• 検索結果がありません。

2013年台風18号の豪雨に伴う清水寺境内の被害と重要文化財後背斜面の地盤内水分変動に関する考察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2013年台風18号の豪雨に伴う清水寺境内の被害と重要文化財後背斜面の地盤内水分変動に関する考察"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

preparedness measure influenced on re-opening time, is to get information about past floods in BMA. This

preparedness measure also influenced on other preparedness measure especially, moving inventories or

equipment to second floor, which could reduce re-opening time of businesses.

Therefore, increase in knowledge of business owners about information of past floods in BMA is an

important preparedness measure, which might influence on re-opening time rapidly if a flood occurs.

Furthermore, this policy can also be applied to the context of disaster mitigation for small businesses in

BMA including small businesses located in historical areas.

Acknowledgment: We wish to thank the business owners in Sai Mai district of Bangkok Metropolitan

Administration (BMA), who provided important information. We also wish to deeply thank to Ms. Kritsana

Srichoo, Ms. Sukunya Patommasoot, Ms. Netchanok Sariwat, and Ms. Apiwan Dangsa-Aed for their help to

distribute questionnaires. Furthermore, we wish to thank the Ministry of Education, Culture, Sports, Science

and Technology in Japan (Monbukagakusho or MEXT) that provided funding to study in Master’s program

in Japan.

References

1) Alesch, D.J., Holly, J.N., Mittler, E. and Nagy, R. : What happens when small businesses and not-for-profits encounter natural disasters. Public Entity Risk Institute (PERI), 2001.

2) Tierney, K.J. : Businesses and disasters: vulnerability, impacts, and recovery. In: Rodriguez, H., Quarantelli, E.L. and Russell, R.R. editors. Handbook of disaster research., pp. 275-296, 2006.

3) Webb, G.R., Tierney K.J. and Dahlhamer, J.M. : Businesses and disasters: empirical patterns and unanswered questions. University of Delaware Disaster Research Center, 1999.

4) Asgary, A., Anjum, M.I. and Nooreddin, A. : Disaster recovery and business continuity after the 2010 flood in Pakistan: Case of small business. International journal of disaster risk reduction., Vol. 2, pp. 46-56, 2012.

5) GFDRR (Global Facility for Disaster Reduction and Recovery: Thai Flood 2011: Rapid Assessment for Resilient Recovery and

Reconstruction Planning, 2012.

6) Thailand’s SMEs hit by floods. Bangkok Post, December 9, 2011. Retrieved from http://www.bangkokpost.com

7) Flood situation in Bangkok : BMA’s flood alert map. The Nation, November 2, 2011. Retrieved from http://www.bahtsold.com 8) The census of business and industry. : Percentage of enterprise size was hit by 2011 flood in Bangkok. Flood map and statistics of

Bangkok (แผนที่น ้ำท่วมและตำรำงสถิติจังหวัดกรุงเทพมหำนคร), 2011.Retrieved from http://www.service.nso.go.th

9) Panya Consultants Co., Ltd. Climate Change Impact and Adaptation Study for Bangkok Metropolitan Region, 2009. Retrieved from http://www.siteresource.worldbank.org

n = 45

歴史都市防災論文集 Vol. 8(2014年7月) 【論文】

2013年台風18号の豪雨に伴う清水寺境内の被害と

重要文化財後背斜面の地盤内水分変動に関する考察

A damage of the slope around the Kiyomizu temple by the heavy rain from the Typhoon in 2013,

and a study of the changing moisture in the ground of the slope behind an important cultural asset

檀上徹

1

・藤本将光

2

・木村亘

3

・平岡伸隆

4

・深川良一

5

Toru Danjo, Masamitsu Fujimoto, Toru Kimura, Nobutaka Hiraoka and Ryoichi Fukagawa

1独立行政法人防災科学技術研究所 特別研究員(〒305-0006 茨城県つくば市天王台3-1)

Fellow, National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, Dept. of Storm, Flood and Landslide Research

2立命館大学助教 理工学部 都市システム工学科(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1)

Assistant Professor, Ritsumeikan University, Dept. of Civil Engineering

3立命館大学大学院 理工学研究科環境都市専攻 博士前期課程(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1)

