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アルミ合金桁の終局強度に関する研究 IV. アルミ合金桁のせん断強度について(2)-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第28巻第60号85”101,1977 85

アルミ合金桁の終局強度に関する研究

Ⅳ ■アルミ合金桁のせん断強度について(2)

三 宮 和 彦

ULTIMATE STRENGTI王 OF ALUMINUM ALLOY BEAMS

IV・UltimateStrengthofAluminumA1loyBeamsinShear(2)

Kazuhiko SANNOMIYA

Summary

ThepurpOSebfthisstudyistocvaluatcthestrengthincrementbeyondshearbucklingOfthc

Webofthclargealuminumalloybeamandtoputactivelytheresultsofthisstudytopractical

use・Asafundamentaltrial,OnCPanelwithtwor・igidverticalsti鮎ners,materialofwhichwas

A5083)binaryailoyofAトMgSyStemWithnon−heattreatmCnt)WaSloadedbythepureshearforce・

From thatresults,then,the web buckling strength,behavior ofweb aftcr buckling and the

ultimatestrengthinbendingofthepanelar・ediscusscdanditistriedtocompareA5083with

SS4landalsotocompareultimatcstrengthinshearwiththatinbending・Inthispaper)the

thcorcticalanalysisis鮎stiycarriedouttodiscussthestrengthofpanelinshcarand thenthe

resultsoftheexperimentalstudyisshown.

Fromthcscstudies,thefbllowlngCanbemainlyindicatcd:

1)Inelasticrangetheincrementsoftheexperimentalultimatestrcngth to thc theoretical

bucklingstrcngtharclargcrthanininelasticrangcandthecharaCteristicdi舵rcnceofmaterials

appcarinthebehaviorofwcbaftcrbuckling“Aftcrbuckling,inSS41thcstrengthincrcmcntbc−

yondshearbucklinglSVCrySmal1,butinA5083itisconsidcrablylarge

2)Theremaybenogreatdi恥rcnceamongthcthcorcticalultimatestrcngthvaluesandthe

ultimatestrCngthoftheirpanelsmaybeabout丘・Om2.Oto2.5timesaslar・geaSthetheoretical

ultimatestrengthinthecascofelasticbucklingandthcfbrmermaybeaboutfroml・3tol・5

timeslar苫erthanthelatterinthecaseofinelasticbuckling

3)Inshearthestrengthincrementsbeyondthebucklingofwebduetothetension丘eldfbrma−

tionareabout丘om王…5to2・Otimesaslargeasinbending 摘 要 本研究の目的は大型アルミ合金桁のウェブの後塵屈強度を調べ,それを培極的に利用することにある、そのための 基礎的試みとして,剛なる垂直補剛材を配置したアルミ合金A5083(AトMg系2元合金,非熱処理)の1パネルを とらえ.,これにせん断力のみ作用させ,結果生ずる座屈強度,座屈後の挙動,並びにパネルの終局強度に検討を加え, 併せてSS41材及び曲げ終局強度との比較を試みたものである.文中,最初にせん断パネルの理論強度につき論じ, 次いで実験的研究成果を示したい その結果,ユ)終局強度の座屈強度に対する増分は,弾性座屈が非弾性座屈より大 きく,また座屈後の挙動ほ,材質の特徴を表わし,SS41材はA5083材に比べ座屈現象発生後パネルの耐荷カは殆ん ど残らをいこと.2)終局強度の各理論値に大きな差は認められず,パネルの終局強度は弾性座屈でそれの2.0∼2.5倍 程度,非弾性座屈でそれの1.3∼1.5倍程度あること… 3)ウ.ェ.ブ座屈後の耐荷カは張力墳形成により,曲げのみ作用

(2)

由■ 和 彦 86 香川大学農学部学術報告 する場合に比べ,ほほ1い5′・hノ20倍程度高いこ.と.等を指摘した. Ⅰま え が き 桁のウェ.ブの最小膵は,通常曲げ座屈を対象として決められる.この場合アルミ合金材A5083では,1.5程度の安 全率を仮定すると,垂直補剛材の取円けを前提として,ウェブ幅犀比はほぼ120を限度とすることが試静される… 前

