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2020 年7月 10 日号
<特集> 新型コロナウイルス対策 (第4弾)
< 巻 頭 言 > 新 型 コ ロ ナ 対 策 と 地 区 労 運 動 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「 壊 さ れ た 公 共 を 取 り 戻 す 、 公 共 を 創 る 」 社 会 運 動 を ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 業 務 再 開 と 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 の 予 防 対 策 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 中 央 最 低 賃 金 審 議 会 が ス タ ー ト ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ < 本 の 紹 介 > 鳥 井 一 平 著 「 国 家 と 移 民 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ < 本 の 紹 介 > 高 橋 均 著 「 競 争 か 連 帯 か 」・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・労運研レポート
No.73
●Mailmagazine
月
刊
■ 発 行 ・ 労 働 運 動 研 究 討 論 集 会 実 行 委 員 会 (労 運 研 ) 〒105-0014 東京都港区芝 2-8-13 KITA ハイム芝 301 全国一般全国協気付 ■ 発 行 責 任 者 ・ 伊 藤 彰 信 ■ http://rounken.org/ ■ 郵 便 振 替 00130-7-360171 労 働 運 動 研 究 討 論 集 会 実 行 委 員 会 ■ ゆ う ち ょ 銀 行 018(店 名 ) 普 0673522 労 働 運 動 研 究 討 論 集 会 実 行 委 員 会 ■ 電 話 ・ FAX 03-3894-6620 ■ mail [email protected]松 本 耕 三 2P 白 石 孝 4P 飯 田 勝 泰 9P 事 務 局 13P 事 務 局 15P 事 務 局 16P
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小 名 浜 地 区 労 の 新 型コ ロ ナ ウ イ ル ス 問 題 に つ い て の 取 り 組 み
小 名 浜 地 区 労 が 、 新 型 コ ロ ナ 問 題 を 取 り 上 げ た の は 3 月 に 入 っ て か ら で あ る 。 地 区 労 の 機 関 紙「 み さ き 」で 、「 新 型 コ ロ ナ 問 題 で の 不 利 益 扱 い を さ せ な い た め の 労 使 協 定 の 締 結 」の キ ャ ン ペ ー ン を 行 っ て き た 。 小 名 浜 地 区 労 は 、 6 割 の 組 合 員 が 運 輸 業 、 製 造 業 に 従 事 し て い る 。 運 輸 関 係 労 働 者 は 、 休 み が な い ど こ ろ か む し ろ 作 業 が 増 え て い る 。 港 湾 も ト ラ ッ ク も 感 染 を 恐 れ な が ら の 仕 事 が 続 い た 。 製 造 業 は も っ と 大 変 で あ る 。地 区 労 の 製 造 業 関 係 組 合 の 多 く が 下 請 け 企 業 で あ り 、「 下 請 け の う ち か ら 初 め て の 感 染 者 が 出 た ら 、 下 請 け は 切 ら れ て し ま う 」 と の 危 機 感 で 、 コ ロ ナ 対 策 は 労 働 者 の 人 権 も 何 も あ っ た も の で は な い 。 強 制 的 に 休 ま さ れ る こ と や 、 少 な い 人 員 で の 作 業 が 強 制 さ れ る こ と が 頻 発 し た 。 地 区 労 は 、 4 月 1 日 の 「 み さ き 」 で 「 コ ロ ナ 問 題 で の 雇 用 、 賃 金 化 カ ッ ト = ど う す る ? 」 と し て 地 区 労 働 相 談 窓 口 を 開 設 し た こ と を 掲 載 し た 。 し か し 、 前 述 通 り 小 名 浜 地 区 労 傘 下 の 組 合 は 、 ト ラ ッ ク ・ 港 湾 、 そ し て 製 造 業 の 工 場 下 請 け 企 業 の 職 種 な の で 、 事 業 縮 小 よ り 「 休 め な い 」 と い う 実 態 だ っ た の で 、 組 合 の 課 題 は 、 む し ろ 、 職 場 実 態 の 改 善 に 関 す る 相 談 が 主 だ っ た 。 現 在 の 地 区 労 の 役 員 は 大 き く 世 代 交 代 し て お り 、 ス ト ラ イ キ も シ ビ ア な 団 交 も 経 験 し て い な い 者 が ほ と ん ど で 、 組 合 の 機 関 運 営 、 団 体 交 渉 の 仕 方 な ど の 指 導 が 地 区 労 の 主 要 な 仕 事 な の で あ る 。 今 回 も 、「 ど う や っ て 特 別 休 暇 を 会 社 に 納 得 さ せ る の か 」「 ど う い う 話 で 切 り 出 せ ば い い の か 」 と い っ た こ と に つ い て の 相 談 が ほ と ん ど だ っ た 。 交 渉 の 進 め 方 と し て 、「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 は 、業 務 継 続 が 出 来 な く な る な ど 、む し ろ 企 業 に と っ て 大 き な 問 題 」で あ る こ と を 強 調 す る こ と 。ま た 、「 中 途 半 端 に 賃 金 を 減 額 し た り す る と 、 感 染 の 疑 い が あ っ て も 出 社 し 、 ク ラ ス タ ー の 要 因 に な る 」 こ と を 、 職 場 感 染 防 止 対 策 の 徹 底 の た め に は 「 賃 金 の 引 き 下 げ は マ イ ナ ス 」 で あ り 、 不 利 益 扱 い を 認 め な い 交 渉 を 進 め る こ と と し た 。 地 区 労 と し て は 、 労 働 者 の 権 利 よ り む し ろ 企 業 が 受 け 入 れ や す い テ ー マ を 前 面 に 押 し 出 し た 交 渉 の 仕 方 を 指 導 し た 。と こ ろ が こ の 交 渉 で 結 構 進 展 が あ り 、若 い 活 動 家 に は 好 評 だ っ た 。 か な り の 組 合 で 「 コ ロ ナ 休 暇 」 協 定 化 を 実 現 し た が 、 問 題 は PCR 検査が十分に行われてい な い こ と で あ る 。 や は り 、 罹 患 者 と の 接 触 を 避 け る 対 策 と 検 査 の 徹 底 は 一 体 と し て 取 り 組 ま な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 交 渉 の 中 で は 、 企 業 側 か ら も 政 府 や 東 京 都 な ど の 事 業 者 支 援 の や り 方 に 不 満 が 出 て<巻頭 言>
新型コロナ対策と地区労運動
=小名浜地区労の闘い=
松 本 耕 三 ( 小 名 浜 地 区 労 議 長 代 行 )3 い た 。 東 日 本 大 震 災 の 時 は 、 当 時 の 民 主 党 政 権 が 震 災 か ら 時 を 置 か ず に 、「 雇 用 調 整 助 成 金 」 の 対 応 を 決 定 し た 。 企 業 側 も 、 震 災 の 時 、 小 名 浜 地 区 労 が 「 雇 用 調 整 助 成 金 」 を 活 用 し 、 か な り の 数 の 事 業 者 の 救 済 を し て き た こ と を 知 っ て い る 。 そ し て 、 今 回 の 安 倍 、 小 池 が や る べ き 救 済 策 は 、 最 も 負 担 に な る 人 件 費 を 真 っ 先 に 救 済 す べ き な の だ と 言 っ て い る 。 地 区 労 と し て は 、「 コ ロ ナ 休 暇 」の 協 定 交 渉 を 、安 倍 政 権 の 愚 策 を 暴 露 す る た た か い に つ な げ て い く こ と を 目 指 し て き た 。
小 名 浜 地 区 労 、 解 散反 対 の 三 つ の 方 針
地 区 労 の 組 織 は 現 在 2 4 組 合 1 1 2 0 名 で 構 成 し て い る 。 1 0 0 名 を 超 え る 組 合 員 は 全 港 湾 と 市 職 労 、 生 協 病 院 労 組 の 3 組 合 だ け で 、 平 均 組 合 員 数 は 4 7 名 、 半 数 以 上 の 1 3 組 合 は 10 名程度の組員で・文字通り中小労組の共闘組織である。 し か し 、 小 名 浜 地 区 労 も 全 国 の 多 く の 地 区 労 と 同 じ く 、 1 9 8 0 年 代 後 半 か ら 1 9 9 0 年 代 、連 合 結 成 の 前 後 で 地 区 労 解 散 の 圧 力 を 経 験 し て き た 。小 名 浜 地 区 労 は 、「 ① 中 小 組 合 対 策 の 強 化 、 ② 政 党 支 持 で の 分 裂 を 避 け る 、 ③ 拠 点 組 合 を 確 保 す る 」 の 三 つ の 方 針 で 地 区 労 解 散 反 対 、 地 区 労 の セ ン タ ー 化 反 対 、 地 区 労 の 存 続 を た た か い 、 今 日 に 至 っ て い る が 、 当 時 1 8 0 0 名 の 組 織 は 1 1 2 0 名 と な っ て い る 。も っ と 攻 勢 的 に 拡 大 し て い か ね ば な ら な い の だ が 、 情 け な い 限 り で あ る 。 私 た ち の 地 区 労 存 続 問 題 で の 主 張 の よ り ど こ ろ は 、 全 民 労 協 の 「 基 本 構 想 」 に 対 す る 「 ① 春 闘 の 発 展 継 承 、 ② 反 自 民 、 全 野 党 共 闘 、 ③ 選 別 排 除 の 否 定 、 ④ 中 小 未 組 織 の 組 織 化 、 ⑤ 企 業 主 義 の 克 服 」 と い う 五 項 目 補 強 見 解 だ っ た 。 