Master’s program student, Ritsumeikan University, Graduate school of Science and Engineering

4立命館大学大学院 理工学研究科環境都市専攻 博士後期課程(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1)

Doctoral program student, Ritsumeikan University, Graduate school of Science and Engineering

5立命館大学教授 理工学部都市システム工学科(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1-1-1)

Professor, Ritsumeikan University, Dept. of Civil Engineering

In the Kiyomizu temple, the several slope failures occurred due to heavy rain from the Typhoon No.18 on September in 2013. The pore-water pressure and rainfall amount have been measured from 2014. This paper reported the damage of the slopes around the Kiyomizu temple by the heavy rain from the Typhoon in 2013, and the ground moisture conditions of the slope behind an important cultural asset during the Typhoon event were validated using the measurement result of pore-water pressure. Then, we found that the total amount of rainfall in Kiyomizu temple from the Typhoon is the largest during four decades, and the positive pore-water pressure indicated at point M-100 at this event longer than that of past slope failures event. Consequently, it could be said that there was a high risk for slope failures occurs at the slopes behind an important cultural asset under these conditions.

Keywords :slope failure, rainfall, pore-water pressure, field monitoring system

1.はじめに

 京都盆地周辺の山腹・山麓には、数多くの重要文化財が点在しており、これまでに火災、風、地震、降雨 に伴い幾度も被害を受けてきている。そのため、一度災害が発生するとこれらの重要文化財は代替性がなく、 また、現在の財政を考慮すると被災後の修復を行うことは容易でないことが予想される。特に京都の清水寺 は、建造物・美術工芸品等の重要文化財を数多く所有しており、また年間を通して観光客が訪れることから、 災害発生時の重要文化財および人的損失に対する備えは急務である。 これまで清水寺では、1972年7月に斜面崩壊で釈迦堂が全壊する被害が発生し、続いて1999年6月には音羽 の滝付近で斜面崩壊が発生した1)。深川ら2)はこうした状況に対応するため、観測史上最多の10個もの台風が

(2)

日本本土に上陸し各地で被害が発生した2004年以来、清水寺境内の重要文化財(奥之院)後背斜面において 地盤内の水分量計測および雨量計測を行い、危険度評価を目指した現地モニタリングシステムを導入した。 2012年には、広域かつ多深度における地盤内の水分量の把握を目指し、計測機器の増設を行うことでシステ ムの拡張を行った。モニタリングシステムが運用されている中、2013年9月に台風18号が襲来し、清水寺境 内斜面において5ヶ所の斜面崩壊が発生した。そこで本研究では、まず2013年9月に襲来した台風18号に伴う 清水寺境内の斜面崩壊被害状況について述べる。次に、モニタリングシステムが設置された奥之院後背斜面 において、台風18号の降雨時の地盤内水分変動を明らかにするとともに、過去の崩壊時の奥之院後背斜面の 水分変動と比較検討を行う。

2.台風

18号に伴う清水寺境内の斜面崩壊被害と降雨概要

 清水寺境内の被害状況  2013年9月15日1時30分に奥之院後背斜面に設置した雨量計で雨量が観測され、同日9時00分までに最大1時 間雨量9.6mm/hを記録する雨が続き、その後、4時間ほど無降雨状態が続いた。15日13時00分に降雨が再計測 され翌日の16日8時50分まで降り続いた。降雨開始から降り終わりまでの最大1時間雨量は28.2mm/h、連続雨 量は230.2mmに達した(図1)。 0 6 12 18 24 30 0 50 100 150 200 250 6:00 12:00 18:00 0:00 6:00 12:00 1時間雨量 連続雨量 1 時間雨量( mm /h ) 連続雨量( mm ) 0:00 9/16 9/15 8:00 崩壊を確認 1999年 斜面崩壊 1972年 斜面崩壊 奥之院 本堂 音羽の滝 崩壊No.1 崩壊No.2 崩壊No.3 子安塔 墓地 崩壊No.4 モニタリング システム 設置位置 清水メッシュ標高図 S=1:500 図1 台風 18 号(2013 年 9 月 15-16 日)時の清水寺における降雨ハイエトグラフ 図2 崩壊位置(No.1~No.4)およびモニタリング位置図((参考文献 3)に加筆)

