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序 今般 農業の体質強化に資する農作業の省力化 低コスト化 環境にやさしい栽培方法による農畜産物の提供及び農業者の安全な農作業の実施等を可能とする高性能農業機械の効果的な導入等を図るため 農業機械化促進法 ( 昭和 28 年法律第 252 号 以下 法 という ) 第 5 条の2 第 1 項及び農業

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(別紙) 特定高性能農業機械の導入に関する計画の策定及びその取扱いについて -ガイドライン- 平成25年9月4日 農林水産省 生 産 局 農村振興局

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序 今般、農業の体質強化に資する農作業の省力化・低コスト化、環境にやさしい栽培方法による農 畜産物の提供及び農業者の安全な農作業の実施等を可能とする高性能農業機械の効果的な導入等を 図るため、農業機械化促進法(昭和28年法律第252号。以下「法」という。)第5条の2第1 項及び農業機械化促進法施行令(昭和40年政令第209号。以下「令」という。)第2条の規定 に基づく高性能農業機械等の試験研究、実用化の促進及び導入に関する基本方針(平成25年5月 16日農林水産省告示第1602号。以下「基本方針」という。)の策定を行い、これに伴い、本 ガイドラインを取りまとめたものである。 今後、法第5条の3の規定に基づく都道府県における特定高性能農業機械の導入に関する計画(以 下「導入計画」という。)の策定及びその取扱いについては、基本方針に即するとともに、本ガイ ドラインを踏まえて行うものとする。 1 特定高性能農業機械の導入に関する内容及び運用 1-1 特定高性能農業機械の導入に関する目標 特定高性能農業機械の導入は、導入する者の農業経営、地域の農業構造等の実情に応じた導入方 式による計画的な導入を推進し、その性能に応じた利用規模の確保を通じての効率的利用により、 生産性の向上及び生産コストの縮減を図り、もって農業生産力の増進と農業経営の改善に寄与する ことを目標として行う。 1-2 特定高性能農業機械の導入を効果的に行うために必要な共通の条件に関する事項 特定高性能農業機械は、農業生産力の増進及び農業経営の改善を目標として計画的に導入するこ ととしており、特定高性能農業機械を効果的に導入するためには、基本方針第3の2に定める導入 する者の備えるべき条件、ほ場条件、栽培管理条件及び関連機械施設条件を満たす必要がある。 これらの条件は、導入の適否及び導入方法の選択に重要な影響を持つものであり、特定高性能農 業機械の種類ごとに具体的な範囲が示されている。 1-2-1 特定高性能農業機械を導入する者の備えるべき条件 特定高性能農業機械を導入する者の備えるべき条件は、基本方針第3の2に定められているが、 当該導入する者の形態別にみた条件はそれぞれ次のとおりとなる。 (1)農業者にあっては、特定高性能農業機械の大きさに対応した利用規模の下限以上の作業面積 等が確保され、特定高性能農業機械の操作に必要な技能を有する者がいる個別経営体、協業経 営体及び農業生産法人であって、経営改善の達成が見込まれること。 (2)共同利用を行う農家集団にあっては、農業機械の共同利用を主たる目的とし、特定高性能農 業機械の大きさに対応した利用規模以上の作業面積等が確保され、特定高性能農業機械の操作 に必要な技能を有する者がいる集団であって、特定高性能農業機械の利用の合理化により個別 農家の経営改善が見込まれること。

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(3)農業サービス事業体(農業生産工程に係る農作業の受託を主として行う上記(1)及び(2) 以外の個別事業体(請負業者を含む。)、受託組織及び農業機械の管理運営等を直接行う農協等 事業体(農業機械銀行を含む。)をいう。以下同じ。)にあっては、特定高性能農業機械の大き さに対応した利用規模以上の作業面積等の確保、特定高性能農業機械の操作に必要な技能を有 する者の確保等により、農作業を委託する農業者の経営改善が見込まれること。 1-2-2 特定高性能農業機械の利用規模の下限面積等の考え方 特定高性能農業機械の利用規模の下限面積等は、次の考え方に基づき定められている。 (1)購入又はリースにより導入する場合の利用規模の下限面積等は、効率的な利用が可能となる 土地条件、作物栽培条件等の下での機械の作業能率から算出される作業可能面積等及び他産業 並みの労賃、平均的な作業請負料金等から算出される経済的利用面積を総合的に検討して定め られている。したがって、利用規模の下限は、地域の諸条件の違いにより異なるものである。 (2)レンタルにより導入する場合の利用規模の下限面積等は、レンタル料金を適正に設定するた めにある程度の利用期間を確保する必要があるので、機械の1日当たりの作業能率を基準とし て定められている。 1-2-3 特定高性能農業機械の操作に必要な技能を有する者 特定高性能農業機械の操作に必要な技能を有する者は、都道府県知事が、農業機械の利用組織等 におけるオペレーター若しくは受託者として活動するために必要な専門知識及び技能を修得した者 として認定した者(以下「農業機械士」という。)、農業機械士に必要な知識及び技能に加え、農業 機械作業の管理者、指導者等として活動するために必要な専門知識及び技能を修得した者として認 定した者(以下「指導農業機械士」)という。)並びに農業機械士と同等の技能を有していると認め る者とする。 1-2-4 農業に従事している者 主として農業に従事している者は、15歳以上の農家世帯員のうち、①農業のみに従事している 者及び②農業以外の仕事に従事していても、年間労働従事日数の過半を農業に従事している者とす る。 1-2-5 経営改善を達成する見込み 労働時間の低減、農業所得の増加等経営改善を達成する見込みについては、特定高性能農業機械 を導入しようとする農業者が別紙1の「経営改善目標の作成について」に基づいて作成した経営改 善目標が、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第5条に規定する都道府県知事が 定める農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針及び同法第6条に規定する市町村が定める農業 経営基盤の強化の促進に関する基本構想に即し、適切であると認められることが必要である。 1-2-6 特定高性能農業機械の組織的利用 共同利用を行う農家集団(法人化前の集落営農組織を含む。(1)において同じ。)及び農業サー ビス事業体における特定高性能農業機械の組織的利用については、次の点に留意するものとする。

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(1)共同利用を行う農家集団にあっては、既に所有している農業機械を含めた全体的な有効利用 についての調整があらかじめ当該集団によって行われていること。 (2)農業サービス事業体のうち農業機械の管理運営等を直接行う農協等事業体にあっては受託者 の受託面積の拡大及び受託者の資質向上について配慮されていること。 1-3 特定高性能農業機械の導入を効果的に行うために必要な種類ごとの条件に関する 事項 特定高性能農業機械の導入の際には、基本方針で定められている条件のほかに、機械の種類別 に以下に示す事項に配慮するものとする。 1-3-1 トラクター (1)基本方針別表の利用規模の下限等 ア 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、田及び畑について、耕うん整地作業の 能率と経済性を基準として算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模 の下限は、それぞれの作目についての作業面積の和となる。 イ 2以上の地目に利用する場合は、それぞれの地目についての利用規模の下限に対する作業 面積の比の値を合計したものが少なくとも1以上であることが必要であるが、農業機械利用 コストの低減を推進するため、できる限り多くの作業面積を確保すること。 ウ 次の場合には、類別の大きいトラクターの導入について検討すること。 (ア)特に高い動力を要する作業又は重粘な土壌のほ場における利用 (イ)8度以上の傾斜地における利用 (ウ)気象条件及び複合的作付条件等による作業期間の短い場合における利用 エ 果樹園、桑園及び草地についても、作業能率と経済性を考慮して導入すること。 オ 各種作業機への適応トラクターについては、別紙2「トラクターと作業機との組合せ」を 参照すること。 (2)ほ場条件 ア 田 (ア)土壌の硬さ 表1の作業可能範囲の硬さ以上であること。