し か し 、 そ の ま ま で は 組 合 員 の 結 集 を 図 る こ と は で き な い 。 補 強 見 解 を 現 場 に 生 か す 意 味 で 三 つ の 方 針 で 取 り 組 ん だ 。 ① 中 小 対 策 の 強 化 当 時 、 中 小 労 組 は 「 連 合 の 産 別 加 盟 」 に 対 し 、 単 位 組 合 は ど う し て い け ば い い の か と い う 不 安 を 持 っ て い た 。「 地 区 労 が 面 倒 見 る 」と い い き っ て 、中 小 労 組 の 結 集 を 図 っ た 。し か し 言 葉 だ け で は な く ど れ だ け 実 行 す る か 、 ど れ だ け 見 え る 行 動 を す る か が す べ て で 、 地 区 労 活 動 の 大 半 を 中 小 組 合 と の 付 き 合 い に 費 や し た 。 争 議 対 策 、 学 習 会 だ け で な く 、 旗 開 き 、 メ ー デ ー 前 夜 祭 や 春 闘 学 習 会 を 兼 ね た 懇 親 会 も 中 小 労 組 の 視 点 で 企 画 し た 。 地 区 労 存 続 の 原 動 力 は 、 産 別 に 加 盟 し て い な い 単 位 の 中 小 労 組 が 前 面 に 出 て 、 大 会 議 論 を 乗 り 切 っ た 。 ② 政 党 支 持 で の 分 裂 を 避 け る 結 論 か ら 言 え ば 、 政 党 支 持 の 自 由 で は な く 複 数 政 党 支 持 と い う 方 針 を 取 っ た 。 第 一 に 共 産 党 排 除 を し な い こ と 。 第 二 に 、 市 職 労 、 県 職 労 に と っ て 選 挙 闘 争 は 重 要 で あ り 、 自 治 労 の 協 力 を 確 保 す る に は 、選 挙 闘 争 を わ き か ら 支 え る 地 区 労 の 集 票 能 力 が 重 要 だ と 判 断 し た 。「 政 党 支 持 の 自 由 」 は 選 挙 闘 争 を 弱 め て し ま う と 判 断 し 複 数 政 党 支 持 の 方 針 を と っ た 。 具 体 的 に は 、 1 9 9 1 年 か ら 社 会 党 、 共 産 党 の 議 員 を 推 薦 し 、 議 長 は 推 薦 候 補 す べ て に 顔 を 出 し 、 執 行 部 は 自 ら の 組 織 の 推 薦 議 員 の 選 挙 闘 争 を た た か う こ と と し た 。 こ れ に よ り 、 総 評 時 代 同 様 の 集 票 能 力 が 維 持 で き た た め 、 各 政 党 と の 関 係 も 良 好 で 、 地 区 労 の 分 裂 を 最 小 限 に 食 い 止 め ら れ た と 思 う 。4 ③ 拠 点 組 合 の 確 保 忘 れ ら れ が ち な の だ が 、 地 区 労 運 動 の カ ギ は 拠 点 組 合 だ と い う こ と で あ る 。 5 0 年 代 の 地 区 労 運 動 の 拡 大 の 背 景 に は 必 ず 拠 点 の 大 手 組 合 の 存 在 が あ る 。 小 名 浜 地 区 労 も 合 化 労 連 傘 下 の 組 合 が 、人 も 金 も 場 所 も 出 し て き た 。そ こ が 地 区 労 か ら 脱 退 す る こ と は 、地 区 労 運 動 の 金 、 人 、 事 務 所 に 不 可 欠 な 拠 点 組 合 が な く な っ て し ま う 。 そ れ は 、 地 区 労 に と っ て 「 運 営 が で き な い=解散」という圧力だったのである。 地 区 労 存 続 を め ぐ る 攻 防 は 、 拠 点 労 組 を ど う 作 る か と な っ た 。 次 の 拠 点 組 合 と し て 期 待 さ れ た 全 港 湾 小 名 浜 支 部 は 、 か な り の 職 場 討 議 の 上 、 小 名 浜 地 区 労 の 拠 点 と し て 頑 張 る こ と を 決 定 し た 。 そ の こ と が 地 区 労 存 続 の た め の 、 最 後 の 切 札 と な っ た 。 地 区 労 解 散 の 攻 防 か ら 2 0 年 が た っ た 。 い ず れ に し て も 、 労 働 運 動 を め ぐ る 攻 防 は 現 在 進 行 中 で あ り 、現 在 の 状 態 は 守 勢 で あ り 、こ の ま ま で は 労 働 運 動 の 再 生 を 望 む べ く も な い 。「 も っ と 大 き く 、 も っ と 多 く 、 そ し て も っ と 躍 動 的 で 戦 闘 的 に 」 を 目 指 し て 、 攻 勢 的 な 運 動 作 り を 意 識 し て 頑 張 り た い 。
「 新 型 コ ロ ナ 災 害 緊急 ア ク シ ョ ン 」 = 横 断 的 ネ ッ ト ワ ー ク で発 足
「 死 に た く な い け ど 死 ん で し ま う 」 と SOS を 発 し た 相 談 者 の も と に 飛 ん で い き 、 反 貧 困 さ さ え あ い 基 金 な ど 民 間 基 金 で 、 い の ち を 繋 ぎ な が ら 住 ま い の 確 保 ま で 支 援 し て い る 現 状 、 社 会 が こ れ ま で 生 活 保 護 バ ッ シ ン グ を し て 来 た せ い で 、 必 要 な 人 に 生 活 保 護 が 届 か な い 現 状 、 公 的 支 援 が 受 け ら れ な い 外 国 人 の 窮 状 な ど 、 現 場 で 当 事 者 の 窮 状 を 聞 き 、 わ ず か な 力 で お こ な う「 ギ リ ギ リ の い の ち を 繋 ぐ 」、そ の 現 場 で 起 き て い る 事 実 を 感 じ 取 り 、政 策 に 生 か す 。施 策 を 変 え る こ と が 重 要 で す 。 生 活 困 窮 者 支 援 の 現 場 は 、 ず っ と 野 戦 病 院 の よ う な 状 態 で 、 民 間 が ボ ラ ン テ ィ ア で で き る キ ャ パ を と っ く に 超 え て い て 支 援 崩 壊 は 目 前 で す 。 反 貧 困 緊 急 さ さ え あ い 基 金 ( 中 間 集 計 ) へ の 寄 付 金 は 1,259 名 の 皆 さ ん か ら 54,616,323 円 が 集 ま り 、 既 に 10,717,000 円 が SOS を 頂 い た 方 々 に 現 金 給 付 さ れ て い ま す 。 71 人 、 1,590,000 円 が 反 貧 困 ネ ッ ト ワ ー ク や 他 団 体 か ら の 緊 急 宿 泊 費 + 生 活 費 給 付 で し た 。 特 徴 は 以 下 の と お り で す 。 〇 所 持 金 が 千 円 を 切 っ た 状 態 で の SOS が 多 い 。 20 代 ~ 40 代 が 多 い 。 〇 以 前 か ら 、 ネ ッ ト カ フ ェ な ど で 暮 ら し 、 日 雇 い や ス ポ ッ ト 派 遣 で 収 入 を 得 て い た が 、 コ ロエッセンシャルワーカーの格差を解消し
「壊された公共を取り戻す、公共を創る」社会運動を
白 石 孝 (NPO 法人官製ワーキングプア研究会理事長、 荒 川 区 職 労 元 書 記 長 )5 ナ で 収 入 が 途 絶 え 、 路 上 で 生 き る し か な い 。 ア パ ー ト を 借 り る 費 用 が な い 、 と い う 事 例 が 続 発 し た 。 〇 社 員 寮 に 入 っ て い た が 、 雇 用 を 打 ち 切 ら れ 、 退 寮 さ せ ら れ た 。 特 に 風 俗 業 、 観 光 業 に 目 立 つ 。 〇 親 か ら の 虐 待 か ら 逃 げ て 「 住 ま い 」 に 困 っ て の SOS が 複 数 届 い て い る 。 〇 携 帯 電 話 が 止 ま っ て い る 方 か ら の 相 談 が 多 数 、そ の 後 の ア パ ー ト 契 約 が 困 難 と な っ て い る 。 等 々 移 住 連 か ら の 要 請 に 基 づ く 、「 支 援 か ら こ ぼ れ 落 ち た 外 国 人 」へ の 給 付 が 456 人 、9,120,000 円 に な っ て い ま す 。仮 放 免 者 や 難 民 申 請 者 、非 正 規 滞 在 者 な ど 、特 別 定 額 給 付 金 の 対 象 外 で 、 生 活 保 護 申 請 も で き な い 方 が 大 半 で 、1 人 当 た り 20,000 円 の 緊 急 給 付 を お こ な っ て い ま す が 、 不 充 分 で す 。置 賜 や 上 越 、三 里 塚 な ど の コ メ 農 家 が「 コ メ と 野 菜 で つ な が る 百 姓 と 市 民 の 会 」 を 結 成 し 、 お 米 を 通 じ た 支 援 を 開 始 し て い ま す 。 POSSE の 報 告 に あ る よ う に 、 生 活 困 窮 の 原 因 は 企 業 が 非 正 規 雇 用 に 対 し て 補 償 を し て い な い こ と に あ り ま す 。そ の 結 果 、非 正 規 雇 用 、女 性 、外 国 人 労 働 者 の 貧 困 化 が 拡 大 し て い ま す 。 外 国 人 労 働 者 の 生 存 保 障 の 課 題 。「 コ ロ ナ だ か ら 仕 方 が な い 」と い う 雰 囲 気 の も と 、労 働 条 件 の 切 り 下 げ や 解 雇 、 雇 い 止 め が 横 行 し て い ま す 。「 死 に た く な い け ど 死 ん で し ま う 」、 そ の よ う な SOS を 受 け て 現 場 に 向 か い 、「 生 存 を 守 る こ と 」、 住 ま い は 人 権 、 生 活 保 護 は 権 利 と し て の 運 動 を す す め 、 必 要 な 人 す べ て が 権 利 を 行 使 で き る よ う に す る こ と 、 生 存 権 を 守 る 公 的 責 任 と コ ロ ナ に 便 乗 し た 解 雇 を 企 業 に さ せ な い 運 動 が 今 後 の 課 題 で す 。 貧 困 と 格 差 を 拡 大 さ せ な い 広 範 な 社 会 連 帯 運 動 の ネ ッ ト ワ ー ク と し て 発 展 さ せ て い き ま し ょ う 。 