小学校以降の学びを見通した幼児の学びの探求 ~ICTなどを活用した観察証録・分析の工夫・改善を中心に~

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Title

小学校以降の学びを見通した幼児の学びの探求 ∼ICTなどを活用し

た観察証録・分析の工夫・改善を中心に∼

Author(s)

原田, 和幸; 松野, 絵理; 髙木, 留美子; 稲吉, 幸恵; 宮地, 哲史; 近藤, 眞

紀; 朝長, 久美子; 井口, 均; 小西, 祐馬

Citation

教育実践総合センター紀要, 13, pp.1-19; 2014

Issue Date

2014-03-20

URL

http://hdl.handle.net/10069/35517

Right

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「実践研究」

小 学 校 以 降 の 学 び を 見 通 し た 幼 児 の 学 び の 探 求

~ICT などを活用した観察記録・分析の工夫・改善を中心に~ 原田 和幸※1・ 松 野 絵 理 ※1・ 高 木 留 美 子 組 稲 吉 幸 恵 ※1・ 宮 地 哲 史 ※1・ 近 藤 虞 紀 ※1・ 朝 長 久 美 子 ※1 井口 均※2・ 小 西 祐 馬 刺 ※1附属幼稚園 ※2教育学部

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はじめに 2005年 に 発 表 さ れ た 中 教 審 答 申 の 中 に 今 後 の 幼 児 教 育 の あ り 方 と し て 「 幼 児 の 生 活 の 連 続 性 及 び 発 達 や 学 び の 連 続 性 を 踏 ま え た 幼 児 教 育 の 充 実 」 と あ る 。 こ の 答 申 が 「 学 び の 重 要 性J

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発 達 の 連 続 性 」 を 強 調 し て い る こ と が う か が え る 。 こ の「学び J

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発 達 の 連 続 性 」 と い う 言 葉 を 学 力 向 上 の 視 点 を 重 視 し , 小 学 校 や 中 学校との一貫性をもたせるという意味で捉えると,

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幼 児 教 育 は 就 学 に 向 け て の 準備としての教育』と位置付けてしまう危険性がある。しかし, 2001年の O E C D報告書には,

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幼児期は人生最初のステップとして極めて重要な意義をもっ』 『それ自体が重要な意味をもっ人生最大の段階である』とある。これまで明らか に さ れ て き た よ う に , 幼 児 期 の 生 活 の 主 た る 活 動 は 遊 び で あ る 。 そ の 実 体 験 の 中 で 子 ど も は 様 々 な こ と を 学 ぶ 。 そ う し た 保 育 観 の 基 に , 子 ど も の 遊 び を 中 心 と し た 生 活 を 充 実 さ せ て い く こ と が 幼 児 教 育 の 最 も 重 要 な 課 題 で あ り , そ の 結 果 と し て , 小 学 校 以 降 の 学 び に 必 要 な 諸 力 を 身 に 付 け る こ と で 子 ど も の 未 来 に つ な が る と 考 え る 。 ま た , 文 科 省 が 行 っ た 全 国 学 力 調 査 や O E C Dの 学 力 テ ス ト の 結 果 か ら『日本の子どもたちの知識面は満足のいくものとする反面,思考力や表現力, そ の 活 用 能 力 に お い て は 劣 っ て い る 。 ま た , 学 習 意 欲 に つ い て も 低 い 。 』 と い う こ と が 明 ら か に な っ て い る 。 知 識 自 体 は 様 々 な 方 法 で 教 え 込 む こ と が で き る 。 し か し , 問 題 は そ の 得 ら れ た 知 識 や 技 能 が 自 分 の め あ で や 目 標 を 実 現 さ せ る た め に 活 か さ れ る か で あ る 。 そ う で な け れ ば , せ っ か く 身 に 付 け た 知 識 や 技 能 も 子 ど も 自 身 が 判 断 力 , 表 現 力 , 創 造 力 を 発 揮 す る 手 段 と し て 活 か さ れ ず , 生 き る 力 も や せ 細 っ た も の と な る の で は な い か と 本 研 究 で は と ら え て い る 。 自 分 の め あ て が あ り , そ れ を 達 成 す る た め に 判 断 す る 力 ・ 表 現 す る 力 ・ 創 造 す る 力 が 発 揮 さ れ て こ そ,生きるカが育つものと考える。 私たちは,幼児期においての学びとはいったい何なのかについて協議し,

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生 涯 に わ た る 学 習 能 力 の 基 礎 を 培 う こ と 』 と 捉 え た 。 学 習 能 力 の 基 礎 と は , 遊 び を 中 心 と し た 保 育 の 中 で , 子 ど も た ち が 一 人 遊 び に 夢 中 に な っ た り , 友 達 や 保 育 者 とかかわる遊びに没頭したりする中で,問題やトラブノレに直面することで解決に 向 け た 試 行 錯 誤 が な さ れ , 伝 え 合 う こ と の 大 切 さ や 相 手 の 立 場 に 立 っ て 考 え た り

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行 動 し た り す る こ と の 大 切 さ な ど を 学 ん で い く こ と と 考 え て い る 。 そ の た め に は 幼 児 期 に ふ さ わ し い 一 人 一 人 の 関 心 ・ 意 欲 ・ 自 発 性 を 高 め て い く こ と の 必 要 性 を 改めて感じている。 だ か ら こ そ , 子 ど も の 関 心 ・ 意 欲 ・ 自 発 性 が 発 揮 さ れ , 何 に 対 し て , ど の よ う な こ と を し よ う と し て い る 姿 か を 遊 び の 観 察 記 録 に よ っ て 明 ら か に し , そ の 子 ど も が 自 ら や ろ う と し て い る こ と , そ れ が そ の 子 自 身 に と っ て , ま た 仲 間 関 係 に と っ て ど の よ う な 意 味 を も つ か な ど を 様 々 な 視 点 か ら 検 討 し , 保 育 の 手 立 て を 工 夫 していく必要があると考えた。 そ こ で 本 園 で は 「 子 ど も の 関 心 ・ 意 欲 ・ 自 発 性 が , 具 体 的 に 発 揮 さ れ て い る 姿 に注目。 J

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その活動の中に幼児期の大切な学びがある。」と考え, ・ 子 ど も が 自 ら 取 り 組 ん で い る 遊 び を 主 対 象 に , ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド の 幼 児 教 育 プ ロ グ ラ ム , テ ・ フ ァ リ キ で 用 い ら れ た

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5つの視点」で読み取る。 ・その子どもの活動場面をデジタルカメラやビデオで記録を撮る。 ・記録された子どもの学びの姿を 1C Tな ど を 活 用 し た 保 育 カ ン フ ア レ ン ス を 通じて分析する。 ことにした。 そ こ で , 昨 年 度 の テ ー マ を 継 続 し , 今 年 度 の 研 究 テ ー マ を 「小学校以降の学びを見通した幼児の学びの探求 ~ICT などを活用した観察記録・分析の工夫・改善を中心に ~J とし,研究を継続している。

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研 究

1

年次.

