三豊市水道事業基本計画
三 豊 市 水 道 局
(三豊市水道ビジョン)
1.水道ビジョン策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.三豊市の概要と水道事業の沿革 2-1.三豊市の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2-2.水道事業の沿革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3.現状の分析と課題 3-1.水需要見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 3-2.水道施設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 3-3.給水装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 3-4.危機管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 3-5.事業経営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 4.水道ビジョンの方針 4-1.基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 4-2.基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 5.施策の概要 5-1.水道の運営基盤の強化・顧客サービスの向上(安定) ・・・・・・ 25 5-2.安心・快適な給水の確保(安心) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 5-3.災害対策等の充実(持続) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 5-4.環境・エネルギー対策の強化(環境) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 5-5.施策概要一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 6.事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 7.財政計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 8.計画推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
目 次
1.水道ビジョン策定の趣旨
平成18年1月1日の三豊市の誕生とともに開始された三豊市水道事業は、少子 高齢化社会の進展に伴う人口の減少や市民の節水意識の向上等による料金収入の減 少、水質管理の強化、老朽化した施設の更新、危機管理への体制強化、多様化・高 度化するお客様ニーズへの対応等さまざまな課題を有しています。 このような水道を取り巻く環境の変化による課題を解消すべく、厚生労働省は平 成16年に水道ビジョンを打ち出しました。世界のトップランナーとしての水道を 目指して幾多の課題の中から重点的な政策課題を抽出し、その具体的な施策および その施策の実現工程を包括的に明示するものであります。このことにより水道事業 者は、水道の将来像を共通認識のもとに描き、その実現に向けての作業が計画的か つ確実に行えることが可能となりました。 今後、三豊市水道事業が直面しているさまざまな課題に対処していくためには、 「水道ビジョン」に示された方策を基本として目標を設定し、現状の水道の改善・ 改革を推し進める取り組みが必要不可欠であります。 このような状況に対応するため、三豊市では平成18年度に「三豊市水道事業基 本計画」を策定し、現在の財務状況や施策の取組状況を分析した上で、課題や問題 点の把握・検討を行い、将来の事業計画として水需要予測に基づく収入面での見通 し、事務事業の見直しおよび施設整備計画など支出面での見通しを勘案し、「安全 ・安心・安定」に主眼をおいた、平成28年度までの長期構想をとりまとめました。 この「三豊市水道ビジョン」は、「三豊市水道事業基本計画」に基づいて、厚生 労働省が示した水道ビジョンにおける「安心」「安定」「持続」「環境」の4つの 視点から、三豊市の地域特性を加味したものとなっており、三豊市水道事業の総合 的な計画として位置付けられるものであります。厚生労働省「水道ビジョン」の基本理念及び政策課題 【基本理念】 【政策課題】
世界のトップランナーを目指して
チャレンジし続ける水道
自らが高い目標を掲げて、常に進歩発展 将来にわたって需要者の満足度が高くあり続け、 需要者が喜んで支える水道あらゆる分野で世界のトップレベルの水道
<安心> <安定>
<持続>
<環境> <国際>
2.三豊市の概要と水道事業の沿革
2-1.三豊市の概要 高瀬町、山本町、三野町、豊中町、詫間町、仁尾町、財田町の7町は三豊地区の 中心部に位置し、海、山、平野部がおのずから「田園都市」を形成するのにふさわ しい条件を備えています。また古くから共通の生活・文化圏のもとに、各町の住民 間でも互いに町域を超えた様々な交流やふれあいを活動を積み重ねてきています。 この7町が平成18年1月1日に合併し、新たに三豊市が誕生しました。 三豊市は香川県の西部に位置し、愛媛県や高知県にも近い位置にあります。北東 部は象頭山(琴平町)、大麻山、弥谷山などに接し、南東部は讃岐山脈の中蓮寺峰、 若狭峰、猪ノ鼻峠、六地蔵峠などを境に徳島県に接しています。北西部は、瀬戸内 海に突き出た荘内半島があり、その南部には、砂浜の美しい海岸線が続いており、 粟島、志々島、蔦島などの島しょ部もみられます。中央部には三豊平野が広がり、 東部から西部に向かって財田川、東部から北部に向かって高瀬川などの河川が流れ、 豊かな田園地帯を形成しています。また、三豊平野にはため池が多数点在し、新市 の地勢の大きな特色となっています。市内には、北東から南西方向に高松自動車道、国道11号、377号、JR予讃 線が走り、南東部には、南北に国道32号、JR土讃線が走っており、幹線交通軸 を形成しています。特に高速自動車道については、さぬき豊中インターチェンジを 有するほか、三豊鳥坂インターチェンジが開通しました。また、国道32号を通じ て井川池田インターチェンジとも連絡し、高松、松山、高知、徳島、岡山など各方 面に向けて交通の利便性が高くなっています。 さらに、JR高瀬駅、詫間駅には、特急電車が停車するほか、土讃線の分岐点で あるJR多度津駅、高松空港など交通の結節点にも近く、四国における交通の要衝 に近接した恵まれた交通条件を有しています。 また、海上交通の拠点として、国際貿易港である詫間港とマリンレジャーのさか んな仁尾港の2つの地方港湾(県管理)を有しています。 新たな時代を迎えた現在、21世紀初頭のまちづくりの指針である「三豊市新総 合計画」を平成21年度までに策定し、新たな三豊市の将来像を定め、その実現に むけたまちづくりに取り組んでいます。