以 上 は 、 6 月 12 日 に 参 議 院 議 員 会 館 で 3 時 間 40 分 に わ た っ て 開 催 し た 「 新 型 コ ロ ナ 災 害 緊 急 ア ク シ ョ ン 」の 中 間 報 告 会 を 報 告 し た 同 ア ク シ ョ ン サ イ ト の リ ー ド 文 だ 。6 月 15 日 現 在 の 参 加 団 体 は 以 下 の 32 団 体 。 あ じ い る / 移 住 者 と 連 帯 す る 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク 貧 困 対 策 プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム / 蒲 田 ・ 大 森 野 宿 者 夜 回 り の 会 ( 蒲 田 パ ト ) / NPO 法 人 官 製 ワ ー キ ン グ プ ア 研 究 会 / 企 業 組 合 あ う ん / 共 同 連 / く ら し サ ポ ー ト・ウ ィ ズ / 寿 医 療 班 / コ ロ ナ 災 害 対 策 自 治 体 議 員 の 会 / サ マ リ ア / NPO 法 人 さ ん き ゅ う ハ ウ ス / 市 民 自 治 を め ざ す 三 多 摩 議 員 ネ ッ ト / 奨 学 金 問 題 対 策 全 国 会 議 / 新 型 コ ロ ナ す ぎ な み ア ク シ ョ ン / 住 ま い の 貧 困 に 取 り 組 む ネ ッ ト ワ ー ク / 首 都 圏 青 年 ユ ニ オ ン / 女 性 ユ ニ オ ン 東 京 / 生 活 保 護 費 大 幅 削 減 反 対 ! 三 多 摩 ア ク シ ョ ン / 生 活 保 護 問 題 対 策 全 国 会 議 / 滞 納 処 分 対 策 全 国 会 議 / 地 域 か ら 生 活 保 障 を 実 現 す る 自 治 体 議 員 ネ ッ ト ワ ー ク 「 ロ ー カ ル セ ー フ テ ィ ネ ッ ト ワ ー ク 」/ つ く ろ い 東 京 フ ァ ン ド / TENOHASI/「 な く そ う ! 子 ど も の 貧 困 」 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク 世 話 人 会 / 反 貧 困 さ さ え あ い 千 葉 / 府 中 緊 急 派 遣 村 / フ ー ド バ ン ク ネ ッ ト 西 埼 玉 / 労 働 組 合 「 全 労 働 」 / 非 正 規 労 働 者 の 権 利 実 現 全 国 会 議 / 反 貧 困 ネ ッ ト ワ ー ク / 避 難 の 協 同 セ ン タ ー / NPO 法 人 POSSE。 野 宿 者 支 援 な ど の 反 貧 困 運 動 団 体 が 多 い が 、 ふ だ ん 個 々 に 運 動 を 進 め て い る 皆 さ ん が 横 に 繋 が る ネ ッ ト ワ ー ク 型 運 動 に し た 。 労 働 運 動 団 体 も い く つ か 参 加 し て い る が 、 一 部 に 限 ら れ て い る の が 残 念 だ 。 個 々 の 団 体 の 活 動 が ベ ー ス だ が 、 電 話 や 路 上 相 談 会 を 共 同 し て 開 催 し た り 、 緊 急 個 別 支 援 で は い ち 早 く 駆 け 付 け る よ う に 連 携 し た り 、 複 数 で 同 行 す る こ と も あ る 。 政 府 関 係 省 庁 へ の
6 申 し 入 れ や 自 治 体 へ の 抗 議 や 緊 急 要 請 な ど を 一 緒 に 行 う こ と で 成 果 が 上 が り 、 報 道 も 増 え て い る 。 ま さ に 当 初 か ら 意 図 し た ネ ッ ト ワ ー ク 型 運 動 の 成 果 だ 。 寄 せ ら れ る 寄 付 金 も 、 お ひ と り で 1 千 万 円 を 最 高 に 平 均 で も 万 の 単 位 に な っ て い る が 、 6 月 末 段 階 で 、1,623 件 67,111,173 円 に 達 し て い る 。別 枠 で ペ ッ ト と と も に 暮 ら せ る た め の「 反 貧 困 犬 猫 部 基 金 」も 立 ち 上 げ た が 、こ こ に も 89 件 1,278,670 円 が 寄 せ ら れ て い る 。い ち 団 体 の 取 り 組 み で は 考 え ら れ な い 高 額 の ご 寄 付 が 集 ま っ て い る 。 東 日 本 大 震 災 の 時 に す で に 顕 在 化 し て い た が 、 コ ロ ナ ウ イ ル ス 災 害 で も 「 脆 弱 」 階 層 を 直 撃 し て い る 。 雇 用 と 住 ま い を セ ッ ト で 失 っ た 途 端 、 路 上 生 活 を 余 儀 な く さ れ 、 生 活 保 護 申 請 で も 水 際 作 戦 で 排 除 さ れ た り 、「 無 料 低 額 宿 泊 所 」( 無 低 )に 押 し 込 ま れ そ う に な る と い う「 福 祉 の 貧 困 」 に も 直 面 す る 。 外 国 人 移 住 労 働 者 も ふ だ ん は そ れ ぞ れ の コ ミ ュ ニ テ ィ の 共 助 で 何 と か 過 ご し て き た も の の 、 こ こ に 来 て 不 可 能 に な っ た 途 端 、 家 賃 を 払 え な い 、 食 費 が な い 状 態 に な っ て し ま う 。 コ メ 文 化 圏 か ら の 来 日 者 に は 、 コ メ の 現 物 提 供 が こ れ ほ ど 喜 ば れ る と は 思 わ な か っ た 。
疲弊す る公 共サ ービ スの現 場
一 方 、 コ ロ ナ 対 応 を 進 め る 公 共 サ ー ビ ス の 現 場 も 疲 弊 し て い る 。 前 出 の 生 活 困 窮 者 や サ ポ ー ト の 取 り 組 み に つ い て は 、 マ ス コ ミ も 注 目 し 、 報 道 さ れ る 機 会 も 多 く な っ た 。 し か し 、 そ の 受 け 皿 と な る 公 共 サ ー ビ ス も 、 長 年 に わ た っ て 進 め ら れ て き た 行 政 改 革 、 民 営 化 、 規 制 緩 和 に よ る 弊 害 が 大 き く の し か か り 、 非 正 規 職 化 が 進 行 す る な か で の 課 題 が 出 て き た が 、 既 成 労 組 か ら の 発 信 も マ ス コ ミ 報 道 も 少 な く 、 可 視 化 が さ れ に く い 状 態 だ っ た 。 「 医 療 関 係 者 へ の 感 謝 」 と い う 一 面 の み が ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ る と い う の も 、 可 視 化 と は や や 異 な る 。欧 米 で は「 医 療 労 働 者 」を 含 め「 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー 」や「 キ ー ワ ー カ ー 」 全 体 へ の 評 価 に な っ て い る 。 イ ギ リ ス 在 住 の ブ レ デ ィ み か こ は 「 ケ ア 階 級 、 す な わ ち 医 療 、 教 育 、 介 護 、 保 育 な ど 直 接 的 に 他 者 を ケ ア す る 仕 事 を し て い る 人 々 の こ と 」で 、「 今 日 の 労 働 者 階 級 の 多 く は 、じ つ は こ れ ら 業 界 で 働 く 人 だ 。 コ ロ ナ 渦 で 明 ら か に な っ た の は 、 ケ ア 階 級 の 人 々 が い な け れ ば 地 域 社 会 は 回 ら な い と い う こ と だ っ た 。バ ス の 運 転 手 や ゴ ミ 収 集 作 業 員 も 含 ま れ る 」と 述 べ て い る 。 ( 朝 日 新 聞 6 月 11 日 ) 日 本 で は 公 共 サ ー ビ ス は イ コ ー ル 公 共 機 関 と か 公 務 員 と い う 受 け と め ら れ 方 が 多 か っ た 。 私 が 理 事 長 を 務 め る NPO 法 人 官 製 ワ ー キ ン グ プ ア 研 究 会 の 「 官 製 ワ ー キ ン グ プ ア 」 定 義 は 、 「 国 や 自 治 体 に 直 接 雇 用 さ れ て い る 公 務 員 だ け で な く 、公 共 サ ー ビ ス 部 門 で 働 く 、株 式 会 社 、 社 会 福 祉 法 人 、 NPO 法 人 、 財 団 法 人 、 社 団 法 人 な ど の 労 働 者 も 含 ま れ る 」 と 規 定 し て い る 。 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー と い う 概 念 を き ち ん と 把 握 し て い く こ と が 重 要 だ 。 「 緊 急 ア ク シ ョ ン 」 構 成 団 体 の 中 で も 、 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー の 格 差 解 消 を め ざ し て 活 動 し て い る の は 私 た ち く ら い だ っ た 。 そ こ で 、 課 題 を 社 会 化 す る ひ と つ の 取 り 組 み と し て 、 当 事 者 ア ン ケ ー ト 調 査 を 4 月 下 旬 に 発 案 し た 。 調 査 は 、 5 月 1 日 か ら 31 日 、 ネ ッ ト 上 で 実 施 し た 。 調 査 趣 旨 、 ● 政 府 は 緊 急 事 態 宣 言 を 発 令 し 、 営 業 自 粛 や 在 宅 勤 務 等 を 要 請 し て い ま す が 、 こ れ に 応 じ ら れ な い 公 共 サ ー ビ ス で 働 く「 キ ー ワ ー カ ー 」「 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー 」と 呼 ば れ る 、地 域 や7 社 会 の 生 活 に 必 要 不 可 欠 な 業 務 に 従 事 す る 人 た ち が い ま す 。 地 方 自 治 体 で は 、 医 療 ・ 保 健 従 事 者 、 介 護 施 設 ・ ホ ー ム ヘ ル パ ー 等 の 介 護 士 、 保 育 士 、 学 童 保 育 支 援 員 、 学 級 支 援 員 、 障 害 者 支 援 員 、 児 童 相 談 ・ 女 性 相 談 な ど の 各 種 相 談 員 、 調 理 員 、 清 掃 作 業 員 、 公 共 交 通 機 関 労 働 者 な ど で す 。 