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II 江東区観光の現状と課題 1. 江東区観光を取り巻く環境 江東区観光の現状分析 江東区観光の課題と対応の方向性 39 9

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1. 江東区観光を取り巻く環境  

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2. 江東区観光の現状分析  

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3. 江東区観光の課題と対応の方向性  

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江東区観光の現状と課題

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1. 江東区観光を取り巻く環境

(1) 我が国の観光を取り巻く経済・社会の動向

❶ 本格的人口減少・少子高齢化社会の到来 我が国においては、人口は少子・高齢化の進展により、平成22年をピークに人口減少化社会に突入し、 30年後の平成57年には1億人程度まで減少するものと予想されており、多くの地域で人口減による地域 経済の疲弊が懸念されています。 123,611 123,611 125,570 125,570 126,926 126,926 127,768 127,768 128,057 128,057 126,597 126,597 124,100 124,100 120,659 120,659 116,618 116,618 112,124 112,124 102,210 102,210 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 110,000 120,000 130,000 140,000 (千人) 平成2 年 年 12年 17年 22年 27年 32年 37年 42年 47年 57年 図表2 人口の推移 出典:「日本の統計2015」総務省統計局 人口の推移と将来人口 ❷ 江東区における人口推計 江東区においては、高層マンション建設による転入増等により、人口は増加傾向にあり、平成27年6 月には50万人を突破し、長期計画(後期)では目標年次である平成31年の人口を概ね52万人と推計し ています。 図表3 江東区の人口 53,614 60,996 67,109 313,727 325,873 341,229 88,118 100,273 112,360 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 (人) 平成21年 平成26年 平成31年 年少人口(0~14歳) 生産人口(15~64歳) 高齢人口(65歳以上) 455,459 455,459 487,142487,142 520,698 520,698

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❸ 観光は成長戦略の主要課題に 急速な成長を遂げるアジアをはじめとする世界の需要を取り込むことにより、我が国経済が力強い成 長を遂げることが期待されています。観光産業は地域経済への波及効果が大きく、政府の新成長戦略の 中においても観光振興が重要課題と位置づけられています。 図表4 観光交流人口増大の経済効果(平成26年) 定住人口=1億2,805万人 1人当たり年間消費額=125万円 定住人口1人減少分 減少 拡大 外国人旅行者9人分 国内旅行者(宿泊)27人分 国内旅行者(日帰り)84人分 又は 又は 旅行消費額 訪日外国人旅行2.0兆円 国内旅行者(宿泊+日帰り) 5億9,522万人<延べ人数> 1人1回当たり消費額 宿泊 4万7千円 日帰り 1万5千円 訪日外国人旅行者 1,341万人<延べ人数> 1人1回当たり消費額 15万1千円 国内旅行(海外分除く)18.5兆円 うち宿泊旅行   14.0兆円 うち日帰り旅行   4.5兆円

うち宿泊    2億9,734万人 うち日帰り   2億9,788万人 ○定住人口1人当たりの年間消費額(125万円)は、旅行者の消費に換算すると外国人  旅行者9人分、国内旅行者(宿泊)27人分、国内旅行者(日帰り)84人分にあたる。 ❹ 観光需要争奪の地域間競争激化 このような中、これまで観光による交流人口の拡大にあまり熱心に取り組んでこなかった地域におい ても、本格的に観光振興に取り組むケースが増えてきています。今後の我が国の人口減少も相まって、 限られた観光需要の地域間争奪戦が激化することが予想されます。

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(2) 訪日・国内観光の動向

❶ 訪日観光の状況 ア. 訪日外国人旅行者1,300万人を突破 訪日外国人旅行者は平成23年3月の東日本大震災以降着実に増加しています。平成24年末からの円 安基調も追い風となって、平成25年の訪日外国人旅行者数は、1,036万人(対前年比24.0%増)と初 めて1,000万人を突破しました。平成26年には1,341万人と引き続き過去最高を更新中であり、平成 27年も8月までに1,288万人と対前年同期比で約50%の高い伸びを示しています。観光白書によれ ば、要因として、①近隣諸国の経済成長など日本を取り巻く経済情勢の変化、②官民一体となった訪 日プロモーション、③ビザ要件の緩和、④航空ネットワークの充実等を挙げています。 図表5 訪日外国人旅行者数の推移 ※ 平成20~26年の数値は確定値、27年は推計値 2,000万人に到達 する勢い 8,350,835 平成20年 6,789,658 21年 8,611,175 22年 6,218,752 23年 8,358,105 24年 10,363,904 25年 13,413,467 26年 19,737,400 27年 0 5,000,000 10,000,000 15,000,000 20,000,000 (人) 東日本大震災 の発生 新型 インフルエンザ の感染拡大 年末からの 円安基調 イ. 訪日外国人旅行者の旅行消費が急拡大 平成26年度は、訪日外国人旅行者の日本 国内消費額(2兆2,344億円)が日本人海 外旅行者の海外での消費額(2兆245億円) を超え、旅行収支が55年ぶりに黒字化しま した。訪日外国人旅行者一人当たりの消費 額も前年比約6%増と好調に推移していま す。(旅行収支額は速報値) ウ. 今後も高い伸びを予想 2020年東京オリンピック・パラリンピッ クに向け、より多くの外国人が東京を中心 図表6 訪日外国人旅行者数の内訳 韓国276 (20.5%)韓国276 (20.5%) 台湾283 (21.1%)台湾283 (21.1%) 中国241 (18.0%)中国241 (18.0%) 香港93 (6.9%)香港93 (6.9%) タイ66 (4.9%) シンガポール 23(1.7%) マレーシア25 (1.9%) インドネシア 16(1.2%) フィリピン 18(1.4%) ベトナム12 (0.9%) インド9(0.7%) 米国89 (6.6%)米国89 (6.6%) カナダ18(1.4%) イギリス22(1.6%) フランス18(1.3%) ドイツ14(1.0%) ロシア6(0.5%) オーストラリア 30(2.3%) その他82 (6.1%) その他82 (6.1%) アジア1,061(79.1%) うち東南アジア160(11.9%)アジア1,061(79.1%) うち東南アジア160(11.9%) 北米107 (8.0%)北米107 (8.0%) 欧州60 (4.5%)欧州60 (4.5%) 総計 1,341万人

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UNWTO(国連世界観光機関)によると、平成22年(2010年)~32年(2020年)までの国際観光 客数の年平均伸び率は北東アジア・東南アジアとも5%台後半と今後も高い伸びが予測されています。 特に江東区は、東京オリンピック・パラリンピックにおいて、多数の競技が開催されることから、 大会期間中のみならず、開催準備段階から注目されることになります。 ❷ 国内観光の状況 ア. 国内観光需要 「旅行・観光消費動向調査(観光庁)」によると、現行の統計調査を開始した平成15年以降、日本人 による国内観光需要は平成17年をピークに減少傾向にあります。 平成26年国内観光需要においては、日本人の国民一人当たりの国内宿泊観光旅行の回数は1.26回 (対前年比9.4%減)、国民一人当たりの国内宿泊観光旅行の宿泊数は2.06泊(同8.4%減)でありまし た。国民一人当たりの国内宿泊観光旅行の回数、国民一人当たりの国内宿泊観光旅行の宿泊数ともに、 平成24年から平成25年にかけては増加しましたが、平成26年に再び減少しました。 出典:観光庁「旅行・観光消費動向調査」 図表8 国内宿泊観光旅行及び日帰り観光旅行延べ人数の推移 20,276 20,276 19,282 19,282 19,59019,590 20,627 20,627 18,863 16,906 16,906 16,66816,668 17,17617,176 17,642 17,642 16,003 16,003 15,000 16,000 17,000 18,000 19,000 20,000 21,000 (万人) 平成22年 23年 24年 25年 26年 国内宿泊観光旅行延べ人数 国内日帰り観光旅行延べ人数 図表7 国内宿泊観光旅行の回数及び宿泊数の推移 2.81 2.81 2.782.78 2.922.92 2.742.74 2.48 2.48 2.372.37 2.382.38 2.09 2.09 2.082.08 2.142.14 2.252.25 2.062.06 1.70 1.70 1.711.71 1.781.78 1.711.71 1.52 1.52 1.521.52 1.46 1.46 1.32 1.32 1.301.30 1.351.35 1.391.39 1.261.26 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50 1.60 1.70 1.80 1.90 2.00 (回) 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 (泊) 1人当たり回数(左目盛) 1人当たり宿泊数(右目盛) 平成15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 ※ 平成20年までは、20歳から79歳までが調査対象。平成21年以降は全年齢が調査対象。