2-2.水道事業の沿革 三豊市の各町ごとの水道事業の沿革は表1に示すとおりです。 表1 水道事業の沿革 認可 年月日 起工年月 竣工年月 計画給水 人口(人) 計画1人1 日最大給 水量(ℓ) 計画1日 最大給水 量(㎥) 創設 S32.12. 5 S32.12 S34. 3 4,950 202 1,000 第1次拡張工事 S36. 2. 1 S37. 1 S37. 5 6,000 217 1,300 第2次拡張工事 S40. 3.31 S40. 6 S41. 3 10,500 220 2,310 第3次拡張工事 S44. 3.31 S44.12 S45. 3 10,750 233 2,500 第4次拡張工事 S47. 3.31 S47. 7 S49. 3 13,000 300 3,900 第5次拡張工事 S56. 6.10 S56. 7 S57. 3 16,100 391 6,300 第5次拡張変更 S57.12. 7 S56. 7 S62. 3 19,000 500 9,500 第5次拡張変更 S60. 7.29 S60. 8 S62. 3 19,000 500 9,500 第6次拡張工事 H17. 6.10 H17. 7 H29. 3 17,000 555 8,400 創設 S46. 3.31 S47. 4 S47. 6 7,200 400 2,880 第1次拡張工事 S55. 3.24 S55. 4 S63. 3 8,500 588 5,000 第2次拡張工事 H17.11.29 H18. 4 H29. 3 8,500 588 5,000 創設 S46. 3.26 S46. 4. 1 S48. 3.31 11,000 300 3,300 第1次拡張工事 H 2. 3.30 H 2. 4. 1 H 5. 3.31 11,000 432 4,750 第2次拡張工事 H17. 1.20 H17. 4. 1 H28. 3.31 9,800 571 5,600 創設 S32. 2. 3 S34. 2 S35.11 9,200 397 3,656 第1次拡張工事 S38. 1.14 S38.11 S39. 5 9,200 539 4,956 第2次拡張工事 S49. 9.10 S49. 7 S52. 3 9,890 1,142 11,300 第2次拡張変更 S52. 2.31 S49. 7 S54. 3 11,800 957 11,300 第3次拡張工事 H 6. 3.15 H 5. 4 H 6. 3 11,800 661 7,850 経営変更認可 H17. 8.31 H18. 4 H29. 3 11,800 695 7,800 創設 S26. 1.16 S26. 1 S26.10 7,500 120 906 第1次拡張工事 S29. 5 S30.10 S34. 1 10,350 195 2,018 第2次拡張工事 S34. 5. 7 S34. 5 S36. 3 20,000 228 4,560 第2次拡張変更 S36. 3.10 S37. 7 S39.12 20,000 237 4,810 第3次拡張工事 S43. 3.30 S43. 7 S45. 7 20,000 237 4,810 第4次拡張工事 S46. 3.31 S46. 4 S49. 3 20,000 400 8,000 第4次拡張変更 S47. 3.31 S46. 4 S49. 3 20,000 650 13,000 第5次拡張工事 H 2.12. 1 H 3. 1 H 8. 3 18,700 920 17,200 第5次拡張変更 H 9. 3.27 H 9. 9 H13. 3 18,700 920 17,200 第6次拡張工事 H17. 3.31 H17. 4 H29. 3 15,000 1,113 16,700 創設 S26. 1.16 S26. 2 S29. 6 5,000 90 450 第1次拡張工事 S38.12.15 S38.12 S39. 2 5,000 120 600 第2次拡張工事 S45. 1.22 S45. 6 S48. 3 5,500 310 1,700 第3次拡張工事 S48. 1.25 S47.12 S48. 3 5,500 310 1,700 第4次拡張工事 S49. 3.30 S49. 4 S51. 3 6,500 260 1,700 第5次拡張工事 S53. 5.24 S53. 6 S54. 3 6,700 260 1,742 創設 S50. 8. 8 S50.10 S53. 3 4,800 181 867 第1次拡張工事 S54.10. 9 S54.10 S55. 2 4,800 181 867 第2次拡張工事 S63. 5.31 S63.11 H 2. 3 4,800 332 1,594 第3次拡張工事 H 9. 3.28 H 9.12 H11. 3 4,730 413 1,951 第3次拡張変更 H10. 8.25 H11. 9 H12. 3 4,730 413 1,951 第3次拡張2回目変更 H17.12. 6 H18. 4 H29. 3 4,500 493 2,220 出典:「みとよの身の丈」平成19年版 仁 尾 町 財 田 町 区 分 高 瀬 町 山 本 町 三 野 町 豊 中 町 詫 間 町
昭和20年代に詫間町及び仁尾町で創設認可を受けて給水を開始し、次第に他の 5町も給水を開始していきました。その後、生活水準の向上、産業の発展、経済成 長に伴って拡大する水需要や未給水区域解消のため、各町とも数回拡張事業を行い ながら徐々に給水区域を拡大させてまいりました。 三豊市水道事業としては三豊市の誕生とともに、以下の規模で運営を開始し、現 在に至っています。 三豊市水道事業規模 目標年度 平成28年度 計画給水人口 71,700人 計画1日最大給水量 48,400㎥/日
3.現状の分析と課題
