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Academic year: 2021

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さとうゆみか絵本作品の研究

一色覚の発達と絵本の効果を中心に‑

学校教育研究科 教科・領域教育専攻 言語系(国語)コース

森 並 千 尋

1.研究の目的

絵本の読み聞かせは、耳からの東嶋

k

だけで なく、目からの束l臓によっても、その世界を楽

しむことができる。

本研究では、その、目からの束l撒という観点 に着目し、絵本が、見る側に対して、どのよう な工夫をして作られ、どのような影響を与える のかという、絵本の視餅句効果を中心に考察を 進めていく。特に、絵本『イガイガ』は、その メッセージ性、そして、鮮やかな色彩と、印象 的な絵に特徴がある。ここでは、色覚の発達と 絵本の効果の関係性を明らかなものとし、幼少 時から、たくさんの絵本に閉まれて育ってきた という、さとうゆみか氏の絵本作品と、その創 作世界、そして、絵本『イガイガ』についての 考察を進めていくことで、教室における、

r

イガ

イガ』の読み聞かせの効果と意義を明らかにす ることを目的としている。

2.研究の方法

第一章では、「色覚の発達と絵本の効果」と 題し、絵本が、見る側ベどのような効果をもた

らすのかを明らかにする。そのために、まず、

色彩の知覚についての衝単な説明から入る。そ して、色覚の発意品程と、事

l

幼児の色彩感覚に ついて言及し、色覚の発達と、絵本の仕掛けの 関係性について考察する。

指 導 教 官 余 郷 裕 次

第二章では、fさとうゆみかの倉l昨世界Jと題し、

さとうゆみか氏の幼少時代と、彼女の創イ情動 から、その創作世界を明らかにする。さとうゆ みか氏が、どのような幼少時代を送り、それが どのように創作世界へと影響し、形作られてい るかを考察すると共に、絵本『イガイガ』を含 む、さとうゆみカ絵本三部作についての分析を することにより、彼女の創作世界を、より一層 明らかなものとする。

第三章では、 f絵本『イガイガ』の分析jと題 し、絵本『イガイガ

J

に込められたメッセージ を明らかにすると共に、作者が伝えようとする メッセージがどのように具体化されているのか を明らかにしていく。そのために、まず、絵本

『イガイガ』の創作

3

厳由こついて言及し、見開 きごとの、絵と文の分析を行う。そして、この 絵本の特質について考察してして。

第四章では、 rw.イガイガ』を読み聞かせる効 果と意義Jと題し、これまでの考察をふまえ、

教室で『イガイガ』を読み聞かせる効果と意義 を明らかにしていく。その際、教育実習での読 み聞かせ実践と、祖母への読み聞かせの実践結 果を参考に、考察を進める。

3.結果と考察

第一章では、絵本(主に色彩)が、見る側へ

‑264‑

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どのような効果をもたらすのかを明らかにした。

まず、色彩の知覚についての簡単な説明から入 った。色彩の知覚について調べていくと、人に は、赤錐体、青錐体、緑錐体の三つの色(光) を知覚することのできる錐状体があり、それら の相互作用により、私たちは、多くある複雑な 色を知覚することができるのである白

それは、絵本の効果をそのまま受け止めるこ とができるという証明ともなった。また、乳幼 児期や、幼児期に、できるだけ多くの色に触れ ておくことで、 臨界期"を迎える前に色の恒常 性や、色を見分ける能力をつけることができる ということも分かり、コミュニケーションをと ることで、視力の思想的発達を促すためにも、

絵本の読み聞かせが有効であることを提唱する ことができた。

第二章では、さとうゆみか氏の幼少時代と、

彼女の創作活動から、その創作世界を明らかに した。さとうゆみか氏は、その幼少剛牧、多 くの絵本に固まれて育ってきたのはもちろんの こと、絵本に限らず、彼女独自の空想世界の中 で過ごしていたということが分かった。そして、

その空想世界を表現するという、さとうゆみか 氏の幼少期の遊びが、現在においても、今度は 仕事として、息づいていることが分かったので ある。

また、さとうゆみか氏がこれまで出版してき た、絵本『チョピットさんとモリダクサン

J

、『イ ガイガ』、『ぼくらのおうち』には、二つの共通 点があることに気付いた。一つは、 片目横顔の フロンタリティー"である。もう一つは、絵本 の登場人物たちの誰もが対等な位置関係や力関 係にあり、協力し合っていることである。これ ら、共通点のある三作品を、さとうゆみか三部

作として扱うこととし、この絵本『イガイガ

J

以外の三部作について、分析を進めた。

すると、絵本『ぐりとぐら』と、さとうゆみ か氏との深い関係性が見えてきたのである。

第三章では、『イガイガ』の分析を行った。『イ ガイガ

J

の成立過程を調べると、今でもたくさ んの銃弾後や、爆撃後の残るボスニア・ヘルツ ェゴピナのサラエボという町で、そこを訪れた さとうゆみか氏が強く抱いた、様々な平和への 思いそ瀬いが、『イガイガ』の中に込められてい るということが分かった。また、ここでは、『ぐ りとぐら』との共通点

i

こついて触れることで、

絵本『イガイガ』の特徴が、さらに浮き彫りに なった。

第四章では、第一章 第三章までの考察をふ まえ、家庭における祖母への絵本『イガイガ』

の読み聞かせ実践の記録、教育実習中の教室で の絵本『イガイガ』の読み聞かせ実践のま録を 基にして、教室で『イガイガ』を読み聞かせる 効果と意義についての考察を行った。すると、

絵本の読み聞かせ時に、絵本への引き込みが何 度もあっただけでなく、『イガイガ』を読み終わ った後には教室全体に同じ空気が流れたo 一瞬 ではあるが、教室に一体感を感じたのである。

教室における絵本『イガイガ』の読み聞かせ は、 平和"というメッセージをいつの間にカ感 じとることが出来るようになるというだけでな く、その教室に、一体感を生じさせることがで きるのである。

4. 参考文献.

『色彩の科学~ ( 金 子 隆 芳 著 岩 波 新 書 1988年10月20日)等

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参照

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