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母乳育児の継続に影響する要因と母親のセルフ・エフィカシーとの関連

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Academic year: 2021

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原  著

神奈川県立保健福祉大学実践教育センター(Center for Professional Education, Kanagawa University of Human Services)

2008年6月2日受付 2008年12月3日採用

母乳育児の継続に影響する要因と

母親のセルフ・エフィカシーとの関連

An analysis of maternal self-efficacy

and breastfeeding continuation

中 田 かおり(Kaori NAKADA)

* 抄  録 目 的  妊娠前から出産後2∼3年の期間において,母乳育児継続を可能にする要因とアウトカムとしての母 乳育児のセルフ・エフィカシーについて探索することを目的とした。 対象と方法  2∼3歳の子どもがいる母親を対象に質問紙調査を行った。測定用具は,母乳育児継続に関する自作 の質問紙,日本語版Breastfeeding Personal Efficacy Beliefs Inventoryおよび一般性セルフ・エフィカシー 尺度である。質問紙は1103部郵送し,回収した424名のうち404名を分析対象とした。分析にはSPSS 15.0J for Windows版を用いた(p<.05)。 結 果  母乳育児期間は平均1年4か月( 10か月)で,最頻値1年,最大値4年3か月であった。母乳育児の継 続には,出産直後と入院中のケアである次の6つとの関連が認められた。①母子同室を24時間までに行 う(p=.000),②糖水・ミルクの補足をしない(p=.000),③母乳分泌を保証された経験がある(p=.000), ④夜間授乳を出産当日に開始する(p=.002),⑤早期接触を20分以上行う(p=.006),⑥初回授乳を出 産後30分までに行う(p=.009)。退院後の状況で関連していた要因は①母乳不足感がないこと(p=.000), ②助産師の援助を受けたこと(p=.000)の2つであった。また,「母乳不足感に対する助産師の援助」,「母 乳分泌を保証する母親への関わり」は母乳育児期間を有意に延長していた。母乳育児継続期間と母乳育 児のセルフ・エフィカシーには正の相関があった(r=.392, p<.01)。母乳育児のセルフ・エフィカシー の影響要因として「成功体験」,「言語的説得」,「生理的・情動的状態」との関連が認められた。 結 論  出産直後と入院中のケアは,母乳育児期間を決定づける大きな要因であった。母乳不足感に対する助 産師援助,母乳分泌の保証を与えるケアの重要性が示唆された。母乳育児継続期間と母乳育児のセルフ・ エフィカシーには関連が認められた。 キーワード:母乳育児,継続,セルフ・エフィカシー,質問紙調査

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Abstract Purpose

The purpose of this study was to explore the factors related to breastfeeding continuation and to examine the relationship between self-efficacy and breastfeeding continuation.

Methods

The subjects were mothers whose children were 2-3 years of age. Data were derived from three questionnaires: an original Breastfeeding Continuation Questionnaire, Japanese Breastfeeding Personal Efficacy Beliefs Inventory and the General Self-Efficacy Scale. The questionnaires were distributed to 1103 mothers; 424 were collected and 404 eligible questionnaires were analyzed. Statistical analysis employed the use of SPSS 15.0J for Windows. Two-sided p values equal to or less than 0.05 were considered to be statistically significant.

Results

The mean breastfeeding duration was 1 year 4 months, the mode was 1 year and the maximum was 4 years 3 months. The breastfeeding continuance related to 6 hospital practices in the first week after delivery: (1) practice rooming-in within 24 hours (p=.000), (2) give newborn infants exclusively breast milk (p=.000), (3) provide midwife-ry assurance for the mother that her milk will flow (p=.000), (4) practice breastfeeding during the nighttime on the day of birth (p=.002), (5) practice skin-to-skin contact for at least 20 minutes (p=.006) and (6) help mothers initiate breastfeeding within one half-hour after birth (p=.009). Of the factors after discharge, two were associated with the continuation of breastfeeding: the mothers felt they had sufficient breast milk (p=.000) and the midwives had helped her with breastfeeding (p=.000). In addition, the midwifery care for mothers who perceived milk insufficiency and were assured that their breast milk would flow adequately resulted in promotion of breastfeeding continuation. Breastfeeding duration was positively correlated with high self-efficacy on breastfeeding (r=.392, p<.01). Related fac-tors were: mastery experience, verbal encouragement and physiological states.

Conclusion

Important factors determining the continuation of breastfeeding were the six hospital practices employed on behalf of the mother and newborn immediately after birth and during the first week of hospitalization. Of particular concern is that midwives need to identify and assist those mothers who feel they lack sufficient breast milk and then provide extra assurance that their breast milk will flow. There was a positive relationship between breastfeed-ing continuation and self-efficacy.

Key Words: breastfeeding, continuation, self-efficacy, questionnaire survey

Ⅰ.緒   言

 「母乳育児の保護,推進,支援に関するイノチェ ンティ宣言」(WHO/UNICEF, 1990)において,2年以 上の母乳育児継続が推奨されてから20年近く経った。 「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」(WHO/ UNICEF, 2002)では,生後6か月間の完全母乳育児と 母乳育児を2年以上継続することが実行目標の1つと され,母乳育児を推進・支援するための政府や保健医 療従事者の責任と役割が明記された。しかし,日本の 母乳率は出産後1か月で42.4%,6か月で34.7%と低く (母子保健事業団,2006a),出産2年後に母乳育児を続 けている母親はさらに少ないと推測される。妊娠中の 女性の多くは,子どもが生まれたら母乳で育てること を望んでおり,混合栄養も含めると96.6%の女性が母 乳育児を始める(厚生労働省,2006)。しかし,そのう ち36%が出産後6か月までに母乳栄養から人工栄養に 切り替えてしまい(母子保健事業団,2006a),母乳育 児を継続できない現状がある。  母乳で育てられることは子どもの成長と発達にとっ てのみならず,母親である女性の健康にとっても大き な利益がある。母乳を与えることは出産後の身体的回 復を促し,乳がんや卵巣がんの罹患率を下げるなどの 報告があり,女性の健康増進の観点からも母乳育児は 重要であるといえる(Beral et al., 2002; Dennis, 2002)。  母乳率や母乳育児継続には母親のセルフ・エフィカ シー(Self-Efficacy,以下SE),すなわち母乳育児に関 する価値観や自信が影響していることが複数報告され ている(Blyth et al., 2002;Dennis, 1999;野口,1999)。 Cleveland & McCrone (2005)は女性の健康増進の観点 から,妊娠や出産を経験する前の女性に介入するこ とが母乳育児の推進に効果があるのではないかと考 え,女性の母乳育児についての価値や自信を測定する 尺度を開発している。SEは人間の行動を決定する主 要な要因の1つであり,行動の選択や維持に影響する (Bandura, 1977)。SEが高いと困難に直面しても克服 し長期的に行動を維持できることから,母乳育児にお いても母親のSEを高めるケアは重要であると考える。