(3)

日本本土に上陸し各地で被害が発生した2004年以来、清水寺境内の重要文化財(奥之院)後背斜面において 地盤内の水分量計測および雨量計測を行い、危険度評価を目指した現地モニタリングシステムを導入した。 2012年には、広域かつ多深度における地盤内の水分量の把握を目指し、計測機器の増設を行うことでシステ ムの拡張を行った。モニタリングシステムが運用されている中、2013年9月に台風18号が襲来し、清水寺境 内斜面において5ヶ所の斜面崩壊が発生した。そこで本研究では、まず2013年9月に襲来した台風18号に伴う 清水寺境内の斜面崩壊被害状況について述べる。次に、モニタリングシステムが設置された奥之院後背斜面 において、台風18号の降雨時の地盤内水分変動を明らかにするとともに、過去の崩壊時の奥之院後背斜面の 水分変動と比較検討を行う。

2.台風

18号に伴う清水寺境内の斜面崩壊被害と降雨概要

 清水寺境内の被害状況  2013年9月15日1時30分に奥之院後背斜面に設置した雨量計で雨量が観測され、同日9時00分までに最大1時 間雨量9.6mm/hを記録する雨が続き、その後、4時間ほど無降雨状態が続いた。15日13時00分に降雨が再計測 され翌日の16日8時50分まで降り続いた。降雨開始から降り終わりまでの最大1時間雨量は28.2mm/h、連続雨 量は230.2mmに達した(図1)。 0 6 12 18 24 30 0 50 100 150 200 250 6:00 12:00 18:00 0:00 6:00 12:00 1時間雨量 連続雨量 1 時間雨量( mm /h ) 連続雨量( mm ) 0:00 9/16 9/15 8:00 崩壊を確認 1999年 斜面崩壊 1972年 斜面崩壊 奥之院 本堂 音羽の滝 崩壊No.1 崩壊No.2 崩壊No.3 子安塔 墓地 崩壊No.4 モニタリング システム 設置位置 清水メッシュ標高図 S=1:500 図1 台風 18 号(2013 年 9 月 15-16 日)時の清水寺における降雨ハイエトグラフ 図2 崩壊位置(No.1~No.4)およびモニタリング位置図((参考文献 3)に加筆)  上記の降雨により、清水寺境内では5ヶ所で斜面崩壊が発生した(図2)。崩壊地No.1(図3(a))は、1999 年6月27日に発生した斜面崩壊地と同斜面の南隣に位置する。崩壊規模は、崩壊幅5.5m、崩壊長9.0m、崩壊 深1.2mであった。斜面上部通路脇の法肩斜面から崩壊が発生したことから、斜面中腹から下部にかけて崩壊 土砂が流出し、建物の屋根に一部崩落した。No.2(図3(b))は、境内南東端付近の法面で、高さ3.0m程度の 崖上部から小崩壊が発生した。No.3(図3(c))は、子安の塔の下部斜面に位置し、境内5ヶ所の崩壊地の中で は比較的規模の大きい斜面崩壊である。比高約20.8mの崖の上部から約45度の勾配で崩壊し、崩壊最大幅 15.8m、崩壊端部付近は10.5mであった。No.4(図3(d))は、墓地の下部斜面に位置し、境内5ヶ所の崩壊地 の中では比較的規模の大きな崩壊であった。北東向きの崩壊斜面は、勾配が約51.6度、比高約12.0m、崩壊 幅約8.5mで、斜面法肩には複数の亀裂が見られた。No.5は、延命院付近の斜面であることがヒアリングから 確認できたが、調査時には発見できなかった。 なお、No.1~No.4の崩壊については、16日8時頃に職員が見回りで気付くまで確認されていなかったこと から、正確な崩壊発生時刻については不明である。また、No.5の延命院付近の斜面崩壊については、降雨終 了後数時間が経過した後に発生したことがヒアリングで分かった。  台風号の降雨の特徴  1972年~2013年までの主な降雨イベントを表1に示す。一つの降雨イベントは、降雨が観測された時点を 降雨開始とし、無降雨状態が6時間続く時点で降雨終了と定義した。2004年以降、奥之院後背斜面において 現地モニタリングシステムを導入していることから、降雨イベント5(2010年7月13-15日)のシステムエラ ー時を除いて現地の雨量データを用いている。降雨イベント1-3、5については、気象庁(京都府 京都)の降 雨データを用いた。図3に、表1に示した各降雨イベントの連続雨量と1時間雨量の関係を示す。本論文で対 象とする台風18号による降雨イベント8(2013年9月15-16日)は、過去(1972-2013年)の降雨イベントの 中では連続雨量が最も多い降雨イベントであったことが分かった。 屋根に堆積 「滝の家」 「たきみや」 「音羽の滝」 崩壊発生斜面 1999年 崩壊発生斜面

