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欧 における需給調整の広域化の経緯 欧州は卸電 市場の広域統合から 需給調整市場の広域統合へ ルール整備と実証を加速 国はエネルギー市場と系統運 を 体的に地域送電組織 (RTO) が管理 (RTOの拡 = 広域運 の拡 ) 需給調整市場の広域化は安定供給に直結する系統運 実務の広域的統 でもあり

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(1)

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欧⽶の需給調整市場の現状について

2017

年9⽉19⽇

環境・エネルギー事業本部

(2)

欧⽶における需給調整の広域化の経緯

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 欧州 ⽶国 96 EU電⼒⾃由化指令(96/92/EC) 98 エネルギー事業法(卸売・⼩売全⾯⾃由化) 00 連邦カルテル庁:TSOに競 争⼊札による予備⼒調達を要求 01-02 国内4TSOが競争⼊ 札による予備⼒調達開始 06 全国需給調整市場(regelleistung)設⽴ 08 国内4TSOによる予備⼒市場の統合(GCC) 00北欧市場統合 06 フランス、ベルギー、オランダ市場結合 10 中⻄欧州市場結合 09 北欧・ドイツ市場結合11 中⻄欧州・北欧・南欧市場結合 03 改正EU電⼒⾃由化指令 (No 1228/2003) 09 第3次電⼒⾃由化指令(No 714/2009) 17 Network Code on Electricity Balancing Guidelines 12 各国市場でaFRR導⼊開始 卸電⼒市場 の統合 09 EU再⽣可能エネルギー利⽤促進指令(2009/28/EC) ※2011~2014にかけて近隣6カ国の協調へ発展(IGCC) ※16 IGCCに仏RTEも参加 14-15 Hasle-pilotプロジェクト 12 欧州エネルギー規制 者協⼒機関によるフレー ムワークガイドライン 09 EU指令により欧州 共通Network Code策定指⽰ ドイツ (及び近隣国) 北欧 英国 系統運⽤の統合 (ルール整備) 96 連邦エネルギー規制委員会命令888(ISO設⽴奨励、送電線オープンアクセス) 99 連邦エネルギー規制委員会命令2000(RTO設⽴奨励) 92 エネルギー政策法 98 PJM設⽴ 00 前⽇エネルギー市場・アンシラリーサービス市場創設 01 FERCによりRTOとして承認

02 Allegheny Power・Rockland Electric統合 04 ComEd・AEP・DPL統合

05 DLCO・Dominion Virginia Power統合 11 ATSI・CPP統合

12 Duke Energy統合

13 East Kentucky Power Cooperative統合

制御エリアを 順次拡⼤

13 検討開始 17 実施フェーズ開始 TERREプロ

ジェクト※

※Trans European Replacement Reserves Exchangeプロジェクト(英、 仏、⻄、伊を含む6カ国のTSOが参加し、予備⼒を広域融通) 09 MISO 24のエリアの 13 MISO南部地域における運⽤開始  欧州は卸電⼒市場の広域統合から、需給調整市場の広域統合へ、ルール整備と実証を加速。  ⽶国はエネルギー市場と系統運⽤を⼀体的に地域送電組織(RTO)が管理(RTOの拡⼤=広域運⽤の拡⼤)。  需給調整市場の広域化は安定供給に直結する系統運⽤実務の広域的統⼀でもあり、時間をかけて段階的に実施。 PJM 他地域 03 mFRRの北欧内国際取引開始 地域によって 先⾏的な実施 (パイロットプロジェクト等) 卸電⼒市場と 系統運⽤の 同時統合

(3)

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欧州:欧州共通市場構築に向けたNetwork Codeの策定

 欧州は「各国毎の⾃由化された電⼒市場」ではなく、「欧州で⼀つの⾃由化された電⼒市場」を標榜

 卸電⼒取引市場の統合に⽬処がつきつつある中、次のステップとして系統運⽤段階の統合をめざし、

EU規則によって、欧州共通ネットワークコードの策定を指⽰(EC714/2009)

 これを受け、需給調整に関して「Network Code on Electricity Balancing(EB)」が策定され、

2017年3⽉16⽇に最終ドラフトが加盟各国により承認済。

 EBでは、各国系統運⽤者の需給調整の協調・統合を促進するため、需給調整ルール(調達、運⽤、取引(融通)、精 算の諸段階におけるルール及び⼿続)の原則を定めている。  EBでは、欧州の電⼒市場の統合のため、系統運⽤者の需給調整市場において、どのような商品を提供するかは各系統運 ⽤者に任せられ、定期的に商品のレビューを⾏う必要があると規定。ただし、系統運⽤者は相互の市場参加を容易にするこ とを義務付けられている。 各国電⼒市場の ⾃由化開始 卸電⼒市場の統合 (Gate Close前の卸電⼒ 市場) 系統運⽤の統合 (Gate Close後の需給調 整市場) 欧州単⼀電⼒市場 ※再⽣可能エネルギーの電⼒市 場への統合 ※いわゆる前⽇の取引所取引に関 するMarket Coupling、連系線 利⽤ルールの整備等 ※Network Code on Electricity Balancingの整備 等 ※96 年EU電⼒⾃由化指令