こ れ ら の 皆 さ ん は 感 染 リ ス ク の 恐 怖 と 向 き 合 い な が ら 、 な お か つ 過 重 労 働 の な か で 使 命 感 を 持 ち 、 支 援 を 求 め る 人 た ち の 支 え に な っ て い ま す 。 さ ら に 上 記 職 種 は 、 地 方 自 治 体 で は 非 正 規 化 が 進 行 し て い る 職 種 で も あ り 、 厳 し い 雇 用 環 境 の 弊 害 が 強 く 現 れ る 皆 さ ん で す 。 私 た ち は 公 共 サ ー ビ ス 従 事 者 が 、 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 流 行 に 伴 っ て ど の よ う な 影 響 を 受 け て い る か 、 当 事 者 の 声 を 直 接 集 め 、 政 府 及 び 地 方 自 治 体 に 対 し て 有 効 な 対 策 を 講 じ る よ う 意 見 書 を 公 表 す る な ど の 活 動 に つ な げ た い と 考 え て い ま す 。 調 査 結 果 ~ エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー 235 人 か ら の 証 言 ~ < 属 性 > 235 人 の 回 答 を 集 計 し た が 、 う ち 女 性 が 約 80%。 勤 務 形 態 は 直 接 雇 用 非 正 規 60% 、 間 接 雇 用 非 正 規 13% 。 ク ロ ス 集 計 す る と 「 女 性 ・ 非 正 規 」 が 62% に な っ て い る 。 平 均 10 年 の 勤 続 年 数 で 10 年 以 上 が 43% 。 1 年 や 半 年 な ど の 短 期 有 期 雇 用 だ が 、 継 続 反 復 更 新 さ れ て い る ベ テ ラ ン 非 正 規 が 半 数 近 く を 占 め て い る 。 収 入 面 で は 日 本 の 勤 労 者 政 府 統 計 で み て も 、 平 均 給 与 所 得 よ り 低 い 層 に な っ て い る 。 看 護 師 は ほ ほ 平 均 近 い が 、保 育 士 、福 祉 施 設 介 護 員 は 産 業 別 統 計 平 均 よ り 10 万 円 近 く 低 く 、ホ ー ム ヘ ル パ ー も 9 万 円 以 上 低 い 。 多 く が 不 安 定 雇 用 の 非 正 規 労 働 者 だ 。 < コ ロ ナ の 影 響 > 「 有 給 に よ る 自 宅 勤 務( 研 修 )」( 42% )が 多 か っ た が 、「 仕 事 の 量 や 勤 務 時 間 が 増 え た 」( 21% )、 「 正 規 職 員 と 異 な る 取 り 扱 い 」( 9% )、「 勤 務 時 間 の 減 少 と 収 入 源 」( 9% )、「 無 給 に よ る 自 宅 待 機 」 及 び 「 無 給 の 特 別 休 暇 」 が 合 わ せ て 8% 、「 仕 事 の キ ャ ン セ ル 等 」( 2% )。 回 答 者 実 数 で は 公 共 サ ー ビ ス 分 野 で 働 く 5 人 に 1 人 は 、 無 収 入 ・ 収 入 減 等 や 格 差 と い う 負 の 影 響 を 受 け て い る 。 医 療 ・ 保 健 で は 有 給 に よ る 自 宅 勤 務 が で き ず 、 学 童 保 育 ・ 男 女 共 同 参 画 を 除 く 相 談 支 援 員 ( 34% )・介 護 福 祉・公 共 交 通 機 関 、事 務 職 、清 掃 員 、コ ー ル セ ン タ ー も 、自 宅 勤 務 の 実 施 率 は 20~ 40% 台 で 、「 休 め な い 」 状 況 に な っ て い る 。 業 種 別 で は 、 学 童 保 育 が 学 校 休 校 の 影 響 を 受 け 、 子 ど も が 殺 到 し た ( 65% )、 相 談 支 援 員 は 25% 、 DV 相 談 や 困 窮 者 支 援 員 等 で 労 働 過 重 に な っ て い る 。 「 正 規 職 員 と 異 な る 取 り 扱 い を さ れ た 」 の は 9% で 、 医 療 、 学 童 保 育 、 相 談 支 援 員 、 学 校 ( 給 食 調 理 、用 務 員 )、介 護 福 祉 、事 務 、コ ー ル セ ン タ ー な ど 様 々 な 業 種 に 及 ん で い る が 、す べ て 非 正 規 労 働 者 だ 。 あ っ て は な ら な い 感 染 症 対 策 で の 正 規 ・ 非 正 規 間 格 差 が 生 じ て い る 。 仕 事 や 勤 務 内 容 に 何 ら か の 不 利 益 が 生 じ た と 回 答 し た 者 の 実 数 は 125 人 、( 回 答 者 の 53% )。 ど の 職 種 と も 80% 以 上 が 不 安 を 感 じ 、 特 に 保 健 関 係 と コ ー ル セ ン タ ー で は 100% 、 保 育 所 保 育 士 、事 務 で 87% 、医 療 、相 談 支 援 、教 育 関 係 の 回 答 者 が 、職 場 の 感 染 対 策 は 不 十 分 あ る い は 不 安 を 感 じ て お り 、 感 染 リ ス ク ( 感 染 さ せ る こ と 、 感 染 す る こ と の 両 方 ) に 対 す る 強 い 不 安 を 抱 き な が ら 業 務 に あ た っ て い る こ と が わ か る 。
8 業 種 ご と に 最 も 不 十 分 、 不 安 な 回 答 項 目 を み る と 、 つ ぎ の よ う に な っ て い る 。 ① 在 宅 勤 務 、 時 差 出 勤 を 認 め ら れ な い の は 、 保 健 関 係 者 の 50% ② 対 面 で の 相 談 支 援 員 の 66% ③ 近 接 、 接 触 支 援 業 務 は 、 保 育 所 保 育 士 の 67% ④ 3 密 が 解 消 さ れ な い の は 、 コ ー ル セ ン タ ー の 100% ⑤ ゴ ー グ ル 、 マ ス ク を 支 給 し て も ら え な い は 、 事 務 の 57% < 自 由 記 入 > 多 く の 書 き 込 み が あ っ た が 、 そ の 一 部 を 紹 介 す る 。 〇 来 所 相 談 は 近 い 距 離 、 密 室 で ア ク リ ル 板 な ど な し で 受 け て い る 。 手 当 な し 。 職 員 は 在 宅 勤 務( 特 別 休 暇 )だ が 、私 た ち は 年 休 取 得 も 止 め ら れ て い る 。( 相 談 支 援 員 、パ ー ト の 会 計 年 度 任 用 職 員 ) 〇 正 規 職 員 は 在 宅 勤 務 。 私 た ち は 有 休 を と ら な け れ ば 家 に い ら れ な い 。 消 毒 は し て い る が ア ル コ ー ル で は な い 。 利 用 者 に 密 接 密 着 せ ざ る を 得 な い 仕 事 だ が 、 利 用 者 を 減 ら す 対 策 は し て も ら え な い 。( 介 護 福 祉 、 フ ル タ イ ム の 会 計 年 度 任 用 職 員 ・ 臨 時 職 員 ) 〇 窓 口 対 応 の 正 規 職 員 に だ け 布 マ ス ク を 配 り 、 非 正 規 に は 配 ら な い 。 マ ス ク は も ら え な い の に 窓 口 業 務 が 終 わ る た び 非 正 規 に は 机 の 消 毒 作 業 を さ せ る 。( パ ー ト の 会 計 年 度 任 用 職 員 ) 〇 正 職 員 は 特 別 休 暇 で ほ ぼ 休 み 。 派 遣 は 通 常 通 り の 出 勤 を 指 示 さ れ 、 消 毒 と マ ス ク で 感 染 防 止 対 策 を し て い る 。( 保 育 所 保 育 士 、 派 遣 社 員 )
劣 化 し た 「 公 共 」 サー ビ ス を 再 構 築 す る 社 会 運 動
「 緊 急 ア ク シ ョ ン 」が 日 々 取 り 組 ん で い る 活 動 は 、住 ま い を 喪 失 し た 人 へ の 住 ま い の 提 供 、 食 事 の 提 供 、 生 活 保 護 申 請 の 同 行 、 こ れ ら に 関 わ る 電 話 や 路 上 相 談 、 政 府 や 自 治 体 へ の 要 請 や 抗 議 な ど だ 。 幸 い 寄 付 金 は 多 く 寄 せ ら れ て い る が 、 対 応 す る ス タ ッ フ に 限 り が あ る 。 生 保 の 申 請 同 行 は 知 識 や 経 験 が な い と そ う 簡 単 に 事 は 済 ま ず 、 多 く の 「 市 民 派 」 や 「 革 新 系 」( 共 産 党 を 除 く )議 員 は 未 経 験 だ っ た 。社 員 寮 か ら 退 出 を 迫 る 派 遣 企 業 や 家 主 と の 交 渉 も 専 門 知 識 が 求 め ら れ る な ど 、 ど う し て も 機 敏 に 動 け 、 経 験 が あ る ス タ ッ フ に 依 存 す る 傾 向 が あ る 。 そ こ で 、 生 保 申 請 オ ン ラ イ ン 研 修 や 各 地 の 議 員 、 地 域 団 体 と の ネ ッ ト ワ ー ク 作 り に 力 を 注 い だ 。 だ が 、 私 が 継 続 的 に 交 流 、 調 査 し て い る 韓 国 と 比 較 し て も 、 日 本 の こ の 事 態 は お か し い 。 「 キ ャ ン ド ル 市 民 革 命 」 を 実 現 さ せ た 民 主 ・ 進 歩 派 の 政 治 、 市 民 運 動 は 、 社 会 政 策 を 保 守 政 権 時 代 か ら 大 き く 変 え た 。 韓 国 で は 生 活 保 護 制 度 を 「 国 民 基 礎 生 活 保 障 」 と い う 。 内 容 は 日 本 と 類 似 し 、「 福 祉 」へ の 世 論 も「 恩 恵 」と い う 受 け と め 方 が 多 く 、い わ ゆ る「 捕 捉 率 」も 英 独 仏 の 60~80%と比べ日本と同じ 20%程度だった。ところがソウル市から始まった「出か け て い く 福 祉( チ ャ ッ ト ン )」が「 権 利 と し て の 福 祉 」の 啓 発 を 進 め 、対 象 者 宅 を 訪 問 し て 制 度 説 明 と 申 請 を 促 進 す る な ど し て 大 き く 改 善 さ せ た 。 