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時間帯別 CO2 マッピングに向けた 携帯 GPS データの活用と交通シミュレーション 1 2 村上大輔 山形与志樹 1 正会員博 ( 工学 ) 国立環境研究所地球環境研究センター ( 茨城県つくば市小野川 16-2) 2 正会員博 ( 学術 ) 国立環境研究所地球環境研究センター

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時間帯別CO2マッピングに向けた

携帯GPSデータの活用と交通シミュレーション

村上大輔

・山形与志樹

2 1 正会員 博(工学) 国立環境研究所 地球環境研究センター(〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2) 2 正会員 博(学術) 国立環境研究所 地球環境研究センター(〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2) 本研究では、リアルタイムな CO2 マッピングに向けた第一歩として、自動車交通量の推計に対する携帯 GPS デー タの有用性を検証する。そのために、まずはパーソントリップ(PT)調査データと携帯 GPS データを活用することで、 PT 調査の実施日以外の任意の日の交通量を推計することのできる手法を開発する。次に、同手法を応用すること で、横浜市内の日別・時間帯別の自動車交通量を 250m メッシュ毎に推計する。それにより、祝日と平日の交通量 の差異や金曜日とそれ以外の差異といった、各日の交通流の違いを捉えるうえでの携帯 GPS データが有用である 可能性を示す。

Key Words: CO2 mapping, GPS, People flow, Interpolation, Transportation

1.はじめに

気候変動が進展する中、都市・地域単位での炭 素管理への関心が高まっている。2014 年の時点で 全球の 228 の都市が 2020 年までに合計 454 ギガト ン/年の CO2 を削減することを誓約済みである (go.nature.com.sci-hub.cc/inaxr4 参照)。 CO2 マッピングは、都市・地域のステークホル ダー(例:市長)による炭素管理政策の立案・維 持・管理をサポートするための有効な手段の一つ である。実際に、実測と連携した CO2 マッピング は次の 4 つを可能とする(Gurney et al., 2015): ‐各排出源の相対的な影響力の把握 -効果的な政策の立案 -政策の効果検証 -想定外の排出の早期発見(例えば事故渋滞に 伴う異常な排出) 建築物(住宅・業務・産業)や自動車からの CO2 排出量をマッピングした我が国の研究には、例え ば中道ら(2013; 2015)がある。本研究では、自動車 からの CO2 排出(自動車排出)に着目する。 自動車排出を精度よく推計するためには、自動 車の一日の自動車の流れを把握する必要がある。 空間詳細な交通流を捉えることのできる複数のデ ータがこれまでに整備されてきた。例えば東京大 学 空 間 情 報 科 学 セ ン タ ー ( CSIS ; http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/japanese/index.html)は、 2008 年度パーソントリップ(PT)調査の個票を元 に人々の 1 分おきの位置座標を補間することで、 人の流れデータ(以後 PT フローデータ;Sekimoto et al., 2011 参照)を整理している。しかしながら、 PT フローデータは PT 調査実施日についてのもの であり、交通流の曜日毎・季節毎の変容を捉える ことはできない。 幸い、GPS の発達に伴い、任意の時点・曜日・ 季節の交通流動データも収集・整備されてきてい る。例えば、NTT ドコモのモバイル空間統計は、 携帯電話の所有者の位置情報を元に各日のメッシ ュ別・時間帯別の人口を推計・整備したデータで ある。Ge and Fukuda (2016)はモバイル空間統計デ

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2 ータと PT データを組み合わせることで、PT 調査 実施日以外の人の一日の Origin-Destination(OD) 行 列 を 推 計 し て い る 。 ま た Agoop 社 (https://www.agoop.co.jp/)はスマートフォーンの 特定アプリ(複数)のユーザーの位置情報を 30 分おきに収集・整備したデータを提供している。 以上のような携帯 GPS データを、プローブデータ とも組み合わせながら活用することで、時間帯だ けでなく、曜日や季節の違いも考慮した、高精度 な交通流の推定が可能となる可能性がある。 一般に、携帯 GPS データは次の特性を有する。 まず GPS データの位置精度は周辺環境に依存し て変化する。またプライバシー保護のために通常 は秘匿化されている。例えば上述の NTT ドコモ社 のデータはメッシュ毎に集計することで個人の識 別を困難としている(k-匿名化)。Agoop 社のデー タもまた、時間間隔を 30 分と長くとることで、ま た非商業地については 100m メッシュ毎に集計す ることで個人の識別を困難としている。以上のよ うな秘匿処理の結果として GPS データの時間・空 間解像度は低くなり、移動経路等の把握が困難と なる(図1参照)。以上の問題に対処するためには、 より高精度なデータと組み合わせながら携帯 GPS データを活用することが望ましい。 以上を踏まえ、本研究では、携帯 GPS の自動車 排出推計への応用に向けた第一歩として、PT フロ ーデータと携帯 GPS データ(Agoop 社提供)を統 合的に活用して交通量を推計するための手法を開 発する。また、以上の結果を PT 調査実施日以外 の日の交通量の推計に応用する。具体的には PT フローデータ(時点:2008 年 10 月の平日 1 日)と GPS データ(時点:2015 年 10 月 12-16 日)を用いて、10 月 12-16 日の交通量を推定する。なお 10 月 12 日は 祝日(体育の日)、13-16 日は平日である。対象地域 は横浜市とする。

