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効果的な食事調査を行うための準備 ~食べたものを正確に把握するためのワザ~

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(1)

独立行政法人 国立健康・栄養研究所

栄養疫学プログラム

国民健康・栄養調査プロジェクト

荒井 裕介

国民健康・栄養調査を行うための準備

~栄養摂取状況調査を中心に~

平成19年度

独立行政法人

国立健康・栄養研究所

健康・栄養調査技術研修セミナー

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(2)

利用・活用に当たっての注意事項

この資料は、平成19年8月に全国3カ所で実施さ

れた独立行政法人国立健康・栄養研究所公開セ

ミナー「健康・栄養調査技術セミナー」の研修用と

して作成されたものを一部修正し、著者の了解の

もと公開するものです。調査必携などとあわせて

適切に利用・活用されるようお願い致します。

なお、平成19年国民健康・栄養調査における栄

養摂取状況調査の円滑な実施と精度管理に関わ

る目的以外での利用・活用、無断での転載や改

変は固くお断り致します。

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(3)

平成19年国民健康・栄養調査の客体設定

平成

19年国民健康・栄養調査

300単位区 約6,000世帯 約18,000人

国民生活基礎調査

1,056地区 (約2,000単位区)

厚生労働統計親標本設定

(1,056地区)

※単位区の設定等

国民生活基礎調査の調査地区を抽出するための全地区

90万地区(1地区50世帯)

平成

17年国勢調査による全地区約94万地区 (1地区約50世帯)

(層化無作為抽出)

(層化無作為抽出)

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(4)

国民健康・栄養調査の主な準備内容

<全体>

・調査地区の確認

・本庁、保健所内での連絡調整、スケジュールの調整

・調査地区の代表者、市町村担当者との連絡調整・情報収集

・調査世帯、世帯員の確認

・説明会の実施

<調査実施>

■事前準備

・調査員の確保、トレーニング

・栄養摂取状況調査票、聞き取り確認のためのツールの用意

地域特有の食品や、出回り食品の確認

・機器等の準備(体重計の検定など)

■調査票の回収

■事後確認

・不明食品等の確認

<結果返却>

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(5)

調査地区・対象者の把握

• 普段より、国民生活基礎調査の担当者と連携をとり、

対象世帯(対象者)を十分に把握してもらうようにす

る。また名簿も適切に整理してもらうようにする。

(国民健康・栄養調査では、国民生活基礎調査の地区要図及び単位区別世帯名簿を用いることが可能)

• 対象単位区の取り間違えがないよう十分に確認を

する。また、調査地区が特定給食施設などではなく、

調査対象となるのかどうかを確認する。

• 調査地区の町内会長等のキーパーソンと適切なコ

ミュニケーションを築いておくことが望まれる。

• また市町村担当者に協力を得て、情報を得ることも

大切。

調査地区の確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(6)

調査対象者への協力依頼

• 説明会等で調査の目的や意義を対象世帯

(対象者)へ正確に伝え、理解してもらう。

• 一旦断られても、再度協力を依頼することで

良い返事をもらうことも。

• 地区によっては、町内会長などから、事前に

周知をしてもらうことで、協力を得られることも。

調査地区の確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(7)

「普段の食事」をとってもらう。

→面倒くさいからといって、簡素化しないように。

見栄を張って、いつもと違う食事をしないように。

→ありのままに記録してもらうことが、対象者の食生活を評価する上でも大切。

食べたもの、飲んだものはすべて記録する。

→調査票でなくとも、メモ紙、広告の裏にでも記録してもらう。

→商品名やメーカー、サプリメントの栄養成分量を記録してもらう。

もしくはパッケージを持参してもらう。

家族に協力をお願いする。

→外食の場合、料理名や大きさ、店名などをメモしてもらう。

計量できるものは極力計量をお願いする

→無理のない範囲でお願いする。「小さじ」などの大きななど統一しておく

説明会で何を伝えるか

~栄養摂取状況調査~

説明会の実施

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(8)

対象者にできるだけ記録をしてもらい、関連

する情報を提供してもらう。

→十分な記録や情報のないところから、栄養

摂取状況調査票を完成させることは、対象

世帯(対象者)とっても、調査者側にとっても

負担が大きく、調査精度を維持する意味でも

問題がある。

⇒事前の説明会(打ち合わせ会)で理解が得

られるよう対応する。

説明会の実施

説明会で何を伝えるか

~栄養摂取状況調査~

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(9)

標準化のために必要な対応

• プロトコールとしての調査必携の理解

• 標準化を徹底するための研修(トレーニング)

• 具体的な調査の進め方の確認

調査手順、調査のためのツール

• 問い合わせ等による情報収集

• 適切な調査を実施するための

留意点等の確認

調査実施に向けた事前準備

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(10)

