1 PIO-NET への救済金に関する入力について（案） 【PIO-NET 入力マニュアル（案）】 平成 25 年○月○日時点版 消費者庁消費者政策課 消費者トラブルに関して、金額や相談処理件数など一定の数値的な指標を用いて、消費 者行政の取組状況等の可視化（以下、「見える化」という）を図ることは、消費者行政にお ける取組を広く周知し、その信頼を高めると同時に、国民への説明責任を果たすという観 点からも重要である。 このため、消費生活センターにおいて助言、あっせん等を行った結果、救済（被害の回 復や未然防止）に繋がった相談の救済金額や相談処理件数について、全国で統一的に PIO-NET への入力を実施し、各消費生活センターや関係府省庁等がその集計結果等を確認 でき、それぞれで有用な情報として活用できるようにする。 これにより消費生活センターがその活動の成果を客観的に内外にアピールする指標とし ても活用することが可能となる。 救済金の定義（分類） 寄せられた相談のうち、消費生活センターにおいて助言、あっせん等を行った結果、救 済に繋がった相談を以下の２つに分類して、PIO-NET 内で管理する。 回 復 額：消費生活センターに相談した結果、すでに契約してしまった（債権が発生 した）金額の全部又は一部が相談者に返金された場合の金額、または、商 の交換等により回復した金額。 例）クーリング・オフ・助言を踏まえた自主交渉・あっせん・契約の中途 解約による返金、クレジット決済の取消、訪問購入に対するクーリン グ・オフ など 未然防止額：契約する前（債権が発生する前）に消費生活センターに相談した結果、相 談者が支払わずに済んだ金額。相談者の自己申告による金額も含まれる。 例）架空請求、悪質な商品役務の購入勧誘、過去の被害の回復を謳う勧誘 （二次被害）への助言 など なお、商品や役務に問題があり、損害を受けたことに対する治療費や弁償代など「消 費生活センターに相談しなければ相談者の自己負担となるはずであった金額（金額が判 明しているものに限る）」についても、救済金額に含めることとする。 担当者限り （ 別 添 ）
資料５－２
2 ※ 原則として、救済金の入力は、救済されたことを消費生活センターが確認できた相 談のみを対象とする。 ⇒ 本取組は、消費生活センターが実施したすべての助言、あっせんの結果を合計し た内容とはならない。 例）・クーリング・オフを助言した結果、相談者がクーリング・ オフを実施する意思を確認できた。 ・相談を受けたその場で、契約しない意思を確認できた。 ・相談者から返金があった旨の連絡をいただいた。 ・あっせんの結果、業者から返金を実施した旨の連絡を受け、 相談者にも確認が取れた。 ・助言、あっせん後、結果の連絡が無い。 ・助言、あっせんの成果が得られなかった旨の連絡があった。 救済金の入力箇所・入力方法 平成 26 年度 既存の PIO-NET 上で、各消費生活センターで独自に入力が可能な項目として使用して いる結果独自項目タブ内の 独自金額に「救済金額」、 独自金額の内容にその分類（「回復」又は「未然防止」） を入力する（下の図を参照）。 ※ すでに取り組んでいる消費生活センターも含めて、できる限り「独自金額１」に入力 していただきたい（「独自金額２」は各消費生活センターで自由に活用できるように するため）。 ※ すでに「独自金額１」と「独自金額２」の両方を別の目的で使用している場合は、本 取組の実施について、消費生活センターで検討していただきたい。 〔図１．既存の PIO-NET（抜粋）〕 平成 27 年度以降（PIO-NET 刷新後） PIO-NET 刷新にあわせて入力箇所、入力方法について検討中。 対象 対象外
