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【研究ノート】浄化槽保守点検業の登録の法的性質に関する一考察

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( 45 ) はじめに Ⅰ.問題の所在 Ⅱ.浄化槽法における保守点検業と協会証明書の位置づけ Ⅲ.浄化槽保守点検業の登録と浄化槽清掃業の許可・一般廃棄物処理業の 許可 Ⅳ.漁業法小型底曳網漁業の許可における協会の副申書添付の法的意義と 浄化槽協会の証明書 Ⅴ.浄化槽保守点検業の登録の法的性質 おわりに はじめに  本稿は,甲県において浄化槽保守点検業の登録をめぐり生じた事案を素 材とし,これに検討を施そうとするものである(1)。管見の限り,浄化槽保 守点検業の登録の法的性質をめぐって争われた裁判例や正面から論じられ た文献は見当たらない。「登録」という場合,その文言からは覊束行為に 近いイメージが窺えそうであるが(2),このしくみをつぶさにみると,法制

浄化槽保守点検業の登録の法的性質に関する一考察

石 森 久 広

———————————— (1)本稿は,第 244 回広島公法研究会(2013 年 7 月 20 日)で行った報告を基にしている。 同研究会では,憲法,行政法の研究者から有益な意見を得たほか,広島大学大学院の 折橋洋介准教授から浄化槽法制定時の国会における議論状況につき,また浄化槽行政 担当経歴を有する同大学院の宇那木正寛氏から登録の実務的取扱いの実際につき,貴 重な助言をいただいた。

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定時から(むしろ,それまでの経緯を反映し,といった方が適切である が)民間組織である業界団体を登録審査の過程の中軸に据えたり,保守点 検業の登録のみ(清掃業許可の行政庁が市町村長であるところ県の)条例 に委ねるなど,いくぶん特異な制度として構築されていることがわかる。 さらに,形式的には法源性のない「通知」で協会の証明書が求められ(甲 県行政手続条例上の「審査基準」は「浄化槽清掃業者との連絡に関する書 類」にとどまる),またそこに組み込まれた「生活環境の保全及び公衆衛 生の向上」の文言解釈のあり方と相まって,この登録の性質がいかなるも のか,講学上非常に興味深い様相を呈し,またそれゆえこの登録の許否を めぐる紛争の解決はそれほど容易ではないことが窺える。そこで以下,本 件の事案を紹介したうえで問題を設定し(Ⅰ),浄化槽法制定時の議論を もとに保守点検業の登録制度の構築と協会証明書の位置づけに関する立法 者意図を探ったうえで(Ⅱ),清掃業の許可及び一般廃棄物処理業の許可 と比較しながら保守点検業の登録の法意につき分析する(Ⅲ)。また,業 界団体が登録審査過程に組み込まれていることとの類似の例として,漁業 法小型底曳網漁業の許可における協会の副申書添付の例を取り上げ,判例 に示された副申書添付の意義と比較しながら浄化槽協会の証明書添付の意 義を確認することを通じて(Ⅳ),浄化槽保守点検業の「登録」にどのよ うな特殊性があり,それをどう解する可能性がありうるのか,素描するこ とを試みる(Ⅴ)。 ———————————— (2)仮に伝統的な法律行為的行政行為と準法律行為的行政行為の分類に当てはめるとすれ ば,「登録」は,一般的には,準法律行為的行政行為の「公証」に分類されるであろう。 そうであれば「少なくとも行政機関の裁量の余地がないようにすることが原則とされ るべきであり,立法例でもそのような例が多い」とされる(大島稔彦編『法令起案マ ニュアル』〔ぎょうせい,2004 年〕247 頁)。しかし,著名な毒物劇物取締法の登録の 拒否処分が争われた事案(最判昭和 56 年 2 月 26 日民集 35 巻 1 号 117 頁)では,す べての審級を通じ実質的に「許可」としてその裁量の広狭が争われているように,事 案ごとにその法的性質は異なる。

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( 46 ) ( 47 ) Ⅰ.問題の所在 1.事案  家庭の台所・水洗トイレ・ふろ場や,事業所などから排水される汚水は, 公共下水道など集合処理施設や浄化槽など個別処理施設によって処理され る必要がある。平成24年度末,甲県における汚水処理人口普及率(処理施 設区域内人口÷総人口)は76.9%,公共下水道のそれは54.0%,浄化槽のそ れは14.1%である。浄化槽は,微生物の働きによって水を浄化するもので, 正常に機能するためには,家庭用の小型浄化槽であれば,おおむね年3~ 4回以上(処理方式や処理対象人員によって回数は異なる),機器の調整 点検,水質検査,消毒剤・水処理薬剤の補充,害虫駆除などの定期的な保 守点検が,また,年1回以上必要に応じて清掃が必要となるようである。  株式会社Aは,平成24年10月2日,甲県のT保健福祉事務所において甲 県知事Yに対して,浄化槽保守点検業の登録申請を行った。甲県において は,浄化槽の保守点検を業として行うには,浄化槽法48条に基づく甲県浄 化槽保守点検業者の登録に関する条例(以下,「条例」という。)3条1 項に従い,知事の登録を受ける必要がある。登録にかかる標準処理期間は 「総期間 30日」と定められている。  Aの申請を受けたYは,昭和61年3月11日付け甲県保健環境部長通知 (以下,「本件通知」という。)2(2)ウ(ウ)に記載された「浄化槽 清掃業者との連絡に関する書類」として,財団法人甲県浄化槽協会Xが発 行した証明書ではなく,「別紙様式による申立書」による申請として審査 し,同年11月20日,Yは,Aの保守点検業の登録を行った(以下,「本件 登録」という)。なお,本件通知は,X宛てのものであるが,本件登録の 審査もこれと同内容の基準に沿って行われている。  本件登録の申請に先立ち,Xは,Aに対する証明書発行の可否につき, 「『生活環境の保全及び公衆衛生の向上の事由により』かつ『営業区域の 浄化槽の保守点検が必要と認められる場合に該当せず』の事由により発行 しない」ことを決定し,Yに対し,「管理士の名義借り,書類の不備,営