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イ. 平成26年の減少要因 国内宿泊観光旅行に行った延べ人数は平成24年から平成25年にかけては増加しましたが、平成26 年は延べ1億6,003万人(対前年比9.3%減)となりました。国内日帰り観光旅行は延べ1億8,863万 人(同8.6%減)となりました。この要因としては、一般的な消費の動向と同様に、消費税率引き上げ や輸入物価の上昇等による物価上昇に所得の上昇が追いついていないことに加え、駆け込み需要の反 動減や天候不順等が影響したためと考えられます。

(3) 東京都における観光動向

❶ 「観光入込客数(実人数)」の推移 ア. 訪都旅行者数は増加傾向 国内観光の全体的環境を背景としつつ、訪都旅行者数はこの10年増加傾向を見せています。東日本 大震災の平成23年は前年より4,000万人近い落ち込みを見せたものの、平成24年から25年にかけては 全国的な需要回復と軌を一にしつつ、それを上回るスピードで増加しています。平成26年も5億 1,512万人と過去最高の旅行者数を更新しています。 イ. 「目標値」をほぼ達成 東京都では平成29年における観光入込客数の目標値を5億2,000万人としていますが、この目標値 は平成26年において、すでにほぼ達成されていると言えます。 図表9 観光入込客数(実人数)の推移 ※ 国内の宿泊観光旅行参加率: (公社)日本観光振興協会「観光の実態と志向」 平成23年より、調査手法の変更 48.4 % 43.1 % 49.7 % 49.8 % 49.7 % 52.2 % 49.2 % 54.4 % 54.2% 54.9 % 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 (千人) (%) 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 370,158 370,158 413,815 413,815 429,276 429,276 441,457441,457 430,823430,823 420,641420,641 463,115 463,115 424,198 424,198 474,820 474,820 512,639512,639 515,122 515,122 東京都の観光入込客実人数 国内の宿泊観光旅行参加率※

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❷ 「外国人観光入込客実人数」の推移 ア. 訪都外国人も過去最高を更新 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定もあり、旅行先としての東京への関心も一段 と高まりを見せています。東京を訪れた外国人旅行者数は平成25年に681万人を記録し、平成26年も 前年をさらに上回るペースで増加し、887万人と過去最高を更新しました。 イ. オリンピック・パラリンピック開催で長期需要喚起も 2020年の訪日外国人旅行者の政府目標が2,000万人、現状の訪都率6割を維持すると、2020年東 京都には1,200万人が訪れることが期待され、東京都の当初の目標値であった1,000万人は平成29年 を待たずに実現されると考えられます。東京都では平成24年策定の「東京都長期ビジョン」において さらなる旅行者誘致に取り組む方針を打ち出し、2020年に年間1,500万人、2024年には年間1,800 万人の訪都外国人旅行者数を目標数値として掲げています。過去のオリンピック開催国ではインバウ ンド需要が長期にわたって喚起される傾向があり、東京都においてもこうした傾向が顕著に現れると 予想されます。 図表10 外国人観光入込客数(実人数)の推移 ※ 訪日外客数:JNTO ※ 東京都訪問率: 平成16~22年まではJNTO「訪日外客訪問地調査」 平成23年からは観光庁「訪日外国人消費動向調査」 58.2 % 60.3 % 58.8 % 58.9 % 58.2 % 57.4 % 58.5 % 50.6 % 51.4 % 47.3 % 51.3 % 東京都の外国人観光入込客実人数 訪日外客数※ 東京都訪問率※ 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 0 4,000 2,000 6000 8,000 10,000 12,000 14,000 (千人) (%) 40.0 20.0 30.0 50.0 60.0 70.0 4,180 6,138 4,489 6,728 4,808 7,334 7,334 5,330 5,330 8,349 5,336 5,336 8,350 4,760 6,789 5,942 8,611 4,098 6,219 5,562 5,562 8,358 8,358 6,812 10,364 8,874 13,413 13,413

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2. 江東区観光の現状分析

(1) 当初プラン改定にあたっての現状分析

当初プラン改定にあたっては、区のこれまでの施策の達成状況や観光を取り巻く環境の変化を把握する ために、「来訪者調査」、「観光関連団体・事業者の意向調査」など様々な調査を行いました。 また、これらの調査を基に江東区観光の現状と課題を明らかにしました。 来訪者調査(日本人・外国人) 【街頭面接調査】 観光入込客数(実人数)推計のための パラメータ設定 観光入込客数 の整理 宿泊旅行統計 の整理 江東区の観光客実人数の算出 観光資源の現状把握 【現地調査】 【資料文献調査】 観光関連団体・ 事業者の意向調査 【ヒアリング調査】 現行の観光推進 プランの達成状況把握 【ヒアリング調査等】 江東区観光推進プラン改定会議・江東区観光推進プラン庁内検討会 江 東 区 の 観 光 に 関 す る S W O T 分 析 観 光 に 関 す る 問 題 点 ・ 課 題 の 把 握 江東区観光推進プランの見直し(協議・報告) パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト 江東区観光推進プラン(後期)の策定

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当初プラン改定にあたって行った調査は、以下のとおりです。 調     査 実 施 概 要 1 来訪者調査 区内の4地点(亀戸天神社、富岡八幡宮、東京都現代美術館、青海駅周辺)で来訪者の動向及び実態を把握するため、聞き取り調査を実施 2 観光関連団体・事業者の意向調査 区内の観光関連団体15か所及び事業者8か所を対象に意向を把握するため、ヒアリング調査を実施 3 現行の観光推進プランの達成状況の整理 現行の観光推進プランの達成状況を把握するため、関連部署へ調査を実施 4 江東区イメージ調査 江東区の観光に対する認知度及びニーズを把握するため、全国のインターネットアンケートモニターに対し、ネット調査を実施 5 観光資源調査 観光資源については、区提供資料及び江東区観光協会のホームページ等により抽出。また、外国人目線でのニーズ及び課題を把握するため、外国人留学生に よるモニターツアーを実施 6 江東区の観光関連統計データの整理 観光庁が実施している「宿泊旅行統計調査」から「江東区の宿泊者数」と東京 都が実施している「東京都観光客数等実態調査」から「江東区観光地点入込客数」 を整理 7 観光入込客数の推計 観光庁が定めている「観光入込客統計に関する共通基準(平成21年12月策定、平成25年3月改定・観光庁)」による江東区の観光入込客数の推計 8 観光による経済波及効果の算出 江東区の「観光入込客数」と来訪者調査で設定した平均消費額を基に、観光消費額を推計し、観光消費額による経済波及効果を算出