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Ⅲ.方   法

1.対象  研究趣旨に同意が得られ,次の4つの条件を全て満 たしている母親とした。①2007年4月1日現在,2歳0 か月から3歳11か月の子どもがいること,②該当する 子どもが単胎であり,③出産後3週間以上,母乳を与 えた経験があること,④日本語で書かれた質問紙の理 解と回答が可能であること。 2.データ収集施設と収集期間 1 )収集施設:首都圏都市部の保育所,幼稚園,病院・ 助産所の母乳ケア外来,計45施設。 2 )収集期間:2007年7月1日から8月31日。 3.測定用具  質問紙は後述する1)母乳育児継続に関する質問 紙,2)日本語版Breastfeeding Personal Efficacy Beliefs

Inventory(以下,日本語版BPEBI),3)一般性セルフ・ エフィカシー尺度の3つで構成した。(表1)  母乳育児継続に関する論文をレビューしたDennis (2002)によると,母乳育児の確立と継続には出生直 後と入院中からのケアが重要であり,継続を妨げる最 大の要因は母親が母乳不足を感じて人工乳(以下,ミ ルク)を足すことであると報告している。さらに,母 親が仕事へ復帰する時期と母乳育児期間に負の相関が 認められたと報告している。  本研究は母乳育児の継続を可能にするために,母親 の要因,受けたケアに関する要因およびアウトカムと してのSEについて,妊娠前から出産後2年,3年まで の期間で探索することを目的とした。

Ⅱ.用語の操作的定義

 本研究においては,研究者が次のように定義した。 1.母乳育児:母親が母乳を子どもに与えて育てるこ とであり,1日1回以上の母乳または搾母乳を与える ことを指し,完全母乳育児や混合栄養を含む。 2.母乳育児のSE:母親自身が母乳の有効性や母乳育 児においている価値および母乳育児の能力について 感じている自信。 表1 質問紙の構成 時間的経過 要 因 母乳育児の開始 (妊娠前および 出産・入院中の状況) 母乳育児の継続 (退院後の状況) または継続中の状況母乳育児の終了 【母親の背景】 〈母親〉 デモグラフィックス (年齢,子どもの人数,就労状況,最 終学歴,世帯年収,配偶者の有無等) 〈母親〉 喫煙 仕事復帰の時期 出産後3か月までの精神的状態 〈母親〉 母親のセルフ・エフィカシー 〈母乳育児に関する背景〉 授乳方法を決めた時期 過去の授乳経験(経産婦のみ)等 〈今回の授乳経験〉 母乳不足感 乳房・乳頭トラブル 母乳育児に伴う生理的・情動的状態 (快・不快,肯定的・否定的な感情 の有無と感情表出)等 〈今回の授乳経験〉 授乳期間 卒乳方法 〈今回の出産・授乳の経験〉 出産体験(出産方法,自己統制感,満 足感) 初回授乳時の気持ち等 〈授乳方法〉 退院時の授乳方法 〈授乳方法〉1か月健診時の授乳方法 〈授乳方法〉授乳期間を通しての主な授乳方法 【子どもの背景】 年齢,性別,在胎週数,出生時体重 子どもの育てやすさ(夜泣き,機嫌 等)保育園等の入園時期 【ケア要因】 〈出産直後と入院中のケア〉 早期接触,初回授乳,母子同室,夜 間授乳,糖水・ミルク補足 母乳育児の技術をほめられた経験 母乳分泌を保証された経験 助産師の援助 (乳房マッサージ等の直接援助) 母乳育児の技術をほめられた経験 母乳分泌を保証された経験 【家族・環境】 出産施設 夫またはパートナーの年齢 ロールモデルの存在等 母乳育児のケアを受けた場 母乳育児への夫の理解 ピアの存在等 注1)     日本語版BPEBI  注2)     一般性セルフエフィカシー尺度(GSES) 注3)その他の部分:母乳育児継続に関する質問紙に含まれる内容 ・一般性セルフ・エフィカシー(GSES) ・母乳育児のセルフ・エフィカシー (日本語版BPEBI)

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1 )母乳育児継続に関する質問紙  先行研究と文献検討から母乳育児の確立・継続に影 響する要因を導き出した上で,SEの4つの情報源に基 づき母乳育児に関する項目を追加した。「成功体験」は, 出産の自己統制感・満足感,過去の授乳経験,今回の 授乳経験とした。「代理体験」としてロールモデル・ピ アの存在を挙げ,「言語的説得」は助産師が母親の技術 や能力をほめ,母乳の分泌を保証する関わりとした。 「生理的・情動的状態」は母乳を与えるときの快・不 快,肯定的・否定的感情の表出を挙げた。質問項目を, 【母親の背景】,【子どもの背景】,【ケア要因】,【家族・ 環境】に整理し,時系列に沿って構成した。  質問紙の回答所要時間を把握し,表面妥当性を検討 するために,子どもがいる母親10名にプレテストを 行った。10名のうち4名は助産学研究者であった。プ レテスト後に質問項目の修正・加筆を行った。 2 )日本語版BPEBI  母乳育児のSEを測定するために,BPEBI(Cleveland & McCrone, 2005)の翻訳版を作成した。 (1)BPEBI(原版)の特徴  BPEBIは,女性が母乳育児に価値をおき,様々な環 境で出産後1年間の母乳育児を行う能力や自信を測る 尺度であり,質問項目は22項目,回答方法は,0%か ら100%までの100mmのビジュアルアナログスケール である。理論的枠組みは,BanduraのSE理論に基づ いており,因子分析では,「継続的に母乳を与えるこ とをマネジメントする自信」,「母乳育児のテクニック をマネジメント・社会的サポートをうまく活用する 自信」,「母乳育児のモチベーションをマネジメントす る自信」,「さまざまな環境で母乳を与えることをマネ ジメントする自信」,「母乳を与える上で生じるかもし れない困難に立ち向かう自信」の5因子に分けられて いる。BPEBIの信頼性についてクロンバックα係数は 0.89であり,併存妥当性としては,年齢,教育レベル, 出産体験,授乳体験,代理体験と正の相関が確認され ている(Cleverland & McCrone, 2005)。