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業区域の変更,法人を変えて申請するなど信用できない」と説明,証明書 を発行できない旨を通知した。  Xは,浄化槽の製造,施工,保守点検及び清掃の適正化,浄化槽に関す る知識及び技術の普及促進等を目的に財団法人として設立され,目的に賛 同する甲県内の浄化槽製造業者,保守点検業者,清掃業者等で構成されて いる。甲県にはほかに業者で組織される団体はなく,現在,県内の相当数 の業者が会員となっている。Xの理事長Zは,浄化槽清掃業者である。  Xは,平成24年11月29日,弁護士らを通じ,Yに対し,本件登録がなさ れたことにつき質問書を送付した。平成25年3月29日,Xに対しYの回答が 届いた(以下,「本件回答」という)。  それによると,まず,Xの「貴庁は,当協会が『浄化槽清掃業者との連 絡に関する書類』を発行しなかったことを尊重すべき」ではないかとの質 問に対し,Yからは以下のように回答がなされた。  「当該登録申請内容の審査に当たっては,報告があった証明書発行拒否 の理由は,『生活環境の保全及び公衆衛生の向上』という概念に合致する と判断できる具体的な理由ではなく,『生活環境の保全及び公衆衛生の向 上』の理由に該当しないと判断したところです」。  また,Xの「『当該営業区域の浄化槽の保守点検が必要』とは認められ ない」のではないかとの質問に対しては,Yからは以下のように回答がな された。  「〔①〕浄化槽清掃業は,浄化槽法35条の規定により,市長村長の許可 を得る必要があり,また,市長村長は生活環境の保全及び公衆衛生上必要 な条件を付すことができるとされております。これは,業者を競争させれ ば,得意先の奪い合いは避けられず,その結果,手抜き作業や不法投棄な どの不正行為が行われ,生活環境が悪化することから基礎自治体である市 町村による行政指導がなされるよう浄化槽法で規定されているものです。  〔②〕このように,浄化槽清掃業については,明文規定として,許可に は期限を付し,又は生活環境の保全及び公衆衛生上必要な条件を付すこと ができるとしていますが,浄化槽保守点検業については同様な規定があり

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( 48 ) ( 49 ) ません。  〔③〕したがって,新規に登録を希望する保守点検業者の登録申請内容 が浄化槽法や条例等の要件を満たせば県は登録しなければなりません。  〔④〕浄化槽保守点検業者による保守点検業務の状況にかかわらず,浄 化槽の機能が適正に発揮される為には,保守点検は必要です。  〔⑤〕また,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律1条にあ るように浄化槽保守点検業登録についても同一の需要者に2以上の事業者 が同種の役務を提供することは妨げられません。  〔⑥〕さらに,サービスの受益者である県民の視点からも,既存の保守 点検業者によって浄化槽保守点検業務が十分賄われていることを理由に, 新規参入業者の登録申請を拒否し,事業活動を排除することは好ましくあ りません」。  Xに対する回答の最後に,Yの「まとめ」として,以下のように記され ている。  「今回,本件会社の保守点検業者登録の拒否を貴協会から要望されてお りますが,本件登録申請に関しては,甲県浄化槽保守点検業者の登録に関 する条例第4条に規定する登録申請書に不備がなく,かつ,同条例第6条 に規定する登録の拒否の要件に該当しないため,登録したところです」。 2.問題  上記の事案において,本件登録に不服を有するXの立場から,抗告訴訟 を提起することを念頭におけば,次のように問題が設定される。 ① 本件登録は適法か  まず,知事は,協会の証明書発行拒否の理由「管理士の名義借り,書類 の不備,営業区域の変更,法人を変えて申請するなど信用できない」が 「生活環境の保全及び公衆衛生の向上」の理由に当たらないとして,別の 様式による審査を行い,登録をしている。これが適法かという問題が設定 される。 ② 協会は訴訟提起の資格をもつか

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 次に,協会の発行する証明書は,登録の基準の1つ「清掃業者との連絡 に関する書類」として位置付けられている。登録権者が仮に誤ってこの発 行が不要と判断した場合,誤ってなされた登録を,協会が行政訴訟で争え るか,という問題が設定されうる。 ③ 既存清掃業許可者はどうか  さらに,「清掃業者との連絡」を法益とする浄化槽法は,既存清掃業者 の「経営の基礎」を保護しようとする趣旨を有しているのか,という点も 問題として設定しうる。 3.関係法令等(事件当時のもの) (1) 浄化槽法(昭和58年5月18日法律第43号)(抜粋) (目的) 第1条  この法律は,浄化槽の設置,保守点検,清掃及び製造について規 制するとともに,浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度 を整備し,浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により, 公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適 正な処理を図り,もつて生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与するこ とを目的とする。 (定義) 第2条  この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当 該各号に定めるところによる。  一  浄化槽  便所と連結してし尿及びこれと併せて雑排水(工場廃水, 雨水その他の特殊な排水を除く。以下同じ。)を処理し,下水道法(・・・) 第2条第6号に規定する終末処理場を有する公共下水道(以下「終末処理下 水道」という。)以外に放流するための設備又は施設であつて,同法に規 定する公共下水道及び流域下水道並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法 律(・・・)第6条第1項の規定により定められた計画に従つて市町村が設置し たし尿処理施設以外のものをいう。  三  浄化槽の保守点検  浄化槽の点検,調整又はこれらに伴う修理を

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( 50 ) ( 51 ) する作業をいう。  四  浄化槽の清掃  浄化槽内に生じた汚泥,スカム等の引出し,その 引出し後の槽内の汚泥等の調整並びにこれらに伴う単位装置及び附属機器 類の洗浄,掃除等を行う作業をいう。  八  浄化槽清掃業  浄化槽の清掃を行う事業をいう。  九  浄化槽清掃業者  第35条第1項の許可を受けて浄化槽清掃業を営 む者をいう。 (設置後等の水質検査) 第7条①  新たに設置され,又はその構造若しくは規模の変更をされた浄 化槽については,環境省令で定める期間内に,環境省令で定めるところに より,当該浄化槽の所有者,占有者その他の者で当該浄化槽の管理につい て権原を有するもの(以下「浄化槽管理者」という。)は,都道府県知事 が第五十七条第一項の規定により指定する者(以下「指定検査機関」とい う。)の行う水質に関する検査を受けなければならない。 (保守点検) 第8条  浄化槽の保守点検は,浄化槽の保守点検の技術上の基準に従つて 行わなければならない。 (浄化槽管理者の義務) 第10条①  浄化槽管理者は,環境省令で定めるところにより,毎年1回 (環境省令で定める場合にあつては,環境省令で定める回数),浄化槽の 保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。 ③  浄化槽管理者は,浄化槽の保守点検を,第48条第1項の規定により条 例で浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度が設けられている場合には 当該登録を受けた者に・・・委託することができる。 (保守点検又は清掃についての改善命令等) (定期検査) 第11条①  浄化槽管理者は,環境省令で定めるところにより,毎年1回 (環境省令で定める浄化槽については,環境省令で定める回数),指定検 査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。