3 救済金等の入力例 ① 「クーリング・オフ」による救済 ３日前に訪問販売で換気扇フィルターセット（２万円）を購入したが、家族に不要 だと言われたので、解約・返金を求める相談があったため、クーリング・オフについ ての説明・助言を行い、続きの実行確認ができた。 独自金額：20,000 円 独自金額の内容：回復 ② 「助言」による救済 (1) 【架空請求の例】 無料アダルトサイトの年齢確認画面で「はい（満 18 歳以上）」をクリックしたと ころ、１週間以内に９万円支払うよう請求する画面が消えない。もし１週間以内に 支払いが無い場合は、20 万円を請求する旨の記載もある。支払う必要があるか相 談があったため、助言を行い、支払わずに様子をみることとなった。また、情報処 理推進機構（IPA）のホームページを紹介した。 【相談日が請求から１週間以内の場合】 独自金額：90,000 円 独自金額の内容：未然防止 【相談日が請求から１週間を超えている場合】 独自金額：200,000 円 独自金額の内容：未然防止 ※ 一定の日数が経過したら値下げする旨の請求の場合も同様。 (2) 【劇場型勧誘の例】 外国の石油採掘権（１口 10 万円）のパンフレットが届き、直後に別の業者を名 乗る者から、届いた個人しか購入できないため、１口 11 万円で買取るので代理で 50 口購入してほしいとの連絡が来た。購入しても問題が無いか相談があったため、 助言を行い、購入しないこととなった。 独自金額：5,000,000 円 独自金額の内容：未然防止 (3) 【二次被害の例】 ２年前に未公開株で 100 万円の損害を被った。昨日、被害者から未公開株の買取 りを行っているという別業者から連絡があり、登録手数料 10 万円を支払えば、50 万円以上で手元にある未公開株を買取るとの説明があった。登録手数料を支払って も問題が無いか相談があったため、助言を行い、支払わないこととなった。 独自金額：100,000 円 独自金額の内容：未然防止
4 ③ 「（助言を踏まえた）自主交渉」による救済 (1) 通信販売で 10 日前にアクセサリー（３万円）を購入したが、パンフレットの写 真とは異なり、解約・返金を求める相談があったため、助言を踏まえた自主交渉の 結果、全額返金された。 独自金額：30,000 円 独自金額の内容：回復 (2) 賃貸マンションの退去時に、特に汚したところもないのに敷金（16 万円）から 修繕費（14 万円）が引かれ、２万円しか返金されなかったことに納得できないと の相談があったため、助言を踏まえた自主交渉の結果、さらに６万円返金された（合 計で８万円の返金となった）。 独自金額：60,000 円 （80,000（自主交渉の結果）－20,000（当初）＝60,000） 独自金額の内容：回復 ④ 「あっせん」による救済 (1) ３ヵ月前にキャッチセールスで「必ず痩せる」を言われて補整下着（20 万円） を購入したが、身につけているだけでは痩せないことに気付き、解約・返金を求め る相談があったため、あっせんを行い、全額返金された。 独自金額：200,000 円 独自金額の内容：回復 (2) ワキの脱毛（５千円）の施術を受けたところ、両ワキとも火傷を負わされ病院で 治療を受けた（治療費１万円）ので、返金と治療費を求める相談があったため、あ っせんを行い、返金と治療費全額を負担してもらえた。 独自金額：15,000 円 （5,000（返金）＋10,000（治療費）＝15,000） 独自金額の内容：回復 (3) 通信販売で１回のみのつもりで健康食品（２万円）を申し込んだが、翌月も同じ 商品が届き、代金も口座から引き落とされていた。業者に確認したところ、１年間 の定期購入の契約になっているとの回答があり、解約には違約金（10 万円）が必 要と説明を受けたが、支払う必要があるか相談があったため、あっせんを行い、業 者が非を認めた上で、違約金なしで定期購入を解約することができた。 独自金額：120,000 円 （20,000（翌月の商品代）＋100,000（違約金）＝120,000） 独自金額の内容：未然防止 ⑤ 契約の「中途解約」による救済 (1) 御惣菜宅配の１年間の定期購入（３万円）を契約し、パンフレットの写真（イメ ージ）とは違ったので、解約・返金を求める相談があったため、あっせんを行い、 ２ヵ月目以降の契約が解除され、その分を返金してもらえた。