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表1 トラクターの田走行可能判定基準 測定法 円錐貫入抵抗値(kg/cm2 ) 矩形板沈下量(cm) 足 跡 深 さ(cm) ロータリ プラウ耕 プラウ耕 ロータリ プラウ耕 プラウ耕 ロータリ プラウ耕 プラウ耕 作業 ー耕 (ガード ー耕 (ガード ー耕 (ガード 法 ル等付 ル等付 ル等付 判定 き) き) き) 基準 作業容易 5 以上 7 以上 4 以上 6 以下 0 4 以下 2 以下 0 1 以下 範 囲 作業可能 3 ~ 5 4 ~ 7 2 ~ 4 6 ~ 10 0 ~ 3 4 ~ 11 2 ~ 5 0 ~ 2 1 ~ 5 範 囲 作業不可 3 以下 4 以下 2 以下 10以上 3 以上 11 以上 5 以上 2 以上 5 以上 能範囲 注 1 円錐貫入抵抗値は、頂角 30 度、底面積 2cm2の円錐による田面下0 ~ 15cm の平 均値である。 2 矩形板沈下量は、10cm × 2.5cm の矩形板による垂直荷重 40kg における沈下量で ある。 3 足跡深さは、片足のかかとに全体重をかけたときの深さである。 4 この表は、農林水産技術会議研究報告、農業機械化研究所研究成績等により推定 したものである。 (イ)区画の形状及び大きさ 区画の形状は、原則として長方形で、その大きさは、長辺が100m以上であって、面 積が30a以上であることが望ましい。 イ 畑 (ア)区画の形状及び大きさ 区画の形状は、原則として長方形で、その大きさは長辺の長さが150~200m程度 (肥料、農薬等の両側補給が可能であるほ場にあっては、300~400m程度)である ことが望ましい。 (イ)ほ場の傾斜 おおむね次の限度以下であること。 等高線沿いの作業が主として行われる場合 畦立て栽培では 6度程度 平畦栽培では 10度程度 散播(牧草等)では 10度程度 最大傾斜線方向の作業が主として行われる場合 10度程度

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ウ 果樹園 (ア)区画の形状及び大きさ 防除作業の効果的な実施等に留意して定められていること。 (イ)ほ場の傾斜 8度以上の斜面にあっては、樹列間に園内耕作道が階段状に設置され、樹木は斜面に栽 培されていること。また、園内耕作道を連絡する連絡道が設置され、その傾斜は8度以下 であること。 (ウ)枕地の長さ 枕地の長さは4m程度を必要とするが、努めて農道等を利用することが望ましい。 エ 桑園 (ア)区画の形状及び大きさ 区画の形状は、原則として長方形であって、その大きさは、30~50a程度、畦方向 の辺の長さが50m程度であることが望ましい。 (イ)ほ場の傾斜 傾斜が8度以下で、等高線に沿って作業ができるように栽培されていること。 (ウ)枕地の長さ 枕地の長さは2~3mを必要とするが、努めて農道等を利用することが望ましい。 オ 草地 (ア)区画の形状及び大きさ 草地は波状地が多いので、機械の耐傾斜性を考慮して区画を設定することが望ましい。 (イ)草地の傾斜 安全保持の点からは、おおむね12度以下であることが望ましい。 (ウ)湿地牧野 湿地牧野等を改良して造成した草地にあっては、排水工事が実施されていること。 カ ほ場条件に係る共通事項 (ア)ほ場の団地化 実作業率を高めるよう可能な限り団地化されていること。ほ場のまとまりは、少なくと もトラクターの1日の作業負担面積に達していることが望ましい。 (イ)ほ場の均平化及び障害物の除去 道路よりほ場への進入部分及びほ場内に深さ20cm以上の溝がないこと。下草刈り、

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施肥等の作業精度を低下させないためほ場の均平化に留意するとともに、作業の障害とな る礫、根株、雑かん木類が除去されていること。 また、かん水施設、隔障物等が機械作業に支障とならないこと。 (ウ)農道等 トラクター単体だけでなく、作業機(トレーラーを含む。)を装着又はけん引した場合 においても、その走行に支障がないよう路面が整備されているとともに、表2のように幅 員、交差部の隅切り、橋が整備されているほか、田にあっては田面からの高さ及びほ場進 入路について、畑にあってはこう配及び曲率半径についてその走行に支障のないように整 備されていること。 表2 農道等 類 田 ・ 畑 共 通 田 畑 有効幅員 交差部の 橋 田面から ほ 場 こう配 曲率半径 備 考 (路肩を 隅 切 り の 高 さ 進 入 路 別 除く) 幅 員 が 橋りょう 30cm 程 田面から 土道では 6 m以上 畑で農道 3m 以 下 はトラクター( 度 の高さが 8 ~ 10 度 であるこ を枕地と Ⅰ 2 . 5 m 以 である農 作業機を 30cm 以 以 下 で あ と。 して利用 上 道が交差 含む。)の 上でほ場 ること。 する場合 する場合 重量に耐 との間に には幅員 には1 辺 えられる 水路があ が3.5m 以 2m 程 度 ものであ る場合に 上 で あ る Ⅱ の隅切り るととも は 幅 が こと。 ・ 3 . 0 m 以 が行われ に、その 4 m、 こ Ⅲ 上 ているこ 幅員は道 う配が1 と。 路の幅員 2 度以下 と等しく、 である進 その欄干 入路が設 はできる けられて Ⅳ 4 . 0 m 以 だけ低い い る こ 上 こと。 と。 (3)関連機械施設条件 ア トラクター、作業機等の日常整備に必要な部品及び工具等が整備されていること。 イ 次のような条件に適合する格納施設が設置されていること。 (ア)施設の床面積は、トラクター、作業機及び装備品(以下「トラクター等」という。) の 格納所要床面積に、トラクター及び作業機の装備品の交換・脱着作業に必要な面積、トラ クター等の日常点検に必要な面積並びに床面の形状と出入口の位置等に応じた通路面積を 加えたものであること。 (イ)(ア)の床面積に見合う格納施設の年間所要経費(施設の減価償却費、修理費、資本利 子、租税公課及び保険料)は、格納するトラクター等の購入費の総額に比較して妥当なも