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年 次 の 成 果 と 課 題 研 究 1年 次 は , 遊 ぶ 姿 の 中 に あ る 子 ど も の 学 び を 読 み 取 る た め の 観 察 の 視 点 と し て , テ ・ フ ァ リ キ で 用 い ら れ た 記 録 と 評 価 の

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5つの視点」を基に,自ら取り 組 も う と し て い る 活 動 に 注 目 し た 。 そ の 際 , そ の 子 の 学 び の 姿 を そ の 子 の 立 場 に で き る だ け 立 ち , 読 み 取 ろ う と し て き た 。 そ の 結 果 と し て , 一 人 一 人 が も っ て い る「よさ」に改めて気付かされたように思う。 観 察 の 視 点 は 次 の5つである。 『幼児の関心や興味』 『熱中する姿』 『直面している困難に立ち向かう姿』 『自分の考えや気持ちを表現する姿』 『他児または他者の立場から物事を見ようとする姿』 ま た , 長 崎 大 学 教 育 学 部 の 教 員 2名 ( 井 口 , 小 西 ) を 交 え て の 保 育 カ ン フ ァ レ ンスも行った。 研 究 2年次は,遊びの展開過程に含まれる子どもの学びを読み取るために, 1

C T

や 子 ど も の 動 線 記 録 な ど を 活 用 す る よ う に し た 。 今 ま で 見 落 と し て い た 子 ど も の 回 線 や 体 の 動 き な ど が 可 視 化 で き る よ う に な っ た 。 さ ら に , 学 び の 連 続 性 の

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考察のため,卒園児の小学校での学習の様子を観察した。 2年次の研究の終わり に は , 今 後 も 幼 稚 園 と 小 学 校 で の 子 ど も の 観 察 を 継 続 し て い け ば , 幼 児 期 の 遊 び で の 学 び の 力 と 小 学 校 で の 学 習 活 動 と の 繋 が り ( 連 続 性 ) が 見 え て く る の で は な いか,と考えた。 3年次に向けての課題としては,

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学 び の 物 語 検 討 の 継 続 ・ 蓄 積を図り,保育の改善に繋げる。 J

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幼 小 の 学 び の 連 続 性 に つ い て , 観 察 記 録 を 蓄 積 す る 。 」 の 2点が挙げられた。そこで今年度は, ・観察記録の継続・蓄積 ・保育カンファレンスの工夫改善 -幼児期と児童期の学びの連続性の検証 と,この 3点について取り組むこととした。

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附 属 幼 稚 園 に お け る 今 年 度 の 取 組 ( 1 ) 観 察 記 録 の 継 続 ・ 蓄 積 研 究 1年 次 か ら , 子 ど も ( 抽 出 児 ) を

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5つの視点」で観察し,年度の終わり に は 記 録 を 「 学 び の 物 語 」 と し て ま と め て い る 。 ま た , 学 び の 連 続 性 を 検 証 す る た め に , 卒 園 後 も 観 察 を 継 続 し て い る 。 研 究 3年 次 の 今 年 度 は , 観 察 の 継 続 が 2 年 間 の A 男, 3年 間 の B男 , 年 長 児 か ら 小 学 1年生の I男と, 3名 の 子 ど も に つ い て 観 察 記 録 を 継 続 ・ 蓄 積 し て き た 。 観 察 記 録 を 事 例 と し て ま と め , 保 育 カ ン フ ア レ ン ス を 通 し て 子 ど も 理 解 を 深 め , 次 の 保 育 の 手 立 て へ と 繋 げ て い っ た 。 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス に つ い て は , 次 の (

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)において詳しく述べたい。 ( 2 ) 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の 工 夫 ・ 改 善 ① カ ン フ ァ レ ン ス シ ー ト を 用 い て 本 園 で は , 環 境 構 成 の 工 夫 や 教 師 の 援 助 の あ り 方 を 考 え 保 育 の 改 善 を 図 る こ と を 目 的 と し て , 構 成 メ ン バ ー の 違 い に よ る 3種 類 の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス を 行 っ て いる。その 3種 類 と は , 職 員 に よ る 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス , 教 育 学 部 教 員 を 交 え た 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス , 幼 稚 園 と 小 学 校 の 教 職 員 で 行 う 幼 小 合 同 カ ン フ ァ レ ン ス で あ る 。 ま た 日 々 の 情 報 交 換 や 保 育 計 画 の 時 間 に も 子 ど も の 様 子 に つ い て 話 し 合 っ ている。 「一一一一一一 【保育カンフアレンス】 本 国 職 員 で 行 う 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の こ と で あ り , 情 報 交 換 会 や 保 育 計 画 な ども含む。その際には,付筆紙に

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つ の 視 点 」 で 客 観 性 を 踏 ま え つ つ , 自 分 なりに解釈・意味づけた子どもの姿を記入し,カンファレンスシートに貼り, 進 行 役 を 中 心 に 子 ど も の 遊 び の 分 析 ・ 考 察 を 行 い , 保 育 の 改 善 ・ 充 実 に 向 け た 手立てについて意見交換を行う。 ま た , 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の 際 に は , 各 期 の 事 例 を I C Tなどを活用しなが ら検討していく。

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【 教 育 学 部 教 員 を 交 え た 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス 】 学 部 教 員 を 交 え て , 事 例 や 保 育 カ ン フ ア レ ン ス で 問 題 に な っ た 子 ど も の 姿 に つ い て , 専 門 的 な 立 場 か ら の 示 唆 を 得 な が ら , 子 ど も 理 解 を 深 め , 保 育 の 改 善 ・ 充実に繋げていく。 【 幼 稚 園 と 小 学 校 の 合 同 カ ン フ ア レ ン ス 】 卒 園 児 に つ い て , 幼 稚 園 時 代 の 学 び の 姿 と 小 学 校 で の 学 び の 姿 に つ い て 相 互 に 理 解 し 合 い , 学 び の 連 続 性 に つ い て 分 析 し , 保 育 の 改 善 ・ 充 実 に 繋 げ て い く 。 昨 年 度 ま で も 職 員 同 士 ま た は 学 部 教 員 を 交 え て の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス を 行 っ て き た が , 今 年 度 は 次 の 2点 を 踏 ま え て 保 育 カ ン フ ア レ ン ス を 改 善 し て い っ た 。

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子 ど も を 観 察 す る 際 , よ り 客 観 的 な 事 実 を 記 録 す る よ う に し , そ の 事 実 を も と に そ れ ぞ れ が 解 釈 し 意 味 づ け , 読 み 取 る 。

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子 ど も の 学 び を 可 視 化 し て ま と め , 短 期 の 振 り 返 り や 保 育 の 改 善 に つ い て 意 見交換を行う。 そ こ で , 今 年 度 の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス で は , 客 観 的 な 観 察 方 法 と し て , 昨 年 度 ま で 取 り 入 れ て い た , 子 ど も の 発 言 , 行 動 の 記 録 , 子 ど も の 動 き を 動 線 に 表 し た 記 録 , デ ジ タ ル カ メ ラ や ピ デ オ カ メ ラ な ど の I C Tを 活 用 し た 記 録 な ど を も と に し た 分 析 方 法 に 加 え , 新 た に カ ン フ ア レ ン ス シ ー ト を 用 い る こ と に し た 。 こ の シ ー ト に 子 ど も の 観 察 時 の 様 子 を 記 入 し た 付 筆 紙 を 貼 り , 「5つ の 視 点 」 に 沿 っ て 子 ど も の 遊 び に 読 み 取 れ る 学 び の 具 体 的 内 容 を 分 析 し て い く こ と に し た 。 次 に 示 す の は , り す 組 で 行 っ た 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の シ ー ト の 内 容 を ま と め た も の で あ る。

