〔論 文〕
ジェネリック医薬品業界における垂直統合型ビジネスモデルの競争優位性
―プライベートブランド商品戦略を中心として―
広 崎 心
(日本経済大学)濃 沼 政 美
(帝京平成大学)赤 瀬 朋 秀
(日本経済大学)1.はじめに
近年,政府の積極的な医療費抑制政策の後押しもあり,ジェネリック医薬品(以降,ジェネリッ ク)の数量シェアは急激に上昇し,2018年度には74.0%⑴にまで達した。そして,市場の拡大に伴い, 2005年頃より多くの企業がジェネリック業界に参入を果たした。例えば,大手保険薬局チェーンの日 本調剤が2005年に設立した日本ジェネリックの現在の売上ランクは第10位に達し,2010年に業界参入 した先発医薬品系(以降,先発系)の第一三共エスファはジェネリックトップ3(日医工,沢井製 薬,東和薬品)に次いで第4位に達している(表1)。一方で,インド大手のザイダスファーマは 2006年に日本市場に参入したがわずか8年で撤退した。富士フイルムが設立した富士フイルムファー マは2010年に営業を開始したがわずか8年で解散し,そのジェネリック事業は医薬品卸系の垂直統合 型企業である共創未来ファーマが継承している。さらに,先発系ジェネリック企業であった田辺製薬 表1 ジェネリックにおける売上と製造販売権数ランク⑵(2018年度) (百万円) ランク 企業名 売上 ランク 企業名 製販権数 1 沢井製薬 184,341 1 東和薬品 668 2 日医工 166,592 2 沢井製薬 610 3 東和薬品 150,104 3 日医工 554 参考 日本ジェネリック+長生堂製薬 55,205 4 武田テバファーマ 400 4 第一三共エスファ 49,852 参考 日本ジェネリック+長生堂製薬 373 5 三和化学研究所 47,030 5 ニプロ 308 6 あすか製薬 46,706 6 共和薬品 271 7 武田テバファーマ 45,596 7 陽進堂 249 8 小林化工 41,200 8 辰巳化学 245 9 ダイト 41,135 9 高田製薬 234 10 日本ジェネリック 40,659 10 小林化工 225 21 長生堂製薬 14,812 12 日本ジェネリック 213 15 長生堂製薬 160 長生堂製薬製品は日本ジェネリックが販売しているため,参考として合算値を記載した 出所:月刊ジェネリック(2019.8)を参考に作成⑶販売は2017年にニプロに,エルメッドエーザイは2019年に日医工にそれぞれ売却された。 このように激動するジェネリック業界において,本稿は以下の点に着目した。まず,近年市場規模 が拡大する一方で,事業撤退も珍しくないジェネリック業界において,日本ジェネリックや共創未来 ファーマを含め,垂直統合で参入した企業は着実に取り扱い製品数を増やし売上高ランクもアップし ている点である。次に,ジェネリックは,かつては各社より販売される製品にそれぞれ固有のブラン ド名があったが,近年は有効成分を指す一般名や各社の屋号を組み合わせた製品名に統一されるよう になった。そして,この名称が食料品などで見られるプライベートブランド(以降,PB)商品の名 称に似ている点である。そこで,本稿では医薬品卸や保険薬局による垂直統合型企業のグループが PBとしてジェネリックを発売することの利点について,日本調剤グループを中心に他の業種におけ る先行研究と対比して調査分析を行った。なお,本稿は垂直統合型企業の競争優位性を調査すること が目的であるため,おもに保険薬局で処方される内服薬の医療用医薬品(以降,医薬品)のジェネリッ クビジネスに特化して論じる。
2.ジェネリック市場における環境分析
2.1 バリューチェーンから見た業界特性 本稿はジェネリック業界における垂直統合型ビジネスの競争優位性を調査することが目的の一つで あるため,まずジェネリックにおけるバリューチェーンについて,先発品ビジネスと比較して論じる。 前述の通り,2005年頃より先発系企業を中心に多くの企業がジェネリック業界に参入を果たした が,それら企業の大半は製造販売業の立場でありながら,実際にはジェネリックの研究開発も製造も 行っておらず,業界内で共同開発⑷と呼ばれる製造販売権の導出入制度を用いて,ジェネリック企業 が開発・製造した製品を導入し販売を行っている。先発系企業によるジェネリック業界の参入目的 の一つとして,新薬ビジネスにおける研究開発部門や製造部門の現有資源の有効活用が想定される が,実際には販売部門での活用に限られているケースが多い。 ジェネリックは新薬(先発品)と比較し,研究開発ステージにおいて相対的には高度な技術やノウ ハウは存在しないが,先発品や他社ジェネリックとの差別化のために製剤化技術には力を入れてお り,それら技術力は先発系企業よりも優れているといわれている。また,開発ステージでは対象とな る先発品との同等性を担保する点にノウハウがある。先発品の開発では既存の同効薬との比較におい て同等以上の結果が示されば良いが,ジェネリックの開発では対象となる先発品と比較して科学的に 同等であることが証明されなければならず,優れても劣ってもいけない。つまり,試験結果を「科学 的に同等である」という枠の中に納めることに開発ノウハウがある。そして,新規参入企業の多く は,ジェネリック企業が作成した製造承認申請に関する資料を当局に提出して製造販売権を取得し, 製品の販売を行っている。ジェネリック企業が共同開発企業を募り,それら企業に申請資料を提供す る目的は,研究開発費を案分することによる初期投資費用の早期回収や製品供給を行うことで永続的に利益を獲得することであり,申請資料を提供しても製造権を導出することは極めて少ない(広崎, 2019b)。ただし,かりに先発系企業がジェネリックの製造権を獲得したとしても,先発品の製造ラ インを,少量多品種を低コストで製造しなければ利益が確保できないジェネリックに転用することは 極めて難しい。 販売部門であるが,新薬(先発品)は医師が処方を開始しなければ売上げは見込めないため,先発 系企業のMRの主たる訪問先は病医院の医師である。一方,ジェネリックは先発系企業が築き上げた 市場を切り替えることで売上げを確保するビジネスである。そして,現在先発品からジェネリックへ の切り替えや,多数のジェネリックブランドの中から一つを選択し採用する権限は,院外処方であれ ば保険薬局側にあるため,ジェネリック企業のMRの主たる訪問先は保険薬局の各店舗や一括採用の 権限者がいる本社などである。 また,先発系企業とジェネリック企業とでは,販売ルートについても少なからず異なる。先発系企 業の取り扱い製品は,先発品・ジェネリックを問わず医薬品卸連合に加盟する医薬品卸ルートを経て 医療機関や保険薬局に納品される。一方,ジェネリック企業の取り扱い製品は,近年医薬品卸ルート にシフトチェンジする傾向にあるが,いまだにジェネリック販社が中心的である。なお,医薬品卸に よるジェネリックの取り扱いについてであるが,先発系企業を中心とする急激な新規参入企業の増加 により,一つの有効成分に対して30社以上からジェネリックが一斉発売されるケースもあるため,医 薬品卸各社は効率を喫するために取引企業の製品を平等には取り扱わず,アロワンスの交渉等を経て 3ブランド程度に絞り込み,それらを推奨メーカー品として取り扱っている。推奨メーカーに選定さ れる企業は,自社グループ内企業,先発系企業を中心とする強力な取引関係のある企業,そしてブラ ンド力のあるジェネリックトップ3などであり,中堅以下のジェネリック企業などが推奨メーカーに 選定されることは皆無であるため,これら企業の主たる販売ルートはいまだにジェネリック販社であ る。 2.2 ジェネリック処方に対するインセンティブ 2008年度の診療報酬改定より,ジェネリックを処方した保険薬局に対して保険点数によるインセン ティブの付与が開始された。まず,2008年度にジェネリックの数量シェアが30%を超えた保険薬局 に対して4点(1点=10円)の加算が認められたことを皮切りに,2010年度以降は細分化された (表2)。そして,数量シェアのハードル値は徐々に上昇し,同じ点数加算を受けるためには隔年で5 ~10%のシェアアップが必要となっている。2014年度にハードル値が一気に上昇しているが,これは ジェネリックシェアの算出方法の変更によるものである⑸。なお,これらジェネリック処方推進策に 対するインセンティブであるが,費用の源泉は患者や保険者からの負担金であり使用促進者である政 府ではない。