報ⅠⅠ(1)ではこの限度前後のウェブ幅厚比に注目し,ウェ.ブ縦横比1,幅厚比130なるA5083材′ヾネルのせん断強度

に検討を加え.たL今回前報ⅠⅠに引継いで,ウェブ縦横比1,幅犀比100なるA5083パネル並びに鋼材SS41パネル にせん断カのみ作用させ,生ずる終局強度に比較考察を加え,併せてせん断終局強度と曲げ終局強度との比較を試み た.なお前報ⅠⅠではウェブの座屈計算に当って,弾性座屈強度の限界として,丁γ/2(丁γ:せん断降伏応力皮,ry= げy/β,αy‥降伏点応力度)をとったい材の初期変形ヤ残留応力等の影響を勘案すると,この程度が安全性と経済性の 両面からみて実際上安当ではないかと思われる.然しをがらこれに就いては不確定要素が少くないので,前報ⅠⅠⅠ(2) に準じ理想的な材と仮定し,その限界として比例限度に対応するせん断応力度,ぞ♂γ/β(ぞ=♂p/隼”(り:比例限度) をとることにした.前報ⅠⅠでの座屈強度についても再引算を行ったので,これを含めて結果を−・括報菖する. 本研究の大要は昭和51年皮農業土木学会大会講演会で発表した. ⅠⅠ理 論 強 度 1.ウェブの非弾性せん断座屈強度 非弾性せん断座屈強皮が弾性座屈式(8) 丁(γ=克・て㌫(÷)2 (1) で与えられる強度曲線に,弾性座屈限界で接するようを直線的変化(但し丁。γ≦ry)をなすものと仮定し,この点に おける接線の勾配及び幅博比をそれぞれ♂仇スガとかくと ♂β=−2柑 スβ=等・豊 ここでス=あ/よ んが茸 βゎ= 12(1−レ2) Tcγ=音(=Ty)に踊る幅厚比スAは げy ミげ,′ ヾ苫 、ご3‘ jヱ巴 ㌍−=2.」.聖 A些._塾.−j。 J3 ん′3Jβた 、ノぞ 、/げy

J墜=セ姐.乱

ん= 2ぞノ吉 J重 従ってA,B区間の非弾性座屈強皮は次式で与えられる rcr=[周一叢・蔑−・÷]♂y ● A)A5083の場合 a)ATP−1(Table3参照) (4) (5)

(3)

第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) 前報ⅠII−Table8(t=2mm膵)から ぞ=ヱL=0.98 げγ

仇==653695ゐ

0.0454 Jαγ_ 、り)た 、丑 これらを(5)式に代人すると T¢γ=2283−−・51・9・ 87 (6) 板座屈係数点に対し前報ⅠⅠ−Tablelの借を用いると,ウェブの座屈強度はウ.ェブが上下フランジ並びに垂直ステア ナ一に沿って i) 4辺単純支持のとき で¢γ=2283−17.01旦一 f

ん=・一=90

ん=」聖二姐.也=89 二

二さ、き 、・∫. (7) ii)2辺固定,2辺単純支持のとき r。,=2283−14.83_ 古 スβ=103,ん=102 (8) iii)4辺固定支持のとき 丁。γ=2283−13.61_ f (9) スβ=112,ん=111 従ってこの場合,試験パネルのウェヴ(ス=130)の座屈強度は何れの境界条件の許でも弾性座屈となり,(1)式より i)のときT。,=361kg/cm8,ii)のときTc,=475kg/cm2,iii)のとき丁。,=564kg/cm2となる. (7),(の,(9)式を比較図示したものがFig.1である. b)ATト2(Table3参照) 前報ⅠⅠトTable8(f=2.5mm厚)から !=0.77 βた=672656鳥 Jげy_0.0463 〃)た イ丘 ∴ 丁。γ=1920_39.52__ J鳥 f (10) i) 4辺単純支持のとき

