大学生の食生活と健康食品利用の実態を把握するため質問紙調査を行い,男子204名,女子203名の回 答を分析した。普通体重の者は男女とも8割前後で,男子はほぼ正しく自分の体型を評価していたが, 女子は7割弱の者が太めに答えていた。食品摂取は,卵類,豆製品,野菜類,海藻・きのこ類,果物の 摂取頻度において男女間に有意な差がみられた。野菜類を毎日摂取する者が男子は2割未満で,女子の 4割前後と比べて少なかった。健康食品の摂取経験は男子6割強,女子8割弱と男女とも多かった。男 女間の体型,食生活,健康食品の摂取などにおいて有意な差が認められた。認識や食生活の偏りもみら れ食教育の必要性が示唆された。 キーワード:食生活,健康食品,大学生
男子および女子大学生における食生活と
健康食品利用の比較
堀
ほり尾
お公
きみ子
こ *・坪
つぼ井
い しゅう修
平
へい**福
ふく山
やま悦
えつ子
こ ***・奥
おく田
だ豊
とよ子
こ **** * 修士課程健康科学専攻・** くらしき作陽大学食文化学部・*** 貴島中央病院・**** 生活環境講座 (平成19年9月10日 受付) Ⅰ 緒言 科学技術の進歩,発達により,食の世界では簡便化が加速している。外食産業の増加, 加工・冷凍技術の発達による調理済み食品など中食産業の発展[1],またスーパーマーケ ットやコンビニエンスストアなどの店舗増加に伴い,いつでもどこでも手軽に食事ができ るようになった[2] 。食の外部化の進行に加え,ライフスタイルの変化により簡単に補給 ができるサプリメントなどの健康食品に対する関心が高まり,その利用も多く[3],食事 の風景が大きく変化している。このような変化や不規則で偏った食生活,またグルメ志向 もあいまって,健康志向も高いと言われているにもかかわらず生活習慣病の増加や若年化 が深刻な問題となっている[4] 。そこで,コンビニエンスストアの利用が多いと考えられ る大学生がどのような食生活を送り,健康食品など通常の食事以外の補給を行っているか どうかの調査を行った。食に対する意識やサプリメントなどの健康食品は,美容やダイエ ットなどの点から,性別の違いにより異なると考えられるので,男子と女子に分けて食生 活を比較し,その違いを明らかにすることを目的とした。 Ⅱ 方法 1.対象者 2004年1月から4月,兵庫と岡山県内の大学2校において1回生から4回生を対象に食生活と健康食品利用に関する質問紙調査を行った。欠損値があった学生を除いた有効回答 数は407名で,18歳から22歳の男子204名,女子203名の回答を分析した。 2.調査方法 質問紙は無記名とし,授業中に教員が内容を説明して調査を行った。①回答者属性(4 項目),②ダイエット(8項目),③生活習慣(4項目),④食生活(13項目),⑤健康食品 (8項目)に関する内容を質問し,大学生における食生活と健康食品利用について調査し た。 男子と女子の2群間で比較を行った。健康食品の利用は,現在または過去に健康食品を 摂取した者を利用ありとし,その利用品目,利用目的,費用総額,使用動機,入手経路の 男女比較を行った。健康食品の摂取効果については,男女間に有意な差はみられなかった ので,現在または過去に健康食品を摂取した学生の中で,効果ありとした者を有効群,わ からない,効果なし・悪化と答えた者を非有効群として2群間の違いを比較した。対象者 の属性の値のスケールデータは,平均値±標準偏差で示し,t検定を行った。名義データ は,人数と割合で表し,Χ2検定を行った。有意水準はP<0.05とした。 Ⅲ 結果 1.対象者の身体状況 対象者の年齢等の属性は表1に示すとおりであった。日本肥満学会の診断基準[5]によ るBMIの分布では男女間に有意な差がみられた(表2)。普通体重の者は男女とも高率で, 男子は女子に比べて肥満の割合が多く,男子より女子は低体重の者が多かった。体調は普 通の者が半数以上であったが,男子より女子の方が68%と多く,良好の者は男子が女子よ り多く,性別により有意な違いがみられた(表2)。 2.体型とダイエット 体重を意識しているかとの質問では,男子の約半数がしていなかったが,女子は90%近 い学生が意識していた(表2)。男子より女子の方が有意に高い割合で体重を意識してい た。体型についてどう思っているかでは,男女間に有意な差があった(表2)。