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(2) 観光資源

❶ エリア別観光資源とその特徴 ア. 深川エリア ア 深川北部エリア 明暦の大火後、移転してきた霊巌寺などにより寺町と して形成されたエリアです。多数の歴史的資源とともに、 深川江戸資料館、芭蕉記念館、東京都現代美術館などの 文化施設のほか、相撲部屋やものづくり工房(職人)が 多いといった地域資源が集中しており、国内外問わず 様々な年齢層の観光客のニーズに応えることができるエ リアとなっています。 特に近年では、清澄庭園から東京都現代美術館を結ぶ 深川資料館通り商店街付近には、小規模なギャラリーや 人気のカフェが点在しており注目を浴びています。 イ 深川南部エリア 隅田川、大横川、横十間川、平久川、汐浜運河等が縦 横に流れ、水辺に親しむ空間が整備されており、春には 和船に乗り、桜を観賞することもできます。 門前仲町は参拝客でにぎわうエリアで、富岡八幡宮や 深川不動堂、深川公園、深川東京モダン館など、歴史 的・文化的資源が数多く現存しています。 深川エリア全体では、正月は深川七福神めぐり、夏は 江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭り」でまち全体がにぎ わいます。また、江戸時代末期に深川の漁師が好んで食 べたといわれる農林水産省の「日本の郷土料理100選」 にも選ばれている「深川めし」のお店が多く点在してい ます。 清澄庭園 深川江戸資料館 深川八幡祭り お江戸深川さくらまつり

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イ. 城東エリア ア 城東北部エリア 学問の神様、菅原道真公をまつる亀戸天神社や亀戸香 取神社、浅間神社など多くの歴史的資源や中川船番所資 料館といった文化施設があります。 江東区の北の玄関口である亀戸駅周辺では商店街が多 く、餃子やホルモンなどの「亀戸グルメ」の飲食店が点 在しているほか、正月は亀戸七福神めぐり、春は亀戸天 神社の藤まつりなどでにぎわいます。 また、亀戸中央公園、大島・小松川公園、竪川河川敷 公園のカヌー・カヤック場などのスポーツ・レクリエー ション施設や新たな水辺のにぎわい拠点「旧中川・川の駅」 や「亀戸梅屋敷」が整備されています。 イ 城東南部エリア かつては、巨大都市「江戸」の食生活を支える農村地 帯であったエリアです。 総延長3.7km、都内最大規模を誇る親水公園である 「仙台堀川公園」は、約900mの桜並木のお花見スポット として人気があり、夏には荒川河川敷で江東花火大会が 行われています。また、富賀岡八幡宮や旧大石家住宅な どの歴史的資源のほか、テレビなどでよく取り上げられ る砂町銀座商店街が有名です。 ウ. 湾岸エリア 2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技が 多数開催されるエリアとして注目を集めています。深川 木場からの文化を継承し木材産業が集積する新木場をは じめ、東京ゲートブリッジや大規模な公園、多数のバー ベキュー場やゴルフ場といった広大な土地を活かした屋 外施設が充実しています。 また、巨大な複合型商業施設をはじめ、日本最大級の コンベンション施設である東京ビッグサイトや国際大会 が行われる有明コロシアム・辰巳国際水泳場などのスポー ツ施設や日本科学未来館などの学習施設が多数ある全国 的に有名なエリアです。 亀戸天神藤まつり 旧中川・川の駅オープン 江東花火大会 仙台堀川公園の桜 東京ゲートブリッジ

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❷ 芸術文化資源 ア. ゆかりの人物 ア 松尾芭蕉 芭蕉は、延宝8年(1680年)それまでの宗匠生活を 捨てて江戸日本橋から深川の草庵に移り住みました。そ して、この庵を拠点に新しい俳諧活動を展開し、多くの 名句や『おくのほそ道』などの紀行文を残しています。 この草庵は、門人から贈られた芭蕉の株が生い茂ったと ころから「芭蕉庵」と呼ばれ、芭蕉没後、武家屋敷内に 取り込まれて保存されましたが、幕末から明治にかけて 消失しました。 大正6年9月の台風の高潮の後、常盤一丁目から「芭 蕉遺愛の石の蛙」(伝)が出土し、大正10年に東京府は、この地を「芭蕉翁古池の跡」と指定しました。 江東区は、このゆかりの地に、松尾芭蕉の業績を顕彰するため、昭和56年4月に芭蕉記念館を、平成 7年4月に隅田川と小名木川に隣接する地に芭蕉記念館分館を開館しました。 イ 田河水泡 漫画「のらくろ」の作者・田河水泡は、幼年期から青年期までを江東区で過ごした本区ゆかりの漫 画家です。平成10年、遺族から作品や書斎机などの遺品が江東区に寄贈されました。これを機に、日 本の漫画界に大きな足跡を残した田河水泡の業績を紹介し、長く後世に伝えるため、平成11年11月、 森下文化センター内に「田河水泡・のらくろ館」を、氏が生涯愛し、その作品にも大きな影響を及ぼ したこの地に開館しました。 ウ 伊東深水・関根正二 美人画の巨匠・伊東深水と、夭折の天才画家・関根正二は、少年時代を深川で過ごし、お互いに影 響を受けながら絵の道を志しました。 この日本画と洋画の、伝統と革新、粋と激情、という相反する生き方をみせた二人の芸術家の作品 と生涯を紹介する「伊東深水と関根正二紹介展示コーナー」を、平成14年1月、森下文化センター内 に開設しました。 エ 小津安二郎 「東京物語」、「晩春」、「麦秋」……。数々の不朽の名作を生み、日本映画界の巨匠として知られる故 小津安二郎監督の生誕100年を記念し、その業績を顕彰するために、平成15年1月に、「小津安二郎紹 介展示コーナー」を古石場文化センター内に開設しました。 オ 石田波郷 俳人石田波郷は、昭和21年から約12年間江東区に住み、当時の江東区の様子を「焦土諷詠」として 多くの俳句を詠みました。波郷は戦後の俳壇を先導し、我が国の俳句文学に大きな功績を残していま す。 その功績と人間像、江東区との関わりを紹介し顕彰するため、波郷自身が「第二の故郷」と呼んだ この地に、平成12年12月、石田波郷記念館を砂町文化センター内に開設しました。 芭蕉庵史跡展望庭園

