• 検索結果がありません。

CO2濃度安定化目標について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "CO2濃度安定化目標について"

Copied!
49
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2007年8月31日

CO

2

濃度安定化目標について

(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)

システム研究グループ

(2)

はじめに

国連気候変動枠組条約の第2条目的において、温室効果ガ

ス濃度の安定化を謳っているが、具体的な安定化レベルに

は言及されていない。

温暖化問題の解決には長期的な取組が不可欠であり、先進

的な省エネ技術や脱炭素技術を開発・普及させ、また社会

システムをも大きく変革していく必要有り。

明確な長期目標を世界が共有することによって、どのよう

な技術をいつ頃までに開発すれば良いかが明確になり、戦

略的な技術開発・普及や社会システムの変革が可能となる

ので、長期目標の合意は重要。

また、長期的な目標が決まれば、短中期的な排出削減の道

筋は自ずと絞り込まれ、短中期的な行動計画の合意にも役

立つ。

(3)

気候変動枠組条約第2条(目的)

この条約及び締約国会議が採択する関連する法的文書は、

この条約の関連規定に従い、

気候系に対して危険な人為的

干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効

果ガスの濃度を安定化させることを究極的な目的

とする。

そのような水準は、

生態系が気候変動に自然に適応し、食

糧の生産が脅かされず、かつ、経済開発が持続可能な態様

で進行することができるような期間内に達成されるべき

ある。

この「究極目標」に合致する目標はいかなるものか?

また、どのようにアプローチすべきか?

(4)

長期安定化目標に関する国際動向(1/3)

欧州

(2007年1月)

超長期目標:

全球年平均気温の上昇幅が2℃を超えない

中長期目標:

- 2050年で少なくとも基準年比(主に1990年比) 50%温室効果ガス排出を

削減。途上国との差異を考えると、先進国は60~80%削減すべき

- EUは単独であっても2020年に20%削減。世界の協力が得られれば30%

削減

日本

(2007年5月24日):「美しい星50」

長期目標:

2050年までに世界のGHG排出量を現状から半減

原則:

- 米中印を含む主要排出国の参加

- 個別事情配慮、柔軟且つ多様性のある枠組み

- 環境と経済の両立

目標達成国民運動

- 目標達成計画見直し、業務部門対策強化、国民運動の展開

(5)

長期安定化目標に関する国際動向(2/3)

米国

(2007年5月31日)

長期目標:

2008年末までに中印を含めた主要排出国15カ国程度で合意を

はかる

中期目標:個別事情に応じた中期目標の設定

行動計画:

- セクター別にWG(クリーン技術、ベストプラクティスの共有)

- クリーンエネルギーへの技術開発投資の促進

- 環境技術の関税障壁の除去

(6)

長期安定化目標に関する国際動向(3/3)

G8ハイリゲンダム・サミット

(2007年6月6~8日)

気候変動への取組はすべての国共通の責任

エネルギー安全保障と効果的な気候保護を最適に組み合わせるアプロー

チの実施にコミット

気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において

温室効果ガスの濃度を安定化させるため、強固かつ早期の行動をとるこ

とにコミット

すべての主要排出国を巻き込むプロセスにおいて、排出削減の地球規模

での目標を定めるにあたり、2050年までに排出を少なくとも半減 させ

ることを含む、EU、カナダ及び日本による決定を真剣に検討

更なる行動が、共通に有しているが差異ある責任、それぞれの能力とい

う国連気候変動枠組条約上の原則に基づくべきと強調

特に新興経済国に対して、炭素集約度を削減することによって、排出の

増加に対応するよう呼びかける。

国連のプロセスが、気候変動の交渉のために適切なフォーラムであると

認識。2008年末までに合意することが必須

(7)

長期安定化目標を含む今後の国際交渉

米国主催の温暖化対策国際会議

招待国:

欧州連合(EU)、フランス、ドイツ、イタリア、英国、

日本、中国、カナダ、インド、ブラジル、韓国、メキシコ、ロシア、

オーストラリア、インドネシア、南アフリカ、国連

ポスト京都議定書の枠組みに関して、下記のようなテーマで議論予定

-

長期の世界的な目標

- 国別の中期の目標と戦略

- セクター別アプローチ

- 技術開発と技術展開の加速

第1回:2007年9月27、28日

(8)

EUの2℃目標の根拠

1996年EU理事会:全球平均気温の上昇は産業革命以前から2℃を超え

るべきではなく、 CO

2

濃度で550 ppm以下の濃度とすべき

しかし、元々、根拠がないものである。むしろ、550 ppmが産業革命以

前のCO

2

濃度で2倍であるため、分析におけるベンチマークとして用い

られていたことから、設定されたものと推察される。

気候感度2.5℃で、SOxの冷却効果が大きいことが言われた頃だったので、

SOxの冷却効果が-0.5℃で、550 ppm=2℃が成り立っていた。

しかし、この後、Non-CO

2

GHGによる温室効果も大きいことが言われ

るようになる。

これに伴い、等価CO

2

濃度という概念も登場。このとき、元々、550

ppmはCO

2

単独の濃度であったはずが、 550 ppm=2℃を維持するた

めに、550 ppmは等価CO

2

濃度とするようになった(2005年環境相理事

会)。

一方、SOx排出の低減傾向も顕著に見られるようになったため、冷却効

果は将来的には-0.5℃よりも小さいと見込まれるようになる。

更には気候感度が3℃に上方修正されたため、ここに至って2℃≒350

ppm(CO

2

only)となっている。

(9)