男子は半 数が普通と答えたのに対し女子は26.6%で,男子よりやや太っている・太っていると答え た者が男子より多く,あわせて約68%であった。ダイエットに関心があるかとの問いでは, 男子はないと答えた者が66.2%と多かったが,女子は約8割があると答えていた(表2)。 t検 定 平均 標準偏差 平均 標準偏差 P 値2) 年齢 歳 19.4 ± 1.2 19.6 ± 1.1 0 .104 身長 m 1.71 ± 0.06 1.58 ± 0.06 <0. 00 1*** 体重 kg 65.0 ± 11.7 51.3 ± 7.2 <0. 00 1*** BMI1) kg/m2 22.2 ± 3.7 20.6 ± 2.4 <0. 00 1*** 1)Body Mass Index:体重(kg)/身長(m)/身長(m)
2)独立したサンプルのt検定:*** P <0. 001
男子 (n=204) 女子(n=203) 表1 対象者属性
男子より女子の方が有意にダイエットへの関心が高かった。ダイエットをしたことがある かとの質問では,男子の8割は経験がないのに対し,女子は47%と半数以上がダイエット を経験しており,男女に有意な違いがあった(表2)。運動をしている者は男子が半数以 上で,女子は34%と,男子より有意に少なかった(表2)。 3.食習慣 朝食の摂取は男女間に有意な差がみられた。男子はほとんど食べない者が20.6%と多く, 女子は11.3%であった(表2)。1日の主食に何を食べるかについては,男子は3食米飯食 の者が約半数で,次いで朝パン・昼夕米飯食が34.3%であった(表2)。一方,女子は朝パ ン・昼夕米飯食が半数と多く,3食米飯食は28.1%と男女間に有意な差があった。 図1に男子と女子の食品摂取の状況を示した。肉類は男女とも魚介類に比べて摂取頻度 が多かった。卵類は男女に有意な差がみられ,男子より女子の方が毎日摂取する者が多く, 男子は週1∼2日の者が約30%と多かった。豆・大豆製品は男子の方が有意に摂取頻度が 人 (%) 人 (%) BMIの分布 低体重(BMI<18.5) 13 (6.4) 37 (18.2) 普通体重(18.5≦BMI<25.0) 164 (80.4) 157 (77.3) 肥満(25.0≦BMI) 27 (13.2) 9 (4.4) 体調 良好 83 (40.7) 56 (27.6) 普通 107 (52.5) 138 (68.0) 不良・病気 14 (6.9) 9 (4.4) 体重意識 している 100 (49.0) 178 (87.7) していない 104 (51.0) 25 (12.3) 体型意識 「スリム」と思う 22 (10.8) 10 (4.9) 普通 103 (50.5) 54 (26.6) やや太っている 42 (20.6) 77 (37.9) 太っている 37 (18.1) 62 (30.5) ダイエットへの関心 ある 69 (33.8) 166 (81.8) ない 135 (66.2) 37 (18.2) ダイエット経験 ある 40 (19.6) 107 (52.7) ない 164 (80.4) 96 (47.3) 運動 している 112 (54.9) 69 (34.0) していない 92 (45.1) 134 (66.0) 朝食摂取 食べる 110 (53.9) 127 (62.6) 時々抜く 52 (25.5) 53 (26.1) ほとんど食べない 42 (20.6) 23 (11.3) 1日の主食 3食米飯食 103 (50.5) 57 (28.1) 朝パン・昼夕米飯食 70 (34.3) 103 (50.7) 朝昼パン・夕米飯食 16 (7.8) 26 (12.8) その他 15 (7.4) 17 (8.4) * P <0 .05, * * P <0 .01, * * * P <0 .001 男子(n=204) 女子(n=203) *** ** *** Χ 2検定 *** *** *** * *** *** 表2 性別体格・ダイエット・食習慣