2.3 ジェネリック取り扱い企業の市場動向 ジェネリックは,かつては対先発品薬価の70%で発売時薬価が設定されていたため,共同開発にお ける導出元も導入側もある程度の利益を確保することができた。しかし,2014年度と2016年度の診療 報酬改定で発売時薬価が徐々に下がり,現在は対先発品薬価の40~50%となっている。さらに,日本 の薬価制度では,隔年で実施される薬価改定によって基本的には最低薬価に向かって徐々に下がるた め,ジェネリックはかつてほど収益が見込めるビジネスではなくなった。 このような市場環境の変化もあり,先発系企業を中心とする新規参入企業の一部はジェネリック事 業を売却する方向に向かった。前述の田辺製薬販売やエルメッドエーザイのケースに加え,同じく田 辺三菱製薬は2014年に長生堂製薬を日本調剤に,エーザイは2016年にサンノーバを医薬品卸のアルフ レッサにそれぞれ売却している。さらに,前述の富士フイルムによる富士フイルムファーマのジェネ リック事業部門の売却に加え,大原薬品も2016年にエール薬品(現:共創未来ファーマ)を東邦HD に売却している。そして,2018年の大手保険薬局チェーンのメディカルシステムネットワーク(以 降,MSN)らによるフェルゼンファーマの設立なども含め,2010年代は垂直統合型企業がジェネリッ クビジネスの本格稼働を開始した時期であるといえる。換言すると,先発系企業を中心とする新規参 入企業は診療報酬改定による薬価下落によって梯子を外され,流通コストを最小限に抑えられる流通 系のジェネリック企業が,採算性が悪くなったジェネリック事業を引き継いだというのが,2010年代 後半の業界動向であるといえる。 なお,一部の先発系企業がジェネリック事業を売却する一方で,多くの先発系企業は新たなジェネ リックのビジネスモデルを確立している。それは,オーソラズドジェネリック(以降,AG),すなわ ち先発系企業が公認したジェネリックと呼ばれ,先発品と同一の製造施設で同一の成分で製造される 表2 保険薬局におけるジェネリックシェア(数量)に対するインセンティブ 2008年 2010年 2012年 2014年 2016年 2018年 85% 26点 80% 22点 75% 22点 18点 70% 65% 22点 18点 60% 55% 18点 50% 45% 40% 35% 19点 30% 4点 17点 15点 25% 13点 22% 5点 20% 6点 出所:厚生労働省による診療報酬改定関連記事を参考に作成⑹
ジェネリックである。そもそもジェネリックは対象先発品と有効成分が同じで,有効性・安全性が同 等であれば製造承認が認可されるため,添加物や製法に縛りはなく,正確には先発品とジェネリック は同じものではない。一方,AGはパッケージや名称以外はすべて先発品と同じであるため,医療現 場での信頼は極めて高い。さらに,AGは,医薬品の産業財産権の根幹をなす物質特許や用途特許と いった基本特許を先発系企業が使用許諾することによって,通常のジェネリックよりも先に発売する ことができるケースや,一定期間ではあるが,先発品しか処方することができない効能(用途)が先 に付与されるケースもある。そのため,AGはジェネリック内シェアが一時的に限りなく独占状態と なり,その後も一定程度の先行優位が継続されるケースもあり,近年におけるもっとも有効な競争優 位因子を携えたジェネリックであるといえる(広崎, 2019a)。なお,薬機法上,1つの企業が同一成 分の医薬品の製造販売権を複数保持できないため,AGはジェネリック専従の子会社などの関連企業 が販売するケースが多い。 2.4 垂直統合型企業の現在の実力 2018年度の調剤薬局売上ランクにおいて,業界第2位の日本調剤は2005年に日本ジェネリックを設 立し,さらに2014年に田辺三菱製薬より長生堂製薬を傘下に収めた。医薬品卸であるスズケンと東邦 HDは幾度の保険薬局の買収を経て第5位と第6位にランクインしているが,それぞれ三和化学研究 所(以降,三和化学)とアルフレッサファーマといったジェネリックの取り扱いを中心とする製薬企 業も有している(表3)。換言すると,卸業を起点として,川上方向としてジェネリック取り扱い企 業,川下企業として保険薬局を傘下に収めたことになる(表4)。そして,2018年に第7位のMSNが ダイト⑺とともにフェルゼンファーマを設立したことにより,保険薬局売上げランク上位10社中4社 がジェネリック業界に参入したことになる。さらに,2019年には,スズケンと東邦HDがジェネリッ クビジネスにおいて,共同生産体制の整備,原薬から包装資材に至る材料関係の共同調達,そして製 品流通を含むサプライチェーンの効率化を図ることを目的にTSファーマを設立した⑻。すなわち,本 来の競合が経営効率を視野に入れた協業を始める時期に達したのである。 表3 医薬品卸や保険薬局における垂直統合型ジェネリック企業一覧(2018年度) グループ名 保険薬局 ランク 医薬品卸 ランク ジェネリック企業名 (製薬企業名) 出資比率 特記事項 日本ジェネリック 100% 2005年に設立 長生堂製薬 100% 2014年に田辺三菱製薬より買収 スズケン 5位 3位 三和化学研究所 100% 1953年に設立 アルフレッサファーマ 100% 日本商事が前身 サンノーバ 100% 2016年にエーザイより買収 東邦HD 6位 4位 共創未来ファーマ 100% 2016年に大原薬品から買収した エール薬品が前身 メディカルシステム ネットワーク 7位 ー フェルゼンファーマ 80% 2018年にダイトと設立 日本調剤 2位 ー アルフレッサHD ― 1位 出所:月刊ジェネリック(2019.8)を参考に作成⑼
