2015 年 7 月
IIW 国際溶接管理技術者資格制度
「特認コース」2015 年度受験のご案内
IIW 資格日本認証機構(J-ANB)事務局1.はじめに
溶接構造物や溶接製品の製造における品質マネジメントの規格として、ISO 9001 の溶接版といえる ISO 3834(金属材料の融接に関する品質要求事項)の適用が世界的に広がりつつあります。背景には、 FTA(自由貿易協定)や EPA(経済連携協定)が活発化し、巨大な自由貿易圏が形成される中で共通の 基準、すなわちISO などの国際規格の適用が求められているからです。 特に欧州では、域内での自由な交易において使用者の安全や環境を守るために、製品・構造物ごとに 様々な法律や規制(欧州指令)が制定されていますが、この規制をクリアするには、溶接の分野ではISO 3834 の適用が必要となっています。そして、この ISO 3834 では溶接に携わる要員の適格性・力量と、 その確認が重要であると位置づけており、溶接要員を資格認証することが世界的な傾向となっています。2.IIW の国際溶接管理技術者資格
国際溶接学会(以下 IIW と記述)が実施している溶接要員の資格制度の中に、ISO 14731(溶接管 理-任務及び責任)で役割が規定されている国際溶管理接技術者の資格制度があります。この制度は、 溶接管理に携わる技術者が修得すべき教育を履修して試験に合格すると、履修証明書(ディプロマ)と して終身資格として与えられる制度です。前述した欧州での規制のうち、建築物や鋼橋などを対象とし た法律(CPR)や鉄道システムに関する欧州指令(Directive 2008/57/EC)では、順守すべき規格とし てそれぞれ、EN 1090-2 や EN 15085-2 が挙げられており、溶接構造物の施工クラスに応じて IIW 資 格に代表される溶接管理技術者が施工管理をしなければならないと規定されるなど、欧州に製品輸出を する等の国際的な活動をしている企業の技術者にとって、国際溶接管理技術者の資格はますます重要、 かつ価値のある資格になってきています。そのため、我が国における当該資格を保有する技術者の方々 が累計で2,500 名を越えるようになっています。 「特認コース」はIIW 資格制度の日本における唯一の実施機関である IIW 資格日本認証機構(以下 J-ANB と記述)が実施する IIW 国際溶接管理技術者資格を取得するためのコースの一つです。このコ ースにはIWE(International Welding Engineer)、IWT(International Welding Technologist)及び IWS(International Welding Specialist)の 3 種類の資格があり、それぞれの資格に相当する知識を、 前もって修得していることを証明することにより、長期間の教育を必須とすることなく、最終試験に進 むことができるコースです。知識を修得していることの証明は、「IIW 履修ポイント」と呼ばれるポイ ント数が規定値以上であることが必要となりますが、そのポイントは大学などで履修した科目の単位や J-ANB が認めた講習会への参加で取得することができます。また、JIS Z 3410/WES 8103 による「WES 溶接管理技術者」の有効な適格性証明書の保有者は、既 に溶接に関する知識を修得していることを試験で確認されているものとして、コースに参加するための 必要最小限の「IIW 履修ポイント」が与えられ、学歴と業務経験年数の条件を満たせばコースへの参加 が可能となります。 IIW 履修ポイントが規定値以上であること、学歴及び業務経験年数の受験条件が満足していることが 確認された後、プロジェクトワークと呼ばれる短期間の集合研修に進み、最終試験に合格すればIIW 国 際溶接管理技術者資格を取得することができます。
3.IIW 特認
本コース らの資格を 設けられて ① 工科系4 ② 受験前の ③ IIW 履修 ① 工科系短 ② 受験前の ③ IIW 履修 ① 高等学校 ② 工業高校 なお、工 ③ IIW 履修4.特認コー
特認コー っていなけ 接管理技術 申請 ・ポイ ・学歴 ・職務認コースによ
スで受験でき を受験しよう ています。 4 年制大学卒 の直近6 年間 修ポイントが 短期大学、工 の直近6 年間 修ポイントが 校卒業者およ 校卒の場合、 工業高校以外 修ポイントが 図2 IIースに必要