(4)

88 三 宮 和 彦 香川大学農学部学術報告 丁。γ=1920−12.93_ ‘ スβ=99,ん羊84 この場合試験パネルのウェブ(ス=100)の座屈強度は弾性座屈となり,(1)式よりで。,=628kg/em2とをる ii)2辺固定,2辺単純支持のとき でけ=1920−11n28 £ ん=114,ん澤97 故にウェブの座屈強度は(12)式より丁〃=792kg/cm℡となる iii) 4辺固定支持のとき で。γ=1920_10.35_ f ん=124,ん=105 故にウェブの座屈強皮は(13)式(但しr。,≦Ty)より丁。γ=831kg/cm2(=丁γ)となる. (11),(12),(13)式を図示したものがFig.2である なおBleich(4)は(1)式を非弾性域まで拡張して次式 で¢γ=鬼 7宗彗丁(㌃)2 を用いることを提案し,(14)式のりの良い近似式として次式を推している.

ヮ=ノ;,(丁=与)

これを(14)式に代人すると

告=鳥1洛(÷)2

(11) (12) (13) (14) (15)

(5)

89 第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) Fig.2.T。rVS.、b/t(ATP−2)・ ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,右辺=4359kg/cm2>げp 従って(15)式の右辺から算出した値が比例限度(♂p)を越す場合,♂¢/イ;に対応するα¢を求め,それを1〟百倍して 非弾性せん断座屈強度を瓢出すればよい.ここで丁の計算は次式(4)に準じて行えば求まる. (げy−♂。)♂e ‥ご:= (16) (♂γ−げp)♂p 前報ⅠⅠトTable8と(16)式から次表を得る Tablelh DeterminationofCriticalShearStressでe, J言 げ¢(Kg/cmり 丁¢γ=詣(Kg/cm2) 苫(Kg/cm2) 1113 1.000 1113(♂p) 1428 0い856 1222 1432 0‖854 1223 1695 0/754 1278 1701 0,.752 1279 あ/f=100のとき(15)式の右辺は i)4辺単純支持のとき,右辺=1088kg/cm9<♂p ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,右辺=1431kg/c1112>♂p iii)4辺固定支持のとき,右辺=1699kg/cm立>♂p 従ってii),iii)の場合のみ補正すればよい小補正座屈強度(丁誓?di)はTablelから,ii)のとき愕)dl=706kg/cm2, iii)のとき堵Odl=乃8kg/em2とをる.これらの億をFig…2にプロットしてある. B)SS41の場合 STP−2(Table3参照) 前報ⅠII−Table8(t=32mm厚)から

(6)

香川大学農学部学術報告 三 宮 和 彦 90 ∈=0.75 βゐ=2049569丘 J♂y_0.0386 、′β上 、/Å・ ・..丁。ケ±3975−67.31− ,た J (17) i) 4辺単純支持のとき 丁。γ=3975−−22.02 f スβ=120,ん=100 (18) ii)2辺固定,2辺単純支持のとき 丁。γ=3975−19.21 古 ん=138,ん=115 (19) iii) 4辺国定支持のとき 丁。γ=3975−17.63 古 (20) スぷ=150,ん=125 従って試験パネルのり.ェブ(ス=100)の座屈強度は,何れの境界条件の許でも丁押=1767kg/cm2(=でy)とをるu (1軋(19),(20)式を図示したものがFigr3である あ/f=100のとき(15)式の右辺は i)4辺単純支持のとき,右辺=3316kg/cm2>♂p

(7)