調査員に対するトレーニングのためのツール

• 国民健康・栄養調査必携(厚労省)

• 食品番号表(厚労省)

• 健康栄養調査に関する情報のページ

(栄研HP・更新予定)

• 最近数年間における、自治体内での調査状

況に関する資料・データ(各自治体・保健所)

• 関連書籍等(さまざま)

調査員トレーニング

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(11)

調査必携を上手に活用する

• 調査必携の記載事項を十分に理解しておく

か、少なくとも、どこに何が記載されているの

かを適切に把握しておく。

• 精度管理のための各種

確認リスト

を積極的

に活用する。

→ ミスを防ぐ努力とともに、確認して修正す

ることにも留意する。(人間にはミスはつき

ものであることを頭に入れておく。)

調査員トレーニング

→栄養摂取状況調査員だけでなく、身体状況調査、生活習慣調査を担当する

調査員もトレーニングを。

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(12)

食事調査でツールを活用するメリット

• 比較的

短時間

精度の高い重量(容量)の把

が可能となる。

• 調査対象世帯(対象者)

調査者側間

の確認

に要する

時間を短縮し、負担を軽減

できる。

• 調査全般の

標準化が達成

できやすい。

• 調査結果の

信頼性、比較性

が高まる。

少なくとも、同一の自治体内や地域内で標準的なもの

をそろえて活用できることが望ましい。

食事調査(聞き取り)の事前準備

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(13)

食事調査で

有用なツール

フードモデル

料理カード

計量スプーン

計量カップ

食器

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(14)

計量スプーンの大きさに注意!

小さじ 5mL

大さじ 15mL

ミニタイプA 2.5mL

ミニタイプB 1mL

小さじ 5mL

大さじ 15mL

対象者は、ミニタイプを「小さじ」と認識している場合がある。

また、小さじ(5mL)を「中さじ」と呼ばれている場合がある。

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(15)

関連書籍

チラシ

食事調査で

有用なツール

ホームページの商品情報も食品を

特定するのに大変有用

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(16)

型紙の例示

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(17)

方眼紙例示

(INTERMAP Study)

(18)

新たに作成した型紙ツールの紹介

独立行政法人国立健康・栄養研究所では、厚生労働科学研究事

業の協力を得て

、「平成19年度国民健康・栄養調査栄養摂取状況

調査のための標準的なスケール(試作版)」

を作成しました。

各自治体主幹部局にサンプルをお送りしていますので、ご活用く

ださい。

今年度は試作版であり、活用いただきました調査員の皆様からの

ご意見等を踏まえ、次年度以降に向けて改良を行っていきます。

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(19)

食品番号表を正しく利用する

• コード化に際し、必ず

その年の食品番号表

用いる。

毎年

内容が

改訂

されている。

五訂増補日本食品標準成分表

用いて

コード化しては

ならない

給食番号

(20000番台)と

外食番号

(30000番台)は、

(○人前)

としてコード化

する。

食事調査(聞き取り)の事前準備

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(20)

調査員間の統一事項(聞き取り、転記)

• 調査員間で食事記録の確認の方法やツール

の使い方が大きく異なることは望ましくない。

• 味付けに用いられる調味料の割合や食品の

読み替えの基本方針が地域として統一され

ていることが求められる。

• 異なる調査票間での転記やその際に発見さ

れる誤りの修正方法等の取り扱いについても、

約束事項として予め対応を標準化しておくと、

精度管理上、都合のよいことが多い。

食事調査(聞き取り)の事前準備

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(21)

聞き取り(確認)方法

調査者は食事の記録をもとに、

常に中立な立場

聞き取り(確認)を行うことが求められる。

× 対象者から十分な確認を取らないこと。

× 勝手に食品を当てはめてしまうこと。

× 分量を調査者の基準で決定してしまう

こと。

× 誘導尋問すること。

○ 客観的な物差しやツールを活用する。

○ 不明点をどこの誰へ問い合わせればよいのか

を把握し、適切な確認をとる。

食事調査(聞き取り)の事前準備

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(22)

ヨーグルトも種類によって、栄養素等量は異なります

プレーンヨーグルトに何かを加えて、食べていたかもしれません。

× プレーンヨーグルトに砂糖かジャムを加えて召し上がりましたか?

このヨーグルトとは、

どの様な種類のヨー

グルトでしたか?

さらに

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(23)

• いつ

朝食、昼食、夕食、間食、夜食

• どこで(食べた、入手した)

家庭、学校、職場、飲食店、居酒屋、デパ地下

• 誰が調理した

自分自身、家族の誰か、飲食店の店主、惣菜業者

• 何を

ご飯、八宝菜、握り寿司、パスタ、ハンバーグ

• どのくらい

150g、1人前、大さじ1杯、コップ1杯、

ペットボトル1本

いつ、どこで、誰が調理した、何を、どのくらい

召し上がったのですか?