(2)日本語版BPEBIの作成過程  BPEBI開発者から使用許可を得た。カウンセラー 資格を持つ日本人英語講師と研究者で翻訳を行い,助 産学研究者と表現の検討・修正を行った。表面妥当性 検討のためにプレテストを行い,尺度開発専門の大学 教授および助産学研究者と共に原版と日本語版との内 容を検討し,日本語版BPEBI(仮)を作成した。英語 が母国語であるバイリンガルに依頼して逆翻訳を行い, 著者に送って意味内容を確認した。助産学の研究者と 共に検討後,日本語版BPEBIを完成させた。 (3)本研究における日本語版BPEBIの信頼性・妥当性 の検討  本研究における日本語版BPEBIの内部一貫性を示 すクロンバックα係数は、全項目(22項目)で.837と 高く,信頼性は確保された。  妥当性の検討は,以下のように行った。まず,構成 概念妥当性の検討のために,主因子法,バリマックス 回転を用いて因子分析を行った。原版は5つの因子構 造であったので,日本語版も5因子と仮定して因子分 析をした結果,5つの内容のまとまりはほぼ保持され た。  併存妥当性としては,日本語版BPEBI合計点と 母乳育児継続期間との間に正の相関が認められた(r =.392, p<.01)。日本語版BPEBI合計点と授乳方法 との相関では,主な授乳方法が母乳栄養であること と,正の相関が認められた(r=.480, p<.01)。日本 語版BPEBI合計点と一般性セルフ・エフィカシー尺 度合計点との間にも正の相関が認められ,併存妥当性 が確認された(r=.246, P<.01)。従って,日本語版 BPEBIは個人の一般的なSEと関連があり,SEの一部 分である母乳育児に対する自信を測っていると考えら れた。 3 )一般性セルフ・エフィカシー尺度(General Self-Efficacy Scale;以下GSES) (1)GSESの特徴  個人が一般的に,SEをどの程度高く認知する傾向 にあるかを測定するための質問紙であり,質問項目は 16項目,回答は「はい」または「いいえ」の2件法である。 因子構造は「行動の積極性」,「失敗に対する不安」,「能 力の社会的位置づけ」の3つであり,信頼性・妥当性 は確保されている(坂野&東條,1986;坂野,1989)。 (2)本研究における信頼性・妥当性の検討  本研究におけるクロンバックα係数は,全項目(16 項目)で.778と高く,信頼性は確保された。次に,構 成概念妥当性検討のために,主因子法,バリマック ス回転を用いて因子分析を行った。結果を坂野&東 條(1986)のデータと比較したところ,「行動の積極性」, 「失敗に対する不安」,「能力の社会的位置づけ」の3つ の因子構造は,1項目を除きほぼ保たれていた。

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4.調査手順と方法 1 )プレテスト  質問紙全体について回答所要時間を把握し表面妥当 性を検討するために,子どもがいる母親10名にプレ テストを行い,質問項目の修正・加筆を行った。 2 )本調査のデータ収集方法 (1)サンプルサイズ  本研究は探索的研究であり,質問数は105である。 必要なサンプル数は項目数の2倍から3倍と考える と210から315である。郵送法で行うため,回収率を 30%とし,必要サンプル数は900名程度とした。 (2)データ収集方法  施設長あてに文書による研究協力の依頼を行い,同 意が得られた場合に必要部数を郵送し,施設長から母 親へ質問紙を配布してもらった。回収は,母親本人が 封筒に入れてポストに投函し返送する方法とした。 5.分析方法  分析には,統計パッケージSPSS 15.0J for Windows 版を使用し,すべての有意水準は5%で両側検定とし た。各変数の基本統計量を算出した後,t検定,χ2 検定を行い変数間の関係を分析し,2項ロジスティッ ク回帰分析を行った。 6.倫理的配慮  質問紙は個人が特定されないよう無記名とし,質問 紙の返送をもって研究への同意と解釈した。研究依頼 文書に,研究協力は任意であり断っても不利益は被ら ないことを明記した。なお,本研究は研究計画書の段 階で聖路加看護大学研究倫理審査委員会において承認 を受けてから実施した(承認番号07-025)。

Ⅳ.結   果

1.質問紙の回収結果  研究協力の同意が得られた21施設に質問紙を郵送 した。内訳は,保育所13施設(571部),幼稚園6施設 (382部),助産所2施設(150部)の計1103部であった。 質問紙の回収は424名(回収率38.4%)で,最終的には 404名(有効回答率95.3%)を分析の対象とした。 2.対象の背景(表2)  対象(以下,母親)の平均年齢は35.0( 4.2)歳であり, 22歳から47歳の範囲であった。調査時点における就 労状況は,フルタイム・パートタイム・育児休業を合 わせて236名(58.4%)であった。出産後に仕事に復帰 した人は237名であり,このうち65名(27.4%)は,出 表2 対象の背景 属     性 人数 (%) N デモグラフィックス   対象(母親)の年齢 30歳未満 30歳以上40歳未満 40歳以上 36 311 57 (8.9) (77.0) (14.1) 404   子どもの人数 1人 2人 3人以上 147 208 49 (36.4) (51.5) (12.1) 404   就労状況 フルタイムで就労 パートタイムで就労 育児休業中 家事専業 166 49 21 168 (41.1) (12.1) (5.2) (41.6) 404   仕事復帰の時期 出産後0から6か月 出産後7から12か月以内 出産後13から24か月 出産後24か月以降 65 97 53 22 (27.4) (41.0) (22.3) (9.3) 237   最終学歴 中学・高校 各種・専門学校 短大・大学・大学院 69 80 255 (17.1) (19.8) (63.1) 404   世帯の年収 400万円未満 400万円から800万円 800万円以上 38 155 211 (9.4) (38.4) (52.2) 404 母乳育児に関する背景   授乳方法を決めた時期 妊娠前 妊娠中 出産後 134 122 148 (33.2) (30.2) (36.6) 404   母乳育児を見た経験(ロールモデルの有無) 404 あり なし 240164 (59.4)(40.6)   上の子の有無 あり なし 176228 (43.6)(56.4) 404   上の子の授乳方法 母乳のみ・ほぼ母乳 混合 ほぼミルク・ミルクのみ 91 61 21 (52.6) (35.3) (12.2) 173 子どもの背景   子どもの年齢(2007年4月1日時点) 2歳以上3歳未満 3歳以上4歳未満 126278 (31.2)(68.8) 404   保育園・幼稚園の通園状況 通っている 通っていない 377 27 (93.3) (6.7)   保育園・幼稚園の入園時期 生後12か月以内 13か月以上24か月以内 25か月以上35か月以内 36か月以上 147 55 19 160 (38.6) (14.4) (5.0) (42.0) 381