ま た 、 こ の チ ャ ッ ト ン 事 業 は 、 地 域 の 上 か ら の 管 理 で は な い 自 主 的 な 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 作 り ( 協 統 ) と 繋 が り 、「 社 会 的 連 帯 」 と 「 分 か ち 合 い 」 の 取 り 組 み も 進 ん だ 。 そ の う え 、 ム ン ・ ジ ェ イ ン 政 権 や 共 に 民 主 党 系 首 長 の 自 治 体 で は 、 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス (COVID19)に対応する経済・雇用政策、給付政策が日本とは比べようもないほどの内容に9 な り 、 そ れ も 迅 速 に 実 施 さ れ て い る 。 私 た ち 「 緊 急 ア ク シ ョ ン 」 の 活 動 は 、 本 来 行 政 が 対 応 す べ き 行 政 サ ー ビ ス を 繕 う こ と に 追 わ れ て い る 。( も ち ろ ん フ ー ド バ ン ク や 野 宿 者 支 援 な ど 各 国 で の 取 り 組 み は あ る が )な ぜ そ う な っ た の か 。 そ れ は 「 公 共 サ ー ビ ス 」 が 壊 さ れ て き た 結 果 だ か ら だ 。 政 策 、 組 織 、 人 す べ て が 「 劣 化 」 し て い る の が 今 の 日 本 だ 。 劣 化 の 源 流 は 、1981~3 年の第 2 臨調(土光・中曽根臨調・行革)にあると私は考えてい る 。 社 会 党 ・ 総 評 解 体 を は じ め 、 以 降 の 民 営 化 、 規 制 緩 和 、 緊 縮 政 策 の 積 み 重 ね の 40 年が 今 な の で は な い か 。 だ が 、 こ れ に 抗 し 、 公 共 の 役 割 と 責 務 を 創 る 運 動 は 圧 倒 的 に 弱 い 。 次 の コ ロ ナ 波 へ 向 け 、 早 急 に 「 壊 さ れ た 公 共 を 取 り 戻 す 、 公 共 を 創 る 」 社 会 運 動 を 立 ち 上 げ た い と 考 え て い る 。 1 . コ ロ ナ 危 機 と 緊 急 事 態 宣 言 私 が 本 誌 に「 安 全 衛 生 と 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 予 防 対 策 」( 労 運 研 レ ポ ー ト No.70)を 寄 稿 し た の は 、 4/7 に 安 倍 政 権 が 7 都 府 県 に 改 正 新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 特 措 法 に 基 づ く 緊 急 事 態 宣 言 を 発 出 し た 直 後 だ っ た 。同 宣 言 は 4/16 に 全 国 に 拡 大 さ れ 、外 出 自 粛 や 事 業 活 動 の 休 業 、 イ ベ ン ト 開 催 の 自 粛 が 要 請 さ れ た 。 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 防 止 の た め に 、人 と の 接 触 を 8 割 減 ら し 、三 つ の 密( 密 閉 、密 集 、密 接 ) を 避 け 、「 新 し い 生 活 様 式 の 実 践 」に よ る「 行 動 変 容 」が 要 請 さ れ た 。一 人 ひ と り の 基 本 的 感 染 対 策 と し て 、 ① 身 体 的 距 離 の 確 保 、 ② マ ス ク の 着 用 、 ③ 手 洗 い を 励 行 す る と と も に 、 職 域 で は テ レ ワ ー ク や 時 差 出 勤 、 オ ン ラ イ ン 会 議 な ど に よ る 「 働 き 方 の 新 し い ス タ イ ル 」 が 提 唱 さ れ た 。 こ の 間 、国 内 の 感 染 者 数 の 累 計 は 4,779 人( 4/7)か ら 16,623 人( 5/25)、6 月 末 現 在 、18,769 人 、 死 亡 者 の 累 計 は 98 人 ( 4/7) か ら 852 人 ( 5/25)、 6 月 末 現 在 で 974 人 と な っ た ( NHK 調 べ )。世 界 的 に は 感 染 者 数 1 千 万 人 以 上 、死 者 は 50 万 人 を 超 え て お り 、未 だ パ ン デ ミ ッ ク( 世 界 的 な 流 行 ) か ら 抜 け 出 せ る 状 況 に は な っ て い な い 。 5/25 緊 急 事 態 宣 言 解 除 後 も 感 染 増 加 は 続 い て い る 。東 京 都 で は 東 京 ア ラ ー ト 解 除 後 の 感 染 者 数 が 急 増 し て い る 状 況 で あ る 。 外 出 自 粛 や 休 業 に よ る 社 会 経 済 活 動 へ の 打 撃 は 大 き く 、 コ ロ ナ 禍 に よ る 雇 用 、 生 活 危 機 は 一 層 深 刻 に 状 況 に な っ て い る 。 未 曽 有 の コ ロ ナ 危 機 の 渦 中 に あ っ て 、 感 染 防 止 か 経 済 か と い う 二 者 択 一 は 現 実 の 問 題 解 決 に な ら な い 。 コ ロ ナ 禍 に お い て も 職 場 、 地 域 で 可 能 な 限 り 感 染 リ ス ク を 減 ら す 取 組 み を 続 け な が ら 、 い の ち と 健 康 守 り 、 雇 用 と 生 活 を 維 持 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。 と く に 職 場 の 安 全 衛 生 活 動 と し て の 感 染 予 防 対 策 の 取 組 み は 不 可 欠 で あ る 。 職 場 環 境 の 改 善 は も と よ り 、 三
業務再開と新型コロナ感染症の予防対策
飯 田 勝 泰 ( 東 京 労 働 安 全 衛 生 セ ン タ ー )10 密 の 象 徴 で も あ る 通 勤 に よ る 感 染 リ ス ク の 抑 制 も 含 め て 、 社 会 的 に も 従 来 の 働 き 方 を 見 直 し て い か ね ば な ら な い 。 2 . 職 場 で の 感 染 防 止 と 感 染 者 へ の 対 応 5/14、政 府 の「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 対 策 の 基 本 対 処 方 針 」が 改 定 さ れ る に と も な い 、 厚 生 労 働 省 は 労 使 団 体 に 対 し 「 職 場 に お け る 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 へ の 感 染 予 防 、 健 康 管 理 の 強 化 に つ い て 」( 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 長 5/14) を 通 知 し た 。 5/14 通 知 で は 、職 場 に お け る 感 染 防 止 の 進 め 方 と し て 、① 労 働 衛 生 管 理 体 制 の 再 確 認 、② 換 気 の 徹 底 等 の 作 業 環 境 管 理 、 ③ 職 場 の 実 態 に 応 じ た 作 業 管 理 、 ④ 手 洗 い の 励 行 な ど 感 染 予 防 に 関 す る 基 本 的 な 知 識 も 含 め た 労 働 衛 生 教 育 、 ⑤ 日 々 の 体 調 管 理 等 も 含 め た 健 康 管 理 に 留 意 し て 取 組 み を 実 施 す る よ う 要 請 し た 。 具 体 的 に は 、「 職 場 に お け る 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 拡 大 を 防 止 す る た め の チ ェ ッ ク リ ス ト 」( R2.5.14 版 )を 活 用 し 、職 場 の 実 態 に 即 し た 実 行 可 能 な 感 染 拡 大 防 止 対 策 を 検 討 す る こ と 。 安 全 衛 生 委 員 会 等 を 有 効 活 用 し 、 産 業 医 の 助 言 を 受 け つ つ 、 妊 娠 中 の 女 性 労 働 者 、 高 齢 者 、 基 礎 疾 患 ( 糖 尿 病 、 心 不 全 、 呼 吸 器 疾 患 な ど ) を 有 す る 労 働 者 に 対 し て 十 分 な 労 務 管 理 上 の 配 慮 を 行 う こ と と し た 。 産 業 医 、 産 業 保 健 ス タ ッ フ は 、 日 本 渡 航 医 学 会 及 び 日 本 産 業 衛 生 学 会 が 作 成 し た 「 職 域 の た め の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 対 策 ガ イ ド 第 2 版 」 を 参 考 と し 、 安 全 衛 生 委 員 会 等 が な い 事 業 場 に 対 し て は 、( 独 )労 働 者 健 康 安 全 機 構 の 産 業 保 健 総 合 支 援 セ ン タ ー を 活 用 す る こ と と し た 。 ま た 職 場 で 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 陽 性 者 等 が 発 生 し た 場 合 に は 、「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 陽 性 者 等 が 発 生 し た 場 合 の 衛 生 上 の 対 応 ル ー ル( 例 )」を 参 考 に し て 対 応 す る こ と 。 事 業 者 へ の 報 告 、 保 健 所 と 連 携 、 陽 性 者 が 陰 性 に な っ た 後 、 職 場 復 帰 す る 場 合 に は P C R 検 査 結 果 や 各 種 証 明 書 は 不 要 と す る こ と 。 陽 性 者 等 に な っ た こ と を も っ て 、 解 雇 そ の 他 の 不 利 益 な 取 り 扱 い や 差 別 等 を う け る こ と は な い こ と 。 必 要 に 応 じ 休 業 や 賃 金 の 取 扱 い な ど に 関 す る こ と 等 を 示 し て い る 。 