そして,これら4つの垂直統合型企業のバリューチェーンを比較すると,日本調剤グループは研究 開発,製造,販売,小売をグループ内に有するが,流通部門は医薬品卸に委ねている。医薬品卸系 のスズケングループと東邦HDはバリューチェーンすべてを網羅している。そしてMSNはフェルゼン ファーマの株式の20%を保有するダイトの開発・製造品をおもに取り扱うことによって,ダイトと共 にバリューチェーンすべてを網羅している。ただし,これら企業は多かれ少なかれジェネリック企業 より導入した製品も取り扱っている(後述)。 2.5 ジェネリックの製品名の変遷と他業種のPB名称との共通性 ジェネリックは,かつては各社が固有のブランド名で製品を発売していた。例えば,2003年に発売 された,高脂血症(脂質異常症)治療薬の大型製品であったメバロチン®(一般名:プラバスタチン) のジェネリックの発売時のおもなブランド名は表5の通りであるが,先発品のブランド名,一般名, 効能・効果,対象疾患,販売企業名などを連想させるものが多い。その後,2005年以降に製造承認申 請した製品の名称は,「一般名(有効成分名)+規格(含量)+各企業が有する屋号」(例:グリメピ リド錠1㎎「フェルゼン」,ミルタザピン錠15㎎「共創未来」)で統一されるようになった。このよう な措置が取られたおもな理由は,政府によるジェネリックの処方推進策にある。かつて,医師が発行 した処方箋にブランド名が記載されていた場合,先発品・ジェネリックを問わず,基本的には保険薬 局はその指定されたブランド品しか調剤することができなかった。そのため,同じ有効成分の製品を 多数揃えなければならないケースが発生し,ジェネリックの処方促進の阻害要因になっていた。その 後,診療報酬の改定に伴い,先発品・ジェネリックを問わず,保険薬局がブランドを決定することが 表4 保険薬局チェーンの売上ランクと店舗数(2018年度) ランク 企業名 売上高 (百万円) 前年度比 (%) 店舗数 おもな保険薬局 1 アインホールディングス 245,003 102.7 1,132 アインファーマシーズ、あさひ調剤、葵調剤、 コム・メディカル、ダイチク、西日本ファーマシー 2 日本調剤 208,622 101.7 598 日本調剤 3 クオール 134,148 99.3 766共栄堂、アルファーム、ニチホス、フクシメディカル、 あいファーマシー、セラ・メディック 4 総合メディカル 106,283 96.3 698 総合メディカルファーマシー中部、祥漢堂、 あおば調剤薬局、タイコー堂薬局本店、ヤタヤ薬局 5 スズケン 94,657 95.1 345 ファーコス、 エスマイル 6 東邦ホールディングス 93,222 95.1 773 ファーマみらい、 ベガファーマ、ファーマダイワ、 セイコーメディカルブレーン、 青葉堂 7 メディカルシステム ネットワーク 90,706 104.1 420 なの花、トータル・メディカルサービス、アポス 8 トーカイ 41,817 97.2 127 たんぽぽ薬局 9 ファーマライズ ホールディングス 40,613 94.0 258 新世薬品、ファーマライズ、 テラ・ヘルスプロモーション 10 シップヘルスケア ホールディングス 25,585 99.2 105 シップヘルスケアファーマシー東日本、 グリーンファーマシー 太字がジェネリック企業をグループ内に有する企業 出所:M3.com websiteをベースに作成⑽
できるようになり,ジェネリックの市場シェアは徐々に上昇することとなった。 そして,このジェネリックに付与される屋号であるが,小売店である保険薬局を有する垂直統合型 企業においては,メーカー(製販業者)として,さらには小売店としての固有ブランドにもなるが, この屋号を含むジェネリックの製品名の付け方は,スーパー,コンビニエンスストア(以降,CVS), そしてドラッグストアなどで販売されているPB商品における名称,すなわち「小売店が有する固有 のロゴ(ストアブランド的なロゴ)+機能性や主成分を中心とした一般的な名称」(例:セブンプレ ミアムのロゴ+チーズタッカルビ,トップバリュのロゴ+アーモンドチョコレート,マツモトキヨシ のロゴ+点鼻薬)に似ている。そこで,保険薬局を有する垂直統合型企業がPBジェネリックを取り 扱うことの利点について,他の業種におけるPBに関する先行研究と対比することで顕在化を試みた。
3.PBに関する先行研究
PBは製造業者の役割が比較的限定的で,卸売業者や小売業者などの流通業者が責任を持って開発 を行い,スーパー,CVS,ドラッグストア,百貨店,衣料チェーンなどで展開され,ナショナルブラ ンド(以降,NB)より2~5割安い価格で消費者に提供され,多くの場合で小売企業にとって利益 率が高く,そして柔軟な価格設定ができるというメリットがある(岡山, 2010)。また,NBと比べて, 低価格設定でありながら同水準の品質であることを基本コンセプトとして開発が進められ,かつては 非有力メーカーが生産を受託する傾向にあった。その要因として,非有力メーカーは自らブランドを 構築する資金力に乏しく,さらにブランドの知名度が低いために販売チャネルの確保が困難であった ことがあげられる(大野, 2014)。しかし,近年では消費者のPBに対する意識の変化やPBのプレミア ム化などに伴い,NBメーカーがPB商品の生産を受託するケースが増えている。また,有力か否かは さておき,メーカーがPB商品を供給するメリットとして,新規の供給契約による販路の拡大,返品 なしの全量買取りによる販路の安定確保と販売リスクの回避,営業や販売促進活動が必須でないこと 表5 メバロチン®の発売時のおもな製品名 製品名 (ブランド名) 販売企業(当時) 製品名 (ブランド名) 販売企業(当時) アルセチン 大洋薬品 プロバチン メディサ=沢井 オリピス 日医工ファーマ=日医工 マイスタン 東和薬品 コレリット 扶桑 メバスタン マイラン=協和発酵キリン タツプラミン 辰巳=アイロム=日本ユニバーサル メバトルテ 大正薬品=アルフレッサファーマ プラバスタン 日本薬工=日本ケミファ メバリッチ 日新=科研製薬 プラバチン 沢井 メバリリン ケミックス プラバピーク キョーリンリメディオ メバレクト 東菱 プラバメイト 大原 メバン 日医工 プラバロン ダイト=日医工 リダックM サンノーバ=エルメッドエーザイ プラメバン 日医工ファーマ=日医工 出所:保険薬事典(平成21年6月版)を参考に作成によるマーケティングコストの大幅削減,そして工場稼働率の向上などがあげられる(木立, 2010)。 重富(2015)はPBが進化する過程について,根本(1995)によるPBの発展段階に関する仮説に基 づいて,日本の現在の状況が4つの段階における最終段階にあると指摘している。すなわち,第1 段階(1979年~):低品質・低価格の代替品としてのPBの導入,第2段階(1990年~):NBの模倣に よる品質の向上,第3段階(2007年~2008年):プレミアムPBの本格的導入と成長,そして第4段階 (2009年~):低価格PBの再導入とPBの明確な階層化における第4段階にあると指摘している。
4.垂直統合型企業がPBジェネリックを取り扱う利点