少なく毎日および週3∼6日をあわせて約3割であった。牛乳・乳製品は毎日摂取する者 が男子31.4%,女子41.9%であったが,週1∼2日と週1日未満をあわせた者が男子4割 強,女子3割強であった。緑黄色・淡色野菜とも男女間に有意な差がみられた。男子は毎 日摂取する者が2割未満で,女子の4割前後と比較すると少なかった。海藻・きのこ類と 果物においても男女間に有意な差があった。週1日未満の者が男子は約45%と,女子の3割 強に比べて多かった。調理済み食品は毎日摂取する者が男女とも1割前後,週3∼6日の 者が3割強であった。 4.健康食品 サプリメントなど健康食品の摂取は男女に有意な差がみられ,男子は摂取経験のない者 が38.7%で,女子は21.2%であった(図2)。現在と過去をあわせた摂取経験では男子6割 強,女子は8割弱と男子より女子の方が多かった。摂取品目は上位6品目までは男女とも 同じで,男女ともスポーツ飲料が最も多く,次いで男子は栄養ドリンク,スティックフー ドと続き,女子はその逆であった(表3)。7位以降については,男子はプロテイン等ア ミノ酸やイオン水が多く,女子ではプルーンやビタミンB群と違いがみられた。摂取品目 別の目的を表4に示した。スポーツ飲料では,男子は何となくが最も多く,続いて疲労回 復であったが,女子は疲労回復が最も多く,次いで何となくであった。男女とも栄養ドリ ンクでは,疲労回復が最も多く,スティックフード・ゼリー飲料は栄養補給,ニアウォー ターは何となくを主な目的として利用していた。ビタミンCについては,男子は健康によ いが最も多く,女子は肌荒れが最も多かった。 使用した費用の総額は男女に有意な差がみられ,男子は5千円未満が35.2%に対して女 子は半数以上であった(図3)。一方,5万円以上は男子の方が多く16.0%に対し,女子は 5.0%と少なかった。使用動機は,男女とも家族・知人・友人の勧めが最も多く,続いてテ レビ・ラジオが多かった(表5)。入手経路については,男子はコンビニエンスストアが 図1 性別食品摂取頻度
最も多く,薬局・薬店,スーパーマーケットがあとに続いたが,女子では反対に薬局・薬 店が最も多く,続いてコンビニエンスストアとスーパーマーケットであった(表6)。摂 取効果は,効果ありとする者が男女とも最も多く,次いでわからないとした者が多かった (図4)。 図2 性別健康食品摂取経験 男子(n=125) 女子(n=160) (上位11種類) 人 (%) 人 (%) 1 スポーツ飲料 94 (75.2) スポーツ飲料 108 (67.5) 2 栄養ドリンク 81 (64.8) スティックフード 95 (59.4) 3 スティックフード 72 (57.6) 栄養ドリンク 82 (51.3) 4 ニアウォーター 57 (45.6) ニアウォーター 66 (41.3) 5 ゼリー飲料 52 (41.6) ゼリー飲料 62 (38.8) 6 ビタミンC 22 (17.6) ビタミンC 47 (29.4) 7 プロテイン等アミノ酸 18 (14.4) プルーン 32 (20.0) 8 ブルーベリー 18 (14.4) ブルーベリー 27 (16.9) 9 カルシウム 17 (13.6) カルシウム 27 (16.9) 10 イオン水 15 (12.0) ビタミンB群 27 (16.9) 11 総合ビタミン 14 (11.2) 総合ビタミン 27 (16.9) 表3 現在または過去に利用の健康食品摂取品目(複数回答) 図3 現在または過去に利用の健康食品費用総額
(上位5つ) 人 (%) 人 (%) スポーツ飲料 スポーツ飲料 1 何となく 34 (36.2) 1 疲労回復 32 (29.6) 2 疲労回復 30 (31.9) 2 何となく 31 (28.7) 3 その他 13 (13.8) 3 栄養補給 20 (18.5) 4 健康によい 9 (9.6) 4 その他 13 (12.0) 5 体力をつける 6 (6.4) 5 体力をつける 10 (9.3) 栄養ドリンク 栄養ドリンク 1 疲労回復 56 (69.1) 1 疲労回復 56 (68.3) 2 何となく 12 (14.8) 2 何となく 13 (15.9) 3 体力をつける 6 (7.4) 3 体力をつける 6 (7.4) 4 健康によい 5 (6.2) 4 栄養補給 3 (3.7) 5 栄養補給 3 (3.7) 4 その他 3 (3.7) スティックフード スティックフード 1 栄養補給 38 (52.8) 1 栄養補給 38 (40.0) 2 何となく 24 (33.3) 2 何となく 31 (32.6) 3 その他 6 (8.3) 3 その他 17 (17.9) 4 体力をつける 5 (6.9) 4 体力をつける 5 (5.3) 5 健康によい 1 (1.4) 5 健康によい 4 (4.2) 5 疲労回復 1 (1.4) ニアウォーター ニアウォーター 1 何となく 22 (38.6) 1 何となく 19 (28.8) 2 疲労回復 13 (22.8) 2 栄養補給 13 (19.7) 3 健康によい 8 (14.0) 3 健康によい 11 (16.7) 4 栄養補給 6 (10.5) 3 その他 11 (16.7) 4 その他 6 (10.5) 5 ダイエット 6 (9.1) ゼリー飲料 ゼリー飲料 1 栄養補給 22 (42.3) 1 栄養補給 19 (30.6) 2 疲労回復 13 (25.0) 2 何となく 15 (24.2) 3 何となく 12 (23.1) 3 ダイエット 10 (16.1) 4 体力をつける 4 (7.7) 4 その他 8 (12.9) 5 その他 3 (5.8) 5 体力をつける 6 (9.7) ビタミンC ビタミンC 1 健康によい 7 (31.8) 1 肌荒れ 14 (29.8) 2 疲労回復 4 (18.2) 2 にき び 11 (23.4) 3 栄養補給 3 (13.6) 2 美肌 11 (23.4) 3 肌荒れ 3 (13.6) 2 栄養補給 11 (23.4) 3 にきび 3 (13.6) 5 健康によい 7 (14.9) (n=47) (n=22) (n=57) (n=66) (n=52) (n=62) (n=81) (n=82) (n=95) (n=72) 男子 女子 (n=94) (n=108) 表4 現在または過去に利用の健康食品の目的(複数回答) 男子(n=125) 女子(n=160) (上位5つ) 人 (%) 人 (%) 1 家族・友人・知人の勧め 75 (60.0) 家族・友人・知人の勧め 109 (68.1) 2 テレビ・ラジオ 24 (19.2) テレビ・ラジオ 27 (16.9) 3 その他 19 (15.2) 薬局薬店等 22 (13.8) 4 薬局薬店等 13 (10.4) 雑誌・週刊誌・書籍 20 (12.5) 5 雑誌・週刊誌・書籍 9 (7.2) その他 15 (9.4) 表5 現在または過去に利用の健康食品使用動機(複数回答)
5.健康食品の効果による比較 摂取状況は有効群と非有効群の間に有意な差が認められた。有効群では現在摂取してい る者が48.9%と多いのに対して,非有効群では34%であった(図5)。摂取品目は,両群と もスポーツ飲料が最も多く,次いでスティックフード,栄養ドリンクと続いた(表7)。 下位項目では違いがみられ,有効群では特定の栄養成分を摂取しているのに対し,非有効 群では食品成分の摂取が多かった。摂取品目別の目的を表8に示した。有効群では目的を もって健康食品を使用している者が多いのに対し,非有効群では何となく使用している者 が多く,スポーツ飲料やスティックフードなどでその傾向が顕著にみられた。 使用した費用総額では,有効群では非有効群に比べて5万円以上の者が多く,5千円未 満は33.3%であったのに対し,非有効群では半数以上と2群間に有意な違いがあった(図 6)。使用動機は両群とも家族・知人・友人の勧めが最も多く,次いでテレビ・ラジオで あった(表9)。入手経路は,有効群では薬局・薬店が最も多く,コンビニエンスストア, スーパーマーケットと続いたが,非有効群では,コンビニエンスストアが最も多く,スー パーマーケット,薬局・薬店の順であった(表10)。 表6 現在または過去に利用の健康食品入手経路(複数回答) 男子(n=125) 女子(n=160) (上位5つ) 人 (%) 人 (%) 1 コンビニエンスストア 74 (59.2) 薬局・薬店 75 (46.9) 2 薬局・薬店 49 (39.2) コンビニエンスストア 61 (38.1) 3 スーパーマーケット 47 (37.6) スーパーマーケット 61 (38.1) 4 その他 9 (7.2) 通信販売 27 (16.9) 5 通信販売 4 (6.4) 贈呈・土産 10 (6.3) 図4 現在または過去に利用の健康食品摂取効果 図5 摂取効果別健康食品の摂取状況