3-1.水需要見通し (1) 給水人口等の動向 行政区域内人口は、過去10年間(平成8~17年度)で約4,000人減少し ました。給水区域内人口及び給水人口の推移も同じです。給水普及率は99%(平 成17年度実績)となっています。図1に給水人口等の実績と将来推計を示します。 図1 給水人口等の実績と将来推計 ① 行政区域内人口の見通し 三豊市の人口は過去10年間減少傾向が続いています。現在(平成17年度実績) は71,192人となっており、目標年度(平成28年度)には67,257人に なると推計されます。 ② 給水区域内人口の見通し 平成17年度末の給水区域内人口は71,177人であります。現在、行政区域 内人口は減少に向かっていますので、給水区域内人口も減少傾向で推移すると考え られることから、平成28年度の給水区域内人口は67,242人になると推計さ 60,000 65,000 70,000 75,000 80,000 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24 H26 H28 年 度 人口(人) 行政区域内人口 給水区域内人口 給水人口③ 給水人口の見通し 給水区域の拡張予定はありませんので行政区域内人口と同様の減少傾向とし、平 成28年度の給水人口は66,532人になると推計されます。 (2) 給水量等の動向 平成17年度の1日平均有収水量、1日平均給水量実績はそれぞれ27,951 ㎥/日、30,342㎥/日であります。過去10年間の推移を見ると若干減少傾 向にあります。1日最大給水量は最大が43,630㎥/日(平成12年度)で、 最小は39,324㎥/日(平成17年度)となっております。図2に給水量等の 実績と将来推計を示します。 図2 給水量等の実績と将来推計 ① 有収水量の見通し 給水人口の減少傾向に加え、節水意識の高揚や節水機器の普及等により使用水量 の減少が考えられることから、今後の見通しは若干減少傾向で推移すると考えられ ます。 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24 H26 H28 年 度 水 量(㎥ ) 有収水量 1日平均給水量 1日最大給水量
② 1日平均給水量の見通し 平成17年度の有収率は92.12%であり、全国平均の91.9%を上回って いる状況です。今後もこの高水準を維持していくものとすると、1日平均給水量は 平成28年度で30,977㎥/日と推計されます。 ③ 1日最大給水量の見通し 1日最大給水量は、平成12年度の43,630㎥/日をピークとして年度ごと に多少のばらつきが生じています。今後は負荷率が約75%で推移するとした場合、 平成28年度の1日最大給水量は、41,216㎥/日と推計されます。 (3) 行政区域内の新規需要見込み 将来、給水需要が見込まれる開発計画等においては、各種計画の具体化に合わせ て需要水量の見直しを適切に行っていきます。
3-2.水道施設 (1) 取水施設 三豊市の水道は、香川用水を水源とする香川県営水道からの浄水受水と、地下水 等の自己水を浄水場で処理している自己処理水で給水しています。 各水源における取水量を表2に示します。浄水受水量と自己水取水量はそれぞれ 30,390㎥/日、20,412㎥/日であり、合計で50,802㎥/日の計 画としています。香川県営水道への依存度は図3に示すとおり60%となっていま す。 各水源の水質は比較的良好であり、これまでに異臭味被害や給水停止に至るよう な水質事故は発生していません。 図3 取水状況 香川県営水道 浄水受水量 60% 自己水 取水量 40%
表2 取水量一覧 (単位:㎥/日) 取 水 量 予 備 水 量 計 大道水源 湖沼水 1,000 ( 900 ) 1,900 下土井水源 湖沼水 1,600 ( 1,000 ) 2,600 竹浅水源 深層地下水 0 ( 900 ) 900 川下水源 深層地下水 0 ( 300 ) 300 香川県営水道(黒島受水) 浄水受水 2,000 ( 0 ) 2,000 香川県営水道(爺神受水) 浄水受水 4,100 ( 0 ) 4,100 樋盥水源 浅層地下水 2,000 ( 0 ) 2,000 長瀬水源 浅層地下水 1,500 ( 0 ) 1,500 1号浅井戸 浅層地下水 970 ( 0 ) 970 2号浅井戸 浅層地下水 460 ( 0 ) 460 3号浅井戸 浅層地下水 290 ( 0 ) 290 4号浅井戸 浅層地下水 0 ( 290 ) 290 平柳水源 浅層地下水 220 ( 1,450 ) 1,670 香川県営水道(葛山受水) 浄水受水 5,390 ( 0 ) 5,390 第1水源浅井戸 浅層地下水 1,500 ( 0 ) 1,500 第2水源浅井戸 浅層地下水 2,500 ( 0 ) 2,500 第3水源浅井戸 浅層地下水 1,400 ( 0 ) 1,400 第4水源浅井戸 浅層地下水 286 ( 0 ) 286 地味田水源浅井戸 浅層地下水 0 ( 1,000 ) 1,000 樋の尻水源深井戸 深層地下水 1,012 ( 0 ) 1,012 第2水源深井戸 深層地下水 1,310 ( 0 ) 1,310 第4水源深井戸 深層地下水 416 ( 0 ) 416 第5水源深井戸 深層地下水 0 ( 1,000 ) 1,000 汐木第1取水塔 河川自流水 1,650 ( 0 ) 1,650 下高瀬水源 浅層地下水 0 ( 950 ) 950 香川県営水道(汐木受水) 浄水受水 6,700 ( 0 ) 6,700 香川県営水道(池尻受水) 浄水受水 3,300 ( 0 ) 3,300 香川県営水道(宝城受水) 浄水受水 5,200 ( 0 ) 5,200 仁尾町 香川県営水道(高区受水) 浄水受水 3,700 ( 0 ) 3,700 我久水源 浅層地下水 560 ( 0 ) 560 高倉水源 浅層地下水 590 ( 0 ) 590 林明水源 浅層地下水 762 ( 0 ) 762 雉子尾水源 浅層地下水 386 ( 0 ) 386 50,802 ( 7,790 ) 58,592 合 計 山本町 三野町 豊中町 詫間町 財田町 高瀬町 取 水 水 源 名 区 分
(2) 浄水施設 浄水施設は表3に示すとおり予備施設も含め9ヶ所あります。各浄水場で急速ろ 過処理、直接ろ過処理、または塩素消毒のみによる処理を行い、各配水施設に送水 しています。 自己水源の水質は現状において比較的良好であり、浄水水質は水質基準を全ての 項目において満足しています。しかし、水源の種別によれば将来的には水質の悪化 が懸念されるものもあります。現状、塩素消毒のみでの給水となっている財田町に おいては、特に十分な水質監視のもと運転を行っていますが、水質悪化がすすむと 発生が懸念されるクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原微生物対策が将来的には 必要と考えられます。 表3 浄水施設一覧 ※計画浄水量の( )は予備水量 竹浅水源 川下水源 水源→着水井→フロッ ク形成池→薬品沈澱池 →急速ろ過池→浄水池 →給水 急速ろ過 (直接ろ過) 方式 水源→着水井→混和池 →フロック形成池→急 速ろ過池→浄水池→給 水 なし あり 水 源 耐塩素性 病原微生物 対策 水源→着水井→急速混 和池→フロック形成池 →急速ろ過池→浄水池 →配水池→給水 急速ろ過 (直接ろ過) 方式(除鉄・ 除マンガン) 計画 浄水量 (㎥/日) あり あり 急速ろ過 方式 水源→着水井→混和池 →フロック形成池→薬 品沈澱池→急速ろ過池 →浄水池→配水池→給 水 (1,080) 浄 水 フ ロ ー ( 現 況 ) 大道水源 下土井水源 急速ろ過 方式 2,300 (1,750) 樋盥浄水場 210 (1,350) 平柳水源 大道浄水場 長瀬水源 樋盥水源 1号浅井戸 2号浅井戸 3号浅井戸 4号浅井戸 5,000 浄 水 場 名 川下浄水場 高 瀬 町 山 本 町 三野町 浄水場 三 野 町