美しい星50:現状比半減の根拠

「美しい星50」では、「現状比半減」の必要性を、自然界の年間吸収量と等し

くするため、としているが、これは科学的に正しい理解ではない。

自然界の吸収量はCO2濃度によって大きく変化し、現状よりも高い濃度では多

くの吸収がなされ、逆に低い濃度では少ない吸収しか起こらない。

よって、これを基に「現状比半減」の根拠とはできない。

IPCC IS92a排出シナリオ時の 陸域、海域のCO2吸収量変化 (負が正味吸収、正が正味排出) 左図はCO2濃度のみによるもの 右図は気温上昇に伴う影響を 考慮した場合 出典)IPCC WG1 TAR

(10)

大気中CO

2

濃度安定化シナリオにおける

EU、日本政府目標の位置づけ

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 1990 2015 2040 2065 2090 2115 2140 2165 2190 2215 2240 2265 2290 年間 CO 2 排出量(炭素換算 10 億ト ン ) 750 ppm 650 ppm 550 ppm 450 ppm 350 ppm 特段のCO2排出抑制を行わない場合:IPCC IS92aシナリオ

EU2℃提案

2050年排出量半減(1990年比~現状比)

いずれの濃度に安定化するにしても タイミングの問題はあるが、大幅な

CO2排出削減は不可避

(11)

合意が容易ではない問題であるため、意欲的な

目標を掲げ、議論をリードすることも重要なこ

とではあるが、ここでは、科学的な視点から最

も合理的な濃度安定化レベルはいかなるものか、

また、世界的に合意できる範囲はどのレベルな

のかを議論する。

(12)

科学的に合理的と考えられる

(13)

RITE PHOENIXにおける究極目標の基本的な考え方

z

温暖化影響の部門間統合の問題:CBAのためには、様々なタイプの温

暖化影響をすべて金銭換算しなければならないが、事実上不可能

z

地域間統合の問題:CBAでは、金銭換算され算出された温暖化被害額

を地域間で統合することになるが、例えば、島嶼国の被害額は世界全

体からは大きくないが、それを看過できないと思う人もいるだろう。

z

時点間統合の問題:金銭換算され算出された時点毎の温暖化被害額の

統合方法。割引率といった便宜的なパラメータを用いて統合されるこ

とが多いが、将来世代の負担をどのように見るかは千差万別。

z

不確実性の大きさ

限りある資源を有効に使い全体的な最適性を追求するため

には、基本的には、この問題を費用便益(CBA)的に考え

るしかない

しかし、温暖化問題特有の事柄に留意しなければならない

リスクとリスク認知は、分けて考えるべき

(14)

PHOENIXでの温暖化影響と緩和策

の定量的評価の内容

各排出パスについて、各種温暖化影響と緩和策・費用を評価した。

評価した排出パス:

リファレンスケース(特段のCO

2

排出抑制無し)

大気中CO

2

濃度安定化(650 ppm, 550 ppm, 450 ppm)

なお、人口、経済成長等はIPCC SRES B2で実施(ただしA1FIのケースも感度解析)

定量評価を実施した温暖化影響事象

海面上昇・沿岸影響、水資源影響、農作物影響、健康影響、

陸上生態系影響、海洋酸性化への影響、熱塩大循環(THC)への影響

温暖化緩和策・費用の評価

短中期の評価:多部門モデルによる産業構造変化も含めた評価

長期の評価:エネルギーを中心とした評価。非エネルギーは1部門

のマクロ評価

(15)

PHOENIXにおける評価の手順

科学的な 分析・評価 EJ:第1 ステップ A. 世界合計値_2100年時点_Ref, S550のみ EJ:第2 ステップ <温暖化影響の評価> 1)海面上昇/沿岸影響 2)農作物影響 3)健康影響 4)陸上生態系 5)THC崩壊 <緩和コストの評価> - エネルギーシステムモデルの計算結果 によるシステムコスト増分 C. 世界地域別_2050,2100,2150の3時点 _Ref, S650, S550, S450の各シナリオ <温暖化影響の評価> - 左記5項目以外の影響事象(例えば、WAIS, 異常気象, 山岳氷河, 北極海氷など)も <緩和コストの評価> - さらに、地域別/産業別の付加価値変化も 質問1. 温暖化影響緩和の 相対的重要度の一対比較 (5項目のみ) 質問2. 健康影響による死 亡回避価値(金銭換算値) 温暖化による 悪影響金銭換 算値 緩和コスト 排出パス/ 安定化レベル Ref S650 S550 S450l l l 総コスト (=純便益の負数) 悪影響の金銭 換算値/コスト 総コストが最小(=総便益最大) となる「安定化レベル」を算出 質問1. 総合的に考えた上での、最も望ましい安定化レベル 質問2. 質問1.の回答を行った理由 質問3. 質問1.の回答を行うにあたり、重要視した項目 回答の集計、分析、まとめ B. 上記Aの項目に関して、 S650, S450のケースについても評価 エキスパート ジャッジメント