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カ 横綱大鵬 双葉山と並び、昭和を代表する大横綱「大鵬」。優勝は 32回。2度の6連覇を果たすなど、前人未到の記録を残 しました。 大鵬こと納谷幸喜は永年江東区に住み、名誉区民第一 号となっています。 また、没年の平成25年には、その功績により国民栄誉 賞を受賞しました。 横綱大鵬の偉業を顕彰するため、平成26年7月に「横 綱大鵬顕彰コーナー」を深川江戸資料館内に開設しまし た。 イ. その他の資源 ア 民俗芸能(木場の角乗、木場の木遣、木場の木遣念仏、深川の力持、砂村囃子、富岡八幡の手古舞) 江東区において江戸時代から伝えられている民俗芸能には、生業から派生した木場の角乗、木場の 木遣、木場の木遣念仏及び深川の力持、神社の神主が広めたといわれる砂村囃子、富岡八幡の祭には 欠かせない富岡八幡の手古舞などで、いずれも東京都及び江東区の無形民俗文化財として指定・登録 されています。 イ 伝統工芸(江戸切子、江戸木彫刻、船大工、べっ甲細工など) 江東区は、江戸・東京の消費生活を支える商工業地域 として発展してきました。その中で、昔からの技術を伝 えるたくさんの工匠(職人)が生まれ、その技術を次代 へと伝えてきました。 本区では、江戸時代以来の技術を伝統工芸技術として とらえ、その保護を行うべく、技術を今に伝える職人を 無形文化財保持者として認定しています。現在、認定さ れている件数は40件余りですが、亡くなった方を含める と全体で100件近くにもなります。 ウ 芸術提携団体 江東区は、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京シティ・バレエ団と芸術提携を結び、 音楽・舞踊を通じて区における芸術文化の振興や普及、区民の自主的な創造的文化活動の育成・発展 に寄与するため、ともに協力しています。 エ ヘブンアーティスト(パフォーマンス部門、音楽部門) 東京都が実施する審査会に合格したアーティストに公共施設や民間施設などを活動場所として開放 し、都民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供していくことを目的として実施しています。(木場公 園、夢の島熱帯植物館、大江戸温泉物語、シンボルプロムナード公園) 横綱大鵬顕彰コーナー 江戸切子の職人

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オ KOTO街かどアーティスト(大道芸部門、音楽部門、絵画部門) 地域の活性化と芸術家のいるにぎわいのある街を創出していくために、KOTO街かどアーティスト (公益財団法人江東区文化コミュニティ財団で認定)が、江東区内文化センターをはじめとする公共施 設、区内商店街、商業施設などのパブリックスペースでライブパフォーマンスを実施しています。 ❸ 新たな観光資源 当初プランの策定後の5年間で、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定による湾岸エ リアやカフェ、アート・ギャラリーを中心に清澄白河地域が注目を浴びるなど、江東区における観光へ の期待がより高まっています。 ア. 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定 平成25年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで行 われた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定され ました。 2020年東京オリンピックにおいて、江東区では全区 市町村で最多となる9会場で9競技が行われ、また、パ ラリンピックでも6会場で7競技が行われます(平成27 年12月現在)。 これを機にオリンピック開催前から関連施設への見学 など、観光としての活用が期待されます。 イ. 清澄白河のカフェブーム 清澄白河を中心に深川北部地区ではカリフォルニアに 本社を置くカフェをはじめ、数多くのカフェが話題と なっています。また、カフェとともにアート・ギャラリー も数多くオープンしており、東京都現代美術館を中心に アートが楽しめる新しいスポットとして注目されていま す。 ウ. 豊洲市場の開場 豊洲市場は築地市場の老朽化、場内の狭あい化に伴い、東京都の21世紀の生鮮食料品の流通の中核 を担う拠点として、現在、平成28年11月7日の開場に向けて準備が進められています。水産物・青果 物の市場施設ほか、「食」を中心とした東京の新たな観光名所として「千客万来施設」も整備される予 定で、外国人旅行者をはじめ、多くの観光客が訪れる有数の観光拠点として期待できます。 また、2020年東京オリンピック競技場が集中する湾岸エリアでもあり、とても重要な観光資源で す。 多くの競技が行われる湾岸エリア ラテアート(イメージ)

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(3) 観光入込客数及び観光消費額の推計

「観光入込客統計に関する共通基準」に基づき、平成26年の江東区の観光入込客数(実人数)を推計し た結果、4,311万人となりました。その内、日帰り客は4,185万人で宿泊客は127万人となりました。東 京都の平成26年の観光入込客数は5億1,512万人であり、江東区の観光入込客数はその8.4%に相当しま す。 図表11 平成26年江東区の観光入込客数(実人数) 日帰り客:  41,847,870 宿 泊 客:  1,265,260 合  計 観 光 等 ビジネス 観 光 等 ビジネス 区   6,470,207 134,766 ─ ─ 6,604,973 都   17,015,063 240,653 69,523 ─ 17,325,239 都   12,400,999 419,848 941,368 115,872 13,878,087 訪 日 外 国 人 4,845,274 321,060 132,262 6,235 5,304,831 合   40,731,543 1,116,327 1,143,153 122,107 43,113,130 また、4,311万人の旅行者による観光消費額は2,456億4,700万円となりました。その内、日帰り客の 消費額は2,180億6,500万円で、宿泊客の消費額は275億8,300万円となりました。東京都の平成26年 の観光消費額は5兆5,509億8,800万円であり、江東区の観光消費額はその4.4%に相当します。 図表12 平成26年江東区の観光消費額 日帰り客:  218,065 宿 泊 客:  27,583 合  計 観 光 等 ビジネス 観 光 等 ビジネス 区   19,392 404 ─ ─ 19,796 都   52,547 51 1,008 ─ 53,605 都   47,897 2,392 13,121 3,859 67,269 訪 日 外 国 人 90,507 4,875 9,076 518 104,977 合   210,343 7,722 23,206 4,377 245,647 注) 計数整理の関係で、合計が一致しない場合があります。 (単位:人) (単位:百万円)

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平成26年の区の観光入込客数は東京都の8.4%を占めていますが、観光消費額は4.4%と低くなってい ます。これは、消費額の単価が大きい宿泊客の割合が東京都と比較して低くなっているためです。東京 都の全体の観光入込客数に占める宿泊客数は7.7%であるのに対し、江東区は2.9%であり、江東区での 宿泊を伴う来訪者を増やしていくことが今後重要と考えられます。 図表13 東京都における江東区の割合 8.4% 4.4% 8.8% 6.5% 3.2% 3.2% 1.3% 1.3% 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 観光入込客数 観光消費額 全体 日帰り客 宿泊客

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(4) 観光による経済波及効果

現在、観光は裾野の広い産業と言われており、観光による消費の波及効果は多岐に渡ることから、我 が国の成長戦略の中でも観光は重要な産業として位置づけられています。 平成26年の江東区内の観光消費額2,456億円がもたらす経済波及効果は、生産波及効果 3 が5,235億 円、所得効果 4 が2,139億円、雇用効果 5 が25,038人と推計されます。生産波及効果の5,235億円は東京 都全体の生産波及効果に対し4.4%に相当する金額で、所得効果は4.8%、雇用効果は4.4%に相当する結 果となりました。 また、江東区における観光消費額に対する生産波及効果の倍率は2.1倍となり、東京都の倍率の2.2倍 とほぼ同等の水準になります。 このように、観光による消費を高めることにより、所得効果や雇用効果につながり、経済への波及効 果が期待されます。 図表14 江東区における観光消費額の経済波及効果

観光消費額

2,456億円

生産波及効果

5,235億円

所得効果

2,139億円

雇用効果

25,038人

4.4%

4.8%

4.4%

東 京 都 全 体 に お け る 割 合 3 生産波及効果:ある消費額が当該産業へ直接波及し、それが産業間(卸や流通)の取引を通じて、次々と他産業の生産を誘発していく効果です。 4 所得効果:消費者の実質的な所得を通じて、消費量に与える効果のことです。例えば、経済的な活動が活発になり、産業が潤うと各産業への従 事者の所得が高くなり、その従事者の消費量も大きくなっていく効果です。