第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) iii)4辺固定支持のとき,右辺=5176kg/cm2>♂p 前報ⅠⅠトTable8と(16)式から次表を得るn Table2.DcteIminationofCriticalShearStrcssT。γ 91 〝e(Kg/Cn−2) でcγ=(Kg/cn12) 菜(Kg/cm2) 2291(αp) 5173 0.555 0554 28L72 従ってi)のときT誤Pdi=1523kg/cm2,ii)のときT誤Pdi=1617kg/cm2,iii)のとき丁2;0(1i=1658kg/cm2とをる.これら の値をFig.3にプロットしてある. 2.パネルのせん斬終局強度 1)完全張力場を形成するとき Wagneェ・(5)の次式を用いると rmは=恕=げy呵COS¢ ここで Qm乱Ⅹ:最大せん断負担力 如 :ウェブの断面積 ¢ :座屈披が水平軸とをす角 最も効率のよい座屈彼の方向は,∂Tm乱Ⅹ/∂¢=0から¢=450となる. a)ATP−1 ウェブの降伏応力度ory=1345kg/cm2(前報ⅠⅠトTable8)なる故(21)式から T皿8X=qySin450cos45◇=672kg/Cm2 いま近似的にα,ろをそれぞれウ、1ブのリベバ、線間距離と考えると ¢m乱Ⅹ=Tm乱Ⅹ×如=3494kg フランジに働く最大軸力は Nm汎Ⅹ=−¢加Ⅹ(÷+半)=5241kg フランジに働く最大曲げモ・−メントは ‰乱Ⅹ=−㌫・鞍t叫=7570kg・Cm 垂直スチフナ・一に働く最大軸力は

‰nx=一語tan桓1747kg

b)ATP−2 qy=1440kg/cm8(前報ⅠII−Table8)なる故 (21)

(8)

香川大学農学部学術報告 2 三 宮 和 彦 Tm乱Ⅹ=720kg/cm2

Qm8X=4500kg

凡n8Ⅹ=6750kg 加㍍乱Ⅹ=9375kg・Cm Ⅵn且Ⅹ=2250kg C)STP−2 qy=3060kg/cm2(前報ⅠⅠトTable8)をる故 Tm8Ⅹ=1530kg/cm2 Qm乱Ⅹ=15667kg 凡1乱Ⅹ=23501kg 肱乱Ⅹ=41779kg・Cm ‰乱Ⅹ=乃34kg 9 を同時に受けるから,フランジの縁応力度はそれぞれ次の如くになる“ フランジほ.胱n札Ⅹと砿乱Ⅹ ATP−1では

げe=一一=−4002kg′cm2

〃‘=一=473kg′cm2

ここで ん:フランジの水平中立軸に関する断面2次毛・−・メント Aノ:1偶のフランジ断面積 γ。:中立軸よりフランジの圧縮縁までの距離 ッ‘:申立軸よりフランジの引張縁までの距離 ATP−2では げ〆=一4204kg/cm2 α‘=59蝕g/cm8 STP−2では α。=−幻83kg/cm2 ♂‘=1413kg/em2 ここで各試験パネルの1フランジ性質は次の如くである. ∑d=10.75cm2 ん=′霊−∑d∂皇=」5.7517cm4 グい=0.73cm グ¢=2.67cm ヱd=13.04cm2 ん=6.6381cm4 プ‘=079cm プ。=2・61cm 轟 勃睦 2.5 (b)AT≠し−2 :‥− ‥・− −・ _当_gd=21,.24cm2 呈 ん=17別34cm4 プ。=1.08cm .グ¢=3.12cm . (c)STP−2 Fig”4r CrossSectionalPlOPertiesofFlanges・ 引張試験の結果(前報ⅠⅠトTable8)から,試験パネルのフランジの降伏応力度はそれぞれqy=1778kg/cm2(ATP−

(9)