(4)

欧州:Network Codeにおける予備⼒の名称(分類)

 Network Codeは、共通の技術⽤語を使い、欧州共通の予備⼒の調達・発動、容量算出ルールの基礎を

提供

 各国固有の分類、⽤語で規定されていた各種の予備⼒名称、要件等を整理。もっとも、各国の系統運⽤

実務は多様であり、予備⼒の実質的な標準化にはいたっていない。

出所)ENTSOE-E, ”Network Code on Load and Frequency

”に基づき三菱総研作成 周波数 調整⼒/ 周波数変動 周波数回復までの時間 mFRR

FCR

aFRR

RR

同期エリアにおける FCRの協調起動

LFC

領域

t 電源脱落等の 攪乱の発⽣ aFRR:⾃動FRR、mFRR:マニュアル制御によるFRR

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欧州:需給調整の広域化に関するパイロットプロジェクト

 欧州送電系統運⽤者ネットワーク(ENSTO-E)ではEBの策定、各国の実装を待つことなく、需給調整市

場の広域化に関する複数のパイロットプロジェクトを定め、その検討を⽀援してきた(Cross–Border

Electricity Balancing Pilot Projects)。

出所)ENTSO-Eサイト掲載情報に基づき三菱総研作成

注1)インバランス相殺(Imbalance Netting) 注2)Frequency Containment Reserve 注3)automatic Frequency Restoration Reserve 注4) manual Frequency Restoration Reserve 注5) Replacement Reserve

No 略称 地域 IN注1 FCR注2 aFRR注3 mFRR注4 RR注5 1 GCC 独国内の4TSO 〇 〇 〇 〇 2 - 独、オーストリア、スイス、デンマーク、オランダ 〇 3 E-GCC CEPS/SEPS/MAVIR 〇 4 TERRE イタリア、仏、英、スペイン、ポルトガル、スイス、ギリシャ 〇 5 NordicRPM 北欧、バルト3国、ドイツ、ポーランド 〇 〇 7 - オランダ、ベルギー(※中断) 〇 〇 8 - 英、 オランダ(※中断) 〇 9 IGCC マーク、仏、スイス、オランダ、 チェコ独、オーストリア、ベルギー、デン 〇 〇 〇

(6)

欧州:予備⼒の広域調達と連系線利⽤ルール

<予備⼒取引のための連系線容量確保⽅法の選択肢>

 EB

では、広域融通において予備⼒に割当てる連系線容量を設定する⼿法について、送電事業者

(TSO)に対して以下の3つの選択肢を⽰している。

各選択肢は連系線利⽤について、エネルギー取引と予備⼒取引を経済的効果の観点から評価した上

で割当量を策定するもの。

 直接/間接オークションを通じて、 連系線容量をエネルギー取引、 予備⼒取引各々への⼊札として、 最適化アルゴリズムにより容量 割当を決定 ※⽶国のISOで採⽤されている⽅ 法に類似  直接/間接オークションを通じて、 連系線容量をエネルギー取引、 予備⼒取引各々への⼊札として、 最適化アルゴリズムにより容量 割当を決定 ※⽶国のISOで採⽤されている⽅ 法に類似 同時最適化による割当 (EB 第40条)  連系線を介する予備⼒取引の価 格と、エネルギー取引の価格⾒ 通しの⽐較に基づき、予備⼒向 けの容量割当を決定(上限値: 前年度のエネルギー取引に利⽤ 可能な容量の10%)。 ※北欧のHasle-pilotプロジェクト において実証例有り。  連系線を介する予備⼒取引の価 格と、エネルギー取引の価格⾒ 通しの⽐較に基づき、予備⼒向 けの容量割当を決定(上限値: 前年度のエネルギー取引に利⽤ 可能な容量の10%)。 ※北欧のHasle-pilotプロジェクト において実証例有り。 市場ベースによる割当 (EB 第41条)  予備⼒向けの連系線容量確保によ る経済的便益分析に基づき、予備 ⼒向けの容量割当を決定(上限 値:前年度のエネルギー取引に利 ⽤可能な容量の5% 、新規連系 線の場合は設備容量の10%)。  予備⼒向けの連系線容量確保によ る経済的便益分析に基づき、予備 ⼒向けの容量割当を決定(上限 値:前年度のエネルギー取引に利 ⽤可能な容量の5% 、新規連系 線の場合は設備容量の10%)。 経済便益分析による割当 (EB 第42条)

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欧州:ドイツにおける需給調整の広域化(GCCからIGCCへ)

