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Microsoft Word - 【確定版】事業系一般廃棄物の削減対策指導ガイドライン

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(1)

事業系一般廃棄物の削減対策

指導ガイドライン

平成28年3月

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- 目 次 -

1.「事業系一般廃棄物の削減対策指導ガイドライン」の目的・・・・・・1

2.県内市町村の事業系一般廃棄物に係るアンケート調査結果・・・・・2

(1)県内市町村における減量化の課題

(2)県内市町村における減量化の取組状況

(3)県内市町村における再資源化の課題

(4)県内市町村における再資源化の取組状況

3.県内外自治体の事業系一般廃棄物に係る取組事例調査結果・・・・・6

4.事業系一般廃棄物の効果的な削減対策及び手順・・・・・・・・・・・・・・・38

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1

1.「事業系一般廃棄物の削減対策指導ガイドライン」の目的

県では、平成 28 年3月に第9次となる廃棄物処理計画を策定しました。 この計画では、「3Rの推進」、「適正処理の推進」及びこれらを進めるための 「適正処理体制の整備」を3本の柱に据えて、依然として高い水準にある廃棄物 排出量や根絶に至らない不法投棄などの課題を克服するため、実効性のある施策の 展開を図るものです。 一般廃棄物については、排出量、再生利用率、最終処分量について数値目標を 定めており、処理責任を担う各市町村には、計画目標の達成に向け、一般廃棄物の 排出量削減等を効果的に進めていただくことが重要です。 本県における一般廃棄物の排出量は、平成 18 年度以降減少傾向で推移し、平成 25 年度には約 218 万トン(排出原単位:972g/人・日)となりましたが、近年、 減少幅が縮小しており、一層の減量化に取り組む必要があります。 また、一般廃棄物排出量の約3割を事業系一般廃棄物が占めていることから、 排出量の削減には、家庭ごみ対策と事業系ごみ対策のそれぞれについて取り組む 必要があります。 各市町村においては、事業系一般廃棄物の削減(減量化及び再資源化)対策を 進めるに当たり、本ガイドラインを参考として御活用いただき、廃棄物の排出抑制 を一層進めることを通じて、持続可能な循環型社会の構築の一助となることを期待 します。

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2

2.県内市町村の事業系一般廃棄物に係るアンケート調査結果

平成 27 年7月に県内 54 市町村へ事業系一般廃棄物に係るアンケート調査を 行った。アンケート調査では、県内市町村が抱えるごみ減量化・再資源化の課題と その原因、市町村が対策のため行っている取組状況などについて確認した。結果は 以下のとおりである。 (1)県内市町村における減量化の課題 県内市町村における減量化の課題は、表1のとおりである。 表1 事業系一般廃棄物減量化の課題 課題の内容 市町村数 ①事業系一般廃棄物が家庭ごみとして、ごみステーションに出される 33 ②事業系一般廃棄物に(受入れ区分にない)産業廃棄物が混入している 16 ③廃棄物の量が増えている 14 ④他市町村から事業系一般廃棄物が持ち込まれる 9 ⑤その他 7 ⑥課題はない 10 それぞれの課題の主な原因は、表2のとおり考えられる。排出者が廃棄物の 区分等を理解していないことなど、分別不徹底に起因している課題が多い。 表2 事業系一般廃棄物減量化における課題の主な原因 課題の内容 考えられる主な原因 ① 事 業 系 一 般 廃 棄 物 が 家 庭 ごみとして、ごみステーション に出される ・小規模事業者が廃棄物の区分を理解していない ・家庭ごみの方が処理費用が安価 ・処理業者と契約するほど廃棄物を排出しない ②事業系一般廃棄物に(受入れ 区分にない)産業廃棄物が混入 している ・排出者が廃棄物の区分を理解していない ・事業系一般廃棄物と産業廃棄物の線引きが困難 ・事業系一般廃棄物の方が処理費用が安価 ③廃棄物の量が増えている ・事業所数の増加・景気の好転 ・分別の不徹底 ④ 他 市 町 村 か ら 事 業 系 一 般 廃棄物が持ち込まれる ・近隣市町村より処理手数料が安価 ⑤ そ の 他 ( 資 源 ご み の 混 入 など) ・分別意識の低さ

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3 (2)県内市町村における減量化の取組状況 県内市町村が減量化のために行っている取組は、表3のとおりである。 表3 事業系一般廃棄物減量化のための取組状況 取組内容 市町村数 ①排出者への事業系一般廃棄物減量化方法等の助言・指導 31 ②収集運搬許可業者を通した排出者の指導 10 ③ホームページによる事業系一般廃棄物減量化方法等の案内 8 ④優良排出者表彰制度等による普及・啓発 1 ⑤事業者間ネットワーク構築による減量化推進 0 ⑥その他 1 ⑦具体的な取組は行っていない 23 最も多くの市町村が取り組んでいる「①排出者への事業系一般廃棄物減量化 方法等の助言・指導」の具体的な取組には、「排出者に減量化計画書を提出して もらい、減量化の方法等を助言・指導すること」や、「事業所を訪問し、ごみの 排出状況などを確認した上で、減量化について助言・指導すること」などがある。

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4 (3)県内市町村における再資源化の課題 県内市町村における再資源化の課題は、表4のとおりである。 表4 事業系一般廃棄物再資源化の課題 課題の内容 市町村数 ①資源ごみが資源ごみ以外のごみに混入している 26 ②再資源化を進めたいが、再資源化ルートがない 7 ③その他 3 ④課題はない 22 それぞれの課題の主な原因は、表5のとおり考えられる。減量化の課題と同様 に、排出者や収集運搬業者が分別しないことが主な原因であると考えられる。 また、排出者が再資源化に理解があり分別して排出したくても、事業所建物に 十分なスペースがなく、資源ごみを保管する保管場所が確保できないなど、排出 者のみでは解決できない場合もある。 表5 事業系一般廃棄物再資源化における課題の主な原因 課題の内容 考えられる主な原因 ①資源ごみが資源ごみ以外の ごみに混入している ・排出者が分別しない ・収集運搬業者が分別収集しない ・事業所に保管場所等がなく、分別できない ② 再 資 源 化 を 進 め た い が 、 再資源化ルートがない ・再資源化事業者がいない