表3 浄水施設一覧 ※計画浄水量の( )は予備水量 あり あり 水源→着水井→凝集剤 注入→混和池→重力式 急速ろ過池(複層)→浄 水池→給水 第4水源 地味田水源 樋の尻水源 第2水源 第4水源 第5水源 耐塩素性 病原微生物 対策 浄 水 フ ロ ー ( 現 況 ) 水源→塩素消毒→配水 池→給水 なし なし なし あり 急速ろ過 (直接ろ過) 方式 急速ろ過 (直接ろ過) 方式 水源→着水井→凝集剤 注入→混和池→圧力式 急速ろ過機(複層)→浄 水池→給水 第1水源 第2水源 第3水源 水 源 計画 浄水量 (㎥/日) 豊 中 町 豊中町 浄水場 深井戸系 詫 間 町 5,000 財 田 町 我久浄水場 雉子尾 浄水場 2,800 浄 水 場 名 豊中町 浄水場 浅井戸系 汐木第1 取水塔 汐木浄水場 1,500 水源→塩素消毒→配水 池→給水 急速ろ過+ 高度処理 方式 水源→着水井→pH調整 用混和池→反応槽→凝 集用混和池→浮上分離 槽→フロック形成池→ 高速凝集沈殿池→急速 ろ過池→浄水池→給水 水源→塩素消毒→配水 池→給水 塩素消毒 のみ 塩素消毒 のみ 塩素消毒 のみ 我久水源 林明水源 雉子尾水源 高倉浄水場 570 高倉水源 370 1,280
(3) 配水施設 配水池は73ヶ所あり、その総貯水容量は27,354㎥であります。これは計 画1日最大給水量41,413㎥/日の15.9時間分です。しかし、各町ごとに 見ると貯水能力にばらつきがあり、山本町では1日最大給水量の12時間分を下回 っている状況です。表4に各町ごとの配水池容量を示します。 表4 配水池容量 (単位:㎥) 現況容量 1日最大給水量 に対する貯水能力 高 瀬 町 7,349 5,132 16.8時間分 山 本 町 4,193 1,782 10.2時間分 三 野 町 4,434 2,873 15.6時間分 豊 中 町 6,691 4,912 17.6時間分 詫 間 町 13,796 7,743 13.5時間分 仁 尾 町 2,652 3,378 30.6時間分 財 田 町 2,298 1,534 16.0時間分 計 41,413 27,354 15.9時間分 現 況 町 名 1日最大給水量
(4) 監視施設 7町が合併したことにより、水源25ヶ所、香川県営水道受水点8ヶ所、浄水場 9ヶ所、配水池73ヶ所、ポンプ場63ヶ所もの施設を有しています。現在は、表 5に示すとおり既存の浄水場または水道局において各町ごとの水道施設の運転状況 を監視しています。 現在のシステムの中では、詫間町において場外施設に対する監視設備の整備が不 十分なままとなっています。 表5 監視施設一覧 高 瀬 町 山 本 町 三 野 町 豊 中 町 監 視 場 所 大道浄水場 樋盥浄水場 三野町浄水場 豊中町浄水場 監 視 設 備 監視盤+CRT設備 監視盤 データロガー設備 データロガー設備 通 信 方 式 専用回線 専用回線+公衆回線 専用回線+公衆回線 専用回線 監 視 範 囲 ◎ ◎ ◎ ◎ 摘 要 常時監視 常時監視 常時監視 常時監視 ラ ン ニ ン ク ゙ コ ス ト 定額制 定額+従量性 定額+従量性 定額制 信 頼 性 ◎ ◎ ◎ ◎ 災 害 発 生 時 ◎ ◎ ◎ ◎ 応 答 性 ◎ ◎ ◎ ◎ 夜 間 監 視 浄水場有人 非常通報装置 非常通報装置 浄水場有人 総 合 評 価 ◎ ○ ◎ ◎ 詫 間 町 仁 尾 町 財 田 町 備 考 監 視 場 所 汐木浄水場 水道局 水道局 監 視 設 備 監視盤 データロガー設備 データロガー設備 通 信 方 式 専用回線 公衆回線 公衆回線 監 視 範 囲 △ ◎ ◎ 摘 要 常時監視 間欠監視 間欠監視 ラ ン ニ ン ク ゙ コ ス ト 定額制 定額+従量性 定額+従量性 信 頼 性 ◎ ○ ○ 災 害 発 生 時 ◎ △(輻輳の発生あり) △(輻輳の発生あり) 応 答 性 ◎ △ △ 夜 間 監 視 浄水場有人 警報装置 警報装置 総 合 評 価 △ ○ ○
(5) 施設整備上の課題 施設整備上の課題を整理すると、表6のような状況にあります。 表6 施設整備上の課題 課 題 説 明 自己水源の水質は比較的良好ですが、将来的には原水水質の悪化も予想さ れます。このときに発生が懸念されるクリプトスポリジウム等の耐塩素性 病原微生物対策として、紫外線照射装置等による処理施設の導入が必要と なっています。 地震対策として主要な施設(浄水場、配水池など)や幹線管路の耐震化を 積極的に推進する必要があります。 渇水対策として各町間での水の相互融通を行うことができる連絡管の整備 が必要とされます。 現在は、浄水場または水道局で各町ごとに水道施設を監視しており、監視 が分散されています。限られた職員によって広範囲となった水道施設の運 転管理を行っていくためには、水道施設の一括集中監視を行い、情報を一 点に集約させる監視システムの構築が必要です。 また、場外施設に対する監視設備の整備が不十分となっている詫間町水道 施設については早期に整備する必要があります。 主要な施設の建設が昭和40~50年代であり、老朽化も進行してきてい ることから、対応が求められる時期を迎えています。したがって、計画的 かつ効果的な改良・更新整備を行うと同時に、水需要に対して能力が不足 する施設の増強も併せて行う必要があります。 埋設されてから耐用年数を経過した老朽管は耐久性・耐震性に欠けるため、 圧力向上対策と並行して計画的に更新していく必要があります。 管路の更新 施設の 老朽化 水質管理 と新基準 への対応 災害対策 の充実 監視設備 の更新