(a) 崩壊 No.1 の斜面 (b) 崩壊 No.2 の斜面 子安塔 滑落崖 墓地 滑落崖 (d) 崩壊 No.4 の斜面 (c) 崩壊 No.3 の斜面 図3 清水寺境内の崩壊斜面((参考文献 3)に加筆)

(4)

3.現地モニタリングによる地盤内の水分変動

 立命館大学では、2004年から重要文化財の奥之院後背斜面においてテンシオメータおよび雨量計を用いた 地盤内の間隙水圧、雨量の長期計測を実施している。2012年には、より広域的かつ多深度における地盤内水 分量の把握を目指しテンシオメータの増設を行った。本章では、2013年9月に発生した台風18号の降雨時に おける計測斜面の地盤内の水分変動について述べるとともに、過去の崩壊時との比較検討を行う。  計測方法 テンシオメータの設置位置および設置深さを図4、表2に示す。14箇所の計測地点では、事前に簡易貫入試 験を実施しており、その結果に基づいて基盤層との境界面までの数点の深度に分け、計測深度として決定し た。基盤層との境界面までの深さに対して設置深度の浅い地点については、2013年4月18日時点で未設置ま たは、設置上不可能なため断念したためである。テンシオメータのデータはM地点に設置したロガー内に10 分間ごとに収集した。雨量計は上空の見通しの良いD地点に設置し、10分間雨量を計測した。  計測結果と考察  台風18号の降雨期間(2013年9月15~17日)における各地点のテンシオメータの時系列変化を図5に示す。 正の水理水頭の値は、その数値分の地下水面または飽和帯が現れたと解釈した。D地点は計測できない深度 が多かったことから、本論文では取り扱わないものとする。また、 B-80、B-100、M-80、C-40、C-100、P6-200については、センサの故障や水抜け等により異常値を示していたことから、図5から除いた。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160170 180 190200 210 220 230 240 250 1972.7.12-13 1999.6.26-27 1999.6.29-30 2004.10.20 2010.7.13-15 2010.8.12 2011.5.10 2013.9.15-16 1 時間雨量 (m m/ h) 連続雨量(mm) 崩壊 崩壊 崩壊を確認 降雨イベント 降雨期間 連続雨量 (mm) 最大1時間雨量mm) 計測間隔 (min.) 計測場所 斜面崩壊の有無 1 1972.7.12-13 220.5 22.5 60 気象庁 京都 有 2 1999.6.26-27 126.5 28.5 60 気象庁 京都 有 3 1999.6.29-30 205 58.5 60 気象庁 京都 無 4 2004.10.20 117.5 39.5 10 清水寺 無 5 2010.7.13-15 176.5 35 10 気象庁 京都 無 6 2010.8.12 134 95 10 清水寺 無 7 2011.5.10 152.8 15.2 10 清水寺 無 8 2013.9.15-16 230.2 28.2 10 清水寺 有 ※6時間無降雨でリセット 表1 主な降雨イベント概要 図3 各降雨における連続雨量‐1 時間雨量の関係

(5)