2.データ

PTフローデータには交通モードがタグづけられて おり、本研究では自動車(乗用車)を分析対象する。 分析対象のPTフローデータの空間分布を図2に示す。 この図より、同データが空間詳細な自動車の分布を 捉えていることが確認できる。 一方で、GPSデータには交通モードのタグ付けら れていない。また30分間隔のデータであるため、経 路から交通モードを判定することも困難である(図1参 照)。従って、ここでは以下を満たす2点間の移動を 自動車による移動と判別することとした: (i) 時速10km/h以上の移動 (ii) 鉄道路線から50m以内のポイントを2回連続 で通過しない移動 無論、自動車フローの判別方法にはまだまだ改善の 余地があるが、ここでは今後の課題としたい。 図3に2015年10月12日のGPSデータをプロットした。 この図より、上記手順によって鉄道移動のフローが取 り除かれた結果、主要道路に沿って多くの標本が分 布する概ね直観に整合した自動車フローが抽出され たことが確認できる。 図2:PT flow データ(8 時台;自動車)の空間分布 市中心部 図1:Agoop 社の GPS データ(横浜市)の最初の 10 トリップの空間分布(30 分間隔の位置座標デー タを線でつないだもの) 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2 139.58 139.62 139.66 3 5 .4 0 3 5 .4 4 3 5 .4 8 3 5 .5 2

(3)

しかしながら、 データに比べて疎である。また、図 横浜市内の移動の大半は め、GPSデータのトリップ毎の標本数は多くの場合 であった。 分間隔であり、 ローデータと組み合わせるという方法は有効といえよ う。 全 f 図3:GPS 図4:PT あたり地点 0 .0 0 .2 0 .4 0 .6 0 .0 0 0 0 .0 1 0 0 .0 2 0 0 .0 3 0 割合 割合 しかしながら、30分間隔の データに比べて疎である。また、図 横浜市内の移動の大半は データのトリップ毎の標本数は多くの場合 。以上より、GPS 分間隔であり、各トリップが多数の標本からなる データと組み合わせるという方法は有効といえよ flow GPS データの空間分布( PT フローデータと 地点数のヒストグラム 5 10 0 .0 0 .2 0 .4 0 .6 0 100 0 .0 0 0 0 .0 1 0 0 .0 2 0 0 .0 3 0 PT 分間隔のGPSデータは データに比べて疎である。また、図4 横浜市内の移動の大半は1時間以内で完結するた データのトリップ毎の標本数は多くの場合 PSデータを活用するうえで 各トリップが多数の標本からなる データと組み合わせるという方法は有効といえよ 自動車 データの空間分布(2015 データとGPSデータのトリップ のヒストグラム 10 15 20 300 PT フローデータ GPS データ トリップあたり トリップあたり データはPTフロー 4に示したように 時間以内で完結するた データのトリップ毎の標本数は多くの場合 データを活用するうえで 各トリップが多数の標本からなるPT データと組み合わせるという方法は有効といえよ 自動車 flow(推定) 2015 年 10 月 12 日) データのトリップ 25 500 データ データ トリップあたり 地点数 トリップあたり 地点数 3 フロー したように、 時間以内で完結するた データのトリップ毎の標本数は多くの場合2 データを活用するうえで、1 PTフ データと組み合わせるという方法は有効といえよ

3.