3-3.給水装置 (1) 貯水槽水道 ビルやマンション等に設置されている貯水槽水道に水を供給している水道事業者は、 供給規定の中に、水道事業者と貯水槽水道の設置者双方の責任に関する事項を定める 必要があります。この設置者の責任に関する事項についての周知指導を、現在は広報 を用いてより広く行っています。 (2) 直結給水 給水方式には直結式(直結給水)と貯水槽式があります。貯水槽式は貯水槽の管 理の不徹底等による衛生上の問題が懸念されます。この問題を解決する方策として、 貯水槽を必要としない直結給水の拡大に向けた施策の検討を行っています。 (3) 鉛給水管 鉛給水管は柔軟で扱いやすいことから以前は、給水管として使用されていました。 しかし、水道水が管内に長時間滞留すると鉛が溶出し水質悪化を招く要因となるた め、鉛給水管の解消を目指し順次更新を行ってまいりました。この結果、現在にお いては一部地域のみでの使用に激減しております。 (4) 給水上の課題 給水上の課題について、整理すると表7に示すような状況にあります。 表7 給水上の課題 課 題 説 明 貯水槽水道は維持管理が十分でない場合、衛生上の問題が懸念されます。 また、この対策として給水に支障のない範囲で直結給水に切り替えていく ことも検討しなければなりません。 水質悪化を招き、また人体への影響も懸念されるため、早期の解消が必要 です。 水質衛生 管理 鉛給水管 の更新
3-4.危機管理 (1) 応急給水・応急復旧体制 大規模な災害が発生した場合、「三豊市地域防災計画」に基づき、病院や小中学 校などの避難所に対して応急給水活動を行うこととしています。応急給水用の資機 材として車載用給水タンク、ポリタンク、給水袋等を保有しています。 (2) 緊急遮断弁 配水池に設置される緊急遮断弁は、地震等により破壊された配水管路等から配水 池貯留水の流出を防止するほか、配水池を貯水槽として確保する効果もあります。 三豊市内には多くの配水池がありますが、緊急遮断弁の設置されている配水池は 表8に示す3ヶ所となっています。 表8 緊急遮断弁設置箇所 (3) 危機管理上の課題 危機管理上の課題について、整理すると表9に示すような状況にあります。 表9 危機管理上の課題 2 3 3ヶ所 設 置 箇 所 数 陣 山 配 水 池 宝 城 配 水 池 豊 中 町 詫 間 町 PC造り 2,000 PC造り 6,200 容量(㎥) PC造り 2,355 RC造り 552 名 称 1 帰 来 配 水 池 構 造 課 題 説 明 緊急遮断弁は地震等により破壊された管路から配水池の水が流出すること を防止するほか、緊急貯水槽確保としての効果も期待できるため、主要な 配水池に緊急遮断弁を設置していく必要があります。 貯水槽の 確保
3-5.事業経営 (1) 組織体制 三豊市は、水道事業管理者の権限に関する行為を市長が行っており、水道事業の 管理者の権限に属する事務を処理するために水道局を置いています。 水道局は、技術管理者を含め局長以下20名で、監理課と工務課の2課体制のも と水道事業の運営を行っています。図4に組織図を示します。 図4 組織図 浄水管理担当 市 長 (水道事業管理者 の権限) 全20名 水 道 局 (局 長) 建 設 担 当 工 務 課 (12人) 給水維持担当 (平成20年3月1日現在) 監 理 課 (7人) 総 務 担 当 営 業 担 当
(2) 経営状況 平成18年1月1日に7町が合併して三豊市となり、三豊市水道として1年間を とおして運営した平成18年度決算では損益勘定における収入が支出を上回り、経 常利益は約3.5億円となっています。 水道会計の収入の大部分を占める料金収入の内訳は図5のとおりとなっており、 一般用が95%を占めています。このうち、各家庭の生活用水として使用される口 径13mmの水道料金は図6に示すとおり一般用の63%を占める状況となってい ます。 しかし、今後は給水人口が減少していくことに伴う料金収入の減収や、香川県営 水道の料金値上げによる受水費の増加等を考慮した上で、今後の水道経営について の計画を進めていく必要があります。 図5 料金収入の内訳 図6 一般用の内訳 (3) 需要者サービス 水道に関する各種手続きについては、水道局庁舎及び各支所の窓口で取り扱って います。平日以外の土、日、祝日も水道局庁舎窓口を開庁し、お客様の利便性向上 に努めてきました。 水道料金の納付については、利便性向上と収納業務の効率化を図るため、口座振 替を促進しています。 口径100mm 4% 口径20mm 5% 口径25mm 5% 口径30mm 3% 口径40mm 6% 口径50mm 5% 口径75mm 9% 口径13mm 63% その他 1% 工場用 4% 一般用 95%
(4) 経営上の課題 経営上の課題について、財務状況と維持管理状況の面から整理すると表10に示 すような状況にあります。 表10 経営上の課題 区分 課 題 説 明 将来の給水人口の伸びは望めません。また、現在の家庭用水道料金は 香川県下単純平均に比べやや高めにあり、今後大幅な料金値上げの計 画をしていないことから、今後も料金収入の増加は見込めません。 将来の大幅な使用水量増加が見込めない状況であるため、財源負担の 在り方や料金およびサービス水準等を検討した上で財政計画を策定し、 緊急度・重要度を加味した計画的な設備投資が必要となります。 今後の整備(資産の維持)には、計画的な内部留保資金の使用のもと に、中・長期的な視点に立った企業債の借入等、財源の確保が必要で あります。 職員は日常業務の対応に追われています。業務分担の変更等、現場で の対応には限界があるため、専門的な業務の外部委託、水道局の組織 再編などに取り組む必要があります。 水道施設の改善に伴い、業務のマニュアル化・標準化、業務プロセス の改善が必要となっているものもあります。業務処理の問題点の洗い 出しを行い、能率の向上を図る必要があります。 専門的な業務に対応するためには、計画的な人材育成を行い、技術者 を確保していくことが必要です。また、経営や給水サービスに関して 公営企業職員の意識改革を進める必要があります。 各種データ・図面等の電子化、データベース化が十分ではないため、 情報管理システム等の導入を検討していく必要があります。 水道使用者である住民から信頼される事業運営を継続していくために は、積極的な情報提供を行うことにより住民ニーズを的確に把握して、 それらを事業運営に反映する必要があります。 需要者 サービス の向上 維 持 管 理 状 況 財 政 状 況 伸びない 収益 計画的な 設備投資 財源の確保 人材の確保 業務の改善 人材の育成 情報の活用
4.水道ビジョンの方針