第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) 93 1),1423kg/cm2(ATP−2),2901kg/cm2(STP−2)である.従って最も効率のよい座屈披の方向をもち,且つその座屈 披の降伏まで■フランジが座屈波の節線となり得るためには,ウェブに比べて極めて大なるフランジ断面が必要とな る.垂直スチフナ・一については,フランジと同一・断面を使用しているので,両端ヒンジの短柱(〝r=39(AT王Ll),39 (ATP−2),38(STP−2))と考えても VL,乱Ⅹの数倍の耐荷力をもち,この場合更に船坂に溶接されているのでこの軸力 は全く問題とならない 2)不完全張力場を形成するとき BasleI・(8〉の次式を用いると Tm乱Ⅹ=恕=Ty[号+ヰ(1一号) (22) ここで Qm8Ⅹ=丁。γ如+Q£ Q‘:張力場によるせん断負担力 このとき最も効率のよい座屈披の角度¢は,α/ろ=1のとき,∂Q‘/∂¢=0から¢=22030′を得る. a)ATp−1 ウ.ェブが負担し得る最大せん断応力度は,(22)式から i)4辺単純支持のとき,T。r=361kg/cm2 ‖∴でmax=615kg/cm2 ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,で。r=475kg/cm2 ∴Tmax=660kg/cm2 iii)4辺固定支持のとき,丁。γ=564kg/cm2 ∴Tm乱Ⅹ=694kg/cm2 b)ATP−2 i)4辺単純支持のとき,で。γ=628kg/cm2 ∴丁加Ⅹ=7531くg/cm2 ii) 2辺固定,2辺単純支持のとき r¢γ=792kg/cm2のときTmax=8161くg/cm2 T訂dl=706kg/cm2のとき で監禁=783kg/cm2 iii) 4辺固定支持のとき T。,=831kg/cm2(=ry)∴でm8Ⅹ=831kg/cm2 丁欝dl=738kg/cm2のとき T認諾=795kg/cm2 C)STP−2 i) 4辺単純支持のとき T。,=1767kg/cm2(=Ty) ∴Tm&X=1767kg/cm2 丁許(11=1523kg/cm2のとき で監禁=1672kg/cm2 ii)2辺固定,2辺単純支持のとき 丁。γ・=1767kg/cm2(=Ty) ∴で皿乳Ⅹ=1767kg/cm2 丁評di=1617kg/cm2のとき 丁㌫望=1709kg/cm2 iii) 4辺固定支持のとき で.,=1767kg/cm2(=Ty) ∴Tmax=1767kg/cm2 T評di=1658kg/cm2のとき T慧盟=1725kg/cm2 またWagnerとBaslerの中間的方法として,ClarkとSharp(7)の次式を用いると

rm8Ⅹ=r。r+C一昔(Ty−で。γ)

(23) ここで

770、/1+(÷)2

(嘉一) ぎ=

(10)

香川大学農学部学術報告 三 宮 和 彦 94 ん:フランジの水平中立軸に関する断面2次モ・−メント a)ATP−1 ぞ=1.782 C=0895 従ってり.ェブが負担し得る最大せん断応力庶は,(23)式から i)4辺単純支持のとき,Tm乱Ⅹ=6831(g/cm2 ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,丁−n乱Ⅹ=709kg/cm2 iii)4辺固定支持のとき,丁加Ⅹ=729kg/cm2 b)ATP−2 ぞ=1.850 C=0.897 i)4辺単純支持のとき,Tm乱Ⅹ=乃6kg/cm2 ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,rm8Ⅹ=823kgノcm2,T監禁=803kg/cm2 iii)4辺固定支持のとき,Tmax=831kg/cm皇,T認豊=811kg/cm2 C)STP−2 ぞ=1.860 C=0898 i)4辺単純支持のとき,でmax=1767kg/cm2,て思票=1713kg/cm2 ii)2辺固定,2辺単純支持のとき,Tm&Ⅹ=1767kg/cm2,で監禁=1733kg/cm2 iii)4辺固定支持のとき,Tm乱Ⅹ=1767kg/cm2,T認豊=1743kg/cmBとなる. ⅠⅠⅠ実 験 内 容 1.試験パネル ウェブは溶接による残留応力の導入を避けるため,・フランジとの連結,垂直補剛材の取付けはリベット締めとした・ 垂直補剛材は剛なるものを配置する意図で,フランジと同一・断面部材を使用した.ATP−1ではフランジと垂盾補剛 材は共に押出塑材である また当実験に用いたせん断パネルは,桁の曲げ試験パネルと同時期に,同一働料(板)を使って製作されたものであ り,Fig..4に示す如くパネルの構成寸法も曲げ試験パネルと対応して,それと同じくしてある・従って各せん断パネ ルの断面性質,材料の化学成分並.びに引張試験結果等については前報ⅠⅠⅠを参照されたい・ a)分 類 試験パネルは便宜上次の如く分類したい 収荷型式を合せ示す. Table3.ClassificationofTestPanels