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5つの視点」 記入のポイント 付筆紙 関心は何に! 話題,活動,役割,仲間, -プリキュアのハートやリボン,ひらひらのつ 現象,事物など,何に関心 いたステッキを手に持って,手や足を大きく を向けているか記入する。 動かして曲の間中踊り続ける。 -プリキュアになりきる。 熱中してる! 何に一定の時聞をかけて, -プリキュア遊び (40分)作る→踊るを繰り返 注意を持続させ,心地よさ していた。 を感じているのか。 -制作遊びのテーブル,ごっこ遊びの場所,自 分のロッカーの場所を繰り返し動いていた。 -作ったステッキを大事にロッカーに片付け, 踊りに使うステッキとの使い分けをしてい た。・プリキュアを踊る場所に 15分 ~20分滞 在していた。 困難に立ち向か 何に困難さを感じ,問題解 -床に置いていた自分のステッキを踏まれ う! 決のために工夫を凝らし そうになると, 「踏まないで!Jと言葉で伝 ているのか記入する。 えた。 -予め作っておいたステッキにリボンとハート を付けたいが,付かない。じっと見て別のス テッキに替えて付ける。

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自分の考えや気 言葉,動作,音楽,造形, -プリキュアの曲が途中から流れると「はじめか 持ちを様々な方 文字,数,話などで自分を らしてくれない?J 「いちばんはじめから。」 法で表現する! 表現している姿について と言っていた。 記入する。 -ヒーローごっこを見ている時,

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くん, がんばれ!Jと応援する。 (自分もその前に 応援してもらっていた。) -制作を通して,自分の思いをいろいろな形で 表すことができる。完成度も高い。 他の人(児)の立 他の人(児)との話や想 -プリキュアを踊る順番を守っていた。踊りを 場から物事を見 像上の出来事で,公平さ 楽しみながら,友達に合わせて踊っていた。 ょうとする! や 助 け 合 い , ク ラ ス 全 体 自分の順番がくるまで,友達を応援していた。 の生活を守る,誇りある 態度などの姿について記 入する。 短期の振り返り 次に繋がること/次にど

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したいか 自分の作りたい物や遊びたいこ 自分の遊びのイメージがはっきりしているので,より とに対して,イメージしていること 積極的に自分から新しいことに挑戦できるように,まだ がはっきりしていて,そのイメージ 踊ったことのない曲を準備しておいたり,友達とかかわ に近付くことができる器用さがあ りながら遊びが発展するように,制作遊びの材料を充実 る。友達とのかかわりに興味があり させたりしていきたい。また,逆に,あえて材料を減ら 周囲のことをよく見ている。 しておき,困難を感じる場面に直面させ,泣いたり,恩 い通りにならなくて悔しがったりする経験を積ませ,年 中組の聞に様々な感情を出し切らせるのも,今後の手立 てとして考えられる。そのような環境構成もしていきた し、。 こ の よ う な シ ー ト を 用 い て , 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス を 行 っ て い っ た が , 前 述 し た 2点 の 改 善 点 を よ り 具 体 化 す る た め に , さ ら に 以 下 の よ う な4点 に つ い て 共 通 理 解 を 図 り , 観 察 記 録 , 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス を 行 っ た 。

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子 ど も の 学 び を 可 視 化 す る た め に は , 付 筆 紙 に 子 ど も の 姿 を 客 観 的 に あ り の ま ま 記 入 す る 。 付 筆 紙 に は 回 数 や 時 間 , 場 所 , 個 数 , 道 具 , 言 葉 な ど 客 観 的 事 実 を 記 入 す る 。

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客 観 的 事 実 を も と に 子 ど も の 学 び を 分 析 す る 。 肝 心 な こ と は , そ の 事 実 を ど う 多 様 な 見 方 で 解 釈 ・ 意 味 づ け ら れ る か , 子 ど も の 遊 び の 背 景 に あ る も の も 分 析 し , 子 ど も 理 解 を 深 め る 。

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分 析 メ モ の 欄 を 設 け , カ ン フ ァ レ ン ス の 内 容 を そ の 場 で 記 録 し て い き , 次 の 保 育 改 善 の 手 立 て を 考 察 す る 。

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保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の 手 順 を 整 理 し た 進 行 表 を 作 成 し , 効 率 よ く 話 し 合 い を 進める。 以 上 の よ う な 共 通 理 解 を 図 る こ と で , 客 観 的 な 事 実 を 基 に , 保 育 者 ・ 観 察 者 の 多 様 な 見 方 で 子 ど も の 心 を 読 み 取 っ て い っ た 。 ま た , 子 ど も の 学 び を 可 視 化 し て ま と め , 短 期 の 振 り 返 り や 保 育 の 改 善 に つ い て も 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス の 中 で 行 っ て い っ た 。 次 に 示 す の は 上 記 4点 の 共 通 理 解 後 の う さ ぎ 組 の カ ン フ ァ レ ン ス シ ー トである。

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改 善 後 の カ ン フ ァ レ ン ス シ ー ト

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5つの視点」 記入のポイント 付 筆 紙 分析メモ 関 心 は 何 に ! 話題,活動,役割, -気の合う特定の友達

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-気の合う友達と一緒に作 仲 間 , 現 象 , 事 物 子 ) と 一 緒 に い た い 。 ることに関心があった。 な ど , 何 に 関 心 を 大半の時聞を二ム玄過 自分が作った物を大切に 向 け て い る か , 室 ごしていた。 ロッカーにしまっていた。 観 的 事 実 を 記 入 す -長い時間,夏祭りのアイ 関 心 が あ る か ら こ そ , 大 ゑL スをたくさん作ったり, 切にしている。 お 庖 の ポ ス タ ー を 摘 い たりしていた。 熱 中 し て る ! . 30分弱の間,遁飽のア -アイスを作りあげること 哩... イ ス を 折 り 紙 で 作 り あ をゴーノレにして集中して 時 間 , 個 数 , 種 類 九 げた。 い た 。 美 し い も の , 色 彩 場 所 , 色 な ど を 客 観 -作り終わるまで,担11= 豊かなものを好んでいた。 的 に 付 筆 紙 に 記 入 棚とテーブノレの往復。 熱 中 の 先 に , イ メ ー ジ し している。 他の場所へは行こうと たもの, ゴーノレしたもの ¥ しなかった。 があるのかもしれない。 -制作時.

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子 に い ろ ん な指示を出していた。 -紫やピンクを好み,き れ い な 物 を 作 ろ う と し ていた。 -絵も上手に描いていた。 困難に立ち向か 何に困難さを感じ, -よりよいものを作ろう -夏祭りを目標に,よりよい う! 問題解決のために としていた。 ものを作ろうとしていた。 工夫を凝らしてい -ポスターに折り紙を貼っ 感 性 が い い 方 向 に 出 て い るのか,客観的事 たり,字を書いたり,絵 る。 実を記入する。 を加えたりしていた。 自分の考えや気 言葉,動作,音楽, -自分の思いを言葉では -自分の思いを言葉で伝えるこ 持 ち を 様 々 な 方 造形,文字,数, っきりと伝えることが とができるが,相手によって 法 で 表 現 す る ! 話 な ど で 自 分 を 表 できていた。教師には 伝え方を変えているのかもし 現 し て い る 姿 に つ

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したいです._j れない。 どんな言葉でどう伝 い て , 客 観 的 事 実 という話し方ができて えたらいいかが身に付いてい を記入するg いた。 る。

.c

子 に 対 し て は , 穏 や かに話していた。 他の人(児)の立 他の人(児)との話

.

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.

.