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第12条①  都道府県知事は,生活環境の保全及び公衆衛生上必要があると 認めるときは,浄化槽管理者,浄化槽管理者から委託を受けた浄化槽の保 守点検を業とする者・・・に対し,・・・必要な助言,指導又は勧告をすること ができる。 (許可) 第35条①  浄化槽清掃業を営もうとする者は,当該業を行おうとする区域 を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。 ②  前項の許可には,期限を付し,又は生活環境の保全及び公衆衛生上必 要な条件を付することができる。 (許可の基準) 第36条  市町村長は,前条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適 合していると認めるときでなければ,同項の許可をしてはならない。  一  その事業の用に供する施設及び清掃業許可申請者の能力が環境省令 で定める技術上の基準に適合するものであること。  二  清掃業許可申請者が次のいずれにも該当しないこと。 イ この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処 せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなつた日か ら二年を経過しない者 ロ 第41条第2項の規定により許可を取り消され,その取消しの日か ら2年を経過しない者 ホ その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認め るに足りる相当の理由がある者 ヘ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律・・・の規定・・・による命令に違 反して罰金以上の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受け ることがなくなつた日から2年を経過しない者 ト 廃棄物の処理及び清掃に関する法律・・・の規定により許可を取り消 され,その取消しの日から2年を経過しない者 チ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律・・・の許可を受けて一般廃棄物 の収集,運搬又は処分を業として行う者(以下,「廃棄物処理業者」

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( 52 ) ( 53 ) という。)・・・で法人であるものが・・・許可を取り消された場合におい て,その処分のあつた日前30日以内にその一般廃棄物処理業者の役員 であつた者でその処分のあつた日から2年を経過しないもの 第41条①  市町村長は,浄化槽の清掃について,生活環境の保全及び公衆 衛生上必要があると認めるときは,当該浄化槽清掃業者に対し,必要な指 示をすることができる。 ②  市町村長は,浄化槽清掃業者の事業の用に供する施設若しくは浄化槽 清掃業者の能力が第36条第1号の基準に適合しなくなつたとき,又は浄化槽 清掃業者が次の各号の一に該当するときは,その許可を取り消し,又は6月 以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることがで きる。  一  第12条第2項の命令に違反したとき。  二  不正の手段により第35条第1項の許可を受けたとき。  三  第36条第2号イ・・・又はホ・・・のいずれかに該当することとなつたと き。  五  前項の指示に従わず,情状特に重いとき。 第48条①  都道府県(・・・)は,条例で,浄化槽の保守点検を業とする者 について,都道府県知事の登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業とし てはならないとする制度を設けることができる。 ②  前項の条例には,登録の要件,登録の取消し等登録制度を設ける上で 必要とされる事項を定めるほか,次の各号に掲げる事項を定めるものとす る。  四  浄化槽清掃業者との連絡に関する事項 ③  第1項の登録を受けた浄化槽の保守点検を業とする者は,浄化槽管理 士の資格を有する者を浄化槽の保守点検の業務に従事させなければならな い。 ④  市町村長(・・・)は,第1項の登録を受けた浄化槽の保守点検を業とす る者の業務に関し,違法又は不適正な事実があると認めるときは,都道府 県知事に対し,必要な措置をとるべきことを申し出ることができる。

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(指定検査機関) 第57条  都道府県知事は,当該都道府県の区域において第7条第1項及び第 11条第1項の水質に関する検査の業務を行う者を指定する。 (2) 環境省関係浄化槽法施行規則(昭和59年3月30日厚生省令第17号) (保守点検の回数の特例) 第6条②  浄化槽に関する法第10条第1項の規定による保守点検の回数は, 通常の使用状態において,次の表に掲げる期間ごとに1回以上とする。 処理方式 浄化槽の種類 期間 分離接触ばつ気方式 ・・・ 1 処理対象人員が 20 人以下の浄化槽 4月 2 処理対象人員が 21 人以上 50 人以下の浄化槽 3月 (その他,略) (3) 甲県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例(昭和60年10月17日甲県 条例第22号) (登録) 第3条① 浄化槽保守点検業を営もうとする者は,知事の登録を受けなけれ ばならない。 ② 前項の登録の有効期間は,3年とする。 (登録の申請) 第4条① 前条第1項・・・の登録を受けようとする者(以下「申請者」とい う。)は,次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければなら ない。  一~四 (略) ② 前項の申請書には,次に掲げる書類を添付しなければならない。  三 その他規則で定める書類 (4) 甲県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例施行規則(昭和60年12月 28日甲県規則第56号) (登録申請書の添付書類) 第4条② 条例第4条第2項第3号に規定する規則で定める書類は,次に掲げ

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( 54 ) ( 55 ) る書類とする。  三 その他知事が必要と認める書類 (5) 甲県保健環境部長通知(昭和61年3月11日環第1499号)(関係部分の み抜粋) 2.登録の申請(第4条関係) (2)申請書の添付書類 ウ 条例第4条第2号第3号 (ウ) 規則第4条第2項第3号で定める「その他知事が必要と認める書類」 は次の書類とする。  a.浄化槽清掃業者との連絡に関する書類  ①浄化槽の清掃は,浄化槽の正常な機能を維持するために必要不可欠な ことであり,保守点検業者は常に浄化槽清掃業者と十分な連絡が必要なた め「知事の指定した機関が発行した書類」,及び申請者が別に浄化槽清掃 業の許可を受けている場合は許可書の写しを添付させること。  ②「知事の指定した機関」とは財団法人甲県浄化槽協会とする。  ③生活環境の保全及び公衆衛生の向上以外の理由で証明書の発行を拒否 され,かつ当該営業区域の浄化槽の保守点検が必要と認められる場合には, 別紙様式による申立書又は浄化槽清掃業者の証明書をもってこれに代える ことができるものとする。 (6) 審査基準(関係部分のみ抜粋)  (2)添付書類として   「オ 浄化槽清掃業者との連絡に関する書類」 (7) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年12月25日法律第137 号) (目的) 第1条 この法律は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,

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保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にす ることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とす る。 (定義) 第2条 ② この法律において「一般廃棄物」とは,産業廃棄物以外の廃棄 物をいう。 (事業者の責務) 第3条 ①  事業者は,その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任に おいて適正に処理しなければならない。 (国及び地方公共団体の責務) 第4条 ①  市町村は,その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の 自主的な活動の促進を図り,及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を 講ずるよう努めるとともに,一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当た つては,職員の資質の向上,施設の整備及び作業方法の改善を図る等その 能率的な運営に努めなければならない。 (一般廃棄物処理計画) 第6条 ① 市町村は,当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計 画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。 ② 一般廃棄物処理計画には,…当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理 に関し,次に掲げる事項を定めるものとする。  一 一般廃棄物の発生量及び処理量の見込み  四 一般廃棄物の適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項 (市町村の処理等) 第6条の2 ① 市町村は,一般廃棄物処理計画に従つて,その区域内にお ける一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し,これを 運搬し,及び処分(・・・)しなければならない。 ② …市町村が一般廃棄物の収集,運搬又は処分を市町村以外の者に委託 する場合の基準は,政令で定める。 (一般廃棄物処理業)