(16)

評価のためのCO

2

排出パス

0 5 10 15 20 25 30 1990 2010 2030 2050 2070 2090 2110 2130 2150 2170 2190 Year CO 2 e m is si on [G tC /y r] Reference S650 S550 S450 リファレンス:SRES B2ベースで、DNE21によって2200年までの資源制約を考慮しつつ導出した排出パス。 SRES B2の排出パス(~2100年)と比較的近くなるように、DNE21の技術パラメータを オリジナルのものから調整を行った。 濃度安定化パス(S650, 550, 450):IPCC WGIの濃度安定化パスを近時点の実績が整合的になるように修正 した排出パス

(17)

大気中CO

2

濃度と全球平均気温上昇

200 400 600 800 1000 1990 2010 2030 2050 2070 2090 2110 2130 2150 2170 2190 Year C O 2 c onc ent ra tion [ ppm v] Reference S650 S550 S450 0 1 2 3 4 5 6 7 1990 2010 2030 2050 2070 2090 2110 2130 2150 2170 2190 Year T em per at ur e r is e r elat iv e t o t he pr eindus tr ia l lev el [ ℃] Reference S650 S550 S450

大気中CO

2

濃度(CO

2

only)

全球平均気温上昇

非CO2 GHGs は、すべてのケースでSRES B2ベースを想定 平衡気候感度は3.0℃と想定

(18)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー気温上昇の地域分布(1990年比)ー

♦ 北極域で大きな気温上昇が見られる。 ♦ 550 ppmに安定化するとかなり抑制はできるものの、それでも、北極域を中心にかなりの 気温上昇は避けられない。

リファレンスケース;2100年

550 ppm安定化ケース;2100年

(19)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー降水量変化の地域分布(1990年比)ー

リファレンスケース;2100年

550 ppm安定化ケース;2100年

♦ 赤道近辺の海域で降水量の増大が大きい傾向にある。 ♦ 排出シナリオによる降水量変化への影響はそれほど大きくないが、全体としてはリファレ ンスケースの方が降水量が大きくなる傾向にある。

(20)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー海面上昇の評価ー

-20 0 20 40 60 80 100 120 1800 1850 1900 1950 2000 2050 2100 2150 2200 Year S ea lev el r is e ( cm ) Reference S650 S550 S450 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 1990 2020 2050 2080 2110 2140 2170 2200 S ea le ve l r ise ( cm) 南極氷床の融解 グリーンランド氷床の融解 氷帽の融解 熱膨張 合計 内訳 嵐の高波によって浸水する年間 人口は1990年で1,000万人程度で あるのに対し、2080年頃の海面 上昇が38cmとした場合、防護の 充実を考慮しても9,000万人程度 になるとの推定あり ♦ 特段CO2排出削減対策を行わないReferenceケースの場合、2200年には90年比で110cm程 度の上昇、650ppm安定化時は80cm、450ppmでは55cm程度の上昇と推定される。ただし、濃度安定化しても、2200年以降も海面上昇は続く。

(21)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー水資源への影響(1/2)ー

♦ 水ストレスの評価においては、年間一人当 たり水資源賦存量が1000 m3が一つの基準 として利用されることが多いため、ここで もその基準で評価した。 ♦ 温暖化によって、北アフリカや東アジア等 の一部地域では降水量が増加するため、水 ストレスが緩和される。 ♦ ヨーロッパ、地中海沿岸~南アジア、南ア メリカの一部地域では、逆に水ストレスが 増加する。 1000 [m3/人/年] 一人当た り 年 水資源賦存量 水ストレス・強化 水ストレス・新規 水ストレス・緩和 水ストレス解消 水ストレス増大 水ストレス減少 人口変化のみを 考慮した場合 温暖化による 水資源賦存量 変化も考慮 した場合 水ストレス 水ストレス・変化無 水ストレス無 水ストレス強化 水ストレス新規 水ストレス変化無 水ストレス緩和 水ストレス解消 水ストレス増大 水ストレス減少 水ストレス強化 水ストレス新規 水ストレス変化無 水ストレス緩和 水ストレス解消 水ストレス増大 水ストレス減少 Reference S450

(22)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー水資源への影響(2/2) ー

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 Re fe re n c e S6 50 S5 5 0 S4 5 0 R e fe renc e S6 5 0 S5 5 0 S4 5 0 R e fe renc e S6 5 0 S5 5 0 S4 50 水 ス ト レ ス 減少人 口  [百 万人 ] 水ストレス・緩和 水ストレス解消 2050年 2100年 2150年 0 500 1,000 1,500 2,000 R e fe re nce S6 5 0 S5 5 0 S4 5 0 R e fe rence S650 S550 S450 Ref e re nc e S6 5 0 S 550 S 450 水ス ト レ ス 増 大人 口  [百 万人 ] 水ストレス・強化 水ストレス・新規 2050年 2100年 2150年 ♦ 水資源量の面からは、温暖化した方が、降水量が増加するため、世界全体で見ると、水 ストレスが緩和する傾向にはある。 ♦ ただし、降水量が集中的に増加するなどの傾向も見られるため、一方で、水の管理を適 切に実施しなければならないケースも多いものと考えられる。