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5 (4)県内市町村における再資源化の取組状況 県内市町村が再資源化のために行っている取組は、表6のとおりである。 表6 事業系一般廃棄物再資源化のための取組状況 取組内容 市町村数 ①排出者への事業系一般廃棄物再資源化方法等の助言・指導 30 ②搬入物展開検査による収集運搬許可業者等への助言・指導 16 ③搬入物展開検査による排出者への助言・指導 10 ④ホームページによる事業系一般廃棄物再資源化方法等の案内 10 ⑤収集運搬許可業者を通した排出者の指導 5 ⑥収集運搬許可業者への助言・指導 5 ⑦優良排出者表彰制度等による普及・啓発 1 ⑧事業者間ネットワーク構築による再資源化推進 0 ⑨その他 3 ⑩具体的な取組は行っていない 20 最も多くの市町村が取り組んでいる「①排出者への事業系一般廃棄物再資源化 方法等の助言・指導」の具体的な取組には、「排出者に再資源化計画書を提出 してもらい、再資源化の方法等を助言・指導すること」や、「事業所を訪問し、 ごみの排出状況などを確認した上で、再資源化について助言・指導すること」 などがある。

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3.県内外自治体の事業系一般廃棄物に係る取組事例調査結果

アンケート調査の結果、事業系一般廃棄物の削減(減量化・再資源化)において、 効果的な対策と考えられる取組について、県内外の関連取組事例の調査を行った。 さらに、アンケート調査以外で参考となると考えられる環境省及び大阪市の取組 事例についても併せて以下のとおり調査を行った。 取 組 事 例 頁 啓 発 1 ホームページ・広報誌などによる普及・啓発 7 2 イベント・説明会などにおける啓発・助言(浦安市) 8-13 3 3R行動見える化ツールの活用(環境省) 14-15 助 言 ・ 指 導 4 減量化・再資源化計画書による助言・指導(松戸市) 16-19 5 搬入物展開検査による排出者・収集運搬許可業者への助言・指導 (野田市) 20-22 6 排出者訪問による啓発・助言・指導(市川市) 23-26 7 多量排出事業者以外の排出者に対する適正処理の助言・指導 (市原市) 27-30 規 制 事業系一般廃棄物・再利用対象物の保管場所の設置義務付け (千葉市) 31-32 そ の 他 9 事業者間ネットワークの構築による減量化・再資源化の取組 (福岡市) 33-35 10 古紙回収協力店制度(大阪市) 36-37

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(1)ホームページ・広報誌などによる普及・啓発

概要 (取組事例)

1.ホームページによるごみ削減の案内

2.広報による減量化・再資源化の案内

広報はホームページに比べ、掲載できる情報が限られているため、 「事業系ごみはごみステーションに出せないこと」など、特に気を つけてほしい内容を掲載し、詳しい分別区分、手続きなどは、ホーム ページを参照してもらうなどする。 取組の効果 ① 排出者の主体的な取組を後押しできる。 ② 立入調査等により助言・指導できない排出者に対しても、ごみの 削減について広く理解してもらうことができる。 ③ 問合せなどがあった場合に、ホームページ等を参照し説明すること により、排出者に正確な情報が伝わる。 ④ 行政として、ごみ削減のあるべき姿を広く示すことにより、ごみ 削減の方法等を標準化できる。 その他 ① 収集運搬許可業者に関する情報は、連絡先のほか、業務エリア、 取り扱っている廃棄物の種類なども掲載することにより、排出者が 容易に情報を入手し、適正処理を行えるよう配慮するとよい。 ② 再資源化業者に関する情報は、業者の組合とも協力し、組合を窓口 にしておくと、排出者・再資源化業者のマッチングがしやすいと 考えられる。 【ホームページの記載事項の例】 ・事業系ごみの分別区分 ※事業系ごみには、事業系一般廃棄物と産業廃棄物がある 家庭ごみと分別区分が異なるときはその旨も記載する ・排出・処理に関する手続き(収集運搬許可業者との契約など) ・収集運搬許可業者又は業者の組合の連絡先 ・再資源化業者又は業者の組合の連絡先 ・ごみ削減の具体的な取組の事例など

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(2)イベント・説明会などにおける啓発・助言

概要 (取組事例)

○ イベント・説明会などにおける啓発・助言

【イベント・説明会で情報提供することの例】 ・ごみの分別区分 ・排出方法 ※家庭ごみとは異なる旨の説明をする 例:お祭りのごみは事業系ごみであり、特別に収集している ・ごみ処理には相応の費用がかかること ・処理に関する手続き(収集運搬許可業者との契約など) ・処理業者の連絡先と廃棄物の取扱品目 ・再資源化業者の連絡先と廃棄物の取扱品目 ・ごみ削減のメリット ・ごみ削減の具体的な取組事例 ・ごみに関する法令など 【イベントにおけるごみ削減の取組(浦安市の事例)】 ・概要 浦安市では、自治会のお祭りなど、イベントの開催にあわせて、 事前に市の廃棄物減量等推進員(廃棄物処理法第5条の8)に、 イ ベ ン ト で 発 生 す る ご み の 取 扱 な ど を 説 明 す る ほ か 、 ご み 減 量 調査票・報告書を提出してもらい、主催者自らがごみ削減に取り組む ように促している。 【取組の内容】 ○ 浦安市の役割 「イベントごみ減量ガイドライン」を廃棄物減量等推進員に配布し、 自治会まつり等のイベント時のごみの減量や適正排出の推進に努める よう促している。また、自治会まつりのごみの排出時に使用する分別 用の容器や空き缶つぶし機を貸出しており、希望団体には分別表記を 配布している。 ○ 廃棄物減量等推進員の役割 団体ごとに、市が提案する減量対策のほか、さまざまな独自の対策 を行っている。

