第 Z+2 財は 両国で生産消費されることになる。

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図2 後発国の追い上げ an* an ω / ω* 第Z 財 O a1* a1 第Z+1 財 付加価値 先発国は、自国が最も高い相対的生産性を持つ品目の更に先に新製品を開発 する一方、境界財についての比較優位を失っていくというパターンは、先発国 が所得分配における不利化を回避しながら、全体として経済が発展していく1 つのパターンであり、いわゆる雁行的発展パターンはこのような姿を念頭にお いたものあるということができる。 しかしモジュール化の進展を前提とした場合、考慮しておくことがいくつかあ る。 第一に製品アーキテクチャのモジュール化が貿易財の広い範囲において進展 していく状況では、従来一貫生産されていた品目の生産工程が中間財である高 度にインテグラルな品目の生産工程とその中間財を原料とした高度にモジュー ル化した品目の生産工程に分離し、中間財市場が形成されてこれらが別の貿易 財となるという変化が広い範囲において発生することになる。このような変化 が継続的に発生する場合、モジュール化の程度が中位の品目の需要規模は縮小 する一方で、モジュール化の程度の高い品目とインテグラルな構造の品目の市 場規模は拡大するという現象が生じる。境界財がモジュール化の程度が中位の

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品目に属するとするとその需要規模は縮小していくので、境界財における相対 的生産性の変化の所得分配に与える影響は低減することになる。6 図3 モジュール化の進展と需要構造の変化 an* an aZ* az ω / ω* 第Z 財 O a1* a1 第Z+1 財 付加価値 第二に製品アーキテクチャのモジュール化が進行している状況において、新製 品の出現は、高度にインテグラルな製品と高度にモジュール化された製品の両 方の出現を伴う場合が多いと考えられることである。 従来、新製品は先発国において生み出され、先発国における生産特化が一定期 6 図3はモジュール化のレベルが中位である品目の第 Z 財や第 Z+1 財の需要が縮小し、 モジュール化レベルの著しく低い品目や逆に著しく高い品目の需要が拡大した姿を図示し ている。こうした変化の具体的なイメージは次のようなものである。従来第Z 財や第 Z+1 財について中間財市場は存在せず、生産も一貫生産が主流であったとする。ところがこれ らの財の中間財が出現し、中間財市場が形成されると生産体制としては、中間財生産、従 来の一貫生産、中間財を用いた生産の3 つのパターンに分かれることになる。そして前述 したように製品アーキテクチャのモジュール化の進展によって、従来の一貫生産は縮小し ていくことになる。図の横軸は付加価値の大きさを示すので、このときに中央部分が縮ん で左右の両端の付加価値の大きさ(市場規模)が拡大することになる。 こうした変化は同一の財についての製品アーキテクチャのモジュール化を動態的に捉 えたものであり、同一の財についてのジュール化レベルを時系列的に測定し、その変化を 計測することによって始めて把握することができる。本稿では、モジュール化レベルを2004 年10 月時点を基準として、品目ごとに固定し、その変化を考慮していない。大きな制約で はあるが、入手しうるデータの制約からやむをえない。

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間継続した後、技術の移転等によって後発国で生産が可能になり、やがて後発 国が比較優位をえるようになるというプロダクト・サイクルがイメージされて いた。そして最近では先発国における生産特化が維持される期間が著しく縮小 されてきていると言われている。後発国の急速なキャッチ・アップは製品アー キテクチャのモジュール化を利用したものであり、要素部品を全て外部供給に 依存し、アセンブリに特化したケースが多い。例えば中国企業のキャッチ・ア ップが極めて急激であったDVD プレーヤーにおいても光ピックアップ等の部 品は、大半が日本において生産されている。7 新製品の多くは高度にモジュー ル化した製品アーキテクチャを持っており、その生産工程は、分離することの 可能な高度にインテグラルな構造の部品・半製品の生産とそれらを組み込む高 度にモジュール化した組込み工程から成立っている。したがってこうした新製 品の開発は、高度にインテグラルな構造の部品産業と高度にモジュール化され た構造の組み立て産業がほぼ並行的に発達することを意味し、前者は先発国に、 後者は後発国に立地される可能性が高い。したがって新製品の開発は先発国と 後発国の双方に新しい産業の機会を与えるものであり、先発国にのみに産業の 機会を与えるものではない。 これらの点を考慮すると製品アーキテクチャのモジュール化を動態的にとら えることによって、先発国と後発国の関係における境界財の生産特化構造の変 化が所得分配に与える影響は、ある程度縮小する可能性がある。本稿では、各 財のモジュール化度を一時点に固定しており、こうした動態的な影響を考慮し ていない。入手可能なデータの制約によるものであるが、今後の検討課題であ る。 3. 分析の手法と根拠データ 自国の比較生産性(