3.現地モニタリングによる地盤内の水分変動

 立命館大学では、2004年から重要文化財の奥之院後背斜面においてテンシオメータおよび雨量計を用いた 地盤内の間隙水圧、雨量の長期計測を実施している。2012年には、より広域的かつ多深度における地盤内水 分量の把握を目指しテンシオメータの増設を行った。本章では、2013年9月に発生した台風18号の降雨時に おける計測斜面の地盤内の水分変動について述べるとともに、過去の崩壊時との比較検討を行う。  計測方法 テンシオメータの設置位置および設置深さを図4、表2に示す。14箇所の計測地点では、事前に簡易貫入試 験を実施しており、その結果に基づいて基盤層との境界面までの数点の深度に分け、計測深度として決定し た。基盤層との境界面までの深さに対して設置深度の浅い地点については、2013年4月18日時点で未設置ま たは、設置上不可能なため断念したためである。テンシオメータのデータはM地点に設置したロガー内に10 分間ごとに収集した。雨量計は上空の見通しの良いD地点に設置し、10分間雨量を計測した。  計測結果と考察  台風18号の降雨期間(2013年9月15~17日)における各地点のテンシオメータの時系列変化を図5に示す。 正の水理水頭の値は、その数値分の地下水面または飽和帯が現れたと解釈した。D地点は計測できない深度 が多かったことから、本論文では取り扱わないものとする。また、 B-80、B-100、M-80、C-40、C-100、P6-200については、センサの故障や水抜け等により異常値を示していたことから、図5から除いた。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160170 180 190200 210 220 230 240 250 1972.7.12-13 1999.6.26-27 1999.6.29-30 2004.10.20 2010.7.13-15 2010.8.12 2011.5.10 2013.9.15-16 1 時間雨量 (m m/ h) 連続雨量(mm) 崩壊 崩壊 崩壊を確認 降雨イベント 降雨期間 連続雨量 (mm) 最大1時間雨量mm) 計測間隔 (min.) 計測場所 斜面崩壊の有無 1 1972.7.12-13 220.5 22.5 60 気象庁 京都 有 2 1999.6.26-27 126.5 28.5 60 気象庁 京都 有 3 1999.6.29-30 205 58.5 60 気象庁 京都 無 4 2004.10.20 117.5 39.5 10 清水寺 無 5 2010.7.13-15 176.5 35 10 気象庁 京都 無 6 2010.8.12 134 95 10 清水寺 無 7 2011.5.10 152.8 15.2 10 清水寺 無 8 2013.9.15-16 230.2 28.2 10 清水寺 有 ※6時間無降雨でリセット 表1 主な降雨イベント概要 図3 各降雨における連続雨量‐1 時間雨量の関係 D 台風号の降雨に伴う地盤内の水分変動  9月15日9時00分までの降雨(連続雨量23.4mm)により、基盤層との境界面に設置したテンシオメータ以 外の全てが上昇し0cmH2Oに近づいていることから、地盤内全体に雨水が浸透したことが分かる。また、地 点B、M、P2、Cについては、浅い深度のテンシオメータよりも基盤層との境界面に設置したテンシオメー タが先に上昇していることから、基盤層上を流れる地下水に起因して上昇した可能性が考えられ、水が供給 されやすい場所であることが計測結果から分かる。15日7時50分には、地点B、M、P2、C、P6、P7において、 最も深い位置に設置したテンシオメータが正の値を示したことから、各地点の最も深い設置深度において地 下水面が現れたと考えられる。15日9時10分~13時00分の無降雨期間に地点P2の地下水面は基盤層との境界 面より低い位置まで下がったが、13時00分以降の降雨に伴い21時10分時点で、地点B、P1、M、P2、P3、C (以後、B-M-C測線)、P6、P7、Aにおいて、最も深い計測位置で地下水面が確認された。特に地点B、M、 P2、C、P6においては基盤層から100cm高さまで地下水面が現れ、さらに地点P7では、基盤層までの深さ 220cmに対して100cm深さのテンシオメータが正の値を示したことから、120cm以上の地下水面高さが確認で きた。また15日20時00分~16日4時00分までの8時間の降雨が160.6mm(全体の70%)に達したことから、1時 間雨量のピーク(28.2mm/h)時の16日0時40分では、各計測地点で最も高い値を示し、地下水位が高い状態 となった。さらに10分間雨量のピーク(6.6mm/10min.)時の3時40分まで計測値のピークが続き、16日4時00 分頃を境に降雨強度が減少したことに伴い、テンシオメータの計測値も減少したことから、地下水面が徐々 に下がったことが確認できた。 B-M-C測線では、9月15日13時00分以降の降雨期間において、基盤層との境界面に設置したテンシオメー タの計測値がB→M→P2→P3→Cの順に地下水面がさらに上昇していることが分かる。つまり、降雨量の増 加に伴いB-M-C測線の斜面上部から下部に向けて、連続した水みちまたは地下水帯が発生していると判断で き、降雨時において危険性が高まる測線となり得るだろう。 1999年 斜面崩壊 1972年 斜面崩壊 奥之院 本堂 音羽の滝 崩壊No.1 崩壊No.2 崩壊No.3 子安塔 墓地 崩壊No.4 モニタリング システム 設置位置 清水メッシュ標高図 S=1:500 奥之院 A B P5 P4 D C P3 P2 M P1 P9 P8 P7 P6 図4 各計測機器の設置位置 表2 各計測地点の設置深度 地点 基盤深さ (cm) 計測深度(cm) 地点 基盤深さ (cm) 計測深度(cm) A 100 40,80,100 P3 80 30,80 B 260 40,80,100,200,260 P4 230 30,60,100 C 230 40,80,100,230 P5 320 30,60,100,200 D 400 40,80,100 P6 280 30,60,100,200,280 M 190 20,40,60,80,100,190 P7 220 30,60,100 P1 65 30,65 P8 370 30,60,100,200 P2 200 30,60,100,200 P9 110 30,60,110