(1 本節では、 しながら、 通流を推計する ータの時空間分布をもとに リングすることで、 動車の流れを推計する 地点間の そのために、まず PTフロー ( c ここで 性、 それぞれ下式で与える: dO(g フローの着地間の直線距離である。 し、この値が小さい場合は近隣の し て フ ロ ー が 推 定 さ れ る こ と と な る 。 cross pj)は発地間の時間近接性、 間近接性を表し、 tO(g は両フローの着地における時刻の差である。 では 接している 日) トリップあたり 数

.自動車交通流の推計手法

(1)モデル 本節では、PT しながら、GPSデータの取得されている 通流を推計する ータの時空間分布をもとに リングすることで、 動車の流れを推計する 地点間の各移動をフローと呼称する)。 そのために、まず フローpjの近接性 = ) , (gi pj ) , ( i j O S g p w w ここでwSO(gi,pj)と 、wS D (gi,pj)は それぞれ下式で与える: p g wOS( i, p g wSD( i, gi, pj)はgiとpj フローの着地間の直線距離である。 し、この値が小さい場合は近隣の し て フ ロ ー が 推 定 さ れ る こ と と な る 。 cross-validationによって推定する は発地間の時間近接性、 間近接性を表し、 i O T g w ( , i D T g w ( , gi, pj)はgiとpj は両フローの着地における時刻の差である。 ではht=3とした。 接しているほど、また類似の時間帯の

自動車交通流の推計手法

PT フローデータを補助情報として活用 データの取得されている 方法を検討する ータの時空間分布をもとにPT リングすることで、GPSデータ観測日の空間詳細な自 動車の流れを推計する(以降では、各トリップ内の 移動をフローと呼称する)。 そのために、まずi番目のGPS 近接性を下式で ) , ( i j TD D S g p w w とフローgiとpj は両フローの着地の同近接性を それぞれ下式で与える:     − = pj) exp     − = pj) exp の発地間の直線距離、 フローの着地間の直線距離である。 し、この値が小さい場合は近隣の し て フ ロ ー が 推 定 さ れ る こ と と な る 。 によって推定する は発地間の時間近接性、w 間近接性を表し、それぞれ下式で与える:     − = j p ) exp     − = j p ) exp の発地における時刻の差、 は両フローの着地における時刻の差である。 とした。近接性c(gi, 、また類似の時間帯の

自動車交通流の推計手法

データを補助情報として活用 データの取得されている別の日 方法を検討する。具体的には PTフローデータをリサンプ データ観測日の空間詳細な自 (以降では、各トリップ内の 移動をフローと呼称する)。 GPSフロー

g

i を下式で評価する。 ) , ( i j TD D T g p w jの発地の空間的な近接 両フローの着地の同近接性を     h p g dO( i, j)     h p g dD( i, j) の発地間の直線距離、dD フローの着地間の直線距離である。hはバンド幅を表 し、この値が小さい場合は近隣のGPSデータを重視 し て フ ロ ー が 推 定 さ れ る こ と と な る 。 によって推定する(後述)。 wTD(gi,pj)は着地間の時 それぞれ下式で与える:     t j i O h p g t ( , )     t j i D h p g t ( , ) の発地における時刻の差、 は両フローの着地における時刻の差である。 , pj)は、発地と着地が近 、また類似の時間帯のフローであるほ データを補助情報として活用 別の日の交 具体的にはGPSデ データをリサンプ データ観測日の空間詳細な自 (以降では、各トリップ内の2 iと、j番目の ) , (gi pj (1) 空間的な近接 両フローの着地の同近接性を表し、     (2)     (3) D (gi, pj)は両 はバンド幅を表 データを重視 し て フ ロ ー が 推 定 さ れ る こ と と な る 。 h は 。またwT O (gi, 着地間の時 それぞれ下式で与える: (4) (5) の発地における時刻の差、tD (gi, pj) は両フローの着地における時刻の差である。本研究 発地と着地が近 フローであるほ

(4)

4 ど、高い値を示す。 本研究では、GPSデータgiが与えられた下での、 各PT フローの尤もらしさを下式で評価する。

= i j j i j i j p g c p g c g ) , ( ) , ( ˆ (6) j gˆ はpjと発地・着地・時点が類似するGPSフローが多 数 存 在 す る 場 合 に 大 き く な る 。 な お 、gˆ の 総 和j