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のであること。 (ウ)施設の出入口は、その高さがトラクター等の高さに応じたものであること。 ウ 格納施設の附帯施設として、工具置場、洗車施設、ホイスト等が併置されていることが望 ましい。 1-3-2 乗用型田植機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、水稲の移植作業の能率と経済性を基 準として算出したものである。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、長辺100m以上であって、面 積が30a以上であることが望ましい。 イ 均平、かんがい排水等 水田の水位が自由に調整できるかんがい排水の設備が整っていること。更に、その 水田の均平はその高低差が稚苗移植にあっては3~4cm以内、中苗移植にあっては 5~6cm以内になるよう耕うん、均平作業を行うとともに、代かきは練り過ぎない ように配慮し、植付け時の土壌硬度は手植えできる程度に保ち、水深は5cm以内に とどめられていること。 なお、麦作跡地については、耕深12cm以上とし、代かき時には浅水を保ち、麦 稈の埋没を図ること。 ウ 農道等 田植機だけでなく、苗の運搬車についてもその走行に支障がないよう路面が整備さ れているとともに、表3のように幅員、ほ場進入路等が整備されていること。 表3 農道等 有 効 幅 員 ほ 場 進 入 路 周 辺 障 害 物 の 有 無 (路肩を除く) 進入路を必要とする高低差 進 入 路 走行部の全幅 その幅員は走行部の全幅 機体外側より より1 m以上 以上であり、そのこう配 0.5m 以 内 に 広いことが望 30 ㎝以上 は12 度以下であること。 走行の支障と ましい。 なるものがな いこと。 (3)苗の条件 ア 苗の種類と形質 苗の種類は、都道府県が地帯区分ごとに定める機械移植栽培の指導指針に即し、稲 の生育期間の積算温度等地域の自然条件を十分検討した上決定すること。

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また、その種類ごとの苗形質が表4のようであることが望ましい。 表4 苗の形質 苗 の 形 質 苗の種類 葉 齢 草 丈 地上部乾物重 (苗1 本当たり) 稚 苗 2.0 ~ 2.5 10 ~ 15 ㎝ 10mg 程度 (2.0 ~ 2.5) (8 ~ 15) 中 苗 3.5 ~ 4.5 15 ~ 20 ㎝ 20 ~ 30mg 程度 (3.1 ~ 3.5) (13 ~ 20) 注 1 葉齢とは、不完全葉を除いた葉の数である。 2 短冊苗及びポット苗は、中苗に含む。 3 括弧内は、北海道などの寒地における数値である。 イ 苗の条件 (ア)苗の草丈及び葉齢が斉一であること。 (イ)苗立むらは、欠株の原因となるので、分苗植付けされた苗の1株本数が稚苗にあ っては3~5本、中苗にあっては4~5本となるように均一な苗立密度であること。 (ウ)軟弱徒長苗は、移植時に損傷苗の発生や活着不良の原因となるので、強靭な健苗 を育成することが望ましい。 (エ)田植機の1日の作業可能面積に対応する苗の必要量に合わせて苗が準備されてい ること。 ウ 栽植様式 栽植密度は、当該水田における目標収量、品種、地力、苗の種類、作期、施肥法等 の栽培条件と田植機の仕様とを勘案して決定されること。 エ 作期 (ア)安全出穂限界内の出穂の確保と苗の種類、気温、育苗方式、利用組織等の諸条件 とを勘案して、移植時期が設定されること。 (イ)移植の適期幅の拡大が図られるよう品種及び作期の組合せが考慮されていること。 オ 集団化 1集団(ほ区)若しくは集団の内が区分されている場合には、1区分(耕区)が同 一の水系に属するか、又は同一の水利慣行が行われていることが望ましい。 (4)関連機械施設条件 ア 苗運搬 苗を効率的かつ安全に運搬するための運搬車及び運搬用具(苗棚等)が田植機の能 率に合わせて準備されること。 イ 育苗施設等 移植時期及び田植機の植付能率に適応する苗の必要量が円滑に供給されるよう、育 苗施設等が設置されていること。

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ウ 格納施設等 トラクターの項に準じて整備されていること。 なお、作業ほ場への距離が長い場合は、田植機の運搬車が準備されていることが望 ましい。 1-3-3 水田用の乗用型多目的作業機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、田植、防除及び施肥作業の能率と 経済性を基準として算出した実面積である。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、長辺100m以上であって、面 積が30a以上であることが望ましい。 イ かんがい排水等 水田の水位が自由に調整できるかんがい排水の設備が整っていること。 ウ 農道 乗用型田植機の項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ほ場内での作業を円滑に行うため、作物の条間を均一に保つとともに、病害虫の防除 時期、施肥時期が著しく異ならないよう、区画のまとまりごとに作物の品種と耕種法が そろえられていることが望ましい。 (4)関連機械施設条件 ア 育苗施設等 苗の必要量が円滑に供給されるよう、育苗施設等が整備されていること。 イ 給水施設及び給水車 タンク容量、薬液吐き出し量等に見合った能力をもつ給水施設及び給水車が準備さ れていること。 ウ 格納施設等 農薬及び農薬調合用資材等の倉庫、農薬計量器、資材運搬車等が準備されているほ か、トラクターの項に準じて整備されていること。 なお、付帯施設としてシャワー室が併設されていることが望ましい。 (5)効率的かつ安全な作業の確保上の留意事項 ア 防除作業に当たっては、機械運転者等農業機械従事者の管理、機械の利用、資材の 購入、経費分担等のための管理者を置くほか、病害虫防除及び農薬についての指導者 の意見を聴くこととする。 イ 防除作業において、河川及び湖沼の水質汚濁が発生することがないよう、関係当局 との連絡を密にするとともに、被害の防除対策を講ずることとする。また、機械運転

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者等農業機械作業従事者が農薬を浴びて中毒を起こすことがないよう適正な防護具を 用意するとともに、桑園、養ほう地、草地、開花期又は収穫期の他作物のほか畜舎、 養魚池、住宅地等にも農薬が飛散して被害が発生することがないよう、被害の防止対 策をあらかじめ講ずることとする。 ウ 導入地域の地形、病害虫の発生状況等を考慮し、また、在来の防除機具及びヘリコ プターの利用等との調整を図ることとする。 1-3-4 防除用動力散布機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 ア 動力噴霧機 (ア)利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、田又は畑における防除作業の 能率と経済性を基準として算出した実面積である。 (イ)適応トラクターの大きさは、別紙3「トラクターと動力噴霧機との組合せ」を参 照すること。 イ スピードスプレヤー 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、果樹園における防除作業の能率 と経済性を基準として算出した実面積である。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、防除用動力散布機による能率的 な作業が行える程度に整備されていること。 なお、機械が進入できないほ場の場合は、走行路の間隔が、表5のように整備され ていること。 表5 散布方法と区画の形状及び大きさ 機種 類別 散 布 方 法 走行路の間隔 備 考 畦畔散布ノズル(ホースを伸ば 20 ~ 30m 有効散布幅(10 ~ 15m)の 動 さない)の使用 2 倍以内 Ⅰ 力 水平多孔ノズル、畦畔散布ノズ 200m 以内 ホースの長さ(100m 程度) ル(ホースを伸ばす)の使用 の2 倍以内 噴 畦畔散布ノズル(ホースを伸ば 30 ~ 40m 有効散布幅(15 ~ 20m)の 霧 Ⅱ さない)の使用 2 倍以内 ・ 機 Ⅲ 水平多孔ノズル、畦畔散布ノズ 200m 以内 ホースの長さ(100m 程度) ル(ホースを伸ばす)の使用 の2 倍以内 イ ほ場の傾斜 おおむね次の限度以下であること。 トラクター搭載式のものによる作業の場合 10度程度(畦立て栽培では6度程度) トラクターけん引式のものによる作業の場合 8度程度