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(5) 江東区における観光動向

江東区の来訪者の行動パターンやニーズ等を把握するために行った「来訪者調査」の主な結果は以下 のとおりです。 ❶ 来訪者の概要 居 住 地 域 別 に み る と、 江 東 区 民 が 14.3 % と 区 民 以 外 の 東 京 都 在 住 者 が 36.5%と5割以上の来訪者が東京都在住 者です。都外在住の日本人は30.6%、外 国人は16.2%で東京都内の来訪者が多く なっています。 年代別にみると、40歳代が20.8%で、 30歳代が18.9%、20歳代が18.4%の順 となっています。 江東区への来訪者は全体として、20 ~40歳代が多く訪れていると言えます。 ❷ 来訪目的 来訪目的については、全体では 46.2%の来訪者が観光目的です。 外国人は観光目的が76.9%と極め て高く、江東区観光において重要な ターゲットとなります。 図表15 来訪者の属性(居住地域別・年代別) 14.3% 36.5% 30.6% 16.2% 2.4% 江東区 都内 都外 外国 不明 0.3% 6.7% 18.4% 18.9% 20.8% 15.0% 9.3% 6.2% 2.7% 10歳未満10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 70歳代 80歳以上 不明 60歳代 1.7% 図表16 居住地域別来訪目的 2.9 2.9 1.2 1.2 1.2 1.2 4.1 4.1 6.6 6.6 46.2 46.2 22.4 22.4 44.8 44.8 45.1 45.1 76.9 76.9 4.9 4.9 9.3 9.3 4.9 4.9 4.1 4.1 2.7 2.7 15.1 15.1 8.7 8.7 19.7 19.7 19.5 19.5 3.8 3.8 3.9 3.9 11.2 11.2 3.9 3.9 2.9 2.9 1.9 1.9 0.6 0.6 1.5 1.5 3.8 3.8 0.5 0.5 21.2 21.2 39.8 39.8 22.9 22.9 19.5 19.5 6.6 6.6 3.9 3.9 6.8 6.8 1.1 1.1 1.0 1.0 2.9 2.9 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=1,125) 江東区(n=161) 東京都(n=411) 都外(n=344) 外国(n=182) ビジネス 観光 買い物 イベント参加 食事 帰省・知人訪問 その他 不明

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❸ 区内滞在時間 区内滞在時間については、2~3 時間が22.0%と最も多く、全体と しては7割の来訪者が4時間以内の 滞在となっています。 一方、江東区民では滞在地点で1 時間未満が43.3%と短くなってい ます。 したがって、来訪者の滞在時間を 拡大させ、区内における観光活動や 消費活動を活発化させていくことが 今後の課題の一つです。 ❹ 宿泊数及び利用宿泊施設数 江東区に訪れている来訪者の平均宿泊数は3.0泊で、その内、江東区内での平均宿泊数は2.2泊となっ ています。都外在住者の区内平均宿泊数の1.6泊に比べ、外国人旅行者は2.9泊と多くなっています。一 方、来訪者の約9割(87.2%)が日帰りによる来訪であり、宿泊を伴う来訪者を増やしていくことが今 後の課題の一つです。 ❺ 来訪者の同行者形態 来訪者の同行者形態については、 家族との来訪が36.6%と最も多く、 次にひとりでの来訪が24.5%、友 人・知人との来訪が23.2%と続い ています。 また、来訪者の平均同行人数は 3.2人と、全体として少人数グルー プでの来訪が多くなっています。 したがって、家族向けを意識した 着地型旅行商品を充実させることが 求められます。 図表17 居住地域別区内滞在時間 15.0 15.0 43.3 43.3 14.4 14.4 12.8 12.8 7.4 7.4 19.6 19.6 26.8 26.8 19.1 19.1 22.3 22.3 22.1 22.1 22.0 22.0 14.4 14.4 24.7 24.7 26.0 26.0 24.6 24.6 14.2 14.2 3.1 3.1 20.9 20.9 15.7 15.7 9.8 9.8 9.1 9.1 5.2 5.2 10.3 10.3 11.6 11.6 9.8 9.8 7.1 7.1 4.1 4.1 7.8 7.8 5.4 5.4 15.6 15.6 13.0 13.0 3.1 3.1 2.8 2.8 6.2 6.2 10.7 10.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=856) 江東区(n=97) 東京都(n=320) 都外(n=242) 外国(n=122) 3時間~4時間 1時間~2時間 4時間~5時間 2時間~3時間 5時間~6時間 1時間未満 6時間以上 図表18 居住地域別同行者形態 24.5 24.5 32.9 32.9 28.7 28.7 26.5 26.5 6.0 6.0 36.6 36.6 48.4 48.4 34.1 34.1 36.6 36.6 36.3 36.3 23.2 23.2 8.1 8.1 8.18.1 24.6 24.6 23.8 23.8 33.5 33.5 4.4 4.4 1.9 1.9 7.5 7.5 3.8 3.8 1.1 1.1 3.6 3.6 0.6 0.6 0.5 0.5 2.9 2.9 15.4 15.4 7.7 7.7 4.6 4.6 6.4 6.4 7.7 7.7 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=1,125) 江東区(n=161) 東京都(n=411) 都外(n=344) 外国(n=182) ひとり 家族 友人・知人 恋人 職場・学校 その他

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❻ 来訪経験 江東区への来訪経験については、 初めての来訪が57.3%と最も多く、 4回以上の来訪が26.0%と続いて います。 区民は7割以上、区民以外の都民 は6割以上がリピーターですが、都 外在住者は5割の方が初めての来訪 となっています。 したがって、今後は外国人を含 め、満足度を高め、リピーターを増 やしていくことも必要です。 ❼ 訪問地点数及び周遊傾向 平均訪問地点数は1.6か所で、全体として1地点のみの来訪が61%と多くなっています。また、各地 点への来訪者の江東区内周遊傾向では、「亀戸天神社⇔亀戸香取神社」「富岡八幡宮⇔深川不動堂」「東京 都現代美術館⇒深川江戸資料館」「清澄庭園⇒東京都現代美術館」が主な傾向であり、広域的な周遊傾向 はほとんどないことが確認できました。 したがって、区内での広域的な周遊性を高めることは、滞在時間を延長させるうえで非常に重要です。 一方、外国人に関しても少数ではありますが、湾岸エリアに訪れる前後に深川・城東エリアの砂町銀 座商店街や東京都現代美術館、富岡八幡宮、亀戸天神社、深川江戸資料館、芭蕉記念館へ訪問するなど、 区内での広域的な周遊についても確認できたことから、今後とも区内での広域的な周遊性を高める取組 みが重要となります。 図表20 区内訪問地点分布 亀戸天神社 富岡八幡宮 東京都現代美術館 青海駅−日本人 青海駅−外国人 合 計 サンプル数 構成比率 サンプル数 構成比率 サンプル数 構成比率 サンプル数 構成比率 サンプル数 構成比率 サンプル数 構成比率 1地点 120 63.2% 115 52.0% 318 69.3% 49 60.5% 81 46.6% 683 60.7% 2地点 54 28.4% 79 35.7% 105 22.9% 17 21.0% 53 30.5% 308 27.4% 3地点 15 7.9% 26 11.8% 28 6.1% 12 14.9% 28 16.1% 109 9.7% 4地点 1 0.5% 4 0.9% 1 1.2% 6 3.4% 12 1.0% 5地点 3 0.6% 1 1.2% 6 3.4% 10 0.9% 6地点 1 1.2% 1 0.1% 7地点 1 0.5% 1 0.1% 11地点 1 0.2% 1 0.1% 総計 190 100.0% 221 100.0% 459 100.0% 81 100.0% 174 100.0% 1,125 100.0% 平均立寄り か所数 1.5 - 1.6 - 1.4 - 1.7 - 1.9 - 1.6 - 図表19 居住地域別来訪経験 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=1,125) 江東区(n=161) 東京都(n=411) 都外(n=344) 外国(n=182) 1回目 2回目 3回目 4回目以上 57.3 57.3 12.7 12.7 39.8 39.8 50.8 50.8 88.2 88.2 10.9 10.9 9.2 9.2 14.0 14.0 13.8 13.8 7.0 7.0 5.8 5.8 5.2 5.2 6.3 6.3 9.8 9.8 2.4 2.4 26.0 26.0 72.9 72.9 39.9 39.9 25.6 25.6 2.4 2.4