j j が元のGPSデータの標本点数に一致すること が直ちに確認できる。従って、(6)式はGPSフロー (疎;図3参照)をPTフロー(密;図2参照)の各点に再 配分する式とみなすことができる。 またhとhtはGPSデータの重みを調整するパラメー タと解釈できる。例えばhとhtがともに∞の場合、gˆ はj 一様となる。即ちGPSフローの分布はgˆ に反映されj ない。反対にhとhtが0に近づくほど、GPSデータの局 所的な分布傾向を捉えるように各gˆ が重みづけられj ることとなる。従って、hとhtは適切に推定する必要が ある。次節ではhを推定する方法を説明する。 (2)バンド幅の推定方法 空間のバンド幅hはPTフローデータに対するモデ ルの汎化誤差を最小化することで推定する。本来で あれば、本研究の目的である別の日のフローの量を 推定することで精度を検証することが望ましいがPT データは1日だけのデータであるため、ここでは「12 時台のPTフローデータ(1分間隔)とt時台のGPSデー タ(30分間隔)を用いてt時間帯のフロー量(1分間隔) の推定する」という方法で、推定したい時間帯の30分 間隔のGPSデータをどの程度重視すべきか(前節末 尾参照)、を評価することとした。具体的には以下の 手順でhを推定した: (i) PT flowデータから以下3つを抽出 - p12 : 12時台のPTフローデータ(1分間隔) - gt : t時台のPTフローデータを30分間隔でリ サンプリングした疑似GPSデータ - pt(true): t時台のPTフローデータ(1分間隔;真値 とみなす) (ii)以下の計算をhを変えながら繰り返すことで、Root

Mean Squared Error(RMSE)を最小にするhを探

(iii-1) p12とgt を用いて、前節の方法でt時台のフ ロー(1分間隔)を推計(推計データ:t) (iii-2) (iii-1)で推定されたフローを集計することで 250mメッシュ毎の推計フロー数を推計 (iii-3) pt(true)も集計することで、250mメッシュ毎の 真のフロー数を算出 (iii-4) (iii-2)と(iii-3)で得られた推計フロー数と真 のフロー数の差をRMSEで評価 t i ittrue it N p p RMSE=

− 2 , ) ( , ˆ ) ( (7) pi,t(true)pˆi,tはそれぞれの pt(true)tの第 i 要素で ある。ここでは、時間軸は考慮せずに、即ち wTO(gi, pj)= wT D (gi,pj)=1 として、フローの空間パターンのみ を考慮して計算を実施した。本来であれば htもまた データから推定することが望ましい。h と htの同時推 定については今後の課題としたい。

4.実証分析

(1)概要 本節では、前節で導入した手法を用いて、PT flow データを補助情報として活用しながら、GPSデータの 取得されている2015年10月12日(月)-16日(金)の交通 流を分析する。対象地域は神奈川県横浜市とする。 なお、12日は祝日(体育の日)、13-16日は平日であ る。 以下では推計した交通量を250mグリッド毎に集計 することで交通量のマッピングやモデルの精度検証 を行う。 (2)結果 まず、空間バンド幅の推定結果を図5に整理し た。データサイズが大きいため、ここでは精度検 証の時間帯を t

∈{9, 12, 15, 18 21}として、h

{0.5, 1.0, 2.0, 3.0}(単位:km)の場合の各 RMSE を評

(5)

