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4MV-X線を用いた頭頸部強度変調放射線治療におけるAcuros XBアルゴリズムの物理的・臨床的線量評価

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Academic year: 2021

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Title Dosimetric evaluation of the Acuros XB algorithm for a 4 MVphoton beam in head and neck intensity-modulated radiation therapy.( Abstract_要旨 )

Author(s) Hirata, Kimiko

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2017-03-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k20248

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士(医学) 氏 名 平 田 希 美 子

論文題目

Dosimetric evaluation of the Acuros XB algorithm for a 4 MV photon beam in head and neck intensity-modulated radiation therapy

(4MV-X 線を用いた頭頸部強度変調放射線治療における Acuros XB アルゴリズ ムの物理的・臨床的線量評価) (論文内容の要旨) 放射線治療計画では、治療体位にて撮影された患者 CT 画像上で体内吸収線量 分布を計算し、各臓器に対する線量を評価する。そのため、精度の高い線量分布 が要求される。線量分布の計算精度は放射線治療計画装置に搭載されている線量 計算アルゴリズムに依存する。新規線量計算アルゴリズムを臨床応用する場合、 計算された線量分布の精度検証や臨床評価を含めた詳細な検討が必要となる。近 年、線量計算アルゴリズムの精度は目覚ましく向上し、不均質組織の集合体であ る人体においても、正確に線量分布が計算できるようになってきた。古典的な線 量計算アルゴリズムである Pencil beam convolution (PBC)法に対し、より高位の線 量計算アルゴリズムである Analytic anisotropic algorithm (AAA)法では、体内の低 密度および高密度な領域内部の線量計算精度は向上したが、不均質領域の境界部 において線量計算精度が低下することが報告されてきた。さらに、Acuros XB (AXB)法では、PBC 法や AAA 法では扱われていなかった体内臓器の元素組成と 質量密度に基づく物質データを線量計算に考慮することで、PBC 法や AAA 法と 比してより現実に近い線量分布の計算が可能となった。 本 研 究 で は 、 4MV-X 線 を 用 い た 頭 頸 部 癌 に 対 す る 強 度 変 調 放 射 線 治 療 (intensity-modulated radiotherapy (IMRT))において、上記三種の線量計算アルゴリ ズムにより計算された線量分布の精度評価と、その臨床的意義を考察した。 始めに、人体模擬ファントムを用いて 4MV-X 線の吸収線量を計測し物理的な 線量計算精度を検証した。X 線の進行方向の線量分布において、水等価均質ファ ントムでは、三種とも実測値と 1.5%以内で一致していた。一方、低密度物質を 挿入した不均質ファントム内では実測値と比較して、AXB 法では 0.5%以内で一 致したが、AAA 法では 2.7%、PBC 法では 3.6%の乖離が見られた。また、高密度 物質を挿入した不均質ファントム内では実測値と比較して、AXB 法では 2.5%で 一致したが、AAA 法では 4.5%、PBC 法では 4.0%の乖離が見られた。これらの結 果から、不均質な領域において AXB 法の線量計算精度が最も高いことを示した。 次に、IMRT を用いた中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌 15 例の臨床例において三種 の線量計算アルゴリズムによる線量分布を比較した。下咽頭癌、喉頭癌において は甲状軟骨、輪状軟骨などの腫瘍近傍の軟骨組織は病理的浸潤も考慮した臨床標 的体積として重要であるが、これらの軟骨組織は高密度であるため、線量計算の 精度が低下する。線量計算精度が最も高い AXB 法に対し、計画標的体積(planning target volume (PTV))の中央線量は AAA 法で 2.1%、PBC 法で 3.7%、過大評価され た。PTV 内の軟骨の中央線量は AAA 法で 3.9%、PBC 法で 5.3%過大評価され、 軟骨周囲の軟部組織の中央線量は AAA 法で 2.9%、PBC 法で 4.8%、過大評価さ れることを明らかにした。 この結果から、IMRT の治療計画で AAA 法や PBC 法を用いる際には、高密度 組織に対する実吸収線量は放射線治療計画装置上で示される線量より低いこと を念頭に置くべきである。特に下咽頭癌、喉頭癌においては、原発巣近傍の軟骨 およびその周囲の線量低下が治療成績低下につながる可能性があるため、より注 意深い評価が必要と考えられる。 本論文は 4MV-X 線における AXB 法の線量計算精度を評価した最初の論文で ある。この成果に基づき、当院実臨床の頭頸部癌に対する IMRT の線量処方が変 更されたことからも、本論文の臨床的意義は大きい。また、頭頸部癌 IMRT にお ける軟骨部分の線量の不確かさを初めて明らかにしたことで、今後の頭頸部癌 IMRT の治療成績向上に寄与することが期待される。 (論文審査の結果の要旨) 本研究は、新規線量計算アルゴリズムであるAcuros XB(AXB)法の4MV-X線に おける物理的線量計算精度検証および頭頸部癌に対する強度変調放射線治療( IMRT)計画における評価を詳細に行い、AXB法を用いることの重要性を明らかに したものである。 初めに、人体模擬ファントムを用いた物理的検証において、均質、不均質領域 におけるAXB法の線量計算精度が、従来の計算アルゴリズム(PBC法、AAA法)と 比し最も高いことを明らかにした。 次に、4MV-X 線を用いた IMRT を施行した頭頸部癌の臨床例において、前述した 三種の線量計算アルゴリズムの線量分布を比較し、AXB 法に対して、計画標的体 積の中央線量が AAA 法で 2.1%、PBC 法で 3.7%過大評価され、特に軟骨領域では、 中央線量が AAA 法で 3.9%、PBC 法で 5.3%過大評価されることを発見した。すなわ ち、従来の計算アルゴリズムを用いた治療計画では、患者体内の実吸収線量が治 療計画装置上で示される計算線量より低く、特に原発巣近傍の軟骨の実吸収線量 低下が顕著であったことを意味する。したがって、投与線量と局所制御や晩期障 害との関連性に関する研究は、AXB 法を用いて解析する必要があると考えられた。 以上の研究は、世界で初めて 4MV-X 線での AXB 法の物理的線量計算精度とその 臨床的意義を解明し、今後の頭頸部癌放射線治療の発展に寄与するところが大きい。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 29 年 1 月 25 日実施の論文内容とそれに関連した試問 を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

参照

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