a

i*/

a

i)が、相対賃金(ω/ω*)を上回る財では、輸 出特化が、その逆では輸入特化が起きるのがリカード・モデルの帰結であり、 本稿では、モジュール化レベルとの関係において東アジア市場における貿易上 の比較優位がどのようになっているかを計測した。8 7新宅純二郎〔2006〕参照 8リカード・モデルを忠実にフォローする観点からは、比較生産性、相対賃金、貿易上の比 較優位のそれぞれを計測することが望ましい。通常、比較生産性の測定は産業連関表に基 づく投入産出構造によって算出する。しかし、そのような方法によって、識別しうる産業 の数は限られており、貿易統計上のHS6 桁レベルの細かさで算出することは不可能である。 したがって本稿では、比較生産性を算出することは行わず、モジュール化レベルの測定を 行った品目と貿易統計上の品目を突合し、直接モジュール化レベルと貿易上の比較優位水 準の関係を測定した。

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モジュール化レベルについては大鹿・藤本(2006)の調査結果をもとに推計 を行った。大鹿・藤本(2006)では、33 社に対するアンケート調査によって、 254 品目についてのモジュラー・アーキテクチャー度を計測している。集計結果 の品目分類は、鉱工業生産指数の産業分類に依拠したものであるため、HS 分類 に転換し、HS6 桁分類で 295 品目について大鹿・藤本(2006)で算出されたモ ジュラー・アーキテクチャー度を当てはめた。貿易データは国連統計局が作成 した二国間貿易データ9を基に、モジュール化度を当てはめた品目を抽出した。 東アジア市場における貿易上の比較優位を算出するとともに、モジュール化レ ベルと当該比較優位についての順位相関の計測を行った。10 11 12

9 国連統計局が作成した UN comtrade(UN Commodity Trade Statistics Database)を使用

した。

10 市場別比較優位指数(Market Comparative Advantage MCA)は下記の定義で用いた。

MCAabi=(Xabi/XTbi)/(XabT/XTbT)

MCAabi:a国のb市場におけるi製品についての市場別比較優位指数 Xabi:a国のb市場に対するi製品の輸出金額 XTbi:世界のb市場に対するi製品の輸出金額 XabT:a国のb市場に対する輸出金額 XTbT:世界のb市場に対する輸出金額 したがって指数の値が1 を超える場合は、当該市場における当該品目の比較優位が高い ことを意味する。 11 東アジア市場は中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シ ンガポール、タイの輸入とした。FOB ベースで統一して算出するため、他の諸国のこれ らの国々に対する輸出金額を集計した。なお台湾はUNcomtrade に集計されていないこ とから統一的なFOB ベースで集計することが困難でありるというデータ上の制約から含 まれていない。 12市場別比較優位指数とモジュール化レベルの順位相関はスピアマンの順位相関係数によ った。 Rs=1-(6Σndi2)/(n3-n) i=1 Rs:順位相関係数 n :標本数 di :対応する標本の順位(同順位がある場合は平均値)の差 (Σ n di=0) i=1 通常の相関係数ではなく順位相関係数を用いたのは、品目相互の比較優位における序列と モジュール化レベルにおける序列の相関関係が計測されれば足り、個々の品目の比較優位 の水準とモジュール化の水準そのものの相関を計測する必要はないと考えるからである。 前述のように個々の品目のモジュール化レベルは、変化していると考えられ、通常はイン テグラルな構造から次第にモジュラーな構造に変化していると考えられる。このときモジ ュール化レベルの順位関係が変化しないとすれば、順位相関に影響を与えない。したがっ て順位相関を用いることによって、品目そのもののモジュール化レベルの変化の影響は多 少緩和される可能性がある。