(6)

-600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 A-40 A-80 A-100 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 P2-30 P2-60 P2-100 P2-200 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 M-20 M-40 M-60 M-80 M-100 M-190 水理水頭( cmH 2 O ) -700 -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 P1-30 P1-65 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P3-30 P3-80 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 C-80 C-230 水理水頭( cmH 2 O ) 0:00 12:00 0:00 12:00 0:00 9/15 9/16 9/17 -400 -300 -200 -1000 100 200 300 400 B-200 B-260 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P4-30 P4-60 P4-100 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P8-30 P8-60 P8-100P8-200 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P7-30 P7-60 P7-100 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P6-30 P6-60 P6-100 P6-280 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P9-30 P9-60 P9-110 水理水頭( cm H 2 O ) 0 2 4 6 8 10 10分間雨量 10 分間雨量( mm /mi n. ) 0:00 12:00 0:00 12:00 0:00 9/15 9/16 9/17 -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P5-30 P5-60 P5-100 P5-200 水理水頭( cm H 2 O ) 図5 各地点におけるテンシオメータの時系列変化

(7)

-600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 A-40 A-80 A-100 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 P2-30 P2-60 P2-100 P2-200 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 M-20 M-40 M-60 M-80 M-100 M-190 水理水頭( cmH 2 O ) -700 -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 P1-30 P1-65 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P3-30 P3-80 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 C-80 C-230 水理水頭( cmH 2 O ) 0:00 12:00 0:00 12:00 0:00 9/15 9/16 9/17 -400 -300 -200 -1000 100 200 300 400 B-200 B-260 水理水頭( cmH 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P4-30 P4-60 P4-100 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P8-30 P8-60 P8-100P8-200 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P7-30 P7-60 P7-100 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P6-30 P6-60 P6-100 P6-280 水理水頭( cm H 2 O ) -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P9-30 P9-60 P9-110 水理水頭( cm H 2 O ) 0 2 4 6 8 10 10分間雨量 10 分間雨量( mm /mi n. ) 0:00 12:00 0:00 12:00 0:00 9/15 9/16 9/17 -600 -500 -400 -300 -200 -1000 100 200 P5-30 P5-60 P5-100 P5-200 水理水頭( cm H 2 O ) 図5 各地点におけるテンシオメータの時系列変化 E 年・年と年の崩壊時の地盤内の水分変動の比較  図6に(a)1972年7月12日、(b)1999年6月26-27日、(c)2013年9月15~16日の降雨履歴(時間雨量、連続雨量) とテンシオメータが正の値に達したデータを示す。