(23)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー農作物への影響(1/3)ー

小麦のリファレンスケースにおける

2150年の生産ポテンシャル変化(1990年比)

♦ 今後、生産性の向上が期待できる途上国と、寒冷な地域で少し温暖化したことによってよ り小麦の生産に適する地域では増加が見込まれる。 ♦ 米国、欧州、豪州などでは、生産ポテンシャルが減少すると見込まれる。

(24)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー農作物への影響(2/3)ー

0 10 20 30 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 2050 2100 2150 In cr eas e in pot en tial pr oduc tio n ( % )

小麦

♦ 途上国を中心に生産性の向上は見込まれるので、どのシナリオにおいても、小麦の生産ポ テンシャルの向上は見られる。ただし、リファレンスシナリオでは2150年になると、濃度 安定化シナリオに比べて、大幅に生産ポテンシャルは減少する。 ♦ 人口の増大のため、生産ポテンシャルは増加しても、いずれのシナリオでも一人当たりの 生産ポテンシャルは現在よりも減少する。 -50 -40 -30 -20 -10 0 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 2050 2100 2150 D ec rea se in pot ent ial per -c apit a pr oduc tion ( % )

生産ポテンシャル変化

(1990年比)

一人当たり

生産ポテンシャル変化

(1990年比)

(25)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー農作物への影響(3/3)ー

0 10 20 30 40 50 60 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 R ef er enc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 2050 2100 2150 In cr eas e in pot ent ial p rod uc tion (% )

♦ 米は小麦よりも温暖な気候向きなため、リファレンスシナリオでも生産ポテンシャルの減 少は比較的小さい。ただし、これは品種や作付時期の変更による適応を考慮しての結果で あり、そのような適応策は必須である。 ♦ 小麦同様、米においても、人口の増大のため、生産ポテンシャルは増加しても、いずれの シナリオでも一人当たりの生産ポテンシャルは現在よりも減少する。 -30 -20 -10 0 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 Re fe re nc e W G I S 650 W G I S 550 W G I S 450 2050 2100 2150 D ec rea se in pot ent ial per -c apit a pr oduc tion ( % )

生産ポテンシャル変化

(1990年比)

一人当たり

生産ポテンシャル変化

(1990年比)

(26)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー健康への影響

(熱ストレス(循環器疾患、呼吸器疾患))

排出パス別(世界全体)

-15 -10 -5 0 5 10 15 B 2-R ef B 2 -S 65 0 B 2 -S 55 0 B 2 -S 45 0 B 2 -R ef B 2 -S 65 0 B 2 -S 55 0 B 2 -S 45 0 B 2 -R ef B 2 -S 65 0 B 2 -S 55 0 B 2 -S 45 0 温暖化に よ る 死亡者数変化 [百万人] 暑さ起因 寒さ起因 2050年 2100年 2150年 -5.0 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 サハ ラ 以 南 ア フ リ カ イン ド その 他 ア ジ ア ラテ ン ア メ リ カ 中東 ・ 北 ア フ リ カ 旧社 会 主 義 ヨ ー ロ ッ ハ ゚ 先 進 資本 主義圏 中国 温暖化に よ る 死亡者数変化( 百万人) 暑さ起因の 呼吸器疾患 (全年齢) 暑さ起因の 循環器疾患 (65歳以上) 暑さ起因の 循環器疾患 (65歳未満) 寒さ起因の 循環器疾患 (65歳以上) 寒さ起因の 循環器疾患 (65歳未満)

Referenceケースの

2150年時点の内訳

♦ 暑さ起因による死亡者数増よりも、寒さ起因によって死亡者数が減少する方が大きいと見 込まれる。 ♦ リファレンスケースでは、地域別には特に中国での死亡者数の減少が見込まれる一方、サ ハラ以南のアフリカでは死亡者数が正味で増加すると見込まれる。

(27)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー健康への影響

(マラリア及びデング熱)

♦ 低い濃度レベルに安定化することによって、若干の死亡者数減少が見られる。 ♦ しかし、温暖化以上に支配的なのは、経済成長の度合いであり、一人あたりGDPの成長に 伴い、アジア地域などでは2050年以前に発生しなくなると見込まれ、また、サハラ以南の アフリカにおいても、いずれのシナリオであっても2100年頃には死亡者数の増大は見込ま れない。

マラリアとデング熱の温暖化による死亡者数変化

0 20 40 60 80 100 120 2050 2100 2150 年 温暖化 に よ る 死亡 者数 変化( 千 人) B2-Reference B2-S650 B2-S550 B2-S450 推定される2050年の死亡者数増大は サハラ以南のアフリカで見込まれる

