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小規模多機能型居宅介護事業におけるマネジメント

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Academic year: 2021

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■学位 論文 要 旨(修 士)

小 規模多 機能 型居 宅介護

事 業 にお け るマ ネ ジメ ン

澄*

*  京都 女子 大学 大学 院  現 代社 会研 究科 103   介 護 保 険 法 が 施 行 さ れ 、 改 正 に よ り居 宅 サ ー ビ ス 、 施 設 サ ー ビ ス に加 え 、 新 た に地 域 密 着 型 サ ー ビ ス が で き、 そ の 中 に小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 とい う新 しい 事 業 が 生 まれ た。 利 用 者 は 顔 馴 染 み の ス タ ッフ に よ り 「通 い」 「訪 問 」 「泊 ま り」 の サ ー ビ ス を受 け 、 住 み慣 れ た 自宅 や 地 域 で 暮 らす こ とが で き る理 想 的 なサ ー ビス で あ る 。 だ が 、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 所 は 施 行 以 前 の モ デ ル事 業 所 か ら 新 規 立 ち 上 げ事 業 所 に 至 る まで 、 す ぐに登 録 者 で い っ ぱ い に な り、 待 機 者 が で る と い う状 況 に は な か な か 至 ら な い 。 施 設 や グ ル ー プ ホ ー ム な ど は 開 設 後 す ぐに 部 屋 や ベ ッ ドが埋 ま り、 待 機 者 もい る と こ ろ が 多 い の に なぜ な の か とい う こ と を 問 題 関 心 と して研 究 を 行 っ た。   原 因 は制 度 の 不 備 に あ る の か 、 マ ネ ジ メ ン トに 問 題 が あ る の か 。 理 想 的 な仕 組 み を 持 っ た小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 所 が 、 な ぜ 、 利 用 者 に十 分 に 理 解 され な い の か を論 文 で 解 明す べ き研 究 テ ー マ と した 。   具 体 的 な研 究 方 法 と して 、2009年10月 に京 都 府 下 の 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 所 で 行 っ た ア ンケ ー ト調 査 、 並 び に 、 管 理 者 、 地 域 包括 支 援 セ ン タ ー の 職 員 、 利 用 者 の 家 族 へ の 聞 き取 り、 さ らに 、 自 らの 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 の 経 営 経 験 、 介 護 経 験 の結 果 を も と に した 事 例 研 究 を用 い た。   論 文 は 以 下 の 構 成 に した が つ た 。 第1章 で は 、 介 護 保 険 の 法 改 正 の 経 緯 を 再 整 理 し た。 第2章 で は 、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 が 理 想 の サ ー ビス と期 待 され た に も拘 わ らず 、 必 ず

(2)

104 現代社会研究科論集 し も理 想 どお りに は い か な い こ と を制 度 面 か ら分 析 した 。 第3章 で は、 利 用 者 と職 員 の 人 員 配 置 、 質 の 確 保 、 事 業 方 針 、 管 理 者 の取 り 組 み 方 をマ ネ ジ メ ン ト面 か ら分析 した。 第4 章 で は 結 論 と して 、 問 題 提 起 に 対 して の 知 見 を得 た 。 なお 、 補 論 で は、 研 究 の 過 程 で得 ら れ た小 規模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 が さ らに発 展 す る た め の 方 策 を私 見 と して 述 べ て い る 。   本 論 文 の 結 論 と して 、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 の 制 度 面 とマ ネ ジ メ ン トの 面 に お い て 、 以 下 の 課 題 が あ る こ とが 明 らか に な っ た 。 (1)制 度 面 の 限界 ① 在 宅 で の 生 活 が 軸 で シ ー ム レス ケ ア を 必 要   とす る利 用 者 に 対 す るサ ー ビス の 限界 が あ   る こ と。 ② 利 用 者3人 に対 し1人 の 職 員 配 置 で あ っ て 、   そ れ を越 え た 受 け 入 れが で き な い こ と、 通   い 定 員 を満 た して い る場 合 の 通 い希 望 に は   応 え られ な い こ と、 登 録 定 員 の6割 が 通 い   利 用 者 で あ っ て 泊 ま りの 受 け 入 れ に 限 度 が   あ る こ と、 泊 ま りの 部 屋 の 数 が 泊 ま り人 数   の 受 け 入 れ 限 度 で あ る こ と等 、 利 用 者 の 受   け 入 れ に制 限 が あ る こ と。 ③ 住 む 機 能 が な く、 家 族 介 護 の 限 界 に対 応 で   きな い こ と。 (2)マ ネ ジ メ ン ト面 の 限界 ① 波 の あ る利 用 者 数 とそ れ に 対 応 す る職 員 数   の 確 保 が 難 しい こ と。 ② 事 業 を続 け る た め の 管 理 者 の 役 割 が 大 き く   な りす ぎる 傾 向 が あ る こ と。 ③ 利 用 者 や 家 族 の 希 望 と事 業 者 の 考 え る 介 護   方 針 が 必 ず し も合 致 しな い こ と。   しか し、 この よ うな 条 件 下 で も待 機 者 の い る施 設 も存 在 して い る。 そ う した施 設 を調 査 す る こ と に よ っ て 、 以 下 の 事 実 が 明 ら か に な っ た。 介 護 保 険 事 業 に お い て 、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 は遅 れ て ス タ ー ト した 関 係 で 、 す で に利 用 者 と事 業 所 の 馴 染 み の 関係 が で き て お り、 コ ー デ ィ ネ イ トを す る ケ ア マ ネ ー ジ ャ ー は 自分 の 所 属 す る法 人 の 在 宅 サ ー ビ ス の 事 業 収 益 を上 げ る 傾 向 が あ つ た。 一 方 、 待 機 者 の あ る 事 業 所 に は 理 念 が あ り、 独 自 の事 業 運 営 を して い た 。 ま た、 地 方 で 競 合 す る事 業 所 が な い と こ ろ で は、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 に もす で に 待 機 者 が い た。   上 記 の 分析 結 果 か ら、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 に待 機 者 を生 み だ す ま で の 経 営 をす る た め に は 、 マ ネ ジ メ ン ト面 で は 管 理 ス キ ル の 一 層 の ア ップ 、 制 度 面 で は グ ル ー プ ホ ー ム の併 設 な どの 戦 略 的 対 応 が 求 め られ て い る こ とが わか っ た 。 加 え て 、 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 が 競 争 社 会 の な か で 再 設 計 され た事 業 で あ る と い う基 本 原 則 を 再 認 識 す る 必 要 が 明 らか に さ れ た。

参照

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