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産後6か月までに復職していた。学歴は短大卒以上が 255名(63.1%)であり,世帯の年収は800万以上が211 名(52.2%)であった。夫(パートナー)(以下,夫)の 平均年齢は37.3( 5.5)歳であり,23歳から62歳の範 囲であった。  過去の授乳経験として上の子どもの状況を聞いた。 上の子がいる人は176人(43.6%)であり,そのうち前 回の授乳方法が「母乳のみ」または「ほぼ母乳」であっ たのは91名(52.6%)であった。  子どもの年齢は,平均3歳2か月( 6か月)であり, ほとんどの子ども(377名,93.3%)が,保育園か幼稚 園に通っていた。 3.母乳育児の継続状況と継続期間(表3)  調査時点で380名(94.1%)が母乳育児を終了してお り,継続中は24名(5.9%)であった。母乳育児継続期 間(以下,継続期間)の平均は1年4か月( 10か月)で, 最頻値は1年,最も長い場合は4年3か月であった。授 乳方法別にみると,「母乳のみ」の場合の継続期間が最 も長く平均1年9か月( 10か月)であった。 4.母乳育児の開始と継続期間の状況 1 )出産の状況と入院中のケア(表4)  出産は,経膣分娩が342名(84.7%),帝王切開が62 名(15.3%)であった。出産直後の早期接触は,「1分 以上20分未満」が最も多く243名(60.1%)であり,「20 分以上」が78名(19.3%)であった。初回授乳は,134 名(33.2%)が出産後30分までに行っていた。入院中 の母子同室を出産後24時間までに開始したのは76 名(18.8%)であり,全く同室しなかったのは125名 (30.9%)であった。夜間の授乳を出産当日から行った のは98名(24.3%)であった。糖水やミルクの補足を しなかったのは68名(16.8%)であり,「補足あり」と「不 明」を合わせて336名(83.2%)に上った。入院中スタッ フから母乳育児の技術等をほめられた経験があった人 は265名(65.6%)であり,「いいおっぱいね,母乳でい けるわよ」等と,母乳分泌を保証された経験があった 人は300名(74.2%)であった。 2 )退院後の状況(表5)  母乳不足感があったのは 225名(55.7%),乳腺炎や 乳頭亀裂等の乳房や乳頭のトラブルがあったのは231 名(57.2%)であった。授乳後に乳房がすっきりする感 覚は,341名(84.4%)が経験していた。授乳について 感じたうれしさや幸せな思いを誰かに伝えたかについ ては,276名(68.3%)が伝えたと回答しており,伝え た相手としては,夫が最も多かった。授乳について感 じた不安やつらい気持ちを誰かに伝えたかについては 320名(79.2%)が伝えたと回答し,伝えた相手として は夫が最も多かった。自分の授乳に対する考えや気持 ちに対して,夫の理解が得られたのは351名(86.9%) であり,ピアがいた人は283名(70.0%)であった。喫 煙していたのは19名(4.7%)と少数であった。 3 )授乳期間における助産師の援助  助産師へ相談したり援助を受けたりしたのは,229 名(56.7%)であり,援助を受けた場としては,病院等 の母乳外来(132名)が最も多かった(複数回答)。援助 を受けた229名のうち,助産師から母乳分泌を保証さ れた経験があった人は159名(53.7%)であった。また, 乳房マッサージ等の手を添えた直接援助(以下,直接 援助)を受けたのは180名であった。 5.母乳育児継続に影響する要因 1 )継続期間に関連する要因(表6)  母乳育児の継続期間を最頻値(1年)を境に2群に分 け,[13か月以上](213名)と[12か月以下](191名)と しχ2検定を行った。  【母親の背景】では,上の子の授乳方法との関連が 認められ,上の子の授乳方法が「母乳のみ・ほぼ母乳」 (以下,〈母乳主体〉)である場合は,そのうち73.6%が 継続期間[13か月以上]であり26.4%が[12か月以下] 表3 母乳育児継続期間(全体・授乳方法別) N=404 n 平均 標準偏差 最大値 最頻値 母乳育児継続期間(全体) 404 1年4か月 10か月 4年3か月 1 年 授乳方法別 母乳のみ ほぼ母乳 混合 ほぼミルク 139 89 118 58 1年9か月 1年6か月 1年1か月  5か月 10か月 9か月 10か月 4か月 4年3か月 4年1か月 4年3か月 1年8か月 1 年 1 年 6か月 3か月

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表4 出産の状況と入院中のケア N=404 項     目 人数 (%) 出産施設(場所) 病院 318 (78.7) 診療所・クリニック 60 (14.9) 助産院 20 (5.0) 自宅 6 (1.5) 出産方法 経膣分娩 342 (84.7) 帝王切開 62 (15.3) 出産時の自己統制感 とてもあり・あり 341 (84.4) なし・全くなし 63 (15.6) 出産満足感 とても満足・満足 338 (83.7) 不満・とても不満 66 (16.3) 早期接触 50分以上 38 (9.4) 20分以上50分未満 40 (9.9) 1分以上20分未満 243 (60.1) なし 83 (20.5) 初回授乳の時期 出産直後から30分まで(30分未満) 134 (33.2) 30分以上から1時間までに 28 (6.9) 1時間以上から24時間までに 120 (29.7) 24時間以上経ってから 108 (26.7) 日数が経ってから 14 (3.5) 母子同室 24時間までに同室開始(24時間未満) 76 (18.8) 24時間以降48時間までに同室 65 (16.1) 48時間以降から同室 56 (13.9) 日中のみ同室 82 (20.3) 同室なし 125 (30.9) 夜間の授乳 出産当日から授乳 98 (24.3) 1日目から授乳 94 (23.3) 2日目から授乳 83 (20.5) 基本的には授乳 71 (17.6) なし 58 (14.4) 糖水・ミルクの補足 なし 68 (16.8) 不明 15 (3.7) あり 321 (79.5) 入院中に母乳育児の技術等をほめられた経験 何度もあり・時々あり 265 (65.6) 全くなし・ほとんどなし 139 (34.4) 入院中に母乳分泌を保証された経験 何度もあり・時々あり 300 (74.2) 全くなし・ほとんどなし 104 (25.8) 表5 退院後の状況 項     目 人数 (%) N 母乳不足感 404 全くなし・ほとんどなし 179 (44.3) 何度もあり・時々あり 225 (55.7) 乳房・乳頭トラブル 404 全くなし・ほとんどなし 173 (42.8) 何度もあり・時々あり 231 (57.2) 授乳後に乳房がすっきりする感じ 404 非常にあり・あり 341 (84.4) 全くなし・あまりなし 63 (15.5) 乳頭が痛くて,授乳を続けられるか不安に思ったこと 404 全くなし・ほとんどなし 227 (56.2) 何度もあり・時々あり 177 (43.8) 授乳の幸せな思いの表出 404 あり 276 (68.3) なし 128 (31.7) 幸せな思いを誰に伝えたか(複数回答) 276 夫(パートナー) 219 実母または夫の母親 160 母乳育児をしていた友人・姉妹 154 助産師・看護師 42 授乳の不安等の表出 404 あり 320 (79.2) なし 84 (20.8) 不安・つらい気持ちを誰に伝えたか(複数回答) 320 夫(パートナー) 230 実母または夫の母親 193 母乳育児をしていた友人・姉妹 148 助産師・看護師 79 夫の理解 400 非常にあり・あり 351 (87.7) 全くなし・なし 49 (12.3) ピアの存在 404 あり 283 (70.0) なし 121 (30.0) 授乳期間中の喫煙 404 なし 385 (95.3) あり 19 (4.7) 授乳期間の助産師援助 404 受けた 229 (56.7) 受けなかった 175 (43.3) 援助を受けた場(複数回答) 229 病院等の母乳外来 132 助産院の母乳外来 51 自宅 37 保健センター 11 授乳期間に母乳育児の技術等をほめられた経験 229 何度もあり・時々あり 114 (49.8) 全くなし・ほとんどなし 115 (50.2) 授乳期間に母乳分泌を保証された経験 229 何度もあり・時々あり 159 (53.7) 全くなし・ほとんどなし 70 (46.3)

