略歴と業績 略歴 1985 年 3 月慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業 1987 年 3 月同大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了 1990 年 3 月同大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了工学博士 1990 年 4 月より千葉大学工学部機械工学科助手 1995 年より同助教授 2

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全文

(1)

モデルベースで考えるための

SysML

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 西村 秀和 http: lab.sdm.keio.ac.jp/nismlab/

IPA/SECセミナー

2014年2月14日(金)

(2)

略歴と業績

略歴 1985年3月 慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業 1987年3月 同大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程修了 1990年3月 同大学院理工学研究科機械工学専攻博士後期課程修了 工学博士 1990年4月より千葉大学工学部機械工学科助手 1995年より同助教授 2006年9月~10月 デルフト工科大学訪問研究員 2007年2月~3月 バージニア大学訪問准教授 2007年4月 慶應義塾大学先導研究センター教授 「SDM研究科設立準備」 2008年4月 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 2011年4月~2012年3月 日本機械学会 機械力学・制御部門 部門長 2012年2月~2014年1月 計測自動制御学会 総務担当理事(2013年度副会長兼務) 著書 1998年『MATLABによる制御理論の基礎』 (共著) ,『MATLABによる制御系設計』(共著) 2007年『運動と振動の制御の最前線』 (共著)

2012年『システムズモデリング言語 SysML』 (監訳 A Practical Guide to SysML)

共同研究実績

車両衝突時の乗員保護制御,次世代車両運動統合制御,Adaptive Cruise Control,EPS,

エンジンベンチ制御,タワークレーンのアシスト制御,熱設計マネジメント,次世代プレス開発など

(3)

System

システムとは何か?

システム:

相互に関連し全体として機能するコンポーネントの集まり

ハードウェア,ソフトウェア,人,設備など複数のドメインで構成

System of interest

境界:boundary

アクター

actor:行為者

(人とは限らない)

Use Case1

Use Case 2

環境

System of interest

対象システム

(4)

System of Systems

様々なシステムが複雑に関連する中で、対象とするシステ

ムを設計することは極めて難しい。

システム

System of interest

システム1

システム2

システム3

システム4

(5)

オペレータが介在するシステムの設計

オペレータと対象システムはどのような相互作用を起こすか?

オペレータによる操作とコントローラによる制御の間に矛盾が

生じないようにシステムを構築する必要がある。

Operator-in-the-loop Design

認知

判断

行動

オペレータ

外部システム,環境

コントローラ

プラント

対象システム

(6)

システムズエンジニアリングとは何か?

システムズエンジニアリングの定義

システムを成功裏に実現するための複数の分野にまたが

るアプローチおよび手段

システムズエンジニアリングでは、開発のライフサイクルの初

期段階で顧客のニーズを明確化し、機能要求を定義し、関連

する問題をすべて考慮しながら設計のための総合とシステム

の妥当性確認を進める。

システムズエンジニアリングは、ユーザーニーズに合致した

品質の製品を供給することを目的とし、ビジネスとすべての

顧客の技術的要求の両者を考慮する。

(7)

コミュニケーションの失敗

このシステムは、●●

と××から構成され、

△△の運用を考えた

ときに、、、

(8)

図を用いたコミュニケーション

このシステムは、●●

と××から構成され、

△△の運用を考えた

ときに、、、

(9)

“モデルベースでシステムを考える”とは?

モデル

に基づくシステム開発

仕様書など文書だけではすぐに理解できないことが、

図的

に表現する

ことで理解が容易になる。

協働してシステム開発をする

には、共通言語が必要であり、

それをサポートするには

図的な言語

が有効である。

モデルを再利用

することにより開発の効率化が期待できる。

モデルを用いて

抽象度を上げる

ことにより

革新

に導く。

注:実行可能ではないモデルを含む

(10)

システムモデルの記述

システムモデル表記法:

SysML(Systems Modeling Language)

システムを

構造

振る舞い

要求

パラメトリック制約

の観

点で図的に表現することができる。

図的表現により、

開発者の思考

を支援できる。

複数のドメインにまたがる開発、分業化された開発環境で、

共通言語

として利用できる。

システム開発プロセスの中で

要求のトレーサビリティ

が確

保される。

構成管理

変更管理

が容易になる。ーあるサブシステムや

コンポーネントの要求の変更や設計の変更が生じた際に、

他のサブシステムやコンポーネントにどのような

影響

が及

ぶかを判断できる。

(11)

システムズエンジニアリング

「要求」と「アーキテクチャ」

要求の2つの鉄則

機能要求:“どのように要求を実現するか?”の前に

それは何か?