有効群(n=141) 非有効群(n=144) (上位11種類) 人 (%) (上位11種類) 人 (%) 1 スポーツ飲料 103 (73.0) 1 スポーツ飲料 99 (68.8) 2 スティックフード 86 (61.0) 2 スティックフード 81 (56.3) 3 栄養ドリンク 84 (59.6) 3 栄養ドリンク 79 (54.9) 4 ゼリー飲料 65 (46.1) 4 ニアウォーター 65 (45.1) 5 ニアウォーター 58 (41.1) 5 ゼリー飲料 49 (34.0) 6 ビタミンC 38 (27.0) 6 ビタミンC 31 (21.5) 7 総合ビタミン 26 (18.4) 7 アロエ 23 (16.0) 8 ビタミンB群 25 (17.7) 8 ブルーベリー 22 (15.3) 8 カルシウム 25 (17.7) 9 イオン水 20 (13.9) 10 ブルーベリー 23 (16.3) 10 プルーン 19 (13.2) 11 鉄 21 (14.9) 10 カルシウム 19 (13.2) 表7 摂取効果別健康食品の摂取品目(複数回答) (上位5つ) 人 (%) 人 (%) スポーツ飲料 スポーツ飲料 1 疲労回復 38 (36.9) 1 何となく 41 (41.4) 2 何となく 24 (23.3) 2 疲労回復 24 (24.2) 3 栄養補給 15 (14.6) 3 その他 13 (13.1) 4 その他 13 (12.6) 4 栄養補給 10 (10.1) 5 体力をつける 12 (11.7) 5 健康によい 8 (8.1) スティックフード スティックフード 1 栄養補給 43 (50.0) 1 何となく 34 (42.0) 2 何となく 21 (24.4) 2 栄養補給 32 (39.5) 3 その他 14 (16.3) 3 その他 9 (11.1) 4 体力をつける 7 (8.1) 4 健康によい 3 (3.7) 5 健康によい 2 (2.3) 5 体力をつける 2 (2.5) 栄養ドリンク 栄養ドリンク 1 疲労回 復 61 (72.6) 1 疲労回復 51 (64.6) 2 何となく 7 (8.3) 2 何となく 18 (22.8) 3 体力をつける 6 (7.1) 3 体力をつける 9 (11.4) 4 健康によい 5 (6.0) 4 健康によい 2 (2.5) 4 栄養補給 5 (6.0) 4 その他 2 (2.5) ゼリー飲料 ゼリー飲料 1 栄養補給 23 (35.4) 1 栄養補給 18 (36.7) 2 何となく 13 (20.0) 2 何となく 14 (28.6) 3 疲労回復 8 (12.3) 3 疲労回復 6 (12.2) 4 体力をつける 8 (12.3) 4 ダイエット 4 (8.2) 5 その他 8 (12.3) 5 その他 3 (6.1) ニアウォーター ニアウォーター 1 何となく 16 (27.6) 1 何となく 25 (38.5) 2 健康によい 11 (19.0) 2 栄養補給 12 (18.5) 3 疲労回復 10 (17.2) 3 その他 9 (13.8) 4 その他 8 (13.8) 4 健康によい 8 (12.3) 5 栄養補給 7 (12.1) 5 疲労回復 7 (10.8) ビタミンC ビタミンC 1 肌荒れ 12 (31.6) 1 にきび 8 (25.8) 2 栄養補給 10 (26.3) 2 美肌 9 (22.6) 3 健康によい 9 (23.7) 3 健康によい 5 (16.1) 4 にきび 6 (15.8) 3 肌荒れ 5 (16.1) 5 疲労回復 5 (13.2) 5 栄養補給 4 (12.9) 5 美肌 5 (13.2) 5 口内炎 4 (12.9) (n=38) (n=31) (n=65) (n=65) (n=58) (n=49) (n=81) (n=86) (n=84) (n=79) 有 効 群 非有効群 (n=103) (n=99) 表8 摂取効果別健康食品の目的(複数回答)
Ⅳ 考察 男子は女子に比べてBMI判定による肥満の割合が多く,女子は低体重の者が多かったが, 男女とも約8割は普通体重であった。これは平成15年国民健康・栄養調査結果[6]のBMI 区分による肥満,普通体重,低体重の者の割合とほぼ同じであった。男子は約半数が自分 の体型を普通と答え,やや太っているとした者は20.6%で,BMIと比較するとやや多かっ たが,平成14年国民栄養調査結果[7]の体型の自己評価と同じようにほぼ正しく体型を評 価していた。女子は9割弱の者が体重を意識しており,自分の体型を普通と答えた者は 26.6%に過ぎなかった。女子では7割弱の者がやや太っているまたは太っていると答えて いるが,女子のBMIの平均値は20.6であった。