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表6 母乳育児継続期間に関連する要因 変         数 母乳育児継続期間 χ2 p値 有意 水準 n 13か月以上 12か月以下 母 親 の 背 景 授乳方法を決めた時期 出産前 256 59.0% 41.0% 10.992 0.001 ** 出産後 148 41.9% 58.1% 当初に考えていた授乳方法 母乳主体(※) 255 57.6% 42.4% 12.567 0.000 *** ミルク・混合 149 36.8% 63.2% 上の子の有無 あり 176 59.1% 40.9% 5.074 0.024 * なし 228 47.8% 52.2% 上の子の授乳方法 母乳主体(※) 91 73.6% 26.4% 15.819 0.000 *** ミルク・混合 82 43.9% 56.1% 上の子の授乳満足度 満足 117 66.7% 33.3% 7.626 0.006 ** 不満 56 44.6% 55.4% 就労 なし(家事専業) 168 59.5% 40.5% 5.337 0.021 * あり(フルタイム・パート・育休) 236 47.9% 52.1% 子の ど背 も景 保育園等の入園時期 13か月以降 234 56.8% 43.2% 8.502 0.004 ** 0∼12か月 147 41.5% 58.5% 出 産 直 後 と 入 院 中 の ケ ア 初回授乳 出産後30分までに授乳 134 61.9% 38.1% 6.834 0.009 ** 出産後30分以降 270 48.1% 51.9% 早期接触 20分以上 78 66.7% 33.3% 7.540 0.006 ** 20分未満 326 49.4% 50.6% 母子同室 出産後24時間までに同室 76 76.3% 23.7% 20.904 0.000 *** 出産後24時間以降 328 47.3% 52.7% 夜間授乳 出産当日から授乳 98 66.3% 33.7% 9.606 0.002 ** 出産後1日目以降 306 48.4% 51.6% 糖水・ミルクの補足 補足なし 68 75.0% 25.0% 16.279 0.000 *** 補足あり・不明 336 48.2% 51.8% 入院中に母乳分泌を保証された経験 あり 300 58.0% 42.0% 13.021 0.000 *** なし 104 37.5% 62.5% 退 院 後 の 状 況 乳房・乳頭トラブル なし 173 43.9% 56.1% 9.383 0.002 ** あり 231 59.3% 40.7% 母乳不足感 なし 225 67.6% 32.4% 28.531 0.000 *** あり 179 40.9% 32.4% 授乳後に乳房がすっきりする感じ あり 341 56.3% 43.7% 11.258 0.001 ** なし 63 33.3% 66.7% 授乳の幸せな思いの表出 あり 276 58.3% 41.7% 11.001 0.001 ** なし 128 40.6% 59.4% 授乳の不安等の表出 あり 320 55.3% 44.7% 4.141 0.042 * なし 84 42.9% 57.1% 夫の理解 あり 351 55.0% 45.0% 7.100 0.008 ** なし 49 34.7% 65.3% ピアの存在 あり 283 57.2% 42.8% 7.748 0.005 ** なし 121 42.1% 57.9% 授乳期間の助産師援助 あり 229 62.4% 37.6% 20.049 0.000 *** なし 175 40.0% 60.0% 授 乳 方 法 退院時の授乳方法 母乳主体(※) 255 62.4% 37.6% 25.725 0.000 *** ミルク・混合 149 36.2% 63.8% 1か月時の授乳方法 母乳主体(※) 271 63.1% 36.9% 35.562 0.000 *** ミルク・混合 133 31.6% 68.4% 授乳期間を通しての主な授乳方法 母乳主体(※) 228 75.9% 24.1% 112.570 0.000 *** ミルク・混合 176 22.7% 77.3% 注1:母乳育児継続期間[13か月以上]・[12か月以下]と各変数とのχ2検定 注2:母乳主体は,「母乳のみ」と「ほぼ母乳」を合わせたもの *p<.05,**p<.01,***p<.001