-熱中しつつも,周囲のい 場 か ら 物 事 を 見 や想像上の出来事 カ ン フ ア レ ン ス ろんなことにアンテナを ょ う と す る ! 出で,公平さ,助け で 出 た 意 見 を ま はっていた。穏やかに周 合い,クラス全体の とめている。短期 りをみていた。相手のこ 生活を守る,誇りあ の 振 り 返 り と 今 とを思って, r~ してあ る態度などの姿に 後 の 考 察 に 繋 が げる J という言葉がよく ついて,客観的事実 出ていた。 を記入する。 ¥ ノ

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盆亙

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室主主旦 次に繋がること/次にどうしたいか 「心の安定J (ここでは A子と一緒 にいること)があることで,好きなこと に熱中することができた。周囲のことも よく見て,相手のこともよく考えて行動 していた。 制作に関心が高いので,今まで使ったことのな い年長ならではの活動や材料を準備していく。 B 子のよさを周囲の子どもも感じ始めているので, よさが発揮されみんなに認められるような環境構 成を考えていく。 うな姿にあったか。 後の環境構成を考察する。 ② 学 部 教 員 を 交 え で の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス 昨年度までのカンファレンスの中で,

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子どもの行動には意味がある。 J

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子 ど も は 有 能 な 学 び 手 」 と い う 見 方 で 観 察 す る と , 結 果 と し て 肯 定 的 に 子 ど も の 行 動が捉えられるようになり,子どものよさが見えてくるという手応えを得ていた。 今 年 度 さ ら に , 子 ど も の 行 動 の 背 景 に あ る 心 を 読 み 取 り , 子 ど も 理 解 と 保 育 の 改 善 に 繋 が る よ う に , 学 部 教 員 を 交 え て の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス を 継 続 し て き た 。 ( i ) 年 中 児 A男 の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス 事 例 A

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解 除 !J 6月 13日 A男 は G男, J男, H男, E子 な ど と ヒ ー ロ ー ご っ こ を し て い る 。 ヒ ー ロ ー になりきって曲に合わせてたたかっている。しばらくすると, J男の顔に引っ かき傷があったり E子が泣いていたりした。それぞれに理由を尋ねると, 「A 男 の 武 器 が 当 た っ た 。 」 と 答 え た 。 そ こ で , 保 育 者 は A男 の と こ ろ へ 行 き , そ のことを伝える。 T rA男君,その武器が長すぎて人に当たっているみたい。 J A男「う ん,じゃあ切る。 J T

r

えっ!切るの?切らなくてもいいよ。」 しかし, A男 は ピ ュ ー っ と 保 育 室 へ 行 き , 自 分 が 作 っ て い た 武 器 の 先 端 を 10c mほど切る。 A男 「 解 除 !J

T

r

なるほど,解除ってかっこいいね。 J A男 「 解 除 !J また外へ出て,ヒーローごっこを続けた。 │保育者の振り返り│ の び の び と 遊 ん で い る A男 に 武 器 の こ と を 伝 え る の は , せ っ か く 遊 び を 楽 し ん でいるA男 の 楽 し い 気 持 ち を 阻 害 す る の で は な い か と 迷 っ た が , 実 際 に 泣 い て い た り , 傷 が 付 い た り し て い る 子 ど も が い た た め , 伝 え る こ と に し た 。 結 果 的 に は

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A男の楽しもうとする気持ちは続いたが,大切にしている武器(自分で作った) を切るきっかけをつくった保育者の働きかけはどうであったか,未だに悩んでい るところである。 自分の武器を切るときの,

r

解 除 !J という発想は,何ともA男らしいもので あった。普段から遊びに関して次々に楽しいアイデアが出てくるA男であったた め,自らしようと思ってした行動ではなかったが,そのことも遊びの延長上に位 置づけ,楽しみ続けたのだろう。 A男 の 「 楽 し も う !J

r

遊 ぼ う !Jとする強い 気 持 ち に 救 わ れ た 思 い が し た 。 (5観点でいうと『他児または他者の立場から物 事を見ょうとする姿~ ) │保育カンファレンス

I

(学部教員を交えて) ・あれほど自分の思いを発揮して遊ぶA男の姿に感心せずにはいられない。

r

友 達に武器を当ててしまった」という出来事も,

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当ててしまった…。 J

r

友 達 が泣いてしまった。 J

r

どうしたらいいかな。」など,

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男 な り に 一 生 懸 命 考 える機会となっていると捉えると,一見否定的に見える姿にもA男の学びがあ ると考えられるのではないだろうか。 -自分の思うように遊びたい,友達と一緒に遊びたいという思いをもちながらも 保育者の目(評価)が気になっているのかもしれない。保育者の言動からその 心 を 読 み 取 っ て , 一 つ 一 つ の 場 面 で , 自 分 の し た い こ と よ り 保 育 者 の 評 価 を 優 先していたのだろうか。そのため, A男 に と っ て ト ラ ブ ル を 解 決 し て い く 過 程 には多くの場合我慢がついてくるのかもしれない。 ・保育者の問いかけに対して,すぐに「切る」という方法を選択したA男 の 姿 か ら,自分の思いを抑えて,保育者の思いを感じとっていることがうかがえる。 物事を「良いJ

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悪い」の対極的に捉える傾向の強いA男 は , 保 育 者 の 問 い か けを受けて,これは「悪い」と捉えてしまったのかもしれない。そうではない ことを伝えていく必要性を感じる。 │次にどうしたいのか・どうすればよいのか│ -友達と一緒に遊びたいという思いを受け止め,具体的な遊びに繋げていけるよ うに仲介する0 ・良いこと,悪いことで「我慢」を求めるのではなく,

A

男の気持ちを認め,よ り楽しめる方向でかかわり方や活動内容を導く保育者の対応も必要なのではな し、泊、。 「良いJ

r

悪い」という対極的な世界だけでなく,

r

中間」の世界を知らせてい く。 惇部教員を交えてのカンフアレンスより(まとめ)

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保育者が得た新たな視点,これからの保育について

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-ありのままを認めるということ 動 作 は 見 え る が , そ れ だ け で 判 断 す る の で は な く , そ こ に あ る A男の本当の 思 い を 読 み 取 り , 保 育 者 が 客 観 的 事 実 を 多 様 に 意 味 付 け し て い く こ と が 大 切 で あ る 。 肯 定 的 に 見 え る 姿 だ け で な く , 一 見 否 定 的 に 見 え る 姿 に も A男 の 学 び が あ る と 考 え , 具 体 的 に ど う い う 動 作 の 中 に , ど の よ う な 形 で 表 れ て い る のかを見取っていく。 ・中間の世界を知らせていくこと 物 事 を 対 極 的 (

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良いJ

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悪 いJ) に 判 断 す る 傾 向 が 強 い A男 。 そ れ は , 今 までの経験に基づくもので,

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男 が そ の 時 々 の 自 分 の 行 動 を 真 剣 に 振 り 返 っ て き た か ら で あ ろ う 。 し か し , そ れ が A男 に と っ て 「 我 慢 」 や 「 緊 張 」 を 感 じ る ス ト レ ス フ ル な 環 境 と な っ て い る こ と も 事 実 で あ ろ う 。 だ か ら こ そ 保 育 者 は そ れ だ け で は な い 「 中 間 の 世 界J