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❽ 来訪者の利用交通手段 利用交通手段については、地下鉄 の利用が62.8%と最も多くなって います。 一方、乗り物ではなく、徒歩での 移動も31.6%と比較的多くなって います。 今後は南北移動において重要な手 段となる都バス等の路線バスやレン タルサイクルなどの二次交通を充実 させ、利用率を高めるなど、区内で の移動の利便性を高めていくことが 重要です。 ❾ 観光情報の入手先 観光情報の入手先については、インターネット(PC)が22.8%、インターネット(携帯)が15.0%と インターネットからの観光情報の入手が多くなっています。また、家族・友人からの口コミによる情報 入手も多くなっています。 一方、外国人においてもインターネットや口コミによる情報入手が多いものの、ガイドブック (25.3%)も多くなっています。また、旅行専門雑誌(6.6%)やパンフレット(8.8%)などの紙媒体も 日本人より多い傾向です。 したがって、インターネットを活用した有効な観光情報の提供が重要となっていますが、外国人に対 してはガイドブックなどの紙媒体による観光情報の充実を図っていくことも重要です。 図表22 居住地域別観光情報入手先(複数回答) ガイド ブック 専門雑誌旅行 パンフレット 新聞・雑誌 テレビ・ラジオ 友人の話 旅行会社家族・ 案内所観光 インター ネット (PC) インター ネット (携帯) SNS その他 全体 (n=1,125) 6.7% 1.7% 4.2% 6.3% 6.0% 19.2% 3.8% 1.2% 22.8% 15.0% 3.9% 21.3% 江東区 (n=161) 1.9% 0.0% 3.1% 6.8% 5.0% 17.4% 0.0% 0.0% 6.8% 6.2% 1.9% 49.1% 東京都 (n=411) 2.4% 1.0% 3.4% 7.1% 7.3% 20.7% 0.2% 1.5% 24.6% 18.2% 2.9% 22.4% 都外 (n=344) 3.5% 0.9% 3.2% 7.8% 7.6% 18.3% 0.9% 0.0% 27.9% 15.7% 4.7% 18.3% 外国 (n=182) 25.3% 6.6% 8.8% 1.6% 2.2% 22.0% 21.4% 4.4% 26.4% 15.4% 6.6% 2.7% 図表21 利用交通手段 (%) 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 10.9 10.9 40.5 40.5 62.8 62.8 5.7 5.7 2.02.0 11.811.8 1.2 1.2 0.70.7 12.1 12.1 31.6 31.6 6.8 6.8 JR新幹線 電車(モノレール含む) 地下鉄 貸切バス・観光バス 高速バス 都バス等路線バスタクシー・ハイヤー レンタカー自家用車等 徒歩 自転車・バイク その他 2.8 2.8

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❿ 来訪者の満足度 来 訪 者 の 満 足 度 に つ い て は、 27.7%の来訪者が大変満足しており、 49.1%の来訪者が満足、11.4%の 来訪者がやや満足と合わせて88.2% と多くの来訪者が満足しています。 外国人における満足度は日本人よ り高い傾向にあり、大変満足が平均 を大きく上回る44.8%となってい ます。 (公社)日本観光振興協会が実施 した「第33回国民の観光に関する 動向調査(平成26年度版観光の実態と志向)」によると、全国の観光地における満足度では、大変満足と 満足を合わせて、71.8%であるのに対し、江東区では76.8%と満足度が高いことが分かります。 ⓫ 来訪者の再来訪意向 来訪者の再来訪意向については、 32.5 % の 来 訪 者 が 必 ず 来 た い、 52.3%の来訪者が来たい、8.3%の 来訪者がやや来たいとなっており、 再来訪の意向を持っている来訪者が 93.1%と多くなっています。 特に区民の必ず来たいが50.7% と調査地点への区民の再来訪意向の 高さが目立つ結果となっています。 満足度と同様に、「第33回国民の 観光に関する動向調査」によると、 全国の観光地における再来訪意向で は、必ず来たいと来たいを合わせて、71.7%であるのに対し、江東区では84.8%と再来訪意向が高いこ とが分かります。 図表25 全国の観光地における満足度及び再来訪意向 33.0 33.0 38.838.8 23.223.2 3.73.7 0.8 0.8 0.20.2 0.30.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 満足度    (n=16,334) 大変満足した 満足した まあ満足した どちらともいえない やや不満だった 不満だった 大変不満だった 34.7 34.7 37.037.0 18.018.0 7.77.7 2.02.0 0.3 0.3 0.3 0.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 再来訪意向  (n=16,334) 必ず来たい 来たい やや来たい 何とも言えない あまり来たくない 来たくない 絶対来たくない 図表24 居住地域別再来訪意向 32.5 32.5 50.7 50.7 33.6 33.6 25.6 25.6 29.8 29.8 52.3 52.3 41.4 41.4 52.7 52.7 55.1 55.1 55.0 55.0 8.3 8.3 2.9 2.9 7.2 7.2 11.3 11.3 8.8 8.8 6.4 6.4 5.0 5.0 6.5 6.5 7.4 7.4 5.3 5.3 0.2 0.2 0.3 0.3 0.2 0.2 1.1 1.1 0.1 0.1 0.3 0.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=1,125) 江東区(n=161) 東京都(n=411) 都外(n=344) 外国(n=182) 必ず来たい 来たい やや来たい 何とも言えない あまり来たくない 来たくない 絶対来たくない 図表23 居住地域別満足度 27.7 27.7 33.6 33.6 25.9 25.9 18.9 18.9 44.8 44.8 49.1 49.1 47.7 47.7 48.5 48.5 53.2 53.2 42.4 42.4 11.4 11.4 8.7 8.7 12.4 12.4 12.9 12.9 8.1 8.1 10.7 10.7 10.0 10.0 12.4 12.4 12.9 12.9 3.5 3.5 1.0 1.0 0.8 0.8 2.1 2.1 0.6 0.6 0.1 0.1 0.6 0.6 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=1,125) 江東区(n=161) 東京都(n=411) 都外(n=344) 外国(n=182) 大変満足 満足 やや満足 普通 やや不満 不満 大変不満