4-1.基本方針 三豊市の水道は、詫間町及び仁尾町で給水を開始してから既に60年が経過して おります。この間に未普及地域の解消や産業の発展に伴う給水量の拡大に対応した 整備拡張事業を行い、現在はほぼ全市域で水道が使用できる状況までに普及してお ります。今後の水道事業は、建設の時代から維持管理の時代へと大きく移行してい くものと考えられます。現在は、その大きな分岐点に位置している状況であります。 その動きの中では前段で示したように、施設の老朽化や人口減少に伴う給水量の減 少などにより、水道を取り巻く環境はさらに厳しいものになると予想されます。 しかし、水道は日々の市民生活や産業活動に欠かすことのできないライフライン であり、安全な水の安定供給が使命であることは将来も変わりません。施設の効率 的な整備・更新を行い、災害にも強くお客様に信頼され、安心して水道水を飲んで いただける体制を確立することは水道事業者としての大きな責務であると考えてい ます。 そのために基本理念として、『安全・安心で安定した水の供給』を掲げます。こ の基本理念の実現を目指し、現状の水質、安定給水、経営、お客様サービス、災害 対策、環境等の課題に対し基本目標と具体的な施策を定め検討を進めることといた します。4-2.基本目標 基本理念を実現するため下記に示す4つの基本目標を設定し、各目標ごとに具体 的な施策を定めます。 (2) 水質事故・異臭味被害の防止 (3) 未規制小規模水道施設の把握及び管理体制強化 (4) 給水装置による事故防止 (5) 鉛給水管の更新 (1) 基幹施設の耐震化 (2) 管路網の耐震化 強化(環境) (3) 渇水対策 (4) 応急給水・応急復旧体制の整備 (1) 資源再利用・省エネルギー対策の推進 (2) 有効率の向上 4.環境・エネルギー対策の サービスの向上(安定) 1.水道の運営基盤強化・顧客 3.災害対策等の充実 (持続) 確保(安心) [ 基本目標 ] [ 施策 ] 2.安心・快適な給水の (1) 原水水質の保全 (4) 計画的な施設更新・増強 (1) 業務委託の導入 (2) 技術基盤の確保 (3) 顧客サービスの向上
5.施策の概要
5-1.水道の運営基盤の強化・顧客サービスの向上(安定) (1) 業務委託の導入 業務委託は水道事業の業務の一部について民間事業者等のノウハウを幅広く活用 し、業務の効率化を図るものであります。 7町の合併により、水源25ヶ所、香川県営水道受水点8ヶ所、浄水場9ヶ所、 配水池73ヶ所、ポンプ場63ヶ所もの施設を有することになり、適正で効率的な 運転管理体制の強化が緊急を要する課題となっています。 現在は広範囲な水道事業の業務のうち、メーター検針、水質検査業務のみを委託 しているにすぎず、水道施設の運転および管理のほとんどを水道局職員で行ってい る状況です。そこで、広域的な施設の効率的かつ適正な管理を目的として、一部施 設の維持管理業務について外部委託を導入する予定です。 ○ 水道施設維持管理の業務委託 (2) 技術基盤の確保 水道を取り巻く環境の変化に柔軟に対応するため、人材育成の強化や、組織およ び運営管理の見直しを行い、長期的に安定した技術基盤の確保が必要となります。 職員の人材育成としては、定期的に水道技術研修に参加させ、専門的知識・技能 等の向上を図っています。今後も、個々の職員の技術力アップを目指し、専門的知 識や技能の習得に役立つ研修機会の充実に努めます。 現在は20名で事業運営を行っていますが、合併後2年を経過しており組織の見 直しを検討しているところであります。水道施設維持管理について一部業務委託の 導入も予定しており、今後はこれを考慮した組織の再編成について検討を行います。 ○ 専門的知識・技能等を習得する研修機会の充実 ○ 維持管理業務委託を考慮した組織の再編成(3) 顧客サービスの向上 多様化している住民ニーズを把握し、迅速に対応することにより、顧客満足度を 向上させ、経営改善を図り、より信頼性の高い水道事業運営を目指します。 そのためには、窓口の充実と顧客サービスの向上が必要です。お客様の利便性や 満足度の向上を図るため、夜間や休日における受付時間および受付業務の範囲など 業務体制について整理・見直しを行います。また、コンビニエンスストアでの料金 収納の導入も予定しています。 広報誌やIT活用等による広報活動の充実も重要となります。水道事業の透明性 向上と説明責任を果たすため、業務状況等の情報は積極的に開示提供します。 ○ 窓口の充実と顧客サービスの向上 ○ 広報活動の充実および情報の開示 (4) 計画的な施設更新・増強 水道施設の老朽化は、施設の機能低下につながり、安定した給水確保に影響を与 える大きな要因となります。このため、施設の老朽度を調査し、適切な修繕更新を 行い、安定的な給水機能を維持していかなければなりません。 三豊市の主要な水道施設は昭和40~50年代に建設されたものが多くあります。 そのため、浄水施設や配水施設等の老朽化が一部進行してきており、対応が求めら れる時期を迎えています。 特に、管路施設については、鋳鉄管及び塩化ビニル管等の老朽管が表11のよう な状況で残っており、耐久性・耐震性に欠けることから、漏水事故の原因にもなり うるため、早期に布設替えを行う必要があります。 表11 老朽管延長 項 目 延長(m) 総管路延長に対す る割合(%) 老 朽 管 262,237 31
これらの施設は耐用年数、老朽度・耐震性調査、重要度及び緊急性を総合的に判 断しながら、計画的かつ効率的に修繕・更新を行う計画とします。これと同時に、 水需要に対し現状施設能力に不足が生じている施設の増強(配水池増設、配水管拡 張)も行い、安全で安定した施設を目指します。 ○ 主要な施設の修繕・更新 ○ 老朽管の布設替え ○ 配水池増設・配水管拡張
5-2.安心・快適な給水の確保(安心) (1) 原水水質の保全 安全で安心できる水を継続して供給するためには、原水水質を保全していくこと が重要となります。 現在行っている巡回・監視活動を、今後も関係機関との協力・協働により強化す ることで水質保全を図り、安全・快適な水の供給を目指します。 ○ 水源の巡回・監視強化 ○ 継続的な水源の水質監視 (2) 水質事故・異臭味被害の防止 安全でおいしい水を供給するためには、水源から給水栓に至るまでの水質を管理 していかなければなりません。 自己水源の水質は比較的良好ですが、将来的には原水水質の悪化も予想されます。 このときに発生が懸念されるクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原微生物対策と して、浄水処理施設の改良を計画しています。 また、三豊市では毎年、水質検査の適正化と透明性を確保するために水質検査計 画を策定・実施し、水質検査結果を公表しています。水質検査の結果、水道水質は 平成16年に改訂された水道水質基準を全ての項目において満足しており、問題は ありません。 今後も継続して良質で安全な水道水を供給するために、水質管理体制の強化に努 めていきます。 ○ 耐塩素性病原微生物処理施設の導入 ○ 水質検査計画の策定、実施 ○ 水質管理体制の強化