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自走式のものによる作業の場合 15度程度 ウ 枕地の長さ ほ場内で回行する場合には、その長さはおおむね次の限度以上であること。 トラクター搭載式のものによる作業の場合 3.5m程度 トラクターけん引式のものによる作業の場合 4.5m程度 自走式のものによる作業の場合 4m程度 エ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 オ 回行路、う回路 回行路又は回行に十分な回行場所若しくはう回路が設けられていること。 なお、う回路を設けることが困難な場合には、防除機相互あるいは補助作業車両( 運搬車、補給車、給水車等)とのすれちがいの場所が設けられていること。 (3)栽培管理条件 ア 田 病害虫の防除時期が著しく異ならないよう区画のまとまりごとに作物の種類と耕種 法がそろえられていることが望ましい。 イ 畑 ブームスプレヤーを使用する場合には、条間又は畦間が斉一であること。 ウ 果樹園 (ア)立木仕立果樹園の場合は、散布作業が容易かつ安全に行えるとともに、農薬の散 布効果が上がるようその樹形が整えられていること。 (イ)棚作り果樹園の場合は、棚の高さが成熟時の果実の垂下の程度を予定して散布作 業に支障のないよう整備されているとともに、支柱、控線等が散布作業の著しい障 害とならないよう整備されていること。 (4)関連機械施設条件 ア 給水施設及び給水車 動力噴霧機又はスピードスプレヤーを使用する場合は、表6を参考として、そのタ ンク容量、薬液吐出し量等に見合った能力を持ち、かつ、作業に便利な位置にある農 薬混合槽及び給水施設(水道、水槽等)が準備されているか、又は適切な能力を持つ 給水車が準備されていること。 表6 給水施設及び給水車 機 種 給 水 施 設 給水車のタンク容量 その水源の水量は8 時間以内に防除機械 動力噴霧機、スピー のタンク 20 杯以上の量であり、その給 1,000 ~ 2,000 ㍑ ドスプレヤー 水能力は5 分以内に防除機械のタンクを 一杯にすることができるものであるこ と。 注 1 表の数値は、おおよその目安を示すものである。 2 給水車のタンク容量は、動力噴霧機及びスピードスプレヤーのほ場作業効率を 0.6、実作業率を 0.8 としておおむね1時間の連続作業が可能なものとして算出した ものである。

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イ 格納施設等 農薬及び農薬調合用資材の倉庫、農薬計量器並びに資材運搬車等が準備されている ほか、トラクターの項に準じて整備されていること。 なお、付帯施設としてシャワー室が併設されていることが望ましい。 (5)効率的かつ安全な作業の確保上の留意事項 ア 防除用動力散布機の管理運営に当たっては、機械運転者等農業機械作業従事者の管 理、機械の利用、資材の購入、経費分担等のための管理者を置くほか、病害虫防除及 び農薬についての指導者の意見を聴くこととする。 イ 防除作業において、河川及び湖沼の水質汚濁が発生することがないよう、関係当局 との連絡を密にするとともに、被害の防止対策を講ずることとする。また、機械運転 者等農業機械作業従事者が農薬を浴びて中毒を起こすことがないよう適正な防護具を 用意するとともに、桑園、養ほう地、草地、開花期又は収穫期の他作物等のほか、畜 舎養魚池、住宅地等にも農薬が飛散して被害が発生することがないよう被害の防止対 策をあらかじめ講ずることとする。 ウ 導入地域の地形、病害虫の発生状況、粉剤、粒剤、液剤使用の別等を考慮し、また、 在来の防除機具及びヘリコプターの利用等との調整を図ることとする。 1-3-5 コンバイン (1)基本方針別表の利用規模の下限 ア 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準 として算出した面積である。 イ 2以上の作目に利用する場合は、それぞれの作目についての利用規模の下限に対す る作業面積の比の値を合計したものが少なくとも1以上であることが必要であるが、 農業機械利用コストの低減を推進するため、できる限り多くの作業面積を確保するこ と。 ウ 刃幅とは最外端フィンガーの間隔をいう。ただし、回転刃式にあっては刈刃の最外 側間の距離をいう。 エ 括弧内は水稲又は麦で導入したコンバインを大豆、ソバ又はハトムギの収穫に活用 する場合の利用規模の下限であるが、この場合の水稲又は麦の作業面積はそれぞれの 利用規模の下限をおおむね確保することが望ましい。 (2)ほ場条件 ア 田 (ア)土壌の硬さ 表7の作業範囲の硬さ以上であること。

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表7 コンバインの田走行の可能判定基準 測定法 円錐貫入抵抗(kg/cm2) 矩型板沈下量(cm) 足 跡 深 さ (cm) コンバインの 最低地上 10 以下 10~20 20 以上 10 以下 10~20 20 以上 10 以下 10~20 20 以上 基準 高(㎝) 作 業 容 易 範 囲 5 以上 4 以上 3 以上 6 以下 8 以下 10 以下 2 以下 3 以下 4 以下 作 業 可 能 範 囲 3~5 2~4 2~3 6~10 8~12 10~15 2~5 3~7 4~10 作業不可能範囲 3 以下 2 以下 2 以下 10 以上 12 以上 15 以上 5 以上 7 以上 10 以上 注 1 円錐貫入抵抗値等は、トラクターの場合と同じ測定による。 2 この表は、自脱型コンバインの場合であるが、普通型コンバインの場合はその走行 方式より次のように考えてよい。 ホイール式の場合 コンバインの最低地上高 10 ㎝以下 セミ・クローラ式の場合 コンバインの最低地上高 10 ~ 20 ㎝ クローラ式の場合 コンバインの最低地上高 20 ㎝以上 (イ)区画の形状及び大きさ 区画の形状は、原則として長方形で、その大きさは、長辺が100m以上であっ て、面積が30a以上であることが望ましい。 イ 畑 (ア)区画の形状及び大きさ 原則として長方形に整備されていること。 傾斜地の場合は、作業区画の長辺が等高線に沿っていることが望ましい。 (イ)ほ場の傾斜 作業精度を平地における作業時の作業精度に保つため、おおむね次の限度以下で あることが望ましい。 等高線沿いの作業が主として行われる場合 3度程度 最大傾斜線沿いの作業が主として行われる場合 5度程度 ウ 農道等 表8のように幅員、ほ場進入路等が整備されていること。 表8 農道等 有 効 幅 員 ほ 場 進 入 路 周 辺 障 害 類 別 (路肩を除く) 進入路を必要と 進 入 路 物 の 有 無 する高低差 Ⅰ類及びⅣ 走行部の全幅 その幅員は走行部の全幅 機体の外側より 類の大豆・ より1 m以上 20cm 以上 以上であり、その形状は 0.5m 以 内 に 走 ソバ兼用機 広いことが望 進入しながら刈取りが可 行の支障となる ましい。 能なものであること。そ も の が な い こ Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・ 25cm 以上 のこう配は、12 度以下 と。 Ⅴ であること。