例えば....

一般に情報が多いほど、正確な調査が実施可能となる。

聞き取りの際の留意点

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007 23

(24)

小盛り

中盛り

大盛り

何れも「ご飯1杯」です。

秤量記録がなく、何のツールも手元にない場合、ご飯1

100g

168kcal

-84kcal

150g

252kcal

±0

250g

420kcal

+168kcal

エネルギーをみると・・・

(例)

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(25)

• 例えば「お味噌汁1杯」の場合、大人男性・女性、子ども

で器の大きさが異なると、食べる量も異なります。対象者

は、家族全員同様に「1杯」と記入されるかもしれません。

• 「お味噌汁」もスープ(汁)を飲んでいるのかどうかに

よっても、塩分量に差がでます。

<子ども>

<大人・男性>

例えば、12gの味噌を使ったとき・・・

・汁を全部飲んだとき → 食塩 約1.5g

・汁を飲まなかったとき → 食塩 約0.5g

(30%摂取として)

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(26)

 11 月 × 日【夕食】

食 物 摂 取 状 況 調 査

使用量

料 理 名

食 品 名

(重量または 廃棄量

目安量と

その単位)

ごはん

ごはん

150g

1

1

お茶

麦茶

150cc

2

1

ビール

キリン 一番搾り

小ビン

2

3

みそ汁

豆腐

1/2丁

1

1

わかめ

2

みそ

大さじ2

だし汁

カップ2杯

その料理は、

家族で分けま

家族が食べたもの、飲んだものは全て記載してくだ

さい

何となく、きれいに書いてあるように見えるけど・・・・

150gのごはんを二人で分けたのか?

150gのごはんを1杯ずつ食べたのか?

二人で飲んだ合計量?

1杯の量で、150ccを3杯?

小瓶を分けて飲んだのか?

合計5本飲んだのか?

二人とも1杯だけど、

量も一緒?

聞き取りの際に十分確認しないと、誤った情報となってしまいます。

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(27)

同じ牛乳ですが、種類によって

栄養素等量はかなり異なる

必ず種類を確認しましょう。

乳飲料

鉄分&

カルシウム

不足を補う

エネルギー

50

脂質

カルシウム

1.4

170

1.4

エネルギー

67

脂質

カルシウム

3.8

110

Tr

エネルギー

46

脂質

カルシウム

1.0

130

0.1

100gあたり

(例)

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(28)

不明な点は積極的に問い合わせる(1)

対象者が食品を購入すると思われるスー

パーマーケットや商店の品揃え、チラシを

確認してみる。

→食品の大きさや種類を確認

→聞き取りの際に確認しやすくなる

地域、お店によって、豆腐1丁の重量も異なる。

食事調査の事後確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(29)

不明な点は積極的に問い合わせる(2)

食事の記録や関連情報に曖昧な部分があっ

ても、問い合わせることによって、真実に接

近できる。

→ ○○コンビニの「焼き魚弁当」

→ ◇◇百貨店地下食品売り場の「惣菜」

→ ※※会社従業員食堂の「日替わり定食」

→ ☆☆小学校3年生の「給食」

→ 加工食品のパッケージ

→ いわゆるサプリメント等の説明書

→ 薬局で配布された薬品情報

勝手な判断をせず、問い合わせることが大切

食事調査の事後確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(30)

焼き魚弁当の内容は

鮭の切り身

鯖の切り身

(31)

不明な点は積極的に問い合わせる(3)

直近の情報を近隣の保健所、主幹部局等に

問い合わせる。

→ 地域特有の食品・料理・調理方法

→ 地域でよく利用されている外食・惣菜

→ 食品番号表に未掲載の食品の扱い

地域における問い合わせ情報は、データベース化して有効

に活用する。

出現する可能性の高い食品、料理、惣菜、外食、調理方法

等については、予め情報収集を行っておくことが望ましい。

食事調査の事後確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(32)

複数の調査員間で確認作業を行う。

• 調査票の確認作業は取りまとめた調査員と

は別の調査員が実施する。

• 責任の所在を明らかにしておくため、『調査員

氏名』と『確認者氏名』を必ず記入する。

• 調査票の審査会を実施して、精度管理を行う

とともに、調査上の問題点を明確化すること

も望ましい。

調査の事後確認

国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム国民健康・栄養調査プロジェクト 2007

(33)

栄養摂取状況調査票確認リスト(調査員用、確認者用)を活用

して、システマティックに誤りを発見・修正する。

(見本)

参照

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