(3) 未規制小規模水道施設の把握及び管理体制強化 水道法の規制を受けない小規模受水槽水道や飲用井戸等の小規模施設に起因する 水質事故を防止するため、衛生上管理が不十分な未規制小規模水道施設をなくす必 要があります。 現在は広報にて貯水槽水道の清掃・点検について指導しています。 今後も保健所との協力等を含め、給水区域内外に存在する全ての施設を把握し、 未規制小規模水道施設管理者に水道水質の関心を高める啓蒙活動を行います。また、 直結給水の推進にも努めてまいります。 ○ 施設管理者の水道水質に対する意識を高める啓蒙活動 ○ 直結給水の推進 (4) 給水装置による事故防止 給水管と配水管は構造上一体のものであります。したがって、給水装置の事故に よって汚染された水が配水管に逆流すると、広範囲な水道利用者に悪影響を与える 恐れが懸念されます。 このため、三豊市では指定給水装置工事事業者を定め、給水装置に起因する事故 防止を図っております。 これからも、給水装置の適正な管理のための情報提供や、給水装置工事事業者の 指導等を行い、事故防止に努めてまいります。 ○ 給水装置の適正な管理のための情報提供 ○ 指定給水装置工事事業者の指導
(5) 鉛給水管の更新 鉛給水管の人体に対する影響が懸念されており、鉛給水管の早期解消が求められ ています。 三豊市において鉛給水管は、一部地域での使用にとどまっていますが、配水管路 更新に合わせて給水引込管も同時に更新し、早期の解消に努めていきます。 ○ 配水管路更新に合わせた給水引込管の更新
5-3.災害対策等の充実(持続) (1) 基幹施設の耐震化 三豊市は東南海・南海地震対策推進地域に指定されています。地震等の災害発生 時に水道施設の被害を最小限に抑え、生活基盤としてのライフライン機能を確保す るためには、水道施設の耐震化を図らなければなりません。 そのためには、浄水場及び配水池等の基幹施設について、建設後の経過年数や老 朽度を考慮し、早期に耐震診断を行い施設の劣化状況を把握することが必要です。 この耐震診断結果をもとに、施設の重要度に応じて構造強化を伴う改築や更新を 行い、災害に備えた十分で安全な構造となるよう整備していきます。 ○ 基幹施設の耐震診断 ○ 耐震診断結果に基づく適切な耐震化 (2) 管路網の耐震化 前項と同様に、管路網の耐震化も図らなければ災害発生時にライフライン機能を 維持することができません。 今後の方針としては、すべての管路網を耐震化することは財源的にも不可能であ りますので、老朽管更新事業と並行して管路網の主要な路線の更新時には、耐震管 の使用を計画していき、管路の耐震化率の向上を目指します。 ○ 基幹管路の耐震化 (3) 渇水対策 三豊市は渇水の影響を受けやすく、過去に給水制限を行ったり、やむを得ず断水 に至ったこともあります。渇水対策としては、住民の節水意識の向上を目指した啓 蒙活動も重要ですが、平成6年のような大渇水時にも継続して安定給水が可能な施 設の構築を目指し、水道施設の強化を図らなければなりません。
そのためには、各町の給水区域間を結ぶ連絡管を整備し、水の相互融通を行うこ とで水が不足するエリアへ支障なく給水できる体制を整えることが必要となります。 この連絡管網の整備は、次項に示す応急給水の面においても機能を発揮するもので あります。 ○ 連絡管の整備 (4) 応急給水・応急復旧体制の整備 地震等の災害発生時や、水質事故等による給水停止状態において、必要な応急給 水の実施が可能な施設整備を行います。 三豊市内に設置してある緊急貯水槽は1ヶ所で、その貯水量は60㎥であります。 配水池は市内に点在していますが、緊急遮断弁付配水池は3ヶ所(詫間町及び豊中 町)しかありません。したがって、緊急時には飲料水の確保に苦慮することが予想 されます。このような状況に対応するため、主要な配水池に緊急遮断弁を設置し、 緊急時の水の確保を図ります。 緊急時の応急給水活動は、三豊市地域防災計画に基づいて実施します。 ① 飲料水の確保が困難な地域に対して、給水拠点を定め、給水車等により応 急給水を行います。このとき、自主防災組織、自治会、赤十字奉仕団等の 協力を得るように努めます。 ② 住民に対して、給水活動に関する情報の提供を行います。また、自ら飲料 水を確保する住民に対して、衛生上の注意を広報します。 さらに、給水用資機材が不足するときや応急給水の実施が困難なときは、防災計 画に基づき県または(社)日本水道協会香川県支部に対して、応援等を要請します。 ○ 緊急遮断弁の設置 ○ 三豊市地域防災計画に基づく応急給水活動
5-4.環境・エネルギー対策の強化(環境) (1) 資源再利用・省エネルギー対策の推進 世界中で異常気象が原因であると思われる自然災害が多発している近年、地球水 環境の健全化と環境保全への積極的な取り組みが重要な課題となっています。 三豊市の水道事業も社会的責務を果たすため資源再利用・省エネルギー対策の強 化を図ります。 資源再利用に対する取り組みとして、水道工事で発生する土砂の有効活用、アス ファルト等については再生品の使用をすでに行っています。今後は、浄水処理で発 生する汚泥の減量化を図り、廃棄物の排出を抑制していきます。 また、省エネルギー対策として今後はより効率の高いポンプの導入等によるエネ ルギー利用の効率化、電力・紙・ガソリン使用量の削減等を行い、環境負荷の低減 に向けた事業運営を目指します。 ○ 建設発生土の有効利用 ○ 再生品の使用 ○ 高効率ポンプの導入 ○ 電力等の使用量の削減 (2) 有効率の向上 有効率の向上は、漏水等の無効水量の減少を意味します。したがって、有効率を 向上させることは、無効水量のために費やしたエネルギー消費量(取水~浄水~送 水~配水の各段階で必要となるエネルギー)を抑制することになります。 今後、計画的な施設更新、漏水を早期に発見するための計画的な漏水調査を実施 することで有効率の向上を目指し、社会的責務を果たしていきたいと考えています。 ○ 計画的な施設の更新 ○ 計画的な漏水調査の実施
5-5.施策概要一覧 これまでに述べた施策概要の一覧を表12に示す。 表12 施策概要一覧 施 策 具 体 的 な 施 策 の 概 要 (1)業務委託の導入 ・水道施設維持管理の業務委託 (2)技術基盤の確保 ・専門的知識・技能等を習得する研修機会の充実 ・維持管理業務委託を考慮した組織の再編成 (3)顧客サービスの向上 ・窓口の充実と顧客サービスの向上 ・広報活動の充実および情報の開示 (4)計画的な施設更新・増強 ・主要な施設の修繕・更新 ・老朽管の布設替え ・配水池増設・配水管拡張 (1)原水水質の保全 ・水源の巡回・監視強化 ・継続的な水源の水質監視 (2)水質事故・異臭味被害の防止 ・耐塩素性病原微生物処理施設の導入 ・水質検査計画の策定、実施 ・水質管理体制の強化 (3)未規制小規模水道施設の把握 ・施設管理者の水道水質に対する 及び管理体制強化 意識を高める啓蒙活動 ・直結給水の推進 (4)給水装置による事故防止 ・給水装置の適正な管理のための情報提供 ・指定給水装置工事事業者の指導 (5)鉛給水管の更新 ・配水管路更新に合わせた給水引込管の更新 1 水 道 の 運 営 基 盤 の 強 化 ・ 基本目標 2 安 心 ・ 快 適 な 給 水 の 確 保( 安 心) 顧 客 サー ビ ス の 向 上( 安 定) . . .
