平成23(2011)年度 日本語研修コース報告
著者
和田 礼子
雑誌名
留学生センター年報=Annual Report
巻
2011 2012
鹿児島大学留学生センター年報 2011-2012
平 成
23( 2011) 年 度 日 本 語 研 修 コ ー ス 報 告
和 田 礼 子
1 . 第
13 期 ( 2011 年 4 月 ~8 月 ) コ ー ス 概 要
開 講 期 間 : 平 成 23 年 4 月 11 日 ~ 平 成 23 年 8 月 4 日 開 講 時 間 数 : 週 に 90 分 ×9 コ マ 。 月 火 水 木 金 10:30~ 12:00 日 本 語 会 話 1 日 本 語 会 話 1 日 本 語 会 話 1 日 本 語 会 話 1 日 本 語 会 話 1 12: 50 ~14: 20 異 文 化 理 解 1 漢 字 1 ス ピ ー チ 特 別 研 修 使 用 教 科 書 :『 み ん な の 日 本 語 初 級 Ⅰ 』( ス リ ー エ ー ネ ッ ト ワ ー ク ) 『 み ん な の 日 本 語 漢 字 Ⅰ 』( ス リ ー エ ー ネ ッ ト ワ ー ク ) コ ー ス 日 程 : 4 月 6 日 ~ 4 月 7 日 プ リ セ ッ シ ョ ン ひ ら が な 、 あ い さ つ 指 導 ( セ ン タ ー 教 官 指 導 の も と 、 チ ュ ー タ ー に よ る 個 別 指 導 ) 4 月 9 日 全 学 留 学 生 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 4 月 11 日 日 本 語 授 業 開 始 8 月 4 日 日 本 語 能 力 試 験 N5 級 相 当 の 試 験 実 施 8 月 1 日 ポ ス タ ー セ ッ シ ョ ン2 受 講 生 ・ 授 業 に つ い て
ク ラ ス は 大 使 館 推 薦 国 費 の 留 学 生 2 名 ( コ ロ ン ビ ア 、 パ キ ス タ ン ) と 、 連 合 農 学 研 究 科 の 博 士 課 程 1 年 生 2 名 ( ベ ト ナ ム ) で ス タ ー ト し た 。 予 備 教 育 生 の 2 名 は 漢 字 、 コ ン ピ ュ ー タ ー 実 習 、 特 別 研 修 な ど 、 午 後 に 開 講 さ れ て い る 授 業 も 履 修 し た が 、D1 の 学 生 2 名 は 午 後 は 研 究 室 で 実 験 や ゼ ミ に 参 加 し て い る た め 、 午 後 の 授 業 は 履 修 で き な か っ た 。 ま た 、 集 中 の セ ミ ナ ー な ど の た め 欠 席 す る こ と も 多 か っ た 。D1 の 学 生 は 家 庭 学 習 の 時 間 も 十 分 に 確 保 で き な い よ う で 、 ク ラ ス の 中 で 、 予 備 教 育 生 と 、D1 の 学 生 と の 間 で 、 大 き く 習 得 に 差 が つ い て し ま っ た 。 ま た 、D1 の 学 生 は 文 字 、 発 音 学 習 の 段 階 か ら 、 日 本 語 の 音 声 の 聞 き 取 り 、 お よ び 発 音 が 非 常 に 困 難 で あ っ た 。母 語 に よ る 影 響 か ら 、ロ ー マ 字 表 記 を し て も 、 正 確 な 日 本 語 の 音 を 発 音 す る こ と が で き ず 、4 月 、5 月 に 行 な っ て い た 単 語 や 、 文 型 例 文 の デ ィ ク テ ー シ ョ ン テ ス ト は 困 難 を き わ め た 。鹿児島大学留学生センター年報 2011-2012 最 終 試 験 の 結 果 、D1 の 学 生 の う ち 一 人 は 合 格 点 に 達 す る こ と が で き な か っ た 。 合 格 し た 学 生 も 、D 判 定 の 成 績 だ っ た 。予 備 教 育 生 の 2 人 は い ず れ も A 判 定 だ っ た 。 漢 字 を 学 習 し た 予 備 教 育 生 に 対 し て 日 本 語 能 力 試 験 N5 レ ベ ル 相 当 の テ ス ト を 行 っ た 結 果 、 二 人 と も 得 点 率 70 以 上 で 合 格 相 当 の 成 績 だ っ た 。 博 士 課 程 1 年 の 学 生 は 十 分 な 学 習 時 間 が 確 保 で き な い た め 、 自 宅 学 習 が 前 提 の 進 め 方 で は 十 分 な 効 果 が 得 ら れ な い 。 今 回 は 補 講 を 行 い 、 主 に 音 に 注 目 し た 自 宅 学 習 の 方 法 を 教 え た り 、 ト レ ー ニ ン グ し た り し た が 、 十 分 な 効 果 は 得 ら れ な か っ た 。 特 に 音 声 に 関 す る 教 育 に つ い て 、 発 音 で き る 学 生 と 、 単 音 レ ベ ル で 問 題 の あ る 学 生 と が 同 じ 教 室 で 学 習 す る に 当 た っ て は 、 教 室 内 の 活 動 を 分 け て 行 う と い っ た 手 だ て を 講 じ た が 、 決 定 的 な 改 善 に は つ な が ら な か っ た 。 3 . 学 生 に よ る 授 業 評 価 結 果 に つ い て の 分 析 と 考 察 あ な た は た く さ ん 勉 強 し ま し た か (と て も )が ん ば っ た :3 ふ つ う :1 平 均 :4.0 授 業 で お ぼ え た こ と を 毎 日 の 生 活 で 使 え る よ う に な り ま し た か は い(ま あ ま あ ):3 ふ つ う :1 平 均 :3.4 授 業 の ス ピ ー ド 平 均:4.3 ほ ん と う に よ か っ た 1 ま あ よ か っ た :3 他 、 評 点 の 平 均 学 習 量:3.7、 学 生 数 :3.5 授 業 時 間 :4.5 全 体 :4.5、 教 え 方 全 体 4.7 宿 題 、 レ ポ ー ト の 直 し 方:4.4、 授 業 全 体 :4.4 ク ラ ス の 学 生 数 に つ い て 、「 よ く な か っ た 」1 名 「 ふ つ う 」 1 名 で 、 両 者 と も 学 生 数 が 少 な か っ た と コ メ ン ト し て い る 。 ク ラ ス の 構 成 員 は 4 名 だ っ た が 、 レ ベ ル 差 の た め 、2 人 ず つ に 分 け て 活 動 す る こ と が 多 か っ た こ と が 原 因 だ と 思 わ れ る 。 常 に 同 じ 相 手 と 練 習 し な け れ ば な ら ず 、 上 位 の 2 人 に は バ リ エ ー シ ョ ン が 少 な く 感 じ ら れ た の か も し れ な い 。 授 業 全 体 に 対 す る 評 価 は 「 ほ ん と う に よ か っ た 」2 名 、「 ま あ 、 よ か っ た 」 2 名 だ っ た 。 ( 留 学 生 セ ン タ ー 准 教 授 )