 ドイツでは4つのTSOはGrid Control Cooperation(GCC)と呼ば

れる広域的な連携体制を構築。  GCCは2008年から2010年にかけて徐々に実施され、現在では、ドイツ 国内の需給調整市場は完全統合を実現(4つのモジュールを段階的に 実現)。  2008年から太陽光・⾵⼒の設備容量は3倍に増加したが、2010年 以降、予備⼒調達費⽤は減少。この費⽤減少の⼤きな理由は、GCCに よる予備⼒の広域的活⽤とされている。  ドイツ国内のGCCの成功をうけ、国際的な取組としてInternational GCC(IGCC)へ拡⼤ ※なお、GCCの4つのモジュールの内、現時点ではIGCCはモジュール1(インバランス 相殺)のみ実装 GCC IGCC モジュール1:インバランス相殺 〇 〇 モジュール2:予備⼒調達量の最適化 〇 モジュール3:予備⼒の共同調達 〇 モジュール4:予備⼒の共同運⽤ 〇 ドイツの予備⼒調達費⽤の推移 GCCからIGCCへの拡⼤ 広域連携の機能⽐較 出所)独50Herz社提供資料に加筆 出所)独50Herz社提供資料に加筆 出所)三菱総研作成 2010年 2012年 2014年 2011年 2012年 2012年 2012年 仏RTE(2016) GCC導⼊ 予備⼒調達費⽤の低減

(8)

欧州:北欧における需給調整の広域化(Hasle-pilotプロジェクト)

 現在の欧州の予備⼒の広域活⽤の多くは、エネルギー取引後の連系線空き容量(及び混雑の逆⽅向容量)

を活⽤したもので、予備⼒取引のために連系線容量を予め確保して⾏うものでない。

 この点、スウェーデン、ノルウェー間において、2014年〜2015年にかけて前⽇スポット取引とaFRRの広域融通

のための連系線容量の動的割当に関する実証試験を実施(EB第41条に相当する実証)

 本実証試験は、⼩規模かつ試験的なものであったが、実証期間中、両国TSOにメリットが⽣じたことを確認。

 本実証も参考として、両国のTSO(Statnett とSvenska Kraftnät)は、2017年6⽉に北欧需給調整市場に関する 提案として「将来的に有効なコンセプト(Future-proof concept)」を発表。  国際連系線を通じたaFRRの融通を実施する前提で,暗⽰的取引で前⽇市場のゲート クローズを実施 aFRRの融通実 施 Step4 Step4  Step2で確保した連系線容量を前⽇市場に活⽤するか、需給調整メカニズムに活⽤す るか再確認 aFRR融通の実 施メリットの確認 Step3 Step3  Step1で設定したaFRRの量に相当する連系線容量を確保 aFRR融通のため の連系線容量確 保 Step2 Step2  各TSO間で確保したaFRRを融通することによる便益を評価 aFRR融通による 経済性分析 Step1 Step1  ノルウェーのTSO(Statnett)、スウェーデンのTSO(Svenska kraftnät)がそれぞれ 必要なaFRRを確保 各TSOによる aFRRの確保 Step0 Step0 <Hasle-pilotプロジェクトにおける連系線容量の調整⼿順>

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Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 8

⽶国:地域送電機関(RTO)の設⽴と広域的系統運⽤

【SPP】 • 2004年 RTOとして認可 • 2007年 リアルタイム市場開設 • 2014年 アンシラリー市場を含む統合市 場運営開始 • 2015年 WAPA-UGP等サービスエリア を拡⼤ 【CAISO】 • 1998年 州内⼤⼿私営電⼒ 3社の系統運⽤部⾨を機能 分離しISOとして設⽴ 【ERCOT】 • 1996年 ISOとして設⽴ • 2001年に州内の10社の系統運⽤機能を統合 【MISO】 • 2001年 設⽴・RTOとして認可 • 2005年 エネルギー市場開設 • 2009年 24のバランシングエリア を統合 【ISONE】 • 1998年 設⽴ • 2004年 RTOとし て認可 【NYISO】 • 1998年 設⽴ 【PJM】 • 1998年 設⽴ • 2001年 RTOとしての認可 • 以後、系統運⽤範囲を順次、 拡⼤

⽶国では、複数電⼒会社の系統運⽤機能を組織的に統合した地域送電機関(RTO)を通じて広域的

系統運⽤を実現

※RTOは、1996年FERC命令888で規定された独⽴系統運⽤機関(ISO)に、更に①広域性、②送電拡張計画作成責任を要件とし て加えた組織形態であり、1999年FERC命令2000によって設⽴が推奨されている。 現在、⽶国では7つのRTOがFERCの承認の下、広域的な系統運⽤にあたっている。

⽶国では系統の需給調整はBalancing Authority(BA)と呼ばれる責任単位で管理。RTOが存在する地

域では、RTOがBAとして広域的な需給調整を実施。

※BAは実態として地域の有⼒電⼒会社が担当しており、⽶国には66のBAが存在する(2016年現在)。 CAISO SPP ERCO T MISO PJM NY ISO ISO NE

RTOの管轄地域 RTOの設⽴経緯とBalancing Authority

出所)EIA/DOEサイト掲載情報に加筆 注)図中の〇はBalancing Authority

参照

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