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教科・領域教育専攻 芸術系(音楽)コース

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Academic year: 2021

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(1)

中学校における音楽教育においてオペラを教えることの 意義とその考察

バリトンの視点にたって

教科・領域教育専攻 芸術系(音楽)コース

美 濃 孝 行

演奏曲目

1 モーツアルト作曲 WA.Mozart  歌劇《ドン・ジョヴァンニ)) K527より

Manrina" カタログの歌

『奥様、これが恋人のカタログ』

2 モーツアルト作曲 WA.Mozart  歌劇《フィガロの結婚)) K492 

Hgiavinta la causa!" 

『訴訟に勝ったと?Jl 3 ロッシーニ作曲 G.Rossini 

歌劇《ウィリアム・テル》より

Resimmobile"

W

勤し1てはし1けなし、』

4  ドニゼ、ッティ作曲 G.Donizetti  歌劇~ ((ファヴォリータ》より

'V:ien, Leonora a piedi tuoi" 

『レオノーラよ、わたしの愛をうけてくれ』

5  ヴェルデ、ィ作曲 G rdi 歌劇~ (<エノレナーニ》

Infe1ia! e tuo crede百円 『わしは、不幸な男だ』

6 ジョルダーノ作曲 U.Giordano  歌劇《アンドレア・シェニエ》より Nemi

della patria"  ~.祖国の敵』

はじめに

中学校音楽において、初めて歌劇(オペラ) が共通耕オとして登場したのは、平成

5

年度 から実施された中学校学習指導要領の改訂に よるもので、あったO それまでの音楽の授業で

指 導 教 官 頃 安 利 秀

は、参考曲程度にしか扱われていなかった歌 劇(オペラ)を第

2

学年の共通耕オとして取

り上げるよう改定が行われた。

しかし、授業の中で、この題材を扱える時間 数は限られており、ややもすると視覚的な興 味・関心だけをねらいとする授業になりかね ないのも事実である。これでは、本当の意味 での歌劇(オペラ)のすばらしさ、おもしろさ を子供たちに伝えることができないのではな いかと考える。

なぜならば、歌劇(オペラ)を鑑賞する上で、

何よりも興味深いのは、作曲家が登場人物の 性格やさまざまな場面転換において変化する 心の動きを、旋律キキロ音を使って表現したも のを、現代の歌い手が自寺代を超えて、普遍的 な人間感情を表現しているからである。つま り、時代が変わり、人それぞれ違った生活体 験を持っていても、必ず人間感情の中で、普 遍的に共感できることがあるということであ り、その共感が音楽を通して実感できるのが 歌劇(オペラ)である。そして、何よりもその ことを子供たちが王朝卒してくれれば、その後 の自己表現に大きな影響が及ぶと考える。

また、平成

1 4

年度より施行された新指導 要領におして、共通耕オという概念は取り払 われ、歌劇(オペラ)・バレエ音楽・ミュージ

‑406‑

(2)

カルなどのジャンルから、どのような曲を選 ぶかは教師の選択に任されるようになったO

この指導要領改定によって、音楽の授業時間 数は激減したものの、その少ない時間数の中 で、教師サイドのねらし1を明確にし、歌劇(オ ペラ)を鑑賞することの意義をもう一度問い 直すよい機会になっていると考える。

そのため、教師自身が子供たちを目の前に して、アリアを歌って聴かせることができれ ば、子供たちの興味・関心はしりそう高まる であろう。また、バリトンとしづ声域の同ー の歌手が、さまざまな歌劇(オペラ)において、

たくさんの役を演じていることを知らせ、そ の一人一人の性格や物語の中で変化する感情 をいかに表現しているかを比較することで、

「総合芸術」としての歌劇(オペラ)だけでな く、より深く歌劇(オペラ)を鑑賞できるの ではなし、かと考える。

研究の方法

1

章ではイタリア・オペラの変遷につい て述べ、その中で歌劇(オペラ)が飛躍的に 進歩を遂げた古典派からロマン派にかけての 作曲家を中心に取り上げる。

2

章では、それぞれの歌劇(オペラ)の作 曲家と歌劇(オペラ)が作られた時代背景に ふれ、その作品の内容について述べるO

第3章では、それぞれのオペラアリアを分析 することで、登場人物の性格明白位、物語の 中での心情の変化と楽曲のかかわりについて 考察するO

終わりに

中学生の多くは、歌劇(オペラ)に対する 知識がほとんどなく、コンサート会場などに 出向いて聴いた経験は皆無に等しい。 T Vな

どのマスメディアで、も最後まで興味を持って

聴いた経験はなく、中学校での音楽の授業が、

歌劇(オペラ)との初めての出会いになる者 がほとんどである。

歌劇(オペラ)を鑑賞し、その物語の中で のひとつの愛の表現にふれることは、彼らの 人生観を少しでも揺さぶることができるので はなし1かと考える。また、登場人物の心の動 きをつぶさに捉えることにより、人間感情の ありょうを示すきっかけになると確信してい る。そして、音楽によって表現された心の動 きを聴くことで、彼らが共感できる部分が多 ければ、感性が磨かれ精神的に落ち着きを見 せると思われる。また、そうすることで歌劇 (オペラ)に対する興味・関心を持ち、何よ りも音楽を愛好する心を育てることができる。

そのためには、授業の中での教師のしかけ が必要になってくる。その最も的確な手段と

しては、糠雨自身がオペラアリアを歌って聴 かせることである。なぜなら、教える側が共 感したものを耕市自身の声で表現できれば、

子供たちに教える内容がより説得力を増すか らである。そして、教師が歌の中にある心の 表現を、歌うことで声による気持ちの表現と して伝えることができたならば子供たちに共 通認識が生まれ、音楽によって子供たちの心 を揺さぶることができると考える。また、実 践の場面で、いくつかの歌劇(オペラ)を取 り上げ、その中のバリトンの役に注目させ、

それらを子供たちに比較させることは、子供 たちにとって歌劇(オペラ)に対する興味・

関心を持たせるきっかけになると考える。

そして、子供たちの歌劇(オペラ)に対す る探求心を満足させるためにも、教師自身が 現状に満足することなしこれまで以上に研 績を積まなければならなしL

‑407‑

参照

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