さ ら に 労 災 補 償 に つ い て 、 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 に よ る 労 災 認 定 の 考 え 方 を 示 し 、 労 災 請 求 の 勧 奨 や 助 力 を 行 う こ と 、 事 業 主 は 労 働 者 死 傷 病 報 告 の 提 出 が 必 要 で あ る こ と を 示 し た 。 5/14 通 知 に よ る 政 府 の 対 策 方 針 を ふ ま え 、厚 生 労 働 省 は ホ ー ム ペ ー ジ で「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス に 関 す る Q & A 」 を 企 業 向 け 、 労 働 者 に 向 け に 発 信 し て い る 。 適 宜 参 照 し な が ら 、 職 場 で の 感 染 防 止 対 策 の 取 組 み を 進 め て い く こ と が 求 め ら れ る 。 3 . パ ン デ ミ ッ ク の 中 で の 安 全 で 健 康 な 職 場 作 り ( ILO) 一 方 、国 際 労 働 機 関( ILO)で も 新 型 コ ロ ナ ウ ィ ル ス( COVID-19)の パ ン デ ミ ッ ク に 対 す る 提 言 や 対 応 方 針 を 打 ち 出 し て い る 。 ロ ッ ク ダ ウ ン が 行 わ れ た 国 々 で 経 済 活 動 が 再 開 さ れ つ つ あ る 。 感 染 防 止 対 策 を と り な が ら ど の よ う に 事 業 再 開 を 行 う べ き か が 重 要 な 課 題 と な っ て い る 。 ILO は 5 月 、「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス の パ ン デ ミ ッ ク( 世 界 的 大 流 行 )の 中 で の 安 全 で 健 康 な
11 職 場 づ く り 」を 公 表 し て い る 。こ の な か で ILO は 、「 安 全 か つ 健 康 的 な 労 働 条 件 は 、デ ィ ー セ ン ・ ワ ー ク ( 働 き が い の あ る 人 間 ら し い 仕 事 ) の 基 本 で あ る だ け で な く 、 事 業 再 開 の た め の 政 策 手 引 き の 根 本 を な す べ き 基 盤 で あ る 」 と 述 べ て い る 。 私 た ち は ILO に よ る 国 際 基 準 に 基 づ く 基 本 的 な 考 え 方 を ふ ま え 、 効 果 的 な ア プ ロ ー チ を 追 求 す る こ と も 考 え た い 。 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 に は い ま だ 未 知 の 部 分 が あ る 。 政 府 の 法 令 や 指 針 だ け で な く 、 現 場 の 労 使 や 安 全 衛 生 委 員 会 が 関 与 し 、 感 染 リ ス ク の 評 価 を 徹 底 的 に 実 施 し 、 有 効 な 対 策 を 検 討 す る ア プ ロ ー チ が 提 唱 さ れ て い る の で あ る 。 ILO は 「 職 場 で の COVID-19( 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 ) 予 防 及 び リ ス ク 低 減 ア ク シ ョ ン チ ェ ッ ク リ ス ト 」 も 策 定 し て お り 、 こ の ア ク シ ョ ン チ ェ ッ ク リ ス ト を 使 っ て 、 安 全 衛 生 委 員 会 や 職 場 で グ ル ー プ 討 議 を し な が ら 、 改 善 を 提 案 し 、 継 続 的 な 実 施 を 計 画 す る 取 組 み も 勧 め て い る 。 ※ ※ ILO「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス の パ ン デ ミ ッ ク ( 世 界 的 大 流 行 ) の 中 で の 安 全 で 健 康 な 職 場 作 り 」 政 策 概 要 及 び 「 職 場 で の COVID-19( 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 ) 予 防 及 び リ ス ク 低 減 ア ク シ ョ ン チ ェ ッ ク リ ス ト 」 は ILO 駐 日 事 務 所 の 日 本 語 訳 が ダ ウ ン ロ ー ド で き る 。 4 . コ ロ ナ 禍 の な か 職 場 、 地 域 で ど う 取 組 む か す で に 様 々 な 分 野 で 労 働 組 合 が 新 型 コ ロ ナ と 格 闘 し な が ら 、 労 働 者 、 家 族 の 安 全 と 雇 用 、 生 活 を 守 る 取 組 み を 進 め て い る 。「 労 働 情 報 」2020 年 6 月 号 、7 月 号 で は 、様 々 な 現 場 で の 労 働 組 合 の 闘 い が 報 告 さ れ て お り 、 大 い に 参 考 に な る 。 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 は 収 束 し た わ け で は な い 。 第 二 波 、 第 三 波 が 想 定 さ れ る 中 、 社 会 経 済 活 動 と 感 染 拡 大 防 止 と い う 難 し い か じ 取 り を し て い か ね ば な ら な い 状 況 を 迎 え て い る 。 前 述 し た 日 本 渡 航 学 会 と 日 本 産 業 衛 生 学 会 が 作 成 し た 「 職 域 の た め の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 対 策 ガ イ ド 第 2 版 」( 以 下 、「 ガ イ ド 」)( 2020 年 6/3) を 参 考 に し 、 事 業 再 開 に 向 け た 感 染 予 防 対 策 を 労 使 の 協 議 や 安 全 衛 生 委 員 会 で 検 討 ・ 実 施 す る こ と が 求 め ら れ る 。 職 域 の 感 染 予 防 対 策 で は 、 ソ ー シ ャ ル デ ィ ス タ ン シ ン グ ( 人 と 人 と の 物 理 的 距 離 を 保 つ こ と ) と 集 団 感 染 を 防 止 す る た め の 対 策 (「 三 つ の 密 」 を 回 避 す る 環 境 整 備 ・ 行 動 制 限 の 実 施 ) が 基 本 だ が 、 そ れ で も 感 染 リ ス ク を ゼ ロ に す る こ と は 難 し い 。 こ れ か ら は 事 業 所 内 で 感 染 者 が 発 生 す る こ と を 前 提 に 、 ど う し た ら 二 次 感 染 、 三 次 感 染 を 防 ぎ 、 ク ラ ス タ ー 発 生 の 連 鎖 を 断 ち 切 る か が 重 要 な 取 組 み に な る の で は な い か 。 感 染 者 や 濃 厚 接 触 者 が 発 生 し た 場 合 に は 保 健 所 等 の 指 示 に 従 い 対 応 す る こ と が 原 則 だ が 、 そ う し た 事 態 に 備 え 、 事 業 場 の 労 使 協 議 ま た は 安 全 衛 生 委 員 会 で 独 自 に 対 応 手 順 を 定 め て お く こ と が 肝 心 だ 。 そ の 際 に は 感 染 者 の プ ラ イ バ シ ー へ の 配 慮 が 求 め ら れ る 。 感 染 者 し た 労 働 者 が 職 場 復 帰 す る た め の 基 本 的 な 考 え 方 に つ い て も 、 目 安 を 厚 労 省 の Q&A や 「 ガ イ ド 」 を参 照 し な が ら 決 め て き た い 。「 感 染 者 、家 族 感 染 の 濃 厚 接 触 者 等 に 対 し て は 、プ ラ イ バ シ ー を 確 保 し 、か つ 差 別 が 行 わ れ な い よ う に 教 育 を 行 う こ と 、感 染 者 は 加 害 者 で は な く 被 害 者 で あ り 、 周 囲 へ の 支 援 を 必 要 と し て い る 」 こ と も 考 慮 し た 取 組 み が 求 め ら れ る 。 5 . 地 域 の 医 療 機 関 、 高 齢 者 ・ 障 害 者 介 護 施 設 へ の 支 援 職 域 の 感 染 症 対 策 だ け で は な い 。 第 二 波 、 第 三 波 に そ な え て 、 私 達 が く ら す 地 域 社 会 で 、
12 新 型 コ ロ ナ に よ る 地 域 医 療 、 地 域 福 祉 の 崩 壊 を 食 い 止 め る こ と も 労 働 者 、 労 働 組 合 に 求 め ら れ て い る と 考 え る 。 こ れ ま で 医 療 機 関 や 高 齢 者 、 障 害 者 の 介 護 施 設 等 で 集 団 感 染 が 起 き 、 多 く の 患 者 ・ 利 用 者 が 亡 く な り 、 医 療 従 事 者 や 介 護 従 事 者 が 感 染 し て い る 。 地 域 の 医 療 医 機 関 や 介 護 施 設 で 集 団 感 染 は 起 き る と 、 病 棟 や 施 設 の 閉 鎖 、 利 用 制 限 さ れ る こ と に な り 、 医 療 崩 壊 や 介 護 崩 壊 を 引 き 起 こ し か ね な い 。 今 年 3 月 、 東 京 都 台 東 区 の 永 寿 総 合 病 院 で は 国 内 最 大 の 院 内 感 染 が 起 き た 。 入 院 患 者 や そ の 家 族 131 人 が 感 染 し 、看 護 師 ら 職 員 83 人 、合 計 214 人 が 感 染 し た 。入 院 患 者 109 人 の う ち 4 割 の 43 人 が 死 亡 す る と い う 凄 ま じ い 感 染 状 況 が 報 告 さ れ て い る ( 7/1 院 長 の 記 者 会 見 )。 本 誌 6 月 号 に 掲 載 さ れ た「 高 齢 者 の い の ち と 介 護 従 事 者 の 安 全 を 守 れ 」( 加 瀬 純 二 氏 )で は 、 江 東 区 の 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム で 起 き た 集 団 感 染 を 契 機 に 、 下 町 ユ ニ オ ン や ケ ア ワ ー カ ー ズ ユ ニ オ ン が 地 元 自 治 体 に 感 染 対 策 の 緊 急 要 請 に 取 組 み 、 新 型 コ ロ ナ 介 護 関 連 の ホ ッ ト ラ イ ン の 取 組 み が 報 告 さ れ て い る 。 