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( 56 ) ( 57 ) 第7条 ① 一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は,当該 業を行おうとする区域(……)を管轄する市町村長の許可を受けなければ ならない。(ただし書き,略) ⑤ 市町村長は,第1項の許可の申請が次の各号に適合していると認めると きでなければ,同項の許可をしてはならない。  一 当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること。  二 その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること。  三 ・・・申請者の能力がその事業を的確に,かつ,継続して行うに足りる もの・・・であること。 (8) 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置 法(昭和50年5月23日法律第31号) (目的) 第1条  この法律は,下水道の整備等によりその経営の基礎となる諸条件 に著しい変化を生ずることとなる一般廃棄物処理業等について,その受け る著しい影響を緩和し,併せて経営の近代化及び規模の適正化を図るため の計画を策定し,その実施を推進する等の措置を講ずることにより,その 業務の安定を保持するとともに,廃棄物の適正な処理に資することを目的 とする。 Ⅱ.浄化槽法における保守点検業と協会証明書の位置づけ 1.浄化槽法の沿革 (1)浄化槽清掃業の許可  浄化槽法は,昭和58年,浄化槽の製造,工事,保守点検,清掃について 相互に関連づけをして統一的に規制を設けることを目指して,従前の廃棄 物処理法から清掃に関する事項を外す形で制定され,この中に浄化槽清掃 業も規定された(3)。浄化槽清掃業に関する規律内容は,大筋において従前 ———————————— (3)辻英雄『浄化槽法の概説―浄化槽法の趣旨とその内容』(社団法人全国浄化団体連合会, 1983年)58 頁。

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の廃棄物処理法に定められていた浄化槽清掃業に関する制度をそのまま踏 襲した(4)。清掃業につき市町村長の許可制度のもとにおかれることについ ても従前どおりであるが,その立法理由については,一定市町村の範囲内 において,業者が乱立して過当競争を行うようなことにでもなれば,公衆 衛生上の支障を生ずるおそれがあるから,と説明されている(5) (2)浄化槽保守点検業の登録  一方,保守点検業については,浄化槽法制定前は自由営業であった(6) 大都市地域では相当数にのぼっていたというが,大都市以外では,清掃業 者が保守点検も行っていた例が多かったという(7)。浄化槽法制定時,浄化 槽管理士(保守点検業に必要)の制度をつくるにあたり,保守点検業者を 全面的な登録制度の下におくべきとする意見もあったようであるが,しか し,地区ごとによる専従者の有無,浄化槽設置の密度に差があったことか ら,一律の制度とせずに,都道府県ごとにその判断(条例)にゆだねるこ ととされたということである(8)。登録制度を設ける場合には条例で必ず定 めなければならない事項を法定し,その1つが「浄化槽清掃業者との連絡 に関する事項」である。この「清掃業者との連絡に関する事項」を定める こととしたのは,従来,一部地域において,清掃業者と保守点検業者の相 互の連絡について意思の疎通を欠いた争いがあったりした事実をふまえて, そのようなことが起こらないような配慮が必要であることを明らかにした ものであると説明される(9) (3)「指定検査機関」(法57条)  浄化槽法では,浄化槽設置後の水質に関する検査(いわゆる6か月検査) ———————————— (4)辻・前掲(注 3)58 頁。 (5)辻・前掲(注 3)58 頁。 (6)辻・前掲(注 3)55 頁以下。 (7)辻・前掲(注 3)56 頁。 (8)辻・前掲(注 3)56 頁。 (9)辻・前掲(注 3)56 頁。

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( 58 ) ( 59 ) (法7条)や定期的に行う水質に関する検査(法11条)が法定されるが, 実際にはそれまで,浄化槽の設置基数が膨大であるため,県の機関も処理 しきれず,定期的な検査を受けていない浄化槽が多数存在していることが 問題であったと認識されていたこと(10),また,法57条において指定検査機 関の制度がおかれるにあたっては,法制定時から,各県の浄化槽協会等が この指定検査機関として想定されていたことがわかる(11) (4)若干の検討  浄化槽法は,(製造・工事のほか)保守点検と清掃を,相互に関連づけ をして統一的に規制する目的をもつものではあるが,保守点検業が清掃業 と異なり,都道府県ごとの条例に委ねられ知事権限とされたのは,ひとえ に当時の状況によるところが大きい。また,条例で「清掃業者との連絡に 関する事項」を規定することを法が要求したのは,現実に,清掃業者と保 守点検業者の相互の連絡について意思の疎通を欠いて「生活環境の保全及 び公衆衛生の向上」に支障が生じた事実があったことに起因する。このよ うにみると,保守点検業の登録と清掃業の許可との制度が相違しているの は,質的相違に起因するというわけではない(少なくとも法制定時にその ような議論は見られなかった)。そうすると,本件登録の許否判断にかか わる「生活環境の保全及び公衆衛生の向上」の意義は,法制定時に見られ た,清掃業者との連絡についての意思疎通を欠いて生じた弊害の除去をそ の内実におくものと解され,また浄化槽協会は,まさにその弊害の除去の 役割を期待され,浄化槽法制定当時から浄化槽行政に組み込まれたものと 解される。 2.法48条2項4号「浄化槽清掃業者との連絡に関する事項」と協会証明 書添付 (1)甲県  甲県における当該関係規定は次のようになっている。 ———————————— (10)辻・前掲(注 3)68 頁。 (11)辻・前掲(注 3)68 頁。

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①条例「その他規則で定める書類」 ②条例施行規則「その他知事が必要と認める書類」 ③審査基準「浄化槽清掃業者との連絡に関する書類」 ④甲県保健環境部長名通知「浄化槽保守点検業の登録に関する条例及び同 施行規則の制定について」(昭和61年3月11日付け環第1499号,(財)甲 県浄化槽協会理事長宛て)Ⅱ‐2(2)ウ(ウ) ・「知事の指定した機関が発行した書類」 ・「『知事の指定した機関』とは『財団法人甲県浄化槽協会』とする。」 ・「生活環境の保全及び公衆衛生の向上以外の理由で証明書の発行を拒否 され,かつ当該営業区域の浄化槽の保守点検が必要と認められる場合には, 別紙様式に寄る申立書又は浄化槽清掃業者の証明書をもってこれに代える ことができるものとする。」 (2)福岡県  甲県の規定に相応する福岡県の規定は次のようなものである。 ①条例3条1項8号「営業区域ごとに業務に関する提携をしている又は提 携する予定の現に業を営んでいる浄化槽清掃業者の氏名又は名称及び営業 所の所在地」,同条2項「前項の申請書には,規則で定める図書を添付し なければならない。」 ②条例施行規則3条2項6号(条例3条2項) ・「六 浄化槽清掃業者と業務に関する提携をしている又は提携する予定 であることを証する書類で次に掲げるいずれかに該当するもの イ 業務提携証明書(様式第三号)〔個別清掃業者による証明〕 ロ 申請者が営業区域における浄化槽清掃業者である場合には,浄化 槽清掃業許可証の写し ハ 知事が指定する者が発行した業務の提携に関する書類 ニ 保健福祉環境事務所長が適当と認めた者については,浄化槽管理 者と浄化槽清掃業者との清掃の委託に関する契約書の写し」