(r

良いJ

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悪 い 」 で は 判 断 で き な い ことがある)を一緒に経験することを通して伝えていく必要があると考える。 つ ま り , 遊 び は ズ ル し た り , 叩 い た り , キ ッ ク が あ っ た り し て も , そ れ ら を あ る 程 度 許 容 し 合 う こ と で , 遊 び は よ り 楽 し く な る こ と を 知 ら せ て い く こ と など。 -人とつながる上で大事なことをどのようにして生み出しているのか あ る 事 象 を 通 し て 人 と の か か わ り に つ い て 考 え る 機 会 も 大 切 だ が , そ う い う 場合, A男 は 周 り の 期 待 を 過 剰 に 受 け 取 る こ と が あ り , 相 手 の 立 場 に 立 つ と い う 点 で は 立 ち す ぎ る く ら い で あ る 。 相 手 の 立 場 に 立 っ て 気 持 ち を 知 っ て い くことも必要だが,時には,

r

自 分 が 楽 し く て つ い 夢 中 に な っ た 姿 」 に 共 感 し て く れ る 仲 間 の 発 見 か ら , 人 と の か か わ り に つ い て の A男 の 学 び を 引 き 出 し て い く こ と も 必 要 で あ ろ う 。 そ の た め , 友 達 と イ メ ー ジ を 共 有 し , 協 同 し て 遊 ん で い く 過 程 を 多 様 な 形 で 経 験 で き る よ う な 環 境 を 準 備 し た り , 意 図 的 に機会を設けたりしていくようにする。

0カ ン フ ァ レ ン ス を 終 え て

カ ン フ ァ レ ン ス を 行 う ま で は , 保 育 者 はA男 の 言 動 の 表 面 的 な 部 分 を 見 て い た ように思う。そのため,

r

我 慢 し た こ と を 認 め る 」 こ と が 多 く な っ て い た 。 し かし,それでは A男 の 本 心 は 見 え て こ な い と 感 じ た 。 も っ と 日 常 の 中 で A男が 楽しさを実感している場面に目を向けたい。そして,

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男 が 生 き 生 き と 遊 ぶ 過 程 の ど こ にA男 の 学 び が 表 れ て い る の か に つ い て 見 取 っ て い き た い と 強 く 思 っ た。 ( ii)年長児B男 の 保 育 カ ン フ ァ レ ン ス 事例 Bー 1

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いろいろなお庖があった方がみんなが楽しいでしょうJ6月24日 夏 祭 り の 準 備 を し て い た が , 子 ど も た ち が そ れ ぞ れ に お 庄 の 準 備 を し て い て 誰 が 何 を し て い る の か わ か ら な い で い た 。 そ こ で , き り ん 組 会 議 を 聞 き , ど ん なおj吉を聞くのか改めて話し合った。

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すると, B男が B男「先生,ここにお唐の名前を書いて。」

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ど う し て ?J B男「だって,どんなお居があるかわからないから。書いた方がわかるでし ょ。」

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そうだね。お庖の名前を書くのね。わかった。」 A子「そして,お盾をする人の名前もね。」 T

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み ん な の 名 前 ?J H男「あのさ,みんなの名前を書いたらさ,だれが何をしてるかつてわかる たい。」

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先 生 が 書 い て い い の ?J B男「先生,これを使っていいですかワ」 と言って,ホワイトボードに貼つであるネームプレートをはずす。 きりん組のみんなが自分がしているお庖にネームプレートを貼り付けた。 すると, B男が大きな声で, B男「お隣のクラスの人たちにも言ってきます。」と言う。 夏祭りを一緒にしようと誘うと言うのだ。他の子どもたちも「お隣のクラスの 友達とも一緒にする。 J

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年 長 で 一 緒 に 夏 祭 り し よ う 。 」 と 言 い 始 め る 。 会 議 が終わった後,

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男に保育者がたずねた。 T

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ねえ, B男 君 。 ど う し て 言 っ て き ま す っ て 言 っ た の ?J B男「だって,いろいろなお唐があった方がみんな楽しいでしょう。りす組 さんとかぞう組さんとかね。あっ,くま組さんもです。」 と言った。 │保育者の振り返り│ 話合いの中でも自分の思いをどんどん言葉で表現する B男。アイデアも豊富で 遊 び を 楽 し く し て い る 。 こ の 事 例 で は , 年 長 組 み ん な で 一 緒 に 遊 び た い と い う 彼 の思いが言葉として表れていたことや,何より夏祭りをして年中児や年少児とも 遊ぶということを想定しながらの意見を述べる B男の成長を感じ,驚いた。たく さんのお唐があった方が来る人が楽しいだろうとお客さん(年中児・年少児)の 立 場 に な っ て 考 え て い る 姿 も 見 せ て い た 。 (5観点でいうと『他児または他者の 立場から物事を見ようとする姿Jl ) │次にどうしたいのか・どうすればよいのか│ ・相手の立場に立った意見や考えをB男 が 出 し た 時 に は , 大 い に 認 め る よ う に す る0 ・相手の立場になって考えることができるようになった姿を継続して観察する。 特に年中児,年少児に対する言葉かけや接し方を注意深く観察する。

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│保育カンファレンス

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(学部教員を交えた保育カンファレンス) < 井 口 教 員 よ り > ・この事例を通してB男のリーダー性を感じる。リーダーとして育てていくとよ

B男はアイデアマン。みんなのことを結構見ている。みんなをまとめていくカ がある。 最初は小グループでもよいのでグループのリーダーにしてみてはどうか。 .リーダーとはどういう役目なのかということからB男に感じさせていく。 目的意識をもってみんなの役に立つようにさせる。 保育者のサポートが必要ではあるが,やりたいこと,おもしろいことを企画さ せる。 遊 び の 質 が 問 わ れ て い る 今 日 だ か ら こ そ , 持 続 性 が あ り ス ト ー リ ー 性 , 協 力 性 のある遊びを企画させてみてはどうか。 ・車に興味をもっているので彼独自の世界を認めながら『車博士』と他の子ども たちに紹介するなど保育者が他の子どもたちとの聞に入り,これまでの保育者 とB男かかわりから友達と B男とのかかわりへと移行させる。 〈 小 西 教 員 よ り > ・困難にも立ち向かえるし,他者のことも考えられる。 この事例を見るとまさにリーダー的存在であることを感じる。 < 他 教 諭 よ り > • 3, 4歳児の時は友達とのトラブルがあったようだが,現在はどうなのか。 →ほとんどない。 →ある意味,いままでに出し切ったのではないか。(井口教員) < 担 任 よ り > ・車を折り紙でつくる遊びに熱中している。ただ,平面である。ちらしの車にも 興味がある。 あくまでも平面にこだわる姿が少々心配なところではある。 →おそらく,彼の頭の中で映像的に細かいところまではあるが自分で作ること ができないとわかっているから平面に作っているのではないか。(井口教員) →いつか本物のリアルなものに興味をもっ可能性はあるのか。(小西教員) リ ア ル に 近 づ け ば 自 分 な り の オ リ ジ ナ リ テ ィ ー へ と 近 づ け よ う と す る こ と が あるかもしれない。 →モデルを示すのもよい。(井口教員) 今は,平面にこだわりをもっている。今はとにかくたくさん作りたいと思っ ているのでは。 │次にどうしたいのか・どうすればよいのか

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(カンフアレンスを終えて) -友達とかかわる中でトラブルの多かったB男 で あ る が , 年 長 組 に な っ て 少 し ず