”,“

なぜそれが必要か?

”を明確にする。

要求は“

測定可能

”で“

テスト可能

”でなければならない。

アーキテクチャの3つのビュー

Operational view:システムの使い方、動かし方

Functional view:システムへ要求される機能

Physical view:機能を実現するハードウェア、ソフトウエア

(12)

エンティティ

V:ビューの位置づけ

利害関係者の要求

製作,コード

化に向けた

仕様

Entity要求の定義

概念設計,アーキテクチャ

の選定,設計に向けた仕様

購入,製作,

コード化

検証

検査,テスト,

実証,分析

妥当性確認

妥当性確認の計画

要求の 抽出 概念設計 アーキテ クチャ 詳細設計 試験,検証 製造, 運用

Customer Confirmation

Verification and

Validation Planning

Verification

Planning

検証

検査,テスト,

実証,分析

Cus tome r Conf irma tio n Cus tome r Conf irma tio n 見込み調査, リス ク調 査 不具合調査

解決策の達成

② Functional view

③ Physical view

MATLAB/Simulink

Mechanical CAD

Electronic CAD

Program code

SysML

① Operational view

(13)

二元

V字開発モデル (Dual Vee Model)

Architecture Vee

Entity Vee

利害関係者

の要求

要求を満足する

システムの完成

(14)

二元

V字モデルによるプロセスの理解

Architecture Vee

Entity Vee

利害関係者

の要求

要求を満足する

システムの完成

アーキテクチャの検討,

決定では,サブシステ

ムやコンポーネントの

実現可能性を検討しな

がら進めることがある.

早い段階での

手戻り

(15)

二元

V字モデルによるプロセスの理解

Architecture Vee

Entity Vee

利害関係者

の要求

要求を満足する

システムの完成

コンポーネント,

サブシステムの

検証,妥当性確認

を順序行い,システム

としての検証,妥当性

確認を行って行く.

致命的な

手戻り

(16)

利害関係者の要求

製作,コード

化に向けた

仕様

Entity要求の定義

アーキテクチャの

選定とシステム仕様

購入,製作,

コード化

検証

検査,テスト,

実証,分析

妥当性確認

妥当性確認の

計画

要求の 抽出 概念設計 アーキテ クチャ 詳細設計 試験,検証 製造, 運用

Customer Confirmation

Verification and

Validation Planning

Verification

Planning

検証

検査,テスト,

実証,分析

Customer Conf irmatio n Customer Conf irmatio n

エンティティ

V : 検証と妥当性確認

ノミナル

オフノミナル

HILS/SILS

Human in

the Loop

Simulation

シナリオ

(17)

IEEE 1220 systems engineering process

要求と制約の矛盾 要求のトレードオフ と影響 分解割り当ての トレードオフと影響 分解と要求の割り当に 関する候補 設計解の トレードオフと影響 設計解の要求と候補 要求の基準 確認された要求の基準 機能アーキテクチャ 検証済み機能アーキテクチャ 物理アーキテクチャ 検証済み物理アーキテクチャ SEプロセスへの入力 SEプロセスの出力 統制 設計の検証 機能の検証 要求の分析 要求の 妥当性確認 要求の トレード分析 と評価 設計の トレード分析 と評価 総合 システム解析 機能の分析 機能の トレード分析 と評価

(18)

モデルベースシステムズエンジニアリング

の海外動向

MBSE wiki

http://www.omgwiki.org/MBSE/doku.php?id=start

最新の

MBSEアクティビティと応用

MBSE関係者とのネットワークづくり

MBSE Workshop at INCOSE IW 2014

http://www.omgwiki.org/MBSE/doku.php?id=mbse:incose_mbs

e_iw_2014

MBSE Workshop at INCOSE IW 2013

http://www.omgwiki.org/MBSE/doku.php?id=mbse:incose_mbs

(19)

MBSE WS 2014の重要ポイント

MBSE = SE

企業体、組織への

SE導入には、時間がかかる。NASA JPL

でも、

2009年から7年間程度のロードマップを用意している。

Digital Systems Engineering:これまでの文書ベースのSE

に対して、それらの活動がデジタル化されることにより

SEがメ

インストリームになる重要性を強調している。

INCOSEの今後5年間の方針

製品、サービスそして価値をもたらす協働の進展させること。

(20)

SysMLで何ができるのか?