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(6) 江東区に対する認知度及びイメージ

江東区に対するイメージ及び認知度等について、インターネット調査を行った主な結果は以下のとお りです。 ❶ 主要地域に対する認知度 江東区内の主要地域に対する認知度では、有明、豊洲などの湾岸エリアに対する認知度が高くなって います。深川・城東エリアでは亀戸、大島、門前仲町に対する認知度が高く、特に7割以上の人が亀戸 を知っている結果となりました。このように江東区は湾岸エリアと深川・城東エリアでそれぞれ認知度 の高い地域を有しており、認知度の高い主要地域を中心に江東区の全体的な認知度を高めていく必要が あります。 ❷ 江東区に対するイメージ 江東区に対しては、多くの人が「下町の風情がある」と「人情あふれる」とイメージしており、下町 ならではの魅力を活かしていくことが重要であることが分かりました。また、「水辺のスポットが多い」 とイメージしている人も比較的多く、江東区の豊かな水辺環境は、区の観光を推進するにあたって、重 要な役割を果たすものと考えられます。 ❸ 水辺関連の乗り物 江東区には和船や水陸両用バス、水上バスなど、水辺を体感できたり、区内周遊性を高める水辺関連 の乗り物がたくさんあります。和船やカヌー、動力船などはイベント時や一定の期間に運航されている 現状から、まだまだ利用者は少ないものの、満足度及び再来訪意向が高くなっています。また、区内の 周遊性を高めるコミュニティサイクル 6 についても、現状では利用率が低いものの、満足度及び再利用意 向が高くなっています。 したがって、江東区の水辺関連の乗り物に対する認知度を高め、水辺関連の乗り物としての楽しみを 提供しつつ、南北移動における有効的な手段としても活用していくことが必要です。 ❹ 今後行ってみたいスポット等 今後、江東区に訪れる際に行ってみたいスポット等については、全体的に湾岸エリアのスポットに対 するニーズが高い中、東京都現代美術館や「亀戸七福神めぐり」「深川芭蕉コース」などのまちあるきに 対するニーズも見られることから、芸術文化関連スポットや観光コースも江東区の重要な資源と考えら れます。 6 コミュニティサイクル:一定の地域内に複数配置されたサイクルポートで自由に貸出・返却をすることができる自転車シェアリングシステムの

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(7) 江東区に訪れる訪日外国人の実態及びニーズ

❶ 国によって異なる観光目的に合った区内滞在先 観光庁の「宿泊旅行統計調査(平成26年)」のデータを基に、区内の訪日外国人の宿泊状況を分析した 結果、江東区に訪れている外国人の区内の宿泊地に関しては、湾岸エリアではアジアからの外国人が、 深川エリアでは欧州・北米からの外国人が中心に滞在している傾向が見られます。 国別にみると、韓国は深川エリアと湾岸エリア両方に滞在していますが、中国及び台湾は深川エリア に集中しています。しかし、香港においては、湾岸エリアに集中しています。これに対し、欧州・北米 からの外国人は全体として、深川エリアに集中しています。 図表26 訪日外国人 国・地域別/エリア別宿泊状況 韓国 中国 香港 台湾 深川エリア 50.0% 65.8% 15.4% 59.6% 城東エリア 4.2% 7.8% 17.0% 5.0% 湾岸エリア 45.8% 26.4% 67.6% 35.4% シンガポール タイ マレーシア インド インドネシア ベトナム フィリピン 深川エリア 80.2% 72.0% 73.4% 51.2% 77.6% 38.2% 77.3% 城東エリア 9.4% 10.8% 8.0% 12.4% 5.5% 8.2% 9.6% 湾岸エリア 10.4% 17.2% 18.6% 36.4% 16.9% 53.6% 13.1% アメリカ カナダ イギリス ドイツ フランス ロシア オーストラリア 深川エリア 72.6% 79.4% 72.1% 59.8% 82.2% 86.5% 82.8% 城東エリア 6.4% 11.5% 6.2% 11.6% 6.3% 6.4% 4.9% 湾岸エリア 21.0% 9.1% 21.7% 28.6% 11.5% 7.1% 12.3% 観光庁の「訪日外国人消費動向調査(平成26年)」によれば、台湾及び中国をはじめとするアジアから の外国人はショッピングを主に楽しんでいるのに対し、欧州・北米からの外国人は日本の歴史・伝統文 化体験などの日本文化を楽しんでいる傾向にあり、それぞれの目的に合った宿泊先が選択されています。 実際に、区内では多くのアジアからの外国人が湾岸エリアに、また、多くの欧州・北米からの外国人 が深川エリアに滞在しており、それぞれの国のニーズに合った滞在先となっています。 したがって、区内の宿泊施設と連携し、滞在先周辺の観光情報提供の充実を図っていくことが必要です。 図表27 国・地域別訪日旅行に関する意識〔今回したこと(複数回答)〕 全体 (n=22,589)(n=4,937)韓国 (n=3,476)台湾 (n=5,731)中国 (n=537)タイ (n=632)英国 (n=623)ドイツ フランス(n=422)(n=1,263)米国 (n=768)カナダ オーストラリア(n=480) 日本食を食べること 92.5% 91.1% 91.5% 91.9% 90.2% 94.8% 96.6% 98.1% 95.0% 94.8% 94.2% 繁華街の街歩き 58.6% 49.5% 62.0% 65.0% 59.4% 57.7% 47.5% 59.5% 53.7% 59.4% 64.6% ショッピング 73.3% 62.0% 83.1% 85.2% 83.5% 56.0% 47.8% 63.6% 53.2% 65.2% 66.5% 美術館・博物館 16.3% 7.5% 14.9% 10.9% 20.3% 36.7% 19.7% 35.1% 28.1% 32.1% 36.8% 日本の歴史・伝統文化 体験 23.3% 10.2% 20.6% 15.6% 25.8% 39.7% 37.4% 47.5% 46.2% 47.4% 48.6%

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❷ 外国人留学生モニターツアーにおけるニーズ及び課題 外国人留学生による江東区内でのモニターツアーを実施した結果、主に以下のニーズ及び課題が明ら かになりました。 ア. 観光案内所の充実(外国人対応) 多くのモニターは外国語による観光情報の収集や地域ならではの観光情報を求め、地域内の観光協 会や観光案内所に訪れていますが、外国語による観光情報が少なく、また、地域ならではの観光情報 の取得も満足にできない状況も見受けられることから、観光協会や各エリアにある観光案内所におい て、外国人対応を充実していくことが必要です。 イ. 観光案内標識及び施設内情報等の外国語対応 モニターツアーの結果、歴史・文化を体感できる深川江戸資料館や現代文化・アートを体感できる 東京都現代美術館、日本の科学技術を体感できる湾岸エリアの複数の施設に対するニーズが高く、そ れぞれの施設に対する満足度も高いことが分かりました。 しかし、深川・城東エリアにおいては、観光案内標識や施設内における説明文など、外国語対応に 対する不満が多く見受けられるため、区内の観光案内標識及び施設内における外国語対応が急務であ ると考えられます。 コミュニティサイクルの利用においても、利用に対する満足度は高いものの、多言語による案内が なく、また、外国語対応スタッフの不在により、利用前までの手続きが困難となっていることから、 外国人向けの活用手法の改善が望まれます。 こういった外国語対応は2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けても非常に重要な課題の 一つです。 ウ. 地域住民とのふれあい 深川エリアや砂町銀座商店街を中心とした下町において、地域住民との会話などのふれあいに対す る満足度が高く、地域住民とのふれあいに対し大変魅力を感じています。 したがって、下町情緒をより身近に感じることのできる場を多く設け、地域住民と外国人のふれあ いの機会を増やすことにより、江東区に訪れる外国人の満足度がより高まっていくものと考えられま す。