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っ そ の 姿 が 変 わ っ て き た 。 自 分 本 位 だ っ た B男 が 友 達 の こ と を 考 え て 発 言 す る 姿 が 見 ら れ る よ う に な っ て き た 。 そ の 姿 を 保 育 者 が 大 い に 認 め る と と も に , 遊 び の 中 で 出 さ れ る 楽 し い ア イ デ ア や イ メ ー ジ を 共 有 し , 友 達 に 伝 え る こ と で B 男 が 他 の 子 ど も た ち と か か わ る こ と が で き る よ う に し て い き た い 。 グ ル ー プ 活 動 でB男が活躍できる場を保育者が設定し, B男 に 友 達 と か か わ る 楽 し さ や 自 分 の イ メ ー ジ を 友 達 と と も に 形 に す る 過 程 の 楽 し さ を 感 じ さ せ て い き た い 。 ま た , 彼 の 好 き な 『 車 』 を 媒 体 に し な が ら 遊 び が 広 が る よ う な 環 境 も 整 え て い き たい。 事 例B - 2

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僕 は 車 が 好 き な ん だ !J 9月 20日 実習生の半日保育。絵の具を使った造形遊び。 き り ん 組 の 前 に い ろ い ろ な 場 を つ く っ て い る 。 絵 の 具 を 泡 立 て て ボ ー ド に 絵 を 描 く 泡 の 絵 コ ー ナ ー (

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あ わ あ わ 地 獄J) , ベ ッ ト ボ ト ル に 絵 の 具 を 溶 か し て 斜 め に し た ボ ー ド に 流 し て 遊 ぶ 流 し 絵 コ ー ナ ー ( 勇 者 の 坂 道 ) , 絵 の 具 を 含 ま せ た ペ ー パ ー を 板 に ぶ つ け て 遊 ぶ 投 げ つ け 絵 遊 び コ ー ナ ー ( 恐 竜 草 原 ) な ど 子どもたちが遊んでみたいと思う場を実習生なりに考えていた。 汚 れ る の に 少 し だ が 抵 抗 が な く な っ て き た B男 で あ っ た が , 実 習 生 は 彼 を 観 察 し , 彼 が 車 や 車 輪 や 丸 く 動 く も の に 興 味 関 心 が あ る こ と を 考 慮 し て , 流 し 絵 コ ー ナ ー で は 箱 で 作 っ た 車 に 車 輸 を つ け , そ の 車 輪 の 表 面 に は 凹 凸 を 付 け て い た。車を動かすとコロコロとスタンプが紙につく住掛けだ。 登 園 し た B男。支度をしながら外を見て眺びはねる。 B男「先生,今日は何の冒険ですか?見ているだけで楽しくなっちゃいます。 J

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何でしょうね。今日はお勉強先生と一緒に遊びましょう。」 B男「わかりました。」 朝 の 支 度 を 素 早 く 済 ま せ た B男 。 実 習 生 A (以下 TA) , Bが 見 守 っ て い る。 すると, T AがB男に話しかけた。 T A rB男君,準備終わりましたかワ」 B男

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3つの約束ができました。お外に行って遊びます。」 そ う 言 っ て 実 習 生 が 準 備 し た 場 に 行 っ て 遊 び 出 す 。 最 初 は , 以 前 , 似 た よ う な 揚 で 遊 ん だ こ と の あ る 投 げ つ け 絵 遊 び コ ー ナ ー へ と 行 く 。 汚 れ る の も 平 気 で ど ん ど ん 遊 ぶ 。 絵 の 具 を し み こ ま せ た テ ィ ッ シ ュ を 障 子 紙 に 投 げ つ け る と 恐 竜 の絵が浮き出てきた。 B男 「 お お ー っ 。 何 か 出 て き ま し た ? す ご い ! 恐 竜 で す !J 10分くらい遊んでいたが,次に隣の流し絵コーナーへと移動した。すると, B 男が遊ぶだろうと予想し,準備していた車を発見する。 B男「僕の好きな車だ!見て『見て!僕の好きなフオルクスワーゲンがある。僕

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は 車 が 好 き な ん だ !J そ う 言 っ て , 車 を 手 に 取 り , 何 回 も 何 回 も 車 を 転 が し て 遊 ん だ 。 紙 に つ い た タ イ ヤ の 模 様 を 見 な が ら 喜 ぶ B男。 事例 B- 3

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トヨタ工場」 (10月24日〉 秋 ま つ り が 終 わ っ た 。 子 ど も た ち は , 秋 ま つ り の 計 画 を 話 し 合 っ た 時 に 出 し 物 だ け で な く , お 庖 も 聞 き た い と 言 っ て い た 。 そ こ で , そ の こ と を 子 ど も た ち に投げかけると.

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年 長 の 秋 ま つ り を し た い 。 」 と 言 う 。 そ こ で ど ん な 材 料 が い る の か 話 し 合 っ た 。 子 ど も た ち は , 段 ボ ー ル 箱 , 空 き 箱 , 牛 乳 パ ッ ク , モ ー ル , ビ ー ズ , 紙 袋 , 紐 な ど を 準 備 し て ほ し い , 自 分 た ち も 家 か ら 持 っ て く る と 10 月 24 日 ~30 日 百う。 ( 10月25日〉 男 児 の 何 人 か が 段 ボ ー ル 箱 を 運 ん で き て 何 を 作 る か 相 談 し て い る 。 そ の 中 に B男 も い た 。 メ ン バ ー はB男.

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男. D男. E男. F男である。 T

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何 を 作 っ て い る の ?J B男「トヨタ工場で す。 J T

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えっ 0 ト ヨ タ 工 場 ?J B男「そうです。トヨタ工場です。車の部品や車を販売する工場です。 J

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それはすごいねえ。」 E男「今,何を作ろうかつて相談してる。」 T

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楽しみ!また後で教えてね。」 E男 「 わ か っ た !J そ う 言 っ て し ば ら く 保 育 者 は そ の 場 を 離 れ , 見 守 る こ と に し た 。 す る と , 使 っ て も い い 紙 が 入 っ て い る か ご か ら 画 用 紙 を 取 り 出 し た B男.

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男。何をする の か と 見 て い る と 鉛 筆 で 車 の 部 品 を 描 い て い る 。 驚 い た こ と に , い つ も は 自 分 か ら 絵 な ど 描 く こ と の な いC男が絵を描いている。 B男 が 描 い て い る の を 見 て 真似をしている。 B男 「 こ う な っ て , こ う い く と エ ン ジ ン が 動 く 仕 組 み 。 あ っ .

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男 君 上 手 だ ねえ。すごい,すごい。 J C男「ありがとう。」 B男 「 僕 は ハ イ ブ リ ッ ド 車 を 描 い て い る ん だ け どC男 君 は ?J C男「うーん。考えながら描いてる。」 B男「わかった,考えながら描いて,後でわかるんだよね。 J C男「そういうこと。でも絵は苦手なんだよなあ。」 そ う 言 い な が ら 二 人 は 1時 間 ほ ど 絵 を 描 い た り , 他 の 子 ど も た ち と 相 談 を し たりしながら遊んでいた。保育者は出来上がりを見たいと思い,言葉をかけた。

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そ ろ そ ろ で き ま し た か ?J B男「設計図です。 C男君と描いたんです。」 T

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すごーい。」 保育者の芦に他の子どもたちも寄ってきた。 A子「上手いねえ。」 D子「すごい。 J C男「設計図を描いてる。 J T

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ま だ 途 中 な の ?J C男「うん。途中。」 B男「二人で描いてるんです。」

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できたら見せてね。楽しみに待ってるよ。 J C男「うん。」 B男「ハイブリッド車だから時聞がかかるんですよ。 J その後二人は保育者を呼んで,描いた絵を何枚か見せてくれた。 トヨタ工場 のメンバーはハンドルを作り,車を作ろうと相談していた。相談は B男 が 中 心 となって行われた。