価した。図 小であり、 することで、フローの推定精度が向上することが 確認された 次に、250m ドを通過した乗用車の台数)を図 プロットした。この図より 量が大きい点や、通勤時間帯や帰宅時間帯に交通 量が増える点など、直観と整合した推定結果とな っていることが確認できる 次に、日間の時間帯別の交通量の変化率を図 (p.7 参照)にプロットした。同図 日(平日)8:00 大きいことが確認できる。この傾向は横浜市中心 部とその北東(即ち東京方向)で特に顕著である。 この傾向は 一方、対象地域中心部の広い範囲(住宅地)で 13 日(平日) りも小さくなる傾向 地における平日の ないため解釈できる 日についての 日の差異が また図7 量が木曜日に比べて大き に市郊外部 通を増加させた結果と解釈できる 以外にはこのような傾向はみられなかった。 以上のように、 交通流の日変動が捉えられること (3)精度検証 3(2)節の 図5より、h であり、GPS データの局所的な空間分布を考慮 することで、フローの推定精度が向上することが 確認された。以降では 250m 毎の交通量( ドを通過した乗用車の台数)を図 プロットした。この図より 量が大きい点や、通勤時間帯や帰宅時間帯に交通 量が増える点など、直観と整合した推定結果とな っていることが確認できる 次に、日間の時間帯別の交通量の変化率を図 参照)にプロットした。同図 )8:00 の交通量が 大きいことが確認できる。この傾向は横浜市中心 部とその北東(即ち東京方向)で特に顕著である。 この傾向は通勤が反映された結果と解釈できる。 一方、対象地域中心部の広い範囲(住宅地)で (平日)の日中の りも小さくなる傾向がみられたが、 地における平日の私事トリップが ないため解釈できる。 日についてのデータ)と 日の差異が捉えられた点は興味深い 7下段からは、金曜日の 量が木曜日に比べて大き 郊外部)。この傾向 通を増加させた結果と解釈できる 以外にはこのような傾向はみられなかった。 以上のように、GPS 交通流の日変動が捉えられること 精度検証 )節の計算において 図5:バンド幅 9 = 2.0km の時に データの局所的な空間分布を考慮 することで、フローの推定精度が向上することが 以降では h = 2.0 として分析を進める 毎の交通量(30 分以内に各グリッ ドを通過した乗用車の台数)を図 プロットした。この図より主要道路に沿って交通 量が大きい点や、通勤時間帯や帰宅時間帯に交通 量が増える点など、直観と整合した推定結果とな っていることが確認できる。 次に、日間の時間帯別の交通量の変化率を図 参照)にプロットした。同図 の交通量が 12 日(祝日 大きいことが確認できる。この傾向は横浜市中心 部とその北東(即ち東京方向)で特に顕著である。 通勤が反映された結果と解釈できる。 一方、対象地域中心部の広い範囲(住宅地)で の交通量が 12 がみられたが、 私事トリップが 。PT フローデータ(平日 データ)と GPS データから平日と休 捉えられた点は興味深い 下段からは、金曜日の 量が木曜日に比べて大きいことが確認できる 傾向は週末であることが夜間交 通を増加させた結果と解釈できる 以外にはこのような傾向はみられなかった。 GPS データを活用することで、 交通流の日変動が捉えられること 計算において RMSE :バンド幅 h と 12 15 18 21 の時に RMSE が最 データの局所的な空間分布を考慮 することで、フローの推定精度が向上することが として分析を進める 分以内に各グリッ 6(p7 参照)に 主要道路に沿って交通 量が大きい点や、通勤時間帯や帰宅時間帯に交通 量が増える点など、直観と整合した推定結果とな 次に、日間の時間帯別の交通量の変化率を図 参照)にプロットした。同図上段からは、 日)8:00 に比べて 大きいことが確認できる。この傾向は横浜市中心 部とその北東(即ち東京方向)で特に顕著である。 通勤が反映された結果と解釈できる。 一方、対象地域中心部の広い範囲(住宅地)では 12 日(祝日) がみられたが、これは、住宅 私事トリップが祝日に比べて少 データ(平日 データから平日と休 捉えられた点は興味深い。 下段からは、金曜日の夕方以降の交通 いことが確認できる は週末であることが夜間交 通を増加させた結果と解釈できる。なお、金曜日 以外にはこのような傾向はみられなかった。 データを活用することで、 交通流の日変動が捉えられることを確認した。 RMSE に加えて と RMSE 12 15 18 21 時間帯 5 が最 データの局所的な空間分布を考慮 することで、フローの推定精度が向上することが として分析を進める。 分以内に各グリッ 参照)に 主要道路に沿って交通 量が大きい点や、通勤時間帯や帰宅時間帯に交通 量が増える点など、直観と整合した推定結果とな 次に、日間の時間帯別の交通量の変化率を図7 上段からは、13 に比べて 大きいことが確認できる。この傾向は横浜市中心 部とその北東(即ち東京方向)で特に顕著である。 通勤が反映された結果と解釈できる。 は、 (祝日)よ 、住宅 祝日に比べて少 データ(平日 1 データから平日と休 の交通 いことが確認できる(特 は週末であることが夜間交 なお、金曜日 データを活用することで、 。 に加えて R2 を評価 の精度を 12 時台の の PT 計算結果を図8にプロットした。 は各時点で ことが確認

4.まとめ

本研究では を念頭に、 それにより、例え れたデータであっても、日毎の交通量の変化を捉 える上で有用であることを確認した。 本研究は多くの課題を抱えている や車種も推定である。 るためには、交通量のみならずそれらの情報も重 要である。また交通シミュレーションとの連携も また、次の分析を行う上で重要である:道路網上 の移動やそれに伴う渋滞などを考慮した、より実 態に即した交通流の推計;都市・交通政策による 交通流の変化の分析。以上は今後の課題としたい。 謝辞: 的研究開発プロジェクト る。