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9 地域のイベントのほかにも、市町村のごみ処理制度が変更になる場合 など、ごみに関するイベント・説明会を開催するときに併せて、ごみ 削減について啓発・助言することも効果的と考えられる。 取組の効果 ① 排出者に直接説明できるため、行政側の意図が伝わりやすく、結果 として再資源化や適正処理につながりやすい。 ② 排出者から直接意見をきくことができるため、行政側が、排出者が 抱える課題を把握しやすい。 ③ 一度に多くの排出者に説明できる場合には、より効果的な啓発・ 助言が可能である。 その他 ① ごみの問題は、排出者のみならず、地域の問題でもあるため、 市町村が抱えるごみの問題についても説明するとよい。 ② 地域のイベント開催にあわせて、ごみ削減を促すことにより、地域 におけるごみ削減の意識が高まる。 ③ ごみは、すべての事業者が排出するので、ごみに関するイベント・ 説明会でなくても、ごみの話題を盛り込むことは効果的と考えられ、 特に、ごみ削減にあまり関心をもっていなかった排出者にも呼び かけることができるなどのメリットもある。 ④ ごみに関するイベント・説明会を開催するときは、排出者の規模や 業種、地域ごとに開催することにより、同じ課題を抱える排出者間の 意見交換などが可能になると考えられる。 【廃棄物減量等推進員による具体的な取組事例】 ・事前にマイ箸・マイ容器の持参を周知し、持参者にはエコ券を プレゼントしたり、キャッシュバックしたりする。 ・使い捨て容器(コップや食器)を再利用する。 ・串や割箸を牛乳パックなどに入れて排出することにより、ごみ袋の 使用量を削減する。 ・ごみステーションの縮小やごみステーションへの人員配置により、 分別の徹底を図る。 ・ごみになる物は扱わない、ごみの持ち帰りの促進 など 上記のほかにも、他の自治会の取組を参考に するなどし、ごみの発生抑制に努める活動を 行っている。

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(イベントごみ減量ガイドライン・浦安市)

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(3)3R行動見える化ツールの活用

概要 (取組事例)

○ 3R行動見える化ツール

環境省では、「3R行動見える化ツール」を公表し、事業者・消費者 による環境負荷削減の取組を後押ししている。ツールでは、事業者の 取 組 に 対 する 廃 棄 物 発 生 量 や C O2 削 減量 な ど の 環境 負 荷 を 算出 できる。 【3R行動見える化ツールの活用例】 ・これまで、なんとなく環境にいいだろうということで実践してきた 3R行動の環境負荷削減効果が、数値でわかる。 ・軽量容器商品など個別商品の販売促進に活用する。 ・自社の取組の環境への貢献をPRする。 ・新たに3R行動を始めようとする場合の事前検討に活用する。 ・消費者参加型のキャンペーンで活用する。 【環境省作成ツールの例】 店頭回収・リサイクルポスター 商品掲示用POP 【3R行動見える化ツール】 http://www.env.go.jp/recycle/circul/3r_visu-tool.html 【事業所用活用キット】 http://www.env.go.jp/recycle/circul/3r_visu-tool/3r_kit_comp.html 【環境省ホームページより】

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15 また、環境省では、食品リサイクル法の基本方針(平成 27 年7月 策定)を踏まえ、新たに「3R行動見える化ツール<食品廃棄物編>」 を公表し、事業者・消費者による食品ロス削減の取組を後押ししている。 3R行動見える化ツール<食品廃棄物編>でできることの例 3R行動 選択可能な食品 計算できる環境負荷 食品廃棄物削減に向けた小売 店 な ど 事 業 者 側 の 行 動 (①仕入調整、②賞味期限が 迫 っ た 商 品 の 値 下 げ 販 売 、 ③ 賞 味 期 限 が 迫 っ た 商 品 の 加工販売) 米・麦類・いも類・ 豆 類 ・ パ ン 類 ・ 野菜・果実・鶏卵・ 鶏肉・豚肉・牛肉・ 水産缶詰・瓶詰など 合計 16 品目 ・廃棄物発生量 ・最終処分量 ・CO2 ・天然資源投入量 (石油・水) の削減量 取組の効果 小売業者など、事業者によるごみ削減の取組を後押しできる。 その他 3R行動見える化ツールなどについて広く周知することにより、排出 者による取組が促進されると考えられる。 【3R行動見える化ツールの使い方】 ツールにより環境負荷削減効果を算定し、消費者に向けてPOPなど で表示し、個別商品の販促を行う。 ①見映えが悪くなるなどのデメリットがあるトレーなし販売を行うに あたり、ツールにより計算した環境負荷削減効果を示す。 ②メーカーとの協力により、軽量化したペットボトルを用いたプライ ベート商品を開発した場合など、販売時にツールを使って計算した 環境負荷削減効果を示す。 【環境省ホームページより】 ①3R行動による環境負荷削減 効果をPOPで表示した例 ②ペットボトル軽量化の効果を 表示する例

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(4)減量化・再資源化計画書による助言・指導

概要 (取組事例)

1.制度の確立

○ 計画書の提出

多くの市町村は条例などにより、ある一定規模の排出者に減量化・ 再資源化計画書の提出を義務付けている。

○ 計画書提出義務の周知

・説明会開催やホームページ・広報誌などにより、計画書の提出義務 について周知する。 ・新規事業者に計画書の提出義務について説明する。

2.制度の運用

○ 計画書の受付・内容確認

・毎年、提出期限を定め、計画書を提出してもらう。 ・計画書の内容に不備や不明な箇所があった により排出者に確認し、適宜、修正してもらう。 ・行政が把握している事例を紹介するなど、排出者が減量化や再資源 化に取り組みやすいように助言・指導を行う。 【計画書の提出義務がある排出者の例】 ① 大規模小売店舗立地法第2条第2項に規定する大規模小売店舗 ② 延床面積が ③ 1日の平均排出量が 【確認・助言・指導】 ・ごみの種類・量は? ・排出・処理状況は?適正か? ・好事例等のアドバイス… 【説明・ ・事業概要・ごみの排出・処理 ・ごみ削減などの相談… 16

