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Academic year: 2021

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2013 年度 大学教育研究重点配分経費成果報告書 教育現場への生物教材提供に向けた微生物の簡易培養法と映像教材の開発 理科教育講座 上野 裕則 加藤 淳太郎 大鹿 聖公 島田 知彦 刈谷市立 富士松中学校 青木 将司 あま市立 七宝中学校 大鹿 居依 1. はじめに 理科の授業で実物教材を用いることによって、生徒の理科や科学への興味・関心を促すこ とが出来る。特に普段肉眼で見るこの難しい微生物は、その遊泳や行動が特徴的であるた め生徒の興味・関心を引きやすい生物教材である。また、微生物を観察する際、顕微鏡を 用いた作業を伴うため、物体を拡大してみる原理を理解したり、プレパラート作りなどの 作業の正確さも養うことが出来る。実際に中学校や高等学校の教科書には様々な微生物が 載っており、これらの実物を学校現場へ配布したり、簡易培養法や映像・写真資料の開発 し、教育現場で使用することで教育に貢献する事が出来る。 2. 成果報告 2-1 微生物の培養 微生物教材として先ずは、ボルボックス、クラミドモナス、テトラヒメナの3種類の培養 を開始した。それぞれの微生物に合わせた研究用培地を調整し、飼育用の装置内で適切な 温度で培養を行うことに成功した。現在、ボルボックスはSVM 培地、テトラヒメナは PYD 培地、クラミドモナスはTAP 培地を用いて培養している。また、クラミドモナスとボルボ ックスについては適切な光周期になるように条件を設定した。今後学校現場で教材として 用いる前段階として、提供微生物の品質を維持するため、良く管理された研究環境で培養 を行うことができている。 2-2 微生物の簡易培養法の開発 主に中学校・高等学校の教員や生徒に人気のあるボルボックスについて、培養法を簡易化 する事に成功したので報告する。学校現場において微生物を培養するため、より簡単に培 養ができるよう、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で容易に入手可能で、且 つ品質の安定している商品を用いて微生物の培養を試みた。一般的なボルボックスの簡易

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培養法では市販の Volvic(ボルヴィック)に大理石(marble)等を入れて培養する方法が 知られているが、本研究ではより簡便に飼育できるよう、大理石の有無の条件で培養を行 い、水の違いがボルボックスの増殖速度にどのように影響するかについて検討した。用い たミネラルウォーターは硬水の「エビアン」の他、軟水の「ボルヴィック」、「南アルプス の天然水」、「いろはす」の4種類の水を購入し、同じサイズのシャーレに入れ、それぞれ 同温度、同光周期で培養を行った。その結果、現在よく使用されているボルヴィックに比 べ、「南アルプスの天然水」と「いろはす」を用いて培養した個体の方が増殖のスピードが 速い事が分かった(左上グラフ参照)。各条件でのボルボックスの状態を顕微鏡下で観察し たところ、「エビアン」のような硬水では細胞の周辺に結晶化した沈殿物が付着し、ほとん ど増殖しない事が分かり、その他の水ではそのような結晶成分が出ることはなかった(右 上写真参照)。また、それぞれのミネラルウォーターの成分をイオン分析器(IA-200、東亜 ディーケーケー株式会社)を用いて解析した(下の表参照、単位は mg/ml)。その結果、他 と比べエビアンではカルシウムやマグネシウムの含有量が極めて高いことが分かり、これ らが結晶化しボルボックスの増殖を妨げる原因となっていることが分かった。このような 結果から、「いろはす」や「南アルプスの天然水」を用いたほうがボルボックスの増殖が良 く、可能であれば粒状の大理石も加え培養するとなお良いということが分かった。

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2-3 映像教材の開発 映像教材の開発のため、状態の良い研究用に用いる培地で培養した微生物を顕微鏡下で撮 影し、動画資料を収集した。これら微生物の運動は速いため、動画資料の収集にはハイス ピードカメラを用いて行った。ボルボックス、クラミドモナス、テトラヒメナの通常遊泳 の映像の他、ボルボックスについては次世代が生まれるところ、テトラヒメナについては、 接合のような有性生殖や口部装置から物を食べるところの映像を収集することが出来た。 これらの映像教材は、岡崎市立岩津中学校の1年生4クラス(128名)を対象にした特 別授業の際に使用し、生徒達の良い反応を得ることが出来た。 2-4 実践授業 現在まで、刈谷市立富士松中学校(1年生4クラス、計67名の生徒)、岡崎市立岩津中学 校(1年生4クラス、計128名の生徒)、愛知県立刈谷高校(2年生、計8名の生徒)、 国立大学法人愛知教育大学の生物学実験(分子機能・生命科学専攻2年生28名、宇宙・ 物質科学専攻2年生26名計)で微生物を用いた授業を行った他、猿投中学校で行われた 中学校教員の顕微鏡講習会(中学校教員23名)でも本事業の微生物を使って行われた。 以下にその詳細やアンケート結果、感想の一部を抜粋する。 1)刈谷市立富士松中学校での授業実践 刈谷市立富士松中学校では青木将司教諭の協力のもと、テトラヒメナとクラミドモナスの プレパラート作り、光学顕微鏡を用いて遊泳の観察や微生物のスケッチを行った。実際の 学校現場の教職員からも生きた微生物教材の有効性が報告され、今後も提供して欲しいと の要望を受けている。以下は実際の微生物を観察している様子と、授業で行った生徒のス ケッチの一部である。このように、微生物を顕微鏡で詳細に観察する事によって生徒の興 味関心を引き、以後の学習意欲の向上につなげたい。