(28)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー陸上生態系と海洋酸性化への影響ー

陸上生態系:種の減少

7.7 7.8 7.9 8 8.1

Y2050 Y2100 Y2150

pH Reference S650 S550 S450 0 2 4 6 8 10 12 14

Y2050 Y2100 Y2150

Biodiversity loss relative to Y1970 [%]

Reference S650 S550 S450

海洋酸性化

リファレンスシナリオにおいては、2150年に温暖化起因で12%程度種が減少する恐れがあ る一方、450 ppmでは6%を下回ると見られる。なお、2050年における温暖化以外の要因 による陸上生態系の種の減少は12%程度とされる。大気中CO2濃度が上昇すると、海洋の酸性化進む。2050年ではシナリオによってpHの変 化にあまり大きな差異は見られないものの、2150年ではシナリオによってpHで0.2程度の 差異が生じ得る。

(29)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ー熱塩大循環(THC)の崩壊確率の評価ー

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 500 1000 1500 2000 2500 2200年のCO2濃度 (ppmv) TH C 崩 壊確率 (% ) Murphy(2004) Annan(2006) Hegerl(2006) B2-S550 B2-Reference B2-S450 B2-S650 出典)S. Rahmstorf, Nature, 2002熱塩大循環(THC)が崩壊すると、海洋生態系などに予期できない大きな影響を与える恐 れもあり ♦ 特段CO2 排出削減対策を行わないReferenceケースの場合、長期的(2200年以降)には60-90%程度の確率でTHCが崩壊する恐れあり。一方、650ppmに安定化すると10-20%、 450ppmでは5%を下回ると推定される。

(30)

濃度安定化レベル別の温暖化影響の評価

ーその他の影響ー

西部南極氷床(WAIS)の崩壊:WAISが崩壊すると、4~6 m程度の海

面上昇となる恐れがあるが、少なくとも21世紀中に崩壊する可能性は小

さい。

林業:CO

2

濃度の増大、温暖化によって森林ポテンシャルは増大する可

能性があるものの、森林火災、病害虫の増大によって、それを減じる可

能性有り

漁業:プランクトン生息域が変化/減少し、漁場の大幅な変化を引き起

こす可能性有り

熱帯低気圧:頻度は減少する可能性もあるものの、強い規模の熱帯低気

圧が発生しやすくなる可能性大

(31)

濃度安定化レベル別の温暖化緩和策の評価(1/2)

0 50 100 150 200 250 300 350 400

Y2050 Y2100 Y2150

C O 2 sh ad ow p ri c e [ $ /tC] Reference S650 S550 S450 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 En erg y in te n siv e Sec tor -Y202 7 Servi c e Se ct or -Y2 02 7 En erg y Se ct or -Y2 02 7 O ther Sec tors -Y202 7 Se c tor To ta l -Y 202 7 GD P lo ss r el at iv e to R ef er ence [% ] Reference S650 S550 S450

DEARSモデルによって推定された

2027年の部門別の付加価値損失

DNE21モデルによって推定された

世界のCO

2

排出削減限界費用

(世界の限界削減費用が均等化する理想的なケース を想定) ♦ 限界削減費用は2050年では特に450 ppm安定化ケースで他のシナリオとの差異が大きい。部門を詳細に分割したDEARSモデルによる評価では、 450 ppm安定化ケースで急激に付 加価値損失が大きくなる傾向が見られる。

(32)

濃度安定化レベル別の温暖化緩和策の評価(2/2)

0 4 8 12 16 2000 2025 2050 2075 2100 Year CO 2 em is si ons & r educ tions [G tC /y r] CCS (Ocean Storage)

CCS (Injection into Deep Saline Aquifer) CCS (Injection into Depleted Gas Well) CCS (Enhanced Oil Recovery)

Reforestation Net Emission 0 4 8 12 16 2000 2025 2050 2075 2100 Year CO 2 em is si on s & r educ tions [G tC /y r] CCS (Ocean Storage)

CCS (Injection into Deep Saline Aquifer) CCS (Injection into Depleted Gas Well) CCS (Enhanced Oil Recovery)

Reforestation Net Emission 0 5 10 15 20 25 30 35 40 2000 2025 2050 2075 2100 Year P rim ar y ener gy pr oduc tion [ G toe/ yr ] Photovoltaics Wind

Hydro & Geoth. Nuclear Biomass Natural Gas Crude Oil Coal 0 5 10 15 20 25 30 35 40 2000 2025 2050 2075 2100 Year P rim ar y ener gy pr oduc tion [ G toe/ yr ] Photovoltaics Wind

Hydro & Geoth. Nuclear Biomass Natural Gas Crude Oil Coal

Referenceケース

450 ppm安定化

Referenceケース

450 ppm安定化

(33)

緩和コスト評価に用いたモデル(参考)

超長期(~2150年)の緩和策評価:

DNE21モデル

中期(~2050年)の緩和策評価:

DEARSモデル

z

トップダウン型経済モジュールとボトムアップ型エネルギーシステムモジュール

の統合モデル

z

動的非線形最適化モデル(世界全体の消費効用最大化)

z

モデル対象期間: 21世紀中頃まで(最適化時点間隔:10年)

z

世界地域分割:18地域分割

z

非エネルギー産業分類: 18産業分類

z

エネルギー産業分類: 一次エネルギー7種、二次エネルギー4種

z

GTAPモデル・データベースに基づく産業連関構造を明示した経済モジュール

z

DNE21モデルに基づく簡略化したエネルギーシステムモジュール

z

トップダウン型経済モジュール(非エネルギー1部門のみ)とボトムアップ型エ

ネルギーシステムモジュールの統合モデル

z

動的非線形最適化モデル(世界全体の消費効用最大化)

z

モデル対象期間: ~2150年

z

世界地域分割:10地域分割

DNE21: Dynamic New Earth 21

(34)

専門家による価値判断

第1段階

(CBA的簡易評価による推定結

果)

第2段階

の結果

ほとんどの専門家グループで

650

ppmv(CO

2

only)

程度を望ましい濃度安

定化レベルと見なしていると推定され

た。

5つの影響事象以外の影響、

および時点毎の影響や地域

間の差異等を含めた最終的

な(第2段階の)判断では、

550 ppmv(CO

2

only)

程度を

望ましいと考えた回答者が

多い結果となった。

-2,500 -2,000 -1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500 2,000 Ref S650 S550 S450 総便益 ( B illion U S 1990$ per y ear ) Group A Group B Group C Group D

All the repondents

回答者数( 人 ) 0 2 4 6 8 10 12 14 450 500 550 600 650 700 750 Group A Group B Group C Group D 0 2 4 6 8 10 12 14 450 500 550 600 650 700 750 安定化レベル (ppmv-CO2 only) 第1ステップ推定 第2ステップ回答

(35)

専門家が重要と考えた項目と

望ましい濃度安定化レベルに寄与した項目

1 2 3 4 5 TH C WA IS 海面上昇・ 沿岸影響 水資源 生態系 農作物 健康 海洋酸性化 林業 漁業 畜産業 その他産業 異常気象 グリ ー ン ラ ン ド氷 床 北極の海氷 永久凍土 氷河・ 氷帽 温暖化緩和コ ス ト ・ 対 策 その他 地域間の差異 時点間の差異 重要視の度合

項目別の重要視度

重要視度は中位。望ましい濃度安定化 レベルとは有意な相関あり 多くが重要と考えたが、望ましい濃度安定化レベルとの相関は無し

(36)

最近の気候変動に関する科学的評価

Stern Review

(2006年10月、英国)

今すぐに大幅な削減を!

対応策を講じなかった場合の費用は、GDP比5%強~20%

450~550 ppmvCO2eq. では、気候変動の最悪の影響はかなり減少

500~550 ppmvCO2eq.に抑えるための費用は世界の年間GDPの1%程度。

何もしなかった場合のリスクに比べればずっと低い費用

早期に断固とした対応策をとることによるメリットは、対応しなかった

場合の経済的費用をはるかに上回る

IPCC第4次評価報告書

(2007年2~4月政策決定者向け要約公表)

濃度上昇は人為起源

気温上昇は考えられてきた以上に進行しそう

温暖化影響は現前化

考えられてきた以上に様々な温暖化影響

部門別、費用別の削減ポテンシャルを提示

CO

2

単独濃度で350~790 ppmv(445~1130 ppmvCO

2

eq.)の安定化

シナリオ提示

温暖化は深刻。削減

の道はある。しかし

温暖化影響と対策費

用からの望ましい方

策は政治的な問題

(37)

Stern Review

英国財務相の委託によって、N. Stern 卿らが「気候変動の経済

学」(通称:Stern Review)をまとめ、2006年10月に公表され

た。

<主要な結論>

対応策を講じなかった場合の費用は、GDP比5%強~20%

450~550 ppmvCO

2

eq.のレベルに抑えられれば、気候変動がも

たらす最悪の影響はかなり減少

500~550 ppmvCO

2

eq.に抑えるための費用は世界の年間GDPの

1%程度と推定され、何もしなかった場合のリスクに比べればずっ

と低い費用で達成が可能

450 ppmvCO

2

eq.に抑えるのは非常に困難で費用もかかりすぎる

早期に断固とした対応策をとることによるメリットは、対応しな

かった場合の経済的費用をはるかに上回る

明確な濃度安定化目標の記載はないものの、暗に500~550 ppmv CO

2

eq.濃度安定化

を推奨しているものと解釈できる。

(Stern ReviewではSOxの冷却効果は考慮されていないので、 冷却効果を考慮すると、450~500 ppmvCO2eq.前後に相当し、EU方針とほぼ整合的)

(38)