Material TestPanel CrossSection(mm) a/b b/i Aw/A/ Number Loading

WheIe,a/b:aSpeCtratio b/t:Slendernessratio dw:WebaIea d′:aa喝earea b)寸 法 2軸対称をⅠ形断面である… その寸法をFig..5,Fig…6,Fig.7に示す.

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第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) 95 (0)sワP−2 Fig5DimcnsionofTestPanels Fig6TestPanelATP−2(A5033)

Fig7TestPancISTP−2(SS41)

2.実験方法 a)載荷方法 職荷は桁の曲げ試験に用いた2対の油圧ジャノキのうちの,1基(Capacity45ton)を使用した載荷に当っては, Figい8,Fig9に示す如く,曲げ試験用の2対の横支保装置を対じさせ,向い合ったフランジ面を耐力壁として用い, 栽荷により生ずる試験パネルの偶力をこれに負荷させた。2対の横支保装置は,この偶力による水平反力で移動し覆 いように,その底板は基礎面とすみ肉溶接で剛結されている,荷重は油圧ジャッキと載荷板との間にロードセルをは

(12)

宮 和 彦 香川大学農学部学術報告 96 さみ込み,直読式インジケ・−タ・−・で読み取った Fig9FrontViewofSetupい Fig.8.TestSetup. b)外力条件 試験パネルの偶力の反カの位置は,ヒンジすをわちFigい8のA点で,これはパネルのフランジの位置に当る.従 って試験パネルには,ほほ純せん断が作用するものと考えられるい C)測点及び測定方法 荷重の段階毎に試験パネルのフランジ,ウェブの応九 並.びにフランジの垂直変位,ウェブの水平変位を測定した. これらの測点をFig.5に示す図中,−印は単軸歪ゲ1−ジ,I∠印は3軸歪ゲー・ジの貼付位置を,・印ほダイヤルゲ・−ジ による変位測定位置を表わサ ケ.ェブの水平変位の測定は上下フランジを基準とした.すをわちアルミ合金L材に ウェブの測点間隔に応じてダイヤルゲ・−ジを取り付け(固定),このL勅を上下■アランジに密着させり.ェブの変位を 読み取った..また断面応力測定に当って,アルミ合金材では弾性係数Eが小さく,せん断に基づく歪が大きいので 特に塑性ゲ・−ジを使用した. ⅠⅤ 実 験 結 果 1.引張試験 結果は前報ⅠⅠⅠを参照されたい. 2.せん断試験 a)ウェブの横変位 せん断力の増大に伴うウェブの横変位(Figい5の⑲,⑩点)発達の様子を,Fig10,Fig11,Fig…12に示す,これ らの図中,縦軸はウェ.ブの平均せん断応力度(丁)を,材料のせん断降伏応力度(Tγ)で険し無次元化したものである. b)フランジ歪 フランジ歪発達の様子をFig13,Fig14,Fig。15に示す。国中それぞれの歪は,−7ランジに並.列した3偶の歪を 相加平均したものであるい C)・最大主応力 パネル中央点につき,せん断力増大に伴う最大主応力方向の変化の様子をFig16に示す図中,横軸(¢)は叔 大主応力が水平軸となす角である. d)座 屈 波 試験パネルが終局強度に到達した時の,ウェブ座屈波並びにフランジ変形の様子をFig17に示すい またパネルが 終局強度に達したのち,更に磯荷を続けて座屈変形を目立たたせたものを・Fig‖18,Figり】9に示す。 e)理論強度との比較 パネルが平衡状態を保てをくなりせん断負担力の低【卜をきたす宙前の時点をもって,そのパネルの実験終局強度