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保 育 者 は , お 陪 と い う と 品 物 が あ っ て そ れ を 売 る も の と い う イ メ ー ジ を 思 い 浮 かべていたため,この工場がどうなっていくのか興味をもったと当時に心配で もあった。今まで平面の車しか作らなかったB男 。 今 度 は ど の よ う な イ メ ー ジ をもって遊んでいるのかと黙って見守ることにした。

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すると, B男が保育者に話しかけてきた。 B男 「 先 生 , 紙 の 皿 を 使 っ て い い で す か ?J T

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どうぞどうぞ。さっき, B男 君 達 が ハ ン ド ル を 作 っ て い た か ら も っ と 作 る か な あ と 思 っ て た く さ ん 準 備 し ま し た よ 。 ち ょ っ と 変 わ っ た お 皿 も 増 や し たので使ってみてください。 j 様 子 を 見 な が ら 材 料 を 増 や し た 保 育 者 。 す る と , B男「これはいい!使いまーす。」 そ う 言 っ てB男 は 深 型 の 皿 と 材 料 箱 か ら 探 し 出 し た ガ ム テ ー プ の 芯 を 手 に と っ て 何 や ら作り出した。しばらくして, B男 「 じ ゃ ー ん 。 車 が で き ま し た !J B男 が 幼 稚 聞 で 立 体 の 草 を 初 め て 作 っ た 瞬 間だった。 F男 Iょ く で き て る ね 。 僕 も や っ て み た レ、。」 B男「いいょっ。 一緒に作ろう。 J

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そ う 言 っ て , 一 緒 に 作 り 始 め た 。 今 ま で 折 り 紙 で し か 車 を 作 ら な か っ た B男 が 立体の車を作った。 T

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ねえ, B男君。 B男 君 の 作 っ た 車 , 素 敵 ね 。 自 分 で 考 え た の ?J B男 「 そ う で す よ 。 家 で 作 っ た か ら 幼 稚 園 で も 作 っ て み よ う っ て 思 っ て 。 盆 稚 園 で も ( 車 を ) 動 か し た こ と が あ る か ら 思 い 出 し て 作 り ま し た 。 j ① T fB男 君 が 作 っ た っ け ?J B男 I

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J 何も言わずに,作ることに集中し始めた。 (10月28日〉 朝 か ら 登 圃 す る と 保 育 者 に す ぐ に 話 し か け るB男。 B男「今日もトヨタ工場をします。」 T

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そ う で す か 。 頑 張 っ て ね 。 先 生 に 手 伝 え る こ と が あ っ た ら 言 っ て く だ さいね。 J B男 「 あ り が と う ご ざ い ま す 。 今 は あ り ま せ ん よ 。 」 な ど と 言 い な が ら 笑 顔 で あ る 。 朝 の 支 度 を す る と 年 長 会 議 を 聞 く こ と に な っ て い た 。 年 長 児 そ れ ぞ れ が お 庖 の 準 備 を し て い た が , 誰 が 何 の お 庖 を 聞 く の か は っ き り 決 め よ う と 先 週 の 金 曜 日 に 年 長 組 の み ん な で 約 束 し て い た の だ 。 年 長 会 議 でB男はトヨタ工場をしたいと言った。 ト ヨ タ 工 場 の メ ン バ ー は 今 ま で 遊 ん でいたメンパーだった。 会 議 が 終 わ る と 早 速 み ん な で 相 談 し て , 段 ボ ー ル を 使 っ て 車 を 作 ろ う と し て

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い た が な か な か 進 ま な い 。 そ こ で , 秋 ま つ り で 使 っ た 川 船 を 解 体 し て 段 ボ ー ル 箱をリサイクノレすることになった。すると,段ボール箱に穴が空いているのを 見た B男がすぐに, B男「先生,この箱をください。」

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いいよ。何に使うの ?J B男「それはまだ秘密です。 J そう言ってメンバーと箱を運んで相談し始める。ガムテープや紙皿,割り箸等, 自分たちで材料を選んでは貼り付けている。頭を付き合わせながら相談する。

相臨む.,,1:;ワ〈ー

トヨ ..z.Ø))f ~/i ー遮 そして,段ボール箱の車が出来上がった。 B男「先生,出来ました。見てください。 J 出 来 上 が っ た 箱 を 車 に 見 立 て て 乗 っ て み せ る B男であった。 官

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車 輪 ・ ・ ・ 紙 皿 ワインカー, ミラー等・・・ガム テ ー プ ギア・・・割り箸 『年長秋まつり』当日 (10月31日 ) は , テ ー プ ル に ハ ン ド ル や 設 計 図 , 紙 皿 車 を 乗 せ て 売 っ た り , 段 ボ ー ル 箱 の 車 に 年 中 組 や 年 少 組 の 子 ど も を 乗 せ て 楽 し ん でいた。

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t: e ,','c,.車。t:..,'C患い"A.電電t. れ ~t= I'" 白書自治Q)悟 S 竜F ~号 E 動指世曹司to (iii)学部教員を交えた保育カンファレンスを通して 以上,学部教員と保育カンフアレンスを行った一部分ではあるが,大いに次の 保 育 を 考 え る 手 立 て を 得 る こ と が で き る も の だ っ た 。 こ の よ う な 保 育 カ ン フ ァ レ ンスを行うことは,教職員だけでは導き出すことのできない子どもの見取りや観 察 記 録 の と り 方 に つ い て , 専 門 的 な 立 場 か ら 示 唆 を い た だ く こ と が で き 日 々 保 育 を省察するよい機会にもなり,大変有効であった。日々継続して子どもを観察し ているが,保育者の主観で子どもを理解している部分もある。しかしながら学部 教員も子どもの遊ぶ姿を観察し,保育者と共に子ども理解をより深めていくこと ができた。また,日々の保育の中での様々なケースで,子

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もへの働きかけやか かわり方がどうだったのかについて保育者が学部教員に質問することで,保育者 が 悩 ん で い る こ と を 少 し で も 解 決 し , 次 の 保 育 の 手 立 て を 得 る こ と が で き る 場 合 もある。研究保育だけでなく,普段の保育の観察から意見交換できることは,次 の保育改善への手立てを得られるものとなった。

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3

)学びの連続性の検柾 昨年度から,卒園児についても小学校での学習の様子を観察記録・分析してい る。今年度は3月に卒聞した I男について,小学校での観察を 3回,幼小合同カ ンファレンスを 2回,大学の先生方を交えての検証を 2回行った。 I男 は 年 長 児 の 頃 は 追 求 し た い こ と に 熱 中 す る , 目 的 に 向 か つ て 黙 々 と 試 行 錯 誤 し な が ら や り 遂 げ る な ど の よ さ が あ る と 捉 え て い た 。 小 学 1年 生 と な っ た 今 年 度も, 「5つの視点jで の 観 察 を 継 続 し て い く こ と と し た 。 小 学 校 で の 授 業 を 観 察した後の幼小合同カンファレンスでは, 1男には課題を解決したいという意欲 が十分あり,教師の言葉かけや援助を支えとして,試行錯誤しながらも課題解決 に取り組む姿が見られたことから,幼児期に培っている関心・意欲・自発性が, 課題解決の意欲の土台になっているのではないか,左分析した。 その後,大学の先生方を交えての検証で得られたことは次の 2点である。 0幼小の合同カンファレンスの機会をもてたこと自体が成果である。今後も,長