表12 施策概要一覧 施 策 具 体 的 な 施 策 の 概 要 (1)基幹施設の耐震化 ・基幹施設の耐震診断 ・耐震診断結果に基づく適切な耐震化 (2)管路網の耐震化 ・基幹管路の耐震化 (3)渇水対策 ・連絡管の整備 (4)応急給水・応急復旧体制の整備 ・緊急遮断弁の設置 ・三豊市地域防災計画に基づく応急給水活動 (1)資源再利用・省エネルギー対策 ・建設発生土の有効利用 の推進 ・再生品の使用 ・高効率ポンプの導入 ・電力等の使用量の削減 (2)有効率の向上 ・計画的な施設の更新 ・計画的な漏水調査の実施 基本目標 4 環 境 ・ エ ネ ル ギー 3 災 害 対 策 等 の 充 実( 持 続) 対 策 の 強 化( 環 境) . .
6.事業計画
期間中に計画している主な事業は以下の通りです。 a.原虫類対策事業浄水場改良工事 b.緊急遮断弁設置工事 c.連絡管整備工事 d.中央監視設備新設工事 e.配水施設増強工事 f.老朽配水施設更新工事 これらの事業計画は『安全・安心で安定した水の供給』を基本として、緊急性・ 重要度の高い地震等の災害対策、老朽化対策の設備更新などの事業を優先して行う 計画としています。表13に事業計画一覧を示します。表13 事業計画一覧 概 要 事 業 内 容 三野町浄水場改良工事 豊中町浄水場改良工事 我久浄水場改良工事 高倉浄水場改良工事 雉子尾浄水場改良工事 野田原浄水場改良工事 b 緊急遮断弁設置工事 地震対策として緊急遮断弁を設置 緊急遮断弁設置工事 c 連絡管整備工事 応急給水対策として連絡管を整備 連絡管布設工事 中央監視設備工事 詫間町電気計装設備新設工事 爺神配水池増設工事 辻直結給水ポンプ設置工事 南岡ポンプ場増強工事 辻配水池増設工事 財田西高区配水池築造工事 新鳥坂配水池築造工事 新陣山配水池築造工事 新宝城配水池築造工事 香田配水池築造工事 県水受水施設改良工事 配水管拡張工事 神田ポンプ場更新工事 神田配水池更新工事 既設宝城配水池改修工事 天神山配水池改修工事 不天調整池改修工事 機械設備更新工事 電気計装設備更新工事 配水管布設替工事 f 老朽配水施設更新工事 老朽化が進行した施設の改修及び 更新 ・ポンプ場更新 ・配水池更新 ・計装設備更新 ・配水管布設替 d 中央監視設備新設工事 水道施設の一括監視設備の導入 e 配水施設増強工事 安定給水を目的とした増強工事 ・配水池増設 ・ポンプ場増強 ・配水管拡張 a 事 業 名 原虫類対策事業浄水場 改良工事 クリプトスポリジウム等の耐塩素 性病原微生物対策のため、浄水処 理施設の改良
7.財政計画
基本理念の達成を目指して前項のような事業計画をたてていますが、健全な水道 経営を持続しながらこれらの計画を実施していくためには、事業資金の調達方法お よび適切な料金水準等を検討しなければなりません。この結果によっては、事業計 画の見直しを含めて財政計画を練り直す必要があります。 図7に損益勘定の実績と将来推計を示します。資金計画においては企業債及び自 己財源を充当する予定としておりますが、国庫補助金交付事業の採択条件に合致す るものは、積極的に補助金の充当を考慮することといたします。また、平成21年 度を目途として、料金統一を行う予定としております。 以上を勘案しますと、将来における料金収入の伸び悩みや、香川県営水道の料金 値上げによる受水費の増加等により当該年度純利益は減少傾向となりますが、水道 事業として健全な経営を維持しながら整備事業を遂行することが可能であります。 図7 損益勘定の実績と将来推計 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 年 度 金額 (千 円 ) 人件費 減価償却費 支払利息 受水費 その他 総収入 当年度純利益8.計画推進体制
基本理念『安全・安心で安定した水の供給』の実現を目指し、4つの基本目標を 定め、それぞれの具体的な施策を示しました。基本理念を実現させるためには多く の事業を行う必要がありますので、本水道ビジョンの計画期間は平成19年度から 平成28年度までの10年間としています。 この10年間の中では社会情勢が変化することも考えられますので、毎年施策の 進捗状況を確認し、3年程度ごとに水道ビジョン全体を見直していくこととします。 また、これらの施策進捗状況や見直しについては広報にて水道使用者に公表し、事 業運営の透明性を高めていきたいと考えています。 水道の運営基盤の強化・顧客 サービスの向上(安定) 安心・快適な給水の確保 (安心) 災害対策等の充実 (持続) 環境・エネルギー対策の強化 (環境) 定期的な見直し (3年程度) 事業計画・財政計画 の見直しに合わせビ ジョン全体を見直し ・基本目標や施策 がその時点の社 会情勢にあって いるか見直し ・施策の進捗状況 により基本目標 を見直し 毎年施策の進捗状況を確認基
本
理
念
の
実
現
基
本
目
標
の
達
成
= 三豊市水道ビジョン 『安全・安心で安定した水 の供給』平成19年度 基本目標 目標年次 平成28年度三豊市水道事業基本計画 (三豊市水道ビジョン) 平成20年3月発行 編集・発行 三豊市水道局 〒769-1506 香川県三豊市豊中町本山甲1810番地1 Tel:0875-62-1133(監理課) 0875-62-1134(工務課) Fax:0875-62-6265 e-mail:[email protected](監理課) [email protected](工務課)