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( 60 ) ( 61 )  なお,滋賀県のように,条例施行規則(「別記」)レベルで「業務に関 する提携証明書」として「社団法人滋賀県生活環境事業協会」による証明 を求める様式が定められている例もある。  また,福岡県条例と内容がほぼ同じと目される久留米市条例には,福岡 県条例の「ハ」がない。 「(6) 浄化槽清掃業者と業務に関する提携をしている又は提携する予定で あることを証する書類で次に掲げるいずれかに該当するもの ア 業務提携証明書(第3号様式)〔個別清掃業者による証明〕 イ 申請者が本市における浄化槽清掃業者である場合には,浄化槽清 掃業許可証の写し ウ 市長が適当と認めた者については,浄化槽管理者と浄化槽清掃業 者との清掃の委託に関する契約書の写し」 (3)広島県  広島県の規定は次のようになっている。

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①条例4条2項「前項の申請書には,次に掲げる書類及び図面を添付しな ければならない。」  3号「営業区域ごとに連絡を取つている又は連絡を取る予定の浄化槽清 掃業者の氏名又は名称及び営業所の所在地を記載した書類その他の浄化槽 の適正な管理に資することを証する書類」 ②これを受け,広島県HPで「清掃業者との連絡に関する書類」として, 「営業区域ごとに連絡を取っている又は取る予定の清掃業者の氏名又は名 称及び営業所の所在地を記載した書類」の様式〔「団体」等による証明〕 が示されている。 浄 化 槽 清 掃 業 者 の 団 体 等 氏 名 又 は 名 称 代 表 者 名 確認印 電話( ) - Ⅲ.浄化槽保守点検業の登録と浄化槽清掃業の許可・一般廃棄物処理業の 許可  一般廃棄物処理業の許可の法的性質につき,多くの判例の中から代表的 最高裁判例である最判平成16・1・15「松任市廃棄物処理業不許可処分事 件」を,また,一般廃棄物処理業の許可と浄化槽清掃業の許可の関係を検 討する希少な最高裁判例として最判平成21年6月5日を,さらに一般廃棄 物処理業の許可及び浄化槽清掃業の許可の取消しにおける競業者の「法律 上の利益」につき検討した数少ない裁判例として,鹿児島地判平成22年5月 25日を取り上げる。 1.一般廃棄物処理業の許可について    ──最判平成16・1・15「松任市廃棄物処理業不許可処分事件」 (1)事実  松任市においては従来,家庭系の一般廃棄物につきAが委託を受け収

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( 62 ) ( 63 ) 集・運搬し,事業系廃棄物についても事実Aが収集,運搬していた。Xは, 平成10年3月17日,松任市長(Y)に対し,廃掃法7条1項に基づき,事業系 廃棄物収集・運搬業の許可を申請したが,Yは同年4月2日,「既存の許可業 者で一般廃棄物の収集・運搬業務が円滑に遂行されており,新規の許可申 請は廃掃法7条5項第1号第2号に適合しない」との理由で不許可処分をした。 (2)最判の関係部分  「ところで、廃棄物処理法は,上記のとおり,一般廃棄物の収集及び運 搬は本来市町村が自らの事業として実施すべきものであるとして,市町村 は当該市町村の区域内の一般廃棄物処理計画を定めなければならないと定 めている。そして,一般廃棄物処理計画には,一般廃棄物の発生量及び処 理量の見込み,一般廃棄物の適正な処理及びこれを実施する者に関する基 本的事項等を定めるものとされている(廃棄物処理法6条2項1号,4 号)。これは,一般廃棄物の発生量及び処理量の見込みに基づいて,これ を適正に処理する実施主体を定める趣旨のものと解される。そうすると, 既存の許可業者等によって一般廃棄物の適正な収集及び運搬が行われてき ており,これを踏まえて一般廃棄物処理計画が作成されているような場合 には,市町村長は,これとは別にされた一般廃棄物収集運搬業の許可申請 について審査するに当たり,一般廃棄物の適正な収集及び運搬を継続的か つ安定的に実施させるためには,既存の許可業者等のみに引き続きこれを 行わせることが相当であるとして,当該申請の内容は一般廃棄物処理計画 に適合するものであるとは認められないという判断をすることもできるも のというべきである」。 2.一般廃棄物処理業の許可及び浄化槽清掃業の許可の性質について    ──最判平成21年6月5日(平成19年(行ヒ)第388号) (1)事実  ① 平成16年度,し尿汚泥の収集運搬及び浄化槽の清掃については,許 可業者である上告補助参加人1社で行うことを前提に一般廃棄物処理計画。

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ここに,新規業者から一般廃棄物処理業及び浄化槽清掃業の許可申請。処 分庁(広域連合長)は,同16年3月23日,上記各申請につき,いずれも不 許可とする処分。清掃業については浄化槽法36条2号ホが理由。他方,同 年4月1日,上告補助参加人1社のみに対し,一般廃棄物のうちし尿汚泥 の収集運搬業の許可処分及び浄化槽清掃業の許可処分。  ② 原審(福岡高判)は,収集運搬業不許可処分の取消請求は棄却すべ きものとしたが,清掃業不許可処分には違法があるとし,これを取り消し た。  ア.「広域連合長は,上告補助参加人1社を前提としたのであるから, 上告補助参加人は,し尿汚泥の収集運搬の要請があった場合には,特段の 事情のない限り,これに応ずる義務(以下「業務引受義務」という。)が ある」。  イ.「被上告人らに一般廃棄物収集運搬業の許可が得られない場合には, 被上告人らが行う浄化槽の清掃により引き出される汚泥等の収集運搬は上 告補助参加人に依頼される。上告補助参加人に業務引受義務があることに かんがみれば,被上告人らが浄化槽法36条2号ホ所定の欠格事由に該当す ることを理由としてされた本件清掃業不許可処分には違法がある」。 (2)最判の関係部分  「本件処理計画においては,大野郡8か町村の区域内でのし尿汚泥の収 集運搬及び浄化槽の清掃については,許可業者である上告補助参加人1社 で行うことが前提とされていたというのであるが,これは,上記区域内に おける浄化槽の清掃とこれにより引き出される汚泥等の収集運搬について は,両者を一体として併せて上告補助参加人1社に行わせるという趣旨で あると解され,本件収集運搬業不許可処分及び本件許可処分は,このよ うな本件処理計画の趣旨の下にされたものということができる。そうであ るとすれば,上告補助参加人としては,大野郡8か町村の住民等から浄化 槽の清掃とこれにより引き出される汚泥等の収集運搬とを併せて依頼され た場合に,これを引き受けて業務を適切に行いさえすれば,本件処理計画