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(3)栽培管理条件 ア 1集団(ほ区)若しくは集団の内が区分されている場合には、1区分(耕区)が同 一の水系に属するか、又は同一の水利慣行が行われていることが望ましい。 イ 自脱型コンバインの場合は、栽植条間がコンバインの刈幅、デバイダー幅に適合し たものであること。 ウ 耐倒伏性が強く、登熟が斉一で穂揃いの良い品種を選ぶこと。また、同一品種のも のが1日の収穫面積程度に集団的に栽培されていることが望ましい。 エ 作付体系、作期、肥培管理等が適正かつ計画的に行われていること。 オ 高水分麦の収穫にあっては、品質の劣化及び乾燥調製作業の効率の低下を防止する ため、穀粒水分30%以上での収穫は極力避けるとともに、乾燥機の能力に合わせて 収穫し、収穫後は遅滞なく乾燥すること。 また、ビール大麦については、発芽勢95%以上を確保するため、穀粒水分25% 以上の時の収穫を避けるとともに、こぎ胴の回転数を落として利用すること。 カ 大豆については、特に次の点に留意すること。 (ア)欠株が少ない等草型が斉一であるとともに、栽植条間がコンバインに適合してい ること。 (イ)刈取刃の著しい摩耗又は破損のないようほ場内の石礫が除去されていること。 (ウ)雑草が繁茂していないこと。 (エ)コンバイン収穫の障害とならないよう、過度の培土はできる限り避けること。ま た、大豆の収穫にあっては、穀粒品質の劣化を防止するため、穀粒水分15~18 %での収穫が望ましい。 キ ソバについては、次の点に留意すること。 (ア)窒素の多用は、徒長と倒伏を招き収量の減少及び収穫作業効率の低下の原因とな るので注意すること。 (イ)収穫は、手刈りの場合より数日遅らせ、葉の色が黄色くなり茎の水分が十分抜け た時期に行うとともに、収穫後は遅滞なく乾燥すること。 ク ハトムギについては、次の点に留意すること。 (ア)施肥は、基肥については短稈化を図るため初期生育が確保できる程度に控えると ともに、追肥については登熟の促進、斉一化等を図るため基肥に比べ重点的に行う こと。 (イ)収穫は、おおむね子実の70~80%程度が茶褐色となった時期を目安として行 うこと。また、乾燥能力に応じた収穫作業とするとともに、収穫後は遅滞なく乾燥 すること。 (4)関連機械施設条件 ア 収穫物を速やかに乾燥施設まで運搬できるよう、運搬車又は運搬用具がコンバイン の能力に合わせて準備されていること。 イ コンバインの収穫量に見合った適正な規模の乾燥機又は乾燥施設が設置されている こと。 ウ 格納施設等が、トラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-6 ハーベスター (1)基本方針別表の利用規模の下限 ア フォーレージハーベスター (ア)利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基

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準として算出した牧草刈取りの場合の年間の延べ刈取面積である。 (イ)適応トラクターの大きさは、別紙4「トラクターとフォーレージハーベスターと の組合せ」によることとするが、一般に、傾斜地、波状地若しくは湿地における作 業の場合、降雨後の作業等走行性に影響ある場合、収量の高い畑地での利用の場合 又はハーベスターとトレーラーの同時装着方式で作業する場合には、1段上のもの を使用する。 (ウ)類別Ⅰ及びⅡはフレール型シングルカット式、類別Ⅲはフレール型ダブルカット 式とユニット型が主である。なお、類別Ⅰ及びⅡには刈取条数1条、類別Ⅲには刈 取条数2条の飼料用トウモロコシの青刈専用機を含み、類別Ⅲには拾い上げ幅1.3 m以上のピックアップアタッチメント及び刈取条数1~2条のロークロップアタッ チメントにより作業するものを含み、類別Ⅳには、拾上げ幅1.6m以上のピック アップアタッチメント及び刈取条数3条以上のロークロップアタッチメントにより 作業するものを含む。 (エ)刃幅とは牧草の青刈作業の場合の機械の最大刈取幅であり、拾上げ幅とは既に刈 り取られた牧草の拾上げ作業の場合の機械の最大拾上げ幅であり、刈取条数とは、 とうもろこし等の刈取作業の場合の機械の刈取条数である。 イ ポテトハーベスター (ア)利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基 準として算出したでん粉原料用馬鈴しょを収穫する場合の面積である。なお、括弧 内は食用の場合である。 (イ)適応トラクターの大きさは、別紙5「トラクターとポテトハーベスターとの組合 せ」によることとするが、一般に、傾斜地、波状地等における利用では、1段上の ものを使用する。 ウ ビートハーベスター (ア)利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基 準として算出した面積である。 (イ)適応トラクターの大きさは、別紙6「トラクターとビートハーベスターとの組合 せ」によることとするが、一般に、傾斜地、波状地等における利用では、1段上の ものを使用する。 (ウ)収穫作業の工程数が1行程の場合はタッピングと掘取りとの同時作業のものを、 2工程の場合はタッピングと掘取りとが分離した方式で組作業が行われるものを意 味する。 エ ビーンハーベスター 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準 として算出した面積である。 オ ケーンハーベスター (ア)利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基 準として算出した面積であり、収量、倒伏状態等作物条件によって変わることがあ る。 (イ)Ⅱ類にはさい断粗選式(脱葉・精選を別の施設で行うことを前提として刈取り・ さい断を行う方式)を含む。また、Ⅲ類にはさい断脱葉式(強制脱葉装置を備え、 刈取り・脱葉・さい断を同時に行う方式)を含む。なお、さい断式は、さい断茎の 選別を主として風選のみで行う方式をいう。 (2)ほ場条件

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ア 土壌の硬さ トラクター、ハーベスター及びトレーラー等運搬車の走行及び作業に支障がないこ と。特に田においては排水を十分に行うこと。 イ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは1作業区が大区画に整備され、か つ集団化されていること。なお、区画の長辺の長さが短辺の長さの3倍以上であるよ うに整備されていることが望ましい。 ただし、転作田にあっては、1-3-5の(2)のアの(イ)に準じて整備されて いることが望ましい。 ウ ほ場の傾斜 登坂作業及び等高線沿いの作業が主として行われる場合には、おおむね次の限度以 下であること。 フォーレージハーベスターでは 10度程度 ポテトハーベスターでは 6度程度 ビートハーベスターでは 6度程度 ビーンハーベスターでは 8度程度 ケーンハーベスターでは 5度程度 なお、それ以上の傾斜地では、降坂作業又は斜降作業が可能な程度の傾斜であるこ と。 エ ほ場内の均平等 作業の能率と精度を低下させないため作業の障害となる礫、根株、隆起岩盤等は除 去され、また、ほ場内の均平化に留意し、降雨後の雨水が停滞することがない程度に 整備されていること。特に、フレール型のフォーレージハーベスターの場合には、土 砂が混入するおそれがないようほ場が均平であること。 オ 運搬距離 収穫物の堆積場所までの運搬距離が短いことが望ましい。 カ 農道等 表9のように幅員、ほ場進入路等が整備されていること。 表9 農道等 機 種 類 別 有 効 幅 員 ほ 場 進 入 路 備 考 (路肩を除く) フォーレージ Ⅰ・Ⅱ 3.0m 以上 農道と畦畔、排水溝等と 農道のこう配、曲率半径 ハーベスター Ⅲ・Ⅳ 4.5m 以上 の高低差が、ハーベスタ については、トラクター ーのほ場への進入への妨 の場合に準ずる状態であ ポ テ ト Ⅰ 3.0m 以上 げとなる場合には、進入 ること。 ハーベスター Ⅱ 4.5m 以上 路 が 設 け ら れ て い る こ 機体外側より 0.5m 以内 と。 に走行の支障となるもの ビ ー ト Ⅰ・Ⅱ 3.5m 以上 がないこと。 ハーベスター Ⅲ ビ ー ン Ⅰ 1.5m 以上 ハーベスター Ⅱ 3.5m 以上 ケ ー ン Ⅰ・Ⅱ 3.0m 以上 ハーベスター Ⅲ 4.0m 以上