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(8) 観光関連団体・事業者の意向調査

観光関連団体及び事業者の意向について、区内の観光関連団体15か所及び事業者8か所を対象に「観 光関連団体・事業所の意向に関するヒアリング調査」を実施し、観光資源、水辺空間、オリンピック、 外国人旅行者、日本人旅行者、交通、情報発信、広域及び観光推進体制に関して、多岐にわたり意見を 聴取し、観光推進プランの改定に反映しました。 図表28 観光関連団体・事業者ヒアリング先一覧 団体・事業者名 区  分 1 一般社団法人 江東区観光協会 観光協会 2 江東区亀戸観光協会 3 深川観光協会 4 深川資料館通り商店街協同組合 商店街 5 砂町銀座商店街振興組合 6 香取大門通り会(亀戸香取勝運商店街) 7 豊洲商友会 8 NPO法人 本所深川 区民団体等 9 NPO法人 江東区の水辺に親しむ会 10 旧中川まちづくり協議会 11 江東区文化観光ガイドの会 12 江東区英語ボランティアガイドの会 13 江東区伝統工芸保存会 14 江東区町会連合会 15 一般社団法人 東京臨海副都心まちづくり協議会 まちづくり団体 16 株式会社 JTBコーポレートセールス 旅行事業者 17 日の丸自動車興業株式会社 交通事業者 18 公益財団法人 東京都公園協会 (東京水辺ライン) 19 ホテルイースト21東京(鹿島東京開発株式会社) 宿泊事業者 20 大江戸温泉物語株式会社 観光関連施設 21 亀戸いきいき事業協同組合 22 株式会社 クリオ・プロジェクト(タウン誌深川) メディア 23 株式会社 サンケイリビング新聞社

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(9) 観光推進プラン前期行動計画の達成状況

前期行動計画の達成状況を把握するとともに、後期行動計画の新たな施策における方向性及び実施事 業の見直しに向けた分析を実施しました。 ❶ 観光マーケティングの実施 平成26年度に「江東区の観光について」の区政モニターアンケート、平成27年度に観光動向調査(来 訪者調査)をそれぞれ実施し、区内外の観光動向の調査を行いました。 今後は、これらの分析結果を施策に反映させ、効果的・効率的に事業を推進していく必要があります。 また、東京オリンピック・パラリンピックやインバウンドへの対応など、社会情勢が大きく変動するこ とが予想される後期については、毎年度簡易調査を実施するほか、詳細調査については2~3年の短い 周期での実施が望まれます。 ❷ ストーリー性のある観光メニューづくり 観光ボランティアを活かした江東区文化観光ガイドツアーでは、赤穂浪士や七福神、怪談ツアーと いった歴史とからめたものから、相撲部屋の見学や鉄道会社と連携して車両基地見学も実施するなど、 様々な年齢層をターゲットとした企画を実施しています。 また、江東区観光協会は、東京オリンピック・パラリンピックの競技予定地なども案内する舟運ツアー や湾岸エリアの様々な地域資源を観光に活かすため、平成26年度に江東湾岸MY博覧会を実施し、平成 27年度はオリンピアンを招き競技予定地を巡るほか、パネルディスカッションを行う江東湾岸まつりも 開催しました。 他自治体や観光関連団体とも連携し、舟運とまちあるきを組み合わせたツアーのほか、船と自転車・ 食事を組み合わせた社会実験も行われており、様々なストーリー性を持たせた事業が試みられています。 一方で、区内「1回の来訪当たりの滞在時間が4時間以上の人の割合」が低いことから、今後はイベ ント型のメニューづくりだけではなく、江東区の魅力を最大限に活かしたメニューがいつでも楽しめる ような環境づくりが重要となります。 ❸ 地域ブランドの確立 江東区観光協会では、平成25年度に観光関連団体や事業者などとともに観光を推進する観光共通ロ ゴ・キャッチフレーズ「魅力百様、江東区。Koto,Tokyo」を策定し、PR活動を行っています。「食」 の分野では、「深川めし」のブランド化に向けた取組みを実施し、様々なイベントに出展してPRを行って います。 一方、区では平成27年度に江東区ブランディング戦略検討委員会を立ち上げ、東京オリンピック・パ ラリンピックの中心地となる江東区を世界に発信していく、ブランドコンセプト、ロゴマーク、PR戦略 などを策定します。また、企業とともに区のイメージアップを図るため、平成26年度から優れた製品や 技術により革新的に事業展開の道を切り開いている企業を「江東ブランド」として認定し、認定ロゴを 付与するとともに展示会や見本市への出展も行っています。 知名度・イメージ向上を江東区の誘客につなげていくため、今後は作成したロゴ・キャッチフレーズ などを活用した情報発信が重要となります。

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❹ 発信手段の多様化と内容の充実 ホームページによる情報発信のほか、ユーチューブで観光PR動画を発信する「江東区観光チャンネル」 やSNSを活用した江東区観光協会によるツイッター、フェイスブック「ことてぃ」により、様々な情報 発信を行っています。 紙媒体のパンフレット・冊子では、江東区の誘客用観光パンフレットの作成や、観光情報誌「こうと うトコトコ日和」をブラッシュアップし、エリア別や話題性のあるテーマで観光施設や個店の紹介を行 うほか、江東区のお店を紹介する情報誌「ことみせ」の発行により、情報発信も充実してきています。 また、旅行者のニーズに対応する近隣自治体と連携した観光PR冊子の作成も行っています。 しかし、観光関連団体・事業者のヒアリングから、情報発信力が弱いと指摘されているように、観光 情報アプリなどの情報発信手段の検討やホームページのスマートフォン・動画対応など、既存の情報発 信手段のブラッシュアップ・認知度を高めるほか、広告代理店や海外の人気ブロガーを招請した発信力 のある媒体を活用した情報発信も検討していく必要があります。 一方、写真コンクールは、魅力あるテーマの設定と新たなPR方法の検討(写真コンクール検索サイト への情報掲載)が必要です。 ❺ ターゲット別情報の充実 区のホームページ及び江東区の公式観光情報サイト「江東おでかけ情報局」は多言語により情報発信 を行っています。平成27年度は、外国語版江東区観光マップを作成し、紙媒体での観光情報の提供も充 実するほか、商店街会員店舗やことみせ登録店のメニューや案内看板の多言語化経費を補助する制度も 開始しました。 今後は、外国人旅行者誘客に向け、発信力のある外国人ネットワークを活用した情報発信、外国人の 視点を取り入れることも必要です。 ❻ 積極的なプロモーションの実施 和船や大横川の花見クルーズ、文化観光ガイドツアーや広域連携での観光プロモーションなど、マス メディアへの露出も高まっています。 また、広域連携プロモーションで地方旅行会社へのセールス、観光関連施設とともに大手旅行会社の 商談会に参加するなど、地方からの修学旅行生などの団体客の誘致にも取り組んでいます。 今後も区内観光関連団体・民間事業者などと連携し、プロモーションを一層強化していく必要があり ます。 ❼ 拠点施設等の整備・充実 江東区の観光と文化の拠点として深川東京モダン館が平成21年10月に開館し、まちあるき案内所とし ての機能のほか、企画展や落語会、大正時代のレシピを再現したモダン食堂などを実施し、地域住民や 来訪者の交流の場として親しまれています。亀戸梅屋敷は平成25年3月にオープンし、亀戸ならではの お土産品や江戸切子の販売、展示、水陸両用バスの発着所になっています。これらの観光拠点は、テレ ビやラジオ、旅行雑誌に取り上げられることもあり、徐々に知名度が高まっています。 また、平成25年3月には水陸両用バスの進水地点となる「旧中川・川の駅」がオープンしました。飲 食やお土産物の販売、無料の足湯などが楽しめる「水彩テラス」をはじめ、地域のイベントや江東こど もカヌー大会も行われるようになり、にぎわい創出の場として活用されています。 これらは亀戸香取勝運商店街(レトロ商店街)とともに、知名度とサービスの向上を図り、来訪者の

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