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( 64 ) ( 65 ) に従った業務を遂行しているということができるのであり,これを超えて, 他の事業者が行う浄化槽の清掃により引き出される汚泥等につき収集運搬 を行うことを義務付けられる理由はないというべきである」。 3.競業者の経済上の利益について    ──鹿児島地判平成22年5月25日(平成21年(行ウ)第14号) (1)一般廃棄物処理業者の「経営の基礎」について  ア.「市町村が,一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講じるよう努 めるとともに,一般廃棄物の処理に関する事業の能率的な運営に努めなけ ればならないとされ(法4条1項),一般廃棄物処理計画に従って一般廃 棄物処理を行うべき責務を負っていること(法6条の2)や,一般廃棄物 処理計画において規定すべき上記事項等に照らせば,一般廃棄物処理計画 の目的もまた,一般廃棄物の適正な処理という点にあることは明らかであ る。そうすると,市町村長が許可申請の一般廃棄物処理計画適合性を判断 する上で,一般廃棄物の適正な収集及び運搬を継続的かつ安定的に実施さ せるために既存の許可業者等のみに引き続きこれを行わせることとするこ とがその裁量の範囲内に含まれるとしても,そのような裁量判断は,一方 において一般廃棄物処理業に新規に参入しようとする者の営業の自由を制 限することになるのであるから,あくまで一般廃棄物の適正な処理を実現 するという一般廃棄物処理計画の目的の達成に資する限りにおいて許容さ れるものというべきである」。  「したがって,上記のような裁量判断を許容しているからといって,法 が既存の許可業者等の経済的利益を保護すること自体を個別的利益として 保護しているということはできない。上記のような裁量判断が行われた結 果,たとえ既存の許可業者が従前の収集運搬量を維持できるとか,経営の 安定を脅かされないといった経済的利益を得ることがあったとしても,そ れは一般廃棄物の適正な処理という公益の実現に伴って付随的に生じる事 実上の利益にすぎない」。  イ.「もっとも,ある区域において排出される廃棄物の量には通常限り

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があるから,当該区域内の許可業者が増加すれば一業者当たりの平均処理 量は減少することになるし,需要に対して供給が過剰になれば業者間での 過当競争が生じる可能性も否定できない。そして,一般廃棄物の適正な処 理が公衆衛生上必要不可欠であることに照らせば,法もまた,既存の許可 業者の経営が破綻するような事態を許容するものでないことは明らかであ り,特に公益目的から対価制限が行われている(法7条12項)ような場合 には,行政において業者の経営破綻を回避する措置を講じる必要性も一定 程度存する」。  「しかし,この点で,法は,一般廃棄物処理計画に適合しない場合には 許可を与えないという方法を採ることによって,新規参入を抑制し許可業 者の濫立を防ぐことを可能としつつ(法7条5項2号),適正配置規制や 需給調整の規定を設けることはしていない。このような規定ぶりのほか, 適正配置規制や需給調整の規定が新規参入業者に対する営業の自由を一般 的かつ広範に制限することになることからすれば,もし需給調整を行う必 要が生じた場合には,一般廃棄物処理計画適合性の判断における裁量の範 囲内で十分にこれを達成することが可能であるという考慮の下,法は,あ えて,需給調整規定等を採用しなかったものというべきである」。  ウ.「以上のような一般廃棄物処理行政の仕組みからすると,市町村は, まず需給調整を行うか否かについての裁量を有しており,さらに,需給調 整を行う場合にも,その具体的方法として,一般廃棄物処理計画において 需給調整規定を設けるという方法や,個々の許可申請について一般廃棄物 処理計画適合性を否定するという方法などを,自由に選択することができ るということになる」。  「そうだとすると,仮に当該市町村が一般廃棄物処理計画において新規 参入抑制条項を設けたとしても,それは法が市町村に与えた裁量の下で採 用された一方法にすぎないというべきであって,その新規参入抑制条項に 対する業者の信頼は,法がそれ自体を個別的利益として保護しようとする ものではないというべきである」。

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( 66 ) ( 67 ) (2)浄化槽清掃業者の「経営の基礎」について  「一般廃棄物処理業の許可条件と比較すると,浄化槽清掃業の許可の場 合には,そもそも申請者の経理的基礎に関する基準が設けられていない。 浄化槽清掃業は,もともと廃棄物処理法(昭和58年法律第43号による改 正前のもの。以下「昭和58年改正前廃棄物処理法」という。)に規定され ていたし尿浄化槽清掃業が,新たに浄化槽法という別個の法律の規制下に おかれたという沿革を有するものであるが,昭和58年改正前廃棄物処理法 においては,一般廃棄物処理業及びし尿浄化槽清掃業のいずれについても 「経理的基礎を有すること」は許可条件とされていなかったところ,浄化 槽法制定後に廃棄物処理法が改正され(前記平成3年改正),経理的基礎 を有することが一般廃棄物処理業の許可条件に追加されたのに対し,浄化 槽清掃業の許可条件について浄化槽法の改正はなされなかったものである。 このような法改正の経緯からしても,浄化槽法は,浄化槽清掃業の許可に 当たって,許可申請者の経理的基礎を特に参酌することまでは要求してい ないということができるし,ある程度下水道整備の進んだ現代における浄 化槽清掃業の位置づけからすると,法が一般廃棄物処理業と浄化槽清掃業 との許可条件にこのような区別を設けたとしても不合理とはいえない。」 「そうすると,浄化槽法は,浄化槽清掃業の許可に当たって,既存の許可 業者,新規業者の別を問わず,業者の経理的基礎を考慮することを求める ものではなく,当然のことながら既存の許可業者の経営の安定を保護する ものでもないというべきである」。 (3)合特法の「関係法令」性  「合特法・・・の目的に廃棄物の適正処理が含まれていることからすると, 同法は,廃棄物の適正処理等により生活環境の保全及び公衆衛生の向上を 目的とする廃棄物処理法及び浄化槽法と目的を共通する部分があることは 否定できない。」「しかしながら,そもそも合特法は,下水道の整備等に 伴って一般廃棄物処理業の合理化を行うという限定的な場面においてのみ 適用されるもの,すなわち,し尿の処理方法がし尿浄化槽から下水道の終