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第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強皮1V セン断強度について(2) 97

ーー こゝざ(in t¶m)

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香川大学農学部学術報告 三 宮 和 彦 98 e(×け6) 」 −・−・−⊥∈(×10 ̄6) Fig。13丁/Ty(CaIriedSheaIStIeSStOYieldShear Stress)vs.e(Strain)

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第28巻第60一弓(1977) アルミ合金桁の終局強度Ⅳ セン断強度について(2) 0 5 9 4 7 4 5 4 80390 4ド 430 ー4000−3000−2000一】000 0 1000 2000 3000 4000 E(×け一6)エーー ・−一▲一・・一・一ユー亡(×106) Fig15丁/丁γVS£ +、 ¢ Fig16丁/丁〃VS¢ (丁諾㌫)と判断したかかる実験終局強度の,ウ.ェブ理論座屈強度(Tき㌢)並.びに理論終局強度(丁禁札X)に対する増分 は次表の如くであるなおFig10,Fig11,Fig12の図中に,ウ.ェブが上下■フランジに沿って,1)4辺単純支持, 2)2辺固定,2辺単純支持,3)4辺固定支持,の3通りの境界条件の許で許出した座屈応力度と,Wa脚eI■,及び境 界条件1)を用いBasler,ClarkとSharp,の式から簸出した終局強度を合せ示してある‖ (b)STPq2 (alATP−2

Fig17・ShearBucklingWaves

(16)

三 宮 和 彦 香川大学農学部学術報告

100

Fig18Buckled TestPanel(ATP−2) Fig・19Bu(klcdTestPanel(STP−2)

Table4RatiosofExperimentalUltimateStrcngthtoEachTheorcticalBucklingStIength

Test Panel Restraint Condition 丁諾㌫/TとP l T諾蕊/丁諾Odi

Simplesupportonfbur edges Fixedsupportalongbothflanges Fixcdsupportonfour edges Simplesupportonfour cdgcs Fixcdsupportalongboth8anges Fixedsupportonfbur edges Simplesupportonfouredges Fixcdsupportalongbothflanges 4▲ 4▲ 4 STP【2

Fixed support

Onfburedges

Table5 RatiosofExperimentalUltimateStrengthtoEachTheorcticalUltimateStrength

TestPanel

lTheory

Restraillt Condition

L軍空軍

ー〉一一一 l SimplesupportonfouIedgcs FixcdsuppoItalongbothflangcs Fixedsupportonfburcdges ATPJl SimpIcsuppoItOn壬buredges Fixedsupportalongboth8angcs Fixcdsupportonfouredges ATP−2 STP−2