Padberg(1968)は小売企業がPBを導入することによって得られる利点として,①低価格販売の 実現,②商品の安定供給,③利益確保,④多ブランド化による顧客誘引,⑤ストアロイヤルティの向 上(店舗愛顧),そして⑥品質の差別化があると指摘している。岡山(2010)は同様の問いに対して, ①低価格販売の実現,②商品の安定調達,③利益の確保,④小売企業同士の競争における品揃えによ る差別的優位性の確立,⑤ストアロイヤルティ(店舗愛顧)の向上,そして⑥小売時点の情報の商品 企画への反映があると指摘している。本稿では,国内市場における小売企業を俯瞰するという観点か ら,有効成分における市場での普及促進を手掛け,さらに切り替え前の商品でもある対象先発品を NBと定義し,垂直統合型企業のジェネリックビジネスの現状について,岡山(2010)による6つの 利点に基づいて調査分析を行った。 ①低価格販売の実現 保険外治療で用いられる医薬品を例外として,医薬品には薬価と呼ばれる公定価格が設定され,支 払者(通常であれば患者と保険者)への請求はその薬価に基づいて行われる⑾。そして,ジェネリッ クの発売時薬価は対象先発品の40~50%に設定されるため,PBジェネリックに限らず,ジェネリッ クであれば切り替え前の先発品であるNBよりも低価格で販売することができる。ただし,近年のジェ ネリック処方推進策により,一定の割合でジェネリックを処方した場合,処方元の医療機関にも保険 薬局にもインセンティブが付与されるが,それらの保険点数はすべて支払者の負担金から捻出される。 つまり,単純に薬価が下がった分だけ支払い額が減るわけではない。 ②商品の安定調達 医薬品は生命関連商品であるため,厚生労働省が製薬企業に対して安定供給を強く指導している。 そのため,基本的には先発品・ジェネリックを問わず,安定調達への懸念が生じることは非常に少な い。しかし,先発品では原薬をグループ内で製造しているケースが多々あるのに対し,ジェネリック では原薬の大半が外部調達である。また,先発品は専用の製造ラインで継続的に製造されるのに対 し,ジェネリックは連日異なる製品を製造する少量多品種用の製造ラインで不定期に製造されるため,先発品と比べると欠品が起きる可能性は高い⑿。さらに,近年,ジェネリックシェアの急激な上昇に より,多くのジェネリック企業の製造施設はフル稼働しているにもかかわらず,同一製品の次期製造 予定が3か月先であることも珍しくない。そのため,自社で製造している企業ならまだしも,導入側 の企業においては,かりに品薄状態になったとしても即時調達は極めて難しい⒀。したがって,保険 薬局としてはグループ内で原薬調達機能を確保してPBジェネリックを製造することができれば,欠 品の不安はより減ることになる。 また,前述において,元来,実際に開発を実施したジェネリック企業は,製造承認申請に必要な資 料を共同開発企業に提供することはあっても製造権を導出することは極めて少ないと述べたが,日 本調剤グループによる開示資料では他社開発品の製造権を積極的に獲得している点が強調されてい る⒁。つまり,共同開発元は,日本ジェネリックに対しては,永続的な利益提供者ではなく研究開発 費の一部負担者と見なす方向に向かっている。 ③利益の確保 まず,保険薬局における,先発品とジェネリックの取り扱いにおける利益の違いは大きく2つの点 に起因する。すなわち,医薬品卸やジェネリック販社からの納入価と支払者への請求額でもある薬価 との間に生じる差額(薬価差益)と,ジェネリック処方推進策に起因するインセンティブの追加点数 である。発売直後は他社との激しい納入競争もあり,価格次第ではあるが,先発品と比較しても遜色 ない差益が期待できるといわれている。しかし,ひとたび初回の薬価改定が過ぎると,ジェネリック の薬価は大きく下がるケースが多く,高薬価の製品でなければ先発品並みの差益は期待できなくなる。 つまり,現行の薬価制度では,保険薬局は中長期的には先発品を継続的に処方した方が差益による利 益は大きいため,政府はジェネリック処方推進策としてインセンティブを付与しているのである。そ して,多くの保険薬局は,新製品ジェネリックの切り替えをベースに古いジェネリックの切り替えで 調整を図ることで,上昇するインセンティブのハードル値を達成している。なお,近年のジェネリッ クの認知度の向上を鑑みると,保険薬局がジェネリックを取り扱わなければ患者数は減少し,自ずと 売上げも利益も下がることは自明であるため,インセンティブが多少下がったとしても先発品だけで ビジネスを行うことは難しい。 次に,通常のジェネリックとPBジェネリックの利益の違いについて,薬価の維持と販売管理費の 違いの点で比較する。まず,ジェネリックに限らず,医薬品は市場実勢価格が参照され次期薬価が決 まる。つまり,市場で値崩れが起きず薬価が維持されるメーカーの製品は,極端な薬価差益は期待で きないが中長期的に薬価が維持されるため,メーカーの利益は確保され,薬局での差益も少なからず 継続される。逆に,発売当初に積極的に大幅値引きを行うメーカーの製品は,発売当初は大きな差 益が期待できるが薬価が早々に大幅下落するため,メーカーの利益は限りなく少なくなり,薬局で の差益も期待できない。そして,現行の薬価制度において,メーカーと価格決定者の双方がグルー プ内に存在する垂直統合型の企業であれば,グループ内で高値でPBジェネリックを取引することに
よって薬価が維持され,理論上グループ全体として中長期的に利益が確保できることになる。広崎 (2019b)によると,ジェネリック企業によるOD錠や錠剤への製品名印刷(後述)といった付加価値 化や,先発系企業のブランド力などと同様に,垂直統合型のビジネスモデルが薬価維持の視点より, 有効な競争優位因子であることが示唆されている。 通常のジェネリック企業と垂直統合型のジェネリック企業における販売管理費の違いについて論じ る。まず,一般的な内服薬の販売において,ジェネリック企業のMRのおもな訪問先は病医院の医師 ではなく保険薬局の採用権限者である。それは,ジェネリックは既存の先発品市場を切り替えること で売上げが確保されるビジネスであり,現在その切り替え権限は保険薬局にあるためである。そして, 垂直統合型企業のビジネスモデルにおいては,基本的にグループ内のジェネリック企業の製品が優先 的に取り扱われるため,営業職でもあるMRを多く確保する必要がない。すなわち,垂直統合型企業 は最小限の販売管理費で売上げが確保できるため利益率は高くなる。実際に,日本ジェネリックと売 上げが同規模の企業のMRが300名程度であるのに対し,日本ジェネリックは長生堂製薬製品の販売 も含め17名のMRで全国を展開しており,MR一人当たりの生産性は非常に高く,販売管理費比率は 非常に低い(表6)。 一方で,日本ジェネリックの売上げの外販構成比は59.6%で242億円に達し(図1),さらに親会社 である日本調剤は日本ジェネリックの外部売上を増強するとの経営方針を掲げていることから⒂,あ る程度のMR数は必要であると考えられる。それにもかかわらず,極めて少人数のMR体制で販売が できる理由として,小売部門をグループ内に有することによるバイイングパワーが機能している点が あげられる。医薬品卸にとっては日本調剤のような大手保険薬局チェーンは最重要顧客である。さら に,取引卸数が極端に少ない武田薬品グループ⒃などを例外として,医薬品卸各社は限りなくすべて の先発系企業と一次卸として取引を行っているため,保険薬局にとっては代替卸が多数存在する。そ のため,保険薬局はメーカー側からの高額なアロワンスが期待できる新薬や,患者一人当たりの1 か月薬価が数百万円に達するような高薬価新薬といった高利益品の納入卸を容易に変更できる立場 にある。したがって,日本調剤の取引卸は,日本ジェネリックの現場MRがフォローしなくても,日 表6 ジェネリック売上上位企業の販売管理費比率と生産性(2018年度) (百万円) ランク 企業名 売上 販売管理費 販管費率 MR数 生産性 1 沢井製薬 184,341 32,380 17.6% 439 419.9 2 日医工 166,592 22,504 13.5% 299 557.2 3 東和薬品 150,104 32,431 21.6% 752 199.6 参考 日本ジェネリック+長生堂製薬 55,205 4,991 9.0% 17 3247.4 5 三和化学研究所 47,030 16,388 34.8% 321 146.5 6 あすか製薬 46,706 17,107 36.6% 252 185.3 10 日本ジェネリック 40,659 4,991 12.3% 17 2391.7 表1の売上げランクのうち,販売管理費とMR数が公知資料で確認できた企業のみを記載した 出所:著者による作成⒄