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末処理場へと転換する途中過程における,いわば経過措置を定めるという 意義を有する法律であり(このことは,昭和50年厚生省環第676号(・・・) に「転換が完了する直前まで」とあることからも看取することができ る。),このような合特法の立法趣旨に照らせば,同法は確かに既存の許 可業者の個別の経済的利益をも保護するものではあるが,それは国及び地 方公共団体が環境の保全上緊急かつ重要な施策として下水道の緊急かつ計 画的な整備等を推進することにより,一般廃棄物処理業等が受ける著しい 影響を緩和するという限度での利益保護に限られるというべきである。」 「そうすると,関連法令たる合特法の趣旨及び目的を参酌したとしてもな お,廃棄物処理法及び浄化槽法が,上記の限定的な場面を離れて既存の許 可業者の経済的利益を広く保護する趣旨に出たものと解することはできな い」。 4.若干の検討 (1)一般廃棄物処理業の許可及び浄化槽清掃業の許可の性質について  上記最判平成16年は,既存の許可業者等によって一般廃棄物の適正な 収集及び運搬が行われてきており,これを踏まえて一般廃棄物処理計画が 作成されているような場合には,一般廃棄物の適正な収集及び運搬を継続 的かつ安定的に実施させるためには,既存の許可業者等のみに引き続き これを行わせることが相当であるとして,新たな許可申請について,その 申請内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであるとは認められないと いう判断をすることも許されるとした。つまり,一般廃棄物処理業の許可 は,一般廃棄物処理計画を前提に,市町村が自ら(委託を含む)実施でき ず,これを新規許可業者に委ねる必要があると判断をしたときにすること で足りると解するものである。いわゆる「計画許可」として,相対的には 広い裁量が肯定されているとみることができる。そうすると,「継続的か つ安定的に実施させる」ことが「法律上の利益」を構成する可能性も出て きうる(12)  一般廃棄物処理業の許可はそうだとしても,浄化槽清掃業の許可は警察

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( 68 ) ( 69 ) 許可であると指摘される(13)。ただし,浄化槽清掃業者の排出した汚泥を運 搬するには一般廃棄物処理業の許可が必要という関係を前提に,最判平成 21年によれば,一般廃棄物処理業の許可がなければ,浄化槽清掃業者の排 出した汚泥は処理されないから「その業務に関し不正又は不誠実な行為を するおそれがあると認めるに足りる相当の理由のある者」にあたるという 関係も構築される。そうすると,浄化槽清掃業の許可がなされるかどうか は,一般廃棄物処理業の許可,そしてそれを規定する一般廃棄物処理計画 に連動する。この視点から,浄化槽清掃業の許可も,この限りで一般廃棄 物処理業の許可と同様の性質に考えられないか,検討の余地があると思わ れる。 (2)競業者の「経営の基礎」について  再度,廃棄物処理法における一般廃棄物処理のしくみを俯瞰し,市町村 の責務規定(4条1項,6条の2),一般廃棄物処理計画に従って処理さ れるべきことの趣旨(6条),市町村(+委託業者)で処理が困難なとき の処理業許可規定の趣旨(7条5項)からすると,一般廃棄物処理業許可 における既存業者の「経営の基礎」を読み出すことも可能性としては否定 されえず,上記判例は,「経営の基礎」を「計画裁量」に吸収させている とも解しうる。  また,関係法令としての合特法につき,上記鹿児島地判は,「下水道の 終末処理場へと転換する途中過程における,いわば経過措置を定めるとい う意義」という,限定的場面のみとする。しかし,これこそ(全国的には 下水道普及率の点で後進の)甲県の状況にあてはまりうると考えられない か。なるほど法の規定の形式的な比較からは判例の考え方にも合理性が承 認されようが,しかし,一般廃棄物処理業と浄化槽清掃業には実質的関連 性がある。すなわち,処理業と清掃業はもともと廃棄物処理法のなかで同 ———————————— (12)これを否定する名古屋高判金沢支部平成 23 年 6 月1日への反論として,阿部泰隆「競 業者の原告適格(一)」「同(二・完)」自治研究 88 巻 4 号(2012 年)3 頁以下,5 号 23頁以下。 (13)阿部・前掲(注 12)「(二・完)」27 頁。

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一のものであり,現在でも重ねて許可を得る例が多く,その必要性も高い。 したがって,清掃業の許可も一般廃棄物処理計画の定め方で左右されると いう点は考慮されてよいように思われる。 Ⅳ.漁業法小型底曳網漁業の許可における協会の副申書添付の法的意義と 浄化槽協会の証明書   ──徳島地判平成18年2月17日(平成16年(行ウ)第19号)  「浄化槽清掃業者との連絡に関する書類」として,業界団体である協会 の証明書を必要とすることにつき,判例に現れた類似の仕組みとして,漁 業法の底びき網漁業の許可につき取扱指針において漁協や底曳網協会の 「副申書」を求めているケースがある(14)。業界団体が登録審査過程に組み 込まれていることの合理性を測るに当たり,漁業法小型底曳網漁業の許可 における協会の副申書添付に対する裁判所の考え方を知ることは有益であ る。そこで,以下,要旨を記すこととする。 1.事実 (1) 被告徳島県の知事Yは,昭和46年12月ころ,海区委員会と協議した上, 漁業法66条1項等に基づく主要な許可に関して,法令に定めるもの以外の基 準とするために本件取扱方針を定めた。 (2) 底曳網協会は,昭和50年代にα水道等を操業区域とする底びき網漁業 者の組織として設立された任意団体であり,資源保護及び漁業経営の安定 を目指して,底曳網協会員らが費用の一部を負担してクルマエビなどの放 流を行ったり,休漁日を定めたり,減船に備えた補償金の積み立てを行う などの活動を行っている。 (3) 平成6年3月ころ,小型機船底びき網許可船の全船が底曳網協会に加入 したことを契機として,Yは,海区委員会と協議の上,漁業調整上及び水 ———————————— (14)曽和俊文=金子正史編『事例研究行政法〔第2版〕』〔日本評論社,2012 年〕459 頁 以下で,問題の素材とされている。