減量化・再資源化計画書による助言・指導

1.制度の確立

計画書の提出義務付け

多くの市町村は条例などにより、ある一定規模の排出者に減量化・ 再資源化計画書の提出を義務付けている。

計画書提出義務の周知

・説明会開催やホームページ・広報誌などにより、計画書の提出義務 について周知する。 ・新規事業者に計画書の提出義務について説明する。

2.制度の運用

計画書の受付・内容確認

・毎年、提出期限を定め、計画書を提出してもらう。 ・計画書の内容に不備や不明な箇所があったとき により排出者に確認し、適宜、修正してもらう。 ・行政が把握している事例を紹介するなど、排出者が減量化や再資源 化に取り組みやすいように助言・指導を行う。 【計画書の提出義務がある排出者の例】 大規模小売店舗立地法第2条第2項に規定する大規模小売店舗 延床面積が 500-3,000m2以上の建築物の所有者、又は事業者 1日の平均排出量が 50-100kg 以上の事業者など ○○市町村 ・・・ 【確認・助言・指導】 ・ごみの種類・量は? ・排出・処理状況は?適正か? ・好事例等のアドバイス… ・相談】 ・事業概要・ごみの排出・処理状況 ・ごみ削減などの相談… 事業者

減量化・再資源化計画書による助言・指導

多くの市町村は条例などにより、ある一定規模の排出者に減量化・ ・説明会開催やホームページ・広報誌などにより、計画書の提出義務 ・新規事業者に計画書の提出義務について説明する。 ・毎年、提出期限を定め、計画書を提出してもらう。 ときは、窓口や電話 により排出者に確認し、適宜、修正してもらう。 ・行政が把握している事例を紹介するなど、排出者が減量化や再資源 大規模小売店舗立地法第2条第2項に規定する大規模小売店舗 以上の建築物の所有者、又は事業者 市町村 環境課 窓口 ・・・ 事業者

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17 ・計画書様式の例(松戸市の例):18~19 頁 【松戸市のホームページより】 http://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/gomi_shinyou/jigyousyokeigomi/ genryoukeikakusyo.html 取組の効果 ① 排出者自らが、ごみの排出状況を把握するため、減量化や再資源化 の検討など、ごみ削減のための意識向上につながる。 ② 行政が個々の排出者の排出状況を確認するため、他の事例等も 踏まえ、排出者それぞれに適した減量化・再資源化の方法について 助言・指導することができる。 その他 ① 計画書には、前年度の実績報告や達成状況なども記載してもらう。 ② 排出者が過去の状況を分析することにより、個々の排出者の課題が 明らかになるとともに、排出者自らが考えるため、ごみ削減の意識 向上につながる。 ③ 計画書の提出が形骸化しないように、排出者が抱える課題を探り、 行政としてできる助言をするなど、質を維持するように努める。 ④ 計画書の提出のほか、立入調査など、計画書に基づき、適切にごみ が削減されているか、現地で排出状況を確認し、助言・指導すること により、更なる効果が期待できる。 ⑤ 計画書の様式は、Excel 形式などの表計算ソフトにより作成すると、 発生量、再資源化量、再資源化率などが計算しやすく便利である。 【計画書の記載事項の例】 ① 建物・事業所の基礎情報 所在地・延べ面積・構造・職員数・用途・業種・事業形態など ② 廃棄物管理責任者(設置を義務付けているとき) ③ 廃棄物・資源ごみ保管場所 ④ 廃棄物減量のための機器類の設置状況 ⑤ ごみの発生・分別・処理の流れ(フロー図など) ⑥ ごみの種類ごとの発生量・再資源化量・再資源化率 (前年度実績・本年度計画) ⑦ 処理先・再資源化先 ⑧ ごみ削減のための現在の取組状況 ⑨ 今後、ごみ削減のために取り組みたいこと ⑩ 事業者が抱えている課題、市町村に相談したいこと

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(5)搬入物展開検査による排出者・収集運搬許可業者への助言・指導

概要 (取組事例)

1.搬入物展開検査の方法

○プラットフォームにおける検査

・搬入物をごみピットに投入する前に、プラットフォーム上でごみを ひろげて検査する。 ・ごみピットへの投入前の検査であるため、分別が不適切であった 場合に、改善指導が行いやすい。 ・専用のステージが販売されている。ステージを使用した場合には、 検査後に、ごみをピットに容易に投入できるメリットがある。

○ごみピット投入時の検査

・ごみピットに投入するときに、目視で資源ごみや産業廃棄物が混入 していないか確認する。

2.搬入物展開検査による指導

・搬入物に資源ごみや産業廃棄物が混入している場合には、分別し 適正処理するよう指導する。 ・収集運搬許可業者による搬入の場合には、排出者の情報を確認し、 併せて指導する。 【野田市の事例】 野田市では、平成 27 年8月から「分別あらため隊」を組織し、事業系 ごみを対象に、ごみ焼却施設において搬入物展開検査を行っている。 ○ 概要 ・人員:4人(市清掃第一課職員1人、臨時職員3人) ・回数:週3回程度 ・1台から概ね 100 袋をおろして検査する。 ○ 指導の内容 ① 指導基準 ・分別(資源ごみや産業廃棄物が混入していないかどうか)などが 適切に行われていることを確認する。 ・黒色、青色などの不透明なごみ袋も違反ごみ袋とする。