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(3)栽培管理条件 ア フォーレージハーベスター (ア)牧草 a 牧草播種時や更新時における砕土、整地等が十分に行われ、ほ場の均平化が図 られているとともに、トラクターの車輪跡が残らない程度に鎮圧されていること。 b 収穫時期が競合しないよう草種、品種を選定し、収穫期間が長期となるような 作付計画が立てられていること。 (イ)飼料用青刈りとうもろこし a 飼料用青刈りとうもろこしの畦幅は、ロークロップ用の機械幅に合わせられて おり、各畦幅が斉一であること。 b 耐倒伏性の強い品種が選定されていること。 c 損失を防止するため、培土はできるだけ避け平畦栽培とすること。また、ロー クロップ用のものを使用する場合は、収穫時の障害とならないよう、雑草が除去 されていることが望ましい。 イ ポテトハーベスター (ア)雑草のうち特に強剛な生育を示すものは、収穫時の障害とならないよう除去され ていることが望ましい。 (イ)省力化と打ぼく損傷を少なくするため、石礫があらかじめ除去されていることが 望ましい。 (ウ)北海道において秋播き小麦と輪作を行う場合には、小麦のほ場整地期間を考慮し て収穫時期を定める必要がある。 ウ ビートハーベスター (ア)雑草は収穫時の障害とならないよう除去されていることが望ましい。 (イ)作物の生育が揃っていること。 (ウ)タッピングと掘取りが分離した2工程で作業が行われる場合は、タッピング後早 めに収穫することが望ましい。 エ ビーンハーベスター (ア)欠株が少ない等草型が斉一であるとともに、栽植条間がハーベスターの刈幅に適 合していること。 (イ)刈取刃の著しい磨耗又は破損のないようほ場内の石礫等が除去されていること。 (ウ)雑草が繁茂していないこと。 (エ)裂きょうに注意して、作業時期及び作業時刻を選定すること。 (オ)機械収穫の障害とならないよう、過度な培土はできる限り避けること。 オ ケーンハーベスター (ア)条間は次の長さを標準とすること。 類別Ⅰでは 140cm以上 類別Ⅱでは 120cm以上 類別Ⅲでは 130cm以上 なお、畦幅及び畦高さが機械収穫に適した寸法であり、また、畦間は作業に支障 のないよう均一で直線であり、畦頂及び畦底は凹凸がなく一定であること。

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(イ)培土等さとうきびの倒伏防止のための対策が講じられていること。 (ウ)類別Ⅰ及びⅡにあっては、雑草、枯死茎、そ害茎及び枯葉等収穫時の作業の障害 となるものについては事前に除去されていること。また、類別Ⅲにあっては、ほ場 内外に樹木電柱等その稼働に障害となるものがないこと。 なお、夾雑物の増加等を防止するため、病害虫、野ねずみ等の駆除対策を徹底す ること。 (エ)梢頭部の高さが倒伏等により不揃いの場合には、収穫前に梢部分が除去されてい ることが望ましい。 (オ)栽培型、植付時期及び品種等が揃えられ、集団的に栽培されていること。 (4)関連機械施設条件 ア ケーンハーベスターの類別Ⅰを使用するときは、ほ場内運搬車及び脱葉機を、類別 Ⅱを使用するときは、専用の収納袋及び搬出機を、類別Ⅲを使用するときは、ほ場内 運搬車を併置すること。 イ 格納施設等が、トラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-7 いも類用の乗用型収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 ア 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準 として算出した面積である。 イ 2以上の作目に利用する場合は、それぞれの作目についての利用規模の下限に対す る作業面積の比の値を合計したものが少なくとも1以上であることが必要であるが、 農業機械利用コストの低減を進めるため、できる限り多くの作業面積を確保すること。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行 える程度に区画整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア いもの洗浄、調製のための機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。

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(5)効率的かつ安全な作業の確保上の留意事項 ア いも運搬用のトラックの調達が可能な体制を整えること。 イ ほ場への進入路は、安全を確保すること。 1-3-8 野菜接ぎ木ロボット (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、苗の接ぎ木作業の能率と経済性を 基準として算出した面積である。 (2)関連機械施設条件 ア 野菜接ぎ木ロボット及び植付けポット自動搬送装置等関連機械施設が能率的な作業 が行えるように配置されていること。 イ 順化施設が作物に見合った性能を有すること。 (3)野菜接ぎ木ロボット設置の際の留意事項 ア 設置場所から順化場所までの路面は、植付ポット運搬台車等が走行可能な広さで、 十分な強度を有すること。 イ 穂木及び台木は苗箱に入れ、接ぎ木の直前まで萎えないようにビニールフィルム等 で保護し湿度を保つこと。 (4)接ぎ木作業上の留意事項 ア 穂木及び台木は、接ぎ木適期のもので大きさ、形状等が適正であり、かつ、効率的 に作業ができるよう育苗箱等で育苗すること。 イ 接ぎ木用のクリップは、野菜接ぎ木ロボット専用のもので、破損、ずれ等の異常の ないものを用い、かつ、必要に応じ消毒して使用すること。 1-3-9 野菜用の乗用型全自動移植機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、移植作業の能率と経済性を基準と して算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞ れの作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、移植機による能率的な作業が行え る程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね10度以下の傾斜であり、等高線沿いの作業が主として行われる場合には おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。

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(3)栽培管理条件 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア 苗の必要量が円滑に供給されるよう、育苗施設等が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-10 野菜用の乗用型多目的作業機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、中耕・培土、防除及び施肥作業の能 率と経済性を基準として算出した実面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規 模の下限は、それぞれの作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、野菜用の乗用多目的作業機による 能率的な作業が行える程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね10度以下の傾斜であり、等高線沿いの作業が主として行われる場合にはお おむね5度以下の傾斜であること。 ウ 枕地の長さ ほ場内で回行する場合には、その長さはおおむね2.5m程度以上であること。 エ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア 給水施設及び給水車 タンク容量、薬液吐出し量等に見合った能力を持つ給水施設及び給水車が準備されて いること。 イ 格納施設等 農薬及び農薬調合用資材等の倉庫、農薬計量器、資材運搬車等が準備されているほか、 トラクターの項に準じて整備されていること。 なお、付帯施設としてシャワー室が併設されていることが望ましい。 (5)効率的かつ安全な作業の確保上の留意事項 ア 防除作業に当たっては、機械運転者等農業機械従事者の管理、機械の利用、資材の購