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( 70 ) ( 71 ) 産資源の保護培養上必要最低限の要件として,承継許可について,「小型 機船底びき網漁業許可等に伴う取扱方針4(2)」のとおり,底曳網協会の副 申書を添付すべきことを内容とする本件取扱方針の変更を行った。 (4) 原告Xは,平成11年4月12日付けで本件申請を行ったが,本件申請に 際して,底曳網協会の副申書を添付していなかった。そこで,県の担当職 員は,本件取扱方針に基づき,Xに対し,底曳網協会の副申書を添付する よう要請した。しかし,Xは,底曳網協会から副申書を発行してもらうこ とができず,県に対し,同年7月12日付けで「底曳網協会の副申書は,私 が組合員ではないためもらえませんでした。」と記載した文書を提出した。 なお,Xは,本件申請時から本件不許可処分時を通じて,底曳網協会員で はなく,所属地域の漁業協同組合員でもなかった。 (5) そこで,Yは,原告の本件申請が本件取扱方針に沿ったものではない ことから,本件申請を不許可処分とするため,同年9月21日,本件規則23条 4項に基づき,海区委員会に意見を求めた。海区委員会は,同日,Yに対し, 現時点では不許可処分が相当であること及び原告が所定の手続を行った場 合は許可されたい旨の意見を述べた。 (6) Yは,本件申請に対し,平成11年9月29日付けで,本件規則第23条1項 3号の規定により,本件不許可処分を行った。 (7) なお,小型機船底びき網漁業の承継による申請件数及び許可件数は, 平成9年4月から平成12年10月までの間に57件の申請があり,本件を除く56 件が許可されているが,許可された申請にはいずれも底曳網協会の副申書 が添付されていた。 2.関係法令(事件当時のもの) (1) 漁業法(昭和24年12月15日法律第267号) (この法律の目的) 第1条  この法律は,漁業生産に関する基本的制度を定め,漁業者及び漁 業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し, もつて漁業生産力を発展させ,あわせて漁業の民主化を図ることを目的と

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する。 (漁業調整に関する命令) 第65条 ②  農林水産大臣又は都道府県知事は,漁業取締りその他漁業調整 のため,次に掲げる事項に関して必要な農林水産省令又は規則を定めるこ とができる。  四  漁業者の数又は資格に関する制限 (許可を受けない中型まき網漁業等の禁止) 第66条①  中型まき網漁業,小型機船底びき網漁業,瀬戸内海機船船びき 網漁業又は小型さけ・ます流し網漁業を営もうとする者は,船舶ごとに都 道府県知事の許可を受けなければならない。 ②  「小型機船底びき網漁業」とは,総トン数15トン未満の動力漁船によ り底びき網を使用して行う漁業をい・・・う。 ③  農林水産大臣は,漁業調整のため必要があると認めるときは,都道府 県別に第1項の許可をすることができる船舶の隻数,合計総トン数若しくは 合計馬力数の最高限度を定め・・・ることができる。 ④  農林水産大臣は,前項の規定により最高限度を定めようとするときは, 関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。 ⑤  都道府県知事は,第3項の規定により定められた最高限度を超える船 舶については,第1項の許可をしてはならない。 (2) 徳島県漁業調整規則(昭和40年2月10日徳島県規則第5号) (漁業の許可) (許可の申請) 第8条 漁業法第66条第1項の規定・・・による漁業の許可・・・を受けようとす る者は,漁業法第66条第1項の規定による漁業・・・にあつては当該漁業ごと 及び船舶ごとに,・・・別記様式第四号(小型機船底びき網漁業にあつては別 記様式第五号)による申請書を知事に提出しなければならない。 (許可等をしない場合) 第23条 知事は,次の各号の一に該当する場合は,漁業の許可又は起業の

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( 72 ) ( 73 ) 認可をしない。  三 漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合 (3) 小型機船底曳網漁業許可等に伴う取扱方針 4 許可又は企業の認可  枠内許可にかかる底びき網漁業の許可又は起業の認可は,次による場合 のほか許可又は起業の認可はしない。 (2)継承許可 ① 漁業の許可を受けた者からその船舶を譲り受け,借り受け又はその返 還を受け,その他船舶を使用する権利を取得する前にこの漁業を営もうと する者が,その船舶について当該船舶の所有者及び使用権利者の廃業とあ わせて申請者に当該漁業の許可を受けることについて異議のないことの同 意を得た場合であって,α水道を操業区域とする許可については,徳島県 東部底曳網協会,β灘を操業区域とする許可については,中部底曳網協会 の副申書を添付し許可又は起業認可申請をしたとき。 ② 漁業の許可を受けた者が,その許可を受けた漁業を廃止し,申請者に 当該漁業の許可を受けることについて異議のないことの同意をしたその申 請者が他の船舶により,α水道を操業区域とする許可については,徳島県 東部底曳網協会,β灘を操業区域とする許可については,中部底曳網協会 の副申書を添付し許可又は起業の認可をしたとき 3.協会の副申書添付に関する裁判所の見解 「漁業調整及び水産資源の保護培養等は,水産行政上重要な課題であると ともに,海洋上での実際の漁業の操業に係る事柄でもあるから,漁業者間 の協調,漁業者の自主的な規制の制定やその遵守等によって,自主的,民 主的に実現されることを期待すべき問題であるということができる。漁業 においては,水産業協同組合法に基づき設立される協同組合である漁協が 存在し,漁協は,漁業者を構成員とする組織として,自主的な取決めを 定めて,組合員にその遵守を求めたり,組合員間の人的関係を形成するこ

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とによって,漁業者間の円満な操業の実現を図ったりするなど,自主的な 漁業調整の役割を果たすことを期待し得る組織であるということができる。 底びき網漁業の許可の申請をした者が漁協の組合員であることや,漁協の 副申書(賛成意見を記載した書面)を得ていることなどを根拠に,漁業調 整等において支障がないと判断するのは合理的であ」る。 「徳島県内には,紀伊水道海域を操業区域とする底びき網漁業の漁業者を 構成員とする中部協会が遅くとも昭和50年代に設立され,中部協会は,法 令に基づかない任意団体であるものの,組織としての体制を整え,休漁日 を定めたり,クルマエビの放流をしたり,減船に備えた補償金の積立てを したり,他の漁業の業者等との間で協定を結んだりするなどの漁業調整等 を目的とした活動をしてきており,平成5年度中には,上記区域の許可を 受けている全船が加入する団体となっている。中部協会は,底びき網漁業 という同種の漁業の漁業者が会員となっている団体であることから,多種 の漁業の漁業者が組合員となっている漁協に比べ,底びき網漁業について の漁業調整等を図ることをより期待し得る団体ということができる。この ような底びき網漁業の団体である中部協会の性質,組織形態,活動実績等 に照らせば,徳島県において,底びき網漁業の許可の申請をした者が中部 協会の会員であることや,中部協会の副申書を得ていることなどの事情を もって,漁業調整等において支障がないと判断するのは合理的である」。 4.若干の検討  問題となった漁業法66条1項は「小型機船底びき網漁業」については, 許可の基準は規定されていない。これに,漁業法65条2項によって「・・・都 道府県知事は,・・・漁業調整のため,次に掲げる事項に関して必要な・・・規 則を定めることができる。」とされ,「四  漁業者の数又は資格に関する 制限」を受けて,県漁業調整規則23条1項3号が規定されている。ここま でが形式的に「法」である。そして,この許可の「審査基準」として,取 扱方針4(2)〔1〕が設けられ,継承許可につき,船舶所有者の同意及 び協会の副申書添付がある場合のほかは許可しないこととされている。

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