本ジェネリックの取り扱い製品の外販活動を積極的に行わざるを得ない状況にある。さらに,ジェ ネリックは先発品と同等であることを保険薬局などに説明し,切り替えることで売上を確保するビジ ネスであるため,ジェネリック企業のMRは先発系企業のMRに求められるような高度な製品知識や 関連疾患に関する周辺知識を必要としない。このことは,ジェネリックは医薬品卸の営業職である MSでも十分な販売活動ができることを意味する。さらにMSは頻繁に保険薬局を訪問するため,切り 替え権限を持つ経営者や薬剤師との絶対的な面談回数も多い。したがって,ジェネリックの販売促進 においては,社内に十分なMRを確保するといった営業戦略も然ることながら,いかに取引卸に推奨 メーカーとして選定されMSの協力が得られるかが重要になるのである。 ④小売企業同士の競争における品揃えによる差別的優位性の確立と⑤ストアロイヤルティ(店舗愛顧) の向上 小売企業同士の競争,すなわち保険薬局グループ間の競争におけるPBの役割についてであるが, まず,ジェネリックは基本的に多数の企業より一斉発売されるため,グループ内でPBジェネリック を有していなくても,保険薬局がジェネリックを確保することは容易である。したがって,単にジェ ネリックを揃えるという意味においては,PBジェネリックの役割は決して大きくはない。一方で, 2017年度における保険薬局の店舗数は59,138軒⒆で,コンビニエンスストアの55,711軒⒇よりも多く 相対的には飽和状態である。例えば,大規模病院の門前や都心部における駅前などでは複数の保険薬 局が軒を連ねる。このように軒を連ねる保険薬局の中から,患者は好きな保険薬局を選択できるた め,激戦区における保険薬局間の競争は非常に熾烈である。また,保険薬局における患者の支払いは, ジェネリックの処方比率や処方箋発行元の占有率の偏りなどによって多少は異なるが,それらはすべ 図1 日本ジェネリックにおける売上構成比(内販・外販)(単位:億円) 出所:日本調剤企業レポート2019⒅ 58 77 92 122 126 133 164 53 154 183 203 241 246 242 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 内部売上 外部売上
て政府が定めた公定価格で設定される。つまり,保険薬局間の競争は価格以外で行われる。そのため, 共通ポイントカードへのポイント付与,クレジットカードなどの使用によるキャッシュレス化,低価 格での簡易血液検査の実施,さらにはカフェの併設など,二次的なサービス面での差別化が重要な役 割を担うことになる。 このような市場環境において,品揃えによる差別的優位性やストアロイヤルティの向上に対する PBジェネリックの役割を以下の通り論じる。まず,日本調剤グループのジェネリック企業2社の製 造販売権数をみると,日本ジェネリックは213製品で第12位,長生堂製薬は160製品で第15位にランク し,合算すると373製品に達し,東和薬品,沢井製薬,日医工,武田テバファーマに次いで業界第 5位に匹敵する(表1)。したがって,取り扱い製品数をさらに増やし,限りなく多くのジェネリッ クを統一ブランドとして販売すれば,品揃えによる差別的優位性が確立される可能性はある。 また,ジェネリックの製品名称は「一般名(有効成分名)+含量+屋号」で構成される。つまり, スーパー,CVS,そしてドラックストアなどの大手小売チェーンのPB商品のように,垂直統合型企 業が運営する保険薬局の店舗名を連想させる統一ブランドでPBジェネリックを揃えることによっ て,ストアロイヤルティが向上する可能性はある。しかし,垂直統合型企業各社が取り扱う製品の屋 号を見ると,ストアブランドが意識される状況にはない。まず,すべての垂直統合型企業は多かれ少 なかれ小分けで製品を導入している。医薬品は,薬機法上,製造販売権の数しかブランド名を持つこ とができないため,小分けによる導入品は導出元の屋号を継続使用する必要がある。つまり,小分け による取り扱い企業数が増える分だけ屋号も増える。実際に垂直統合型メーカーが取り扱うジェネ リックには複数の屋号が混在している(表7)。さらに,例えばフェルゼンファーマが取り扱う自社 屋号は主要店舗である「なの花薬局」に起因するものではなく,メーカー名に起因した「フェルゼ ン」である。同様に日本ジェネリックは「JG」,長生堂製薬は「CH」,三和化学は「三和」,共創未来 ファーマは「共創未来」もしくは「KMP」である。すなわち,これら屋号はメーカー名に起因する ものであって,小売である薬局名を連想させるものではない。一方で,前述の通り,日本ジェネリッ クの外販売上比は59.6%に達し,残る3社も外販を行っている。つまり,これら垂直統合型企業の製 品はグループ内薬局での取り扱いだけでなく外販の拡大を視野に入れているため,保険薬局名を連想 させる屋号によるストアロイヤルティの獲得と外販活動への配慮によるトレードオフの関係を抱えて 表7 垂直統合型企業におけるジェネリックの取り扱い製品数と屋号数 屋号 製品数 比率 屋号 製品数 比率 製品数 比率 日本ジェネリック 347 39 JG 171 49.3% CH 31 8.9% 145 41.8% 三和化学研究所 66 20 三和 30 45.5% 36 54.5% 共創未来ファーマ 76 13 共創未来 7 9.2% KMP 3 3.9% 66* 86.8% フェルゼンファーマ 22 4 フェルゼン 10 45.5% ダイト 4 18.2% 8 36.4% メーカー名 取り扱い 製品数 屋号数 自社系屋号の製品数 その他屋号品 *共創未来ファーマが事業承継した富士フイルムファーマの屋号品(FFP)が26製品含まれる 出所:各社website情報を参照して作成 (2019年10月現在)
いるのである。 ⑥小売時点の情報の商品企画への反映 医薬品は保険外治療薬を例外として,厚生労働省が薬価を収載した日(薬価収載日)が実質的な発 売日である。そして,ジェネリックは,一部のAGを例外として,先発品の独占的販売期間満了後, 年に2回(6月と12月)の薬価収載日に各社より一斉に発売されるため,他社よりも先行して発売す ることができない。さらに,先発品と有効性・安全性が同等であることを前提に製造承認の認可を受 けるため,それらで他社品と差別化することもできない。したがって,ジェネリック間の差別化は, ブランド力や販売力に加え,製剤化技術による付加価値化が重要な要素となる。実際に,一部のジェ ネリックでは,粒状錠,フィルム製剤,さらにゼリー製剤など,先発品にもない製剤的な付加価値や, PPT包装部分に対象疾患名や関連臓器のイラストをつけることなどによって,他社との差別化が施さ れているケースもある(写真1左)。また,国内市場では,欧米では人気の高いカプセル製剤は敬遠 される傾向にあり,錠剤が一般的である。さらに,口腔内崩壊錠(OD錠)は利便性が高く,国内市 場ではOD錠が製剤化において上位に位置し,錠剤,カプセル剤が続くことになる。