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21 【展開検査結果の分類】 A分類 不燃物がほとんどの袋 など、収集運搬許可業 者において 明らかにルール違反と判別できるごみ(以下、「違反ごみ」と いう。)がない。 B分類 違反ごみが3袋以下 C分類 違反ごみが3袋超7袋以下 D分類 違反ごみが7袋超 10 袋以下 E分類 違反ごみが 10 袋超 15 袋以下 F分類 違反ごみが 15 袋超 B・Cは口頭指導、D・E・Fは文書指導としており、いずれも展開 検査の現場で行っている。 ② 指導方法 展開検査結果がD・E・Fの場合は、違反2回目「勧告」、3回目 「命令」、4回目「公表」、5回目「受入拒否」としている。 ③ 違反事例 ・ビニール・プラスチック類の混入が多くみられた。 ・資源物(シュレッター紙、段ボールなど)の混入が多くみられた。 ・他市のごみが混入されていた(他市店舗の発券用紙で判明) ④ 展開検査の効果 事業系ごみ収集量は、展開検査前 27 年 7 月が 831.14 トン、検査 開始後 27 年 11 月が 633.37 トンであり、着実に減量につながっている。 【許可業者等事業系ごみ収集量の推移】

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22 取組の効果 ① 搬入物を直接確認し、直接助言・指導するので、問題があった場合 に速やかな改善が期待できる。 ② 特に、事業系一般廃棄物に、資源ごみや産業廃棄物が混入している 場合などに効果的であると考えられる。 ③ 収集運搬許可業者や排出者に直接状況を確認するため、事例に 応じたきめ細やかな対応ができる。 その他 ① プラットフォームに余裕があり、検査に必要な人員が配置できる 場合には、「プラットフォームにおける検査」がよいと考えられる。 ② 収集運搬許可業者から排出者の情報が得られない場合には、収集 運搬許可業者から排出者にパンフレットを配布してもらうなどし、 排出者に分別が適切ではないことを理解してもらうように努める。 ③ 検査日時がパターン化し、形骸化しないことが大切である。 ⑤ 展開検査のようす ○ 背景 ・事前に行った搬入物展開検査や収集運搬許可業者のごみ収集作業 への同行調査の結果、約3分の2の事業者に、本来、分別される べき産業廃棄物や資源ごみの混入がみられた。 検査対象事業者:214 社 違反事業者:142 社 ・家庭ごみの排出量は減少傾向にあるが、事業系ごみは増減を繰り 返しており、削減が見込まれた。 ○ 展開検査の位置付け ・市では、展開検査の実施や指導などについては、「野田市廃棄物の 処理及び再利用に関する条例」で規定している。 ・搬入物展開検査と併せ、事業系ごみの受入手数料を、1kg 当たり 15 円から 27 円に引上げ、減量施策を強化している。

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(6)排出者訪問による啓発・助言・指導

概要 (取組事例)

【市川市の事例】

1.事業用大規模建築物に対する助言・指導

○ 関係法令

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」という。) 第6条の2第5項及び市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に 関する条例第 16 条の規定に基づき、対象となる事業用大規模建築物に 対し、「事業系一般廃棄物減量・資源化・適正処理計画書」を提出させ、 事業系一般廃棄物の減量及び資源化に関する指導を行っている。

○ 立入検査の計画

新規事業所及び提出された事業系一般廃棄物減量・資源化・適正処理 計画書の内容を確認し、対象事業所を選定して立入検査を実施する。

○ 立入検査

書類・現場確認により、「ごみの排出状況」、「ごみ削減のための取組」 を確認し、助言・指導を行っている。 助言・指導方法:口頭・文書など ・文書指導は、事業者が助言・指導内容を正確に把握できるほか、 担当者以外の職員にも情報共有しやすいため、事業者が改善方法を 検討することが容易になるなどのメリットがある。 【立入検査で確認することの例】 ① ごみの種類は何か。排出量はどれくらいか。 ② 廃棄物処理法に基づき適正に処理されているか。 ③ ごみの削減は、計画書どおりに行われているか。 ④ 計画書どおりに削減できていない場合は、なぜか。 ⑤ ごみ削減のためにどのような取組をしているか。 ⑥ ごみの更なる削減は可能か。 ⑦ 今後、ごみ削減のためにどのように取り組みたいと考えているか。 ⑧ 事業所が抱えている課題は何か。 ⑨ 従業員に計画書に基づいたごみ削減の取組が共有されているか。

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24 ・立入検査は、事業者にごみの適正処理を助言・指導することが目的 であるため、事前に通告した方が、担当者に確実に会って直接説明 できる上、事業者側もごみの排出について具体的に考える時間を とることができる。

2.市職員以外による事業系ごみの適正処理についての啓発

○ 業務委託

・事業系ごみの適正処理が確認できていない事業所(以下、「未適正 事業所」という。)に対し、市川市における適正処理の方法に ついて、パンフレットの配布及び口頭による簡易説明を行う。また、 詳細については市に連絡してもらうように促している。

○ 現地調査

・市川市では、事業所の適正処理状況等を記録したデータベースを 作成している(以下、「事業所データ」という。)。 事業所データ上で適正処理が確認されていない市内主要8駅周辺 の事業所を中心に実態調査を行い、「ごみの排出状況」、「店舗の 実態」などを確認し、ごみ削減の啓発を行っている。 【ポイント】 ・パンフレットなどを作成し配布すると便利である。 ・調査先が不在の場合には、パンフレットの配布により、ごみの削減 を促すことができる。 ・現地調査により休廃業などの情報を得ることができる。 ・委託先には、現地調査による報告書を作成してもらう。 【業務委託による事業系ごみの適正処理の啓発】 市 川 市 委 託 先 業務 委託 ①訪問 事業所 ・ごみの排出状況、店舗の実態などの確認 ・ごみ削減の啓発(パンフレット配布など) 事業所の適正処理状況等を記録 したデータベースの作成・更新 現地調査への フィードバック ②報告書