5 独自金額：27,500 円 （30,000×（11／12）＝27,500） 独自金額の内容：回復 (2) エステで 10 回コース（30 万円）を契約、全額前払いをして、すでに３回の施術 を受けているが、効果が感じられず、解約したいとの相談があったため、助言を行 い、自主交渉の結果、中途解約が成立して残り７回分から手数料（２万円）を差し 引いた 19 万円返金された。 独自金額：190,000 円 （300,000×（７／10）－20,000（手数料）＝190,000） 独自金額の内容：回復 ⑥ 「多重債務」に係る救済 借入した業者Ａとは異なる業者Ｂから、債権が譲渡されたので利子を含めて一括返済 の催促状が届いたが、業者Ｂに支払っても問題が無いか相談があったため、助言を行い、 相談者から業者Ａに対して債務譲渡の有無を確認するとともに、返済はせずに様子を見 ることとなった。 後日、相談者が業者Ａにも問い合わせたところ、債権譲渡していないことを確認でき たとの連絡があった。 独自金額：5,000,000 円 独自金額の内容：未然防止 ⑦ 「商品交換」による救済 通信販売で商品（５万円）を購入したが、数回使用した段階で部品の脱落により故 障したとの相談があったため、助言を踏まえた自主交渉の結果、無償で同型の商品と 交換してもらえた。 独自金額：50,000 円 独自金額の内容：回復（契約を解消して再度同型の商品を購入する必要が無く なったため） ⑧ 「クレジット決済」に係る救済 【一括払いの例】 キャッチセールスで商品（100 万円）を一括払いでクレジット契約し、商品は後日受 け取りに行く予定であったが、担当者と連絡が取れず、店舗に行ったところ担当では ないことを理由に対応してもらえないため、クレジット会社に対してあっせんを行い、 商品未受領が確認できたため、クレジット契約を放棄してもらえた。 独自金額：1,000,000 円 独自金額の内容：回復 【分割払いの例】 訪問販売で商品（300 万円（分割手数料込み））を分割払いでクレジット契約し、す でに 60 万円（一部）を支払っている。ところが、勧誘時の説明に虚偽があったことが
6 判明し、契約を取り消したいとの相談があったため、あっせんを行い、販売店には販 売契約の取り消しに応じてもらい、これに基づいてクレジット会社とのクレジット契 約が放棄された。 独自金額：3,000,000 円 独自金額の内容：回復 ⑨ 「治療費等（契約に関する返金を伴わず、治療費等の対応がある場合）」に係る救済 購入して間もない冷蔵庫（12 万円）の扉が開けてもすぐに閉じてくるために手を挟 んで怪我をしたので、治療費（５千円）を求める相談があったため、助言を踏まえた自 主交渉の結果、業者が治療費全額を負担することで両者が合意した。 なお、事故を起こした冷蔵庫については、修理の必要はなく、返品・回収も行ってい ない。 独自金額：5,000 円 独自金額の内容：回復 ⑩ 「賠償・弁償」による救済 クリーニングに預けたワンピース（５万円、購入後２ヵ月未満）が縮んでしまったと の相談があったため、助言を踏まえた自主交渉の結果、クリーニング店のミスと判明。 クリーニング事故賠償基準に基づいて、クリーニング代（２千円）とクリーニング事故 賠償基準に基づいたワンピース代（補償割合 100％）を返金してもらえた。 独自金額：52,000 円 （2,000＋50,000×100％（補償割合）＝52,000） 独自金額の内容：回復 ⑪ 「訪問購入（押し買い）」に係る救済 ５日前に訪問購入で貴金属７点を３万円で買い取ってもらったが、冷静になってから 考えると買取時に納得できる説明を受けておらず、買取価格も安すぎるので、クーリン グ・オフをしたいとの相談があったため、クーリング・オフについての説明、助言を行 い、受け取った３万円を返金して、貴金属７点を返してもらった。 独自金額：30,000 円 独自金額の内容：回復（適切な判断ができない状態で騙し取られた財産を取り 返したため）