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4. 分析結果 第4-1 図は、日本、韓国、中国の東アジア市場における品目毎の比較優位と モジュール化レベルの順位相関を計測し、その時系列変化を図示したものであ る。日本は一貫して負の相関関係にあり、インテグラルな構造の品目ほど、比 較優位が高い傾向があることを示している。これに対し韓国、中国は正の相関 関係にあり、逆にモジュラーな構造ほど比較優位が高い傾向にある。また、第 4-2 図は日本、韓国、中国の東アジア市場における比較優位指数の相対比とモジ ュール化レベルの順位相関の時系列変化を図示したものであり、日本-中国、日 本-韓国、韓国-中国の関係において、前者が東アジア市場において相対的にイン テグラルな構造の品目であるほど比較優位が高いことを示している。 図 4-1 日本、韓国、中国の東アジア市場における比較優位指数とモジュール化 レベルの順位相関の推移 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 年 順位相関係数 Japan China Rep. of Korea

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図4-2 東アジア市場における日本、中国、韓国相互の比較優位とモジュール化レベルの 順位相関の推移 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 1995 年 199 6年 1997 年 199 8年 199 9年 200 0年 2001 年 200 2年 200 3年 200 4年 200 5年 年 順位 相関 係 数 China/Korea China/Japan Korea/Japan 次に図5-1 から図 7-2 は、1995 年から 2004 年の十年間を 5 年ずつ前後に二 分し、モジュール化の程度に応じて3 つのカテゴリーに品目を分割し、日本、 韓国、中国の東アジア市場における比較優位を示したものであるが、中モジュ ール化レベル品目において中国の比較優位が著しく上昇しているのが目立って いる。13 13 モジュール化レベルが 1 から 2.05 未満までの 98 品目を低モジュール化レベル品目、モ ジュール化レベルが2.05 から 2.5 未満までの 98 品目を中モジュール化品目、モジュール化 レベルが2.5 以上の 99 品目を高モジュール化品目とした。

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図5-1 東アジア市場における低モジュール化レベル品目の比較 優位構造(1995-1999) 0.000 0.000 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 100.000 0 0.5 1 1.5 2 2.5 モジュール化レベル 比較優位指数( 対数目盛) Japan 95-99 China 95-99 Rep. of Korea 95-99 図5-2 東アジア市場における低モジュール化レベル品目の比較優位構造(2000-2004) 0.000 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 0 0.5 1 1.5 2 2.5 モジュール化レベル 比較 優位 指数 (対 数 目 盛 ) Japan 00-04 China 00-04 Rep. of Korea 00-04

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図6-1 東アジア市場における中モジュール化レベル品目の比較 優位構造(1995-1999) 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 100.000 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 モジュール化レベル 比較優位指数( 対数目盛) Japan 95-99 China 95-99 Rep. of Korea 95-99 図6-2 東アジア市場における中モジュール化レベル品目の比較優位構造(2000-2004) 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 モジュール化レベル 比較優位 指数( 対数目盛) Japan 00-04 China 00-04 Rep. of Korea 00-04

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図7-1 東アジア市場における高モジュール化レベル品目の比較 優位構造(1995-1999) 0.000 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 0 1 2 3 4 5 モジュール化レベル 比較優位( 対数目盛) Japan 95-99China 95-99 Rep. of Korea 95-99 図7-2 東アジア市場における高モジュール化レベル品目の比較 優位構造(2000-2004) 0.000 0.001 0.010 0.100 1.000 10.000 0 1 2 3 4 5 モジュール化レベル 比較優位( 対数目盛) Japan 00-04China 00-04 Rep. of Korea 00-04 比較優位構造の変化に着目し、日本、韓国、中国それぞれの東アジア市場にお ける比較優位指数が1を越える品目数の1995 年-1999 年から 2000 年-2004 年