参考文献

時間帯 を評価することで前節 精度を検証した。ここでは3(2)節と同様に 時台の PT データを用いて PT を推計することで 計算結果を図8にプロットした。 は各時点で 0.6 ことが確認できた

4.まとめと

本研究では CO2 を念頭に、GPS データを交通量の推計に応用した。 それにより、例え れたデータであっても、日毎の交通量の変化を捉 える上で有用であることを確認した。 本研究は多くの課題を抱えている や車種も推定である。 るためには、交通量のみならずそれらの情報も重 要である。また交通シミュレーションとの連携も また、次の分析を行う上で重要である:道路網上 の移動やそれに伴う渋滞などを考慮した、より実 態に即した交通流の推計;都市・交通政策による 交通流の変化の分析。以上は今後の課題としたい。 謝辞:本研究は「環境省環境研究総合推進費 研究開発プロジェクト る。

参考文献

図8: R2 することで前節で用いた 検証した。ここでは3(2)節と同様に データを用いて を推計することで R2を時間帯別に評価した。 計算結果を図8にプロットした。 0.6 程度と相当程度の推定精度である できた。

と今後の展望

CO2 排出(交通部門)推計への応用 データを交通量の推計に応用した。 それにより、例え 30 分間隔のような秘匿処理のさ れたデータであっても、日毎の交通量の変化を捉 える上で有用であることを確認した。 本研究は多くの課題を抱えている や車種も推定である。CO2 排出を精度よく推計す るためには、交通量のみならずそれらの情報も重 要である。また交通シミュレーションとの連携も また、次の分析を行う上で重要である:道路網上 の移動やそれに伴う渋滞などを考慮した、より実 態に即した交通流の推計;都市・交通政策による 交通流の変化の分析。以上は今後の課題としたい。 「環境省環境研究総合推進費 研究開発プロジェクトS-10 :時間帯別の 10 15 で用いた交通量の 検証した。ここでは3(2)節と同様に データを用いて t 時台(t

2を時間帯別に評価した。 計算結果を図8にプロットした。この図より、 程度と相当程度の推定精度である

今後の展望

排出(交通部門)推計への応用 データを交通量の推計に応用した。 分間隔のような秘匿処理のさ れたデータであっても、日毎の交通量の変化を捉 える上で有用であることを確認した。 本研究は多くの課題を抱えている。まず、渋滞 CO2 排出を精度よく推計す るためには、交通量のみならずそれらの情報も重 要である。また交通シミュレーションとの連携も また、次の分析を行う上で重要である:道路網上 の移動やそれに伴う渋滞などを考慮した、より実 態に即した交通流の推計;都市・交通政策による 交通流の変化の分析。以上は今後の課題としたい。 「環境省環境研究総合推進費 -10」の成果の一部であ 別の R2の評価結果 10 15 20 交通量の推計手法 検証した。ここでは3(2)節と同様に

{6, …23}) を時間帯別に評価した。 この図より、R2 程度と相当程度の推定精度である 排出(交通部門)推計への応用 データを交通量の推計に応用した。 分間隔のような秘匿処理のさ れたデータであっても、日毎の交通量の変化を捉 まず、渋滞 排出を精度よく推計す るためには、交通量のみならずそれらの情報も重 要である。また交通シミュレーションとの連携も また、次の分析を行う上で重要である:道路網上 の移動やそれに伴う渋滞などを考慮した、より実 態に即した交通流の推計;都市・交通政策による 交通流の変化の分析。以上は今後の課題としたい。 「環境省環境研究総合推進費 戦略 の成果の一部であ の評価結果 時間帯 を時間帯別に評価した。

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(7)

8 8 8 8 時台 8 時台 8 時台 図7:推定された自動車 図6:推定された自動車交通量( 12 時台 10 月 16 日 12 時台 10 月 12 日( 推定された自動車 12 時台 :推定された自動車交通量( 7 日(金)/ 10 月 (月;休日)/ 10 推定された自動車交通量の日間 :推定された自動車交通量( 18 時台 月 15 日(金) 18 時台 )/ 10 月 15 日(火) 日間変化率(時間帯別) 18 時台 :推定された自動車交通量(10 月 15 日 ) 変化率 (時間帯別) 日(火)) 20 時台 20 時台 変化率 (時間帯別) 20 時台 時台 時台 時台

参照

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