これより女子学生の理想とするBMIは20未 満であり,テレビや雑誌で取り上げられる細身の女性を理想としていることが考えられる。 また,ダイエットへの関心も男子3割に比べて女子の方が8割と多く,経験のある者も5 割強と多かった。しかし,運動をしている者は男子が5割以上に対し,女子では4割弱と 少なかった。平成14年の国民栄養調査結果[7]では,体型を「太っている」「少し太って いる」とする理由は,15−29歳の女性で「他人と比べて」と回答した者が最も多く,続い 図6 摂取効果別健康食品の費用総額 有効群(n=141) 非有効群(n=144) (上位5つ) 人 (%) 人 (%) 1 家族・友人・知人の勧め 102 (72.3) 家族・友人・知人の勧め 82 (56.9) 2 テレビ・ラジオ 25 (17.7) テレビ・ラジオ 26 (18.1) 3 薬局薬店等 19 (13.5) その他 22 (15.3) 4 雑誌・週刊誌・書籍 15 (8.6) 薬局薬店等 16 (11.1) 5 その他 12 (6.9) 雑誌・週刊誌・書籍 14 (9.7) 表9 摂取効果別健康食品の使用動機(複数回答) 有効群(n=141) 非有効群(n=144) (上位5つ) 人 (%) 人 (%) 1 薬局・薬店 72 (51.1) コンビニエンスストア 75 (52.1) 2 コンビニエンスストア 60 (42.6) スーパーマーケット 58 (40.3) 3 スーパーマーケット 50 (35.5) 薬局・薬店 52 (36.1) 4 通信販売 23 (16.3) 通信販売 12 (8.3) 5 贈呈・土産 8 (5.7) その他 8 (5.6) 表10 摂取効果別健康食品の入手経路(複数回答)
て「過去の自分と比べて」であった。比較した結果が理由となっており,価値認識に強く 働きかけるマスコミやメディアの影響力の大きさがうかがえる。一方,男性は「過去の自 分と比べて」が最も多く,続いて「他人と比べて」であった。男女とも「過去の自分と比 べて」を理由にあげている者が多い。本調査においては生活時間や活動状況などは調べて いないのではっきりしたことはわからないが,運動している者が少なく,朝食欠食もみら れ,また調理済み食品の利用が比較的高いなど,不規則な生活リズムや偏った食生活によ る体型の変化が影響していることが考えられ,改めて正しい自己把握と規則正しい生活の 重要性を認識させる必要が示唆された。 朝食について食べると答えた者は男子53.9%,女子62.6%で,平成17年国民健康・栄養 調査結果[8]の20−29歳で朝食をほとんど毎日食べると回答した男性は53.9%,女性は69% と,女子学生はやや低めであったがほぼ同様の結果であった。1日の主食については男子 は3食米飯食が50.5%と最も多く,女子は朝パン・昼夕米飯食が50.7%と最も多かった。 永井ら[9]は,朝食で米飯を主食とする高糖質食の摂取では,パンを主食とする高脂肪食 を摂取した場合に比べて,食後3時間の血糖値,満腹感,エネルギー消費量が有意に高く, 食後6時間の熱産生も最も高値を示し,耐糖能正常者において糖質を主体とする朝食の摂 取が肥満予防に寄与すると報告している。今回の調査では,体重意識,ダイエットへの関 心が男子よりも女子で高く,ダイエット経験のある者も男子に比べて女子の方が多かった が,1日の主食において3食米飯食の者は男子に比べて女子では少なかった。食品摂取に おいて,男子は女子に比べて卵類,野菜類を毎日摂取する者が少なく,豆・大豆製品,海 藻・きのこ(こんにゃくを含む)類,果物は週1日未満の者が多かった。男女とも豆・大 豆製品,海藻・きのこ・こんにゃく類,果物の摂取は少なく,肉類,調理済み食品の利用 が比較的多いことから,好ましい食品摂取をしている者が多いとは言い難く,高脂肪の洋 風の食事が考えられ,食品摂取にも偏りがあると推測される。 国民の健康の増進,生活の質(QOL)の向上および食料の安定供給の確保を図るため に健康づくりのための「食生活指針」[10]が示され,だれでもわかりやすく実践できる文 章で表現されている。その中で「1日の食事のリズムから,健やかな生活リズムを」,「ご はんなどの穀類をしっかりと」,「野菜・果物,牛乳・乳製品,豆類,魚なども組み合わせ て」,「適正体重を知り,日々の活動に見合った食事量を」,「自分の食生活を見直してみま しょう」など食生活指針に書かれていることが本調査の学生において実践できていない者 が少なくないことが明らかになった。