地 域 に お け る 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 対 策 で は 、 病 院 や 介 護 施 設 の 感 染 防 止 対 策 、 二 次 、 三 次 感 染 の 拡 大 を 防 止 す る た め に 、 国 や 自 治 体 は も と よ り 地 域 社 会 が 連 帯 ・ 協 力 し て 、 感 染 症 防 止 対 策 に 取 組 ま ね ば な ら な い 。 具 体 的 に は 、 地 域 で PCR 検 査 や 抗 体 検 査 を 徹 底 し て 実 施 す る こ と 、 特 に 病 院 や 介 護 施 設 で の 検 査 態 勢 を 強 化 す る こ と で 、 感 染 リ ス ク を 評 価 し 、 防 止 対 策 に 生 か す こ と が で き る 。 ま た 財 政 的 支 援 、 保 護 具 や 消 毒 液 の 配 布 、 感 染 者 発 生 時 の 医 療 ・ 介 護 連 携 に よ る 専 門 的 な 技 術 支 援 や 医 療 ・ 介 護 労 働 者 の 相 互 支 援 態 勢 の 構 築 等 に 取 組 ま ね ば な ら な い 。 6 . 感 染 リ ス ク 管 理 の た め の 検 査 態 勢 の 充 実 ・ 強 化 東 京 で は 東 京 ア ラ ー ト 解 除 に 感 染 者 数 が 激 増 し て い る 。 小 池 都 知 事 は あ た か も そ の 原 因 が 夜 の 街 で 働 く 人 々 に あ る か の よ う な 説 明 を し て い る 。 日 本 の 新 型 コ ロ ナ 感 染 症 対 策 の 決 定 的 な 誤 り は 、PCR 検 査 が 抑 制 さ れ 感 染 状 況 の 把 握 が で き な か っ た こ と に あ る と 指 摘 さ れ て い る 。 PCR 検 査 態 勢 の 充 実 ・ 強 化 は 今 夏 以 降 の 第 二 波 、 第 三 波 に 立 ち 向 か う た め に も 急 務 の 課 題 だ 。 職 域 で は と く に 医 療 、 介 護 な ど 感 染 リ ス ク の 高 い 業 務 に 従 事 す る 人 々 が 、 職 場 で の リ ス ク 管 理 と ス ク リ ー ニ ン グ の た め に 必 要 な 検 査 が 受 け ら れ な け れ ば な ら な い 。 検 査 結 果 に 関 す る 情 報 は 、 ス ト レ ス チ ェ ッ ク 検 査 等 の 個 人 情 報 と 同 じ く 保 護 さ れ 、 安 全 衛 生 担 当 者 、 産 業 医 又 は 産 業 保 健 ス タ ッ フ が 管 理 し 、 職 場 の 感 染 防 止 対 策 の た め に 生 か さ れ る シ ス テ ム が 必 要 で あ る 。 勿 論 、 陽 性 者 が 出 た 場 合 の 対 応 策 に つ い て は 予 め 労 使 や 安 全 衛 生 委 員 会 で 協 議 ・ 検 討 し て お か ね ば な ら な い 。 小 規 模 事 業 場 に は 地 域 医 師 会 と 提 携 し て い る 地 域 産 業 保 健 セ ン タ ー が 支 援 す べ き で あ ろ う 。 必 ず し も 職 域 で の 健 康 管 理 が 保 障 さ れ て い な い フ リ ー ラ ン ス や イ ン フ ォ ー マ ル 労 働 者 、 ギ グ エ コ ノ ミ ー で 働 く 人 々 、 自 営 業 者 に 対 し て も 、 安 全 衛 生 と 公 衆 衛 生 観 点 か ら 、 地 域 で PCR 検 査 や 抗 体 検 査 が 気 軽 に 受 け ら れ る よ う な 態 勢 が 必 要 で は な い か と 考 え る 。
13 厚 生 労 働 省 前 で ア ピ ー ル 行 動 今 年 度 の 地 域 最 低 賃 金 の 目 安 を 決 め る 中 央 最 低 賃 金 審 議 会 が 、6 月 26 日始 ま っ た 。 諮 問 に あ た っ て 加 藤 厚 生 労 働 大 臣 は 「 厚 生 労 働 省 と し て は 、 雇 用 の 維 持 、 事 業 の 継 続 、 生 活 を 守 り ぬ い て い き た い 」 と あ い さ つ し た 。 公 益 委 員 か ら は 「 産 業 別 地 域 別 に コ ロ ナ の 影 響 が 分 か る 資 料 を 提 出 し て ほ し い 」、労 働 側 委 員 か ら は 「 コ ロ ナ に よ る 生 活 不 安 に 耐 え ら れ る セ ー フ テ ィ ー ネ ッ ト づ く り が 必 要 で あ る 」、使 用 者 側 委 員 か ら は 「 中 小 企 業 の 厳 し い 状 況 を 受 け 止 め た 議 論 を 」 と 発 言 が あ っ た 。 厚 生 労 働 省 前 で は 全 労 連 が ア ピ ー ル 行 動 を 行 っ た 。 主 催 者 を 代 表 し て 黒 澤 幸 一 事 務 局 次 長 が 「 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 時 に 派 遣 切 り や 賃 金 抑 制 を お こ な い 景 気 回 復 を 遅 ら せ た 。 コ ロ ナ と の 闘 い は 長 期 間 に 及 ぶ 。 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー ク で 働 い て い る 人 の 多 く は 低 賃 金 労 働 者 だ 。 中 小 企 業 の 支 援 を し つ つ 、 最 低 賃 金 の 引 き 上 げ を 図 る 必 要 が あ る 」 と あ い さ つ し た 。 生 協 労 連 、 全 労 連 全 国 一 般 、 全 教 な ど が 「 生 計 費 は 大 都 市 も 地 方 も 変 わ ら な い 。 地 域 格 差 の な い 全 国 一 律 制 を 」「 エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー は ほ と ん ど が 非 正 規 労 働 者 。も と も と の 賃 金 が 低 い の で 休 業 補 償 が あ っ て も 月 収 は 10 万円に届かない。景気回復は賃金の底上げで」「公務員の賃金も 最 低 賃 金 を 割 る 場 合 が あ る 。公 共 サ ー ビ ス の 切 り 捨 て が コ ロ ナ の 影 響 を 大 き く し て し ま っ た 」 と 現 場 か ら の 訴 え を 行 っ た 。 日 本 商 工 会 議 所 な ど が 最 賃 凍 結 を 要 望 今 年 は 最 低 賃 金 の 引 き 上 げ が 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 流 行 で ど の よ う に な る の か 、 注 目 さ れ て い る 。 安 倍 政 権 は 、 脱 デ フ レ 政 策 の 一 環 と し て 2015 年から最低賃金を年3%程度 引 き 上 げ2020 年代の早い時期に全国の最低賃金平均を時給 1000 円にすることを目標にして い た 。 現 在 の 全 国 平 均 は 901 円、最も高い東京が 1013 円、最も低い青森、島根、高知、鹿 児 島 な ど 15 県が 790 円である。 今 年 4 月 16 日、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会は、三団 体 連 名 で 「 最 低 賃 金 に 関 す る 要 望 」 を ま と め た 。 コ ロ ナ シ ョ ッ ク に よ る 危 機 的 な 経 済 情 勢 を
中央最低賃金審議会がスタート
コロナ時代だからこそ最低賃金の大幅引き上げを
14 踏 ま え 、 今 年 度 の 最 低 賃 金 の 審 議 に あ た っ て は 、 引 上 げ 凍 結 も 視 野 に 、 明 確 な 根 拠 の も と で 納 得 感 に あ る 水 準 を 決 定 す る こ と を 求 め た も の で 、 政 府 、 与 党 に 提 出 し た 。 6 月 3 日に開かれた全 世代型社会保障検討会で安倍首相は、最低賃金に触れ「今年は雇用 を 守 る こ と が 最 優 先 、 中 小 企 業 の 厳 し い 状 況 を 考 慮 し て 検 討 し て ほ し い 」 と 発 言 し 、 3 % に 固 執 し な い 考 え 方 を 示 し た 。 連 合 の 神 津 会 長 は 「 コ ロ ナ で 厳 し い 状 況 だ か ら 最 賃 を 凍 結 す る こ と は 格 差 拡 大 を 助 長 す る こ と に な る 。 最 賃 引 上 げ の 歩 み を 止 め て は な ら な い 」 と 主 張 し て い る 。 日 弁 連 、 自 民 党 最 賃 議 連 が 最 賃 引 上 げ を 要 望 日 弁 連 は 6 月 3 日、「 低賃金労働者の生活を支え、地域経済を活性化させるために最低賃 金 額 の 引 上 げ と 中 小 企 業 支 援 強 化 な ら び に 全 国 一 律 最 低 賃 金 制 の 実 施 を 求 め る 会 長 声 明 」 を 発 表 し た 。「 小 売 店 の 店 員 、運 送 配 達 員 、福 祉・介 護 サ ー ビ ス 従 事 者 な ど 社 会 全 体 の ラ イ フ ラ イ ン を 支 え て い る 労 働 者 の 中 に は 最 低 賃 金 付 近 の 低 賃 金 で 働 く 労 働 者 が 多 数 存 在 す る 」 と 指 摘 し 、 最 賃 額 の 引 き 上 げ 、 中 小 企 業 支 援 、 都 市 集 中 を 緩 和 し 地 域 間 格 差 を な く す 全 国 一 律 制 を 要 望 し て い る 。 自 民 党 の 最 低 賃 金 一 元 化 推 進 議 員 連 盟 は 6 月 11 日、国会内で総会を開き、コロナ禍でも 最 低 賃 金 を 引 き 上 げ る べ き と す る 緊 急 提 言 を 確 認 し た 。 提 言 は 「 賃 金 が 上 が ら な け れ ば 将 来 の 社 会 保 も 支 え ら れ な い 。 東 京 一 極 集 中 を 是 正 す る 観 点 か ら も 全 国 一 律 最 賃 は 不 可 欠 」 と し て い る 。 