そのため,カプ セル剤で販売されている先発品に対して,一部のジェネリック企業のみが錠剤化に成功したならば十 分な付加価値化であるといえる。また,一部のジェネリック企業のみがOD錠化に成功したケースも 同様である。なかでも原薬に強い苦みなどがある場合,口腔内で崩壊させるOD錠はその苦みがダイ レクトに舌に伝わるため,マスキングに高度な製剤化技術を要するといわれている(広崎, 2019b)。 このような市場環境ゆえ,顧客である患者や現場薬剤師へのニーズ調査が起点となって付加価値製 剤が発売に至るのであれば,日ごろから患者との接点が多い保険薬局をグループ内に有する垂直統合 型企業はより有利であるといえる。そこで,2000年1月から2018年12月までに発売され,調査時にお いても販売が継続されているすべての内服薬のジェネリックを対象に,保険薬局を有する垂直統合型 企業による付加価値製剤への取り組み状況について調査を行った。延岡(2010)は価値づくりの大き さは競合企業との関係性で決定されると定義しており,本稿での付加価値化の定義としては,顧客や 現場ニーズが起点となり,かつ一部企業のみが携えているものとした。例えば,先発系の持田製薬販 売が販売するピオグリタゾンという糖尿病治療薬のジェネリックは花形の形状をしているが,これは 糖尿病の合併症の一つに網膜症があり,目が不自由な患者が少なからずいることへの配慮によるもの である(写真1中)。また,ニプロファーマが販売するブロチゾラムという睡眠導入剤のジェネリッ クは,先発品や他のジェネリックが販売する最小規格である0.25㎎のさらに半分の量である0.125㎎を ラインナップしている。この薬剤は最小規格(0.25㎎)でも効果が強すぎる患者に対し,医療現場で は薬剤師が半量に分割している。そして,その分割時に誤差(含量不均一性)が生じるといった現場 意見を鑑みて発売に至ったケースである。このように現場ニーズを汲みいれた一部のメーカーのみ が販売する付加価値製剤がある一方で,例えば,近年ジェネリック業界で流行している付加価値化と して,錠剤へのカタカナ表記の製品名印刷がある(写真1右)。この付加価値化は錠剤印刷機を導入
すれば獲得できるものであり,少なくとも患者ニーズに基づいてはいるが独自性があるとはいえな い。このように複数のメーカーが外部資源で調達できる付加価値化はさておき,持田製薬販売のピオ グリタゾンやニプロファーマのブロチゾラムのジェネリックのように,一部のメーカーによる現場 ニーズ情報が起源と思われる付加価値化について,小売部門である保険薬局をグループ内に有する垂 直統合型企業の実施例に関する調査を行ったが該当する付加価値化は一例も見られなかった。
5.考察とまとめ
5.1 垂直統合型企業がPBジェネリックを取り扱う利点について 岡山(2010)を起点とした,垂直統合型企業がPBジェネリックを取り扱うことの利点についての 考察は以下の通りある。まず,「①低価格販売の実現」であるが,PBであるか否かはさておき,ジェ ネリックであれば,切り替え前の先発品と比較して,薬価が安くなる分だけ低価格販売は可能である。 ただし,ジェネリック処方推進のためのインセンティブは支払者の負担になる。「②商品の安定調達」 については,厚生労働省の指導により,基本的には安定調達への懸念が問題になることは少ないが, ジェネリックは同一の製造ラインを使って多数の製品を製造するため,欠品時に導入側企業が即時調 達することは難しい。したがって,日本ジェネリックが過去の業界慣例を覆して,他社開発品の製造 権を獲得し,自社製造を推進している点は評価される(表8)。なお,日本ジェネリックが他社開発 品の製造権を獲得できたのは,多くの製品において代替の共同開発元が少なからず存在するため,日 本ジェネリックからの当該依頼に応じなければ日本調剤グループとのビジネスに参画できない状況に あるからだと考えられる。 「③利益の確保」についてであるが,薬価差益において,先発品をジェネリックに切り替えると中 長期的な利益は期待できなくなるが,調剤することへのインセンティブ,すなわち保険点数の加算に よる間接的な利益は期待できる。ただし,診療報酬の改定によってインセンティブのハードル値が変 化していることを鑑みると,十分なインセンティブが永続的に続く保証はない。次に,ジェネリック 取り扱い企業を比較すると,メーカーと価格決定者の双方がグループ内にある垂直統合型のビジネス モデルは,薬価が維持されやすいだけでなく最小限のMR数で販売活動を行えるため,販売管理費が 写真1 錠剤印刷の具体例(いずれも持田製薬販売によるケース) 出所:持田製薬website抑制されることが示唆された。また,本稿では保険薬局系の垂直統合型企業として日本調剤グループ とMSNグループのケースを調査対象としたが,両社の相違点として流通部門の内部化の有無があげ られる。流通部門を内部化するMSNグループによるビジネスモデルが始まって間もないこともあり, どちらがより有効なモデルであるかの結論には至っていないが,少なくとも大手保険薬局チェーンは 医薬品卸に対してバイイングパワーが効くため,外販を視野に入れるのであれば,流通部門の内部化 にこだわる必要はないと考えられる。 「④小売企業同士の競争における品揃えによる差別的優位性の確立」と「⑤ストアロイヤルティ(店 舗愛顧)の向上」についてであるが,まずグループ内のジェネリック企業が取り扱う製品の数を増や し,それらを同一ブランドの屋号で揃えることによって,近隣の保険薬局との差別的優位性やストア ロイヤルティの向上がもたらされる可能性はあるが,各社の屋号は小売店である保険薬局の名称を 連想させるものではなく,さらに小分けでの取引社数が増える分だけ屋号も増えるため,ストアブラ ンドとしての認知には遠く及ばない。また,自社店舗名を連想させる屋号の付与と外販拡大はトレー ドオフの関係にある。すなわち,外販を実施しさらにその比率を高くすることを視野に入れている点 が,他の業界のPBビジネスと異なる点であるといえる。そして,「⑥小売時点の情報の商品企画への 反映」についてであるが,垂直統合型企業が販売するジェネリックにおいて,顧客である患者や小売 店である保険薬局の現場薬剤師のニーズに則った独自性のある付加価値が伴っているケースは皆無 で,むしろこれら企業はあらゆるコストを削ぎ取り,利益確保に重点をおいた製品戦略を取っていた。 しかし,この戦略は近隣の保険薬局が患者ニーズを追求した付加価値型ジェネリックを積極的にライ ンナップした場合,薬局間競争においてマイナス要因になりかねない。それにもかかわらず,このよ うな戦略を取る理由は,PBジェネリックの大半はジェネリック企業からの導入品であり,コストの かかる付加価値を携えた他社製品を獲得できなかったことも想定されるが,ジェネリックのブランド の選択権が患者ではなく保険薬局にあるため,あえて行う必要がないと判断したことも想定される。 表8 保険薬局を有する垂直統合型企業におけるバリューチェーン グループ名 薬局内 ランク 研究開発 製造 販売 販売形態 屋号 流通 (一次卸) 小売 (保険薬局) 日本ジェネリック 日本ジェネリック 製造販売元 JG 長生堂製薬 長生堂製薬 製造販売元 CH 日本ジェネリック 製造販売元 JG 製造販売元 JG 小分け 各社屋号 三和化学 三和化学 製造販売元 三和 製造販売元 三和 小分け 各社屋号 共創未来ファーマ 共創未来ファーマ 製造販売元 共創未来/KMP 製造販売元 共創未来/KMP /FFP 小分け 各社屋号 ダイト ダイト 製造販売元 フェルゼン 製造販売元 フェルゼン 小分け TCK 東邦HD 6位 共創未来 ファーマ 共創未来 グループ ファーマ未来ほか 他社ジェネリック企業 他社ジェネリック企業 メディカルシステム ネットワーク 7位 フェルゼン ファーマ ジェネックス なの花薬局ほか 辰巳化学 辰巳化学 日本調剤 グループ 2位 医薬品卸各社 日本調剤 スズケン 5位 三和化学 スズケン ファーコスほか 他社ジェネリック企業 日本 ジェネリック 他社ジェネリック企業 他社ジェネリック企業 他社ジェネリック企業 出所:著者による作成