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いスパンで観察・記録を蓄積することが大切である。

0小 学 校 以 降 は 授 業 の ね ら い が 明 確 に あ る の で , 様 々 な 課 題 に 対 し て 興 味 を も ち

や っ て み よ う と す る 意 欲 を も つ こ と が 大 切 で あ り , そ の 土 台 と し て 幼 児 期 の 学 びが重要である。 小 学 校 以 降 の 学 び と 幼 児 期 の 学 び の 連 続 性 を 検 証 し て い く 第 一 歩 と し て , 今 年 度 の 幼 小 合 同 カ ン フ ア レ ン ス を 足 が か り に , 今 後 も 幼 稚 園 と 小 学 校 の 学 び を 理 解 し 合 う 機 会 を 設 け , 生 涯 の 学 び の 土 台 と な る 幼 児 期 の 学 び に つ い て 研 究 を 深 め て いきたい。 4 研 究 の 成 果 この研究を通じての成果として 3点ある。 1点 目 は 「 子 ど も の 学 び が 少 し ず つ 見 え て き た 。 」 と い う こ と で あ る 。 遊 び を 通 し て の 学 び は 「 見 え な い 学 び 」 と 言 わ れ る 。 し か し な が ら , 保 育 者 自 身 が 子 ど もをテ・ファリキの

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つ の 視 点 」 で 観 察 記 録 , 分 析 す る こ と で , 子 ど も の 学 び の姿が少しずつ可視化できるようになり,子どもを「何かを為そうとする存在」 「有能な学び手」であると捉え,子どもを肯定的に見ることができるようになっ て き た 。 そ の こ と が 保 育 者 自 身 の 保 育 の あ り 方 を 見 直 す き っ か け と な り , 学 び の 連 続 性 ・ 発 展 性 を 生 み 出 す 保 育 の 改 善 に 繋 が っ て い る 。 保 育 者 の 言 葉 に も , 子 ど も の 行 動 に は 意 味 が あ る と 捉 え , 保 育 者 も 子 ど も の よ さ を 引 き 出 し た り 伸 ば し た り す る よ う な か か わ り 方 が 増 え た , 学 部 教 員 を 交 え た カ ン フ ァ レ ン ス で , 子 ど も の 遊 び の 理 解 が 深 ま り , 保 育 者 も 日 々 の 保 育 に 自 信 が も て た , 子 ど も の 発 達 そ の も の に つ い て の 理 解 や 子 ど も へ の 援 助 の 理 解 が 深 ま っ た , な ど と あ り , こ の 研 究 を通して子どもの理解を深め保育の充実を図っていくことができた。 2点目として,この研究を通して.

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保 育 者 の 思 い 」 に よ る 保 育 か ら 「 子 ど も の思いに寄り添った保育」へと変わってきたということである。子どもの関心・ 意 欲 ・ 自 発 性 は 何 に あ る の か , そ れ ら は ど の よ う な 環 境 構 成 や 保 育 者 の 援 助 が あ れ ば さ ら に 高 め て い く こ と が で き る の か , と い う 思 い を も っ て 保 育 に 取 り 組 む よ うになってきた。 3点 目 は , 学 び の 連 続 性 の 検 証 が 少 し ず つ 蓄 積 で き た と い う こ と で あ る 。 幼 児 教 育 に 携 わ る 立 場 か ら 見 る と , 卒 園 児 の 小 学 校 で の 継 続 観 察 , 幼 小 合 同 カ ン フ ァ レ ン ス を 通 し て , 幼 児 期 の 学 び が 小 学 校 の 学 び に 繋 が っ て い る こ と を 知 る 機 会 を 得ることができた。例えば.

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関心・意欲」や「熱中」は小学校での学びを深め, 発展させること,また.

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困 難 に 立 ち 向 か う 」 こ と は , 学 び を で き た , で き な か っ た と い う 「 結 果 志 向 」 で は な く , 学 び そ れ 自 体 を 楽 し む 「 学 び 志 向 」 に 繋 が っ ていくことを,卒園児の姿からほんのわずかではあるが垣間見ることができた。 し か し , 追 跡 卒 園 児 の 事 例 数 は 少 な い 。 検 証 の 客 観 性 を 高 め る に は , 今 後 も 追 跡 卒園児を増やし,事例数の蓄積を進めていくことが重要であると考える。

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今 後 の 標 題 3か 年 に 渡 り , 本 研 究 を 進 め て き た が , 研 究 を 深 め て い け ば い く ほ ど , 幼 児 教 育 の 奥 の 深 さ を 感 じ て い る と こ ろ で あ る 。 子 ど も の 学 び を 可 視 化 す る 手 が か り が 掴めた部分もあるが,小学校以降の学びを見通した幼児の学びの在り方を求め, 今後,取り組むべき課題についてまとめた。

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子 ど も を 自 ら 何 か を 為 そ う と し て い る 姿 に 見 い 出 せ る

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つ の 視 点 」 か ら 観 察 記 録 → カ ン フ ア レ ン ス ( 分 析 ) → 環 境 構 成 と 教 師 の か か わ り の 改 善 ・ 工 夫 と い う 一 連 の サ イ ク ル を 今 後 も 継 続 し , 子 ど も 理 解 と 保 育 の 改 善 ( す な わ ち 学 び の連続性・発展性)を図っていく。

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抽 出 児 を 継 続 的 に 観 察 記 録 し て い る こ と が 他 の 幼 児 の 子 ど も 理 解 や 保 育 の 改 善 に 生 か さ れ て い る が , 今 後 も 継 続 し , 他 の 幼 児 に つ い て も 事 例 を 取 り , 様 々 な幼児についての事例の蓄積をさらに行っていく。

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小 学 校 以 降 の 学 び と 幼 児 期 の 学 び の 連 続 性 の 検 証 の た め に , 事 例 の 蓄 積 と 幼 小 合 同 カ ン フ ァ レ ン ス を 学 部 教 員 も 交 え て 定 期 的 に 行 い , 幼 小 の 職 員 聞 で 相 互 の学びについての理解を深めていく。

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幼 児 期 だ か ら こ そ 十 分 に 味 わ え る 学 び 」 を 大 切 に し な が ら , 幼 小 の 円 滑 な 接続が図れるように教育課程の見直しを進めていく。 以上,この 3か 年 の 研 究 を 士 台 に し な が ら 幼 児 期 の 学 び に つ い て , 更 に 探 求 し ていきたい。 - 大 宮 勇 雄 他 著 ・ 大 宮 勇 雄 著 ・ 大 宮 勇 雄 著 参 考 文 献 ・ 資 料 「子どもの心が見えてきた」ひとなる書房, 2011 「学びの物語の保育実践」ひとなる書房, 2010 「保育の質を高める」ひとなる書房, 2006 「現代と保育 6 9号 レ ッ ジ ョ と テ ・ フ ァ リ キ 」 ひ と な る 書 房 「現代と保育 8 2号 小 学 校 と の 接 続 を 考 え る 」 ひ と な る 書 房 ・木下光二 著 「育ちと学びをつなげる 幼 小 連 携 一 小 学 校 教 頭 が 幼 稚 園 へ と び 込 ん だ 2年間一J, 2010 ・小田豊 神 長 美 津 子 編 著 「幼稚園教育要領の解説」ぎょうせい, 2008 ・全国国公立幼稚園長会 「幼稚園じほう J, 2011・2012・2013 ・文部科学省 「幼稚園教育要領」 ・文部科学省 「幼稚閏教育要領解説」 ・全国幼児教育研究協会 編 「学びと発達の連続性一幼小接続の課題と展望」 チャイルド本社, 2006 ・塩 美 佐 枝 編 著 「幼児の遊びと学び一実践から読み取る知的発達の道筋一 チャイルド本社, 2010

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参照

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