システムを構成するサブシステムに対する機能要求とその振

る舞いを把握できる。

設計変更があった場合にも、要求のトレースが可能なため、

その影響を容易に把握できる。

SysMLを用いることで、開発者の思考を支援し、ドメインをまた

がる協働作業が可能となる。

コンカレントデザインを促進するフレームワークが実現可能と

なる。ただし、組織の硬直化などが弊害となり得る。

参考資料:システムズモデリング言語 SysML (A Practical Guide to SysML翻訳本)

西村 秀和(監訳)

訳者:白坂成功,成川輝真,長谷川堯一,中島裕生,翁志強

著者:Sanford Friedenthal, Alan Moore, Rick Steiner

(21)

構造

要求

振る舞い

パラメトリック

制約

・数式表現

・運動方程式

・パラメータによる

性能評価

など

SysMLのダイアグラムは,互いに関連している。

→ 設計変更があった場合にもその影響を容易に把握できる。

ibd act req par

(22)

ダイナミクス

解析

制御システム

解析

1D-CAEなど

ハードウェア 設計モデル 電気回路 設計モデル ソフトウェア 設計モデル テスト方法 テストモデル 解析モデル 外部からの 要求

解析

性能

評価

システム 仕様書

システムモデル

コンカレントデザインを促進するフレームワーク

構造

要求

振る舞い

パラメトリック制約

トレーサビリティ

根拠

ビュー

ポイント

製品データ管理

(PDM)

・部品表(BOM)

・物理設計(CAD)

(23)

SysMLの活用で見えてくること

システムのモデル表現

構造/振る舞い/要求/パラメトリック制約

- What – そもそも、何をしなければならないのか?

革新に導く。

オペレータや外部システムとの相互作用の明確化

サブシステム間のインタフェース

最適化“問題”やトレードオフ“問題”の設定・定義

アーキテクチャと仕様決定までの要求のトレース

(24)

エレベータに対する要求(例)

エレベーターは、ビルの各階から“コール(呼び)”を受けるこ

と。(入力に関する要求)

エレベーターは、想定される乗員に対して、エレベーターを呼

んでいることを表示すること。(出力に関する要求)

エレベーターは、緊急コールに対してビルにある標準電話を

利用すること。(外部インタフェースに関する要求)

The Engineering Design of

Systems, - Models and Methods -, 2ndEdition, Dennis M. Buede,

(25)
(26)
(27)
(28)

コンテクストレベルでの機能分析

(29)

ユースケース「ドアを開く」

(30)

アナリシスレベル

01での機能分析

(31)
(32)

要求を詳細化したユースケース

→ テストケース

(33)
(34)
(35)
(36)
(37)
(38)
(39)
(40)

パラメトリック図:

(41)

最後に

複数のドメインで構成されるシステムや、オペレータの介在す

る複雑なシステム(

System of Systems (SoS)の一つ)を設計する

ために、

MBSE(モデルベースシステムズエンジニアリング)の活

用が重要であることを述べた。

モデルを用いたシステム開発では、システムモデルの記述に

際して、

構造/振る舞い/要求/パラメトリック制約

の4つの柱で考えることが重要である。

SysMLはこれをサポートしている。

SysMLの適用事例として、エレベータ開発の事例を紹介し、

MBSEで思考する過程を示した。

(42)

参考文献

 Systems Engineering Handbook Ver.3.2, INCOSE, 2010  Visualizing Project Management, Third Edition

Kevin Forsberg, Hal Mooz, Howard Cotterman, John Wiley & Sons, Inc.

 IEEE 1220: For Practical Systems Engineering, Teresa Doran

 http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=1631953&userType=inst  システムズモデリング言語 SysML(A Practical Guide to SysMLの翻訳本)

西村 秀和(監訳),白坂成功,成川輝真,長谷川堯一,中島裕生,翁志強, 東京電機大学出版局,2012

 The Engineering Design of Systems, - Models and Methods -, 2nd Edition

Dennis M. Buede, John Wiley & Sons, Inc.

 西村秀和,二輪自動車のコーナリング特性と走行安定化制御,自動車技術会,Vol.64,

No.12, (2010), pp.43-48

 The Art of Systems Architecting, Second Edition, Mark W. Maier, Eberhardt Rechtin,

CRC Press, 2002

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