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第28巻第60号(1977) アルミ合金桁の終局強度ⅠⅤ セン断強度について(2) 101 Ⅴ 考 察 ウェブのせん新座屈強度については,1)A5083(ATP−1,2)の場合,Fig、10,Fig,11から判断される如く,初期 変形等の影響もあり座屈強度を精確に把握することば困難であるが,いま変位が急増し始める時点に注目すれば,4 辺単純支持の境界条件で静出した座屈強皮付近がそれに相当すると推測される.座屈後はせん断力の増大につれ変位 (座屈波)は序々に発達し,せん断降伏応力度に近づく時点で1段と進行するが,この時点に至ってもパネルは平衡 状態を保ち更に若干のせん断負担力の増大をみる.−・方SS41(STP−2)の場合,Fig.12に示す如く理論座屈強度付 近では座屈変形は目立たず,それが急増し始める時点はパネルの終局強度に近い.従って部材り.ェ.ブの僅かを座屈変 形が特に構造物全体の安全に悪影響を及ぼすような場合には,SS41材はA5083材に比べ有利な材質となるが,同時 にSS41材では座屈現象発生後は,パネルの耐荷力が殆んど残らない点も安全性の面から留意すべきこととをろう. 2)非弾性座屈強皮を直線分布と仮定した場合,Fig.2,FigL.3に示す如く Bleichの補正値に比べ若干危険側となる が,SS41材についてはFig.12から判断して,直線分布と考えても実用上差し支え.ないものと思われる.A5083材 についてはここでは判断が困難である.またTable4は終局強度の理論座屈強度に対する増分が,A5083の場合, 弾性領域では非弾性領域より大をることを示す,これは部材断面の設計に当って安全率の導人に際し,両域では幾分 の差を設けることが可能なことを示唆する.パネルのせん断終局強度については,1)Figl13,Fig,14,Fig,15 は A5083,SS41材共に上下フランジの降伏(塑性ヒンジに相当)が,その両端のみに生じたことを示すい このことはか かる断面寸法(Aぴ/A/=0、53,動物=1,∂/g=100,130)では,ウムブに沿ったフランジは,偶力による軸力及びウェブ の斜張力の水平成分による軸カヤ,斜張力の垂直成分による曲げに耐え得て成る程度座屈披を拘束し得たことを意味 サーる.またFig‖16,Fig17から座屈波が水平軸となす角は,ほぼ430∼450の範囲にあると推測される.2)Table5 から判断されるように,終局強度の各理論値に大きな差は認められず,パネルの終局強度は弾性座屈でそれらの2′− 2.5倍程度,非弾性座屈で1‖3∼1.5倍程度と推測される.またりょブ座屈彼のパネルの耐荷力は,張力場作用の貞献 で,曲げモーメントのみ作用する場合(前報ⅠⅠトTable9参照)に比べ,A5083,SS41材共に1.5∼2L0倍程度上まわ ることが判断される. ⅤⅠむ す び せん断供試体は1断面1体であり,結果のバラツキ等がつかめずこの点若干気にかかるが,アルミ合金材A5083 と鋼材SS41につき,ウェブ座屈後の挙動ヤ後座屈強度に閲しその相異を挙げ,且つかかる後座屈強度が曲げの場合 に比べ如何程大幅なものかを,或る程度具体的に示し得たと思うn なおここでは1パネルをとらえ.外力条件や断面条 件等極めて単純化したが,実際の桁のパネルは組合せ応力を受け,断面条件ヤ隣接パネルとの関係も簡単でない,、こ れらの点に配慮して今後更に検討を加え/ていきたい小 本研究に当って,神戸製鋼所建設工事開発本部,梶本政良氏に多大の御協力を裁いたことを記し,ここに謝意を表 する。 引 用 文 献 (1)三宮和彦:香大農学報,26(1),23(Oct.1974) (2)一仙:番犬農学報,27,155(MaI・.1976) (3)TIMOSl{ENKO,SP一,GERE,J”M:TheoryofE− lastic Stability,2nd Edition,382,New York,

Mc.Gr・aW−Hill(1961)

(4)BLEICH,F:BucklingStrengthofMetalStruc− tures,54,397,NewYork,Mc”Graw−Hill(1952) (5)WAGNER,H.:Ebene Blechtrager mit sehr

ddnnen Stegblech,ZeiLschTqijur P7ugtechnik

〟乃d肋わ′埴cゐも拘ん7・ち20,220(1929).

(6)BASLER,K∴ Str・engthofPlateGirdersinShear, P和C..A.ぶC.且ST7,160(1961)

(7)CLARK,).W,Sharp,M.Lh:Limit besign of Aluminum Shear Webs,Proc,LABSE Cblh)−

9㍑よ∽=明瓜庵叩扉乃α∼e G∠γdeγ:S一舟r・乙〃f∼∽αfe 励rピタ智れ5(1971)

参照

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