ースでは、受 ければなりま 術者に要求さ イント 歴 務経験よる受験に必
きるIIW 国際 とする場合 卒業者である 間で、IWE 相 が規定値以上 工業高等専門 間で、IWT 相 が規定値以上 よび同等と認 受験前の直 外の高校・学校 が規定値以上 IW 国際溶接要な IIW 履修
験するまで せん。すなわ れている知識 呼 モジュ モジュ モジュ モジュ 審査 図1必要な条件
際溶接管理技 、その種類に ること。 相当の溶接関 上であること 門学校などに 相当の溶接関 上であること 認められた者 直近6 年間で 校卒業の場合 上であること 接管理技術者修ポイントと
に IWE、IW わち、以下に 識を修得し、 称 ュール 1 ュール 2 ュール 3 ュール 4 プロジェク ・予習 ・ケースス ・報告書 特認コース件
技術者資格は に対応して以 【IWE】 関連の業務経 (WES 特別 【IWT】 に相当する学 関連の業務経 (WES1級 【IWS】 者。 で、IWS 相当 合、IWS 相当 (WES2級 者資格制度「その取得方
WT、IWS の に示す溶接工 、IIW 履修ポ 溶接法 材料 設計 施工 クトワーク スタディ の流れ は、IWE、IW 以下の受験条 経験が4 年以 別級は、規定値 学校の卒業者 経験が4 年以 級は、規定値 当の溶接関連 当の業務経験 級は、規定値 特認コース方法
のそれぞれの 工学・溶接技 ポイントとし 技 術 分 法・機器 ・溶接性 ・力学 ・管理 最終試験 ・筆記試験 ・(口述審査 WT、及び IW 条件(アクセ 以上あること 値の50%とな であること。 以上あること 値の50%とな 連の業務経験 験が通算で6 値の50%とな 」における受 の資格に応じ 技術の4 分野 して獲得する 野 験 験 査) WS の 3 資格 セスコンディ と。 なり受験条件 。 と。 なり受験条件 験が3 年以上 6 年以上ある なり受験条件 受験条件 じた知識をあ 野において、 る必要があり 合否判断 格です。これ ィション)が 件を満足)。 件を満足)。 上あること。 ること。 件を満足)。 あらかじめ持 IIW 国際溶 ります。 履修証明書 (ディプロマ) れ が 持 溶各技術分野の詳細と必要なポイントを表1 に示します。各モジュールに設定された履修ポイント小計 の50%以上を取得していることが受験条件の1つとなります。例えば、IWE および IWT の場合、モジ ュール1 では 11 ポイント以上、モジュール 2 では 10.5 ポイント以上、モジュール 3 では 9.5 ポイント 以上、モジュール4 では 11 ポイント以上を取得していなければなりません。 これらのポイントは履修科目内容と履修時間、単位数で評価され、次の(1)、(2)、(3)またはこれらの 合算により取得することができます。 (1) 大学(大学院を含む)あるいは工科系短期大学、工業高等専門学校、工業高校の卒業時に単位認定 された科目の中で、IWE、IWT、IWS 相当の履修ポイントへの読み替えが可能なもの。 (2) J-ANB が認めた日本溶接協会、溶接学会主催のセミナー、講習会などを受講した場合、その内容と 講義時間に応じたポイントが与えられます。ポイント数はセミナー、講習会のプログラムに記載さ れています。
(3) 受験申請時に有効なJIS Z 3410/WES 8103 による WES 溶接管理技術者(以下 WES 認証者と記述) である場合、各モジュールの専門知識をすでに修得しているものとみなし、総履修ポイントの50% が与えられます。すなわちWES 認証者が受験する場合、図 2 に示す IIW 履修ポイントが規定値を 満足し、学歴と職務経験年数の条件を満足すれば以下の資格の受験が可能です。 ・WES 認証者特別級を保有している場合、IWE の受験が可能。 ・WES 認証者特別級または 1 級を保有している場合、IWT の受験が可能。 ・WES 認証者特別級、1 級または 2 級のいずれかを保有している場合、IWS の受験が可能。 