ただし1972年、1999年のデータについては、テンシオメ 0 40 80 120 160 200 240 0 10 20 30 40 50 60 13/ 9/1 5 13 :0 0 13/ 9/1 5 14 :0 0 13/ 9/1 5 15 :0 0 13/ 9/1 5 16 :0 0 13/ 9/1 5 17 :0 0 13/ 9/1 5 18 :0 0 13/ 9/1 5 19 :0 0 13/ 9/1 5 20 :0 0 13/ 9/1 5 21 :0 0 13/ 9/1 5 22 :0 0 13/ 9/1 5 23 :0 0 13/ 9/1 6 0: 00 13/ 9/1 6 1: 00 13/ 9/1 6 2: 00 13/ 9/1 6 3: 00 13/ 9/1 6 4: 00 13/ 9/1 6 5: 00 13/ 9/1 6 6: 00 13/ 9/1 6 7: 00 13/ 9/1 6 8: 00 13/ 9/1 6 9: 00 1.0m深さの間隙水圧が 正圧に到達 ) 連続雨量 (m m ) 1時間雨量 (mm/ h) 8.17 hours 21:10 5:20 Total:154mm Ave.:18.8mm/h 0 30 60 90 120 150 180 0 10 20 30 40 50 60 72/ 7/1 2 5: 00 72/ 7/1 2 6: 00 72/ 7/1 2 7: 00 72/ 7/1 2 8: 00 72/ 7/1 2 9: 00 72/ 7/1 2 10 :0 0 72/ 7/1 2 11 :0 0 72/ 7/1 2 12 :0 0 72/ 7/1 2 13 :0 0 72/ 7/1 2 14 :0 0 72/ 7/1 2 15 :0 0 72/ 7/1 2 16 :0 0 72/ 7/1 2 17 :0 0 72/ 7/1 2 18 :0 0 72/ 7/1 2 19 :0 0 72/ 7/1 2 20 :0 0 72/ 7/1 2 21 :0 0 72/ 7/1 2 22 :0 0 72/ 7/1 2 23 :0 0 1.0m深さの間隙水圧が 正圧に到達 % 連続雨量 (m m ) 1時間雨量 (mm/ h) 4 hours 崩壊 Total:73mm Ave.:18.3mm/h 0 25 50 75 100 125 150 0 10 20 30 40 50 60 99/6 /26 20: 00 99/6 /26 21: 00 99/6 /26 22: 00 99/6 /26 23: 00 99/6 /27 0: 00 99/6 /27 1: 00 99/6 /27 2: 00 99/6 /27 3: 00 99/6 /27 4: 00 99/6 /27 5: 00 99/6 /27 6: 00 99/6 /27 7: 00 99/6 /27 8: 00 99/6 /27 9: 00 99/6 /27 10: 00 99/6 /27 11: 00 99/6 /27 12: 00 1.0m深さの間隙水圧が 正圧に到達 連続雨量 (m m ) 1時間雨量 (mm /h) 6 hours 崩壊 Total:112mm Ave.:18.7mm/h (a) 1972 年 7 月 12 日の降雨履歴 (b) 1999 年 6 月 26~27 日の降雨履歴 (c) 2013 年 9 月 15~16 日の降雨履歴 図6 各崩壊時の降雨履歴((a) (b):気象庁 京都、(c):清水寺)

(8)

ータによる現地計測が行われていなかったため、室内土槽実験や2004年以降の降雨量に基づく現地の浸透挙 動の把握を行った。その結果、時間雨量4.0mm以上,連続雨量7.0mm以上の時に、M-100のテンシオメータ が正の値に達するという統計的な挙動4)が得られたため、1972年、1999年のデータについてはこれを利用し た。M-100のテンシオメータが正の値を示すことは、基盤層(190cm深さ)から90cm高さの地下水面が存在 していることを意味する。1972年および1999年時は、M-100のテンシオメータが地下水面を観測してから降 雨強度約20mm/hが継続して降ったことで崩壊が発生した。1972年と1999年の崩壊発生までの時間差につい ては、事前降雨が1972年では68.5mm、1999年では11mmと大きく異なったことが時間に影響したと考えられ る。これらに比べ2013年台風18号の降雨では、事前降雨が58.4mmと1972年の降雨量に近く、さらにM-100の テンシオメータが地下水面を観測した継続時間が8時間以上に及んでいることから、過去の降雨量および地 盤内の水分量と比較した場合、崩壊履歴の中でも本対象斜面は斜面崩壊が発生する危険性が高かったことが 分かった。