本調査では食生活指針の認知度については質問して いないため,健康的な食生活の知識はあるが,実践できない状況にあるのか,それとも知 識がないから実践しないのかを知ることはできない。「食生活指針」を知る機会がある学 生がどのくらいあり,またどのくらい知っている学生がいるのかはわからないが,まずこ の指針を知る機会があることが大切なことであろう。厚生労働省と農林水産省は,「食生 活指針」を具体的な行動に結びつけるために,食事の望ましい組み合わせやおおよその量 を,親しみやすくわかりやすいイラストで示した「食事バランスガイド」を策定している。 この「食事バランスガイド」を含め「食生活指針」が栄養関係者だけでなく,一般の学校 教育の現場で活用されることが望まれる。 健康食品の摂取では男女間に有意な違いがみられ,男子に比べて女子の方が摂取経験が 多かった。健康食品に使用した費用の総額については,男子より女子では5千円未満が多 く,半数以上であるのに対し,男子では5万円以上費やしたものが16%おり,女子の5% と比較して多かった。使用品目とその使用目的はスポーツ飲料は何となく,疲労回復,栄
養ドリンクは疲労回復,スティックフードは栄養補給とほぼ謳われている宣伝文句の目的 で使用しているようであった。男女とも上位の目的はほぼ同じであったが,ニアウォータ ーやゼリー飲料の目的に,女子ではダイエットを目的としている者がみられた。ビタミン Cについては,男子は健康に良いが最も多く,疲労回復,栄養補給と続いたが,女子では 肌荒れが最も多く,にきび,美肌と美容に関する目的が上位を占めた。スポーツ飲料など, コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで,手軽に購入できる製品が何らかの効 果や効能を期待させるような巧みな文言とともに多数販売されおり,若者を対象にしてい るものでは価格もそれほど高くない。本調査において,何となくこのような健康食品を使 用している学生が多く,健康食品の摂取経験がある者のうち,摂取効果があるとした有効 群とわからないあるいは効果がないとした非有効群の2群で比較した場合には,上位の摂 取品目は両群とも同じであったが,有効群に比べて非有効群の方が明確な目的もなく使用 している者が多かった。また,非有効群では,コンビニエンスストアで購入する者が最も 多く,次いでスーパーマーケットと普段食品を購入する店が多かった。このように手軽に 買えることができる影響は大きく,近年の健康志向により,巧みな宣伝文句に惹かれて, 明確な目的もなく使用している者も少なくないと考えられる。 久保ら[11]の栄養調整食品の利用状況の報告では,栄養成分表示は約80%の人が見たこ とがあるとしているが,選ぶ基準はおいしさがまず一番であり,続いて価格とされている。 このことから,目的を持って健康食品を使用している者についても栄養成分表示は見ない で何らかの効果や効能を期待させる宣伝文句に惹かれて使用し,おいしければ使用を継続 していることも考えられる。恩地ら[12] の薬物性肝障害の調査報告では,健康食品などで の成分表には肝障害を招来する成分が含まれているとは思えない食品も多いが,中国製や せ薬での経験のように,他の添加薬物の存在,生産地の土壌からの混入を含む生産過程に おける他の薬物混入なども考慮に入れる必要があるとし,現時点では,通常食物以外のあ らゆる民間薬や健康食品はすべて薬物性肝障害の原因になると考えておかざるを得ないと している。多種多様な健康食品が販売され,利用しないことの方が難しいともいえ,氾濫 する情報の中から正しい情報を取捨選択する能力を身につける必要がある。正しい利用の ためにも,まず基本の規則正しい食生活を実践していくことができる食教育を考えなけれ ばならないのではないだろうか。 これまでに生活習慣,食生活や健康食品などの調査は行われているが,田中ら[13]は20 歳代女性,岸田ら[14]は女子大学生と母親,杉山ら[15]は女子大学生,齋藤[16]の女子短期 大学生,西尾ら[17]は男子大学生など女性を対象にしたものが多く,男子と女子を比較し たものはあまりみられない[18] 。そこで,大学生における男子と女子の比較を行ったとこ ろ,男女間の体型意識,ダイエット,食生活,健康食品の利用において有意な違いが認め られた。それとともに,本調査の学生の食生活や生活習慣の問題点もみられ,今後,運動 習慣,食品摂取の状況,また健康食品を現在利用している者と過去に利用している者など についても検討を行い,より具体的な問題点を明らかにし,今後の食教育に生かしていく ことが重要である。 謝辞 本調査にご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