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であった(p=.000)。就労との関連では,就労なしの 場合は59.5%が継続期間[13か月以上]であり,40.5% が[12か月以下]であった(p=.021)。【子どもの背景】 では,保育園等の入園時期が「13か月以降」である場 合は,56.8%が継続期間[13か月以上],43.2%が[12か 月以下]であった(p=.004)。なお,それ以外の子ど もの要因との関連は認められなかった。〈出産直後と 入院中のケア〉では,次の6つのケアとの関連が認め られた。 母子同室を出産後24時間までに行うこと(p =.000), 入院中に糖水・ミルクの補足をしないこと (p=.000), 入院中に母乳分泌を保証された経験があ ること(p=.000), 夜間の授乳を出産当日に開始する こと(p=.002), 早期接触を出産後20分以上行うこと (p=.006), 初回授乳を出産後30分までに行うこと(p =.009)。〈退院後の状況〉で継続期間[13か月以上]で ある比率が高かったのは,次の2つであった。 母乳不 足感がないこと(p=.000),助産師の援助を受けたこ と(p=.000)。  なお,退院時・1か月時の授乳方法および授乳期間 を通しての主な授乳方法(以下,主な授乳方法)と継 続期間との関連が認められた。特に,主な授乳方法が 〈母乳主体〉である場合は75.9%が継続期間[13か月以 上]であり,[12か月以下]は24.1%であった(p=.000)。 2 )母乳育児の継続期間を左右する要因(表7)  継続期間[13か月以上]と[12か月以下]を従属変数 とし,χ2検定で継続期間と有意な関連が認められた 変数(p>.05)を独立変数として2項ロジスティック回 帰分析を行った。その結果最も関連が強かったのは, 授乳期間に「母乳不足感がないこと」(p=.000)と「助 産師の援助を受けたこと」(p=.003)であった。〈出産 直後と入院中のケア〉では,「母子同室を出産後24時 間以内に行うこと」(p=.007)との関連が認められた。 【子どもの背景】では,子どもの保育園等の入園時期 が「13か月以降」である方が,「12か月以下」であるよ りも長く続く結果となった(p=.012)。  なお,「乳房・乳頭トラブル」(Exp(B)=0.576, p =.021)についてはオッズ比が1未満であることから, 乳房・乳頭トラブルがある人の方が,ない人よりも継 続期間が長い結果となった。 6.母乳育児の長期継続(25か月以上)に影響する要因 1 )母乳育児の長期継続に関連する要因  2年を超えて母乳育児を続けた人の背景を探るため, [13か月以上]継続した213名を,[25か月以上](65名, 30.5%)と[13か月以上25か月未満](148名,69.5%)の 2群に分けてχ2検定を行った。その結果,[25か月以上] の長期継続と関連が認められたのは〈出産直後と入院 中のケア〉の次の5つであった。 入院中に糖水・ミル クの補足をしないこと(χ(1)=8.654, p=.003), 母2 子同室を出産後24時間までに行うこと(χ(1)=7.699, 2 p=.006), 初回授乳を出産後30分までに行うこと(χ2 (1)=7.000, p=.008), 夜間の授乳を出産当日に開始 すること(χ(1)=5.360, p=.021), 早期接触が20分2 表7 母乳育児の継続期間を左右する要因 変   数 B (オッズ比)Exp (B) 95.0%信頼区間 p値 有意水準 下限 上限 母乳不足感 なしあり 0.976 2.655 1.677 4.204 0.000 *** 助産師の援助 ありなし 0.723 2.061 1.288 3.299 0.003 ** 母子同室 出産後24時間までに同室出産後24時間以降 0.890 2.436 1.272 4.666 0.007 ** 保育園等の入園時期 13か月以降0∼12か月 0.595 1.813 1.142 2.878 0.012 * 夫の理解 ありなし 0.877 2.405 1.150 5.028 0.020 * 乳房・乳頭トラブル なしあり ­0.551 0.576 0.360 0.921 0.021 * 授乳の幸せな思いの表出 ありなし 0.517 1.677 1.023 2.747 0.040 * 定数 ­6.241 注:母乳育児継続期間を[13か月以上]と[12か月以下]の2群とし,2項ロジスティック回帰分析を行った。変 数増加法(ステップワイズ)を行い,ステップ7で終了した。 B:ロジスティック回帰係数  *p<.05,**p<.01,***p<.001

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以上あったこと (χ2(1)=6.102, p=.014)。つまり, 出産直後と入院中のケアは,母乳育児を長期に継続す ることに関連していた。 2 )母乳育児の長期継続を左右する要因  継続期間[25か月以上]と[13か月以上25か月未満] を従属変数とし,[25か月以上]の継続と関連が認め られた5つのケアを独立変数として2項ロジスティッ ク回帰分析を行った。その結果,[25か月以上]の長期 継続と関連していたのは次の2つであった。①糖水・ ミルクを補足しないこと(Exp(B)=2.290, p=.015), ②初回授乳を出産後30分以内に行うこと(Exp(B)= 1.933, p=.035)。つまり,母乳育児を[13か月以上] 継続した母親のうち,初回授乳を出産後30分以内に 行い,入院中に糖水・ミルクを補足しなかった場合は, 約2倍,2年を超えて母乳育児を継続する傾向にあった。 7.授乳期間の助産師援助と母乳育児継続期間との関連 1 )助産師が母親に対して,母乳分泌を保証するケア  助産師の援助を受けた229名のうち,母乳分泌を保 証された経験の有無による母乳育児継続期間を分析 した。その結果,助産師から母乳分泌を保証された 経験があった場合の継続期間は平均19.1( 10.9)か月 であり,保証された経験がなかった場合の14.4( 9.1) か月と比較して有意に長かった(t (227)=­3.109, p =.002)。つまり,助産師が母親に対して援助すると きに母乳分泌を保証することは,母乳育児を長く継続 させることに影響していた。 2 )母乳不足感に対する助産師の直接援助  授乳期間に母乳不足感があった225名のうち,助産 師の直接援助の有無による母乳育児継続期間を分析し た。その結果,直接援助を受けた場合の継続期間は平 均18.4( 10.6)か月であり,直接援助を受けなかった 場合の12.4( 10.4)か月と比べ,有意に母乳育児継続 期間が長かった(t (223)=­3.564, p=.000)。つまり, 母乳不足感があるときに助産師が直接援助することは, 母乳育児の継続期間を延長させることに影響していた。 8.母親のSE 1 )母乳育児のSE (1)母乳育児のSEと母乳育児継続期間との関連  日本語版BPEBI合計点は,平均1516.7( 293.4)点 であった。日本語版BPEBI合計点と継続期間との間 には,中等度の相関が認められた(r=.392, p<.01)。 (2)母乳育児のSEに影響する要因(表8)  母乳育児のSEに影響する要因を探るため,4つの情 報源に関する変数と日本語版BPEBI合計点の関連を 分析した。その結果,日本語版BPEBI合計点と「成功 体験」,「言語的説得」,「生理的・情動的状態」との関 連が認められたが,「代理体験」との関連は認められな かった。「生理的・情動的状態」としては,「授乳の幸 せな思いを表出すること」(p=.000),「授乳後に乳房 がすっきりする感じがあること」(p=.009)が関連し, 「言語的説得」に関しては,「入院中に母乳分泌の保証 をされた経験があること」(p=.037)との関連が認め られた。 表8 母乳育児のセルフ・エフィカシーに影響する要因 4つの情報源 変数 B (オッズ比)Exp (B) 95.0%信頼区間 p値 有意下限 上限 水準 生理的・情動的状態 授乳の幸せな思いの表出 ありなし 1.526 4.600 2.206 9.592 0.000 *** 成功体験 最終的な授乳方法 母乳主体ミルク・混合 1.128 3.089 1.451 6.575 0.003 ** 母乳育児継続期間 13か月以上12か月以下 1.102 3.011 1.449 6.258 0.003 ** 退院時の授乳方法 母乳主体ミルク・混合 0.965 2.624 1.286 5.353 0.008 ** 生理的・情動的状態 授乳後に乳房がすっきりする感じ ありなし 1.362 3.904 1.407 10.833 0.009 ** 言語的説得 入院中に母乳分泌を保証された経験 ありなし 0.811 2.250 1.051 4.819 0.037 * 定数 ­11.166 注:日本語版BPEBI合計点の上位群・下位群の2群を従属変数として,2項ロジスティック回帰分析を行った。変数増加法(ス テップワイズ)を行い,ステップ6で終了した。 B:ロジスティック回帰係数  *p<.05,**p<.01,***p<.001