4.おわりに

 本論文ではまず、2013年9月に発生した台風18号に伴う京都市東山に位置する清水寺境内の斜面崩壊の被 害状況について述べる。次に、これまでモニタリングを実施している奥之院後背斜面において、台風18号の 降雨に伴う地盤内水分変動を明らかにするとともに、過去の斜面崩壊時の降雨量および地盤内水分量と比較 検討した。以下に、今回得られた知見について述べる。 1) 台風18号による降雨に伴い、清水寺境内で大小合わせて5ヶ所で斜面崩壊が発生した。図2に示すNo.1~ No.4の崩壊については、16日8時頃に職員が見回りで気付くまで確認されていなかったことから、正確 な崩壊発生時刻については不明である。また、No.5の延命院付近の斜面崩壊については、降雨終了後数 時間が経過した後に発生したことがヒアリングで分かった。 2) 1降雨イベントを6時間無降雨で終了と定義した場合、台風18号に伴う降雨は、過去の崩壊時(1972年、 1999年)および非崩壊時と比べて、降雨強度は高くないが連続雨量が最も多い降雨イベントであった。 特に、降雨強度約20mm/hの降雨が8時間以上に亘って降り続いたことは、1972年以降最も計測時間が長 い特徴的な降雨であった。 3) 9月15日13時00分以降の降雨において、特にB-M-C測線では基盤層から100cm以上の地下水面が現れた 地点が多く、斜面上部から下部に向けて順次地下水面が高くなったことから、連続した水みちまたは地 下水帯が発生していたと判断できた。 4) 2004年以降のモニタリング結果を用いて統計的に過去2回の崩壊時の地盤内水分変化を算出した結果、 今回の台風時におけるM-100での地下水面または飽和帯の形成は、過去2回の崩壊時に比べ長期間発生 したことが想定されたことから、奥之院後背斜面における斜面崩壊の発生する危険性は過去2回の崩壊 時の降雨に比べて高かったことが分かった。  今回、新たな崩壊時の雨量および地盤内の水分変化の計測データを得たことから、今後リアルタイムでの 危険度評価を行うための閾値の決定に向けた検討が必要である。 謝辞:本論文の清水寺境内で発生した斜面崩壊の調査では、歴史都市防災研究所専門研究員の石田優子氏の 支援を頂いた。また、調査時の資料および写真を提供して頂いた。ここに記して謝意を表する。 参考文献 1) COE「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究拠点」清水寺調査研究グループ:清水寺周辺の斜面防災に関わる基 礎研究のための調査・観測報告書,立命館大学,pp.9-13,2006. 2) 深川良一・酒匂一成・里見知昭・石田優子・仲矢順子・安川郁夫:降雨時斜面災害防止のための重要文化財周辺斜 面における現地多点モニタリング,歴史都市防災論文集,Vol.2,pp.99-104,2008. 3) 石田優子:2013年台風18号による清水寺境内の斜面崩壊調査報告書,立命館大学歴史都市防災研究所2013年度第4回 定例研究会講演資料,2013.

4) Sako, K., Fukagawa, R. and Satomi, T.: Slope Monitoring System at a Slope Behind an Important Cultural Asset, Journal of Disaster Research, Vol.6, No.1, pp.70-79, 2011.

参照

関連したドキュメント

Analogs of this theorem were proved by Roitberg for nonregular elliptic boundary- value problems and for general elliptic systems of differential equations, the mod- ified scale of

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

Correspondingly, the limiting sequence of metric spaces has a surpris- ingly simple description as a collection of random real trees (given below) in which certain pairs of

[Mag3] , Painlev´ e-type differential equations for the recurrence coefficients of semi- classical orthogonal polynomials, J. Zaslavsky , Asymptotic expansions of ratios of

While conducting an experiment regarding fetal move- ments as a result of Pulsed Wave Doppler (PWD) ultrasound, [8] we encountered the severe artifacts in the acquired image2.

[r]

Exit of “K” Drainage is  to be joined with the 

シーリング材の 部分消滅 内壁に漏水跡なし 内壁に漏水跡あり 内壁に漏水跡なし 内壁に漏水跡あり 内壁の漏水跡が多い.