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2)岡崎市立岩津中学校での授業実践 岡崎市立岩津中学校では1年生(4クラス分、計128名)の微生物を用いた特別授業を 行った。顕微鏡を使ってボルボックスとテトラヒメナの観察を行い、遊泳の様子や微生物 のスケッチを行うことによって、理科や科学への関心を促した。以下は実際の授業の様子 である。また、パワーポイントを用い、微生物の映像教材を併用し、説明も加えながら授 業を行った。 3)刈谷市立刈谷高校での授業実践 愛知県立刈谷高校では、テトラヒメナに墨汁を食べさせ、細胞内での食胞形成の様子を観 察、ボルボックスの遊泳や走光性の観察を行った。以下の写真は実際に微生物の顕微鏡観 察やボルボックスの走光性を観察している所である。アンケートの結果、生きた微生物を 観察する事によって、微生物に興味が湧いたとの意見を多数得ることができた。

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以下、生徒の感想 ●見たことのないものが見れて、元気よく動いていて見るのが楽しかったです。 ●意外と微生物がたくさん動いていて驚きました。墨汁をテトラヒメナが食べていました が、墨汁から栄養を取れるのか疑問に思いました。 ●微生物の動きはそれほど速いとは思っていなかったのでびっくりした。また、微生物の 動きがいろんな方向に動いていてとても面白かった。 ●これまでたびたび生物部で微生物を顕微鏡で見ることがありましたが墨汁を入れて食胞 を観察したりするのは初めてで面白いなと思いました。また水槽や池の水を見ることもあ って、今日「あれはテトラヒメナだったんだ!と気が付きました。またいろんな微生物を 見てみたいと思いました。 ●これまでにも微生物を見たことはありましたが、一種類に限ってみたことはなくその微 生物特有の動きなども見ることが出来てとても面白かったです。これまで生物分野にはあ まり興味がありませんでしたが、微生物にも愛着がわいてきて生物分野にも興味が出てき て、良い機会となりました。 ●今まで見たことはあったけど今回初めてきちんとゆっくり観察でき、とても不思議に思 った。生物に関することだけでなくて大学とかいろいろな話も聞けてよかった。 ●思ったより微生物が動いていたのが驚いた。 ●動いているものを見たことがなかったのでおもしろかったです。 4)愛知教育大学での授業実践 愛知教育大学では学部2年生対象の実験実習でクラミドモナスを用いた走光性の研究を行 った。以下の写真は実際にクラミドモナスを顕微鏡で観察している様子である。アンケー トの結果、教員になった際、微生物を使った実験をしてみたいか?との問いに、約 9 割の 学生が微生物を使用した授業を取り入れたいとの回答を得ることができた。

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以下、学生の感想 ●顕微鏡の使い方の説明として、微生物を使った実験をしてみたい。 ●小中ではもっと簡単な反応の方が良い。 ●顕微鏡の種類も全然知らなかったし、クラミドモナスの走光性や鞭毛の単離の実験も楽 しかった。 ●顕微鏡を使う練習にもなるからいいと思う。 ●中学なら興味しんしんで見てくれるだろうし、高校では興味もありつつ実際に見て学ん だほうが覚えやすい印象に残りやすいと思うから。 ●今回の実験で自分の視野が広がったので教員になったとき教える生徒にも、実験で考え 方を広く持って欲しいと思ったので。 ●教科書等でみるのと自分でプレパラートを使って見るのでは違うと思うから。 ●これまで動いていないものを顕微鏡で観察したことはあったけど動いているものを観察 したことがなくて今回が初めてだったが、動いているものの方が面白かったから。 ●クラミドモナスの動く様子を観察することができたり、走光性の確認では本当に動いて いておもしろかったです。 ●実際に動いている微生物を見ることができて新鮮でした。 5)中学校教員の顕微鏡講習会(猿投中学校) 中学校教員による顕微鏡講習会が猿投中学校で開催され、ボルボックス、テトラヒメナ、 クラミドモナスを本事業から提供した。微生物を使った授業や実験は生徒の理科・科学に 対する興味を引くという感想を多数得ることができ、また、微生物を教材として配布する ところがあれば利用したいとの意見を得ることが出来た。以下はアンケート結果と感想で ある。 以下、現職教員による感想 ●すぐに学校現場に手に入るルートがあると良い。 教員になったとき微生物を使った実験を してみたいか?

yes

no

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●とても良かったです。感動しました。幅広く配布して頂けると現場教師は助かります。 ●大変見やすく、楽しく観察できました。ありがとうございました。 ●中学校で教えている際、身近な水(池、川、プールなど)を持参させて観察しましたが なかなか教科書に載っているものが観れなくて苦労しました。 ●テトラヒメナは最初に「うわっ」と思いましたが、ずっと見ているとかわいくなってき ました。楽しかったです。 ●社会の授業で水をきれいにするための場所で微生物を使っているのでそこで実物を見せ てあげたかった。 ●とても楽しく学習させてもらいました。微生物を見る面白さが分かりました。顕微鏡の 扱い方が不慣れでしたが、出来るようになって楽しかったです。 ●動いているところを見れて感動しました。他の混入物がなくクリアーで子供にも分かり やすくありがたいと思います。 ●特に動いている状態が見られると子供もとても興味を持つことが出来ると思います。 ●実際に動いている微生物を見れてとても良かった。

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参照

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○菊地会長 ありがとうござ います。. 私も見ましたけれども、 黒沼先生の感想ど おり、授業科目と してはより分かり