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2 )GSESと母乳育児継続期間との関連  GSESの平均値は9.4( 3.7)点であり,成人女性の 点数として,母親たちの一般的なSEの程度は普通で あった。なお,GSES合計点と母乳育児継続期間との 相関は認められなかった。

Ⅴ.考   察

1.本研究における母乳育児継続期間と対象の背景  母乳育児期間を龍ら(2006)の調査と比較すると, 平均1年4か月でほぼ同じ長さであったが,授乳方法 が「母乳のみ」の場合は平均1年9か月であり,本研究 の方が4か月長かった。「乳幼児の栄養に関する世界的 な運動戦略」(WHO/UNICEF, 2002)の実行目標である 2年には達していないが,本研究の対象は母乳育児を 長く継続していたといえる。  次に,デモグラフィックデータを全国データと比 較したところ,母親の平均年齢は35歳で,2∼3歳児 をもつ母親の年齢としては2歳程高く(厚生統計協会, 2007),就労状況は6割で,2割程高かった(母子保健 事業団,2006b)。これらの状況は都市部の母親の状況 を反映していると推察された。 2.出産直後と入院中のケアの重要性  本研究の結果において,①初回授乳,②早期接触, ③母子同室,④夜間授乳,⑤糖水・ミルクの補足,⑥ 母乳分泌の保証に関する6つのケアは,母乳育児の継 続と関連が認められた。つまり,母乳育児の開始時期 におけるこれらのケアは,その後の母乳育児期間を決 定づける大きな要因となっていることが確認された。 1 )「母乳育児成功のための10か条」との関連  前述の①∼⑤のケアは「母乳育児成功のための10か 条」(WHO/UNICEF, 1989)(以下,「10か条」とする)に 含まれており,多くの研究で母乳育児継続期間の延長 や,母乳率の向上が認められている項目である。本研 究においても母乳育児継続と関連が認められ、特に「出 産後24時間以内の母子同室」は[13か月以上]の継続と, 「糖水・ミルクの補足をしないこと」および「初回授乳 を出産後30分以内に行うこと」の2つは[25か月以上] の継続に影響していた。  「10か条」(WHO/UNICEF, 1989)では,母乳育児の 基本方針を関係するすべての保健医療スタッフに周 知徹底し,実践に必要な技能をトレーニングするこ とが薦められている。川﨑ら(2006)は,産科施設の 看護職や乳児健診に関わる保健師に「10か条」(WHO/ UNICEF, 1989)の認知度を調査した。それによると病 院勤務の助産師は,「早期授乳」の必要性を認識してい る割合が6割,「母子同室」は3割,「母乳以外の栄養や 水分を与えないこと」は16%と最も認識率が低く,母 乳育児に関する知識の差が認められた。さらに母乳育 児に関する継続教育の状況は,助産師が4割,他の看 護職は2割以下と受講率が低く,看護職への継続教育 の必要性が指摘されている。  本研究のケア実施状況をみると,「早期授乳」の実 施率は3割以上であったが,「早期接触」,「出産後24時 間以内の母子同室」,「出産当日からの夜間授乳」,「糖 水・ミルクの補足をしないこと」の実施率はいずれも 2割程度と低く,今後改善の余地があると考えられた。 今回,母乳育児の継続には出産直後から1週間(母乳 育児の開始時期)のケアが重要であることが改めて確 認されたことから,まず看護職間でエビデンスのある 共通認識をもつこと,入院中のケアを見直して改善す ることが重要であり,それが一貫した適切なケアの提 供につながり,母乳育児の継続を促すと考える。 2 )助産師が母親に対して母乳分泌を保証する関わり の重要性  本研究で,入院中に母乳分泌を保証された母親は母 乳育児を13か月以上継続していた。また,授乳期間 に助産師のケアを受け,母乳分泌を保証された場合の 継続期間も長かった。これは,母乳育児の確立と継続 に助産師等の専門家による母親のSEや自信を高める ケアは有効であり(Blyth et al., 2002;野口,1999),母 乳分泌を促進する技術的支援とともに分泌量を保証す る心理的支援が母乳育児継続を促進する力となる(渡 邉&上別府,2005)という先行研究の結果と一致する。 母親に保証を与える関わりは,後述する母乳育児の SEとの関連も大きく,「言語的説得」に相当すると考え られることから,助産師が母親に対して母乳分泌を保 証する関わりの重要性が示唆された。 3.退院後の継続的なケアの必要性 1 )母乳不足感に対する支援  本研究では母親の5割以上が授乳期間に母乳不足を 感じており,厚生労働省(2006)や島田ら(2006)の出 産後1か月時の調査と比較し,母乳不足を感じている 母親の割合が高かった。しかし,母乳不足感があった 時に助産師の援助を受けた人は,受けなかった人に比