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The Current Dietary Life and Dietary Supplements Use by the University Students
HORIO Kimiko* , TSUBOI Shuhei** , FUKUYAMA Etuko***, OKUDA Toyoko**** *Health Sciences, Graduate School of Education, Osaka Kyoiku University,
**Kurashiki Sakuyo University, ***Kishima Chuouhospital ****Life and Environment, Osaka Kyoiku University
To clarify the current dietary life and use of dietary supplements containing vitamin, non-mineral supplements by the university students, a questionnaire survey was conducted between January and April 2004 on 204 male students and 203 female students. The survey consisted of self reported questions pertaining to body physique, health status, eating habits, supplement use and type, source of information, and reasons for use. Most students were of normal weight judged by body mass index (80% for males and 77% for females). Most male students made correct assessment of their body weight, but 70% of the female students evaluated their weight as overweight. The percentages of intake of eggs and vegetables and breakfast every day for the male students were significantly lower than those for female students, and the percentages of both groups were also low in comparison with the general population. The experience of using dietary supplements was widespread in 61% of the males (now 25%, past 36%), and 79% of the females (now 33%, past 46%). The prevalence and the cost of dietary supplements were significantly difference between the sexes, but there were no differences in the current use of dietary supplements. These results suggest that there is a need for appropriate dietary education to the university students.