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3.その他

○ 未適正事業所に対するパンフレットの送付・実態調査

・人員等の制限のため、直接訪問指導することができない事業所には、 年2回パンフレットを送付することにより、ごみの適正処理に ついて幅広く啓発するとともに、適正処理への移行を促している。 ・所在不明等により返戻されたパンフレットの送付先については、 職員又は業務委託職員で実態調査を行い、その結果を事業所データ に反映させる。 【パンフレットの送付先・内容の例】 《送付先》 事業所データ上で適正処理が確認されていない事業所 《内 容》 ・市川市の適正処理方法 ・少量排出事業者に対する処分方法の案内 【業務委託の例】 市川市では、業務委託することにより、市内の未適正事業所に直接 訪問し、ごみの適正処理方法について啓発している。 (概要) ○ 人員:4人 ○ 件数:年間約 1,000 件(27 年度予定)《対象事業所数:約 10,200》 ○ 対象:事業所の新規・廃業が激しい市内主要8駅周辺 パンフレットを送付した際の返戻事業所 ○ 啓発の内容 ・パンフレットに基づき、簡単に市川市の適正処理方法を説明し、 適正処理への移行を促している。 ・詳細については市に連絡してもらうよう説明している。 ・報告書を作成してもらう。 事業系ごみ パンフレット ・市川市の適正処理方法 ・少量排出事業者に対する 処分方法の案内 ・………… ・……… 未適正事業所(事業系ごみの適正 処理が確認できていない事業所)

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○ 事業所データによる効率的な調査

・NTTより購入したデータを基に、市内事業所の適正処理状況を 把握しており、未適正事業所に対し指導を行っている。 ・データは、実態調査の結果、業務委託の報告書、許可業者からの 報告書、事業所からの連絡等を基に常に更新している。 取組の効果 ① 行政が事業用大規模建築物に対し、排出状況を直接確認することに より、事業所それぞれに適した減量・再資源化について、他の事例 なども踏まえ、きめ細やかな助言・指導を行うことができる。 ② 事業者にごみの適正処理方法等について、直接説明できるため、 適正処理に関する理解が深まりやすい。 その他 ① 直接事業所に訪問啓発する実態調査の件数は、人員等の制限がある ため、新規・廃業の激しい市内主要8駅周辺等に限定している。 市川市で所有している事業所データを基に、未適正事業所を重点的 に訪問し、啓発パンフレットを配布するとともに、詳細な説明を 要する場合は市へ連絡するよう説明している。 その際に、廃業・移転や新規事業所などの発見があった場合は その旨を報告書に記載してもらっている。 ② 立入検査や実態調査の手順などについては、予め定めておくことに より、効率的に行える。 ③ パンフレットなどを作成し、配布することにより、排出者の理解が 深まるほか、行政側も説明しやすく意図が伝わりやすい。 ④ 業務委託をする場合には、トラブル等を生じさせないよう説明する ことが必要である。 ⑤ 業務委託を開始した初めの時期は、市職員が同行し、一緒に現地 調査を行うと委託業者にも説明の流れなどが分かりやすくてよい。

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(7)多量排出事業者以外の排出者に対する適正処理の助言・指導

概要 (取組事例)

【市原市の事例】

(背景) 市原市では、多量排出事業者(事業系一般廃棄物の排出量が1ヶ月に 平均 3,000kg を超える事業者)に、「事業系一般廃棄物減量等計画書」 の提出を義務付けており、計画書を通して事業所ごとに、ごみの種類や 排出量、処理先、再資源化先などを把握している。 一方、計画書の提出義務がない排出者に対しても、適正処理を確保 するために助言・指導を行うこととし、平成 25 年度より市職員による 個別訪問により適正処理を助言・指導している。(年平均 60 社程度) 【対象排出者】 ・タウンページなどにより無作為抽出した排出者 ・重点的に助言・指導するとした業種に係る排出者 ・事業系一般廃棄物が排出されたごみステーションの付近の排出者 ・業務において助言・指導が必要あると判断した排出者 【体制】 ・排出者訪問は市職員2名(他業務との兼ね合いにより実施) 【指導内容】 ・適正処理の助言・指導 (一般廃棄物収集運搬業許可業者との委託契約又は市施設への直接 搬入による処理の案内など) ・リーフレットの配布 (ダウンロード先URL) http://www.city.ichihara.chiba.jp/kurashi/gomi/jigyogomi/gomi_office.files/zigyourule.pdf 【指導効果】 ・事業系一般廃棄物の適正処理の確保 ・リサイクルの促進

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28 取組の効果 廃棄物の処理において、適正処理の確保は必要不可欠であり、適切な 分別・排出などを助言・指導することで再資源化の促進にもつながる。 その他 毎年度、タウンページ等を使用して業種を限定して訪問事業者を 選定する。また、事業所に直接訪問することにより、事業者に適切な 処理を意識付けることができ、将来にわたり効果的な啓発となる。 【排出者訪問による助言・指導の流れ】

① 事業所訪問

・訪問の趣旨の説明 ・対応依頼 ・確認事項の説明

② 排出状況確認(口頭)

市職員 事業者 事業系ごみ リーフレット ・……… ・…… ・………… ・……

③ 確認結果の説明・助言・指導(口頭)

【助言・指導内容】 ○ 事業系ごみ適正処理に関するリーフレットの配布など 一般廃棄物の処理方法、市で処理できない廃棄物 その他問合せ先の案内など 【確認事項】 ①主なごみの種類は何か? ②事業系ごみをどのように排出しているか? ③分別・保管状況は適切か?

