博士後期課程用
(様式6)
村井 達彦 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨
題 目 Effects of a Cooking Program Based on Brain-activating Rehabilitation for Elderly Residents with Dementia in a Roken Facility: A Randomized Controlled Trial
(介護老人保健施設における認知症高齢者に対する脳活性化リハビリテーショ
ンに基づく調理プログラムの効果:ランダム化比較対照試験による検証)
Progress in Rehabilitation Medicine Vol.2 20170004, 2017
Tatsuhiko Murai
,
Haruyasu Yamaguchi
論文の要旨及び判定理由
近年、介護老人保健施設(老健)の入所者に対する認知症リハビリテーションの重要性が 増している。本研究は老健に入所する認知症高齢者のリハビリとして脳活性化リハビリテ ーションに基づいた調理活動を行い、その効果を検証したものである。対象は老健に入所 するMini-Mental State Examination(MMSE)5-25点の認知症患者で、日常会話が可能な者 とした。事前に種々の認知機能検査を行った後、研究の承諾が得られた36名を無作為に2 群に分け、介入群と対象群とした。介入群は6名程度の小集団とし、介護福祉士の介助の もと、週1回90分間の調理活動を12週間行った。調理内容は段階的に複雑なものとし、対 照群にはリクリエーション活動を行った。介入期間終了後、途中退所などの脱落群を除外 し、介入群13名対照群16名に再び各種認知機能検査を施行し統計処理を行った。二元配置 分散分析の結果、認知機能の指標である山口漢字符号変換テストで有意な交互作用が認め られ、対照群で有意に低下していた。また周辺症状のテストであるDBDの総得点で有意な 交互作用が認められた。認知症の重症度の尺度であるCDRでグループ解析を行うと、やや 軽度であるCDR1-2群でDBD総得点に交互作用を認めたが、より重度のCDR3群では、有意差 は認められなかった。以上より、老健に入所する認知症高齢者に対して行う調理活動は、
認知機能と周辺症状の改善に寄与する可能性が示された。人口の高齢化にともなって老健 に入所する認知症高齢者は増加しており、本研究は入所者に対する有効なリハビリ手段を 新たに提供したと認められ、博士(保健学)の学位に値するものと判定した。
(平成30年2月8日)
博士後期課程用
審査委員
主査 群馬大学大学院教授
リハビリテーション学講座 山崎 恒夫 印
副査 群馬大学大学院教授
リハビリテーション学講座 外里 冨佐江 印
副査 群馬大学大学院教授
看護学講座 内田 陽子 印
参考論文
1.
Prevention of cognitive and physical decline by enjoyable walking-habituation program based on brain-activating rehabilitation(認知身体機能低下予防を目的とした脳活性化リハビリテーションに基づく楽し歩行習慣化プログ ラム)
Geriatrics and Gerontology International 16: 701-708, 2016
Murai T, Yamaguchi T, Maki Y, Isahai M, Sato A, Yamagami T, Ura C, Miyamae F, Takahashi R, Yamaguchi H