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入、経費の分担等のための管理者を置くほか、病害虫防除及び農薬についての指導者の 意見を聴くこととする。 イ 防除作業において、河川及び湖沼の水質汚濁が発生することがないよう、関係当局と の連絡を密にするとともに、被害の防除対策を講ずることとする。また、機械運転者等 農業機械作業従事者が農薬を浴びて中毒を起こすことがないよう適正な防護具を用意す るとともに、桑園、養ほう地、草地、開花期又は収穫期の他作物のほか畜舎、養魚池、 住宅等に農薬が飛散して被害が発生することがないよう、被害の防止対策をあらかじめ 講ずることとする。 ウ 導入地域の地形、病害虫の発生状況等を考慮し、また、在来の防除器具の利用等との 調整を図ることとする。 1-3-11 キャベツ用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準とし て算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞれの 作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行え る程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア 収穫物の選別等の出荷施設が整備されていること。 イ 生食用の他、加工用に出荷できる体制が整えられていることが望ましい。 ウ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-12 だいこん用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準と して算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞ れの作目についての作業面積の和となる。

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(2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行 える程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設の条件 ア だいこんの洗浄及び調製のための機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-13 にんじん用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準と して算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞ れの作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行 える程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア にんじんの洗浄、調製のための機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。

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1-3-14 ねぎ用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準とし て算出した面積である。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行 える程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア ねぎの調製のための機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-15 はくさい用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準とし て算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞれの 作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行え る程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。

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(4)関連機械施設条件 ア 収穫物選別等の出荷施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-16 ほうれんそう用の収穫機 (1)基本方針別表の利用規模の下限 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準とし て算出した面積である。なお、一年二作に利用する場合の利用規模の下限は、それぞれの 作目についての作業面積の和となる。 (2)ほ場条件 ア 区画の形状及び大きさ 区画の形状は原則として長方形で、その大きさは、収穫機による能率的な作業が行え る程度に整備されていること。 イ ほ場の傾斜 おおむね5度以下の傾斜であること。 ウ 農道 トラクターの項に準じて整備されていること。 (3)栽培管理条件 ア 作物の生育が斉一であること。 イ 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 (4)関連機械施設条件 ア ほうれんそうの洗浄、調製のための機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等がトラクターの項に準じて整備されていること。 1-3-17 飼料作物用の収穫機(稲、とうもろこし及び牧草の収穫が可能なもの) (1)基本方針別表の利用規模の下限 ア 利用規模の下限は、おおよその目安を示すもので、収穫作業の能率と経済性を基準 として算出した面積である。 イ 2以上の作目に利用する場合は、それぞれの作目についての利用規模の下限に対す る作業面積の割合の値を合計したものが少なくとも1以上であることが必要であるが、 農業機械利用コストの低減を推進するため、できる限り多くの作業面積を確保するこ と。 (2)ほ場条件 ア 田 (ア)土壌の硬さ 走行及び旋回の支障がないこと。また、排水を充分行うこと。走行の可能判定基準 については表7のコンバインの田走行の可能判定基準を参考にする。ただし、接地圧

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がコンバインと異なることに注意を要する。 (イ)区画の形状及び大きさ 区画の形状は、原則として長方形で、その大きさは、長辺が100m以上であっ て、面積が30a以上であることが望ましい。 イ 畑 (ア)区画の形状及び大きさ 原則として長方形に整備されていること。傾斜地の場合は、作業区画の長辺が等 高線に沿っていることが望ましい。 (イ)ほ場の傾斜 作業精度を平地における作業時の作業精度に保つため、おおむね次の限度以下で あることが望ましい。 等高線沿いの作業が主として行われる場合 3度程度 最大傾斜線沿いの作業が主として行われる場合 5度程度 なお、傾斜地では、ロールベール放出の際に坂下方向へ転がらないように配慮す る必要がある。 ウ 農道等 表10のように幅員、ほ場進入路等が整備されていること。 表10 農道等 有 効 幅 員 ほ 場 進 入 路 周 辺 障 害 ( 路 肩 を 除 物 の 有 無 く。) 走行部の全幅 その幅員は走行部の全幅以上であり、その 走行及び旋回の より1 m以上 形状は進入しながら刈取りが可能なもので 支障となるもの 広いことが望 あること。そのこう配は、12 度以下であ がないこと。 ましい。 ること。 (3)栽培管理条件 ア 稲 a 作物の生育が斉一であること。 b 機械の走行に適した畝幅又は条間を確保すること。 イ とうもろこし a 畦幅が、ロークロップ用の機械幅に合わせられており、各畦幅が斉一であること。 b 耐倒伏性の強い品種が選定されていること。 c 土等の混入を避けるため、培土はできるだけ避け平畦栽培とすること。また、 収穫時の障害とならないよう、雑草が繁茂していないことが望ましい。 ウ 牧草 a 牧草播種時や更新時における砕土、整地等が十分に行われ、ほ場の均平化が図 られているとともに、トラクターの車輪跡が残らない程度に鎮圧されていること。

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(4)関連機械施設条件 ア ベールグラブなど当該収穫機によって成形されたロールベールを移動させるため の機械施設が整備されていること。 イ 格納施設等が、トラクターの項に準じて整備されていること。 1-4 その他の事項 1-4-1 特定高性能農業機械の導入及び利用に関する事項 (1)特定高性能農業機械の利用に関する技術の研修及び指導に関する事項 農業機械作業従事者に対し必要な研修、講習等を行うことにより特定高性能農業機械の利用 技能の向上を図るため、①研修ニーズに対応した研修計画の策定及び研修の実施、②技能認定 を受けたオペレーターの活用及び③農業者の経営改善に必要な機械化情報の適切な提供を図る こととされているが、都道府県における運用に当たっては、次によるものとする。 ア 農業情勢の変化、農業機械化の進展等に即し、農業者に対する新技術の習得、技能の向上 等の適切な研修を計画的に実施するとともに、研修の内容によっては、民間企業、農業団体 等研修機関施設との連携・分担に努めるものとする。 イ 農業機械化の推進に当たっては、アの研修を終了し、特定高性能農業機械等の利用技能を 有する者と認められた農業機械士等を地域農業の担い手として、特に農業機械の共同利用を 推進する場合には、その管理者等として位置付ける等その技能を活用するものとする。なお、 農業機械士等の養成については計画的に行うものとし、技能認定に当たっては別紙7に準ず るものとする。 ウ 農業者の経営改善に必要な機械化情報として、新しい機械の開発状況、農業機械の賃貸事 業者及びその事業内容、標準化された機械化栽培様式、中古機械情報、部品供給リスト、修 理整備施設体制等の情報を円滑に供給できるよう、その体制の整備に努めるものとする。 (2)特定高性能農業機械の導入及び利用に際して留意すべき事項 特定高性能農業機械の導入及び利用に際しては、生産コストの縮減及び農作業安全の確保の 観点から、次の点に留意するものとする。 ア 農業機械の燃料消費量の低減のための適正な点検整備及び作業方法を示した「農業機械の 省エネ利用マニュアル」の普及促進を通じて、農業機械の省エネルギー利用を推進するもの とする。 イ ほ場の面的集積は、ほ場間の移動時間の短縮が農業機械の効率的な利用体制の構築の観点 から重要であるため、地域の担い手等への農地や作業等の集積に当たっては、ほ場の集積に 留意するものとする。 ウ 作物及び品種の組合せや作期分散技術の導入により、農業機械の稼働日数を拡大する場合、 「品目別生産コスト縮減戦略」等を参考として、集中している作業の分散をねらった結果、 他の作業が集中してしまうことがないように留意して進めるものとする。 エ 効率的かつ安全な農作業を実施する観点から、1-4-2に留意し、農業機械による農作 業環境(農道、ほ場等)の改善等を推進するものとする。