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べて母乳育児を長く継続していたことから,母親が授 乳について困ったときに受け皿があり,ニードに対す る適切な援助を受けられれば母乳育児は続くことがわ かった。  授乳中の母親は母乳分泌量について非常に敏感であ り,他者からの評価に対しても敏感である。母乳分泌 が良好であるという認識は,それ自体が母乳育児を促 進する力になり母親の自信につながるが,逆に母乳分 泌が悪い場合は,母乳育児を妨げる要因にもなりうる と報告されている(渡邉&上別府,2005)。従って,母 乳不足感に対しては,母親が自己判断でミルクを補足 する前に,助産師が母乳分泌や子どもの状況を実際に 見て補足の必要性を判断し,具体的な方法を助言し, 継続的にフォローしていくことが必要であると考える。  一方,ケアを受けた場所の6割は病院の母乳外来で あり,自宅(家庭訪問)は16%に過ぎなかった。母親 にとって,乳児やきょうだいを連れて外出することは 身体的に負担であり,母乳外来の費用は基本的に自己 負担であるため,繰り返し母乳外来にかかることは経 済的負担にもつながる。Coutinho el al.(2005)は,退 院後の家庭訪問を約10回行った結果,出産後6か月時 の完全母乳栄養率が有意に高まったと報告している。 日本においても,授乳期間に母親が母乳育児支援を受 けやすい公的制度やサービス,例えば家庭訪問や費用 負担の軽減等を検討する必要があるのではないだろう か。 4.母乳育児のSEを高めるケア  本研究では,出産から2,3年経った母親において, 母乳育児を継続する長さと母乳育児のSEの間に正の 相関があることが確認された。Dennis(2002)は,母 乳育児に対して肯定的に考えている母親,すなわち母 乳栄養は健康に良く便利で自由であると感じている母 親は,困難を普通のことと捉え母乳育児を長く継続し ていたと報告していることから,もともと母乳育児に 価値を置いている母親は母乳育児を長く継続していた ことが推測される。従って母乳育児の継続を促進する には妊娠中の女性への働きかけはもちろんのこと,妊 娠する前の女性に対する情報提供や健康教育等を検討 していく必要があるのではないだろうか。  また,授乳により乳房がすっきりするといった快の 体験や,授乳に伴う肯定的な感情の表出は母乳育児の SEと正の相関が認められたことから,母親の感覚や 感情を尊重することの重要性が示唆された。一方,母 親が感情表出する対象としては夫,実母(夫の母親), ピアの順に多く,助産師等の保健医療従事者は一番少 なかった。夫のサポートやピアの存在は,母乳育児の 継続を促進することが報告されており(Dennis, 2002), 今回も同様の傾向が認められたことから,夫の母乳育 児に対する理解や,母親の感情を周囲の人に受け止め てもらえることが必要だと考える。 5.働く母親への母乳育児支援  母乳を与える時間は働く母親にとって,その子ども と向き合える貴重な時間である。働きながら母乳育児 を継続することは,母と子,事業所,保育所にとって さまざまな利点があるが,実際は仕事復帰や保育所入 所が母乳育児継続を妨げる要因になっていることが報 告されている(岡本ら,2005;内海ら,2005)。本研究 においても母乳育児期間は,母親の就労の有無および 保育園等の入園時期との関連が認められた。  保育所に対する調査によると,施設の半数は母乳 育児支援に消極的な考えを持っており,その理由と して設備上の問題や母親のニーズがない等を挙げてい る(大山&古屋,2006;山本ら,2003)。また,保育所 が何らかの支援をしていても情報が母親に伝わってい ない場合もあり(岡本ら,2005;山本ら,2003),母親 のニードと保育所の支援がうまく噛み合っていない状 況がうかがえる。大山&古屋(2006)の調査では,保 育所を所管する市町村担当課には,母乳育児に関する 正確な情報や搾母乳の取り扱いに関する具体的指針が ないことが明らかになっている。さらに現場の保育ス タッフについては,母乳育児支援に関する研修の受講 率は1割程度と低く(堤ら,2007),継続教育の必要性 が指摘されている(岡本ら,2005)。  一方,母親の仕事復帰時期に目を向けると,2004年 の育児休暇取得率は出産した女性の7割で,そのうち の3割近くが出産後5∼8か月で仕事に復帰している(母 子保健事業団,2006c)。本研究でも仕事復帰した母親 のうち65人(27.4%)が6か月以内に、97人(41.0%)が 7か月∼1年以内に復帰していたことから,授乳期間 に仕事へ復帰する母親が多い現状が確認された。堤 ら(2007)は,母乳育児を確立し継続していくために は,出産前から保育所に子どもを預けて働く時期等ま で,長期的で一貫した支援が必要であると述べている。 仕事復帰後に長期的に母乳分泌を維持する方法は,復 帰時期や保育所・職場の環境によっても異なるため, 仕事復帰の時期こそ,母乳育児を継続するために助産

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師等の保健医療従事者による具体的な指導やケアが必 要であると考える。また,あらかじめ出産準備教育に おいて働きながらの母乳育児に関する情報提供を行い, 母親自身も保育所や職場の環境を確認しておく等,助 産師も母親も母乳育児の長期的な視点をもつことが大 切であると考える。 6.研究の限界と今後の課題 1.本研究では,母乳育児に関心がある母親や長く継 続した母親たちが回答してくれたことが推察される。 2.今後調査が必要な課題として,出産直後から入院 中のケアの改善,働く母親に対する母乳育児に関す るニーズ調査,保育所における母乳育児支援を促進 する要因の調査が必要であると考える。

Ⅵ.結   論

 母乳育児の継続に影響する要因として,2∼3歳の子 どもをもつ母親404名のデータから,次のことが明ら かになった。 1.母乳育児継続期間は,平均1年4か月( 10か月)で あり,最頻値1年,最大値4年3か月であった。 2.出産直後と入院中のケアは、母乳育児期間を決定 づける大きな要因であり,次の6つのケアの重要性 が確認された。①母子同室を24時間までに行う(p =.000),②糖水・ミルクの補足をしない(p=.000), ③母乳分泌を保証する(p=.000),④夜間授乳を出 産当日に開始する(p=.002),⑤早期接触を20分以 上行う(p=.006),⑥初回授乳を出産後30分までに 行う(p=.009)。 3.退院後の状況で影響していた要因は①母乳不足感 がないこと(p=.000),②助産師の援助を受けたこ と(p=.000)の2つであった。なお,母乳育児継続 期間は,母親の就労の有無および保育園入園時期と の関連が認められた。 4.授乳期間に助産師が母乳不足感に対して援助をす ることは,母乳育児を長く継続することに影響して いた。特に,助産師が母親に母乳分泌の保証を与え ることは,母乳育児を長く継続させる要因となって いた。 5.母乳育児のSEと母乳育児継続期間には関連が認め られた。母乳育児のSEには「成功体験」,「言語的説 得」,「生理的・情動的状態」が影響していた。 謝 辞  本研究にご協力いただきましたお母様方,施設長の 皆様に深く感謝申し上げます。また,統計学について ご指導いただきました聖路加看護大学柳井晴夫教授, 研究をご指導をいただきました堀内成子教授に心より 感謝いたします。  なお,本研究は,2007年度聖路加看護大学大学院看 護学研究科修士論文に加筆・修正したものである。 文 献

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参照

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