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にかけての変化率を3 つのモジュール化レベルに分けて算出したのが表 1 であ る。141 を見ると日本はモジュール化レベルが高いほど比較優位指数が1を 越える品目の数は減少しているが全体として大きな変化は見られない。他方韓 国は中モジュール化レベルの品目において比較優位指数が1を越える品目数が 大きく減少し、高モジュール化レベルの品目において比較優位指数が1を越え る品目数を増加させている。そして中国は、分散図からも明らかであったよう に中モジュール化レベルの品目において比較優位指数が1を越える品目数が著 しく拡大し、韓国と対照を成している。15日本、韓国、中国の比較優位指数は前 述したようにモジュール化レベルと一定の相関関係にあるものの品目ごとのば らつきは大きく、比較優位の近接した品目が集中する境界財と言えるような領 域を狭い範囲で特定することは困難である。しかし、一定の幅をもって見た場 合、中国の中モジュール化レベルの品目における比較優位の上昇の影響を日本 以上に韓国が受けていることは明らかである。 表1 東アジア市場において比較優位指数が1を越える品目数の1995 年 -1999 年から 2000 年-2004 年にかけての変化率 単位:% 日本 韓国 中国 低モジュール化レベルの品目 0.00 ▲ 3.70 5.56 中モジュール化レベルの品目 ▲ 2.08 ▲ 13.51 65.22 高モジュール化レベルの品目 ▲ 3.39 8.33 20.00 5. 含意と総括 本稿では、日本、韓国、中国の3 カ国の東アジア市場における関係において、 14 全ての品目について比較優位が改善することはありえない。表 1 で中国における比較優 位が1 を越える品目数が、全てのモジュール化レベルにおいて増加しているのは、①品目 ごとの貿易金額が異なること、②比較優位を算出した基礎となる貿易金額が、全品目を包 摂したものであり、モジュール化レベルの推定を行うことができず、標本として抽出され なった品目の比較優位の変化は反映されていないことによる。 15 前述したように各品目のモジュール化レベルは、アンケート調査が行われた 2004 年 10 月時点を基準時としている。したがって同一製品のアーキテクチャが次第にモジュール化 している(平行してインテグラルな構造の中間部品が出現することになるが)とすると、 1995-1999 の期間においては、モジュール化レベルが過大に評価されている可能性がある。 すなわち中国が擦り合わせ技術において相対的に向上し、中モジュール化レベルの品目に おいて比較優位を向上させたのみならず、本来よりインテグラルな構造であったものがモ ジュール化したため中国の比較優位が相対的に上昇した可能性を否定できない。

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擦り合わせ技術に着目し、モジュール化レベルと比較優位構造についての順位 相関を計測し、相互の棲み分けがモジュール化レベルと一定の相関を持ってい ることを実証した。こうした結果は、1980 年代以降の日本の対中直接投資を通 じた工程間分業の経験的事実とも符合している。今後は、日本や韓国から中国 への直接投資を通じた工程間分業のみならず、中国企業によるM&A を通じた 日本国内でのインテグラルな構造の加工工程の拠点形成が行われることも十分 に考えられる。 またモジュール化レベルを3 つに分けてそれぞれのカテゴリーにおける日本、 韓国、中国の比較優位構造の変化を見ると中国が中モジュール化レベルにおけ る比較優位を上昇させているのがわかった。このことは中国が高モジュール化 レベルのみならず、中モジュール化レベルの品目においても比較優位を高め、 所得分配を有利化しているようにも見える。改革開放以前、国内に膨大な潜在 失業を抱えていた中国において、経済発展を通じて雇用機会が創造されること 自体、中国の経済規模の急速な拡大をもたらすものであるが、更に技術水準や 熟練度の向上を通じて、今後も東アジア地域における中国の経済的ウェイトは 一層拡大していくことが予想される。過去10 年間のデータによれば、前述のよ うに日本以上に韓国が大きな影響を受けていることが明らかになった。このこ とから中国経済の拡大が韓国にとって脅威であると言うことはできない。東ア ジア地域における中国の経済規模が相対的に高まるとしても、同時に韓国の経 済規模の拡大に寄与している可能性は否定できないからである。しかしこのよ うな傾向が強まれば、韓国経済は成長機会とともに強い産業調整圧力を受ける 可能性はある。

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参照

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