そして,ブランド選択権が小売である保険薬局にあるということは,保険薬局の意向によって,NB である先発品からPBジェネリックに一気に切り替えられることを意味する。すなわち,他の業界に おけるPBビジネスと比較して,PBジェネリックは効率かつ有効的なビジネスであるといえる。また, 以前より,大手スーパーやCVS各社は,PB商品の開発にあたりPOSシステムなどによって得られた 顧客情報を活用しているが,近年では,自社系電子マネーの普及によって,より詳細な顧客情報の活 用が可能になっている(田頭ら, 2019)。このことにより,保険薬局が入手できる顧客情報を改めて考 えると,保険薬局で調剤を受ける患者の大半は健康保険証を持参するため,年齢,性別,住所だけで なく,社会保険であれば本人もしくは扶養者の所属する企業の業種や名称なども把握することができ る。このように大手スーパーやCVS同様に詳細な顧客情報が入手できる状況にあるにもかかわらず, 垂直統合型企業が現場ニーズに即した付加価値化を行わないのは,やはり現行の薬価制度によって製 造コストの限界値が低い点や,ブランド選択権が患者ではなく保険薬局にある点などが要因であると 考えられる。 5.2 PBジェネリックの今後の方向性とまとめ まず,岡山(2010),根本(1995),重富(2015)など,PBに関する多くの先行研究によると,PB 商品が市場で認知され,さらに店舗自体のブランド力や信頼が高まるにつれ,PBは単なるNBの模倣 品というポジションを超えてプレミアム化される傾向にあると指摘している。そして,PBジェネリッ クの現状を重富(2015)によるPBの発展段階に照らし合わせると,第3段階である「プレミアムPB の本格的導入と成長」の前段階,すなわち第2段階の「NBの模倣による品質の向上」の時期であると 考えられる。なぜなら,そもそもPBへの切り替え権限が顧客である患者にない点に加え,現行の薬 価制度では付加価値化への製造コストの限界値が低く,さらに取り扱い製品の屋号を統一ブランドに することが難しいため,PBとしてのプレミアム化の方向に進むことが非常に難しいからである。 また,他の業界においては,PBが消費者に認知されるにしたがってNBメーカーがPB商品の製造 を行うケースが多々あるが,PBジェネリックにおけるその可能性については以下の通り推察する。 近年,先発品企業は,自社の子会社や関連会社を通じてAGを発売し高シェアを獲得している。しか し,そのAGであっても,垂直統合型企業の保険薬局はグループ内企業のPBジェネリックの採用を優 先するため,汎用疾患に関する効能の違いなどの競争優位因子がなければ,これら保険薬局での採用 は極めて難しい。したがって,垂直統合型企業に対して,内販のみを対象にAGの発売を許諾する可 能性は否定できない。ただし,大野(2010)は,NBメーカーが特定流通企業向けの小売ブランドを 生産することによって競合流通企業の反発を招く恐れがあると指摘しており,これら要因がAGの販 売許諾への障壁になることは容易に想定される。 最後に,本稿は垂直統合型企業のジェネリックをPBジェネリックと位置づけし,PBビジネスに関 する先行研究を参考に,その特徴や取り扱うことの利点について調査分析を行ったが,当該企業が外 販を積極的に行っている点など,他の業界でのPBビジネスとの違いが少なからずあることが判明し
た。一方で,ブランド選択権が,顧客である患者ではなく小売である保険薬局にあるため,PBジェ ネリックはより効率かつ有効的なPBビジネスであることが示唆されたことは,非常に興味深い結果 であったと考える。 《注》 ⑴ 日本ジェネリック製薬協会発表資料『平成30年度(30年4月~31年3月)のジェネリック医薬品の数量シェ ア分析結果』による。 https://www.jga.gr.jp/library/pdf/media/share_11962718354.pdf(2019/11/30) ⑵ 当該資料において,ニプロと扶桑薬品の売上げはそれぞれ4,263億9,900万円と460億7,400万円であったが, これら売上げの多くは,ニプロはおもに医療材料で扶桑薬品はおもに透析関連製品であるためランクから除 外した。また,表1に記載されている一部企業においては,先発品の製造販売権数と売上げが計上されている と思われる。 ⑶ アズクルー編集(2019)「ジェネリック医薬品企業・製造販売企業ランキング」『月刊ジェネリック(2019.8)』 pp.20−28.による。 ⑷ ジェネリックにおける共同開発は,1社が研究開発・製造を行い,他の企業は製品供給を受けて自社ブラ ンドで販売する立場であるため,他の業界におけるOEMに近い。 ⑸ かつてはすべての医薬品を分母としてジェネリックの数量シェアが算出されていたが(旧指標),2013年度 以降はジェネリックが発売された先発品を意味する長期収載品とジェネリックのみを分母として算出するよ うになったためである(新指標)。つまり,新指標においては,ジェネリック使用推進策はジェネリックが発 売されていない新薬の使用を阻害するものではないことが強調されたといえる。 ⑹ 厚生労働省website「診療報酬改定」を参考に作成した。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106602.html(2018/8/10) ⑺ ダイトwebsite「会社概要」によると,ダイトは販売部門を持たず,ジェネリックの研究開発,販売,そし て原薬製造・輸入を主たる業務としている企業である。http://www.daitonet.co.jp/company/#(2018/11/25) ⑻ 東邦HD・スズケンによるPR(2019/4/1)「東邦ホールディングス株式会社と株式会社スズケンによる後発 医薬品の合弁会社設立のお知らせ」による。https://www.tohohd.co.jp/assets/data/190401.pdf ⑼ アズクルー編集(2019)「ジェネリック供給相関図」『月刊ジェネリック(2019.8)』をベースに,各社 websiteを参考に作成した。 ⑽ M3.com website「薬キャリ職場ナビ/調剤薬局売上高ランキング(2019年版)」を参考に作成した。 https://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/129(2019/12/1) ⑾ 薬価は,発売時に初回薬価が設定されたあと,西暦偶数年の4月に実施される薬価改定時において,市場 実勢価に基づいて基本的に下落する。つまり,有効性や安全性といった製品としてのポテンシャルが高くて も下落していくため,日本の薬価制度に対する,外資系企業やそれら企業の加盟団体からの反発は根強い。 ⑿ 日本ジェネリック製薬協会によると,2018年度における製品供給に関するお知らせ報告は,9社より18成 分において21件発生している。https://www.jga.gr.jp/medical/supply.html(2019/10/11) ⒀ 医薬品は製品単位で製造承認を受けた施設でしか製造することはできない。したがって,承認を受けた施 設でGMP違反が見つかったり,天災で稼働できなくなったり,フル稼働によって当該製品が製造できなくなっ ても,安易に製造所を移管することはできない。 ⒁ 日本調剤株式会社企業レポート 2019「医薬品販売事業」p37.による。 ⒂ 日本調剤株式会社企業レポート 2019「医薬品販売事業」p37.による。 ⒃ 4大医薬品卸(アルフレッサHD,メディセオ,スズケン,東邦HD)のうち,武田薬品グループはアルフレッ サHDとメディセオのみと直接の取引を行い,スズケンと東邦HDとは2次卸の関係である。 ⒄ アズクルー編集(2019)「ジェネリック医薬品企業・製造販売企業ランキング」『月刊ジェネリック(2019.8)』 pp.20−28.,ミクス増刊号(2019)「2019年製薬企業MR数」『医薬品ランキング(2019年度版)』pp.72−73.,そ して各社の決算報告資料を参考に作成した。東和薬品の売上げは,内部資料では10,5104百万円となっていたが, 月刊ジェネリックの掲載額を採用した。日医工は他社への導出品が多いため,自社販売における販管費率や
生産性は本数値よりもかなり低いと思われる。また,三和化学研究所は先発品と血糖測定器,あすか製薬は 先発品を取り扱っているため,ジェネリック専従企業よりもMR数が多い傾向にある。 ⒅ 日本調剤株式会社企業レポート 2019「事業ポートフォリオ」p5.による。 ⒆ 厚生労働省資料による。https://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/indexyk_2_4.html(2019/11/1) ⒇ 日本フランチャイズ協会資料による。https://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html(2019/10/1) 武田テバファーマの前身企業は大洋薬品で,かつては日医工,沢井製薬,東和薬品と並んでジェネリックトッ プ4に位置していた。 アズクルー編集(2019)「ジェネリック医薬品企業・製造販売企業ランキング」『月刊ジェネリック(2019.8)』 を参考に集計を行った。 日本調剤は他の保険薬局を買収した際に各店舗を日本調剤の名称に統一させるが,MSNを含む多くのチェー ン保険薬局は買収前の薬局名を継続させたり,徐々に変更している。 ニプロファーマ「ブロチゾラム「NP」インタビューフォーム,開発の経緯」p.1.による。 参考文献 アズクルー編集(2011)「「オーソライズド・ジェネリック」は新たな価値か,ただの戦術か」『月刊ジェネリッ ク(2011.10)』pp.13−17。 大野尚弘(2010)『PB戦略その構造とダイナミクス』千倉書房。 大野尚弘(2014)「有力メーカーによる小売ブランド生産の必要性と受託動機」『金沢学院大学紀要「経営・経 済・情報科学・自然科学編」』12,pp.23−34。 岡山武史(2010)「小売業におけるPB戦略とストアロイヤルティ」『商経学叢』57(1),pp.239−258。 落合康(2011)「患者視点の製剤研究とライフサイクルマネジメント」『ファルマシア』47(1),pp.42−45。 神田修子,丸山明ら(2013)「錠剤印刷技術の進化(後編)」『PHARM TECH』29(10),pp.49−52。 北村雅弘,山原弘ら(2013)「錠剤印刷技術の進化(前編)」『PHARM TECH』29(9),pp.50−53。 木立直尚(2010)「日本における」PBの展開方向と食品メーカーの対応課題『食品企業財務動向調査報告書』食 品需給研究センター』pp.1−1。 小池博文(2016)「病院薬剤部におけるオーソライズドジェネリックの考え方」『Pharm Stage』16(9),pp.19− 24。 櫻井秀彦,伊東佳美ら(2011)「保険薬局における後発医薬品への変更に対する患者意識調査」『医薬品情報学』 12(4),pp.2−10。 佐島進,櫻井秀彦ら(2017)「保険薬局における患者視点での医療サービスの評価と次回利用意向への影響要因 に関する実証研究」『医薬品情報学』18(4),pp.251−260。 重富貴子(2015)「日本におけるPBの展開状況とPBに対する消費者意識・態度の変化」『流通情報』514,pp.19−3. 下野由貴(2013)「サプライチェーンにおける企業間協働の包括的レビュー」『オイコノミカ』50(1),pp.39−67。 田頭素行,友池和浩ら(2019)「商品開発・管理研究」『商品開発・管理学会』16,pp.22−45。 田口冬樹(2009)「小売企業のPB商品開発の現状と課題」『専修経営研究年報』34,pp.1−24。 田村正紀(2001)『流通原理』千倉書房。 高橋嘉輝(2016)「ジェネリック医薬品の高付加価値製剤開発の取組み」メディカルジャパン製薬セミナー資料。 徳永雄二(2016)「ジェネリック視点からの製剤開発」『ファルマシア』52(5),pp.417−421。 中秋博秋(2011)「医薬品のライフサイクルマネジメントについて」『ファルマシア』47(1),pp.11−16。 長井紀章(2012)「チェーン薬局に所属する薬剤師の意識とジェネリック医薬品普及に関する調査研究」『医療 薬学』38(2),pp.111−117。 中島賢治,野間寿子ら(2011)「医薬品のライフサイクルマネジメントにおける付加価値型ジェネリック製剤の 現状」『ファルマシア』47(1),pp.26−30。 並木徳之(2011)「医療が求める次世代ライフサイクルマネジメント製剤」『ァルマシア』47(1),pp.37−41。 日本経済新聞社(2009)『PB「格安・高品質」競争の最前線』日本経済新聞社。 日本ジェネリック製薬協会(2017)『ジェネリック医薬品パーフェクトBOOK』南山堂。 根本重之(1995)『プライベート・ブランド:NBとPBの競争戦略』中央経済社。
延岡健太郎(2006)『MOT[技術経営]入門』日本経済新聞出版社。 延岡健太郎(2010)「オープン・イノベーションの陥穽」『研究 技術 計画』25(1),pp.68−77。 原好男,松田健ら(2014)「口腔内崩壊錠に対応した錠剤印字装置の開発」『製剤機械技術学会誌』23(4), pp.313−317。 広崎心(2019a)「先発医薬品企業における低価格帯戦略 ―オーソラズドジェネリックのインパクトとそのポジ ショニングについて―」『産業学会研究年報』34,pp.69−89。 広崎心(2019b)「変革期における製薬企業の競争優位の構築に関する研究 ―ジェネリック医薬品業界での事例 を中心として―」日本経済大学。 広崎心,赤瀬朋秀(2016)『付加価値後発品におけるアライアンスの実体調査について』日本創造学会第38回研 究発表大会講演・論文集。 宮田由紀夫(1997)『共同研究開発と産業政策』勁草書房。 山田真幸(2016)「調剤薬局におけるオーソライズドジェネリック採用判断基準」『Pharm Stage』16(9),pp.9− 14。 渡辺俊典(2011)「ライフサイクルマネジメントにおける製剤戦略」『ファルマシア』47(1),pp.17−20。