PHOENIXとStern Reviewの主要な差異

Stern Review

PHOENIX

望ましい濃 度安定化レ ベルを言及 するための アプローチ 温暖化緩和費用(GDP損失)と、緩和 策を取らない場合の温暖化影響の被 害額をそれぞれ算出。両者を比較し、 望ましい濃度安定化レベルに言及。費 用便益的に考えてはいるものの、実際 には費用便益分析にはなっていない。 温暖化低減による便益とそのための費用を算 出。専門家に影響項目間、緩和コストの重み 付けをしてもらい、それを元に費用便益分析を 実施。その結果を元にしつつ、現時点では定 量化できない温暖化影響や世代間・地域間の 衡平性なども考慮した上で、最終的に望まし いと考える濃度安定化レベルを専門家が決定。 評価におい て用いられ たベースシ ナリオ ~2100年まで:IPCC SRES A2 2100–2200年:世界人口0.6% p.a.で 増大(2100年:150億人、2200年:270 億人) 《ただしA2は温暖化影響の評価のみに 利用。緩和コストはB2ベース》 ~2100年まで:IPCC SRES B2(人口中位、 一人当たり経済成長中位) 2100–2200年:世界人口0.06% p.a.で増大 (2100年:100億人、2200年:110億人) 《温暖化影響・緩和策評価ともに整合的に利 用》 温暖化影響 の金銭換算 市場的影響として2200年GDP比5%、 非市場影響など様々な面を考慮すると 20%。しかしその根拠は不透明 温暖化影響は項目毎にそれぞれの指標で算 出。その上で、その情報を基に専門家が判断。 その導出プロセスは明瞭。 温暖化緩和 費用の見積 もり 500–550 ppmv-CO2eq.安定化は 2050年まではGDP比1%未満。ただし、 450 ppmv-CO2eq.安定化は費用がか かりすぎ、非現実的 550 ppmv(CO2only)安定化はGDP比1%未 満。ただし、450 ppmv (CO2 only)はGDP比 10%以上となる可能性有り。それを回避する ためには、2030年頃までに運輸部門における 革新的なCO2排出削減技術の導入が不可欠

(39)

IPCC第4次評価報告書

WG2

温暖化の影響は多くの

観測において有意に現

れている。

全球平均気温が90年比

で約2~3℃以上の場

合、すべての地域で正

味の便益が減少する可

能性が非常に高い。

【産業革命以前比では

約2.5~3.5℃。また、

対策費用は含まれない

ことに注意の要】

約1~3℃の海面温度

の上昇によって、サン

ゴが適応しなければ、

白化や広範な死滅が頻

発すると予測される。

EU2℃目標

(90年比1.5℃)

550 ppmv CO

2

only

(40)

IPCC第4次評価報告書とPHOENIX

CO2濃度 (ppm) 等価CO2 濃度(ppm CO2eq.) 産業革命以 降の気温上 昇幅(℃) 2050年の CO2削減率 (00年比%) 2050年削減 費用(対GDP 比%) 温暖化影響 損失(対GDP 比%) I 350-400 445-490 2.0-2.4 -85~-50 II 400-440 490-535 2.4-2.8 -60~-30 III 440-485 535-590 2.8-3.2 -30~+5 1.3 (-0~4) IV 485-570 590-710 3.2-4.0 +10~+60 0.5 (-1~2) V 570-660 710-855 4.0-4.9 +25~+85 ― 1~5 VI 660-790 855-1130 4.9-6.1 +90~+140 ― ―

出典)IPCC WG2 & WG3 AR4, SPMより整理

注)費用便益的には、削減費用と影響損失の和が最小になる濃度が望ましい +5.5未満 地域により損失(+)/便益(-) 混在 すべての 地域で+ スターン・ レビュー? EU提案 政府提案 PHOENIX <参考:スターン 影響損失> 5~20%(8.6℃上昇時)

(41)

世界的に現実的に合意可能と考え

(42)

先進国と途上国の削減分担

気候変動枠組条約の第3条原則において、「衡平の原則に基づき、

かつ、それぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能

力に従い、・・・」、「開発途上締約国及びこの条約によって過

重または異常な負担を負うこととなる締約国(特に開発途上締約

国)の個別のニーズ及び特別な事情について十分な考慮が払われ

るべきである。」とされている。

「差異のある責任」の具体的な中身は明確ではないものの、途上

国への資金援助のみならず、実際の排出削減において、先進国は

より厳しい削減を求められるはずである。

そのため、先進国と途上国の削減分担という視点から、各濃度安

定化レベルもしくは提案されている長期目標がどういう意味を持

つのかを検討しておく必要がある。

(43)

将来のCO

2

排出量の見通し

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000 2000 2010 2020 2030 2040 2050 西暦年 化石燃料燃焼からの CO 2 排出量 ( M tC /y r) 附 属 書 I 国 非 附 属 書 I 国 2000年 : 34% 2050年 : 21% 米国 米国以外の附属書I国 中国・インド 中国・インド以外の 非附属書I国 2050年 : 70% RITE, DNE21+モデルによる z

今後、特に途上国における排出量の大幅な増大が見込まれる。

z

少なくとも、米・中・印が実質的に加わった削減枠組みが必要であり、途上国

の参加も促せるような目標レベルを考える必要有り

(44)