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(事業系ごみリーフレット・市原市)

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(8)事業系一般廃棄物・再利用対象物の保管場所の設置義務付け

概要 (取組事例)

○ 保管場所の設置届出の義務付け

・制度を運用している市町村は、条例などにより、ある一定規模の 建物の所有者などに事業系一般廃棄物や再利用対象物の保管場所の 設置届出を義務付けている場合が多い。 【千葉市の事例】 ・千葉市では、分別徹底によるリサイクルと適正処理を確保するため、 「千葉市廃棄物の適正処理及び再利用等に関する条例」により、 事業系一般廃棄物や再利用対象物の保管場所を義務付けており、 保管場所の設置基準について、「千葉市廃棄物の適正処理及び再利用 等に関する規則」で定めている。 ・「千葉市事業系一般廃棄物及び再利用対象物の保管場所設置要綱」 により、保管方式、保管場所の位置、規模、仕様及び維持管理など を規定している。 ・設置届出に先立って、市との事前協議が必要である。 事前協議の時期:建築基準法に基づく建築確認申請を行う前 【設置義務のある建築物(千葉市)】 事業用大規模建築物 ① 大規模小売店舗立地法に規定する大規模小売店舗 (店舗面積の合計が 1,000m2を超える小売店舗) ② 延床面積の合計が 3,000m2以上の建築物 ただし、廃棄物の排出量が少量で、市長が指定するものを除く (倉庫、駐車場、工場、病院など) 【届出のイメージ】 事業用大規模建築物 の所有者等 事 前 協 議 【保管場所】 ・事業系一般廃棄物 ・再資源化物 ※併用禁止 設 置 届 出 建築基準法に基づく建築 確認申請を行う前

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32 【事業用大規模建築物ごみ処理の手引きより】 http://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/jigyoukeigenryou.html 【事業用大規模建築物ごみ処理の手引きより】 http://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/jigyoukeigenryou.html 取組の効果 ① 建物を建設するときに、事業系一般廃棄物や再利用対象物の保管 場所を確保するため、ごみの分別が容易になり、結果として、ごみの 削減につながる。 ② 保管場所が確保されているため、建物の管理者・使用者間の取決め において、ごみの分別徹底を盛り込みやすい。 ③ ごみが適切に分別されているため、排出者が収集運搬許可業者と 契約しやすく、また、再資源化も容易である。 その他 ① 定期的な立入調査を実施するなど、保管場所が適切に維持管理 されているか確認することにより、リサイクルを含めた適正処理が 確保できる。 ② 所有者が行う他の届出と併せて行えるように、保管場所設置の事前 協議・届出が必要なことについて、環境以外の関係部署とも調整し、 連携する体制を整えると効率的に助言・指導できる。 【保管場所の設置基準(千葉市)】 ① 事業系一般廃棄物の保管場所 ・事業系一般廃棄物の種類と排出量に応じて、分別して保管できるように すること。 ・事業系一般廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭を 発散しないようにすること。 ・ねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること。 ・事業系一般廃棄物の搬入、搬出等に支障のないようにすること。 ② 再利用対象物の保管場所 ・事業系一般廃棄物の保管場所とは明確に区分し、再利用の対象となる事業系 廃棄物に廃棄物として処理する事業系廃棄物が混入しないようにすること。 ・事業系一般廃棄物から生ずる汚水等により、再利用対象物が汚染されない ようにすること。 ・再利用対象物を種類別に適切に保管することができるようにすること。 ・再利用対象物が飛散し、及び雨水が流入するおそれがないようにすること。 ・再利用対象物の搬入、搬出等に支障のないようにすること。 ※事業系一般廃棄物と再利用対象物の保管場所は併用できない。

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(9)事業者間ネットワークの構築による減量化・再資源化の取組

概要 (取組事例)

【福岡市の事例】

福岡市では、事業者の排出者責任を踏まえつつ、リサイクルの取組を 支援することにより、循環資源の更なる利用を推進し循環型社会の形成 を進めるため、ごみ処理手数料や寄付金の積立による「福岡市事業系 ごみ資源化推進ファンド」を設置している。 事業の一環として、「福岡市事業系ごみ資源化情報発信サイト」を 構築し、事業系ごみに関するさまざまな情報発信を行っている。 【福岡市事業系ごみ資源化推進ファンドの仕組み】 【福岡市のホームページを改編】 【福岡市事業系ごみ資源化情報発信サイトについて】 ・小規模事業者のように、まとまった古紙の排出量がないため、回収 業者が見つかりにくくやむを得ず廃棄している事業者や、機密文書を 安全・確実に処理してくれる業者を探している事業者などが、資源化 を進めやすいように、古紙や機密文書を排出する事業者と、回収・ 処理業者の双方を結びつけるマッチングサービスを提供している。 ・優良事業者の紹介(写真及び動画)、メールマガジンの配信、利用者 のアイデア紹介など、事業系ごみの減量・リサイクルに関する情報 発信なども併せて行っている。そのほか、Facebook も開設。 4 つ の 分 野 で の 支 援 ごみ処理手数料の 改定に伴う収入に 相当する額の一部 市民や事業者からの 寄付金 福 岡 市 事 業 系 ご み 資 源 化 推 進 フ ァ ン ド 積立 積立 事業者が主体になった事業系ごみのリサイクルの取組 支援 リサイクル 情報ネット ワーク構築 リサイクル に取り組む 排出者支援 リサイクル 事業者への 事業化支援 事業系ごみのリ サイクルに関す る研究への支援

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【福岡市事業系ごみ資源化情報発信サイト】 http://jigyogomi-recycle.city.fukuoka.lg.jp/

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35 取組の効果 ① 排出事業者と再生事業者・処理業者を結びつけることにより、効率 的にごみ削減が行える。 ② 一度に多くの事業者が優良な事業者の取組事例を知ることが できる。 ③ 小規模事業者に対しても啓発が可能である。 その他 ① 多くの事業者に活用してもらうため、サイトの存在について、市政 だよりなどの広報誌やルールブックに掲載し広報している。また、 併せて、市内で新規に開業した事業者に、PRチラシを配布するなど している。 ② 排 出 事 業 者 と 再 生 事 業 者 ・ 処 理 業 者 の マ ッ チ ン グ に は 、 セ キ ュ リ テ ィ や 事 業 者 情 報 の 取 扱 な ど に 十 分 に 注 意 す る ほ か 、 マッチングにおける行政の役割を明確にし、トラブルがないように 配慮する。 【古紙回収機密文書処理マッチング・申込ページより】 【マッチングQ&Aより】