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1-4-2 農作業の安全の確保に関する事項 農作業における機械利用が一般化する一方で、農業就業人口に占める女性、高齢者の割合が増え、 高齢者等が農業機械による作業を行う機会が多くなっている。こうした中、特に高齢者による農作 業事故の増加が顕著となっていることから、事故の発生実態等を踏まえた効果的な農作業安全対策 の推進を図る必要がある。 このため、①型式検査に合格し、又は安全鑑定基準に適合した機械の導入並びにこれらの機械の 適正な利用及び管理、②地域の実情に応じた農業者及び関係者の一体的な農作業安全推進体制の構 築、③農道、ほ場等の農作業環境の点検及び速やかな危険箇所の改修の実施、④女性及び高齢農業 者を含む地域の農業者による、地域の実情に応じた機械作業の役割分担の明確化、⑤個々の農業者 の農作業安全に係る知識及び機械操作技術のレベル並びに農作業事故の発生状況等に応じた研修・ 講習会の実施による安全意識の啓発、⑥道路交通及び雇用労働者の保護に関する関係法令等の周知 徹底を重点事項として、次のような取組の推進を図っていく必要がある。 (1)農業機械の導入に当たっては、乗用型トラクターの安全キャブ・フレームをはじめとして、 事故の防止や事故時の被害軽減に大きな効果のある安全装置等が装備された型式検査合格機や 安全鑑定適合機から選択されるよう指導する。 また、安全性能に優れた機械であっても、日頃の点検整備や管理が不十分な場合には、思わ ぬ不具合が発生し、事故につながることもあることから、日常的な点検に加えて農業機械の整 備等に関して一定の技術を有する者(別紙8の2の農業機械整備施設設置基準(2)の①のア からオまでで示された者)等による定期的な整備の実施等、適切な管理の励行を図るものとす る。 (2) 事故防止のためには、農業者自身が高い安全意識を持って作業に当たることが不可欠であ る。このため、都道府県や市町村等の各地域段階において、地域の農作業の特徴や事故発生の 実態を踏まえた、農作業安全のための指針を策定し、その周知徹底を図る等、農業者に対する きめ細かい安全指導・啓発のための取組を行うとともに、こうした取組が効果的に行えるよう、 行政機関のみならず、農業機械の流通・利用等に係る関係機関等との連携強化に向けた体制の 整備を図るものとする。 (3)農業機械による事故は、機械、作業者、作業環境の3つの要因が相まって発生するものとさ れている。このため、ヒヤリ・ハット情報の収集等により危険箇所を適切に把握し、地域内の 危険箇所、事故多発箇所を示した危険マップの作成・配布等を通じてその周知を図るとともに、 農道、ほ場等における危険箇所の改善・整備に努めることとする。また、道路上での追突事故 等防止に有効な低速車マーク等の危険回避資材の農業機械への装着を指導するとともに、労働 負荷が軽減された働きやすい作業環境の整備が、事故の未然防止につながることから、安全で 快適な農作業現場の構築に向けて、取組を強化するものとする。 (4)女性や高齢者による農業機械による作業が増加する実態を踏まえ、それぞれの作業経験や体 格、体力等に応じた安全な機械操作に関する指導体制の整備を図るものとする。特に高齢農業 者では、加齢による心身機能(視力、聴力、判断力等)の低下等を原因とする事故の発生が多く

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なっており、複数人での作業実施、緊急連絡用の携帯電話の所持等、事故被害を少なくする取 組を地域の実情に合わせて推進する必要がある。今後、定年帰農者の増加等によりさらなる高 齢化の進展が見込まれることから、高齢者の安全意識啓発に向けた取組の充実・強化を図るも のとする。 (5)経営面積の拡大等により、乗用型農業機械による道路走行の機会が多くなることから、農業 機械が関係する交通事故が増えていることから、道路交通の安全等を目的とする道路運送車両 法、道路交通法等の周知及びその順守を徹底する。また、農業経営における法人化の進展等に 伴い、雇用労働者の割合が増加していることから、雇用労働者の安全確保等を義務付けた労働 安全衛生法等関係法令の周知・徹底により、雇用労働者の農作業事故の防止を図るものとする。 (6)(1)から(5)までの取組の効率的な実施のためには、農作業事故の発生実態や原因を迅 速かつ正確に把握することが不可欠であることから、様々な情報源を活用して、詳細な事故情 報の収集・分析に努めるとともに、それらの情報の効果的な発信により、農業者の安全意識の 啓発等に活用するものとする。 1-4-3 流通体制の整備に関する事項 高性能農業機械の開発・実用化に際しては、農業機械の販売整備業における販売方法の改善等 流通の合理化を図り、機械の円滑な導入を可能にする必要がある。また、コストの低減に資する 中古農業機械についてはその有効活用のため円滑な流通を図る必要がある。 このため、①海外展開等を通じた効率的な農業機械の供給及び農業経営の規模等に応じた農業 機械の選択に資する情報の提供、②生産コストの縮減等の観点を踏まえたリース方式、レンタル 方式等の多様な導入方式の活用、③中古農業機械の流通に関する情報提供、中古農業機械を整備 する者の養成及び中古農業機械の評価に関する研修の実施並びに④長期にわたる補修部品の安定 供給の指導、農業機械修理整備施設の適切な整備及び農閑期の定期点検の実施を図ることことと されているが、都道府県における運用に当たっては、次によるものとする。 (1)農業機械は、機能や装備により価格が大きく異なっており、農業機械費の低減の観点から、 農業経営の状況等に応じ、機能を絞った低価格な農業機械の選択を推進するものとする。特に、 海外展開等を通じて生産されている農業機械は、機能を絞った低価格なものとなっているため、 農業機械の選択肢を広げる観点からも流通業者に対し、これらの低価格な農業機械の情報提供 に努めるよう指導するものとする。 (2)生産コストの縮減、特に農業機械費の低減の観点から、流通業者に対し、機械の購入、リー ス方式又はレンタル方式による借入れなど、機械の導入方式に関する情報提供に努めるよう指 導するものとする。 (3)機械の長期利用によるコストの低減及び資源の有効利用の観点から、中古農業機械の活用を 図ることが重要であるが、農業者等の適切な農業機械の導入に資するため、中古農業機械の所 在、機種、価格等に関する情報等の提供を行うとともに、農業機械の修理・整備業者の整備・ 評価技能の向上を目的とした研修を別紙8の1に留意の上実施するよう努めるものとする。

参照

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