世界の排出量2050年半減の意味

50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100 附属書I国のBaU比削減率(%) 非 附 属 書 I 国 の BaU比 削 減 率 ( % ) 先 進 国 2000年 比 5 0%減 60%減 7 0 % 減 8 0 % 減 90%減 1 0 0 % 減 先 進 国 ・ 途 上 国 の 削 減 比 率 が 等 し い 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 2 5%増 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 5 0 % 増 途上国も最低60% 削減が必要 注)BaU排出量(成り行き ケースにおける排出量)は DNE21+モデルの計算結果

エネルギー起源CO

2

排出量での分析

この目標では、途上国を含めた合意がかなり難しいと見られる。

(45)

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 附属書I国のBaU比削減率(%) 非附 属書 I国 のB a U 比削 減率 (% ) 先 進 国 20 00 年 比 20 %減 5 0% 減 30 %減 4 0% 減 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 5 0%増 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 2 倍 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 3 倍

各安定化濃度レベル時の先進国・途上国の削減率

550 ppmv CO

2

only

450 ppmv CO

2

only

このレベルであれば、途上国

を含めた合意の可能性も見出

し得る。

10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 附属書I国のBaU比削減率(%) 非附 属書 I国 のB a U 比削 減率 (% ) 先 進 国 20 00 年 比 30 %減 50 %減 60 %減 80 %減 40% 減 7 0% 減 先 進 国 ・ 途 上 国 の 削 減 比 率 が 等 し い 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 5 0%増 先 進 国 の 削 減 率 は 途 上 国 の 2 倍

(46)

地域別の一人当たりGHG排出量(2004年)

Annex I

Non-Annex I

人口

19.7%

80.3%

GHG排出量

48%

52%

一人当たり排出量

16.1 tCO

2

eq./cap

4.2 tCO

2

eq./cap

(47)

AR4からの2050年半減目標の意味

AR4報告の2004年の地域別の一人当たりGHG排出量から

2050年半減目標の意味を考察して見ると・・・

仮にAnnex IがGHG排出量を0としても、Non-Annex Iも

2004年排出量より削減が必要

(化石燃料燃焼CO

2

排出量の場合は、Annex

IとNon-Annex Iの比率は0.55:0.45)

2050年の人口が94億人(IPCC SRES B2)とすると、半減

目標の場合、2050年の世界平均のGHG排出量は、2.2

tCO

2

eq./cap(現在のNon-Annex Iの排出レベルの半分に

近いレベル、Annex Iの排出レベルからは1/8に近いレ

ベル、現在のアフリカよりも低いレベル)が必要

(48)

妥当と見られる大気中CO

2

濃度安定化目標

-2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 1990 2015 2040 2065 2090 2115 2140 2165 2190 2215 2240 2265 2290 年間 CO 2 排出量(炭素換算 10 億ト ン ) 750 ppm 650 ppm 550 ppm 450 ppm 350 ppm 特段のCO2排出抑制を行わない場合:IPCC IS92aシナリオ

EU2℃提案 2050年排出量半減(1990年比~現状比)

PHOENIX

(550ppm CO2 only) (これでも相当困難) 世界的な合意の可能性を考えると、 更に頑張ってもせいぜいこのレベル

(49)

まとめ

長期安定化目標を世界の主要国で合意することは、長期的な技術

開発・社会システムの変革、そして短中期的な排出削減計画の策

定のためにも重要。

しかし、EU、日本政府の長期目標には科学的な根拠がない。

Stern Reviewは、EU(もしくは英国政府)目標を正当化しよう

とした試みと見られるものの、科学的なものにはなっておらず、

政治的な報告書と見るべき。

RITEのPHOENIXプロジェクトでは、各種濃度安定化レベル別に、

各種温暖化影響の大きさと緩和費用を算出し、費用便益的に評価。

また、価値判断も含めた望ましい安定化レベルを導出。

それによると、550 ppmv CO

2

only程度に安定化することが望ま

しい。その結果は、IPCC AR4の報告とも矛盾しない。

世界の排出量を2050年に半減する目標では、途上国の参加がかな

り困難となる。せいぜい450 ppmv CO

2

only程度が限度。

550 ppmv CO

2

onlyもしくはCO

2

eq.程度で世界的な合意を目指

すべき

参照

関連したドキュメント

2017 年度に認定(2017 年度から 5 カ年が対象) 2020 年度、2021 年度に「○」. その4-⑤

3:80%以上 2:50%以上 1:50%未満 0:実施無し 3:毎月実施 2:四半期に1回以上 1:年1回以上

ベース照明について、高効率化しているか 4:80%以上でLED化 3:50%以上でLED化

上であることの確認書 1式 必須 ○ 中小企業等の所有が二分の一以上であることを確認 する様式です。. 所有等割合計算書

地球温暖化対策報告書制度 における 再エネ利用評価

※各事業所が提出した地球温暖化対策計画書の平成28年度の排出実績が第二計画

平成 28(2016)年 5 ⽉には「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、中期⽬標として「2030 年度に おいて、2013

地球温暖化とは,人類の活動によってGHGが大気