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(10)古紙回収協力店制度

概要 (取組事例)

【大阪市の事例】

・大阪市では、平成 25 年 10 月1日から実施している資源化可能な 紙類の焼却施設への搬入禁止に当たり、平成 24 年 12 月から、ごみ 減量施策の一つとして、「大阪市事業系古紙回収協力店制度実施 要綱」を制定し、事業所で不要になったOA紙などの資源化可能な 紙類を回収する制度を運用している。 ・古紙回収協力店には、営業時間内であれば、いつでも古紙を無料で 持ち込むことができる。 ・古紙回収協力店は、平成 27 年9月現在、100 店が登録されている。 【古紙回収協力店制度について・大阪市のホームページ】 http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000209691.html 【対象となる回収品目】 ① 新聞(折込チラシを含む) ② 段ボール(防水加工されたものを除く) ③ 雑誌(週刊誌、漫画本、単行本、カタログ、パンフレットなど) ④ OA紙(コピー用紙、コンピューター用紙) 【古紙回収協力店制度のイメージ】 事業者 古紙回収協力店 古紙の持込み

持 込 み ル ー ル 遵 守 !

(39)

37 取組の効果 ① 小規模排出者が容易に再資源化を行うことができる。 ② 古紙回収協力店を設置することにより、地域におけるごみ削減の 意識向上が期待できる。 ③ 古紙再資源化業者にも、一度に、ある程度のまとまった量の古紙を 集めることができるなど、メリットがある。 その他 ① 紙類には再資源化できるものと再資源化できないものがあるため、 回収品目は明確に定め、再資源化できない紙類が持ち込まれることが ないように、制度についてよく周知する。 ② 持ち込む紙類は、「回収品目ごとにひもでしばる」など、持ち込む際 のルールを明確に定め、協力店に負担がかからないように配慮する。 ③ 行政として、協力店や排出者の意見を定期的に確認し、制度がより 運用しやすくなるように配慮する。 【持ち込む際のルール】 ① 無料で引き取れる回収品目は、「新聞」「段ボール」「雑誌」「OA紙」 ② 種類ごとに「ひも」でしばる ③ 古紙以外は混ぜない (バインダー、クリップ、付属のCD-ROM等、写真用紙、 ビニール、カーボンなど禁忌品) 【古紙回収協力店の登録基準】 次の①~⑥のすべてを満たす事業者(大阪市への登録制度) ① 持ち込まれた回収品目の古紙については、処理料金等を徴収しない こと ② 受入に対応する人員が常駐すること ③ 古紙の積み下ろしができる駐車スペースを有していること ④ 市内又は本市と隣接する市町村で受入を行う事業所等であること ⑤ 生活環境保全上の措置を講じるよう努め、事業活動を行っていること ⑥ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に 規定する暴力団員又は大阪市暴力団排除条例第2条第3号に規定する 暴力団密接関係者でないこと

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4.事業系一般廃棄物の効果的な削減対策及び手順

アンケート調査及び県内外自治体の取組事例調査を踏まえ、市町村による事業 系一般廃棄物の削減のためには、以下の対策・手順が効果的であると考えられる。 <削減対策の基本的方向性> 排出者による2R(発生抑制・再使用)の取組を進めた上で、排出されるごみの 適正処理を確保しつつ、できるだけ再資源化する。 <具体的削減対策(詳細は図1)> STEP1:排出者への普及啓発 排出者の自主的な2Rの取組を促すため、ホームページや広報誌などにより 排出者へ普及啓発を行う。 STEP2:排出者・収集運搬許可業者への指導 多量排出者へ削減(減量化・再資源化)計画書の提出を義務付け、計画に 基づく助言・指導を行う。 また、市町村ごみ処理施設において搬入物展開検査を実施し、排出者・収集 運搬許可業者へ助言・指導を行い、ごみの適正搬入を確保する。 STEP3:更なる削減対策① 排出者訪問による啓発・助言・指導や、イベント・説明会などにおける啓発・ 助言のほか、計画書の提出が義務付けられていない排出者への削減対策の助言・ 指導を行う。 STEP4:更なる削減対策② 事業者間ネットワークの構築といった排出者の主体的な取組を後押しする 制度の運用や事業系一般廃棄物及び再利用対象物の保管場所の設置を義務 付ける。 なお、これらの削減対策は、必ずしもこの順序で行う必要はなく、各市町村の 実情に応じて対策の効果を考慮し、対応可能な対策から実施していくことが 事業系一般廃棄物の削減を効果的に進める上で重要である。

(41)

39 図1 事業系一般廃棄物の減量化・再資源化のために効果的な対策及び手順

STEP1

① ホームページ・広報誌などによる普及・啓発 ‥ごみの分別・適正排出・適正処理・再資源化の案内など

排 出 者 ・ 許 可 運 搬 許 可 業 者 へ の 指 導

STEP2

① 減量化・再資源化計画書による助言・指導 ‥ごみの種類・量・処理先・再資源化先などの把握と計画書に基づく助言・指導 ② 搬入物展開検査による排出者・収集運搬許可業者への助言・指導 ‥ごみの分別状況の把握及び助言・指導

STEP3

① 排出者訪問による啓発・助言・指導 ‥ごみの排出現場・種類・量・処理先・再資源化先などの把握と助言・指導 ② イベント・説明会などにおける啓発・助言 ‥多くの排出者に対するごみ削減の推進 ③ 多量排出事業者以外の排出者に対する適正処理の助言・指導 ‥ごみの排出現場・種類・量・処理先・再資源化先などの把握と助言・指導

STEP4

① 事業者間ネットワークの構築による減量化・再資源化の取組 ‥排出者・再資源化業者のマッチングによる再資源化推進 ② 事業系一般廃棄物・再利用対象物の保管場所の設置義務付け ‥適切な分別・適正排出の確保

参照

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