IWT 資格の履修ポイント モジュール1(溶接法・機器):22 モジュール2(材料・溶接性):21 モジュール3(設計・力学) :19 モジュール4(施工・管理) :22 受験には各モジュール50%以上必要 (1)工科系短大/高専授業科目の内容と履修時間 (2)学協会セミナー、講習会への参加 (3)WES 特別級・1 級認証者の履修ポイント M1:11、M2:10.5、M3:9.5、 M4:11 IWE IWT IWS 図3 IIW 履修ポイントとその取得方法 IWS 資格の履修ポイント モジュール1(溶接法・機器):22 モジュール2(材料・溶接性):15 モジュール3(設計・力学) :11 モジュール4(施工・管理) :20 受験には各モジュール50%以上必要 (1)工業高校授業科目の内容と履修時間 (2)学協会セミナー、講習会への参加 (3)WES 特別級・1 級・2 級認証者の履修ポイント M1:11、M2:7.5、 M3:5.5、 M4:10pt 合算 IWE 資格の履修ポイント モジュール1(溶接法・機器):22 モジュール2(材料・溶接性):21 モジュール3(設計・力学) :19 モジュール4(施工・管理) :22 受験には各モジュール50%以上必要 (1)工科系 4 年制大学授業科目の内容と履修時間 (3)WES 特別級認証者の履修ポイント M1:11、 M2:10.5、 M3:9.5、 M4:11 (2)学協会セミナー、講習会への参加 合算 合算
表1 特認コースの履修項目とIIW 履修ポイント
特認コースが要求する履修項目 IIW 履修ポイント
モジュール1(溶接法・機器) IWE IWT IWS
1.1 被覆アーク溶接 3 3 3 1.2 ティグ溶接およびプラズマ溶接 2 2 2 1.3 ミグ溶接 2 2 2 1.4 マグ溶接 2 2 2 1.5 セルフシールドアーク溶接、スラグ系 FCW 溶接、メタル系 FCW 溶接 3 3 3 1.6 ろう付け、アークブレージング 2 2 2 1.7 ガス切断、アーク切断、プラズマ切断 2 2 2 1.8 サブマージアーク溶接 3 3 3 1.9 その他の溶接法 3 3 3 小 計 22 22 22
モジュール2(材料・溶接性) IWE IWT IWS
2.1 炭素鋼および炭素-マンガン鋼(ISO/TR 15608 分類 1-3、11) 4 4 4 2.2 低合金耐クリープ鋼(ISO/TR 15608 分類 4-6) 2 2 1 2.3 フェライト系ステンレス鋼およびマルテンサイト系ステンレス鋼(ISO/TR 15608 分類 7) 3 3 2 2.4 オーステナイト系ステンレス鋼および2相ステンレス鋼(ISO/TR 15608 分類 8、10) 4 4 2 2.5 極低温用低合金鋼(Max.10% Ni) (ISO/TR 15608 分類 9) 1 1 1 2.6 アルミニウムおよびアルミニウム合金(ISO/TR 15608 分類 21-26) 3 3 2 2.7 銅および銅合金(ISO/TR 15608 分類 31-38) 1 1 1 2.8 ニッケルおよびニッケル合金(ISO/TR 15608 分類 41-48) 1 1 1 2.9 チタン及びジルコニウムならびにそれらの合金(ISO/TR 15608 分類 51-54、61-62) 1 1 0 2.10 鋳鉄および鋳鋼(ISO/TR 15608 分類 71-76) 1 1 1 小 計 21 21 15
モジュール3(設計・力学) IWE IWT IWS
3.1 応力とひずみ 5 5 2 3.2 静的荷重を主とする溶接構造物の設計 3 3 3 3.3 動的荷重を受ける溶接構造物の設計 3 3 1 3.4 継手設計および溶接構造物の設計原理 4 4 4 3.5 アルミニウムとその合金構造物の設計 4 4 1 小 計 19 19 11
モジュール4(施工・管理) IWE IWT IWS
4.1 溶接構造物建造における品質保証概論 4 4 3 4.2 製造時の品質管理 3 3 3 4.3 溶接応力および変形 4 4 4 4.4 工場設備,治工具および取付治具 2 2 2 4.5 非破壊試験 3 3 3 4.6 経済性 2 2 1 4.7 健康と安全 2 2 2 4.8 補修溶接 2 2 2 小 計 22 22 20 ※履修すべき技術アイテム(キーワード)はJ-ANB から送付する履修ポイントカウント表(記 入事例)を参照してください。 ※授業科目ポイント算定の目安は、2 時限(講義時間約 3 時間)で 1.0 ポイントです。