全 国 一 律 に は 10 年ほどの経過措置をとり、中小企業支援の財源として企業の内部 留 保 に 0.5%課税して毎年 2 兆 2500 億円を 確保する試案も紹介している。 全 労 連 が 院 内 学 習 会 全 労 連 は 6 月 11 日、 国会内で「コロナ禍の経済と最低賃金を考える」と題する学習会を 開 催 し 、 コ ロ ナ 禍 の 今 こ そ 、 雇 用 を 守 り 、 最 賃 を 引 き 上 げ よ う と 確 認 し た 。 来 賓 の あ い さ つ を し た 自 民 党 の 務 台 俊 介 衆 議 院 議 員 ( 最 賃 一 元 化 推 進 議 員 連 盟 事 務 局 長 ) は 「 デ フ レ か ら 脱 却 す る た め に 国 民 が 一 丸 と な っ て 頑 張 っ て い る 。イ ギ リ ス で は コ ロ ナ 禍 で も 4 月から最賃を 6.2%引き上げた」、立憲民主党の末松義規衆議院議員は「雇用調整助成金の日額上限が 8330 円( 時 給 換 算 1041 円)から 15000 円(同 1875 円)に引き上げられた。時給 1000 円では生 活 で き な い 。最 賃 を 1300 円にし、全国一律 1500 円をめざすべきだ」と述べた。学習会では 日 弁 連 貧 困 対 策 本 部 の 中 村 和 雄 弁 護 士 と 静 岡 県 立 大 学 の 中 澤 秀 一 准 教 授 が 講 演 し た 。 最 賃 大 幅 引 き 上 げ キ ャ ン ペ ー ン が 7 月 22 日 に 集 会 最 低 賃 金 大 引 き 上 げ キ ャ ン ペ ー ン は 7 月 22 日に交流集会「どうするコロナ災害下の最賃 闘 争 」 を 開 き 、 コ ロ ナ 災 害 だ か ら こ そ 最 低 賃 金 の 引 き 上 げ は 必 要 、 地 域 間 格 差 を な く し 全 国 一 律 制 の 確 立 に 向 け た 意 志 一 致 を 図 る こ と に し て い る 。 全 労 連 は 、 来 年 の 通 常 国 会 に 全 国 一 律 最 賃 制 確 立 の 最 低 賃 金 法 改 正 案 を 提 出 す る こ と に し て い る 。 こ の 夏 か ら 秋 の 最 賃 闘 争 は 重 要 な 局 面 を 迎 え る 。
15 鳥 井 一 平 さ ん が 本 を 書 き ま し た 。「 国 家 と 移 民 ー 外 国 人 労 働 者 と 日 本 の 未 来 」 集 英 社 新 書 、 860 円 + 税 で す 。 鳥 井 一 平 さ ん は 、 移 住 者 と 連 帯 す る 全 国 ネ ッ ト ワ ー ク ( 移 住 連 ) 代 表 理 事 で 、 元 全 統 一 労 働 組 合 書 記 長 で す 。 中 国 人 研 修 生 の 支 援 活 動 を は じ め 、 外 国 人 労 働 者 の 問 題 に 取 り 組 ん で き た 方 で す 。 6 月 19 日 は 奴 隷 解 放 記 念 日 で 、移 民 国 家 の ア メ リ カ で は 、 人 種 差 別 に 反 対 す る 大 規 模 な デ モ が 行 わ れ ま し た 。 ア メ リ カ 国 務 省 は 「 人 身 売 買 年 次 報 告 書 」 を 発 表 す る と と も に 、毎 年 6 月 19 日 に 人 身 売 買 と 闘 う ヒ ー ロ ー 賞 の 表 彰 を 行 っ て い ま す 。鳥 井 さ ん は 2013 年 に 日 本 人 と し て 初 め て 表 彰 さ れ ま し た 。 ア メ リ カ の 政 治 的 意 図 は 分 か り ま せ ん が 、 彼 が 表 彰 に 値 す る 活 動 を し て い た こ と は 事 実 で す 。 国 務 省 が 6 月 25 日 に 発 表 し た 今 年 の 報 告 書 で 、日 本 は 今 ま で 4 ラ ン ク の 最 上 位 で し た が 、 今 年 は ワ ン ラ ン ク 下 げ 、 外 国 人 技 能 実 習 制 度 や 援 助 交 際 な ど の 児 童 買 春 の 問 題 を 指 摘 し て い ま す 。 特 に 「 法 外 な 手 数 料 を 徴 収 す る 外 国 の 仲 介 業 者 を 排 除 す る 法 的 措 置 を 十 分 に 実 施 し て い な い 」 と 改 善 を 求 め て い ま す 。 イ ギ リ ス の 植 民 地 か ら 独 立 し た ア メ リ カ は 奴 隷 を 酷 使 し な が ら 経 済 成 長 を 遂 げ て き ま し た 。 奴 隷 を 解 放 し 人 身 売 買 を 禁 止 し た 歴 史 的 意 義 は 大 き い の で す が 、 今 な お 人 種 差 別 を 克 服 で き て い な い 現 実 が あ り ま す 。 日 本 が 行 っ た 植 民 地 支 配 、 戦 前 の 人 身 売 買 や 強 制 連 行 、 徴 用 工 、 従 軍 慰 安 婦 の 問 題 を 思 い 起 こ し て く だ さ い 。大 企 業 に お い て も リ ー マ ン シ ョ ッ ク 前 は 派 遣 労 働 者 を 使 っ て い ま し た が 、 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 後 は 外 国 人 労 働 者 が 増 大 し て い ま す 。 い ま の 日 本 は 、 農 業 も 漁 業 も コ ン ビ ニ も 外 国 人 労 働 者 な く し て は 成 り 立 た な い 状 況 で す 。 奴 隷 制 度 廃 止 の 思 想 は 、日 本 国 憲 法 第 18 条( 奴 隷 的 拘 束 及 び 苦 役 か ら の 自 由 )に 伝 え ら れ る と 思 い ま す 。こ の 18 条 が あ る か ら 、徴 兵 制 を つ く る こ と は で き ず 、戦 争 協 力 を 拒 否 し た 場 合 の 罰 則 を 規 定 す る こ と も で き な い の で す 。 国 際 的 に 労 働 力 が 移 動 す る 時 代 。鳥 井 さ ん が 思 い 描 く「 労 使 対 等 原 則 が 担 保 さ れ る 多 民 族・ 多 文 化 共 生 社 会 」 と 労 働 者 の 連 帯 に つ い て 考 え て く み て だ さ い 。( 伊 藤 彰 信 )
<本の紹介>
鳥井一平著 「国家と移民」
外国人労働者と日本の未来
16 高 橋 均 さ ん が 本 を 書 き ま し た 。「 競 争 か 連 帯 か ― 協 同 組 合 と 労 働 組 合 の 歴 史 と 可 能 性 」旬 報 社 1400 円 + 税 で す 。高 橋 均 さ ん は 、観 光 労 連( 現 サ ー ビ ス 連 合 )委 員 長 を 退 任 し た あ と 、連 合 に 行 き 、 組 織 調 整 局 長 、 総 合 組 織 局 長 、 副 事 務 局 長 を 経 て 、 そ の ご 労 働 者 福 祉 中 央 協 議 会 ( 労 福 協 ) 事 務 局 長 を 務 め た 方 で す 。 「 労 働 の 尊 厳 が 尊 重 さ れ る 社 会 を つ く る た め の 労 働 運 動 の 力 と 暴 走 す る 市 場 経 済 の 領 域 を 縮 小 ・ 相 対 化 す る た め の 労 働 者 自 主 福 祉 事 業 ・ 協 同 組 合 経 済 が 結 合 し 、 連 携 を 再 構 築 す る こ と 、 そ の う え で 、 そ れ ぞ れ の 組 織 が 『 共 益 』 の 殻 を 超 え て 『 公 益 』 組 織 に 脱 皮 す る こ と が 必 要 で あ る こ と を 指 摘 し た い と 思 う 」( 本 文 よ り ) 共 済 活 動 か ら 始 ま っ た 労 働 運 動 。 日 本 で の そ の 原 点 、 理 念 を 探 る 話 が 沢 山 紹 介 さ れ て い ま す 。 私 は 最 近 ILO の 2015 年「 非 公 式 な 経 済 か ら 公 式 な 経 済 へ の 移 行 勧 告( 第 204 号 )」に 注 目 し て い ま す 。世 界 で 働 い て い る 人 の 約 半 数 が こ の イ ン フ ォ ー マ ル 経 済 で 働 い て お り 、 今 回 の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 影 響 を 最 も 受 け て い る 人 た ち で す 。 ILO は 起 業 、 自 営 業 者 の 育 成 を 勧 め る と と も に 、 雇 用 労 働 だ け で な く 、 協 働 労 働 、 社 会 的 連 帯 経 済 に お け る 労 働 者 保 護 を 打 ち 出 し て い ま す 。 日 本 で も 与 野 党 国 会 議 員 の 共 同 提 案 で 労 働 者 協 同 組 合 法 案 が 通 常 国 会 に 提 出 さ れ 、 継 続 審 議 に な っ て い ま す 。 秋 の 臨 時 国 会 で 成 立 す る 見 通 し で す 。 日 本 の 労 働 運 動 も 企 業 内 の 雇 用 関 係 の 殻 の 中 で 運 動 を 考 え る の で は な く 、協 同 組 合 に つ い て も 勉 強 す べ き 時 だ と 思 い ま す 。( 伊 藤 彰 信 ) < 編 集 後 記 > エ ッ セ ン シ ャ ル ワ ー カ ー と い う 言 葉 が 使 わ れ 始 め た 。 定 義 づ け が 不 明 確 と 言 わ れ て い る が 、 大 い に 使 っ た ら 良 い と 思 う 。自 分 は 社 会 に 役 立 つ 労 働 を し て い る の だ 、社 会 を 支 え る 労 働 を し て い る の だ と 思 う こ と は 、 権 利 主 張 の 原 点 に な る 。「 自 己 責 任 」 と 思 え ば 権 利 主 張 は 消 え て し ま う 。 権 利 主 張 が あ っ て 、 は じ め て 要 求 が つ く ら れ 、 運 動 が 始 ま る の で あ る 。 そ ろ そ ろ「 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 対 策 特 集 」は 終 わ り に し よ う と 思 う 。コ ロ ナ 時 代 を 闘 う 労 働 運 動 、 そ れ が 本 当 の 労 働 運 動 と 念 じ て 。( I)